JP2006307129A - 撥油性組成物および撥油膜 - Google Patents

撥油性組成物および撥油膜 Download PDF

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Abstract

【課題】 撥油性に優れ、高温のオイルに長時間晒されても基材との密着性が低下せず、撥油持久性に優れる撥油膜を得ることができる撥油性組成物、および撥油性およびその持久性に優れる撥油膜を提供する。
【解決手段】 ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a2)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3−1)または(メタ)アクリル酸(a3−2)に基づく重合単位を有する共重合体(A)と、溶媒とを含有する撥油性組成物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、撥油性組成物および撥油膜に関する。
電子機器等におけるモータの流体軸受部のオイルの滲み出しを防止するためのオイルシール剤として、含フッ素重合体を含む撥油剤が用いられている。たとえば、マイクロプロセッサ用の冷却ファンモータ、光ディスク回転装置、コンピュータハードディスク等における流体軸受部には、軸受に潤滑剤として充填されたオイルの滲み出しを防止するために、軸受またはスリーブの端面に含フッ素共重合体を含む撥油剤からなる撥油膜が設けられている(たとえば、特許文献1参照。)。また、撥油性を有する含フッ素共重合体として、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体も知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
しかし、流体軸受部のオイルは、モータ部からの発熱により温度が上昇するため、撥油膜が高温のオイルに晒され、撥油膜中にオイルが浸透することがある。そのため、撥油膜が膨潤する、撥油膜と軸受またはスリーブとの密着性が低下する等により、撥油膜の撥油性が低下し、オイル滲み出し防止の機能が損なわれる問題がある。
基材への密着性に優れた含フッ素樹脂組成物としては、含フッ素環構造を有する含フッ素樹脂と、極性を有する官能基を備え、かつフッ素系溶剤に可溶な含フッ素化合物とを含む組成物が提案されている(特許文献3参照。)。しかし、該含フッ素環構造を有する含フッ素樹脂は、環構造中にエーテル結合を有し、非結晶であるため、表面極性が充分に発現されず、撥油性が不充分であり、オイルを充分にはじかないおそれがある。
また、撥油剤としては、ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートに基づく重合単位を有する重合体を含有する組成物が知られている(たとえば、特許文献4。
)。しかし、該組成物は、オイルシール剤として初期の撥油性は優れるものの、撥油持久性に劣る問題がある。
さらに、通常のオイルシール剤は、無色透明で膜の視認が困難なため、オイルシール剤の塗布状態を評価できず、安定した品質を確保することが難しい問題がある。この問題に対し、90℃から150℃の加熱で気化することを特徴とする色素を混ぜ、加熱前に検査するという技術が提案されている(特許文献5参照)。
しかし、特許文献5の場合、加熱後は気化することで着色度合いが低下し、オイルシール剤の塗布状態を視認することができず、加熱中に脱落、剥離した場合、撥油膜の最終的な状態を評価するのは困難である。また、オイルシール剤が塗られていない部品が混入した場合、選別ができない問題もある。
特開2000−297818号公報 特開昭63−238111号公報 特開2004−115622号公報 特開2000−160148号公報 特開2004−211851号公報
本発明の目的は、撥油性に優れ、高温のオイルに長時間晒されても基材との密着性が低下せず、撥油持久性に優れる撥油膜を得ることができる撥油性組成物、および撥油性およびその持久性に優れる撥油膜を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、視認性に優れる撥油膜を得ることができる撥油性組成物、および視認性に優れる撥油膜を提供することにある。
本発明の撥油性組成物は、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a2)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3−1)または(メタ)アクリル酸(a3−2)に基づく重合単位を有する共重合体(A)と、溶媒とを含有することを特徴とする。
前記共重合体(A)は、さらにアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a4)に基づく重合単位を有していてもよい。
前記共重合体(A)における(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち70〜98質量%であることが好ましい。
前記撥油性組成物は、さらに1種以上の色素を含むことが好ましい。
前記色素は、蛍光色素であることが好ましい。
本発明の撥油膜は、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a2)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3−1)または(メタ)アクリル酸(a3−2)に基づく重合単位を有する共重合体(A)を含むことを特徴とする。
前記共重合体(A)は、さらにアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a4)に基づく重合単位を有していてもよい。
前記共重合体(A)における(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち70〜98質量%であることが好ましい。
前記撥油膜は、さらに1種以上の色素を含むことが好ましい。
前記色素は、蛍光色素であることが好ましい。
本発明の撥油性組成物によれば、撥油性に優れ、高温のオイルに長時間晒されても基材との密着性が低下せず、撥油持久性に優れる撥油膜を得ることができる。
本発明の撥油膜は、撥油性およびその持久性に優れ、視認性に優れる。
(共重合体(A))
共重合体(A)は、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、a1と記す。)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(以下、a2と記す。)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(以下、a3−1と記す。)または(メタ)アクリル酸(以下、a3−2と記す。)に基づく重合単位を含有する。本発明における「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
a1としては、下式〔1〕で表される化合物が好ましい。ただし、Rf はポリフルオロアルキル基、Qは2価有機基、Rは水素原子またはメチル基を示す。
Figure 2006307129
f は、水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたアルキル基が好ましい。Rf の炭素原子数は2〜20が好ましく、4〜16がより好ましい。Rf は、直鎖構造でも分岐構造でもよく、直鎖構造がより好ましい。分岐構造の場合には、分岐部分がRf の末端部分に存在し、かつ炭素原子数が1〜4程度の短鎖が好ましい。Rf には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が含まれてもよい。Rf の末端部分の構造としては、CF3 CF2 −、(CF32 CF−、CF2 H−、CFH2 −等が挙げられ、CF3 CF2 −が好ましい。
f におけるフッ素原子の数は、[(Rf 中のフッ素原子数)/(Rf と同一炭素原子数のアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合に、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、100%が最も好ましい。100%の場合のRf をペルフルオロアルキル基(以下、RF 基とも記す。)という。
F 基の炭素原子数は、2〜20が好ましく、4〜16がより好ましい。RF 基の炭素原子数が該範囲であると、a1の重合性、重合後の溶液安定性がよく、撥油性組成物の初期撥油性と撥油持久性に優れる。
f の具体例としては、以下の基(構造異性の基を含む。)等が挙げられる。
49 −:F(CF24 −、(CF32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2 (CF3 )CF−等。
511−:F(CF25 −等。
613−:F(CF26 −等。
715−:F(CF27 −、(CF32 CF(CF24 −等。
817−:F(CF28 −等。
919−:F(CF29 −、(CF32 CF(CF26 −等。
1021−:F(CF210−等。
1225−:F(CF212−等。
1327−:(CF32 CF(CF28 −等。
1429−:F(CF214−等。
1633−:F(CF216−等。
f が、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を有する場合の具体例としては、以下の基が挙げられる。ただし、kは1〜5の整数を示す。
F(CF2k OCF(CF3 )−、
F(CF2 CF2 O)k CF2 CF2 −、
F(CF2 CF2 CF2 O)k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 O]k CF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]k CF(CF3 )CF2 CF2 −、
F(CF2k SCF(CF3 )−、
F(CF2 CF2 S)k CF2 CF2 −、
F(CF2 CF2 CF2 S)k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 S]k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 S]k CF(CF3 )CF2 CF2 −等。
f としては、直鎖状のRF 基がより好ましく、具体的には、F(CF24 −、F(CF25 −、F(CF26 −、F(CF27 −、F(CF28 −、F(CF29 −、F(CF210−、F(CF211−、F(CF212−が特に好ましい。
Qとしては、以下の基が挙げられる。ただし、Ra は水素原子またはアルキル基を示し、pおよびqはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。
−(CH2p+q −、
−(CH2p CONRa (CH2q −、
−(CH2p OCONRa (CH2q −、
−(CH2p SO2 NRa (CH2q −、
−(CH2p NHCONH(CH2q −、
−(CH2p CH(OH)(CH2q −、
−(CH2p CH(OCORa )(CH2q −等。
Qとしては、−(CH2p+q −、−(CH2p CONRa (CH2q −または−(CH2p SO2 NRa (CH2q −(pは0または1以上の整数、qは2以上の整数を示し、p+qは2〜6である。)がより好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基またはヘキサメチレン基が最も好ましい。
a1としては、以下の化合物が好ましい。ただし、Rは水素原子またはメチル基を示す。
F(CF24 CH2 OCOCR=CH2 〔1−1〕、
F(CF25 CH2 OCOCR=CH2 〔1−2〕、
H(CF24 CH2 OCOCR=CH2 〔1−3〕、
H(CF26 CH2 OCOCR=CH2 〔1−4〕、
H(CF28 CH2 OCOCR=CH2 〔1−5〕、
H(CF210CH2 OCOCR=CH2 〔1−6〕、
H(CF28 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−7〕、
F(CF24 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−8〕、
F(CF26 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−9〕、
F(CF28 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−10〕、
F(CF29 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−11〕、
F(CF210CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−12〕、
F(CF212CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−13〕、
F(CF214CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−14〕、
F(CF216CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−15〕、
F(CF28 (CH23 OCOCR=CH2 〔1−16〕、
F(CF28 (CH24 OCOCR=CH2 〔1−17〕、
(CF32 CF(CF24 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−18〕、
(CF32 CF(CF26 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−19〕、
(CF32 CF(CF28 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−20〕、
(CF32 CF(CF25 (CH23 OCOCR=CH2 〔1−21〕、
(CF32 CF(CF25 CH2 CH(OH)CH2 OCOCR=CH2 〔1−22〕、
(CF32 CF(CF27 CH2 CH(OH)CH2 OCOCR=CH2 〔1−23〕、
(CF32 CF(CF25 CH2 CH(OCOCH3 )OCOCR=CH2 〔1−24〕、
F(CF28 SO2 N(CH3 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−25〕、 F(CF28 SO2 N(C25 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−26〕、
F(CF28 SO2 N(C37 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−27〕、
F(CF28 CONHCH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−28〕。
a1としては、〔1−1〕〜〔1−28〕のうち、〔1−3〕〜〔1−15〕がより好ましく、〔1−8〕〜〔1−13〕が最も好ましい。
a2は、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとブロック化剤とを反応させて得られる化合物である。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、1,3,3−トリメチル−4−イソシアネートシクロヘキシルメチルアミドオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ブロック化剤としては、2−ブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ε−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、フェノール、メタノール、ジエチルマロネート、重亜硫酸塩、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、インダゾール等が挙げられる。これらブロック化剤のうち、安定性に優れ、反応性に優れることから、2−ブタノンオキシム、アセト酢酸エチル、ジエチルマロネート、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールがより好ましく、2−ブタノンオキシム、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールが最も好ましい。
a3−1としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
a2と、a3−1またはa3−2(以下、a3−1とa3−2とをまとめてa3とも記す。)とを用いることによって、a1の(メタ)アクリレートと、a2またはa3の(メタ)アクリレートとが共重合して共重合体(A)の高分子量化が進む。また、撥油膜を形成する際に、a2のイソシアネート基とa3−1の水酸基またはa3−2のカルボン酸基とが反応してウレタン結合を形成し、3次元架橋体が形成される。このような高分子量の共重合体(A)を用い、かつ3次元架橋体となった撥油膜は、高温のオイルに浸漬されても膨潤、剥離することなく良好な撥油持久性を発揮する。
共重合体(A)は、さらにアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、a4と記す。)に基づく重合単位を有していてもよい。a1のRF 基の炭素原子数が8を超える場合は、a4に基づく重合単位を有することが好ましい。
a4としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、3−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ベンゾイル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソブルニル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらa4のうち、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートが好ましい。
分子量200以下のa4を用いることによって、a1の(メタ)アクリレートと、a4の(メタ)アクリレートとが共重合して共重合体(A)の高分子量化が進む。さらに、a4に基づく重合単位のアルキル基によって、a1に基づく重合単位のRF 基の結晶性が抑えられ、撥油性組成物中における共重合体(A)の析出が抑えられ、撥油性組成物が均一な溶液となり、保存安定性が向上する。さらに、a4に基づく重合単位を有することにより、撥油性組成物の造膜性が良好となり、均一な撥油膜を得ることができる。また、分子量200以上のa4を用いることによって、撥油膜の結晶性が上がり、後退接触角等の動的濡れ性が向上し、オイルが転がりやすくなり、オイルの封じ込みを強化できる。
共重合体(A)は、a1、a2、a3、a4以外の重合性単量体(以下、a5と記す)に基づく重合単位を有していてもよい。a5に基づく重合単位を有すると、基材との密着性に優れる。a5としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアルキルエステル、N−置換アミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコールビス(メタ)アクリレート等が挙げられる。
共重合体(A)において、a1に基づく重合単位、a2に基づく重合単位、a3に基づく重合単位、a4に基づく重合単位は、それぞれ1種でもよく、2種以上でもよい。a1に基づく重合単位を2種以上含む場合、各a1のRf の炭素原子数は、異なることが好ましい。また、Rf の炭素原子数が異なるa1に基づく重合単位を2種以上含む場合、a1のRf の炭素原子数は、平均値として表す。
共重合体(A)におけるa1に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち、70〜98質量%が好ましく、80〜98質量%がより好ましく、85〜98質量%が最も好ましい。a1に基づく重合単位が該範囲であると、撥油膜の撥油性に優れる。
共重合体(A)におけるa2に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が最も好ましい。
共重合体(A)におけるa3に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、1〜5質量%が最も好ましい。
a2に基づく重合単位およびa3に基づく重合単位が該範囲であると、得られる撥油膜の撥油性を維持したまま、3次元架橋体が充分に形成され、かつ密着性が充分に発現され、結果、撥油持久性に優れる。
共重合体(A)におけるa4に基づく重合単位の割合は、20質量%以下が好ましい。
ただし、a1のRF 基の炭素原子数が8を超える場合、共重合体(A)におけるa4に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち、0.5〜20質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1.5〜15質量%が最も好ましい。a4が該範囲であると、撥油性組成物の保存安定性および造膜性に優れる。
共重合体(A)におけるa5に基づく重合単位の割合は、全重合単位(100質量%)のうち、10質量%以下が好ましい。
(溶媒)
溶媒としては、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン、含フッ素アルコール等が挙げられる。
ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、以下の化合物が挙げられる。
CH3 CCl2 F、
CHCl2 CF2 CF3
CHClFCF2 CClF2 等。
ハイドロフルオロカーボンとしては、以下の化合物が挙げられる。
CF3 CF2 CF2 CHF2
CF3 CF2 CF2 CH2 F、
CF3 CF2 CH2 CF3
CHF2 CF2 CF2 CHF2
CHF2 CH2 CF2 CF3
CF3 CHFCH2 CF3
CF3 CH2 CF2 CHF2
CHF2 CHFCF2 CHF2
CF3 CHFCF2 CH3
CHF2 CHFCHFCHF2
CF3 CH2 CF2 CH3
CF3 CF2 CH2 CH3
CHF2 CH2 CF2 CH3
CHF2 CF2 CF2 CF2 CF3
CF3 CF2 CF2 CHFCF3
CHF2 CF2 CF2 CF2 CHF2
CF3 CHFCHFCF2 CF3
CF3 CHFCF2 CH2 CF3
CF3 CF(CF3 )CH2 CHF2
CF3 CH(CF3 )CH2 CF3
CF3 CH2 CF2 CH2 CF3
CHF2 CHFCF2 CHFCHF2
CHF2 CF2 CF2 CHFCH3
CF3 CH2 CH2 CH2 CF3
CHF2 CH2 CF2 CH2 CHF2
CF3 (CF24 CHF2
CF3 (CF24 CH2 F、
CF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CF3
CHF2 CF2 CF2 CF2 CF2 CHF2
CF3 CH(CF3 )CHFCF2 CF3
CF3 CF2 CH2 CH(CF3 )CF3
CF3 CH2 CF2 CF2 CH2 CF3
CF3 CF2 CH2 CH2 CF2 CF3
CF3 CF2 CF2 CF2 CH2 CH3
CF3 CH(CF3 )CH2 CH2 CF3
CHF2 CF2 CH2 CH2 CF2 CHF2
CF3 CF2 CF2 CH2 CH2 CH3 等。
含フッ素アルコールとしては、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−(ペンタフルオロブチル)エタノール、2−(ペルフルオロエキシシル)エタノール、2−(ペルフルオロヘキシル)エタノール、2−(ペルフルオロオクチル)エタノール、2−(ペルフルオロデシル)エタノール、2−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフルオロ−1−プロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ−1−ヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロ−1−ノナノール、2H−ヘキサフルオロ−2−2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ−2−ブタノール等が挙げられる。
ハイドロブロモカーボンとしては、以下の化合物が挙げられる。
CH2 Br2
CH2 BrCH2 CH3
CH3 CHBrCH3
CH2 BrCHBrCH3 等。
ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキレン基、および、アルキル基またはアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基またはアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
分離型ハイドロフルオロエーテルとしては、以下の化合物が挙げられる。
CF3 CF2 CF2 OCH3
(CF32 CFOCH3
CF3 CF2 CF2 OCH2 CH3
CF3 CF2 CF2 CF2 OCH3
(CF32 CFCF2 OCH3
(CF33 COCH3
CF3 CF2 CF2 CF2 OCH2 CH3
(CF3 )CFCF2 OCH2 CH3
(CF33 COCH2 CH3
CF3 CF(OCH3 )CF(CF32
CF3 CF(OCH2 CH3 )CF(CF32
511OCH2 CH3
CF3 CF2 CF2 CF(OCH2 CH3 )CF(CF32
CH3 O(CF24 OCH3
CH3 OCF2 CF2 OCH2 CH3
37 OCF(CF3 )CF2 OCH3
F(CF2n OCH3 (nは6〜10である。)等。
非分離型ハイドロフルオロエーテルとしては、以下の化合物が挙げられる。
CHF2 OCF2 OCHF2
CH2 FCF2 OCHF2
CF3 CF2 CF2 OCH2 F、
CF3 CF2 OCH2 CHF2
CHF2 CF2 OCH2 CF3
CHF2 CF2 CH2 OCF3
CF3 CF2 CH2 OCHF2
CHF2 CF2 OCH2 CHF2
CF3 CH2 OCF2 CH2 F、
CF3 CH2 OCF2 CHF2
CHF2 CF2 CF2 OCH3
CHF2 CF2 CH2 OCH3
CF3 CF2 CF2 OCH2 CF3
CF3 CF2 CH2 OCF2 CF3
CF3 CF2 CF2 OCH2 CHF2
CF3 CF2 CH2 OCF2 CHF2
CHF2 CF2 CH2 OCF2 CF3
CHF2 CF2 CH2 OCF2 CHF2
CF3 CHFCF2 CH2 OCF3
CF3 CHFCF2 CH2 OCHF2
CF3 CF2 CF2 CH2 OCH3
(CF32 CHCF2 OCH3
CF3 CF2 CF2 OCH2 CF2 CF3
CF3 CF2 CF2 OCH2 CF2 CHF2
CF3 CF2 CF2 CF2 OCF2 CHF2
CF3 (CF25 OCHF2
CHF2 OCF2 CF2 OCHF2
CHF2 OCF2 OCF2 CF2 OCHF2
CHF2 OCF2 OCF2 OCF2 OCHF2 等。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げられる。
エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
窒素化合物としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
無機溶剤としては液体二酸化炭素等が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、りんご酸、乳酸等が挙げられる。
溶媒としては、溶解性の点から、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボンが好ましく、CH3 CCl2 F、CHCl2 CF2 CF3 、CHClFCF2 CClF2 、CH2 FCF2 OCHF2 、CF3 CF2 CF2 OCH2 F、CF3 CF2 OCH2 CHF2 、CHF2 CF2 OCH2 CF3 、CHF2 CF2 CH2 OCF3 、CF3 CF2 CH2 OCHF2 、CHF2 CF2 OCH2 CHF2 、CF3 CH2 OCF2 CH2 F、CF3 CH2 OCF2 CHF2 、CHF2 CF2 CF2 OCH3 、CF3 (CF24 CHF2 、CF3 (CF24 CH2 F、CF3 (CF25 OCH3 がより好ましい。該溶媒であると、重合体の溶解性と溶液状での保存安定性に優れる。
溶媒は、単独でも2種以上の混合溶媒でもよい。
(撥油性組成物)
本発明の撥油性組成物は、共重合体(A)と溶媒とを含有する組成物である。
撥油性組成物における共重合体(A)の含有量は、撥油性組成物(100質量%)中、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。該範囲であると、撥油性と撥油持久力性に優れる。
撥油性組成物における溶媒の含有量は、撥油性組成物(100質量%)中、80〜99.9質量%が好ましく、90〜99.9質量%がより好ましい。該範囲であると、撥油性組成物の保存安定性に優れ、1度の塗工で撥油膜を形成できる。
本発明の撥油性組成物には、撥油膜の基材への密着性を上げるために、シランカップリング剤、プライマー等を、撥油膜の撥油性および撥油性組成物の保存安定性を損なわない程度に添加してもよい。
本発明の撥油性組成物には、撥油膜の撥油性および撥油持久性を上げるために、ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートに基づく重合単位を含まない含フッ素重合体を添加してもよい。該含フッ素重合体としては、特開昭63−238111号公報に記載された主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、ペルフルオロポリエーテル、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
(色素)
本発明の撥油性組成物には、染料、顔料等の色素を添加することが好ましい。色素を混合すると撥油膜の存在有無が見やすくなり、視認性に優れる。
色素を添加する場合、撥油性組成物に直接添加してもよいし、撥油性組成物に溶けない場合は撥油性組成物および色素に相溶する溶媒に色素を混ぜた後、添加してもよい。
色素は基材と異なる色を発色する吸光度の高いものが好ましく、基材が黒色の場合でも紫外線を当てて発光し、撥油膜を視認できる蛍光色素がより好ましい。蛍光色素は、その色素の蛍光極大波長である光線を当てるとより強い発光が得られ、撥油膜を視認しやすい。また、撥油性組成物を加熱した後も識別できる色素が好ましく、撥油性組成物の加熱硬化温度でも色が残りやすい色素がより好ましく、80℃以上で加熱しても残りやすい色素が最も好ましい。
色素としては、クマリン、スチルベン、チオフェン、キサンテン、ナフタロイド、ピラリゾン、オキサゾール、ナフタルイミド、インディコ、アクリジン等が挙げられ、耐熱性からスチルベン、キサンテン、ナフタロイドが好ましい。色素は2種以上を混ぜ合わせてもよい。
色素の添加量は、撥油膜(100質量%)において0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。0.1質量%以上では撥油膜の発色に優れ、撥油膜を視認することができる。また、30質量%以下では色素が撥油膜から析出せず、層分離しない。
(撥油膜)
本発明の撥油膜は、前記共重合体(A)を含む膜である。
本発明の撥油膜は、たとえば、本発明の撥油性組成物を基材に塗布し、溶媒を完全に蒸発させて形成される。塗布方法としては、スプレー、ディップ、刷毛塗り、ポッティング、スピン等が挙げられる。
基材としては、樹脂、金属、繊維等が挙げられる。基材には、コロナ処理、UVオゾン処理等の前処理、プライマー処理等を施してもよい。該処理により、撥油膜と基材との密着が向上する。
本発明の撥油膜は、撥油性組成物が架橋して形成される膜であり、架橋により基板との密着性が向上する。撥油性組成物を架橋する方法としては、加熱硬化、UV照射による光硬化、電磁波照射または電子線照射による電子線硬化等が挙げられる。これらのうち、設備投資が少なく、有害光線が発生しない加熱硬化が好ましい。加熱硬化の温度は、官能基の硬化、基材との化学結合、アンカー結合を促進させるため、高温が好ましく、基材が耐えうる温度まで加熱することが好ましい。加熱の温度は、100〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。加熱時間は、30分間以上が好ましい。該温度および該時間範囲であると、撥油膜が良好に硬化し、撥油性に優れる撥油膜が得られる。
本発明の撥油膜においては、共重合体(A)のイソシアネート基と水酸基またはカルボン酸基とが反応し、共重合体(A)が高分子量化していると考えられる。また、撥油膜は、イソシアネート基と水酸基またはカルボン酸基とのウレタン結合(架橋構造)が存在することにより、オイルに対する溶解性が低くなると考えられる。さらに、多量に存在するRf 基により撥油性に優れることから、100℃以上のオイルに長時間晒されても、分解、溶解せず、かつ基材との密着性に優れ、初期の撥油性を大きく損なうことなく長時間持久できる。
本発明について、具体例(実施例:例1〜7、比較例:例8〜10)を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
撥油性の評価は、以下に示す方法によって行った。
(初期撥油性)
試験板に約1μLのn−ヘキサデカンを滴下し、その接触角を測定した。n−ヘキサデカンの接触角によりオイルシール性能を評価した。接触角50度以上でオイルシール性有り、50度未満でオイルシール性無しと判定した。
(撥油持久性)
試験板を、120℃のn−ヘキサデカン中に40時間浸漬し、引き上げた後エアーガンを用いて乾燥し、前記と同様にしてn−ヘキサデカンの接触角を測定した。
(接触角)
接触角の測定は、協和界面科学CA−Aを用い、25℃の条件下、液滴法で行った。
[例1]
50mLのガラス製フラスコに、ペルフルオロヘキシルエチルアクリレート[F(CF26 CH2 CH2 OCOCH=CH2 ](以下、C6FAと記す。)の5.7g、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネート基がブロック化された2−イソシアネートエチルメタクリレート(以下、ISと記す。)の0.12g、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート[CH2 =CH(CH3 )COOCH2610CH2 OH](以下、CMと記す。)の0.09g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(以下、AB1と記す。)の0.09gおよびHCF2 CF2 OCH2 CF3 (以下、溶媒Yと記す。)の13.5gを入れた。
フラスコ内部のガスを窒素ガスで置換した後、密閉し、フラスコ内を撹拌しながら、60℃の湯浴中で15時間保持し、共重合体を含む透明な溶液を得た。1μ濾紙を用いて、得られた溶液から固形不純物を濾別し、得られた濾液を溶媒Yにて希釈して共重合体の濃度が2質量%の撥油液とした。
洗浄済みのSUS板に、得られた撥油液をスピンコート法にて、500rpmの条件で20秒間塗布し、120℃にて60分間加熱処理して撥油膜を有する試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例2]
C6FAの5.77g、ISの0.15g、AB1の0.07g、溶媒Yの14gを用い、CMの0.09gの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート[CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 OH](以下、2HEMAと記す。)の0.08gを用いた以外は、例1と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例3]
C6FAの5.7gの代わりにペルフルオロヘキシルエチルメタクリレート(以下C6FMA)5.92gを用いた以外は、例2と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例4]
50mLのガラス製フラスコに、ペルフルオロアルキルエチルアクリレート[F(CF2n CH2 CH2 OCOCH=CH2 ](nが6〜16の混合物であり、n8以上が80質量%以上であり、nの平均値は9である。以下、CmFAと記す。)の5.9g、ISの0.09g、2HEMAの0.05g、エチルアクリレート[CH2 =CHCOOC25 ](以下EAと記す。)の0.29g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、AB2と記す。)の0.12g、および溶媒Yの13.6gを入れた。
フラスコ内部のガスを窒素ガスで置換した後、密閉し、フラスコ内を撹拌しながら、60℃の湯浴中で15時間保持し、共重合体を含む透明な溶液を得た後、例1と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例5]
CmFAの5.6g、ISの0.09g、2HEMAの0.05g、溶媒Yの13.6gを用い、EAの0.29gの代わりにシクロヘキシルアクリレート(以下、CHAと記す。)の0.12gを用いた以外は、例4と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例6]
CmFAの5.6g、ISの0.09g、2HEMAの0.05g、EAの0.29gを用い、AB2の代わりにAB1の0.09gを用い、溶媒Yの代わりにCF3 (CF24 CHF2 の13.6gを用い、60℃の湯浴の代わりに70℃の湯浴を用いる以外は、例4と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例7]
メチルエチルケトンの99.75gに対しスチルベン系色素の0.25gを添加し、均一な溶液になるまで撹拌し溶液Dを得た。トリフロロエタノールの99.5gに対しキサンテン系色素の0.5gを添加し、均一な溶液になるまで撹拌し溶液Eを得た。
例1の共重合体溶液(2質量%)の100gに対し、溶液Dの10g、溶液Eの20gを添加し、均一な状態になるまで撹拌した。この溶液を用い、例4と同様にして試験板を得た。該試験板は例1に比べ、撥油膜の部分がピンク色に着色しており、さらに365nmの光線を当てると撥油膜の部分が発光し、撥油膜を視認することができた。
[例8]
50mLのガラス製フラスコに、C6FAの6g、AB1の0.09g、溶媒Yの14gを入れた。フラスコの内部のガスを窒素ガスで置換した後、密閉し、フラスコ内を撹拌しながら、60℃の湯浴中で20時間保持し、共重合体を含む透明な溶液を得た後、例1と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例9]
50mLのガラス製フラスコに、CmFAの6g、AB2の0.09g、溶媒Yの14gを入れた。フラスコの内部のガスを窒素ガスで置換した後、密閉し、フラスコ内を撹拌しながら、60℃の湯浴中で20時間保持し、共重合体を含む透明な溶液を得た後、例1と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
[例10]
耐圧ガラス製のオートクレーブに、CF2 =CFOCF2 CF2 CF=CF2 (以下、CYと記す。)の100g、連鎖移動剤としてCH3 OHの0.5gおよび重合開始剤として((CH32 CHOC(O)O)2 の0.7gを入れて密閉した。オートクレーブ内を40℃に22時間保持して重合反応を行い重合体を得た。得られた重合体の固有粘度は、30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.2dL/gであった。
得られた重合体を熱風循環式オーブン中で、大気雰囲気下にて300℃で1時間加熱処理し、さらに超純水中に110℃で1週間浸漬し、ついで100℃で24時間、真空乾燥させて重合体Gを得た。
重合体GをIRスペクトルで分析した結果、カルボキシル基に帰属されるピークが確認された。また重合体Gは、ガラス転移点が108℃であり、25℃においてタフで透明なガラス状であり、光線透過率は95%以上であった。また重合体Gの10%熱分解温度は、465℃であった。重合体Gの2gをペルフルオロオクタンの99gに溶解した溶液を得た後、例1と同様にして試験板を得た。該試験板について、初期撥油性および撥油持久性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006307129
本発明の撥油性組成物は、オイルシール剤としての用途に利用できる。また、本発明の撥油性組成物は、撥油性とともに撥水性に優れるため、防汚膜等の各種保護膜等に利用でき、繊維の撥水撥油膜、インクジェットノズルの防汚膜、半導体の防水防湿膜、半導体ウェハーの保護膜等に利用できる。

Claims (10)

  1. ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a2)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3−1)または(メタ)アクリル酸(a3−2)に基づく重合単位を有する共重合体(A)と、
    溶媒と
    を含有する撥油性組成物。
  2. 前記共重合体(A)が、さらにアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a4)に基づく重合単位を有する、請求項1に記載の撥油性組成物。
  3. 前記共重合体(A)における(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位の割合が、全重合単位(100質量%)のうち70〜98質量%である、請求項1または2に記載の撥油性組成物。
  4. 前記撥油性組成物が、さらに1種以上の色素を含む、請求項1、2または3に記載の撥油性組成物。
  5. 前記色素が、蛍光色素である、請求項4に記載の撥油性組成物。
  6. ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位、ブロック化されたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a2)に基づく重合単位、および、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a3−1)または(メタ)アクリル酸(a3−2)に基づく重合単位を有する共重合体(A)を含む撥油膜。
  7. 前記共重合体(A)が、さらにアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a4)に基づく重合単位を有する、請求項6記載の撥油膜。
  8. 前記共重合体(A)が、共重合体(A)における(メタ)アクリレート(a1)に基づく重合単位の割合が、全重合単位(100質量%)のうち70〜98質量%である、請求項6または7に記載の撥油膜。
  9. 前記撥油膜が、さらに1種以上の色素を含む、請求項6、7または8に記載の撥油膜。
  10. 前記色素が、蛍光色素である、請求項9に記載の撥油膜。
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