JP5205735B2 - 撥油性組成物および該撥油性組成物からなる膜を有する物品 - Google Patents
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Description
また、特許文献4の場合、加熱により色素が気化するため着色度合いが低下し、オイルシール剤の塗布状態を視認できず、オイルシール剤が塗布されていない部品が混入した場合に選別ができない問題がある。
本発明における色素(A)は極性基を有するものである。
色素(A)は極性基を有し親水性であるため、疎水性であるオイルまたは拭き取り用溶剤への溶解性が低い。したがって、オイルまたは拭き取り用溶剤への溶出が抑えられる。
なお、拭き取り用溶剤としては、一般的に油脂、皮脂等を溶解しやすいアルコール類、ケトン類、脂肪族炭化水素類が用いられる。具体例としてはエタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン等が挙げられる。
本発明における含フッ素重合体(B)は上記色素(A)が有する極性基と結合できるまたは親和力のある官能基を有し、かつ、撥油性を有する。
したがって、含フッ素重合体(B)が「撥油性を有する」とは、該含フッ素重合体(B)からなる膜において、ノルマルヘキサデカンの接触角が50度以上であることをいう。
本発明における「ポリフルオロアルキル基」とは、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が含まれてもよいアルキル基の、水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基を意味する。
また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの一方または両方を含む概念である。
モノマー(b1)を含むモノマーを用いて形成された含フッ素重合体(B)は耐久撥油性に優れ、例えば高温オイル中に長時間晒されるという過酷な条件下でも撥油性が低下し難い。
なお下式〔1〕における「Rf−Q−」において、フッ素原子と結合している炭素原子は全てRfに含まれるものとし、残りの炭素原子のうちQに含まれる炭素原子が最大となるように「Rf」および「Q」を決めるものとする。
例えば「Rf−Q−」が「CF2 H−CH2 −CH(OH)−CH2−」である場合、「Rf」は「CF2 H−」であり「−Q−」は「−CH2 −CH(OH)−CH2−」であるものとする。
C4 F9 −:F(CF2 )4 −、(CF3 )2 CFCF2 −、(CF3 )3 C−、CF3 CF2 (CF3 )CF−等。
C5 F11−:F(CF2 )5 −等。
C6 F13−:F(CF2 )6 −等。
C7 F15−:F(CF2 )7 −、(CF3 )2 CF(CF2 )4 −等。
C8 F17−:F(CF2 )8 −等。
C9 F19−:F(CF2 )9 −、(CF3 )2 CF(CF2 )6 −等。
C10F21−:F(CF2 )10−等。
C12F25−:F(CF2 )12−等。
C13F27−:(CF3 )2 CF(CF2 )8 −等。
C14F29−:F(CF2 )14−等。
C16F33−:F(CF2 )16−等。
F(CF2 )k OCF(CF3 )−、
F(CF2 CF2 O)k CF2 CF2 −、
F(CF2 CF2 CF2 O)k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 O]k CF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]k CF(CF3 )CF2 CF2 −、
F(CF2 )k SCF(CF3 )−、
F(CF2 CF2 S)k CF2 CF2 −、
F(CF2 CF2 CF2 S)k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 S]k CF2 CF2 −、
F[CF(CF3 )CF2 S]k CF(CF3 )CF2 CF2 −等。
−(CH2 )p+q −、
−(CH2 )p CONRa (CH2 )q −、
−(CH2 )p OCONRa (CH2 )q −、
−(CH2 )p SO2 NRa (CH2 )q −、
−(CH2 )p NHCONH(CH2 )q −、
−(CH2 )p CH(OH)(CH2 )q −、
−(CH2 )p CH(OCORa )(CH2 )q −等。
これらのうちで、−(CH2 )p+q −、−(CH2 )p CONRa (CH2 )q −または−(CH2 )p SO2 NRa (CH2 )q −(pは0または1以上の整数、qは2以上の整数を示し、p+qは2〜6である。)がより好ましく、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基またはヘキサメチレン基が最も好ましい。
F(CF2 )4 CH2 OCOCR=CH2 〔1−1〕、
F(CF2 )5 CH2 OCOCR=CH2 〔1−2〕、
H(CF2 )4 CH2 OCOCR=CH2 〔1−3〕、
H(CF2 )6 CH2 OCOCR=CH2 〔1−4〕、
H(CF2 )8 CH2 OCOCR=CH2 〔1−5〕、
H(CF2 )10CH2 OCOCR=CH2 〔1−6〕、
H(CF2 )8 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−7〕、
F(CF2 )4 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−8〕、
F(CF2 )6 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−9〕、
F(CF2 )8 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−10〕、
F(CF2 )9 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−11〕、
F(CF2 )10CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−12〕、
F(CF2 )12CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−13〕、
F(CF2 )14CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−14〕、
F(CF2 )16CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−15〕、
F(CF2 )8 (CH2 )3 OCOCR=CH2 〔1−16〕、
F(CF2 )8 (CH2 )4 OCOCR=CH2 〔1−17〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )4 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−18〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )6 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−19〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )8 CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−20〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )5 (CH2 )3 OCOCR=CH2 〔1−21〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )5 CH2 CH(OH)CH2 OCOCR=CH2 〔1−22〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )7 CH2 CH(OH)CH2 OCOCR=CH2 〔1−23〕、
(CF3 )2 CF(CF2 )5 CH2 CH(OCOCH3 )OCOCR=CH2 〔1−24〕、
F(CF2 )8 SO2 N(CH3 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−25〕、 F(CF2 )8 SO2 N(C2 H5 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−26〕、
F(CF2 )8 SO2 N(C3 H7 )CH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−27〕、
F(CF2 )8 CONHCH2 CH2 OCOCR=CH2 〔1−28〕。
ペルフルオロ(メタ)アクリレートとしては、〔1−1〕〜〔1−28〕のうち、〔1−3〕〜〔1−15〕がより好ましく、〔1−8〕〜〔1−13〕が最も好ましい。
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマーまたはその酸無水物(無水マレイン酸、無水イコタン酸等);
ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ブチルアミノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアミノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアミノプロパン(メタ)アクリレート、N,N―ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N-イソプロピルアクリルアミド等の(N−置換)、(N,N−置換)アミド系モノマー;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;
N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;
2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;
N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー等が挙げられる。
これらの中で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、アクリロニトリル、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル、N−ブチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルが最も好ましい。
前記イソシアネート基のブロック化に用いられるブロック化剤としては、2−ブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ε−カプロラクタム、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、フェノール、メタノール、ジエチルマロネート、重亜硫酸塩、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、インダゾール等が挙げられる。これらブロック化剤のうち、安定性に優れ、反応性に優れることから、2−ブタノンオキシム、アセト酢酸エチル、ジエチルマロネート、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールがより好ましく、2−ブタノンオキシム、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールが最も好ましい。
かかるモノマー(b5)の具体例としては、テトラフロルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンオキシド、ペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニデリン、フッ化ビニル、ペルフルオロジメチルジオキソール、ペルフルオロアルケニルビニルエーテル等。これらのうちペルフルオロアルケニルビニルエーテルが好ましい。
かかる他の含フッ素重合体(B’)の例としては、ペルフルオロポリエーテル、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ペルフルオロ(メタ)アクリレートのホモポリマー等が挙げられる。該他の含フッ素重合体(B’)を含有させると、撥油膜の撥油性が向上し、撥油性の持続性が向上する。
また撥油性組成物に含フッ素重合体(B)と他の含フッ素重合体(B’)の両方を含有させる場合は、撥油性組成物の100質量%に対して、(B)と(B’)の合計が0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。(B)と(B’)の合計を100質量%に対して、含フッ素重合体(B’)の占める割合は1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
含フッ素溶媒(C)としては、ハロゲン化合物が挙げられる。
該ハロゲン化合物としては、(C1)ペルフルオロカーボン、(C2)ハロゲン化炭化水素、(C3)ハロゲン化エーテル等が好ましく挙げられる。
ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、CH3CCl2F、CHCl2CF2CF3、CHClFCF2CClF2等が挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してペルフルオロアルキル基またはペルフルオロアルキレン基、および、アルキル基またはアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基またはアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
本発明における色素(A)は含フッ素溶媒(C)に不溶であることが多いため、色素(A)を溶解し、かつ、含フッ素溶媒(C)との相溶性を有する色素補助溶剤(D)を用いる。そして、まず色素(A)を色素補助溶剤(D)に溶解し、それを含フッ素溶媒(C)と混合すると色素が均一に分散されやすく好ましい。
本発明において「色素を溶解する溶剤」とは、色素を該溶剤に濃度0.5質量%で溶解した際に均一な溶液となり、析出、沈殿、層分離が発生しない状態をいう。また、「色素が不溶である溶剤」とは、色素を該溶剤に0.5質量%で溶解しようとした際に析出、沈殿、層分離等が発生し、均一な溶液とならない状態をいう。
また本発明において、「含フッ素溶媒(C)と相溶性のある色素補助溶剤(D)」とは、含フッ素溶媒(C)100質量部に対し該色素補助溶剤(D)を5質量部以上混ぜたときに、濁ったり相分離したりすることなく均一な状態になるものを意味する。
具体的には、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−(ペンタフルオロブチル)エタノール、2−(ペルフルオロエキシシル)エタノール、2−(ペルフルオロヘキシル)エタノール、2−(ペルフルオロオクチル)エタノール、2−(ペルフルオロデシル)エタノール、2−(ペルフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフルオロ−1−プロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ−1−ヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロ−1−ノナノール、2H−ヘキサフルオロ−2−2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ−2−ブタノール等が好ましく挙げられ、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−(ペンタフルオロブチル)エタノール、が好ましく、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、がより好ましい。該フッ素系アルコールであると色素溶解性に優れ、保存安定性に優れる。
本発明の撥油性組成物は、色素(A)、含フッ素重合体(B)、含フッ素溶媒(C)および色素補助溶剤(D)を含む。該撥油性組成物には、シランカップリング剤、プライマー等の機能性添加剤が含まれてもよい。該機能性添加剤を含むことにより、撥油膜の基材への密着性が向上し、撥油膜の撥油性が向上し、撥油性組成物の保存安定性が向上する。
本発明の撥油性組成物を用いて撥油膜を形成できる。
本発明における撥油膜は、撥油性組成物を基材に塗布し、溶媒を蒸発させて形成される。塗布方法としては、スプレー、ディップ、刷毛塗り、ポッティング、スピン等が挙げられる。
また、スプレー缶のような携帯型の塗装剤またはインクに撥油性組成物を混ぜて、基板に塗布してもよい。
撥油膜の膜厚は1μm以下が好ましい。該範囲であると装置の精度を損なわない。
撥油膜中の色素を視認する方法としては、直接目視で確認する方法、特定波長の光線を照射して蛍光させて確認する方法が挙げられる。蛍光させて確認する方法は基材の色を問わない点で好ましい。
かかる効果が得られる理由としては、極性基を含む色素(A)と、それと結合または親和する官能基を有する含フッ素重合体(B)を組み合わせて用いることで、色素(A)と含フッ素重合体(B)とが、イオン結合、水素結合、分子間力による結合、共有結合および/または配位結合等を形成し、これによってオイルおよび溶剤に対して高い堅牢度が得られるとともに、高温に加熱されても膜中の色素が拡散しにくくなると考えられる。
更にイオン結合、水素結合、分子間力による結合、共有結合、配位結合等が生じることによって、このような結合が無い場合に比べて、より着色や蛍光が強くなり、視認性が向上する効果も得られる。
本発明の物品は、前記撥油性組成物を用いて形成された膜を有する。
具体的には、基材上に前記撥油性組成物からなる膜が形成された物品である。本発明の撥油性組成物からなる膜は、視認性と撥油性を必要とするオイルシール膜として好適であるほか、表面エネルギーが低いため、撥油膜だけでなく、撥水、防湿、防水、防汚、離型、表面改質、潤滑、防霧、防錆、耐食等の機能を有する膜として利用できる。
基材の材質としては、単繊維、複合繊維、布地、カーペット等の繊維織物、毛皮等の皮革製品、紙、木、プラスチック、ガラス、金属、金属酸化物、石綿、レンガ、セメント等の窯業製品、石材等が挙げられる。
基材には、コロナ処理、UVオゾン処理等の前処理、プライマー処理等を施してもよい。該処理により、撥油膜と基材との密着性が向上する。
軸受けのオイルシール;半導体基板またはウェハー等の半導体の工程内製品の防湿、防汚、耐食;顕微鏡レンズの防汚、防湿;鏡の防汚;ディスプレイ画面の防汚;露光マスクやフォトマスクの防汚、防湿、離型;眼鏡レンズの防汚、防湿;カメラ用レンズの防汚、防湿;窓材等の光学部品の防汚、耐食、防湿;カメラまたは携帯電話等の差圧調整用フィルターの防汚、撥油;掃除機用のエアフィルター濾材の防汚;車載用通気性フィルター等の通気性フィルターの撥油、防汚;ロールベルト、プリンターロール、回転ローラー、モーターファン等回転部品の潤滑、防汚、撥油、防水;マイクロリアクター流路、スライド式バブル装置、モールド等のデバイスの防汚、防水、離型、表面改質;レンジフード、ガスコンロ、ガスレンジ油飛散防止シート等のキッチン周り用品の防汚、撥油、防水;排ガスフィルターの撥油、防汚;リード線の防湿、防錆;ベアリング、歯車の撥油、防汚;塗工ヘッドのノズルの防汚、撥油、防水;筆記用具用部材の防汚、撥油;カーペットの撥水撥油、防汚;フィラメントの防錆、防水;衣料品の撥水撥油;ショーウィンドウの防汚、撥油;インクジェット用紙の撥油;化粧品の表面改質;インクジェットノズルの防汚、撥油;金属プレートの防汚、撥油;食用包装材封止材の撥水撥油;インジケーターの防汚;燃料電池用分離膜の撥油、防汚;絶縁スペーサーの撥油;フィルムグローブの防汚、防水;燃料タンクの防汚、撥油;墓石または石碑等の石材の防汚、撥水撥油;壁材、建築材料、木材、タイル等の防汚、撥水撥油。
洗浄済みのSUS板に、撥油液をスピンコート法にて、500rpmの条件で20秒間塗布し、120℃にて60分間加熱処理して試験板を得た。
試験板に約1μLのn−ヘキサデカンを滴下し、その接触角を測定することにより初期撥油性を評価した。接触角50度以上でオイルシール性を発現する程度の初期撥油性と判定できる。
以下の例ではオイルとしてn−ヘキサデカンを用いた。
試験板をn−ヘキサデカンに70℃で1時間浸漬した後、上記と同様に試験板に約1μLのn−ヘキサデカンを滴下し、その接触角を測定し50度以上でオイルシール性を発現する程度の撥油性と判断した。
[接触角]
接触角の測定は、協和界面科学社製(商品名:CA−A)を用い、25℃の条件下、液滴法で行った。
撥油剤未塗布の基板と試験板を並べ、蛍光灯下または波長365nmの紫外線照射による蛍光発色によって、撥油膜の有無が肉眼で容易に確認できるか判断した。
[オイル浸漬後の視認性]
試験板をn−ヘキサデカンに70℃で1時間浸漬した後、上記と同様にして未塗布の基板と比較して撥油膜の有無が容易に確認できるか判断した。
不織布ワイピングクロスであるクリーンワイパー(製品名、クラレ社製)にイソプロピルアルコールを浸み込ませ、100gの加重で試験板を10往復摩耗する条件で拭き取りを行った。蛍光灯下または波長356nmの紫外線照射による蛍光発色によって初期視認性が「可」であった場合について、拭き取り前後の膜の見え方を観察し、拭き取りによる色落ちの有無を評価した。
以下に述べるような方法で極性基を含まない含フッ素重合体を得た。
50mLのガラス製フラスコに、含フッ素重合体(B)の原料としてペルフルオロヘキシルエチルアクリレート[F(CF2)6CH2CH2OCOCH=CH2]の5.77g、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネート基がブロック化された2−イソシアネートエチルメタクリレートの0.09g、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート[CH2=CH(CH3)COOCH2C6H10CH2OH]の0.07gを入れ、含フッ素溶媒(C)としてHCF2CF2OCH2CF3(以下、溶媒Yと記す。)の14.0gを入れ、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)の0.12gを入れた。
フラスコ内部のガスを窒素ガスで置換した後、密閉し、フラスコ内を撹拌しながら、60℃の湯浴中で15時間保持し、共重合体を含む透明な溶液を得た。1μ濾紙を用いて、得られた溶液から固形不純物を濾別し、得られた濾液を溶媒Yにて希釈して共重合体の濃度が0.5質量%の撥油溶液Eを得た。
以下に述べるような方法で極性基を含む含フッ素重合体を得た。
50mLのガラス製フラスコに、含フッ素重合体(B)の原料としてペルフルオロヘキシルエチルアクリレートの5.65g、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネート基がブロック化された2−イソシアネートエチルメタクリレートの0.09g、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレートの0.7g、アクリル酸0.09gを用いた以外は調整例1と同様にして0.5質量%の撥油溶液Hを得た。
以下に述べるような方法で極性基を含む含フッ素重合体を得た。
50mLのガラス製フラスコに、含フッ素重合体(B)の原料としてペルフルオロヘキシルエチルメタアクリレートの5.65g、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネート基がブロック化された2−イソシアネートエチルメタクリレートの0.09g、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレートの0.7g、アクリル酸0.09gを用いた以外は調整例1と同様にして0.5質量%の撥油溶液Kを得た。
以下に述べるような方法で極性基を含む含フッ素重合体を得た。
50mLのガラス製フラスコに、含フッ素重合体(B)の原料としてペルフルオロヘキシルエチルメタアクリレートの5.65g、3,5−ジメチルピラゾールでイソシアネート基がブロック化された2−イソシアネートエチルメタクリレートの0.09g、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレートの0.7g、ジメチルアミノエチルメタアクリレート0.12gを用いた以外は調整例1と同様にして0.5質量%の撥油溶液Tを得た。
色素(A)としてローダミンBの0.5gをトリフルオロエタノールの99.5gで溶解し均一なピンク色の色素溶液Fを得た。
[調製例6:色素溶液N]
色素(A)としてベンゾイミダール系蛍光増白剤の0.5gをトリフルオロエタノール99.5gで溶解し均一な色素溶液Nを得た。
[調製例7:色素溶液U]
色素(A)としてスチルベン系蛍光増白剤の0.5gをトリフルオロエタノール99.5gで溶解し均一な色素溶液Uを得た。
撥油液Eを用いて撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。その結果を下記表1に示す(以下、同様。)。なお、本例では初期視認性が不可であったため、拭き取り溶剤に対する耐性は評価しなかった。
[例2]
撥油液Eの10gに色素溶液Nの0.5gを添加した後撹拌し、均一な溶液Gを得た。これを用いて、例1と同様にして撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。
撥油液Hの10gに色素溶液Fの0.5gを添加した後撹拌し、均一な溶液Iを得た。これを用いて、例1と同様にして撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。
[例4]
撥油液Hの10gに色素溶液Nの0.25gを添加した後撹拌し、均一な溶液Pを得た。これを用いて、例1と同様にして撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。
[例5]
撥油液Kの10gに色素溶液Nの0.25gを添加した後撹拌し、均一な溶液Sを得た。これを用いて、例1と同様にして撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。
[例6]
撥油液Tの10gに色素溶液Uの0.25gを添加した後撹拌し、均一な溶液Vを得た。これを用いて、例1と同様にして撥油膜を有する試験板を作成し、撥油性、視認性および拭き取り溶剤に対する耐性を評価した。
Claims (3)
- −OH、−NR 1 R 4 および−SO 3 R 3 (ただし、R 1 、R 4 は同じでも異なってもよく、−H、−CH 3 または−C 2 H 5 を示す。R 3 は−Hまたは−Naを示す。)からなる群から選ばれる1種以上の基を有する色素(A)、
カルボン酸基、カルボニル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、ジメチルアミド基、シリル基およびエポキシ基からなる群から選ばれる1種以上の基を有し、かつ、撥油性を有する含フッ素重合体(B)、
ペルフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボンおよびハイドロフルオロエーテルからなる群から選ばれる1種以上の含フッ素溶媒(C)、ならびに
前記色素(A)を溶解し、かつ、前記含フッ素溶媒(C)100質量部に対し5質量部以上混ぜたときに均一になるフッ素系アルコールからなる色素補助溶剤(D)を含むことを特徴とする撥油性組成物。 - 前記含フッ素重合体(B)がポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートに基づく繰り返し単位を有する請求項1に記載の撥油性組成物。
- 請求項1または2に記載の撥油性組成物を用いて形成された膜を有する物品。
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