JP2006306823A - 毛髪の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 毛髪の改質効果の持続性が良好であり、安全性にも優れた毛髪の処理方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、水および毛髪内部を補修する作用を有する成分が配合されている毛髪内部補修剤を、毛髪に塗布する工程(A)と、上記工程(A)の後に実施され、少なくとも、メチルハイドロジェンポリシロキサン、特定構造を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、および酸が配合されている非水系の下処理剤を、上記毛髪に塗布する工程(B)と、上記工程(B)の後に実施され、少なくとも、アミノ変性シリコーンが配合されている毛髪改質剤を、上記毛髪に塗布する工程(C)を有することを特徴とする毛髪の処理方法である。

Description

本発明は、毛髪の処理方法に関するものである。
従来から、毛髪の柔軟性や櫛通りの良さを改善する目的で、ヘアリンスやヘアトリートメントと称されるものが適用されている。一般的なヘアリンスやヘアトリートメントには、柔軟性や櫛通りの良さを高める成分として、カチオン性界面活性剤が主剤として用いられている。そして、これら一般的なヘアリンスやヘアトリートメントには、毛髪表面の保護、光沢の付与、櫛通り性の更なる向上のために、油脂類、高級アルコール類、シリコーン油類、多価アルコールなども配合されている。
しかし、最近では、パーマネントウェーブやヘアダイの普及によって、毛髪自体の損傷が大きくなっており、一般のヘアリンスやヘアトリートメントでは、毛髪の諸性質の改善が殆ど期待できなくなっている。こうした事情の下、メチルハイドロジェンポリシロキサン(メチル水素ポリシロキサン)を用いて毛髪を処理する技術が提案されている(特許文献1)。
このメチルハイドロジェンポリシロキサンは、親水性を有する粉体に対し、その表面を疎水化することで疎水性・耐水性を与え得る作用を有しており、例えば、このような粉体を化粧品に配合した際に、該粉体同士の凝集を防止することに利用されている。特許文献1の技術では、メチルハイドロジェンポリシロキサンが、毛髪中のOH基やSH基などと結合し得る共に、ヘアトリートメントとも結合し得る点に着目し、ヘアトリートメント使用前の前処理剤にこのメチルハイドロジェンポリシロキサンを含有させて、毛髪の柔軟性や指通り性を向上させている。
また、乾燥後の毛髪に柔らかさやしっとり感を付与できる成分であるアミノ変性シリコーンをヘアリンスやヘアトリートメントに配合することも知られている。例えば、特許文献2には、アミノ変性シリコーンを低粘度のシリコーンと一定の比率で組み合わせ、さらにカチオン性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、高級アルコールを含有する毛髪処理剤組成物が開示されている。
更に、ヘアリンスやヘアトリートメントなどによる毛髪の改質効果の持続性を向上させる技術として、特定構造のアミノ変性シリコーンを含有する第1剤と、特定構造のメチルハイドロジェンポリシロキサンを含有する非水系の第2剤と、特定構造のアミノ変性シリコーンを含有する第3剤を適用する毛髪の処理方法が提案されている(特許文献3)。
特開2003−81784号公報 特開2004−10581号公報 特開2001−226236号公報
従来のヘアリンスやヘアトリートメントでは、処理後の毛髪を洗浄(洗髪)することで、その改質効果が失われてしまうため、通常は、毛髪を洗浄する度に処理する必要があった。しかし、最近のヘアリンスやヘアトリートメントには、毛髪の洗浄をある程度繰り返しても、毛髪の改質効果が持続するような特性が求められている。上記特許文献1〜2の技術では、毛髪の洗浄を繰り返した場合における毛髪の改質効果の持続性については十分な検討がなされていない。
また、上記特許文献3の技術は、毛髪の改質効果の持続性を課題としているものの、メチルハイドロジェンポリシロキサンを使用している。このメチルハイドロジェンポリシロキサンの使用に際しては、以下のような問題がある。
メチルハイドロジェンポリシロキサンは水と反応して水素ガスを生成するため、メチルハイドロジェンポリシロキサンを配合した毛髪処理剤などでは、経日的に水素ガスが発生してしまい、安定性や安全性の点で問題がある。
また、メチルハイドロジェンポリシロキサンは、溶解性や毛髪への浸透性といった理由から、エタノールやイソプロパノールなどの低級アルコールやイソノナン酸イソノニルなどのエステル系油剤を溶媒とした非水系において用いられている。しかし、エタノールのような低級アルコールを溶媒として用い、且つ該低級アルコールが高含量の溶液とした場合には、頭皮に対して強い刺激を与えたり、ヘアダイが退色しやすくなるという欠点がある。また、エステル系油剤のような油類が高含量である場合には、髪にベタベタとした過度の油性感を付与してしまい、メチルハイドロジェンポリシロキサンの効果を十分に引き出すことができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、特に毛髪の柔軟性(やわらかさ)を向上させたり、毛髪の指通りの均一性を向上させるなどの毛髪の改質効果の持続性が良好であって、安全性にも優れた毛髪の処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の毛髪の処理方法は、少なくとも、水および毛髪内部を補修する作用を有する成分が配合されている毛髪内部補修剤を、毛髪に塗布する工程(A)と、上記工程(A)の後に実施され、少なくとも、メチルハイドロジェンポリシロキサン、下記式(1)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、および酸が配合されている非水系の下処理剤を、上記毛髪に塗布する工程(B)と、上記工程(B)の後に実施され、少なくとも、アミノ変性シリコーンが配合されている毛髪改質剤を、上記毛髪に塗布する工程(C)を有することを特徴とする。
Figure 2006306823
[上記式(1)中、Rは、1以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基を表し、1≦m≦20、1≦n≦8である。]
本発明の処理方法では、工程(A)、工程(B)および工程(C)の3つの工程を経ることで、毛髪の内部を修復すると共に、毛髪の改質効果を有する皮膜を毛髪表面に形成して、毛髪の内部と表面の両方から毛髪の改質を図るため、その効果が良好である。また、内部が修復された毛髪の表面を、上記皮膜で覆うことから、その効果の持続性が良好である。更に、本発明では、メチルハイドロジェンポリシロキサンを含有する下処理剤を、人体への刺激を可及的に抑えつつ、該下処理剤保存中におけるメチルハイドロジェンポリシロキサンの水との反応を抑制し、更にメチルハイドロジェンポリシロキサンの作用を十分に引き出し得る構成としていることから、本発明の処理方法は安全性にも優れている。
上記の通り、工程(A)から工程(C)を経ることで、被処理毛髪の表面には、改質効果を有する皮膜が形成されるが、この皮膜は、工程(C)で用いる毛髪改質剤に配合されているアミノ変性シリコーン由来のものである[更に、この皮膜形成には、工程(B)で用いる下処理剤に配合されているメチルハイドロジェンポリシロキサンが関与する]。よって、上記皮膜の一部が、通常の生活において破損し、その効果の劣化が生じたような場合には、少なくともアミノ変性シリコーンが配合されている皮膜補修剤を塗布することにより上記皮膜の破損箇所を修復することが好ましい。すなわち、本発明の処理方法では、上記工程(C)の後に、少なくともアミノ変性シリコーンが配合されている皮膜補修剤を塗布することにより、毛髪表面に形成された、アミノ変性シリコーン由来の皮膜の破損箇所を補修する工程(D)を更に有することが好ましい。工程(D)によって、上記皮膜による毛髪の改質効果の劣化を抑制して、該効果の持続性を向上させることができる。
本発明によれば、毛髪の改質効果の持続性が良好であり、安全性にも優れた毛髪の処理方法を提供することができる。
本発明の毛髪の処理方法を、工程を追って説明する。まず、毛髪内部補修剤を毛髪に塗布し、該毛髪内部補修剤の成分を毛髪内部に浸透させて、毛髪の内部を修復する[工程(A)]。なお、毛髪の内部修復を施す前の毛髪は、例えば、シャンプーなどにより洗浄し、更に水洗しておくことが好ましい。
工程(A)で用いる毛髪内部補修剤は、水および毛髪内部を修復する作用を有する成分が配合されている。そして、この毛髪内部補修剤が、毛髪に塗布されることで、該毛髪補修剤に配合されている水および毛髪内部を修復する作用を有する成分が、毛髪内部に浸透して、毛髪の内部を修復する。
毛髪内部補修剤において、毛髪内部を修復する作用を有する成分は特に制限は無く、公知のヘアリンスやヘアトリートメントなどに使用されている各種成分を適用することができる。具体的には、例えば、毛髪内に油分を供給するための油性成分(油脂、ロウ類、高級アルコール類、エステル系油剤、炭化水素など)、毛髪中のタンパク質部分の損傷を補修する作用を有する成分(ポリペプチドなど)、毛髪内で保水成分として機能する成分(塩基性アミノ酸類など)、毛髪内から外部への水分の放出を抑制する成分(コレステロール、セラミド類など)が挙げられる。
油脂としては、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、グレープシード油、ミンク油、卵黄油、カカオ脂、ヤシ脂、パーム油、モクロウ、アボカド油などが挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどが挙げられる。高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。エステル系油剤としては、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸コレステリル、オクタン酸セチル、オレイン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸グリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリルなどが挙げられる。炭化水素としては、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
ポリペプチドとしては、ケラチンタンパク誘導体(加水分解ケラチンなど)、コラーゲンタンパク誘導体(加水分解コラーゲンなど)、シルクタンパク誘導体、大豆タンパク誘導体などの野菜由来のタンパク誘導体[加水分解野菜タンパクプロピレングリコール(PG)−プロピルシラントリオールなど]などが挙げられる。塩基性アミノ酸類としては、L−アルギニンなどが挙げられる。セラミド類としては、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6などが挙げられる。
毛髪内部補修剤には、毛髪表面を均質に整える作用を有する成分(ポリアクリル酸アミドなどのアニオン性ポリマー、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシー3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体などのリン脂質ポリマーなど)が配合されていることが好ましい。また、毛髪内部補修剤には、毛髪表面に水分保持機能を有する皮膜を形成して、毛髪内部からの水分の放出を抑制できる成分(ラウリン酸スクロースなどのショ糖脂肪酸エステルなど)が配合されていることも好ましい。
また、処理する毛髪が、細い毛髪や通常程度の太さの毛髪であって、比較的損傷していないような場合には、毛髪内部補修剤は、アミノ変性シリコーンとポリオキシアルキレンベンジルエーテルが配合されていることが好ましい。
なお、本明細書でいう「アミノ変性シリコーン」とは、シリコーン主鎖と、アミノ基を含有する側鎖を有する化合物を意味している。毛髪内部補修剤に使用するアミノ変性シリコーンとしては、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体[例えば、下記式(2)で表されるもの]、およびアミノエチルアミノプロピルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体[例えば、下記式(3)で表されるもの]が挙げられる。このようなアミノ変性シリコーンは、毛髪表面に、洗浄に対して抵抗力の強い皮膜を形成し、持続性のある櫛通りや、ソフト感、光沢を付与できる。また、ドライヤー使用による毛髪の損傷を低減させるといった効果も得ることができる。
Figure 2006306823
[上記式(2)中、Aは、−(CHNH(CHNHを表し、o>1、p>1で、かつo+p>10である。また、上記式(3)中、Aは上記式(2)のAと同じであり、q>1、r>1で、かつq+r>10である。]
アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体の市販品としては、「SM8704C」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)や「XF42−C0330」(ジーイー東芝シリコーン社製)などが挙げられ、アミノエチルアミノプロピルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体の市販品としては、「SF8451C」、「SF8452C」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)などが挙げられる。これらのアミノ変性シリコーンは、1種単独で使用してもよく、異なる種類のものを併用しても構わない。
また、上記のポリオキシアルキレンベンジルエーテルとしては、ベンジルアルコール1モルに対し、平均モル数でエチレンオキサイドが2モル付加しているもの、および/または、ベンジルアルコール1モルに対し、平均モル数で、エチレンオキサイドが2モルとプロピレンオキサイドが1モル付加しているものが好ましい。
ポリオキシアルキレンベンジルエーテルをアミノ変性シリコーンと共に毛髪内部補修剤に配合することにより、アミノ変性シリコーンを毛先から毛髪の中段程度までに付着するようにし、特に毛髪の根元への付着を抑えて、べたつき感の発生や、艶が不均一になることを抑制することができる。ポリオキシアルキレンベンジルエーテルとしては、例えば、ベンジルアルコール1モルに対し、平均モル数でエチレンオキサイドが2モル付加しているもの[以下、ポリオキシエチレン(2E.O.)ベンジルエーテルという。ここで、(2E.O.)はエチレンオキサイドの平均付加モル数である。]や、ベンジルアルコール1モルに対し、平均モル数で、エチレンオキサイドが2モル、プロピレンオキサイドが1モル付加しているもの[以下、ポリオキシエチレン(2E.O.)ポリオキシプロピレン(1P.O.)ベンジルエーテルという。ここで、(2E.O.)はエチレンオキサイドの平均付加モル数、(1P.O.)はプロピレンオキサイドの平均付加モル数である。]が挙げられる。すなわち、ポリオキシエチレン(2E.O.)ベンジルエーテルの代表的な構造は下記式(4)で示され、ポリオキシエチレン(2E.O.)ポリオキシプロピレン(1P.O.)ベンジルエーテルの代表的な構造は下記式(5)で示される。
Figure 2006306823
なお、上記ポリオキシエチレン(2E.O.)ベンジルエーテルや上記ポリオキシエチレン(2E.O.)ポリオキシプロピレン(1P.O.)ベンジルエーテルについては、上で製法的な表現をしているが、これらの製法については特に限定されず、結果として、前者についてはベンジルアルコール1モルに対し、エチレンオキサイドが平均モル数で2モル付加した状態(構造)のものであればよく、また、後者については、ベンジルエーテル1モルに対し、平均モル数で、エチレンオキサイドが2モル、プロピレンオキサイドが1モル付加した状態(構造)のものであればよい。上記のポリオキシアルキレンベンジルエーテルは1種単独で使用してもよく、異なる種類のものを併用してもよい。
なお、上記のアミノ変性シリコーンやポリアルキレンベンジルエーテルは、細い毛髪や通常程度の太さの毛髪であって、比較的損傷していない毛髪を処理するための毛髪内部補修剤に配合されていてもよい。
更に、処理する毛髪が、比較的硬い毛髪、くせのある毛髪(所謂くせ毛)、パーマネントウェーブ剤などにより処理されたウェーブ毛などである場合には、毛髪内部補修剤には、上述のポリアクリル酸アミドなどのアニオン性ポリマーが配合されており、且つ該毛髪内部補修剤が、pH5以下に調整されていることが好ましい。アニオン性ポリマーが配合されている毛髪内部補修剤のpHが5以下に調整されている場合には、特に毛髪が損傷を受け易い毛先部位へのアニオン性ポリマーの吸着量が増大する。毛髪内部補修剤に配合されているアニオン性ポリマーは、毛髪表面に吸着するが、後記の工程(C)で用いられる毛髪改質剤にカチオン化ポリマーやカチオン性界面活性剤などのカチオン性化合物が配合されている場合、アニオン性ポリマーとカチオン性化合物の相互作用によって、カチオン性化合物の毛髪表面への付着性が向上し、毛髪に柔らかな質感を付与する効果がより有効に発揮される。この場合における毛髪内部補修剤のpHは、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましく、また、2以上であることが好ましい。
毛髪内部補修剤が必要とする各成分を含有するだけで上記のpHを有する場合には、別途調整する必要はないが、毛髪内部補修剤のpHを調整する必要がある場合には、pH調整剤を毛髪内部補修剤に配合すればよい。毛髪内部補修剤に用い得るpH調整剤としては、例えば、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸、酪酸、シュウ酸、マレイン酸などの有機酸;リン酸、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸;エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸およびその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸およびその塩などのキレート剤;などが挙げられる。これらの中でも、リン酸、クエン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸を用いることが好ましい。
この他、毛髪内部補修剤には、公知の各種添加剤が配合されていることも好ましい。このような添加剤としては、例えば、カチオン化ポリマー、シリコーン類、環状ポリマー、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、キレート剤、香料、アルカリ剤、酸化防止剤などが挙げられる。
カチオン化ポリマーとしては、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガムなどが挙げられる。シリコーン類としては、ジメチルシリコーン、高重合ジメチルシリコーン、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、などが挙げられる。環状ポリマーとしては、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ソルビトール、高重合ポリエチレングリコールなどが挙げられる。界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリンなどのカチオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸およびその塩などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタンなど)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル[上記のポリオキシアルキレンベンジルエーテルを除く]、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(7E.O.)[(7E.O.)は、上記の(1E.O.)と同じ意味である。]ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤;コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;などが挙げられる。増粘剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。キレート剤としては、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸などが挙げられる。酸化防止剤としては、ビタミンE(d−δ−トコフェノールなど)、酢酸d−δ−トコフェノールなどが挙げられる。
毛髪内部補修剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。
なお、毛髪内部補修剤は、処理する毛髪の性状に応じて、成分組成の異なるものを用いることができる。例えば、細い毛髪や通常程度の太さの毛髪であって、比較的損傷していないような場合には、例えば、水を分散媒として、上記の野菜由来のタンパク質誘導体:0.01〜1質量%、上記のセラミド類および/またはコレステロール:0.001〜0.1質量%、上記の塩基性アミノ酸類:0.01〜1質量%、上記のリン脂質ポリマー:0.01〜1質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、上記の高級アルコール類:1〜10質量%、および上記のアミノ変性シリコーン:0.1〜3質量%などを配合してなる毛髪内部補修剤を用いることが好ましい。この毛髪内部補修剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
また、比較的硬い毛髪、くせのある毛髪(所謂くせ毛)、パーマネントウェーブ剤などにより処理されたウェーブ毛などに対しては、例えば、水を分散媒として、上記のケラチン誘導体:0.1〜1質量%、上記のセラミド類および/またはコレステロール:0.001〜0.1質量%、上記のアニオン性ポリマー:0.1〜5質量%、上記のショ糖脂肪酸エステル:0.1〜5質量%、上記の高級アルコール類:0.1〜5質量%、上記のアミノ変性シリコーン:0.1〜5質量%などを配合してなり、好ましくは上記のpH調整剤によりpHが上記程度に調整されている毛髪内部補修剤を用いることが好ましい。この毛髪内部補修剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
毛髪内部補修剤の適用量は、処理すべき毛髪の量(長さなど)に応じて変動するが、例えば、肩にかかる程度の長さの毛髪に対し、10〜20gとすることが好ましい。毛髪内部補修剤の塗布後は、すぐに次工程[工程(B)]に移ってもよく、例えば、5〜10分程度経過してから次工程[工程(B)]に移ってもよい。
次に、毛髪内部補修剤を塗布した後の毛髪の表面に、下処理剤を塗布する[工程(B)]。この工程(B)で用いる下処理剤に配合されているメチルハイドロジェンポリシロキサンは、その次の工程(C)で用いる毛髪改質剤に配合されているアミノ変性シリコーンと化学結合を形成できることから、アミノ変性シリコーンによって毛髪表面に形成される皮膜の、毛髪表面への付着性を高める作用を有している。すなわち、この工程(B)は、工程(C)により形成される皮膜のための下地を形成するための工程である。
工程(B)で用いる下処理剤は、少なくとも、メチルハイドロジェンポリシロキサン、上記式(1)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、および酸が配合されている。
メチルハイドロジェンポリシロキサンは、上述の通り、工程(C)で用いるアミノ変性シリコーンにより形成される皮膜の、毛髪表面への付着性を高める成分であるが、更に優れた柔軟性と櫛通り性を毛髪に付与する作用も有している。なお、メチルハイドロジェンポリシロキサンとは、メチルポリシロキサンのメチル基の一部を水素で置換したものであり、市販品としては、例えば、「SH1107C」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、「KF−99」(信越化学工業社製)などが挙げられる。
下処理剤に配合されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルと酸は、下処理剤の安全性および安定性(経時安定性)を向上させるための成分であり、それらによって、メチルハイドロジェンポリシロキサンと水との反応による水素ガスの発生が抑制されている。また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、メチルハイドロジェンポリシロキサンと共存することで、メチルハイドロジェンポリシロキサンの有する毛髪の柔軟性向上効果や櫛通りの軽さの向上効果を、更に高める機能も有している。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、上記式(1)で示されるものが用いられる。なお、上記式(1)におけるRは、炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基であるが、これらアルキル基またはアルケニル基の有する1以上の水素原子は、水酸基、シリル基などの置換基で置換されていてもよい。
上記式(1)で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテルなどで、m、nの値が上記値を満足するものが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。中でも、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルが好ましい。市販品としては、例えば、「アデカカーポールMH−4」(旭電化工業株式会社製)が挙げられる。
下処理剤に係る酸としては、例えば、サリチル酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。中でも、サリチル酸が溶解性の面で特に好ましい。
また、下処理剤には、その効果を損なわない範囲で、上記のメチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルおよび酸以外の成分を配合することができる。このような他の成分としては、界面活性剤、油類、香料などが挙げられる。
界面活性剤としては、毛髪内部補修剤の成分として先に例示したものが挙げられる。油類としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸2−エチルヘキシルなどのエステル系油剤;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーン油類;マカデミアナッツ油、大豆油、ひまわり種子油、ヒマシ油、卵黄油などの油脂類;などが挙げられる。
また、下処理剤には、上記の他にも、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエンなど)を配合してもよい。
工程(B)で用いる下処理剤の組成は、例えば、以下のようにすることが好ましい。メチルハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、10質量%以下、より好ましくは5質量%以下とすることが望ましい。また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルの配合量は、1質量%以上、より好ましくは30質量%以上であって、80質量%以下、より好ましくは70質量%以下とすることが望ましい。そして、酸の配合量は、0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であって、1質量%以下、より好ましくは0.1質量%とすることが望ましい。そして、更に上記例示の界面活性剤、油類、香料などを含めて、下処理剤全体が100質量%となるように調整すればよい。上述の通り、メチルハイドロジェンポリシロキサンの溶媒として、低級アルコールなどの有機溶媒を高含量で用いた場合には、頭皮への刺激が懸念され、また、エステル系油剤などの油類を高含量で用いた場合には、毛髪にべたつき感を付与してしまう。しかしながら、上記下処理剤では、上記式(1)で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを、例えば上記配合量で用いることにより、有機溶媒やエステル系油剤などの使用量を減らすか、またはなくすことができるため、低刺激で安全性に優れ且つべたつき感を付与する虞のないものとすることができる。
下処理剤の毛髪への塗布量としては、例えば、肩にかかる程度の長さの毛髪に対し、2〜10mlとすることが好ましい。なお、下処理剤の塗布は、毛髪の毛先付近を中心とし、長さ方向の中間付近の位置までにすることが好ましい。この工程(B)の後の工程(C)によって得られる皮膜が、毛髪の根元付近に形成されると、毛髪にべたつき感や、不均一な艶を付与することがある。よって、上記皮膜の毛髪への付着性を高めるために使用する下処理剤についても、毛髪の根元への塗布を回避することにより、毛髪の根元付近での上記皮膜の形成を抑えることができるからである。
下処理剤の塗布後は、もみ込みや櫛がけなどをして、下処理剤を毛髪へ十分になじませることが好ましい。その後、毛髪を水洗する。また、シャンプーで洗浄した後に水洗しても構わない。この水洗によって、毛髪表面に付着しているメチルハイドロジェンポリシロキサンの反応活性を高めて、工程(C)で塗布する毛髪改質剤に配合されているアミノ変性シリコーンとの化学結合の形成を促進することができる。
次に、下処理剤を塗布し、水洗した後の毛髪に、毛髪改質剤を塗布する[工程(C)]。この工程(C)により、アミノ変性シリコーン由来の皮膜を毛髪表面に形成する。この皮膜によって、毛髪に櫛通り性の良さや、柔軟性、光沢などを付与することができ、また、毛髪の、ドライヤーの熱に対する耐性も良好となる。また、上記皮膜は、アミノ変性シリコーンと、工程(B)で毛髪に塗布された下処理剤中のメチルハイドロジェンポリシロキサンとの結合によって、洗浄に対する抵抗力が強い。そのため、上記皮膜による効果の持続性も良好である。
アミノ変性シリコーンとしては、例えば、工程(A)に係る毛髪内部補修剤の好適成分として例示した上記式(2)や上記式(3)で示されるものが好適である。
毛髪改質剤には、上記のアミノ変性シリコーン以外にも、毛髪を改質するための各種成分が配合されていることが好ましい。このような成分としては、例えば、毛髪表面に滑り感を付与する作用を有する成分(環状ポリマー、球状ポリマーなど)、毛髪同士の絡まりを抑える作用を有する成分(エステル系油剤など)、毛先のハネを抑える作用を有する成分(ラノリン脂肪酸エステルなど)、毛髪に柔らかな質感を付与する作用を有する成分(カチオン化ポリマーなど)、毛髪表面を覆って内部の水分の放出を抑える作用を有する成分(ワックスエステル類など)が挙げられる。
環状ポリマーとしては、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。球状ポリマーとしては、架橋型メチルポリシロキサンなどが挙げられる。エステル系油剤としては、ネオペンタン酸イソデシルなどが挙げられる。ラノリン脂肪酸エステルとしては、ラノリン脂肪酸コレステリルなどが挙げられる。カチオン化ポリマーとしては、ポリエチレングリコール・エピクロルヒドリン・ヤシ油アルキルアミン・ジプロピレントリアミン縮合物、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガムなどが挙げられる。ワックスエステル類としては、ホホバ油などが挙げられる。
また、毛髪改質剤には、アミノ変性シリコーンや上記の各種成分以外にも、ヘアリンスやヘアトリートメントに使用されている公知の各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、油脂、炭化水素、シリコーン類(上記のアミノ変性シリコーン、上記の環状ポリマーおよび上記球状ポリマーに該当するものを除く。毛髪改質剤の説明において、以下同じ。)、ロウ類、高級脂肪酸、高級アルコール類、エステル系油剤(ネオペンタン酸イソデシルを除く。毛髪改質剤の説明において、以下同じ。)、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、キレート剤、香料などが挙げられる。
油脂、炭化水素、シリコーン類、ロウ類、高級アルコール類、エステル系油剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、およびキレート剤の具体例としては、毛髪内部補修剤の添加剤として先に例示した各種添加剤を用いることができる。また、高級脂肪酸としては、イソステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸、リノール酸などが挙げられる。
毛髪改質剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。
毛髪改質剤は、処理する毛髪の性状に応じて、成分組成の異なるものを用いることができる。例えば、細い毛髪であって、比較的損傷していないような場合には、例えば、水を分散媒として、上記のアミノ変性シリコーン:0.1〜1質量%、上記の環状ポリマーおよび/または球状ポリマー:0.5〜5質量%、上記のネオペンタン酸イソデシルなどのエステル系油剤:1〜10質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、および上記の高級アルコール類:1〜10質量%などを配合してなる毛髪改質剤を用いることが好ましい。この毛髪改質剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
また、通常程度の太さの毛髪であって、比較的損傷していないような場合には、例えば、水を分散媒として、上記のアミノ変性シリコーン:0.1〜3質量%、上記の環状ポリマーおよび/または球状ポリマー:0.5〜5質量%、上記のラノリン脂肪酸エステル:0.1〜1質量%、上記のネオペンタン酸イソデシルなどのエステル系油剤:1〜5質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、および上記の高級アルコール類:1〜10質量%などを配合してなる毛髪改質剤を用いることが好ましい。この毛髪改質剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
更に、比較的硬い毛髪、くせのある毛髪(所謂くせ毛)、パーマネントウェーブ剤などにより処理されたウェーブ毛などに対しては、例えば、水を分散媒として、上記のアミノ変性シリコーン:1〜5質量%、上記のワックスエステル類:1〜5質量%、上記のカチオン化ポリマー:0.01〜1質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、および上記の高級アルコール類:1〜10質量%などを配合してなる毛髪改質剤を用いることが好ましい。この毛髪改質剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
特に、上述のアニオン性ポリマーが配合されている毛髪内部補修剤(特にpHが5以下であるもの)で処理されている毛髪に対しては、上記のカチオン化ポリマーや上記のカチオン性界面活性剤といったカチオン性化合物が配合されている毛髪改質剤を用いることで、アニオン性ポリマーとカチオン性化合物の相互作用によって、カチオン性化合物の毛髪表面への付着性が向上し、毛髪に柔らかな質感を付与する作用がより有効に発揮される。
なお、毛髪改質剤におけるカチオン性化合物に当たるカチオン性界面活性剤としては、特に限定されることはないが、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの塩化アルキルトリメチルアンモニウムや、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩が好ましい。また、上記第4級アンモニウム塩の中でも、毛髪への吸着性が特に良好である点で、陰イオン種が臭素イオンのもの、すなわち、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび臭化ステアリルトリメチルアンモニウムが、更に好ましく、更に毛髪に柔らかさを付与する効果がより優れている点で、臭化セチルトリメチルアンモニウムが特に好ましい。
毛髪改質剤の毛髪への塗布量としては、例えば、肩にかかる程度の長さの毛髪に対し、10〜20gとすることが好ましい。なお、毛髪改質剤の塗布は、毛髪の毛先付近を中心とし、長さ方法の中間付近の位置までにすることが好ましい。上述した通り、アミノ変性シリコーン由来の皮膜が、毛髪の根元付近に形成されると、毛髪にべたつき感や、不均一な艶を付与することがあるからである。
毛髪改質剤の塗布後は、もみ込みを行って、毛髪改質剤を毛髪へ十分になじませることが好ましい。その後、毛髪を水洗し、乾燥させる。
このようにして処理された毛髪は、その内部に水や各種成分が浸透して、良好な内部状態となると共に、その表面に、アミノ変性シリコーン由来の皮膜が形成されており、該皮膜によって毛髪の質感などが改善される。また、毛髪表面に形成された上記皮膜は、洗浄に対する耐性に優れており、且つ毛髪内部の水分などの外部への放出を抑制できる。よって、本発明の処理方法による処理後の毛髪は、該処理による効果が、比較的長期にわたって持続する。
なお、上記処理後の毛髪においても、通常の生活を継続することで、毛髪表面の皮膜が徐々に損傷し、その効果が失われていく。上記処理による効果の劣化の程度が大きい場合には、再度本発明の処理方法によって、毛髪を処理すればよいが、例えば、毛髪表面の皮膜の損傷が局所的であって、上記処理による効果の劣化の程度が小さい状況下では、後記の皮膜補修剤を毛髪に塗布する[工程(D)]ことで、該皮膜の補修を行い、上記処理による効果を更に持続させることができる。
工程(D)で用いる皮膜補修剤としては、毛髪表面の上記皮膜の原材料であるアミノ変性シリコーンが配合されたものが好ましい。アミノ変性シリコーンとしては、上記の毛髪改質剤に係るアミノ変性シリコーンとして例示したものと同じものが好適である。
皮膜補修剤には、上記のアミノ変性シリコーン以外にも、毛髪表面に滑り感を付与する作用を有する成分(デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリマーなど)や、毛髪表面を覆って内部の水分の放出を抑える作用を有する成分(ホホバ油などのワックスエステル類など)が配合されていることが好ましい。
また、皮膜補修剤には、アミノ変性シリコーンや上記の各種成分以外にも、ヘアリンスやヘアトリートメントに使用されている公知の各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、シリコーン類(アミノ変性シリコーンおよび上記の環状ポリマーに該当するものを除く。皮膜補修剤の説明において、以下同じ。)、高級脂肪酸、高級アルコール類、エステル系油剤、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、植物種子エキス、香料などが挙げられる。
シリコーン類、高級脂肪酸、高級アルコール類、エステル系油剤、界面活性剤、保湿剤および防腐剤の具体例としては、毛髪内部補修剤の添加剤として先に例示した各種添加剤を用いることができる。また、植物種子エキスとしては、ヒマワリ種子エキスなどが挙げられる。
皮膜補修剤は、例えば、クリーム状、ローション状、ゲル状などの形態とすることができ、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒の全てが水であってもよく、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)の有機溶媒を含有していてもよい。ただし、分散媒中の有機溶媒量が増大すると、頭皮などに刺激を与える虞があることから、分散媒中における有機溶媒の含有量は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。
なお、皮膜補修剤は、処理する毛髪の性状に応じて、成分組成の異なるものを用いることができる。例えば、細い毛髪や通常程度の太さの毛髪であって、比較的損傷していないような場合には、例えば、水を分散媒として、上記のアミノ変性シリコーン:1〜10質量%、上記の環状ポリマー:0.5〜5質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、および上記の高級アルコール類:1〜10質量%などを配合してなる皮膜補修剤を用いることが好ましい。この皮膜補修剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
また、比較的硬い毛髪、くせのある毛髪(所謂くせ毛)、パーマネントウェーブ剤などにより処理されたウェーブ毛などに対しては、例えば、水を分散媒として、上記のアミノ変性シリコーン:1〜10質量%、上記のワックスエステル類:1〜5質量%、上記のカチオン性界面活性剤:0.5〜5質量%、および上記の高級アルコール類:1〜10質量%などを配合してなる皮膜補修剤を用いることが好ましい。この皮膜補修剤には、これらの成分以外にも、必要に応じて、例えば上記例示の各種成分を配合していてもよい。
皮膜補修剤の適用量は特に限定されず、例えば、皮膜が損傷しており、該皮膜の存在による質感(柔軟性や光沢など)が失われている箇所を中心に、皮膜補修剤を適量塗布すればよい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術低範囲に包含される。なお、以下の実施例などにおいて、「%」は「質量%」を意味している。また、毛髪内部補修剤、下処理剤、毛髪改質剤および皮膜補修剤の配合量としては、全体で100%となるように各成分の配合量を%で示し、後記の各表中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
実施例および比較例で用いた原材料は、以下の通りである。
(1)加水分解野菜タンパクPG−プロピルシラントリオール:クローダ社製「KERAVIS」、
(2)セラミド2:高砂香料工業社製「リッキド クリスタセラミド2」、
(3)L−アルギニン:味の素社製、
(4)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体:日本油脂社製「Lipidure−C」、
(5)臭化ステアリルトリメチルアンモニウム:東邦化学工業社製「カチナール STB−70」、
(6)セタノール:花王社製「カルコール 6870」、
(7)アミノ変性シリコーン1:ジーイー東芝シリコーン社製「XF42−C0330」(アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)、
(8)加水分解ケラチン:成和化成社製「プロモイス WK−GB」、
(9)ポリアクリル酸アミド:SEPPIC社製「セピゲル305」、
(10)ショ糖脂肪酸エステル:三菱化学フーズ社製「リョートーシュガーエステルLWA−1570」、
(11)アミノ変性シリコーン2:ジーイー東芝シリコーン社製「XF49−C1109」(アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)。
(12)メチルハイドロジェンポリシロキサン:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「SH1107C」、
(13)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル:旭電化工業株式会社製「アデカカーポール MH−4」、
(14)イソノナン酸2−エチルヘキシル:高級アルコール工業社製「ES108109」。
(15)アミノ変性シリコーン3:信越化学工業社製「KF−8005」(アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)、
(16)架橋型メチルポリシロキサン:信越化学工業社製「KSG−15」(球状ポリマー)、
(17)デカメチルシクロペンタシロキサン:ジーイー東芝シリコーン社製「XF49−A3818」(環状ポリマー)、
(18)ネオペンタン酸イソデシル:日本精化社製「DUB VCI−10」、
(19)臭化セチルトリメチルアンモニウム:東邦化学工業社製「カチナールHTB−70ET」、
(20)ステアリルアルコール:花王社製「カルコール8098」、
(21)ラノリン脂肪酸エステル:日本精化社製「YOFCO CLE−S」、
(22)ホホバ油:香栄興業社製、
(23)ポリエチレングリコール・エピクロルヒドリン・ヤシ油アルキルアミン・ジプロピレントリアミン縮合物:コグニスジャパン社製「POLYQUART H81」(カチオン化ポリマー)。
<毛髪内部補修剤の調製>
表1または表2に示す組成で各原材料を配合して、2種類の毛髪内部補修剤を調製した。
Figure 2006306823
Figure 2006306823
<下処理剤の調製>
表3に示す組成で各原材料を配合して、下処理剤を調製した。
Figure 2006306823
<毛髪改質剤の調製>
表4、表5または表6に示す組成で各原材料を配合して、3種類の毛髪改質剤を調製した。
Figure 2006306823
Figure 2006306823
Figure 2006306823
<皮膜補修剤の調製>
表7または表8に示す組成で各原材料を配合して、2種類の皮膜補修剤を調製した。
Figure 2006306823
Figure 2006306823
なお、表1、表2、表4〜表8において、精製水の欄の「計100とする」とは、毛髪内部補修剤、毛髪改質剤または皮膜補修剤を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。また、表3において、イソノナン酸2−エチルヘキシルの欄の「計100とする」とは、下処理剤を構成するイソノナン酸2−エチルヘキシル以外の各成分の合計量に、イソノナン酸2−エチルヘキシルの量を加えて100%となるようにしたことを意味している。
実施例1
細く、比較的損傷を受けていない毛髪に対して、表1に示す毛髪内部補修剤を毛髪に塗布[工程(A)]、更に毛髪内部補修剤塗布後のこの毛髪に表3に示す下処理剤を塗布し[工程(B)]、続いて下処理剤塗布後のこの毛髪に表4に示す毛髪改質剤を塗布する[工程(C)]ことにより、毛髪の処理を行った。具体的には、以下のような手順で毛髪の処理を行った。細く、比較的損傷を受けていない毛髪の毛束1.0g(長さ20cm)を同一人物から採取し、この毛束を、全体に水分が行き渡るように洗い、タオルで水分をふき取った。その後、この毛束に、毛髪内部補修剤0.5gを塗布し、その上から下処理剤0.2mLを塗布した。続いて、この毛束に、毛髪改質剤0.5gを塗布し、十分に水洗し、乾燥して処理を完了した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例2
実施例1と同様に、工程(A)、工程(B)および工程(C)を経て処理した毛髪に、表7に示す皮膜補修剤を用いてアミノ変性シリコーン由来の皮膜の破損箇所の補修を行った[工程(D)]。具体的には、以下のような手順で毛髪の処理を行った。工程(C)による処理後の毛束に対し、シャンプーを用いた洗浄とドライヤーによる乾燥を10回ずつ行った。その後、この毛束に、皮膜補修剤0.5gを塗布し、乾燥して処理を完了した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例1
毛髪内部補修剤を毛髪に塗布する工程(A)を省略した他は、実施例1と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例2
下処理剤を毛髪に塗布する工程(B)を省略した他は、実施例2と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例3
毛髪改質剤を毛髪に塗布する工程(C)を省略した他は、実施例1と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例3
通常程度の太さで、比較的損傷を受けていない毛髪に対して、表1に示す毛髪内部補修剤を毛髪に塗布[工程(A)]、更にこの毛髪内部補修剤塗布後の毛髪に表3に示す下処理剤を塗布し[工程(B)]、続いて下処理剤塗布後のこの毛髪に表5に示す毛髪改質剤を塗布する[工程(C)]ことにより、毛髪の処理を行った。毛髪内部補修剤、下処理剤および毛髪改質剤の毛髪への塗布は、実施例1と同じ方法で行った。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例4
実施例3と同様に、工程(A)、工程(B)および工程(C)を経て処理した毛髪に、表7に示す皮膜補修剤を用いてアミノ変性シリコーン由来の皮膜の破損箇所の補修を行った[工程(D)]。皮膜補修剤を用いた毛髪表面の皮膜の補修方法は、実施例2と同じ方法とした。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例4
毛髪内部補修剤を毛髪に塗布する工程(A)を省略した他は、実施例3と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例5
下処理剤を毛髪に塗布する工程(B)を省略した他は、実施例4と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例6
毛髪改質剤を毛髪に塗布する工程(C)を省略した他は、実施例3と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例5
硬く、くせのある毛髪に対して、表2に示す毛髪内部補修剤を毛髪に塗布[工程(A)]、更に毛髪内部補修剤塗布後のこの毛髪に表3に示す下処理剤を塗布し[工程(B)]、続いて下処理剤塗布後のこの毛髪に表6に示す毛髪改質剤を塗布する[工程(C)]ことにより、毛髪の処理を行った。毛髪内部補修剤、下処理剤および毛髪改質剤の毛髪への塗布は、実施例1と同じ方法で行った。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例6
実施例5と同様に、工程(A)、工程(B)および工程(C)を経て処理した毛髪に、表8に示す皮膜補修剤を用いてアミノ変性シリコーン由来の皮膜の破損箇所の補修を行った[工程(D)]。皮膜補修剤を用いた毛髪表面の皮膜の補修方法は、実施例2と同じ方法とした。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例7
毛髪内部補修剤を毛髪に塗布する工程(A)を省略した他は、実施例5と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例8
下処理剤を毛髪に塗布する工程(B)を省略した他は、実施例6と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
比較例9
毛髪改質剤を毛髪に塗布する工程(C)を省略した他は、実施例5と同様にして毛髪を処理した。そして、上記処理後の毛髪に対し、シャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った。
実施例1〜6および比較例1〜9において処理し、かつシャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った後の各毛束について、下記の各評価を行った。結果を表9に示す。
<やわらかさ>
上記の各毛束について、20人のパネラーによる評価を行った。各パネラーが、毛束の感触がやわらかいと感じた場合には1点、硬いと感じた場合には0点と評価し、全パネラーの評価点を合計して、下記の基準に従って、実施例および比較例の各処理方法における毛髪へのやわらかさ付与効果を評価した。◎および○の評価であったものを合格とした。
◎:全パネラーの評価点の合計が16点以上
○:全パネラーの評価点の合計が12点以上16点未満
△:全パネラーの評価点の合計が8点以上12点未満
×:全パネラーの評価点の合計が8点未満
<指通りの均一感>
実施例1〜6および比較例1〜9において処理し、かつシャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った後の毛髪について、摩擦感テスター(カトーテック株式会社製「KES−SE−STP」)を用いてMIU(平均摩擦係数)を測定し、この値により上記処理後の毛髪の指通りの均一感を判定し、実施例および比較例の処理方法による指通りの均一感付与効果を評価した。すなわち、MIUが小さい毛髪ほど、スベリ感が強くなり、指通りの均一感が良好であると評価でき、他方、MIUが大きい毛髪ほど、指通りの均一感が劣っていると評価できる。
MIU測定用サンプルには、実施例1〜6および比較例1〜9において処理し、かつシャンプーとドライヤーによる乾燥を5回ずつ行った後の毛束から、それぞれ10本ずつ毛髪を採取し、各実施例・比較例ごとに、毛髪をスライドガラス上に1mm間隔で揃えて並べ、セロハンテープで両端を固定したものを用いた。なお、毛髪の採取の際には、できるだけ太さが同等のものを選択するようにした。
Figure 2006306823
表9から以下のことが分かる。実施例1〜2および比較例1〜3は、細く比較的損傷を受けていない毛髪に対して処理を行った例であるが、工程(A)、工程(B)および工程(C)を経て処理を行った実施例1、更に工程(D)も経て処理を行った実施例2では、毛髪にやわらかさと指通りの均一感を付与できた。これに対し、工程(A)、工程(B)または工程(C)のいずれかを欠いている比較例1〜3では、やわらかさや指通りの均一感の毛髪への付与効果が、実施例1および実施例2の処理に比べて劣っている。
また、通常程度の太さで比較的損傷を受けていない毛髪に対して処理を行った実施例3〜4および比較例4〜6、並びに硬くくせのある毛髪に対して処理を行った実施例5〜6および比較例7〜9においても、工程(A)、工程(B)および工程(C)を経て処理を行った実施例3並びに実施例5、更に工程(D)も経て処理を行った実施例4並びに実施例6では、毛髪にやわらかさと指通りの均一感を付与できた。これに対し、工程(A)、工程(B)または工程(C)のいずれかを欠いている比較例4〜6および比較例7〜9では、やわらかさや指通りの均一感の毛髪への付与効果が、実施例3〜4および実施例5〜6の処理に比べて劣っている。
本発明で用いる下処理剤は、反応性が高いメチルハイドロジェンポリシロキサンを含有しているが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルと酸との配合により、メチルハイドロジェンポリシロキサンと水との反応による水素ガスの発生が抑制され、経時安定性が確保されている。そして、そのような経時安定性が確保された下処理剤を用いた実施例1〜6における処理後の毛髪は、該処理後に5回洗浄した場合でも、表9に示すように、やわらかさや指通りの均一感が良好に保たれていて、その改質効果(毛髪のやわらかさや指通りの均一性の向上効果)の持続性が良好であった。
更に、実施例1〜6の処理方法では、各工程での処理に用いる処理剤を、処理する毛髪の質に応じた成分組成のものに変えることで、いずれにおいても、毛髪にやわらかさと指通りの均一感を良好に付与することができた。

Claims (2)

  1. 毛髪の処理方法であって、
    少なくとも、水および毛髪内部を補修する作用を有する成分が配合されている毛髪内部補修剤を、毛髪に塗布する工程(A)と、
    上記工程(A)の後に実施され、少なくとも、メチルハイドロジェンポリシロキサン、下記式(1)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、および酸が配合されている非水系の下処理剤を、上記毛髪に塗布する工程(B)と、
    上記工程(B)の後に実施され、少なくとも、アミノ変性シリコーンが配合されている毛髪改質剤を、上記毛髪に塗布する工程(C)を有することを特徴とする毛髪の処理方法。
    Figure 2006306823
    [上記式(1)中、Rは、1以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜24のアルキル基またはアルケニル基を表し、1≦m≦20、1≦n≦8である。]
  2. 上記工程(C)の後に、少なくともアミノ変性シリコーンが配合されている皮膜補修剤を塗布することにより、毛髪表面に形成された、アミノ変性シリコーン由来の皮膜の破損箇所を補修する工程(D)を更に有する請求項1に記載の毛髪の処理方法。
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