JP2006302541A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】限りなく低背であり、プリント基板の占有面積が削減されるFPC用のコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング2は、FPC1が挿入される凹部21が形成され、コンタクト31・32が配置され、プリント基板5に取り付けられる。固定アーム31a・32aは、基端側がハウジング2に固定され、先端側がハウジング2から延出されてプリント基板5に当接される接触部31e・32eを有する。弾性アーム31b・32bは、凹部21の底面に延びてFPC1に接触する接点を有する。プリント基板5は、板厚面に開口された挿入室51が形成され、凹部21を含むハウジング2の一部が挿入室51内に保持され、挿入室51に囲われた凹部21にFPC1を挿入可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ハウジング2は、FPC1が挿入される凹部21が形成され、コンタクト31・32が配置され、プリント基板5に取り付けられる。固定アーム31a・32aは、基端側がハウジング2に固定され、先端側がハウジング2から延出されてプリント基板5に当接される接触部31e・32eを有する。弾性アーム31b・32bは、凹部21の底面に延びてFPC1に接触する接点を有する。プリント基板5は、板厚面に開口された挿入室51が形成され、凹部21を含むハウジング2の一部が挿入室51内に保持され、挿入室51に囲われた凹部21にFPC1を挿入可能とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、FPC(Flexible Printed Circuit)やFFC(Flexible Flat Cable)などの平形柔軟ケーブルと接続するコネクタに関する。本明細書は平形柔軟ケーブルを総称してFPCと呼称することとし、本発明は、特に、剛性のあるプリント基板、いわゆるリジッド(Rigid)基板に実装されるFPC用のコネクタに関する。
近年の電子機器、例えば、DVC(Digital Video Camera)及びDSC(Digital Still Camera)や携帯電話機及びPDA(Personal Digital Assistance)に代表される携帯型情報機器に実装される電子部品モジュールやプリント基板間を接続するには、平型柔軟ケーブルであるFPCが使用されている。
例えば、プリント基板に表面実装されるFPC用のコネクタ、いわゆる表面実装型のFPC用のコネクタは、FPCが挿入される挿入部が形成されている絶縁性のハウジングと、このハウジングに所定のピッチで横並びに装着された複数のコンタクトを備えている。そして、FPCとこれらのコンタクトとを接触させるために、例えば、開閉するカバーハウジングが挿入部に備えられている。
このような、開閉するカバーハウジングを備えるFPC用のコネクタは、FPCを挿抜するときにほとんど力を要しない、いわゆるZIF(Zero Insartion Forse)コネクタと呼ばれ、導体線が多極であり狭ピッチであるFPCの接続に適している。一方、プリント基板に表面実装されるFPC用のコネクタは実装密度を上げるべく、実装高さを低くすること(低背化)が求められており、ZIFコネクタに換えて、低背化に適するNON−ZIFコネクタが採用されている。
前述のような表面実装型のFPC用のNON−ZIFコネクタとして、複数のカンチレバーコンタクトを所定のピッチで並列させて支持している絶縁ハウジングと、断面略U字状に成形されたメタルカバーと、で構成されているFPC用のコネクタが発明されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1によるコネクタは、メタルカバーは、絶縁ハウジングに対して、カンチレバーコンタクトの長手方向でスライド可能に装着されている。そして、完全装着位置で、メタルカバーの上側板に形成した押圧板の先端部と、コンタクト片に形成したコンタクト部が上下に対向している。外部退避位置では、押圧板の先端部とコンタクト部の間に、FPCの接続端部の挿入に十分な間隙が形成されるようにしてある。
特許文献1によるFPC用のコネクタは、低背化を図ったFPC用コネクタであって、FPCの接続端部の挿入力を零にしつつ、信頼性の高い接続が可能であると共に、カンチレバーコンタクトの半田テイルの整列部分に平面性を確保できるようにしたコネクタを提供できる、としている。
特開平11−54173号公報
しかし、プリント基板に実装されるFPC用のコネクタは、更なる低背化が求められている。プリント基板の実装面に取り付けられるFPC用のコネクタは、特許文献1によるコネクタであっても、その実装高さを1mm又は0.9mm以下にすることは困難であると推定される。プリント基板に取り付けられるFPC用のコネクタは、極限の実装高さとなることが求められている。
一方、例えば、プリント基板に取り付けられる従来技術によるFPC用のコネクタは、プリント基板の部品実装面に対して、直交する方向からFPCが結合される垂直取付形のコネクタ(いわゆる、トップ型コネクタ)と、プリント基板の部品実装面と平行する方向からFPCが結合される水平取付形のコネクタ(いわゆる、サイド型コネクタ)の二種類がある。これらは、いずれもプリント基板の部品実装面積を占有している。プリント基板におけるコネクタの占有面積が削減される新たなFPC用のコネクタが望まれる。そして、これらのことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような問題に鑑み、プリント基板に取り付けられるFPC用のコネクタにおいて、限りなく低背であり、プリント基板の占有面積が削減されるFPC用のコネクタを提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を満たすため、ハウジングの一部をプリント基板の板厚面に挿入する構造とし、以下のような新たなFPC用のコネクタを発明した。
(1) FPCが挿入される凹部が形成された略直方体状のハウジングと、このハウジングに配置される複数のコンタクトと、を備え、プリント基板に取り付けられるコネクタであって、前記コンタクトは、固定アームと、この固定アームに対向する弾性アームと、前記固定アーム及び弾性アームの基端同士を結合する連結脚と、を有し、前記固定アームは、基端側が前記ハウジングに固定され、先端側が前記ハウジングから延出されて前記プリント基板の一方の面に当接される接触部を有し、前記弾性アームは、前記ハウジングの凹部の底面に延びて前記FPCに接触する接点を有し、前記プリント基板は、板厚面に開口された挿入室が形成され、前記凹部を含むハウジングの一部が前記挿入室内に保持され、当該挿入室に囲われた当該凹部に前記FPCを挿入可能とするコネクタ。
(1)の発明によるコネクタは、FPCが挿入される凹部が形成された略直方体状のハウジングを備えている。又、ハウジングに配置される複数のコンタクトを備えている。このコネクタはプリント基板に取り付けられる。
FPCは、絶縁性のポリエステルやポリイミドで形成されるベースフィルムに導体パターンとなる銅箔が積層されている。複数の導体パターンは絶縁被膜で被覆されているが、FPCの接続端部は、例えば、コネクタに備わるコンタクトと導電接触するために導体パターンが露出している。本発明によるコネクタに適用されるFPCは、ベースフィルムの片面に導体パターンが備わる片面FPCが好ましく、片面FPCの接続端部にはベースフィルムに絶縁性の補強板が積層されてもよい。
ハウジングは絶縁性を有してよく、非導電性の材料からなるハウジングのことであってよく、例えば、PPS(polyphenylene sulfide)やPBT(polybutylene terephthalate)などのエンジニアリングプラスチックを成型して、絶縁性のハウジングを得ることができる。
例えば、略直方体状のハウジングは、FPCが挿入されるための薄直方体状の凹部が形成される。例えば、この凹部は、対向する一対の第1側壁と、この一対の第1側壁と直交する第2側壁とで三方が囲まれて形成されてもよい。FPCは、この凹部の開口側から第2側壁に向って挿入される。FPCがこの凹部に挿入されるにあたり、例えば、この凹部を形成する対向する一対の第1側壁がFPCの幅方向を案内して、後述する複数のコンタクトと位置合わせされるようにしてもよい。
例えば、後述する複数の弾性アームを区画する複数の溝が、この凹部の底面に形成されてよく、この溝は、前記開口から第2側壁側に向けて形成されてもよい。又、第2側壁は、FPCの挿入端部が当接される停止壁としてもよい。
コンタクトは、FPCに形成される導体パターンと機械的・電気的に接続するために導電性を有しており、導電性を有する金属からなることが好ましい。例えば、コンタクトは、銅合金などの電気抵抗値の低い金属板で形成される。
プリント基板は、剛性のあるプリント基板、いわゆるリジッド基板でよく、後述するように、板厚面に開口された挿入室が形成される程度の板厚を有することが好ましい。プリント基板は、片面プリント基板であってよく、両面プリント基板でもよい。後述するように、ハウジングの一部が挿入される挿入室がプリント基板の内部に形成されるにあたり、プリント基板は多層プリント基板が最も好ましい。そして、このコネクタがプリント基板に取り付けられる。
そして、(1)の発明によるコネクタは、コンタクトは、固定アームと、固定アームに対向する弾性アームと、固定アーム及び弾性アームの基端同士を結合する連結脚と、を有している。固定アームは、基端側がハウジングに固定され、先端側がハウジングから延出されて前記プリント基板の一方の面に当接される接触部を有している。弾性アームは、ハウジングの凹部の底面に延びてFPCに接触する接点を有している。
例えば、固定アームと、固定アームに対向する弾性アームと、固定アーム及び弾性アームの基端同士を結合する連結脚とを有するコンタクトは、形状としては、音叉形コンタクト又は二股コンタクトと呼ばれる。一般に、音叉形コンタクト又は二股コンタクトは、2本の腕(アーム)によって向かい合った方向に接触力を加える機能を有しているが、本発明によるコンタクトは、弾性アームがカンチレバーコンタクトとして機能する。すなわち、弾性アームは基端側(連結脚)が固定され、先端側がばねとして弾性変形可能な片持ち梁となっている。そして、本発明によるコンタクトは、例えば、U字状に形成される板状コンタクトであってよい。
例えば、ハウジングは、凹部が形成される面と相反する向きに位置する面に、L字状の段差が形成される。そして、ハウジングは前記凹部の開口側からこの段差に向けて貫通する複数の係止穴が形成される。この係止穴は凹部の底面に形成される溝に連通している。例えば、固定アームの基端側に係止突起が形成されており、この固定アームを係止穴に圧入することにより、固定アームがハウジングに固定される。
すなわち、固定アームは基端側がハウジングに固定されるとは、基端側に係止突起を有する固定アームが、係止穴に圧入されることにより、ハウジングに固定されることであってよい。又、固定アームは先端側がハウジングから延出するとは、固定アームの先端側が段差に向けて延出していることであってよい。そして、固定アームの先端側と段差の底面は、一定の間隙が設けられる。
固定アームの接触部が当接されるプリント基板の一方の面とは、プリント基板のオモテ面であってよく、ウラ面であってもよい。接触部が当接される面が本発明のコネクタの実装面となり得るが、この実装面と対向する面に、このコネクタ以外の他の部品を実装することを妨げるものではない。
例えば、プリント基板における一方の面の端部には、プリントコンタクト又はエッジコネクタと呼ばれる複数の座パターンが形成されており、この座パターンに接触部が当接されてプリント基板とコンタクトが接続される。座パターンに接触部が当接されるとは、固定アームの先端側と段差の底面に設けられる間隙にプリント基板が挿入されて、接触部が座パターンを圧接する態様を含み、後述するように接触部が座パターンにはんだ接合されて固定される態様を含んでいる。
例えば、凹部の底面に形成される前記複数の溝は、縦長の矩形溝に形成されて櫛の歯状に形成されている。凹部の開口側からこの縦長の矩形溝に弾性アームが挿入されて、複数の弾性アームが並設配置される。例えば、前記縦長の矩形溝は、弾性アームが撓むことを妨げないようにコンタクトの板厚より僅かに広くなっている。又、例えば、弾性アームが撓むことを妨げないように、この溝の底面の一定間隔は段差に向けて開口されている。
弾性アームはハウジングの凹部の底面に延びているとは、前述の矩形溝に弾性アームが弾性変形可能に配置されることであってよい。接点はFPCに接触するとは、FPCの接続端部に形成される導体パターンに接点が接触することであってよく、接点が導体パターンに接触することにより、FPCとコンタクトが電気的に接続される。この接点は、実体としては、例えば、円弧状に形成された先端部そのものであってもよい。
後述するように、挿入室に囲われた凹部にFPCが挿入されることにより、弾性アームの先端部(接点)は固定アーム側に撓み、反作用として先端部(接点)がFPCを押圧する。したがって、接点はFPCに接触するとは、接点はFPCを圧接すると同義であってもよい。
そして、(1)の発明によるコネクタは、プリント基板には板厚面に開口された挿入室が形成されている。そして、凹部を含むハウジングの一部が挿入室内に保持される。挿入室に囲われた凹部にFPCを挿入可能としている。
例えば、プリント基板は、3層からなる多層プリント基板で構成され、コア基板となる第2層板の端部に矩形の切り欠き溝が形成される。このコア基板を第1層板と第3層板で挟むように積層することにより、前記切り欠き溝がプリント基板の板厚面に開口された挿入室となり得る。単層のリジッド基板にあっては、板厚面が切削加工されて挿入室が形成されてもよい。
凹部を含むハウジングの一部とは、前記段差の底面を含む部位であってよく、前記段差に対向する凹部を含むハウジングの一部が挿入室に挿入される。例えば、段差の底面を含む部位の板厚は、コア基板の板厚より僅かに小さく、前記段差の底面が第1層板に摺動して挿入室に挿入される。例えば、後述するようにハウジングは、両翼に一対のタブを備え、この一対のタブは、挿入室に係合される一対の係止突起を互いに相反する向きに設けている。そして、ハウジングの一部が一対の係止突起と共に挿入室に圧入されて、ハウジングの一部が挿入室内に保持される。
そして、挿入室に囲われた凹部にFPCを挿入可能としている。例えば、この凹部の底面は第3層板に対向しており、第3層板に囲われた凹部にFPCが挿入される。この凹部内には、複数の弾性アームが配置されており、凹部の開口側からFPCが挿入されて、FPCがコンタクトに接続される。挿入室に囲われた凹部にFPCを挿入可能とする本発明のコネクタは、NON−ZIFコネクタとなっている。
一方、固定アームの先端側と段差の底面に設けられる間隙に、例えば、第1層板が挿入される。言い換えれば、挿入室を形成する第1層板を、固定アームの先端側と段差の底面で挟むようにして、本発明のコネクタはプリント基板の板厚面に保持されている。したがって、固定アームの先端側及び固定アームの基端側を覆うハウジングの上壁が、第1層板の表面、すなわちプリント基板の実装面から実質的に突出しており、限りなく低背であるFPC用のコネクタを実現可能としている。
例えば、固定アームの先端側及び固定アームの基端側を覆うハウジングの上壁を含む高さは、0.3mm以下にすることが可能であり、本発明によるFPC用のコネクタは、その実装高さを実質的に0.3mm以下にすることが可能であるといってよい。このように、本発明によるFPC用のコネクタは、ハウジングの高さがプリント基板の板厚と重複しているので、限りなく低背であるFPC用のコネクタを提供することができる。
(2) 前記ハウジングは、両翼に一対のタブを備え、この一対のタブは、前記挿入室に係合される一対の係止突起を互いに相反する向きに設けている(1)記載のコネクタ。
例えば、タブは金属板からなり、この一対のタブがハウジングの両翼に圧入されて、保持される。この一対のタブはハウジングの一部と共に挿入室に圧入され、挿入室の対向する両内壁に一対の係止突起が食い込むようにして、ハウジングが挿入室内に保持される。
(2)の発明によるコネクタは、挿入室に係合される一対の係止突起を互いに相反する向きに設けているので、プリント基板に強固に保持され、例えば、FPCをこのコネクタから抜去しても、このコネクタがプリント基板から離脱することを困難としている。後述するように、接触部がプリント基板の一方の面にはんだ接合されると、更に強固に保持される。
(3) 前記コンタクトは、前記ハウジングに交互に並設配置される第1コンタクト及び第2コンタクトからなり、この第1コンタクトと、この第2コンタクトは、前記弾性アームの基端から前記接点の距離が異なっている(1)又は(2)記載のコネクタ。
例えば、第1コンタクトは、弾性アームの基端から接点の距離が短く形成されている。第2コンタクトは、弾性アームの基端から接点の距離が長く形成されている。そして、第1コンタクトの接点及び第2コンタクトの接点は、同一平面状にスタッガード(Staggered)状に配置される。
このように複数の接点がスタッガード状に配置されることにより、FPC用のNON−ZIFコネクタとして、FPCの挿入を容易としている。例えば、複数の接点が一列に配置されると、FPCの挿入に当り、FPCの挿入端部が複数の接点に阻止されてFPCの挿入を困難とする。複数の接点がスタッガード状に配置されることにより、FPCの挿入端部は半数の接点を持ち上げる力で済み、FPCの挿入端部は半数の接点に付勢されながら、残りの半数の接点を持ち上げる力でFPCをコネクタに挿入できる。
(4) 接触部はプリント基板の一方の面にはんだ接合される(1)から(3)のいずれかに記載のコネクタ。
(4)の発明によるコネクタは、接触部がプリント基板の一方の面にはんだ接合されるので、プリント基板に強固に保持される。
(5) 複数の導体接触座がスタッガード状に配置されるFPCを接続可能とする(1)から(4)のいずれかに記載のコネクタ。
(5)の発明によるコネクタは、FPCに形成される複数の導体接触座がスタッガード状に配置されるので、例えば0.3mm程度の狭ピッチのFPCを接続可能としている。
(6) 導体間隔が0.3mmピッチに形成されている片面FPCと接続可能とする(1)から(5)のいずれかに記載のコネクタ。
(7) 前記FPCを牽引するスライダを備え、当該FPCと共にこのスライダが前記挿入室に挿入される(1)から(6)のいずれかに記載のコネクタ。
例えば、FPCの両翼には、対向する一対の切り欠き溝が形成される。一方、スライダはこの一対の切り欠き溝に嵌合する一対の突起が形成され、一対の突起が一対の切り欠き溝に係合して、FPCがスライダで牽引される。例えば、一対の突起の対向側は薄直方体状に形成され、この薄直方体状の部分がFPCと共に挿入室に挿入される。
このように、FPCがスライダで牽引されてプリント基板に挿入されることにより、大きい挿入力を要する多極のFPCの接続を可能としている。
本発明によるコネクタは、ハウジングと、固定アーム及び弾性アームを有する複数のコンタクトからなり、固定アームはプリント基板状に配置され、弾性アームを含むハウジングの一部はプリント基板の板厚面から内部に挿入される構成とした。本発明によるFPC用のコネクタは、ハウジングの高さがプリント基板の板厚と重複しているので、限りなく低背であるFPC用のコネクタを提供することができる。
本発明によるコネクタは、ハウジングの一部がプリント基板の板厚面から内部に挿入されているので、プリント基板の実装面に占めるコネクタの占有面積の割合(プリント基板への投影面積比)を大幅に削減できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明によるFPC用のコネクタ(以下、コネクタと略称する)の一実施形態を示す縦断面図である。図2は、前記実施形態によるコネクタの右側面図である。図3は、前記実施形態によるコネクタに適用されるFPCの一実施形態を示す平面図である。図4は、前記実施形態によるFPCの正面図である。
図5は、前記実施形態によるコネクタの斜視外観図である。図6は、前記実施形態によるコネクタの上面図である。図7は、前記実施形態によるコネクタの平面図である。図8は、前記実施形態によるコネクタの正面図である。
図9は、図7のA−A矢視断面図である。図10は、図7のB−B矢視断面図である。図11は、前記実施形態によるコネクタの右側面図である。図12は、前記実施形態によるコネクタの斜視外観図であり、コネクタがプリント基板に取り付けられる前の状態図である。図13は、前記実施形態によるコネクタの斜視外観図であり、コネクタがプリント基板に取り付けられた状態図である。図14は、別の実施形態によるコネクタを示す縦断面図である。
最初に、本発明によるコネクタの構成を説明する。図1において、コネクタ20は、FPC1が挿入され、FPC1と導電接続するコネクタであって、ハウジング2を備えている。ハウジング2はFPC1が挿入される凹部21が形成されている。ハウジング2には、複数の第1及び第2コンタクト31・32が配置されている。そして、コネクタ20はプリント基板5に取り付けられている。
図1において、ハウジング2は非導電性の材料からなる絶縁性の合成樹脂で成形されている。ハウジング2は、略直方体状に形成され、FPC1が挿入されるための薄直方体状の凹部21が形成されている。凹部21は、対向する一対の第1側壁21a・21bと(図5参照)、一対の第1側壁21a・21bと直交する第2側壁21cとで三方が囲まれて形成されている。FPC1は、凹部21の開口側から第2側壁21cに向って挿入される。
FPC1が凹部21に挿入されるにあたり、凹部21を形成する対向する一対の第1側壁21a・21bがFPC1の幅方向を案内して、複数の第1及び第2コンタクト31・32と位置合わせされる。そして、ハウジング2に配列されている複数の第1及び第2コンタクト31・32とFPC1が導電接続する。
図3及び図4において、FPC1は、絶縁性のポリエステルやポリイミドで形成されるベースフィルム1aに導体パターン1bとなる銅箔が積層されている。複数の導体パターン1bは絶縁被膜1cで被覆されているが、FPC1の接続端部10は、コンタクトと導電接触するために複数の導体パターン1bが露出している。本発明によるコネクタに適用されるFPC1は、ベースフィルム1aの片面に複数の導体パターン1bが備わる片面FPCが好ましく、FPC1の接続端部10にはベースフィルム1aに絶縁性の補強板1dが積層されている。なお、図4において、導体パターン1bは薄膜であるため図示されていない。
図9において、第1コンタクト31は、固定アーム31aと弾性アーム31b及び、連結脚31cを有している。弾性アーム31bは固定アーム31aに対向している。連結脚31cは、固定アーム31a及び弾性アーム31bの基端同士を結合している。同様に、図10において、第2コンタクト32は、固定アーム32aと弾性アーム32b及び、連結脚32cを有している。弾性アーム32bは固定アーム32aに対向している。連結脚32cは、固定アーム32a及び弾性アーム32bの基端同士を結合している。
図9及び図10において、第1及び第2コンタクト31・32は、弾性アーム31b・32bがカンチレバーコンタクトとして機能している。すなわち、弾性アーム31b・32bは基端側(連結脚31c・32c)が固定され、先端側がばねとして弾性変形可能な片持ち梁となっている。例えば、第1及び第2コンタクト31・32は、金属板が精密打ち抜き加工されて、U字状に形成される。
図9及び図10において、ハウジング2は、凹部21が形成される面と相反する向きに位置する面に、L字状の段差22が形成されている。ハウジング2は、凹部21の開口側から段差22に向けて貫通する複数の係止穴23が形成されている(図6参照)。複数の係止穴23は凹部21の底面に形成される溝24・25に連通している(図7及び図8参照)。図9及び図10に示されるように、固定アーム31a・32aの基端側には、係止突起31d・32dが形成されている。そして、固定アーム31a・32aを係止穴23に圧入することにより、固定アーム31a・32aがハウジング2に固定される。
図9及び図10において、固定アーム31a・32aは基端側がハウジング2に固定されている。又、固定アーム31a・32aは先端側がハウジング2から延出している。すなわち、固定アーム31a・32aの先端側が段差22に向けて延出している。そして、固定アーム31a・32aの先端側と段差22の底面22aは、一定の間隙が設けられている。
図1において、固定アーム31a・32aの各接触部31e・32eは、プリント基板5のオモテ面5aに当接されている。接触部31e・32eが当接されるオモテ面5aが、コネクタ20の実装面となり得る。オモテ面5aと対向するウラ面5bに、コネクタ20以外の他の部品を実装してもよい。
図12において、プリント基板5におけるオモテ面5aの端部には、プリントコンタクト又はエッジコネクタと呼ばれる複数の座パターン5pが形成されている。複数の座パターン5pに接触部31e・32eが当接されてプリント基板5とコンタクト31・32が接続される(図1参照)。複数の座パターン5pに接触部31e・32eが当接されるとは、固定アーム31a・32aの先端側と段差22の底面22aに設けられる間隙にプリント基板5が挿入されて、接触部31e・32eが座パターン5pを圧接する態様を含み、接触部31e・32eが座パターン5pにはんだ接合されて固定される態様を含んでいる。
図8において、凹部21の底面21dに形成される複数の溝24・25は、縦長の矩形溝に形成されて櫛の歯状に並んでいる。凹部21の開口側からこの縦長の矩形溝24・25に弾性アーム31b・32bが挿入されている。複数の弾性アーム31b・32bは並設配置される。縦長の矩形溝24・25は、弾性アーム31b・32bが撓むことを妨げないようにコンタクト31・32の板厚より僅かに広くなっている。又、弾性アーム31b・32bが撓むことを妨げないように、溝24・25の底面の一定間隔は段差22に向けて開口されている(図7参照)。
図12において、プリント基板5には板厚面5cに開口された挿入室51が形成されている。そして、凹部21を含むハウジング2の一部が挿入室51内に保持される。挿入室51に囲われた凹部21にFPC1を挿入可能としている(図1参照)。
例えば、図1において、プリント基板5は、3層からなる多層プリント基板で構成され、コア基板となる第2層板(h2の板厚を有する第2層板)の端部に矩形の切り欠き溝が形成される。このコア基板に、第1層板(h1の板厚を有する第1層板)と、第3層板(h3の板厚を有する第3層板)を挟むように積層することにより、前記切り欠き溝がプリント基板5の板厚面5cに開口された挿入室51となり得る。単層のリジッド基板にあっては、板厚面5cが切削加工されて挿入室51が形成されてもよい。
例えば、図1において、板厚h2が0.4mmのコア基板となる第2層板に、板厚h1及びh3が0.2mmの第1層板及び第3層板を積層することより、板厚hが0.8mmの多層基板とすることができる。なお、板厚hが0.8mmである単層のリジッド基板であってもよい。
凹部21を含むハウジング2の一部とは、段差22の底面22aを含む部位であってよく、段差22に対向する凹部21を含むハウジング2の一部が挿入室51に挿入される(図1参照)。段差22の底面22aを含む部位の板厚は、コア基板の板厚より僅かに小さく、段差22の底面22aが第1層板に摺動して挿入室51に挿入される(図1参照)。
図5に示されるように、ハウジング2は、両翼に一対のタブ4a・4bを備えている。一対のタブ4a・4bは、挿入室51に係合される一対の係止突起41a・41bを互いに相反する向きに設けている(図7参照)。そして、ハウジング2の一部が一対の係止突起41a・41bと共に挿入室51に圧入されて、ハウジング2の一部が挿入室51内に保持される。そして、挿入室51に囲われた凹部21にFPC1を挿入可能としている(図1参照)。
次に、図面を参照して本発明によるコネクタの作用を説明する。
図1において、凹部21の底面21dは、例えば第3層板に対向しており、第3層板に囲われた凹部21にFPC1が挿入される。凹部21内には、複数の弾性アーム31b・32bが配置されており、凹部21の開口側からFPC1が挿入されて、FPC1がコンタクト31・32に接続される。挿入室51に囲われた凹部21にFPC1を挿入可能とする本発明のコネクタは、NON−ZIFコネクタとなっている。
図1において、弾性アーム31b・32bはハウジング2の凹部21の底面21dに延びている。そして、複数の矩形溝24・25内に、弾性アーム31b・32bが弾性変形可能に配置されている。接点31f・32fはFPC1に接触するとは、FPC1の接続端部10に形成される複数の導体パターン1bに接点31f・32fが接触することであってよく(図3参照)、接点31f・32fが導体パターン1bに接触することにより、FPC1とコンタクト31・32が電気的に接続される。接点31f・32fは、実体としては、例えば、円弧状に形成された先端部そのものであってもよい(図9及び図10参照)。
図1において、挿入室51に囲われた凹部21にFPC1が挿入されることにより、弾性アーム31b・32bの先端部(接点)は固定アーム31a・32a側に撓み、反作用として先端部(接点)がFPC1を押圧する。したがって、複数の接点31f・32fはFPC1に接触するとは、複数の接点31f・32fはFPC1を圧接すると同義であってもよい。
一方、図11に示されるように、固定アーム31a・32aの先端側と段差22の底面22aに設けられる間隙に、例えば、第1層板が挿入される(図1参照)。言い換えれば、挿入室51を形成する第1層板を、固定アーム31a・32aの先端側と段差22の底面22aで挟むようにして、本発明のコネクタはプリント基板5の板厚面5cに保持されている。したがって、固定アーム31a・32aの先端側及び固定アーム31a・32aの基端側を覆うハウジング2の上壁26が、第1層板のオモテ面5a、すなわちプリント基板5の実装面から実質的に突出しており、限りなく低背であるFPC用のコネクタを実現可能としている。
例えば、図2において、固定アーム31a・32aの先端側及び固定アーム31a・32aの基端側を覆うハウジング2の上壁26を含む高さTは、0.3mm以下にすることが可能であり、本発明によるFPC用のコネクタは、その実装高さを実質的に0.3mm以下にすることが可能であるといってよい。図13に示されるように、本発明によるFPC用のコネクタは、ハウジングの高さがプリント基板の板厚と重複しているので、限りなく低背であるFPC用のコネクタを提供することができる。
図7において、例えば、一対のタブ4a・4bは金属板からなり、一対のタブ4a・4bがハウジング2の両翼に圧入されて、保持されている。一対のタブ4a・4bはハウジング2の一部と共に挿入室51に圧入され、挿入室51の対向する両内壁に一対の係止突起41a・41bが食い込むようにして、ハウジング2が挿入室51内に保持される(図1参照)。
本発明によるコネクタは、挿入室51に係合される一対の係止突起41a・41bを互いに相反する向きに設けているので、プリント基板5に強固に保持され、例えば、FPC1をコネクタ20から抜去しても、コネクタ20がプリント基板5から離脱することを困難としている。接触部31e・32eがプリント基板5のオモテ面5aにはんだ接合されると、更に強固に保持される。
図9又は図10において、コンタクトは、ハウジング2に交互に並設配置される第1コンタクト31及び第2コンタクト32で構成されている。第1コンタクト31と、第2コンタクト32は、各弾性アーム31a・32aの基端から各接点31f・32fの距離が異なっている。
例えば、第1コンタクト31は、弾性アーム31bの基端から接点の距離が短く形成されている(図9参照)。第2コンタクト32は、弾性アーム32bの基端から接点の距離が長く形成されている(図10参照)。そして、第1コンタクト31の接点31f及び第2コンタクト32の接点32fは、同一平面状にスタッガード状に配置されている。このように複数の接点31f・32fがスタッガード状に配置されることにより、FPC用のNON−ZIFコネクタとして、FPCの挿入を容易としている。
図3において、FPC1の接続端部10には、導体パターン1bに接続される複数の導体接触座1pがスタッガード状に配置されている。この複数の導体接触座1pの配置は、複数の接点31f・32fの配置に対応している。このように、FPC1に形成される複数の導体接触座1pがスタッガード状に配置されるので、本発明によるコネクタは、例えば0.3mm程度の狭ピッチ(P/2)のFPCを接続可能としている。又、導体間隔が0.3mmピッチに形成されている片面FPCと接続可能としている。
次に、別の実施形態によるコネクタの構成を説明する。図14において、別の実施形態によるコネクタ200は、FPC1を牽引するスライダ6を備えている。そして、FPC1と共にスライダ6が挿入室51に挿入される。
図14において、FPC1の両翼には、対向する一対の切り欠き溝(図示せず)が形成される。一方、スライダ6は、この一対の切り欠き溝に嵌合する一対の突起(図示せず)が形成され、一対の突起が一対の切り欠き溝に係合して、FPC1がスライダ6で牽引される。例えば、一対の突起の対向側は薄直方体状に形成され、この薄直方体状の部分がFPC1と共に挿入室51に挿入される。
別の実施形態によるコネクタ200は、FPC1がスライダ6で牽引されてプリント基板5に挿入されることにより、大きい挿入力を要する多極のFPCの接続を可能としている。
以上のように、プリント基板とFPCを接続するコネクタについて述べたが、本発明の技術的思想を応用すれば、FPCに換えてプリント基板をプリント基板に接続する、いわゆるボード・ツゥー・ボード・コネクタ(Board to Board Connector)も実現可能となる。又、FPCに換えてSD(Secure Digital)カードやMMC(Multimedia Card)などのメモリカード用のコネクタも実現可能となる。
1 FPC
2 ハウジング
5 プリント基板
20・200 コネクタ
21 凹部
21d 底面
31・32 第1及び第2コンタクト
31a・32a 固定アーム
31b・32b 弾性アーム
31c・32c 連結脚
31e・32e 接触部
31f・32f 接点
51 挿入室
2 ハウジング
5 プリント基板
20・200 コネクタ
21 凹部
21d 底面
31・32 第1及び第2コンタクト
31a・32a 固定アーム
31b・32b 弾性アーム
31c・32c 連結脚
31e・32e 接触部
31f・32f 接点
51 挿入室
Claims (7)
- FPCが挿入される凹部が形成された略直方体状のハウジングと、このハウジングに配置される複数のコンタクトと、を備え、プリント基板に取り付けられるコネクタであって、
前記コンタクトは、固定アームと、この固定アームに対向する弾性アームと、前記固定アーム及び弾性アームの基端同士を結合する連結脚と、を有し、
前記固定アームは、基端側が前記ハウジングに固定され、先端側が前記ハウジングから延出されて前記プリント基板の一方の面に当接される接触部を有し、
前記弾性アームは、前記ハウジングの凹部の底面に延びて前記FPCに接触する接点を有し、
前記プリント基板は、板厚面に開口された挿入室が形成され、
前記凹部を含むハウジングの一部が前記挿入室内に保持され、当該挿入室に囲われた当該凹部に前記FPCを挿入可能とするコネクタ。 - 前記ハウジングは、両翼に一対のタブを備え、この一対のタブは、前記挿入室に係合される一対の係止突起を互いに相反する向きに設けている請求項1記載のコネクタ。
- 前記コンタクトは、前記ハウジングに交互に並設配置される第1コンタクト及び第2コンタクトからなり、この第1コンタクトと、この第2コンタクトは、前記弾性アームの基端から前記接点の距離が異なっている請求項1又は2記載のコネクタ。
- 前記接触部はプリント基板の一方の面にはんだ接合される請求項1から3のいずれかに記載のコネクタ。
- 複数の導体接触座がスタッガード状に配置されるFPCを接続可能とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタ。
- 導体間隔が0.3mmピッチに形成されている片面FPCと接続可能とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記FPCを牽引するスライダを備え、当該FPCと共にこのスライダが前記挿入室に挿入される請求項1から6のいずれかに記載のコネクタ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005118959A JP2006302541A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | コネクタ |
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JP2005118959A Withdrawn JP2006302541A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | コネクタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-04-15 JP JP2005118959A patent/JP2006302541A/ja not_active Withdrawn
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