JP2006236657A - コネクタ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 プラグとソケットとをロックするためのロック構造であって、小型で且つ簡素なロック構造を有するコネクタ装置を提供する。
【解決手段】 コネクタ装置は、パッド電極１３を有するプラグ１２とコンタクト電極２４を有するソケット２２とから構成される。接地パッド電極１５を貫通するスルーホール１６が形成され、接地コンタクト電極２７の接続面には接地パッド電極１５のスルーホール１６に対して弾性的に付勢されてスルーホール１６に係合するディンプル２９が形成される。
【選択図】 図４

Description

本発明は、プラグとソケットとから構成されるコネクタ装置に関し、特に、プラグとソケットとをロックするためのロック構造に関する。

カードエッジコネクタは、プリント基板等のカード部材の縁部に配設され、プラグピン（プラグ端子）を有するプラグと、外部回路に接続され、ソケット端子を有するソケットピン（ソケット端子）とから構成される。カード部材のプラグ端子は、複数のパッド電極として構成され、ソケット端子は、カード部材のプラグとソケットとの接続時に、これらパッド電極の表面に接触する複数のコンタクト電極として構成される。カードエッジコネクタでは、パッド電極をカード部材のプリント配線の一部として構成できるため、カード部材にコンタクト電極を配設するツーピースコネクタなどと比較して、配線距離が短く、高速信号下で電気的なロスを低減できる特長を有する。

カードエッジコネクタのソケットには、プラグと同様にプリント基板の縁部に配設されたものと、ケーブルの端部に接続されたものとがある。後者では特に、ソケットに接続されたケーブルが外力によって引っ張られることによって、カード部材がソケットから容易に脱落する問題があった。カード部材のソケットからの脱落を防止するカードエッジコネクタとして、特許文献１、２は、カード部材とソケットとの間にロック構造を備えたカードエッジコネクタを記載している。特許文献１では、カード部材にはかぎ状の突起を、ソケットには回動可能なレバーをそれぞれ配設し、カード部材がソケットに挿入されると、レバーが閉じて突起に係合するロック構造を記載している。特許文献２では、カード部材のパッド電極の両脇にスルーホールを形成し、スルーホールに係合する突起をソケットに配設するロック構造を記載している。
特開２００２−１２４３２７号公報（図１） 実開昭６１−７６６８３号公報（第１図）

近年、電子機器が小型化され、電子機器に搭載されるコネクタ装置の小型化が要請されている。コネクタ装置の小型化を実現するために、例えば、従来のパラレル転送方式のコネクタ装置に代わり、電極数が少なくて済むシリアル転送方式のコネクタ装置が多く用いられている。ところが、このような小型化されたコネクタ装置に、特許文献１又は２に記載のロック構造を採用すると、ロック構造のためにコネクタが大型化し、コネクタの小型化に障害になる問題があった。また、コネクタ装置の構造が複雑になることによって、コストが上昇する問題もあった。

本発明は、上記に鑑み、プラグとソケットとをロックするためのロック構造であって、小型で且つ簡素なロック構造を有するコネクタ装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタ装置は、プラグ端子を有するプラグとソケット端子を有するソケットとから構成されるコネクタ装置において、
前記プラグ端子の接続面に突起又は凹部が形成され、前記ソケット端子の接続面には前記プラグ端子の突起又は凹部に対して弾性的に付勢されて前記突起又は凹部に係合する凹部又は突起が形成されることを特徴とする。

本発明のコネクタ装置によれば、プラグ端子の接続面に形成された突起又は凹部と、ソケット端子の接続面に形成され、プラグ端子の突起又は凹部に対して弾性的に付勢されて係合する凹部又は突起とによって、プラグとソケットとをロックするロック構造を実現している。ロック構造が、プラグ端子及びソケット端子の接続面に形成されることによって、コネクタ装置を大型化させることなく、ロック構造を有するコネクタ装置を小型化することが出来る。また、簡素なロック構造を有するため、ロック構造を有するコネクタの製造に必要なコストを低減することが出来る。

本発明の好適な実施態様では、前記プラグ端子の接続面には凹部が形成され、該凹部は前記プラグ端子を貫通するスルーホールである。この場合、プラグ端子側の凹部を容易に形成できる。

本発明の好適な実施態様では、前記プラグ端子の接続面は、該プラグ端子の表面及び裏面にそれぞれ形成され、前記スルーホールは、前記表面及び裏面の接続面と同じ材質の金属膜で被覆されている。プラグ端子とソケット端子とを効率的に接触させ、電気的な接続性を向上させることが出来る。

本発明の好適な実施態様では、前記突起又は凹部が、グランドを構成する複数のプラグ端子に形成される。グランドを構成する複数のプラグ端子が共通なので、グランドを構成する一部のプラグ端子とソケット端子との間で接触不良が生じた際に、グランドを構成する他のプラグ端子とソケット端子との間で接触を行い、突起又は凹部が形成されたプラグ端子とソケット端子との間の電気的な接続性を向上させることが出来る。

以下に、図面を参照し、本発明の実施形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形態に係るコネクタ装置の構成を示す斜視図である。コネクタ装置１０は、カードエッジコネクタであって、多層プリント配線基板から成るカード部材１１の縁部に、多層プリント配線基板の一部として配設されたプラグ１２と、ケーブル２１の端部に接続されたソケット２２とから構成される。

プラグ１２の双方の基板面には、複数のパッド電極（プラグ端子）１３が配設されている。パッド電極１３は、プラグ１２の挿入方向に細長い長方形の平面形状を有し、長辺方向の長さが２．０ｍｍで、短辺方向の長さが１．５ｍｍである。パッド電極１３は、配線基板の信号配線に接続される信号パッド電極１４と、配線基板の接地配線に接続される接地パッド電極１５とから構成される。信号パッド電極１４及び接地パッド電極１５は、グランドストリップ構造で配列され、隣接する信号パッド電極１４間のクロストークノイズを低減できるように、１つ又は２つの信号パッド電極１４毎に１つの接地パッド電極１５が配置されている。

各パッド電極１３は、配線基板の表裏双方の基板面に形成されている。接地パッド電極１５には、プラグの端部１２ａ寄りに、断面形状が略円形のスルーホール１６が形成されている。スルーホール１６は、その下部の配線基板、及び配線基板を挟んで反対側の接地パッド電極を貫通して形成されている。スルーホール１６の直径φは０．５ｍｍである。

図２（ａ）に、図１のａ−ａ線に沿って見た断面を示す。ソケット２２は、プラグ１２を収容するハウジング２３を備える。ハウジング２３には、プラグ１２に配設された信号パッド電極１４に対応して、信号コンタクト電極２５が固定されている。信号コンタクト電極２５は、ハウジング２３の開口近傍で、プラグ１２の基板面に向かって湾曲して突出する湾曲部２６を有する。

図２（ｂ）に、図１のｂ−ｂ線に沿って見た断面を示す。ハウジング２３には、プラグ１２に配設された接地パッド電極１５に対応して、略Ｕ字形の接地コンタクト電極２７が固定されている。接地コンタクト電極２７は、その先端近傍で、プラグ１２の基板面に向かって湾曲して突出する湾曲部２８を有する。接地コンタクト電極２７は、その湾曲部２８が、信号コンタクト電極２５の湾曲部２６よりもハウジング２３の奥側に位置するように、配設されている。

図３（ａ）に、接地コンタクト電極の湾曲部を拡大して示す。また、図３（ｂ）に、接地コンタクト電極の湾曲部を接続面側から見た平面形状を示す。図３（ａ）は、図３（ｂ）のａ−ａ線に沿って見た断面を示している。接地コンタクト電極２７は、プラグ１２の挿入方向に長いストライプ状の金属板として構成され、湾曲部２８で最も突出する部位に、プラグ１２の基板面に向かって突起するディンプル２９が形成されている。ディンプル２９は、直径φが０．６ｍｍの略半球形である。ディンプル２９は、接地コンタクト電極２７のプレス加工等によって形成される。

図２（ｂ）に戻り、スルーホール１６の内壁にはめっきで被覆された導電膜１７が形成され、配線基板の一層を構成するグランド層（図示せず）に接続されている。信号コンタクト電極２５及び接地コンタクト電極２７は、それらの端部で、はんだ３０によって、信号線３１及び接地線３２にそれぞれ接合されている。信号線３１及び接地線３２は、ハウジング２３の外側に引き出され、２本の信号線３１と２本の接地線３２とが１本のケーブル２１を構成している。なお、信号コンタクト電極２５及び接地コンタクト電極２７と、信号線３１及び接地線３２との接合は、圧着によって行っても構わない。

プラグ１２とソケット２２とを接続する際には、プラグの端部１２ａの位置をソケット２２の開口に合わせ、ソケット２２の内部に移動させる。移動に伴い、先ず、信号コンタクト電極の湾曲部２６が、プラグの端部１２ａに当接し、基板面上に乗り上げ、信号パッド電極１４の接続面に対して付勢されたまま滑らかに摺動する。次いで、接地コンタクト電極の湾曲部２８が、プラグの端部１２ａに当接し、ディンプル２９が基板面上に乗り上げ、接地パッド電極１５の接続面に対して付勢されたまま滑らかに摺動する。

ディンプル２９は、接地パッド電極１５の接続面上を一定距離だけ摺動すると、スルーホール１６に係合する。この状態を図４（ａ）に示す。また、図４（ｂ）に、図４（ａ）のディンプル近傍を拡大して示す。ディンプル２９がスルーホール１６に係合することによって、プラグ１２とソケット２２とがロックされる。また、スルーホール１６の開口で、ディンプル２９と接地パッド電極１５とが接触することによって、接地パッド電極１５と接地コンタクト電極２７とが電気的に接続される。

本実施形態のコネクタ装置によれば、ディンプル２９と係合するスルーホール１６が接地パッド電極１５を貫通して形成されるので、コネクタ装置が大型化しない。これによって、ロック構造を有するコネクタ装置を小型化でき、コネクタ装置の実装密度を高めることが出来る。また、コネクタ装置の通常の接続動作によって、プラグとソケットとがロックされる簡易なロック構造を実現している。

スルーホール１６及び導電膜１７は、カード部材１１を構成する多層プリント配線基板の形成工程として形成できるので、コネクタ装置の製造に必要なコストの増大を抑制できる。スルーホール１６の内壁に導電膜１７が形成されているので、接地パッド電極１５と接地コンタクト電極２７とを効率的に接触させ、電気的な接続性を向上させることが出来る。

グランドストリップ構造の電極配置を有するカードエッジコネクタにおいて、スルーホール１６が、共通の接地パッド電極１５に形成されるので、一部の接地パッド電極１５と接地コンタクト電極２７との間に接触不良が発生しても、他の接地パッド電極１５と接地コンタクト電極２７との間で接触を行うことが出来る。これによって、接地パッド電極１５と接地コンタクト電極２７との間の電気的な接続性を向上させることが出来る。

なお、本実施形態では、スルーホール１６に代えて、接地パッド電極１５の接続面に凹部が形成されても構わない。また、接地パッド電極１５の接続面に突起が形成され、接地コンタクト電極２７の接続面に、この突起に係合する凹部が形成されても構わない。

以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明に係るコネクタ装置は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したコネクタ装置も、本発明の範囲に含まれる。

本発明の一実施形態に係るコネクタ装置の構成を示す斜視図である。 図２（ａ）、（ｂ）は、図１のａ−ａ線、ｂ−ｂ線に沿って見た断面をそれぞれ示す断面図である。 図３（ａ）は、図２（ｂ）の湾曲部近傍を拡大して示す断面図であり、図３（ｂ）は、図２（ｂ）の湾曲部近傍を接続面側から見た平面を示す平面図である。 図４（ａ）は、プラグとソケットとがロックされた状態について、図２（ｂ）に相当する断面を示す断面図であり、図４（ｂ）は、図４（ａ）の湾曲部近傍を拡大して示す断面図である。

符号の説明

１０：コネクタ装置
１１：カード部材
１２：プラグ
１２ａ：（プラグの）端部
１３：パッド電極
１４：信号パッド電極
１５：接地パッド電極
１６：スルーホール
１７：導電膜
２１：ケーブル
２２：ソケット
２３：ハウジング
２４：コンタクト電極
２５：信号コンタクト電極
２６：（信号コンタクト電極の）湾曲部
２７：接地コンタクト電極
２７ａ：（接地コンタクト電極の）接続面
２８：（接地コンタクト電極の）湾曲部
２９：ディンプル
３０：はんだ
３１：信号線
３２：接地線

Claims (4)

1. プラグ端子を有するプラグとソケット端子を有するソケットとから構成されるコネクタ装置において、
   前記プラグ端子の接続面に突起又は凹部が形成され、前記ソケット端子の接続面には前記プラグ端子の突起又は凹部に対して弾性的に付勢されて前記突起又は凹部に係合する凹部又は突起が形成されることを特徴とするコネクタ装置。
2. 前記プラグ端子の接続面には凹部が形成され、該凹部は前記プラグ端子を貫通するスルーホールである、請求項１に記載のコネクタ装置。
3. 前記プラグ端子の接続面は、該プラグ端子の表面及び裏面にそれぞれ形成され、前記スルーホールは、前記表面及び裏面の接続面と同じ材質の金属膜で被覆されている、請求項２に記載のコネクタ装置。
4. 前記突起又は凹部が、グランドを構成する複数のプラグ端子に形成される、請求項１〜３の何れか一に記載のコネクタ装置。

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