JP2006301585A - 光学製品および光学製品の製造方法 - Google Patents

光学製品および光学製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多層膜を内部に挟みこんだクロスダイクロイックプリズムにおいて、接着剤の影響をさらに小さくする。
【解決手段】 ガラス製の直角二等辺三角形直角柱形状の第1プリズム素子11a、第2プリズム素子11b、第3プリズム素子11c及び第4プリズム素子11dの各直角をなす頂点を合わせ、各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜12B、12Rを介して接合して製造するに際し、少なくとも一つの接合面に最上層が酸化シリコン層の多層膜によりダイクロイック膜を成膜し、その接合面と、対峙するガラス接合面とをオプティカルコンタクト法により接合してクロスダイクロイックプリズム1を製造する。これにより、接着層を排除できるので、接着層を横断することによる光学性能の劣化を防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層膜を内部に含む光学素子およびその製造方法であり、特に、プロジェクタ機器に使用される色合成あるいは色分解用のクロスダイクロイックプリズムおよびその製造方法に関するものである。
多板方式のプロジェクタにおいて、白色光を色分割して、各色の画像を表示するライトバルブを照明し、さらに、各色の画像を合成した後に投写レンズによりスクリーンに投影する方式が多く採用される。クロスダイクロイックプリズムは、白色光を三色に分解したり、三色画面を合成するために好適な光学製品(光学部品)の1つである。
図22に従来のクロスダイクロイックプリズムの構造を断面で示してある。このクロスダイクロイックプリズム90は、クロスダイクロイックプリズム90を4分割した4個の三角柱状のプリズム91a〜91dの各一面に多層膜からなるダイクロイック膜92を形成し、それらをプリズムの基材とほぼ同等の光学的な性質を備えた接着剤93により接合されている。なお、図中では、ダイクロイック膜92および接着剤93の存在を例示するために十分な厚みで記載しているが、実際のダイクロイック膜92および接着剤93の厚みは、公知なように非常に薄く、例えば、数10μm程度である。本明細書に添付した他の図面についても同様である。
図23は、クロスダイクロイックプリズムの異なる例である。このクロスダイクロイックプリズム95においては、クロスダイクロイックプリズム90を4分割した4個の三角柱状のプリズム91a〜91dにより、まず、多層膜からなるダイクロイック膜92を挟んだ2分割のプリズムのペアを形成する。その後、2分割のプリズムペアの一方の接合部に多層膜からなるダイクロイック膜92を形成し、2分割のプリズムペアの接合部を光学接着剤93で接合する。
特開平06−331807号公報 特開平09−015405号公報
クロスダイクロイックプリズムにおいて、光路を光学的に均等に形成することが画質を向上させるため、特に画像のぼけ、二重画像の防止に有効である。例えば、光路を構成する部材の屈折力を均一にすることが望ましく、特許文献1に開示されているように、各々のプリズムを構成する部材の屈折率の均一性を精度良く管理することがクロスダイクロイックプリズムの性能を向上させるために重要である。また、特許文献2に開示されているように、図22に示した従来のダイクロイックプリズム90の構成では、接着剤93の厚みによりダイクロイック膜92に段差が生ずるため、図23に示したような構成を採用することが望ましい。
さらに、いずれの構成でも、光路の一部は接着剤93により構成されるので、接着剤93の光学的な性質をプリズム91a〜91dと同一にすることがダイクロイックプリズム90および95の性能をいっそう向上させるためには重要である。このため、光学接着剤として硬化後の屈折率がガラスとほぼ同じものが開発されている。
しかしながら、接着剤は、熱による重合、あるいは光による重合により硬化されるようになっているが、安定的にかつ均一にガラスと同じ屈折率になるように硬化させることは難しい。例えば、接着剤の材料の成分変動、硬化条件の変動により硬化後の屈折力は微少であっても変動する。さらに、プリズムとして採用可能なガラスは一種類ではないが、接着剤が対応していなければプリズムに採用可能なガラスの種類は限られたものになってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、クロスダイクロイックプリズムのような多層膜を内部に挟みこんだ光学製品において、接合に用いる接着剤の影響を可及的に小さくすることができる光学製品およびその製造方法を提供することを目的とする。
このため、本発明においては、光学素子同士の接合をオプティカルコンタクト法により接合あるいは貼り合わせし、接着剤の影響を完全に排除できるようにする。オプティカルコンタクトは、ガラス面を研磨加工し、厳密に似合った2つの表面を形成し、接着剤無しで密着あるいは溶着させる技術として公知である。オプティカルコンタクトは、ガラス基板の表面を精度良く研磨して平面にして密着することにより、その表面の水酸基同士が水素結合する、あるいは脱水素縮合による共有結合による接合方式であると考えられており、ガラス基板面同士以外ではほとんど効果が認められていない。
これに対し、本発明においては、多層膜の最上層を酸化シリコン層にすることにより、多層膜の表面もガラス面と同じ条件とし、多層膜を挟んで、光学素子であるガラス基板を接合し、多層膜を内部に備えた光学製品を接着剤なしで製造できるようにしている。
すなわち、本発明は、多層膜の最上層を酸化シリコン層としたので、多層膜の表面をオプティカルコンタクト法で接合できるガラスの表面と同等にすることができる。したがって、オプティカルコンタクト法により多層膜を挟んで一方の光学素子と他方の光学素子を接合することができる。このため、得られる光学製品の接合部には接着層はなく、上述したような接着層に起因する光学的性能の劣化をほぼ完全に防止できる。
また、本発明においては、接着剤の層を形成しないで、多層膜を挟んで複数の光学素子を接合できるので、複数の光学素子にわたる面にさらに多層膜を成膜しても多層膜の性能を維持できる。すなわち、接着剤を介して接合された複数の光学素子にわたる面においては、接着剤層の上に多層膜を形成する状態になる部分が存在し、その部分で多層膜が歪んだり、膜厚が変動して所望の性能を得られない可能性があるのに対し、本発明の製造方法においてはそのような心配はない。
上述したように、多層膜の段差を避けるために一つの光学素子の2つの面に異なる性能の多層膜を形成する場合、その境界部分を大きくすれば相互の影響は少なくなるが、光路の有効面積が減ってしまい、それが光学製品または光学製品の内部に存在することになると境界部分の影響を避けようが無い。これに対し、オプティカルコンタクト法により接合された光学素子にわたる面に新たに多層膜を形成すれば、多層膜同士の干渉はなく、また、光路に影響を与えるような隙間の発生も防止できる。
本発明は、第1に、ガラス製のそれぞれ直角二等辺三角形直角柱の形状を有する第1プリズム素子、第2プリズム素子、第3プリズム素子及び第4プリズム素子の各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合してなるクロスダイクロイックプリズムにおいて、前記第1プリズム素子の光学側面と前記第2プリズム素子の光学側面間を第1接合部、前記第2プリズム素子の光学側面と前記第3プリズム素子の光学側面間を第2接合部、前記第3プリズム素子の光学側面と前記第4プリズム素子の光学側面間を第3接合部、前記第4プリズム素子の光学側面と前記第1プリズム素子の光学側面間を第4接合部とした場合、前記第1〜第4接合部のいずれかの光学側面に設けられたダイクロイック膜の最上層が酸化シリコン層で構成され、前記ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
クロスダイクロイックプリズムは、直角二等辺三角形直角柱の形状の4つのプリズムの直角をなす頂角を形成する両面の光学側面をそれぞれ多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合して形成されたもので、4つの接合部は十字状に交差する。これらの4つの接合部の少なくとも一つの接合部にオプティカルコンタクト法による接合を採用することによって、接着層に起因する光学的性能の劣化を少なくすることができる。
本発明は、第2に、上記第1の光学製品において、前記第1接合部におけるダイクロイック膜と前記第3接合部におけるダイクロイック膜とがこれらの接合部に亘って連続している連続ダイクロイック膜であることを特徴とする光学製品を提供する。
4つの十字状に交差する接合部の平行な接合部の一方のダイクロイック膜を接合部間に亘る連続した膜に形成することによって、ダイクロイック膜の端面や段差に起因する光学的影響を少なくすることができる。
本発明は、第3に、上記第2の光学製品において、前記第2接合部におけるダイクロイック膜の端面及び前記第4接合部におけるダイクロイック膜の端面のそれぞれが前記第1接合部と前記第3接合部に亘って設けられて最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
分断されている第2接合部と第4接合部のダイクロイック膜の端面がこれらの接合部と直交する2つの接合部に亘っている連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合されていることにより、ダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくし、光学的均一性を向上させることができる。
本発明は、第4に、上記第2の光学製品において、前記第1接合部と第3接合部における連続ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とが、前記第2接合部及び前記第4接合部のそれぞれの前記ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがそれぞれオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
4つの接合部の全てをオプティカルコンタクト法により接合することにより、光路として有効な領域に接着剤の層がないため、接着層に起因する光学的性能の劣化を完全に防止できる。
本発明は、第5に、上記第2の光学製品において、前記第2接合部及び第4接合部においては接着剤層によって接合され、前記第1接合部及び前記第3接合部においては最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成される前記連続ダイクロイック膜の前記最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
この構造のクロスダイクロイックプリズムは、4つのプリズム素子を2つずつ接着剤でそれぞれ接合して2つのプリズムペアを製造するので製造が容易であるとともに、連続ダイクロイック膜の形成によってダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる上、この最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜と直交する第1接合部と第3接合部のそれぞれのダイクロイック膜の端面が連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合することが可能であり、更に、ダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。
本発明は、第6に、上記第2の光学製品において、前記第2接合部においては接着剤層によって接合され、前記第1接合部及び前記第3接合部においては最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成される前記連続ダイクロイック膜の前記最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合され、前記第4接合部においてはダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
この構造のクロスダイクロイックプリズムは、最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜と直交する第1接合部と第3接合部のそれぞれのダイクロイック膜の端面が連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合することが可能であり、ダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。
本発明は、第7に、上記第4の光学製品において、前記連続ダイクロイック膜が設けられている面と対向する2つの光学側面及びその間のダイクロイック膜の端面を覆って酸化シリコン層が設けられ、この酸化シリコン層と前記連続ダイクロイック膜とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
2つの平行する光学側面及びそれらの光学側面間の接合部のダイクロイック膜の端面を覆う酸化シリコン層を設けることによってオプティカルコンタクト法による接合を確実にすることができる。
本発明は、第8に、上記第1の光学製品において、前記第1接合部、前記第2接合部、前記第3接合部及び前記第4接合部のいずれか一つ以上の接合部の光学的に有効な領域の外側に間隙が設けられ、その間隙に接着剤が充填されていることを特徴とする光学製品を提供する。
光学的に有効な領域の外側、例えば、光学素子を組み合わせて製造するプリズムなどの光学製品の縁あるいはコーナ部分などは光路として使用されないことが多い。接合部の光学的に影響のない領域に設けられた間隙に接着剤が充填されているため、接合部の信頼性をさらに向上でき、高性能で、信頼性のいっそう高い光学製品として提供できる。
本発明は、第9に、上記第1の光学製品において、前記第1プリズム素子、前記第2プリズム素子、前記第3プリズム素子及び前記第4プリズム素子の上面及び/又は下面にこれらの素子間に亘って補強部材が接合されていることを特徴とする光学製品を提供する。
補強部材で4つのプリズム素子を一体化できるため、接合部の信頼性をさらに向上でき、高性能で、信頼性のいっそう高い光学製品として提供できる。
本発明は、第10に、それぞれガラス製の直角二等辺三角形直角柱の形状の第1プリズム素子、第2プリズム素子、第3プリズム素子及び第4プリズム素子の各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合してクロスダイクロイックプリズムを製造するに際し、前記第1プリズム素子又は第4プリズム素子の直交する光学側面の一方に多層膜で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第1成膜工程と、前記第1プリズム素子又は第4プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜を設けていないプリズム素子の光学側面と他方のプリズム素子の前記ダイクロイック膜を設けた光学側面とを前記第1ダイクロイック膜を介して接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程と、第2プリズム素子又は第3プリズム素子の直交する光学側面の一方に多層膜で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第2成膜工程と、第2プリズム素子又は第3プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜を設けていないプリズム素子の光学側面と他方のプリズム素子の前記ダイクロイック膜を設けた光学側面とを前記第1ダイクロイック膜を介して接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、前記第1プリズムペア及び第2プリズムペアの光学斜辺面を密着可能な面に整面する整面工程と、前記第1プリズムペア又は第2プリズムペアのどちらか一方の光学斜辺面に多層膜で構成される第2ダイクロイック膜を形成する第3成膜工程と、前記第3成膜工程により成膜されたプリズムペアの前記第2ダイクロイック膜と前記第2ダイクロイック膜を設けなかったプリズムペアの光学斜辺面とを接合する第3接合工程とを有し、最上層が酸化シリコン層で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第1成膜工程と、前記第1プリズム素子と第4プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とをオプティカルコンタクト法により接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程との第1組み合わせ、最上層が酸化シリコン層で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第2成膜工程と、第2プリズム素子と前記第3プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とをオプティカルコンタクト法により接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程との第2組み合わせ、及び最上層が酸化シリコン層で構成される第2ダイクロイック膜を形成する第3成膜工程と、前記第1プリズムペアと前記第2プリズムペアの前記第2ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学斜辺面とをオプティカルコンタクト法により接合する第3接合工程との第3組み合わせのいずれか一つ以上の組み合わせを用いてクロスダイクロイックプリズムを得ることを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
クロスダイクロイックプリズムにおける十字状に交差する4つの接合部の少なくとも一つの接合部にオプティカルコンタクト法による接合を採用することによって、接着層に起因する光学的性能の劣化を可及的に防止できる。
本発明は、第11に、上記第10の光学製品の製造方法において、前記第1組み合わせ、前記第2組み合わせ及び前記第3組み合わせを有することを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
4つの接合部の全てをオプティカルコンタクト法により接合することにより、接着層に起因する光学的性能の劣化を完全に防止できる。
本発明は、第12に、上記第10の光学製品の製造方法において、前記第1プリズム素子と前記第4プリズム素子とを接着剤で接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程と、前記第2プリズム素子と前記第3プリズム素子とを接着剤で接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、最下層の酸化シリコン層を設ける第3成膜工程を有する前記第3組み合わせとを有することを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
このクロスダイクロイックプリズムの製造方法は、最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜と直交するそれぞれのダイクロイック膜の端面が連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合することが可能であり、クロスダイクロイックプリズムの内部にダイクロイック膜の端面が存在しなくなることにより、ダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。
本発明は、第13に、上記第10の光学製品の製造方法において、前記第1組み合わせと、前記第2プリズム素子の光学側面と前記第3プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜とを接着剤で接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、最下層の酸化シリコン層を設ける第3成膜工程を有する前記第3組み合わせとを有することを特徴とする光学製品の製造方法を提供する。
このクロスダイクロイックプリズムの製造方法は、最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜と直交するそれぞれのダイクロイック膜の端面が連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合することが可能であり、ダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。
以下、本発明の光学製品及び光学製品の製造方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の光学製品は、ガラス製の互いに接合される光学平面を有する2以上の光学素子からなる光学製品であって、第1の光学素子の光学平面に最上層が酸化シリコン層の多層膜が形成され、第2の光学素子には多層膜を形成した光学平面に接合可能な光学平面が形成され、第1の光学素子の多層膜を形成した光学平面と第2の光学素子の光学平面とがオプティカルコンタクト法により接合されている。
具体的な光学製品としては、クロスダイクロイックプリズムが挙げられる。クロスダイクロイックプリズムは、ガラス製のそれぞれ直角二等辺三角形直角柱の形状を有する第1プリズム素子、第2プリズム素子、第3プリズム素子及び第4プリズム素子の各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合してなる光学製品である。クロスダイクロイックプリズムは白色光の三色色分解や投射光の三色色合成に用いられる。
なお、第1プリズム素子として4つのプリズム素子のどれを選択するかは任意であり、第1プリズム素子の両側に第2プリズム素子と第4プリズム素子があり、対向して第3プリズム素子があるという関係である。
本発明の光学素子においては、第1プリズム素子の光学側面と第2プリズム素子の光学側面間を第1接合部、第2プリズム素子の光学側面と第3プリズム素子の光学側面間を第2接合部、第3プリズム素子の光学側面と第4プリズム素子の光学側面間を第3接合部、第4プリズム素子の光学側面と第1プリズム素子の光学側面間を第4接合部とした場合、第1〜第4接合部のいずれかのダイクロイック膜の最上層が酸化シリコン層で構成され、ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されている。
(第1実施例)
図1に、本発明の第1の実施例に係るクロスダイクロイックプリズムの構成を、断面を用いて示してある。このクロスダイクロイックプリズム(以降ではダイクロイックプリズム)1は、断面が略正方形の光学製品(光学部品)であり、4個のガラス製の直角二等辺三角形直角柱の形状の第1プリズム素子11a、第2プリズム素子11b、第3プリズム素子11c、第4プリズム素子11dの各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれが多層膜からなるダイクロイック膜12Rおよび12Bを介して接合されている。第1プリズム素子11aと第4プリズム素子11d間の第4接合部34においてはダイクロイック膜12Rを介してオプティカルコンタクト法により接合され、第2プリズム素子11bと第3プリズム素子11c間の第2接合部32においてはダイクロイック膜12Rを介してオプティカルコンタクト法により接合され、ダイクロイック膜12Bは第1プリズム素子11aと第2プリズム素子11bの第1接合部31と第3プリズム素子11cと第4プリズム素子11d間の第3接合部33に亘って連続して設けられ、第1接合部31と第3接合部33はダイクロイック膜12Bを介してオプティカルコンタクト法により接合されている。即ち、第1実施例のダイクロイックプリズム1では、全ての接合部31〜34がオプティカルコンタクト法により接合されている。図1を含む以下の図面ではオプティカルコンタクト法により接合した接合部をオプティカルコンタクト法による接合面(部分)19として説明を容易にするために太線で表示する。なお、太線で示したオプティカルコンタクト法による接合部分19が厚みを持つことを意味するものではない。以下の図においても同様である。
ダイクロイック膜12Rは赤色、例えば、波長が850nmの光を効率良く反射する半透過膜であり、ダイクロイック膜12Bは青色、例えば、波長が525nmの光を効率良く反射する半透過膜である。したがって、ダイクロイックプリズム1においては、赤色の光Rがダイクロイック膜12Rにより反射されて向きを変え、青色の光Bがダイクロイック膜12Bにより反射されて向きを変え、緑色の光Gはこれらのダイクロイック膜12Rおよび12Bを透過する。このような作用により、各色の画像を合成したり、白色光を各色の光線に分割することができ、プロジェクタなどの様々な光学機器における重要な光学部品の1つとなっている。
図2から図4に、このダイクロイックプリズム1の製造過程の概要を示してある。第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dとしては、例えば、BK7と称される硼珪クラウン光学ガラス(d線の屈折率が1.51633)が用いられる。第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dは、1つの頂角を90度、残り2つの角を45度の頂角を有する直角二等辺三角形の面を垂直方向に移動してできる直角柱の形状を有する。第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dのそれぞれの直角をなす頂角を形成する直交する2面の光学側面の一方にダイクロイックダイクロイック膜12Rまたは12Bが形成される。なお、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dは、後述する他の実施例において、同様に用いられる。
図2に示すように、第4プリズム素子11dの光学側面の内、第1プリズム素子11aに面した第1の光学側面15に、蒸着法により、多層膜からなるダイクロイック膜12Rを第1の多層膜として成膜する(第1成膜工程)。この場合、勿論、第1プリズム素子11aの第4プリズム素子11dと面する光学側面14にダイクロイック膜12Rを設けるようにしてもよい。第3プリズム素子11cの光学側面の内、第2プリズム素子11bに面した第1の光学側面15に、蒸着法により、多層膜からなるダイクロイック膜12Rを成膜する(第2成膜工程)。
赤色の光Rを反射するダイクロイック膜12Rの構成の一例を図21(a)に示してある。このダイクロイック膜12Rは、波長850nmの光を効率良く反射するように設計されており、赤色の光の反射率が高く、青色および緑色の光の透過率が高い設計となっている。本例のダイクロイック膜12Rは、酸化タンタル(Ta25)の薄膜と、酸化シリコン(SiO2)の薄膜とを合計28層、重ねることにより形成される、厚みが数10μm程度の薄膜である。そして、ダイクロイック膜12Rの最上層12Rtは酸化シリコン層になるようにしている。
このような多層膜は、誘電体多層膜とも称され、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法などを用いて成膜することができる。適当な材料の高屈折率の層と低屈折率の層とを交互に適切な厚みで積層することにより、所望の波長を反射あるいは透過するような薄膜を成膜することができる、高屈折率層の材料としては、酸化タンタルの他に、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(Nb25)などを用いることができる。低屈折率層の材料として酸化シリコンのほかに、フッ化マグネシウム(MgF2)などを用いることができるが、本発明においては、少なくとも最上層には、酸化シリコンが用いられた薄膜を形成する。
次に、図3に示すように、ダイクロイック膜12Rが成膜された第4プリズム素子11dの光学側面15と、その光学側面15に向かい合う第1プリズム素子11aの光学側面14とをオプティカルコンタクト法により接合する(第1接合工程)。同様に、ダイクロイック膜12Rが成膜された第3プリズム素子11cの光学側面15と、その光学側面15に向かい合う第2プリズム素子11bの光学側面14とをオプティカルコンタクト法により接合する(第2接合工程)。
これにより、第1プリズム素子11aと第4プリズム素子11dとが接合された直角二等辺三角形直角柱形状の第1プリズムペア13aと、第2プリズム素子11bと第3プリズム素子11cとが接合された直角二等辺三角形直角柱形状の第2プリズムペア13bが形成される。
オプティカルコンタクト法は、ガラス面同士を直に接合する方法としては公知であるが、本発明においては、ガラス面同士を直にではなく、多層膜を挟んで接合する場合に適用することを可能とするものである。このため、まず第1に、光学側面15に形成される多層膜の最上層12Rtをガラスの主成分と同じ酸化シリコン層とし、対峙するガラス光学側面14とダイクロイック膜12Rの表面12Rtとの、実質的な接合部同士の材質の一致が図れるようにしている。
さらに、多層膜は図21に示したように、成膜する際に、サブミクロンオーダで膜厚が管理されるのでダイクロイック膜12Rの膜厚精度は非常に高い。このため、基板面、本例では第4プリズム素子11dの光学側面15の形状がそのままダイクロイック膜12Rの最上層12Rtの表面形状となると考えてよく、第4プリズム素子11dの面15の形状を、接合のために対峙させるプリズム11aの面14の形状と一致するように製造することにより、オプティカルコンタクト法により接合する際に必要な面の一致精度も確保できる。
第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dの接合面である直交する光学側面15、14は、光学研磨(高精度研磨)により十分な平坦度、例えば、表面の粗さRaが0.5nm以下、平坦度(PV値)が0.5μm以下という高精度な状態に仕上げることができる。さらに、薬液およびガスなどによる化学表面処理、あるいはプラズマなどの物理表面処理で接合部を清浄化することが望ましい。清浄化の一例として、アルカリ洗浄液(商品名:クリーナーB3、2%濃度)への浸漬式洗浄を挙げることができる。
光学側面15にダイクロイック膜12Rを成膜した後も同様の平坦度が確保されるため、一方の第4プリズム素子11dの光学側面15にダイクロイック膜12Rを成膜した後に、他方の第1プリズム素子11aの光学側面14と合わせると、両面が高度に平坦な面であるので真空吸着された状態となる。そして、250℃で1時間加熱することにより、接合強度が向上する。加熱温度は、200〜500℃が望ましく、200〜300℃であることがさらに望ましい。
図3に示したプロセスで、2本の第1プリズムペア13aと第2プリズムペア13bが製造される。第1プリズムペア13a及び第2プリズムペア13bの直角をなす頂点と対向する光学斜辺面16および17を、上記と同じ状態の高精度な平面となるように光学研磨する(整面工程)。
さらに、図4に示すように、第1プリズムペア13aおよび第2プリズムペア13bの一方のプリズムペア13aの直角と対向する光学斜辺面16に、蒸着法により、多層膜からなるダイクロイック膜12Bを第2の多層膜として成膜する(第3成膜工程)。このダイクロイック膜12Bは第1プリズム素子11aと第4プリズム素子11dの光学側面とダイクロイック膜12Rの端面とに亘って連続している連続ダイクロイック膜となっている。
青色の光Bを反射するダイクロイック膜12Bの構成の一例を図21(b)に示してある。このダイクロイック膜12Bは、波長525nmの光を効率良く反射するように設計されており、青色の光の反射率が高く、赤色および緑色の光の透過率が高い設計となっている。
本例のダイクロイック膜12Bは、酸化タンタル(Ta25)の薄膜と、酸化シリコン(SiO2)の薄膜とを合計25層、重ねることにより形成される、厚みが数10μm程度の薄膜である。そして、ダイクロイック膜12Bの第1層と最上層12Btは酸化シリコン層になるようにしている。
次に、第1プリズムペア13aの光学斜辺面16と、第2プリズムペア13bの光学斜辺面17とをオプティカルコンタクト法により接合することにより図1に示したダイクロイックプリズム1を光学製品として製造する(第3接合工程)。
上記の成膜工程により成膜されたダイクロイック膜12Bの表面12Btの面精度も非常に高いので、一方のプリズムペア13aの光学斜辺面16にダイクロイック膜12Bを成膜した状態で、他方のプリズムペア13bの光学斜辺面17と合わせると、両面が真空吸着された状態となる。そして、250℃で1時間加熱することにより、接合強度が向上する。加熱温度は、200〜500℃が望ましく、200〜300℃であることがさらに望ましい。
この実施例でのクロスダイクロイックプリズム1は、光路に対する接着剤の層の影響を完全に取り除くことができる。したがって、従来、接着剤の層の厚みあるいは光学的な性質により性能の劣化が認められているクロスダイクロイックプリズムを製造する際に、本発明の製造方法は好適である。
(第2実施例)
図5および図6に、本発明の異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム2においては、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dのそれぞれの光学側面15に、ダイクロイック膜12Rまたは12Bを成膜し(第1及び第2成膜工程)、その後、対峙する三角柱プリズム11a〜11dの光学側面14とオプティカルコンタクト法により接合し(第1〜第3接合工程)、ダイクロイックプリズム2を製造している。成膜の工程および接合の工程については、第1の実施例と同様なので、説明を省略する。
この実施例の製造方法を採用することにより、プリズムペアに成膜して、接合するという2段階の製造工程を1段階にすることができるので、ダイクロイックプリズムの製造工程を簡易にできる。さらに、オプティカルコンタクト法による接合部分19は厚みがないので、図22により説明したような、接着層の厚みによりダイクロイック膜に段差が生ずる問題もない。したがって、低コストで、光学的性能の良いダイクロイックプリズム2を提供できる。
しかしながら、ダイクロイックプリズム2の中心軸19cに沿った領域は、ダイクロイック膜12Rおよび12Bの成膜方法により、それらの両方が存在するか、一方が存在するか、あるいはダイクロイック膜が存在せずに中空状態になるかというような選択ができる領域となり、構造的に、また、光学的に不確定な部分となる可能性がある。この点においては、第1の実施例に示したダイクロイックプリズム1の方が構造的にも光学的な性能的にも安定しており、好ましい。
(第3実施例)
図7に、本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム3においては、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dを用い、図2および図3に示した第1成膜工程並びに第1接合工程及び第2接合工程により、プリズムペア13aおよび13bを製造する。整面工程後、プリズムペア13aの光学斜辺面16にダイクロイック膜12Bを成膜し、光学的にプリズム11a〜11dとほぼ等価な屈折力の接着剤20により他方のプリズムペア13bの光学斜辺面17と接着している。
この製造方法においては、ダイクロイック膜12Bの面は、接着剤20の層を介してダイクロイックプリズム3の内部に形成されるので、上記の各実施例のダイクロイックプリズム1または2のように接着剤20の層の光学的な影響を完全に排除することはできない。しかしながら、ダイクロイック膜12Rが形成された接合部についてはオプティカルコンタクト法により接合されているので、接着剤の層の影響を最小限にすることができる。また、ダイクロイック膜12Bは、接着剤を介して接合されるために、最上層が酸化シリコンである必要はなく、ダイクロイック膜12Bの構成の自由度が向上するというメリットがある。
本例において使用できる接着剤としては、UV光、または可視光で硬化する光学用接着剤が望ましく、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dを介して接着剤に光を当てて硬化できる。あるいは、オプティカルコンタクトにより接合した部分19に影響を与えない程度の温度に加熱することによって硬化する熱硬化型接着剤でも良い。本例においては、接着剤として、株式会社アーデスが提供している光学接着剤UT20を用いた。この光学接着剤は、接合冶具を用意し、光学接着剤を介して三角柱プリズム同士を接触させ、その後、高圧水銀灯(80W/cm2)を10分照射する。この接着剤UT20の硬化前の屈折率(d線)は、1.48であり、硬化後の屈折率(d線)は1.52なので、硬化後は、ほぼプリズムに採用しているBK7に近い屈折率となる。
接着剤は、硬化条件、特にUV光の照射が不安定であると、接着層の硬化が不均一となり、必然的に屈折率がガラスより低い部分が生ずる可能性があるので、十分に高い出力の光源を用いて屈折力が不均一になるのを防止し、画像表示特性の異常を防いでいる。全ての接合部をオプティカルコンタクト法により接合すれば、接着層に起因する不具合を未然に防止できることは上述した通りである。
(第4実施例)
図8に、本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム4においては、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dを用い、第1プリズム素子11aと第4プリズム素子11dとを第3実施例と同様の接着剤層20を介して接合して第1プリズムペア13aを製造し(第1接合工程)、同様に第2プリズム素子11bと第3プリズム素子11cとを接着剤層20を介して接合して第2プリズムペア13bを製造している(第2接合工程)。第1プリズムペア13a及び第2プリズムペア13bの直角をなす頂点と対向するそれぞれの光学斜辺面を光学研磨する(整面工程)。第1プリズムペア13a又は第2プリズムペア13bの一方のプリズムペア13aの直角と対向する光学斜辺面に、蒸着法により、多層膜からなり第1層及び最上層にそれぞれ酸化シリコン層を有するダイクロイック膜12Bを第2の多層膜として成膜する(第3成膜工程)。このダイクロイック膜12Bは2つのプリズム素子11a、11dの光学側面間に亘って形成されている連続ダイクロイック膜である。そして、第1プリズムペア13aと第2プリズムペア13bのそれぞれの光学斜辺面をオプティカルコンタクト法により接合する(第3接合工程)。これにより、図8に示すクロスダイクロイックプリズム4を製造することができる。
このクロスダイクロイックプリズム4は、4つのプリズム素子を2つずつ接着剤でそれぞれ接合して2つのプリズムペアを製造するので製造が容易である。また、連続ダイクロイック膜の形成によってダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。更に、この最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜に対してこれと直交するそれぞれのダイクロイック膜12Rの端面が接触し、ダイクロイック膜12R内の酸化シリコン層が端面に露出するため、ダイクロイック膜12Rの端面が連続ダイクロイック膜12Bの両面の酸化シリコン層とオプティカルコンタクト法により接合することが可能である。そのため、第1プリズムペア13aのダイクロイック膜12Rの端面が連続ダイクロイック膜12Bと酸化シリコン同士によるオプティカルコンタクト法により接合が可能である。これによってダイクロイック膜12Bとダイクロイック膜12Rとが一体化し、クロスダイクロイックプリズム4内にダイクロイック膜12Rの端面が存在しなくなり、ダイクロイック膜12Rの端面に起因する光学的影響を少なくし、光学的均一性を向上させることができる。
(第5実施例)
図9に、本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム5においては、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dを用い、第1プリズム素子11aと第4プリズム素子11dとをダイクロイック膜12Rによるオプティカルコンタクト法により接合して第1プリズムペア13aを製造し(第1接合工程)、第2プリズム素子11bと第3プリズム素子11cとを接着剤層20を介して接合して第2プリズムペア13bを製造している(第2接合工程)。第1プリズムペア13a及び第2プリズムペア13bの直角をなす頂点と対向するそれぞれの光学斜辺面を光学研磨する(整面工程)。第1プリズムペア13a又は第2プリズムペア13bの一方のプリズムペア13aの直角と対向する光学斜辺面に、蒸着法により、多層膜からなり第1層及び最上層にそれぞれ酸化シリコン層を有するダイクロイック膜12Bを第2の多層膜として成膜する(第3成膜工程)。このダイクロイック膜12Bは2つのプリズム素子の光学側面間に亘って形成されている連続ダイクロイック膜である。そして、第1プリズムペア13aと第2プリズムペア13bのそれぞれの光学斜辺面をオプティカルコンタクト法により接合する(第3接合工程)。これにより、図9に示すクロスダイクロイックプリズム5を製造することができる。
このクロスダイクロイックプリズム5は、一つのプリズムペアをオプティカルコンタクト法により接合し、他方のプリズムペアを接着剤でそれぞれ接合して2つのプリズムペアを製造する。第4実施例と同様に、この最下層と最上層が共に酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜12Bと直交するそれぞれのダイクロイック膜12Rの端面が連続ダイクロイック膜に酸化シリコン同士によるオプティカルコンタクト法により接合することが可能である。ダイクロイック膜12Rの端面の存在に起因する光学的影響を少なくし、光学的均一性を向上させることができる。また、第4実施例よりも接着剤層が少なくなっているため、接着剤層に起因する光学的影響を少なくすることができる。また、連続ダイクロイック膜によってダイクロイック膜の端面に起因する光学的影響を少なくすることができる。
(第6実施例)
図10及び図11に本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム1aは、第1実施例と同様に、全ての接合をオプティカルコンタクト法により接合し、接着剤層の影響をなくした例である。異なるのは、図10に示すように、プリズムペア間を接合する際に、ダイクロイック膜12Bを形成しない側の第2プリズムペア13bの光学斜辺面に1層の酸化シリコン層18を設け、図11に示すように、酸化シリコン層18とダイクロイック膜12Bの最上層の酸化シリコン層12Btとの酸化シリコン層同士のオプティカルコンタクト法により接合したことである。酸化シリコン層18は、例えば蒸着法によって成膜でき、その膜厚は100〜10000オングストロームの範囲とすることが好ましい。
第2プリズムペア13bの光学斜辺面に酸化シリコン層18を設けることによって、第2プリズムペア13bに設けられているダイクロイック膜12Rの端面を埋め、隙間をなくすことが可能になる。第1プリズムペア13aに設けられているダイクロイック膜12Rの端面はダイクロイック膜12Bによって埋められており、ダイクロイック膜12Rの内側端面はダイクロイック膜12Bと一体化し、端面による光学的影響を少なくしている。
(第7実施例)
図12および図13に、本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム7においては、図12に示すように、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dは、それらの接合部14〜17の光学的に有効な領域21の外側となるコーナ部分22に、貼りあわせたときに隙間23が構成されるように形成されている。
光学的に有効な領域の外側、例えば、光学素子を組み合わせて製造するプリズムなどの光学製品の縁あるいはコーナ部分などは光路として使用されないことが多い。したがって、これらの接合部14〜17をオプティカルコンタクト法により接合したときにダイクロイックプリズム7のコーナ部分22はオプティカルコンタクトせずに、その後、図13に示すように、隙間23に接着剤20を充填することにより隙間23を封鎖する。接着剤20としては、上記の例と同様に光学接着剤UT20を使用している。しかしながら、光学的に有効な領域21を外した個所を接着しようとしているので、光学的にプリズム11a〜11dと同等である必要はなく、例えば、不透明であっても、接着強度の高い接着剤を使用することができる。なお、隙間23への接着剤の注入は、第1の接合工程、あるいは第2の接合工程において行うことができる。
ダイクロイックプリズム7のコーナ部分22は、プロジェクタなどの応用機器においてダイクロイックプリズムを支持する枠などにより覆われる部分であり、光学的に有効な領域21とはならない。したがって、この部分22は接着剤20により接着し、光学的に有効な領域21に当たる部分はオプティカルコンタクト法により接合することにより、ダイクロイックプリズム7の光学的な性能を落とさずに、接着剤20の効果を付加することができる。
オプティカルコンタクト法により接合された面の付着強度は、一般に非常に強いとされており、また、蒸着により形成されるダイクロイック膜12Rおよび12Bの付着強度も高い。したがって、第1の実施例または第2の実施例により示したダイクロイックプリズム1および2に対しても、耐久性は十分に高いと考えられている。
しかしながら、コーナ部分22は、支持枠に入れたり、機械的に集中応力が加わる可能性がある。また、コーナ部分22は、接合部の内、外気に晒される部分であり、湿分の侵入や、外気温度の変化の影響を最も受け易い。このため、光学的に有効な領域21から外れたコーナ部分22は、最も剥がれやすい部分である。したがって、オプティカルコンタクト法により接合した面14〜17の縁の部分22に接着剤20を配置することにより、従来から採用している信頼性の高い接合方法により、オプティカルコンタクト法により接合した面14〜17の接合性を担保することが可能となる。さらに、オプティカルコンタクト法により接合された面が、その面の中心あるいは内側から剥がれが発生することは通常考えられないが、外周の縁からの物理的あるいは化学的な作用によりオプティカルコンタクト法により接合した面に剥がれが発生する可能性はある。したがって、オプティカルコンタクト法により接合した面の縁の部分に接着剤を配置することにより、従来から採用している信頼性の高い接合方法により、オプティカルコンタクト法により接合した面の接合性を担保することが可能となる。それと同時に、オプティカルコンタクト法により接合した面の光学的な性能の低下も防止できる。
接着剤は紫外線(UV)硬化型の接着剤を使用することが望ましい。光学素子を組み合わせて製造できる光学製品の縁あるいはコーナ部は外面に表れているので、紫外線を透過しないような光学素子の場合であっても、接合作業が容易なUV硬化型の接着剤により光学素子を接合できる。光学素子が紫外線を透過するものであれば、現在市販されているようなUV硬化型で光学素子の屈折率とマッチした接着剤を支障なく使用することができる。
(第8実施例)
図14および図15に、本発明のさらに異なる例を示してある。このクロスダイクロイックプリズム6においては、図14に示すように、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dにより製造されたダイクロイックプリズム6の上下の面24および25に、さらに、サポート用の補強板26および27を接着剤で貼り付けている。4つのプリズム素子11a〜11dの上面及び下面においてこれらのプリズム素子全体に亘って接合されている補強板26および27により、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dの接合を強化することができ、結果として、接合部14〜17が剥離することを防止できる。
補強板26および27は、第1プリズム素子11a〜第4プリズム素子11dと同じ部材、すなわち、BK7により製造することが望ましい。部材を共通にすることにより、熱膨張係数を同じにできるので、熱歪みの発生を防止できる。また、万一、補強板26および27の方向に進んだ迷光が補強板により反射されるのを防止して、ダイクロイックプリズム6から外部に放出してしまうこともできる。基本的には、コーナ部分22と同様に、ダイクロイックプリズム6の上下は、光学的に有効な領域21から外れているので、補強板26および27が、プリズム11a〜11dと光学的に等価な材質である必要はなく、不透明で、強度の高い部材を用いて形成することも可能である。
図16から図20に、本発明の実施例に係るダイクロイックプリズムの効果について、オプティカルコンタクト法を用いないで製造されたダイクロイックプリズムと比較して示してある。
図16は、図1に示した本発明の第1実施例のダイクロイックプリズム1を用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示してある。図17は、図7に示した本発明の第3実施例のダイクロイックプリズム3を用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示してある。図18は、図22に示したダイクロイックプリズム90を用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を比較例1として示してある。図19は、図23に示したダイクロイックプリズム95を用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を比較例2として示してある。
さらに、それぞれのダイクロイックプリズム1、3、90および95において、画像を合成する際、赤色Rの画像の光線R1およびR2と、青色Bの画像の光線B1およびB2と、緑色Gの画像の光線G1が、画像の劣化の要因となる接着層を横断する回数を、図20に纏めて示してある。
図20に示したように、接着剤の層を持たないダイクロイックプリズム1では、いずれの光線も接着剤の層を横断しないので、接着剤の層による画像の劣化を完全に排除できる。一方、ダイクロイックプリズム3では、一部の光線が接着剤の層を横断するが、その横断数は最小の1回に止めることができ、画像の劣化を最小限にすることができる。このように、本発明においては、クロスダイクロイックプリズムのような多層膜を内部に挟みこんだ光学製品において、像のボケあるいは二重像の発生といった、接着剤の影響を最小限または無くすことが可能であり、光学性能の非常に良いダイクロイックプリズムを提供できる。
本発明の光学製品は、プロジェクターの色分解や色合成に用いられるクロスダイクロイックプリズムとして利用可能である。
また、本発明の光学製品の製造方法は、接着剤層の影響を可及的に無くした高性能なクロスダイクロイックプリズムを製造する分野に利用可能である。
本発明のクロスダイクロイックプリズムの第1実施例の構成を示す断面図である。 図1に示すクロスダイクロイックプリズムの製造過程の第1成膜工程を示す断面図である。 図1に示すクロスダイクロイックプリズムの製造過程の2つのプリズムペアの作製を示す第1接合工程を示す断面図である。 図1に示すクロスダイクロイックプリズムの製造過程のプリズムペアの斜辺面にダイクロイック膜を成膜する第3成膜工程を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第2実施例の製造過程の第1及び第2成膜工程を示す断面図である。 図5に示した工程後に作製された第2実施例のクロスダイクロイックプリズムの構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第3実施例の構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第4実施例の構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第5実施例の構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第6実施例の製造過程を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第6実施例の構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第7実施例の製造過程の接合部の両端に隙間が形成された状態を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第7実施例の構造を示す断面図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第8実施例の製造過程を示す断面図であり、クロスダイクロイックプリズムの上下の両端に、補強板を貼り付ける様子を示す斜視図である。 本発明のクロスダイクロイックプリズムの第8実施例の構造を示す斜視図である。 図1に示した本発明の第1実施例のダイクロイックプリズムを用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示す光路図である。 図7に示した本発明の第3実施例のダイクロイックプリズムを用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示す光路図である。 図22に示す比較例1のダイクロイックプリズムを用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示す光路図である。 図23に示す比較例2のダイクロイックプリズムを用いて赤色Rの画像と、青色Bの画像と、緑色Gの画像とを合成する様子を示す光路図である。 図16から図19において、各光線が接着層を横断する回数をまとめて示す表である。 (a)は、赤色を反射するダイクロイック膜の構成例を示し、(b)は、青色を反射するダイクロイック膜の構成例を示す表である。 比較例1のクロスダイクロイックプリズムの構成を示す断面図である。 比較例2のクロスダイクロイックプリズムの構成を示す断面図である。
符号の説明
1〜7…クロスダイクロイックプリズム、11a〜11d…第1プリズム素子〜第4プリズム素子、12R、12B…ダイクロイック膜(誘電体多層膜)、13a,13b…2つの三角柱プリズムが接合されたプリズムペア、14〜17…接合面、19…オプティカルコンタクト法により接合した部分、20…接着剤の層、21…光学的に有効な領域、22…光学的に有効な領域を外れた領域(コーナ部分)、23…コーナ部分の隙間、26、27…補強板、R1,R2,B1,B2,G1…各色の画像を構成する光線の例

Claims (13)

  1. ガラス製のそれぞれ直角二等辺三角形直角柱の形状を有する第1プリズム素子、第2プリズム素子、第3プリズム素子及び第4プリズム素子の各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合してなるクロスダイクロイックプリズムにおいて、
    前記第1プリズム素子の光学側面と前記第2プリズム素子の光学側面間を第1接合部、前記第2プリズム素子の光学側面と前記第3プリズム素子の光学側面間を第2接合部、前記第3プリズム素子の光学側面と前記第4プリズム素子の光学側面間を第3接合部、前記第4プリズム素子の光学側面と前記第1プリズム素子の光学側面間を第4接合部とした場合、
    前記第1〜第4接合部のいずれかの光学側面に設けられたダイクロイック膜の最上層が酸化シリコン層で構成され、前記ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  2. 請求項1記載の光学製品において、
    前記第1接合部におけるダイクロイック膜と前記第3接合部におけるダイクロイック膜とがこれらの接合部に亘って連続している連続ダイクロイック膜であることを特徴とする光学製品。
  3. 請求項2記載の光学製品において、
    前記第2接合部におけるダイクロイック膜の端面及び前記第4接合部におけるダイクロイック膜の端面のそれぞれが前記第1接合部と前記第3接合部に亘って設けられて最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成されている連続ダイクロイック膜にオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  4. 請求項2記載の光学製品において、
    前記第1接合部と第3接合部における連続ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とが、前記第2接合部及び前記第4接合部のそれぞれの前記ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがそれぞれオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  5. 請求項2記載の光学製品において、
    前記第2接合部及び第4接合部においては接着剤層によって接合され、前記第1接合部及び前記第3接合部においては最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成される前記連続ダイクロイック膜の前記最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  6. 請求項2記載の光学製品において、
    前記第2接合部においては接着剤層によって接合され、前記第1接合部及び前記第3接合部においては最下層と最上層とが酸化シリコン層で構成される前記連続ダイクロイック膜の前記最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合され、前記第4接合部においてはダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  7. 請求項4記載の光学製品において、
    前記連続ダイクロイック膜が設けられている面と対向する2つの光学側面及びその間のダイクロイック膜の端面を覆って酸化シリコン層が設けられ、この酸化シリコン層と前記連続ダイクロイック膜とがオプティカルコンタクト法により接合されていることを特徴とする光学製品。
  8. 請求項1記載の光学製品において、
    前記第1接合部、前記第2接合部、前記第3接合部及び前記第4接合部のいずれか一つ以上の接合部の光学的に有効な領域の外側に間隙が設けられ、その間隙に接着剤が充填されていることを特徴とする光学製品。
  9. 請求項1記載の光学製品において、
    前記第1プリズム素子、前記第2プリズム素子、前記第3プリズム素子及び前記第4プリズム素子の上面及び/又は下面にこれらの素子間に亘って補強部材が接合されていることを特徴とする光学製品。
  10. それぞれガラス製の直角二等辺三角形直角柱の形状の第1プリズム素子、第2プリズム素子、第3プリズム素子及び第4プリズム素子の各直角をなす頂点を合わせて各直交する光学側面の隣接するそれぞれを多層膜で構成されるダイクロイック膜を介して接合してクロスダイクロイックプリズムを製造するに際し、
    前記第1プリズム素子又は第4プリズム素子の直交する光学側面の一方に多層膜で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第1成膜工程と、
    前記第1プリズム素子又は第4プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜を設けていないプリズム素子の光学側面と他方のプリズム素子の前記ダイクロイック膜を設けた光学側面とを前記第1ダイクロイック膜を介して接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程と、
    第2プリズム素子又は第3プリズム素子の直交する光学側面の一方に多層膜で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第2成膜工程と、
    第2プリズム素子又は第3プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜を設けていないプリズム素子の光学側面と他方のプリズム素子の前記ダイクロイック膜を設けた光学側面とを前記第1ダイクロイック膜を介して接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、
    前記第1プリズムペア及び第2プリズムペアの光学斜辺面を密着可能な面に整面する整面工程と、
    前記第1プリズムペア又は第2プリズムペアのどちらか一方の光学斜辺面に多層膜で構成される第2ダイクロイック膜を形成する第3成膜工程と、
    前記第3成膜工程により成膜されたプリズムペアの前記第2ダイクロイック膜と前記第2ダイクロイック膜を設けなかったプリズムペアの光学斜辺面とを接合する第3接合工程とを有し、
    最上層が酸化シリコン層で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第1成膜工程と、前記第1プリズム素子と第4プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とをオプティカルコンタクト法により接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程との第1組み合わせ、
    最上層が酸化シリコン層で構成される第1ダイクロイック膜を形成する第2成膜工程と、第2プリズム素子と前記第3プリズム素子の前記第1ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学側面とをオプティカルコンタクト法により接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程との第2組み合わせ、及び
    最上層が酸化シリコン層で構成される第2ダイクロイック膜を形成する第3成膜工程と、前記第1プリズムペアと前記第2プリズムペアの前記第2ダイクロイック膜の最上層の酸化シリコン層と光学斜辺面とをオプティカルコンタクト法により接合する第3接合工程との第3組み合わせ
    のいずれか一つ以上の組み合わせを用いてクロスダイクロイックプリズムを得ることを特徴とする光学製品の製造方法。
  11. 請求項10記載の光学製品の製造方法において、
    前記第1組み合わせ、前記第2組み合わせ及び前記第3組み合わせを有することを特徴とする光学製品の製造方法。
  12. 請求項10の光学製品の製造方法において、
    前記第1プリズム素子と前記第4プリズム素子とを接着剤で接合して第1プリズムペアを形成する第1接合工程と、
    前記第2プリズム素子と前記第3プリズム素子とを接着剤で接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、
    最下層の酸化シリコン層を設ける第3成膜工程を有する前記第3組み合わせと
    を有することを特徴とする光学製品の製造方法。
  13. 請求項10記載の光学製品の製造方法において、
    前記第1組み合わせと、
    前記第2プリズム素子と前記第3プリズム素子とを接着剤で接合して第2プリズムペアを形成する第2接合工程と、
    最下層の酸化シリコン層を設ける第3成膜工程を有する前記第3組み合わせとを有することを特徴とする光学製品の製造方法。
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