JP2006299237A - ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法 Download PDF

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Mitsuo Asai
光雄 浅井
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Abstract

【解決手段】CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)b
(Rは水素原子、又はC1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100。)
で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金系触媒存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法において、CPR値0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いるか、または、CPR値5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用い、反応前に酸又は酸の溶液を添加する。
【効果】本発明では、反応性が向上し、溶剤や他の添加剤を実質的に添加せず、添加量を最小限に抑え、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料用添加剤、ポリウレタンフォーム用整泡剤、化粧品用添加剤、乳化剤等に有用なポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法に関する。
ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体は、ポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、白金系の触媒を用いる所謂ハイドロシリレーションと呼ばれる方法で付加反応させて得られることは、当業者において公知である。
このハイドロシリレーションは、通常は付加反応を好適に進行させるためエタノール、プロパノール等のアルコール類、あるいはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤中で実施するのが一般的である。
また、特表平11−504379号公報(特許文献1)では、反応溶媒として、液状で高沸点の水酸基のないエステル溶媒を用いている。これは、揮発性の低い溶媒を使用することにより、ハイドロシリレーション反応の進行に有利であるだけではなく、得られるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体に残存していても、特性に変化はなく、毒性等の危険性を回避できるからである。
特開2000−234025号公報(特許文献2)には、この反応を溶剤の存在下、又は非存在下にアミンを添加して実施することが記載され、アミンの添加により、特にポリオキシアルキレンアリルエーテルの末端がヒドロキシ基の場合に副反応を抑止できると記載されている。
特開平11−116670号公報(特許文献3)には、この反応を減圧の条件で行うことが開示され、減圧条件で行うことで、特に〔AB〕nタイプで、白金触媒であるヘキサクロロ白金酸触媒を使用して高分子量化できること、溶剤ストリップ時の発泡の抑止が可能なことが開示されている。
特許第3299154号公報(特許文献4)には、ポリオキシアルキレンアリルエーテル中に存在し、ハイドロシリレーションの妨げとなる酸化性不純物を分解する方法として、アスコルビン酸、クエン酸及びそれらの誘導体を添加する方法が開示されている。この方法では、ハイドロシリレーションの反応性は向上するが、酸化性不純物を分解するに足る量(ポリオキシアルキレンアリルエーテルの0.01質量%以上)を使用すると、アスコルビン酸又はクエン酸がオルガノハイドロジェンポリシロキサンの≡SiH基に直接反応したものが生成するため、得られたポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の性能に少なからず悪影響が生じるという問題があった。
米国特許第4847398号明細書(特許文献5)、米国特許第5191193号明細書(特許文献6)、米国特許第5159096号明細書(特許文献7)には、カルボン酸塩等の添加剤を添加して反応活性を高めたり、副反応を防止する方法が記載されている。
しかしながら、前記の種々の方法は、溶剤あるいは添加剤といった無視できない量の第3物質を添加しているため、これらをハイドロシリレーション反応後の取得物中からストリップあるいは濾過等の手段で除去する必要があり、工程が面倒であるという課題があった。
特表平11−504379号公報 特開2000−234025号公報 特開平11−116670号公報 特許第3299154号公報 米国特許第4847398号明細書 米国特許第5191193号明細書 米国特許第5159096号明細書
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ハイドロシリレーション反応において、溶剤を実質的に使用せず、反応性を高めるための白金族金属系触媒以外の反応終了後に系外に除去する必要がある添加剤を実質的に使用することなく、あるいは溶剤や前記添加剤の使用量を最小限に抑え、ストリップや濾過等の手段を用いる必要なく、工業的に有利に高収率でポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造することができるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)
CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)bR (1)
(式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。)
で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、CPR値が0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いることにより、上記ハイドロシリレーション反応が向上し、溶剤や、反応終了後に系外に除去する必要がある他の添加剤を実質的に添加することなく、あるいは溶剤や前記添加剤の添加量を最小限に抑えて、ストリップや濾過等の手段を行うことなく簡単な工程で、効率良くポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造できることを見出した。
また、本発明者は、上記ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法において、CPR値が5未満、特に0.5以上5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用い、このポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させる前に、このポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値に基づいて計算したポリオキシアルキレンアリルエーテル中に存在するアルカリ性不純物由来のアルカリ量を中和するに足る量の酸又は酸の溶液、具体的には下記計算式
W=1.87×(C−0.5)×P/Y
(但し、Wは、CPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに必要な酸の量(g)、Pは、ポリオキシアルキレンアリルエーテルの使用量(kg)、Yは、添加する酸又は酸溶液の酸価(KOHmg/g)、CはポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値である。)
により求めた値(W)の1.05〜5倍の酸又は酸の溶液を添加し、アルカリ性不純物を中和させてから付加反応させることによっても、上記ハイドロシリレーション反応が向上し、上記と同様に簡単な工程で、効率良くポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(i)下記一般式(1)
CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)bR (1)
(式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。)
で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、CPR値が0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いることを特徴とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法
(ii)上記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、CPR値が5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用い、前記反応前に、前記ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量の酸又は酸の溶液を添加することを特徴とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法
を提供する。
ここで、上記CPR値とは、日本工業規格JIS K1557に記載されているポリオキシアルキレンアリルエーテル中に含まれるアルカリ性不純物を塩酸にて滴定した値であり、具体的には、ポリオキシアルキレンアリルエーテル30gを中和するのに要するN/100塩酸の使用量(ml)を10倍した数値として表される。
本発明のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法によれば、ハイドロシリレーションの反応性が向上するため、反応時に反応を促進するために添加される溶剤やカルボン酸塩等の添加剤を添加して反応後に取り除いたりする必要がなく、よって、溶剤や、白金族金属系触媒以外の反応終了後に系外に除去する必要がある他の添加剤を実質的に添加することなく、あるいは溶剤や他の添加剤の添加量を最小限に抑えて付加反応を効率良く行うことができ、これら溶剤や添加剤を反応後に取り除くストリップや濾過等の工程も必要なく、従って、簡単な工程で効率よくポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明すると、本発明のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法は、下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させるものである。
ここで、本発明で使用されるポリオキシアルキレンアリルエーテルは、下記一般式(1)で表される構造のものである。
CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)bR (1)
(式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。)
上記式(1)中のRは、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基等が、炭素数1〜10のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等、炭素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられる。
aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。
上記式(1)で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルの構造において、Rが水素原子や、炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基の場合は、不飽和2重結合を有する官能基が片方の末端のみにあるため、製造されるポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体はオイル状となる。
一方、上記式(1)中のRが炭素数2〜10のアルケニル基の場合は、不飽和2重結合を有する官能基が両方の末端にあるため、〔AB〕nタイプのオイル状物や、3次元構造を有するゲル状物のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造することができる。
本発明で使用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中に1個以上、好ましくは1〜50個のケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状あるいは二次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。
本発明においては、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、ジメチルハイドロジェンポリシロキサンが好適に使用できるが、メチル基の一部又は全部が、置換又は非置換の炭素数2以上20未満のアルキル基、アリール基、アルコキシ基に置き換わったものも好適に使用できる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記式
c1 dSiO(4-c-d)/2
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、c及びdは、0<c<3、0≦d<3かつ0<c+d≦3となる数であり、好ましくは0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数であり、特に好ましくは0.05≦c≦1、1.5≦d≦2かつ1.8≦c+d≦2.7となる数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
上記式中、R1の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、炭素数が1〜20、特に炭素数が1〜6のものであり、好ましくはメチル基等の炭素数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等などが挙げられる。
また、分子鎖片末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖・片末端オキシアルキレン基含有ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖側鎖オキシアルキレン基含有ジメチルポリシロキサン等のオキシアルキレン基含有オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
なお、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃の粘度が0.5〜1,000mm2/s、特に5〜500mm2/sであることが好ましい。
上記式(1)で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの配合割合は、ポリオキシアルキレンアリルエーテル中のアルケニル基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル比が0.1〜10、特には0.5〜5となる量であることが好ましい。
白金族金属系触媒としては、ハイドロシリレーション反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;
2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2
(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である。)
等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3220972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3159601号明細書、同第3159662号明細書、同第3775452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。また、白金微粉末やアルミナ、シリカゲル、アスベストなどの担体に白金粉末を担持させたもの、塩化白金酸あるいは塩化白金酸とアルコール、エーテル、アルデヒドなどとの錯体も例示される。この白金又は白金化合物は系中への分散をよくするためにイソプロパノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶媒あるいはオルガノポリシロキサンオイルに溶解乃至分散させて使用してもよい。
本発明で使用する白金族金属系触媒としては、中性の白金族金属系錯体が望ましい。ここで中性とは、系内に塩素原子を実質的に含まないことを意味する。なお、一般に使用される塩化白金酸を使用した場合は、ハイドロシリレーション以外の、例えば系内に存在するアルコール系化合物との脱水素反応等の副反応を進行するおそれがある。
中性の白金族金属系錯体としては、白金−アルケニルシロシサン錯体が好ましく、白金−ビニルシロキサン錯体が特に好ましい。
白金族金属系触媒の使用量は、適宜調整できるが、通常は金属換算量でポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドジェンポリシロキサンの合計量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜100ppmの範囲とすればよい。
本発明においては、上記ポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させてポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、第一の製造方法として下記(i)を採用するか、又は第二の製造方法として下記(ii)を採用することを特徴とするものである。
(i)CPR値が0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いる。
(ii)CPR値が5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用い、かつ、上記付加反応前に、ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量の酸又は酸の溶液を添加して、反応系内に存在するアルカリ性不純物を中和させてから付加反応させる。
ここで、CPR値とは、日本工業規格JIS K1557に記載されているポリオキシアルキレンアリルエーテル中に含まれるアルカリ性不純物を塩酸にて滴定した値であり、具体的には、ポリオキシアルキレンアリルエーテル30gを中和するのに要するN/100塩酸の使用量(ml)を10倍した数値として表されるものである。
第一の製造方法においては、CPR値が0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いるが、上記CPR値は低ければ低いほどよく、特に0.2未満であることが好ましい。CPR値が0.5未満である、アルカリ性不純物含有量が少ないポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いることにより、ハイドロシリレーションの反応性が向上するため、溶剤及び他の添加剤を添加することなく、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造することができるもので、0.5以上であると満足な反応性向上効果が得られない。
なお、CPR値が0.5以上のポリオキシアルキレンアリルエーテルの場合は、予め活性炭等の吸着剤で吸着処理したり、塩酸等の酸で中和することでCPR値を下げることができ、このような処理を行うことで、ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値を0.5未満とすることができる。
次に、第二の製造方法においては、CPR値が5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いるが、特にCPR値が0.5以上5未満、とりわけ0.5以上1未満のものが好適である。CPR値が5以上である場合は、後述するようにそのCPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る酸を添加すればハイドロシリレーション反応は進行するが、その場合には添加した酸が副反応を生じる場合があり、その結果、生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の本来の性能が損なわれてしまうおそれがある。
上記したように、ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値が0.5以上である場合は活性炭等の吸着剤で吸着処理したり、塩酸等の酸で中和することでCPR値を下げることができるが、本発明の第二の製造方法においては、このような操作を行わなくても、ハイドロシリレーション反応させる前に、上記ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量の酸又は酸の溶液を添加することにより、同様にハイドロシリレーションの反応性を向上させることができる。具体的には、ポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンを仕込み、上記量の酸又は酸の溶液を仕込んだ後、白金族金属系触媒を添加し、ハイドロシリレーション反応させる。
ここで使用する酸には特に限定はなく、例えば塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸等が挙げられ、これらの1種類を単独で又は2種類以上を併用して用いることができる。このような酸の中では、カルボン酸、特に酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸から選ばれるカルボン酸が好ましいが、とりわけ臭気も低く、取り扱いが容易なクエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸から選ばれる有機酸が望ましい。
また、上記した酸は、酸の溶液として使用できる。酸を溶解する溶剤としては特に限定はないが、取り扱い性、コストの観点から、水及び/又はアルコール類を使用するのが特に望ましい。
第二の製造方法において、CPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量とは、下記計算式により求めることができるアルカリ量を中和するに必要な酸の量(W)に基づくものである。
W=1.87×(C−0.5)×P/Y
(但し、Wは、CPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに必要な酸の量(g)、Pは、ポリオキシアルキレンアリルエーテルの使用量(kg)、Yは、添加する酸又は酸溶液の酸価(KOHmg/g)、CはポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値である。)
本発明において、CPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量に相当する酸又は酸の溶液の実際の添加量は、酸の添加量が、上記計算式により求めた、アルカリ量を中和するに必要な酸の量(W)の1.05〜5倍、特に1.1〜2倍の範囲であることが望ましい。Wの1.05倍未満では、ハイドロシリレーションの反応性が満足に向上しない場合があり、5倍を超えると添加した酸とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの反応物が、目的とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の特性に影響を与えることがある。
上記した本発明の第一及び第二の製造方法において、ハイドロシリレーション反応は、実質的に溶剤の非存在下で、かつ実質的に酸素ガスを含まない雰囲気下で反応させることが望ましい。
ここでいう実質的に溶剤の非存在下とは、反応物であるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの相溶化を目的とした溶剤を添加しないことを意味しており、触媒あるいは酸などを溶解している溶剤が系内に微量存在するのは、何ら差し支えない。なお、具体的には、反応系全体内の溶剤の含有量を2質量%以下、特には1質量%以下とすることが好ましい。
また、実質的に酸素ガスを含まない雰囲気とは、反応物であるポリオキシアルキレンアリルエーテルの酸化を防ぐことができる雰囲気のことをいい、具体的には、反応系全体内の酸素ガス量が1質量%以下であることが好ましい。この場合、酸素を含まない不活性ガス雰囲気であれば、どのような方法を採用して上記雰囲気としてもよい。好適には、反応開始前に予め系内を減圧、好ましくは10mmHg程度の減圧にし、溶存酸素を抜く方法、反応前より窒素ガスを例えば反応容器1リットル当たり0.1〜2リットル/時間の量で0.5〜3時間程度通気、あるいは反応液中にバブリングする方法が例示される。
更に、反応条件は、通常のハイドロシリレーション反応条件とすることができ、50〜100℃で30分〜5時間加熱することが好ましく、反応終了後は、加熱を停止して冷却することで目的とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値の測定法、使用物質、反応生成物の評価法は下記の通りである。
(i)ポリオキシアルキレンアリルエーテルのCPR値の測定
試料約30gを0.1gまで正しく測り取り、メタノール100mlを加えてよく溶かし、N/100 塩酸でpH計を用いて電位差滴定を行った。また、同じ条件で空試験を行った。CPRは、下記の計算式で求めたものである。
CPR=10×(A−B)×f
A;試料の滴定に要したN/100 塩酸の量(ml)
B;空試験の滴定に要したN/100 塩酸の量(ml)
f;N/100 塩酸のファクター
(ii)使用物質
ポリオキシアルキレンアリルエーテル、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、触媒としては、下記のものを使用した。
ポリオキシアルキレンアリルエーテル;
(A−1)CH2=CHCH2O(C24O)9H CPR値:0.2
(A−2)CH2=CHCH2O(C24O)9H CPR値:1.2
(A−3)CH2=CHCH2O(C24O)9H CPR値:4.9
(B−1)CH2=CHCH2O(C24O)23(C36O)23CH3 CPR値:0.4
(B−2)CH2=CHCH2O(C24O)23(C36O)23CH3 CPR値:1.7
(C−1)CH2=CHCH2O(C24O)9COCH3 CPR値:0.5
(C−2)CH2=CHCH2O(C24O)9COCH3 CPR値:3.7
Figure 2006299237
触媒;
触媒は、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした、中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)を用いた。
(iii)反応生成物の評価
(1)反応率の測定
反応率は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、アルカリ水と容易に反応して水素ガスを発生することを利用した。本発明における反応前の仕込み液の水素ガス発生量をxml/g,反応後内液の水素ガス発生量をyml/gとしたとき、
反応率=(1−y/x)×100(%)
として求めた。
但し、前記水素ガス発生量は、試料をn−ブチルアルコールに溶解した液と、10質量%苛性ソーダ水溶液を室温で反応させ、発生する水素ガスをビュレットに補集して求めた。
(2)反応により生成した液体の粘度
毛細管式粘度計キャノンフェンスケ型((株)柴田製)を使用して測定した。
[実施例1]CPR:0.2のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(a)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン1,600g、(A−1)のポリオキシアルキレンアリルエーテル2,000gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.38ml/gであり、この結果より反応率97.9%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,050mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[実施例2]CPR:1.2のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(a)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン1,600g、(A−2)のポリオキシアルキレンアリルエーテル2,000g、及びりんご酸の10%エタノール溶液(酸価83.6KOHmg/g)0.12gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.28ml/gであり、この結果より反応率98.5%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,072mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[比較例1]CPR:1.2のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
りんご酸の10%エタノール溶液を加えない以外は実施例2と同じ方法で同様の反応を行い、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量9.09ml/gであり、この結果より反応率50.9%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の外観は白濁の液体であり、ハイドロシリレーション反応が充分には進行していないことが示唆された。
[実施例3]CPR:4.9のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(a)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン1,600g、(A−3)のポリオキシアルキレンアリルエーテル2,000g、及びりんご酸の10%エタノール溶液0.51gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に、窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.724ml/gであり、この結果より反応率96.1%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,021mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[実施例4]CPR:4.9のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
リンゴ酸の10%エタノール溶液0.51gに代えて、リンゴ酸の10%エタノール溶液0.49gを使用する以外は、実施例3と同じ方法で同様の反応を行い、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.574ml/gであり、この結果より反応率96.9%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,110mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[比較例2]CPR4.9のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
りんご酸の10%エタノール溶液を加えない以外は実施例4と同じ方法で同様の反応を行った。
加熱開始前の水素ガス発生量は18.5ml/g、冷却後の水素ガス発生量は14.5ml/gであり、この結果より反応率21.6%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の外観は白濁の液体であり、ハイドロシリレーション反応が充分には進行していないことが示唆された。
[実施例5]CPR:0.4のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(b)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン680g、(B−1)のポリオキシアルキレンアリルエーテル3,000gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に、窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は4.98ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.11ml/gであり、この結果より反応率97.8%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,850mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[実施例6]CPR:1.7のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(b)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン680g、(B−2)のポリオキシアルキレンアリルエーテル3,000g、及びりんご酸の10%エタノール溶液0.30gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に、窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は4.98ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.18ml/gであり、この結果より反応率96.4%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は1,772mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[比較例3]CPR:1.7のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
りんご酸の10%エタノール溶液を加えない以外は実施例6と同じ方法で同様の反応を行い、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は4.98ml/g、冷却後の水素ガス発生量1.22ml/gであり、この結果より反応率75.5%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の外観は白濁の液体であり、ハイドロシリレーション反応が充分には進行していないことが示唆された。
[実施例7]CPR:0.5のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(c)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン1,520g、(C−1)のポリオキシアルキレンアリルエーテル1,900g、及びりんご酸の10%エタノール溶液0.05gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に、窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は34.4ml/g、冷却後の水素ガス発生量は1.69ml/gであり、この結果より反応率95.1%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は311mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[実施例8]CPR:3.7のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加する方法
加熱ヒーター付きオイルバス、撹拌機、ガス吹き込み管、温度計を備えた内容量5リットルのセパラブルフラスコに、(c)のジメチルハイドロジェンポリシロキサン1,520g、(C−2)のポリオキシアルキレンアリルエーテル1,900g、及びりんご酸の10%エタノール溶液0.30gをこの順に仕込み、撹拌しながら、液中に挿入したガス吹き込み管に、窒素ガスを標準状態換算で1リットル/時間の量で1時間通気した。そのままの状態で、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを配位子とした中性の白金錯体のトルエン溶液(白金0.5質量%)2.0gを添加し、加熱を開始し、30分後に90℃±5℃に安定させた。加熱開始180分後に加熱を停止し、冷却し、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は34.4ml/g、冷却後の水素ガス発生量は0.73ml/gであり、この結果より反応率97.9%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の粘度は321mm2/sであり、このものの外観は淡黄色透明の液体であった。
[比較例4]CPR:3.7のポリオキシアルキレンアリルエーテルを使用し、酸又は酸溶液を添加しない方法
りんご酸の10%エタノール溶液を加えない以外は実施例8と同じ方法で同様の反応を行い、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を得た。
加熱開始前の水素ガス発生量は34.4ml/g、冷却後の水素ガス発生量29.1ml/gであり、この結果より反応率15.4%が確認された。生成したポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の外観は白濁の液体であり、ハイドロシリレーション反応が充分には進行していないことが示唆された。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)bR (1)
    (式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。)
    で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、CPR値が0.5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用いることを特徴とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  2. 実質的に溶剤の非存在下で、かつ実質的に酸素ガスを含まない雰囲気で反応させることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  3. 触媒として、中性の白金族金属系錯体を使用することを特徴とする請求項1又は2記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  4. 下記一般式(1)
    CH2=CHCH2O(C24O)a(C36O)bR (1)
    (式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、アシル基もしくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、aは0〜50、bは0〜50、1≦a+b≦100である。)
    で表されるポリオキシアルキレンアリルエーテルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応させて、ポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体を製造する方法において、CPR値が5未満のポリオキシアルキレンアリルエーテルを用い、前記反応前に、前記CPR値に基づいて計算したアルカリ量を中和するに足る量の酸又は酸の溶液を添加することを特徴とするポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  5. 実質的に溶剤の非存在下で、かつ実質的に酸素ガスを含まない雰囲気で反応させることを特徴とする請求項4記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  6. 触媒として、中性の白金族金属系錯体を使用することを特徴とする請求項4又は5記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  7. 使用する酸が、カルボン酸であることを特徴とする請求項4、5又は6記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
  8. 使用する酸が、酢酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、りんご酸から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸であることを特徴とする請求項7記載のポリオキシアルキレン−オルガノポリシロキサン共重合体の製造方法。
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