JP2006298821A - ビフィズス菌増殖促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】腸内細菌の中で最も有用であるとされるビフィズス菌の増殖を劇的に促進することができる新規なビフィズス菌増殖促進剤を提供すること。
【解決手段】本発明におけるビフィズス菌増殖促進剤は、有効成分である茶カテキン類とフラクトオリゴ糖を組み合わせることで非常に優れた相乗効果をもたらすことができる。このため、本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、従来から問題とされていた茶カテキン類のもつ苦味・渋味を気にすることなく、かつフラクトオリゴ糖摂取による下痢や軽い腹痛といった症状を引き起こすことなく、安心して美味しく摂取することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビフィズス菌増殖を促進させることによって腸内フローラを改善させるために服用される飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などの原料として使用されるビフィズス菌増殖促進剤に関する。
ヒトの腸管内には様々な細菌が常在し複雑な腸内フローラを形成している。これらの腸内フローラは相互に共生又は拮抗関係を保ちながら、摂取された食物や消化管に分泌された生体成分を栄養素として絶えず増殖しては排泄され、ヒトや動物の健康・疾病と密接に関係している。これらの腸内細菌の内でもビフィズス菌(Bifidobacterium)は、糞便中のアンモニア、インドール、フェノール、硫化物などの腐敗産物量を低下させ、また腸内pH、血清コレステロール、血中トリグリセリド値を減少させるため、腸内細菌の中で最も有用な菌であると考えられている。従ってビフィズス菌の増殖を促進させることは、ヒトや動物の健康増進にとって非常に有効な方法である。
このようなことから、従来より種々のビフィズス菌増殖促進剤が開発されている。
例えば、フラクトオリゴ糖はビフィズス菌により選択的に資化されることから、腸内でのビフィズス菌の選択的増殖因子となり得ることを見出し、フラクトオリゴ糖を主成分とするビフィズス菌増殖促進物質が開示されている(下記の特許文献1を参照)。しかしながらその効果は必ずしも良好であるとは言えず、また効果を高めようとしてフラクトオリゴ糖を大量に摂取すると、ヒトによっては下痢や軽い腹痛を引き起こす場合があり、ビフィズス菌増殖促進物質として未だ十分なものとは言えない。
また、非特許文献1には、ヒト生体内で緑茶中のカテキン類摂取により腸内のビフィズス菌の菌数が増加することが報告されている。しかしながら、この緑茶カテキン類のビフィズス菌の増殖効果も十分なものとは言えなかった。
さらに、特許文献2には食物繊維、オリゴ糖類、茶ポリフェノール類、乳酸菌類をある特定割合で含有させると便通改善効果が得られることが記載されている。しかしながら、本文献では腸内環境を改善することが知られている種々の成分をただ単に組み合わせて便通改善効果を発揮させているに過ぎず、具体的な有効成分やビフィズス菌の増殖促進作用については全く言及されていない。また、特許文献3には、便性および腸内環境を改善する作用を有するオリゴ糖等の成分、および便臭を除去するカテキン等の成分を組み合わせてこれら成分のそれぞれの効果を利用した便性および便臭改善効果のある栄養組成物が開示されており、その実施例では、ガラクトシルラクトースおよびカテキン含有組成物をラットに摂取させると、これらの成分を含まない場合と比べて腸内ビフィズス菌数が有意に増加する旨記載されている。しかしながらその増加率はわずか2倍程度に過ぎず、ビフィズス菌増殖効果としては十分なものではなかった。
特開昭58−201980号公報 特開2004−155727号公報 特開2004−285007号公報 食品工業,vol.6,no.15,p.60−66,1997
本発明の目的は、上記問題点を克服し、腸内細菌の中で最も有用であるとされるビフィズス菌の増殖を劇的に促進することができる新規なビフィズス菌増殖促進剤を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖を混合することにより、従来のビフィズス菌増殖促進剤に比べ特段に優れたビフィズス菌増殖促進効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明におけるビフィズス菌増殖促進剤は、従来のビフィズス菌増殖促進剤と比べ著しく高いビフィズス菌増殖促進効果が得られる。
すなわち、請求項1記載の本発明は、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を有効成分とするビフィズス菌増殖促進増強剤である。
請求項2記載の本発明は、茶カテキン類がエピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選ばれる少なくとも1種以上を含有する請求項1記載のビフィズス菌増殖促進増強剤である。
請求項3記載の本発明は、フラクトオリゴ糖がヤーコン塊根から得られたものである請求項1乃至2記載のビフィズス菌増殖促進増強剤である。
本発明におけるビフィズス菌増殖促進剤は、有効成分である茶カテキン類とフラクトオリゴ糖を組み合わせることで、茶カテキン類単独摂取あるいはフラクトオリゴ糖単独摂取により得られるビフィズス菌増殖作用からは予想だにしえない非常に優れた相乗効果をもたらすことができる。このため、本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、従来から問題とされていた茶カテキン類のもつ苦味・渋味を気にすることなく、かつフラクトオリゴ糖摂取による下痢や軽い腹痛といった症状を引き起こすことなく、安心して美味しく摂取することが可能である。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤を以下に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明においては、用語「ビフィズス菌」はBifidobacterium属に含まれる全ての菌種を意味するものである。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤の有効成分として用いられる茶カテキン類としては、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)が挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を所望とする混合比で組み合わせて用いることができる。これら茶カテキン類は、(+)−体又は(−)−体のいずれであってもよい。
このような茶カテキン類は、主にツバキ科に属する茶樹(Camellia sinensis)から得られる葉、茎、木部、樹皮、根、実、種子のいずれか、あるいはこれらの2種類以上の混合物もしくはそれらの粉砕物から、水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒あるいはこれらの混合物などを用いて抽出して得られる抽出物に含まれており、本発明においては、該抽出物自体を茶カテキン類としてそのまま利用することができる。特に、生の茶葉あるいはその乾燥物から、水、熱水、有機溶媒、含水有機溶媒、これらの混合物などを用いて抽出して得られる抽出物を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、上記したような茶樹から得られる抽出物の他に、該抽出物をさらに精製して得られる精製物を、茶カテキン類として利用することもできる。また、茶の抽出残渣である茶殻にも上記のような茶カテキン類が残存しているため、本発明においては茶殻も用いることができる。
精製物に関しては、特公平1−44234号公報、同2−12474号公報、同2−22755号公報、特開平4−20589号公報、同5−260907号公報、同8−109178号公報などに記載された方法により製造することができ、例えば、茶葉を上記の溶媒で抽出して得られた抽出物を、有機溶媒分画や吸着樹脂などを用いて所望の程度に精製して得ることができる。
そして、本発明で用いる茶カテキン類の形態については、特に限定されず、上記抽出物、精製物等の液体、固体(粉末を含む)の別を問わず利用することができる。
なお、本発明においては、茶カテキン類の市販品を用いても良い。このような市販品としては、例えば三井農林(株)製「ポリフェノン」、太陽化学(株)製「サンフェノン」、(株)伊藤園「テアフラン」などを例示することができる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤において使用されるフラクトオリゴ糖(Fructooligosaccharide)とは、少なくともフラクトースが2〜10個グリコシド結合した糖類である。例を挙げれば、フラクトースを構成糖とするイヌロオリゴ糖やイヌロオリゴ糖の末端にグルコースが結合した1−ケストース、ニストース、1‐β‐フラクトフラノシルニストース等を示すことができる。本発明で使用されるフラクトオリゴ糖は,従来公知の様々な方法により得ることができ、例えば、ショ糖溶液等を原料としてフラクトース転移活性をもつ固定化菌体あるいは固定化酵素を作用させることによりフラクトオリゴ糖を製造する方法(例えば、特開平8−173109、特公昭59−53834号公報等)、ヤーコン塊根などフラクトオリゴ糖を含有する天然物から直接抽出して製造する方法(例えば、特開兵3‐227995号公報)等が挙げられる。また本発明においては、上記したようなフラクトオリゴ糖の他に、単糖、二糖を分画除去して得られる精製物も利用することができる。
本発明で用いるフラクトオリゴ糖の形態については、特に限定されず、液体、固体(粉末を含む)の別を問わず利用することができる。
なお本発明においては、フラクトオリゴ糖を含有する素材製品を用いても良い。このような素材製品としては、例えば、明治製菓(株)製「メイオリゴ」、ORAFTI社製「ラフテリン」、フジ日本精糖(株)製「フジFF」などを例示することができる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、飲食品、医薬品、医薬部外品及び化粧品等へ配合した形態で摂取してもよいが、そのまま単独で摂取することもできる。その場合の摂取量は摂取形態、年齢、体重などにより異なり、特に制限されるものではないが、経口的に摂取する場合、体重1kgあたり0.1mg〜5000mg/回の摂取が好ましく、1mg〜2500mg/回の摂取がより好ましく、5mg〜500mg/回の摂取がさらに好ましく、10〜100mg/回の摂取が最も好ましい。ビフィズス菌増殖促進剤の使用量が0.1mgより少ないと有効成分である茶カテキン類とフラクトオリゴ糖による併用効果が発現しにくくなるため好ましくなく、5000mgを越えると量的効果が期待できず経済的に好ましくない。このとき、1日当たりの摂取回数は1回若しくは数回とするのがよい。
なお、本発明においては、有効成分となる茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖の配合比は特に制限されず所望とする配合比で組み合わせて用いることができるが、好ましくは茶カテキン類1重量部に対してフラクトオリゴ糖を1〜50重量部、より好ましくはカテキン類1重量部に対してフラクトオリゴ糖を5〜50重部、さらに好ましくは茶カテキン類1重量部に対してフラクトオリゴ糖を10〜20重量部となるように配合するのがよい。このような比率で配合すると、茶カテキン類とフラクトオリゴ糖による併用効果がより発揮されやすいため好ましい。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤の摂取方法は特に限定されるものではなく種々の方法で摂取することができる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤の利用形態は、茶カテキン類とフラクトオリゴ糖が生体内で共同的に作用するように組み合わせて用いられるのであれば、特に限定されず、例えば粉末状、顆粒状、錠剤などの固形状であってもよいし、液状や半固形状などであってもよい。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、例えばガラクトオリゴ糖等他のビフィズス菌増殖促進剤と併用して用いても何ら問題は生じない。他のビフィズス菌増殖促進剤と併用した場合には、より優れたビフィズス菌増殖促進効果を期待することができる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、前記したとおり、飲食品、医薬品、医薬部外品及び化粧品等に配合して使用することができるが、中でも飲料、特に容器詰めされた飲料へ有効量含ませれば、ビフィズス菌増殖促進効果を有する機能性飲料として気軽に用いることが出来るため好ましい。
飲料等に対する本発明のビフィズス菌増殖促進剤の配合量は、有効量、すなわち、ビフィズス菌増殖促進効果を発揮する配合量となるように、対象となる物品の形態や種類に応じて適宜設定することが好ましい。一般的には、飲料の場合、最終製品中で0.0001〜50重量%であることが好ましく、0.001〜10重量%であることがより好ましく、さらに0.01〜10重量%が好ましい。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤を飲料等へ配合させる方法は、特に制限されるものではなく、その配合対象となる物品の調製段階において、この分野で通常知られた慣用的な方法を用いて配合することができる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤が配合されうる飲料等は、ビフィズス菌増殖促進剤の有効成分となる茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖を配合することができるものであればどのような形態であってもよく、例えば、水溶液や混濁物や乳化物などの液状形態であっても、ゲル状やペースト状の半固形状形態であっても、粉末や顆粒やカプセルやタブレットなどの固形状形態(例えば飲料の場合、販売時には粉末の形態で飲用時に適宜の濃度に水などで溶解して提供されるようなもの)であってもよい。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤が配合されうる飲料の種類は特に限定されないが、好ましいのは容器詰めされた飲料であり、具体的には、例えば、炭酸飲料、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)の果汁や果汁飲料や果汁入り清涼飲料、柑橘類の果肉飲料や果粒入り果実飲料、トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガスなどの野菜を含む野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、緑茶飲料・烏龍茶飲料・紅茶飲料などの茶系飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、ドリンク剤などの栄養飲料、アルコール飲料などが挙げられる。本発明のビフィズス菌増殖促進剤が配合されうる飲料は、販売時には粉末の形態で飲用時に適宜の濃度に水などで溶解して提供されるような、いわゆる粉末清涼飲料も含む。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤を製剤化する際、或いは飲料等に配合する際は、必要に応じて、増量剤、酸化防止剤、着色剤、香料、矯味剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、糖類、甘味料、酸味料、ビタミン類などの公知の各種添加剤と適宜組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン系イオン性非界面活性剤などが挙げられる。
糖類としては、グルコース、フラクトースなどの単糖類のほか、マルトース、シュクロースなどの二糖類、ポリデキストロース、ペクチン、キサンタンガム、アラビアガム、アルギン酸などの多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、シクロデキストリンなどのオリゴ糖、キシリトール、エリスリトール、ソルビトールなどの糖アルコールなどを例示することができる。
甘味料としては、天然甘味料(ソーマチン、ステビア抽出物、グリチルリチンなど)、合成甘味料(サッカリン、アスパルテームなど)などを利用できる。
酸味料としては、天然成分から抽出した果汁類のほか、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、リン酸が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB類、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、メソイノシトール、葉酸、コリン、ビタミンU、ビタミンPなどの水溶性およびビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミン類が挙げられる。
その他の添加剤としては、グレープフルーツ、リンゴ、オレンジ、レモン、パイナップル、バナナ、ナシなどの各種果汁(濃縮果汁);グルタミン酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸などのアミノ酸;イノシン酸、グアニル酸などの呈味成分;カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、イオウ、塩素、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ヨウ素などのミネラルないし微量元素などが挙げられる。
本発明のビフィズス菌増殖促進剤は、後述の実施例で示されるように、有効成分である茶カテキン類とフラクトオリゴ糖が共に生体内で共同的に作用して、ビフィズス菌増殖促進効果を相乗的に増加させることができる。
以下に製造例、実施例、比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物
採取したばかりのヤーコン塊根20kgの皮を丁寧に剥き、約1cm×5cmの大きさにスライスした。このスライスを搾汁機(スクリュウプレス機)にかけ、搾汁液を得た。この搾汁液(Brix9.5)を130℃で10秒間加熱殺菌した。加熱処理した搾汁液を遠心分離機にかけ、不溶物を除去した。この上清液のBrixに対して0.5重量%となるように粉末状活性炭を加え、45℃で1時間半攪拌した。濾過により活性炭を除去後、ろ液を減圧濃縮してBrixが約30の濃縮液を得た。この濃縮液を噴霧乾燥しフラクトオリゴ糖含有混合物約2.0kgを得た。
このようにして得られたフラクトオリゴ糖含有混合物は、グルコースにフラクトースが2個から9個結合したフラクトオリゴ糖を39.9重量%含有している。
このフラクトオリゴ糖混合物中のフラクトオリゴ糖含量は、下記に示した条件により、高速液体クロマトグラフィーにより定量した。グルコース、フラクトース、シュクロース、1−ケストース、ニストースの定量値は、市販の和光純薬(株)試薬を標準品として求めた。また、5糖以上のフラクトオリゴ糖含量は、ニストース(4糖)含量に換算して算出した。
(高速液体クロマトグラフィーの分析条件)
サンプル:上記フラクトオリゴ糖含有混合物を20mg/ml濃度で精製水に溶解し、フィルター濾過した溶液(10〜30マイクロリットル)を使用した。
カラム :Mitsubishi CK04SS(直径10mm×長さ200mm)
溶媒 :精製水
カラム温度:60℃
流速 :0.3ml/ml
検出器 :示差屈折計
上記で調製したフラクトオリゴ糖含有混合物粉末に10重量%となるようにデキストラン粉末を加えてよく混合し、さらに茶カテキン粉末(ポリフェノン70S、三井農林(株)製)を5.1重量%(茶カテキン類として4.1重量%)となるように加えて攪拌混合し、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物(茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖の混合組成比は、フラクトオリゴ糖:茶カテキン類=10.2:1)を得、これをヒト試験用サンプルとして用いた。
ポリフェノン70Sは、エピガロカテキンを18.6%、ガロカテキンを5.9%、エピカテキンを7.9%、エピガロカテキンガレートを33.8%、ガロカテキンガレートを3.3%、エピカテキンガレートを9.8%、およびカテキンガレートを0.8%含有しており、総カテキン量が79.9%であった。なお、タンニン含量は86.2%で、カテキンのガレート率は57.7%であった。
このポリフェノン70S中のカテキン含量は、高速液体クロマトグラフィーにより下記の条件でおこなった。
(高速液体クロマトグラフィーの条件)
カラム :Mightysil(関東化学(株)製)
移動相A液:アセトニトリル:燐酸水溶液=10:400の溶液
移動相B液:メタノール:アセトニトリル:燐酸水溶液=200:10:400の溶液
検出 :UV230nm
カラム温度:40℃
サンプル温度:室温
サンプル量:10μl
流速 :1ml/min.
実施例1 茶カテキン類およびフラクトオリゴ糖併用摂取によるヒトフローラ試験
(試験方法)
製造例1で得られた茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を使用し、インフォームドコンセントがなされた上でヒトのフローラ臨床試験を実施した。
製造例1で得られた茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を一日4.2g(フラクトオリゴ糖3.8g及び茶カテキン類375mg含有)摂取してもらい、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を摂取する前、摂取1週目、摂取2週目および摂取終了1週間後、以上計4回分の糞便中におけるビフィズス菌数を測定した。
ビフィズス菌の分離は、糞便1gを秤量し、直ちに9mlの嫌気性希釈液に炭酸ガス通気下でよく混和(10−1)した。これを10−8倍まで希釈し、希釈液の0.05mlを、BS寒天培地に塗抹した。菌数は、湿糞便1g当りの対数を計算に用いた。総菌数は、バクテロイデス、ユウバクテリア、乳酸菌、ビフィズス菌、クロストリジウム、エンテロバクテリアセアエ、シュードモナス、ストレプトコッカスおよびバチラスのそれぞれの菌数を合計したものとした。
なお、各サンプル摂取前(before)のビフィズス菌数を1とした変動率を図1に示し、総菌数に対するビフィズス菌の占有率を図2に示す。
比較例1 茶カテキン類によるビフィズス菌変動に与える影響
総カテキン含量375mg(一日当たりの摂取量)に相当するポリフェノン60(三井農林(株)製)605mgを用いて、実施例1と同様に臨床試験を実施して、ビフィズス菌数の変動他を調べた(K. Goto、Annals of Long-Term Care、6(2)、1998)。結果を図1及び図2に示す。
比較例2 フラクトオリゴ糖によるビフィズス菌変動に与える影響
フラクトオリゴ糖3.8g(一日当たりの摂取量)用いて、実施例1と同様に臨床試験を実施して、ビフィズス菌数の変動他を調べた。結果を図1及び図2に示す。
(試験結果)
図1及び図2より、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物摂取群(実施例1)は、茶カテキン類単独摂取群(比較例1)やフラクトオリゴ糖摂取群(比較例2)と比べてビフィズス菌数およびビフィズス菌占有率が有意に増殖した。特にビフィズス菌数については、サンプル摂取開始から1週間目には、比較例と比べ約10〜20倍と顕著に高い値を示した。
したがって本発明のビフィズス菌増殖促進剤は従来品と比べ特段に優れたビフィズス菌増殖促進効果を有していること分かった。
処方例1 緑茶飲料
緑茶30gを60℃のイオン交換水900gで5分間抽出し、続いて濾紙(NO.26、アドバンテック(株)製)で濾過することにより茶葉を除去して、800gの緑茶抽出液(pH6.0、Brix 1.0°、カテキン濃度 200mg/100ml)を得た。当該緑茶抽出液を30℃以下まで冷却し、飲用濃度(カテキン濃度 50mg/100ml)となるようにイオン交換水で希釈し、これにヤーコン由来のフラクトオリゴ糖を含有するヤーコン濃縮ジュース(東京フードテクノ(株)製、フラクトオリゴ糖 30重量%含有)を3.0%(w/w)、L-アスコルビン酸を0.03%(w/w)となるようにそれぞれ添加し、これに炭酸水素ナトリウムを溶解してpH6.2のヤーコン入り緑茶調合液を得た。これを容器に充填し、レトルト殺菌処理(121℃、7分間)を行って、フラクトオリゴ糖を含有する緑茶飲料を得た。
処方例2 ドリンク
表1に示す割合で原料を配合しイオン交換水で溶解し、これを80℃で容器にホットパック充填し、本発明の茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を含有するドリンクを得た。
処方例3 粉末ドリンク
表2に記載する割合で原料を混合し、本発明の茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を含有する粉末ドリンクを調整した。調整した粉末ドリンク10gをイオン交換水100mlに溶解して、飲用に供した。
本発明は、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖を有効成分とするこれまでにないビフィズス菌増殖促進剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
実施例における、カテキン摂取群(比較例1)、フラクトオリゴ糖摂取群(比較例2)及び、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物摂取群(実施例1)のビフィズス菌数の変動率を示すグラフである。 実施例における、カテキン摂取群(比較例1)、フラクトオリゴ糖摂取群(比較例2)及び、茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物摂取群(実施例1)のビフィズス菌占有率を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 茶カテキン類及びフラクトオリゴ糖混合組成物を有効成分とするビフィズス菌増殖促進剤。
  2. 茶カテキン類がエピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選ばれる少なくとも1種以上を含有する請求項1記載のビフィズス菌増殖促進剤。
  3. フラクトオリゴ糖がヤーコン塊根から得られたものである請求項1乃至2記載のビフィズス菌増殖促進剤。
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