JP2006298703A - 陶磁器熱放射性固体物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 使用される電子機器等に応じて最適の冷却効果を提供して、かつ機器等の小型化の要請にも応じ得る冷却機構が、求められている。
【解決手段】 電子機器等に用いられる冷却機構において、アルミナ(Al2O3)の含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・Kの熱伝導率を有することを特徴とする本発明の陶磁器熱放射性固体物を用いることにより、前記課題が解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】 電子機器等に用いられる冷却機構において、アルミナ(Al2O3)の含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・Kの熱伝導率を有することを特徴とする本発明の陶磁器熱放射性固体物を用いることにより、前記課題が解決される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、種々の電気機器・装置等において、その動作温度が許容される限界を超えて上昇するのを防止するための冷却機構としての、アルミナ(Al2O3)の含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・Kの熱伝導率特性を有する陶磁器熱放射性固体物に関する。本発明の陶磁器熱放射性固体物は、前記電子機器・装置等の発熱部位に接触させることにより、当該発熱部位において安定な平衡温度を維持し、当該電子機器・装置等の正常な稼動を保障するものである。
電気機器・装置等は、一般に、動作中、消費電力の増加に比例して発熱量が増大し、動作部分等の温度上昇のために、安定した動作が確保できない事態を生じる場合が多い。そのため、電気機器等の動作部分等においては、種々の冷却機構を用いて、当該部分を冷却し、正常な動作を維持する手段がなされている。
電子機器・装置等の冷却機構に関しては、従来、例えば車両搭載用サイリスタ・ユニットにおいて、フロン冷却方式が用いられている。このフロン冷却方式は、一般に、冷却機構として冷却フィンおよび凝縮器等の複数の装置を含むものを用い、当該各装置が協働して、冷却効果を達成している。しかし、このような機構においては、例えば冷却フィンの部分だけをとってみてもある程度の体積を有して、装置全体が大型にならざるを得ないものである。機器等においては、その小型化が、製造、使用およびコスト等の面で所望される今日、冷却機構を構成する装置等の数は出来る限り少数にして、効果的な排熱が達成されることが望ましく、当業者は日夜、かかる目的達成のために努力を重ねている。
前記フロン冷却方式の他に、従来、発熱体を冷却する方法として、例えば、発熱体の上に金属アルミ製放熱フィンを置き、ブロアにより冷却を行う手段において、放熱フィンや空冷ファンを小型にする試み等がなされている。しかし、所望の冷却効果を得るためには、フィンおよびブロアはある程度の体積を必要とし、小型にするにも限界があり、嵩張るため、機器等の小型化および製造コスト減等の課題は完全には解決されない。
また、半導体市場においては、製品における出力パワー密度(W/cm3)-これは、電力変換器の性能指標である-を向上させることも重要課題となっているところ、出力パワー密度は、
式:出力パワー密度=出力パワー÷「(半導体素子+冷却機構+受動部品)体積」
から導かれ、この式から明らかなように、冷却機構の体積は出力パワー密度を決定する一要因となっており、出力パワーの観点からも、冷却機構の体積は小さくすることが要求される。
式:出力パワー密度=出力パワー÷「(半導体素子+冷却機構+受動部品)体積」
から導かれ、この式から明らかなように、冷却機構の体積は出力パワー密度を決定する一要因となっており、出力パワーの観点からも、冷却機構の体積は小さくすることが要求される。
かかる小型化の課題を達成するために、前記金属製のフィンおよびファン類に代えて、ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素等の、フォノン伝導による高い熱伝導率を達成すると考えられる無機材料を用いて、例えば放熱性シートなどを加工して冷却機構とする等の手段が考えられる。
しかし、かかる熱伝導による熱拡散や熱放散により冷却機構を構成する場合、優れた熱伝導率により熱を吸収したとしても、その熱放射が効率よくなされなければ、冷却機構自体が熱を溜め込んでしまい、冷却機構の温度が周囲の温度に近づくと、熱をもはや吸収しなくなり、冷却機能を果たさなくなる問題があり、また、電気絶縁特性の問題もあり、確実かつ安定した効率のよい冷却機構が要求されるところである。
特開平2002-228085号公報
しかし、かかる熱伝導による熱拡散や熱放散により冷却機構を構成する場合、優れた熱伝導率により熱を吸収したとしても、その熱放射が効率よくなされなければ、冷却機構自体が熱を溜め込んでしまい、冷却機構の温度が周囲の温度に近づくと、熱をもはや吸収しなくなり、冷却機能を果たさなくなる問題があり、また、電気絶縁特性の問題もあり、確実かつ安定した効率のよい冷却機構が要求されるところである。
本発明は、高い冷却効果を有して、初期の冷却作用後は、電子機器等において所望される一定の平衡温度を維持して、使用される電子機器等に応じて最適の冷却効果を提供することができ、かつ機器等の小型化の要請にも応じる、冷却機構の構成材料を提供することを課題とする。
発明者等は、冷却機構を構成する材料の「熱放射率」に注目し、鋭意検討の末、いわゆる陶磁器材料を用いた陶磁器熱放射性固体物、詳しくは、アルミナ(Al2O3)の含有量が95重量%以上、特に好ましくは98重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・Kの熱伝導率を有する陶磁器熱放射性固体物が、放熱特性・冷却特性に優れ、さらに電気絶縁特性にも優れることを見出し、本発明を完成した。本発明の陶磁器熱放射性固体物は、熱伝導により発熱部の熱を吸収した後、高い熱放射率で吸収した熱を放射する優れた冷却効果を有し、かつ、熱吸収・熱放射(熱排熱)のサイクルを間断なく繰り返して、最終的には安定した平衡温度を持続する、非常に優れた冷却制御態様を提供するものである。本発明の陶磁器熱放射性固体物は、当該陶磁器熱放射性固体物自体を電気機器等の発熱部位に直接接触させて、冷却・放熱を促すことができるものであり、特に電子機器用の冷却機構の材料、例えばヒートシンク材として適している。
なお、本明細書中における「熱放射率」とは、物体において吸収される熱のうち、当該物体により、その後、外部へ放出(放射)される熱の割合を意味する。
なお、本明細書中における「熱放射率」とは、物体において吸収される熱のうち、当該物体により、その後、外部へ放出(放射)される熱の割合を意味する。
本発明の陶磁器熱放射性固体物は、素材に金属を使用せず、いわゆる一般的な陶器、磁器(陶磁器)に用いられる無機材料を使用して、焼結工程を経て作成されるものである。本発明の陶磁器熱放射性固体物は、焼結助剤として、例えば、MgO、SiO2、Na2OおよびFe2O3等を含むことができる。
従来も、熱放射性表面処理剤として、金属材料製の基材に熱放射率が70%以上の層塗膜を塗布したものが開発されているが(特許文献1)、その基材として用いられている金属材料(鋼板、ステンレス鋼版等)自体は、熱放射率が低いものであり、電気絶縁性も劣る上に、当該基材の上に塗装される熱放射性表面は、内膜(1〜50μm)、外膜(3〜200μm)程度という極めて薄い膜状層構造のものであるため、冷却効率を期待通りに高め得るものではないと考えられる。
従来も、熱放射性表面処理剤として、金属材料製の基材に熱放射率が70%以上の層塗膜を塗布したものが開発されているが(特許文献1)、その基材として用いられている金属材料(鋼板、ステンレス鋼版等)自体は、熱放射率が低いものであり、電気絶縁性も劣る上に、当該基材の上に塗装される熱放射性表面は、内膜(1〜50μm)、外膜(3〜200μm)程度という極めて薄い膜状層構造のものであるため、冷却効率を期待通りに高め得るものではないと考えられる。
本発明の陶磁器熱放射性固体物は、冷却機能を確保するためのさらなる構造、例えば冷却媒体経路等を追加しなくとも、単独の固体物として冷却効果を発揮するものである。このため、その使用にあたっては、適用される機器の構造、配置によって、適切な形状に成形して空間配置上効果的に用いることができる。さらにかかる効果に留まらず、本発明の陶磁器熱放射性固体物は、発熱体に接触後、初期の高い冷却効果を提供した後は、一定の平衡温度を維持するという、非常に優れた温度制御機能を発揮するものである。本発明の陶磁器放射性固体物は、発熱体の発熱温度および初期冷却後の所望される平衡温度等の種々の要因から、当該陶磁器熱放射性固体物の大きさ、形状等を割り出すことにより、適用される機器・装置等に応じて最適の冷却作用を有する冷却機構を設計することができる。
本発明の陶磁器熱放射性固体物は、電気絶縁性に優れ、無機材料製の不燃物であることから、発熱部位に直接接触させて、高い冷却効果を得ることができる。また、上述のごとく、所望の冷却態様に応じて最適の冷却効果を達成することができる。かかる特性を生かして、電子機器・装置を含め、冷却効果が所望されるあらゆる分野で応用可能である。本発明の陶磁器熱放射性固体物を用いれば、電子機器等は、発熱体の上に通常置かれるフィン等が一切不用となる。また、本発明の陶磁器熱放射性固体物は、作製および使用が非常に容易かつ簡便である。
[実施例]
本発明の陶磁器熱放射性固体物は、以下のごとく調製する。しかし、以下の調製法に限られるものではなく、所望の陶磁器熱放射性固体物の態様に応じて、適宜の調整法を用いて調製できる。
純度99.00〜99.99%のアルミナ98重量%と、焼結助剤(MgO、SiO2、Na2O、Fe2O3等)2重量%を配合した混合物に有機結合剤と水を加え、トロンミルを用いてスラリー化する。次いでこのスラリーをスプレードライヤーでスプレー顆粒としたものを、金型を用いて成形した後、大気雰囲気中で1400〜1700℃で焼結させ、いわゆる一般的な陶磁器材料から成る本発明の陶磁器熱放射性固体物を得る。
本発明の陶磁器熱放射性固体物の冷却機構としての有効性を、以下の実施例により示す。
本発明の陶磁器熱放射性固体物は、以下のごとく調製する。しかし、以下の調製法に限られるものではなく、所望の陶磁器熱放射性固体物の態様に応じて、適宜の調整法を用いて調製できる。
純度99.00〜99.99%のアルミナ98重量%と、焼結助剤(MgO、SiO2、Na2O、Fe2O3等)2重量%を配合した混合物に有機結合剤と水を加え、トロンミルを用いてスラリー化する。次いでこのスラリーをスプレードライヤーでスプレー顆粒としたものを、金型を用いて成形した後、大気雰囲気中で1400〜1700℃で焼結させ、いわゆる一般的な陶磁器材料から成る本発明の陶磁器熱放射性固体物を得る。
本発明の陶磁器熱放射性固体物の冷却機構としての有効性を、以下の実施例により示す。
[実施例1] 試験固体物(試料)の調製
各々表1に示す化合物から成る本発明の陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量; 98重量%)、陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量;92重量%、70重量%)、窒化アルミニウム(AlN)セラミックス固体物、金属銅固体物および金属アルミニウム固体物を用い、各々の放熱特性を測定した。
各々表1に示す化合物から成る本発明の陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量; 98重量%)、陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量;92重量%、70重量%)、窒化アルミニウム(AlN)セラミックス固体物、金属銅固体物および金属アルミニウム固体物を用い、各々の放熱特性を測定した。
本発明固体物および陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量92重量%および70重量%)は、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状にて上記の方法で調製した。
窒化アルミニウムは、純度99.00〜99.99%の窒化アルミニウム97.0重量%と、焼結助剤としてのY2O33.0%を配合した混合物に有機結合剤とエタノールを、樹脂製ポット容器を用いてスラリー化し、次いでこのスラリーをスプレードライヤーでスプレー顆粒としたものを、金型を用いて成形した後、窒素雰囲気中で1700〜1900℃で焼結させ、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状とした。
金属銅および金属アルミニウムは、各々市販の金属板を入手し、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状に切削加工した。
窒化アルミニウムは、純度99.00〜99.99%の窒化アルミニウム97.0重量%と、焼結助剤としてのY2O33.0%を配合した混合物に有機結合剤とエタノールを、樹脂製ポット容器を用いてスラリー化し、次いでこのスラリーをスプレードライヤーでスプレー顆粒としたものを、金型を用いて成形した後、窒素雰囲気中で1700〜1900℃で焼結させ、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状とした。
金属銅および金属アルミニウムは、各々市販の金属板を入手し、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状に切削加工した。
[実施例2] 本発明の陶磁器熱放射性固体物の熱放射率および熱伝導率、および他の材料との比較
実施例1で調製した各20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状の試料、即ち、本発明の陶磁器熱放射性固体物(Al2O3含有量98重量%)、陶磁器熱放射性固体物(Al2O3含有量92重量%および70重量%)、窒化アルミニウムセラミックス、金属銅および金属アルミニウムの熱放射率および熱伝導率を、以下のごとく測定した。
実施例1で調製した各20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状の試料、即ち、本発明の陶磁器熱放射性固体物(Al2O3含有量98重量%)、陶磁器熱放射性固体物(Al2O3含有量92重量%および70重量%)、窒化アルミニウムセラミックス、金属銅および金属アルミニウムの熱放射率および熱伝導率を、以下のごとく測定した。
(1) 熱伝導率の測定
熱伝導率は、レーザーフラッシュ法を用いて、熱拡散率を測定することにより行った(測定機:TC-7000-アルバック理工(株))。レーザーフラッシュ法はファインセラミックスに対しては、熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験方法のJISとして規格化されている。本実施例においては、JIS R 1611を用いた。
熱伝導率は、レーザーフラッシュ法を用いて、熱拡散率を測定することにより行った(測定機:TC-7000-アルバック理工(株))。レーザーフラッシュ法はファインセラミックスに対しては、熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験方法のJISとして規格化されている。本実施例においては、JIS R 1611を用いた。
(2) 熱放射率の測定
熱放射率は、加熱板法を用いて、発熱体表面の温度上昇を測定することにより行った(測定機;温度計HFT-40-安立計器(株))。即ち、マイカヒーターを発熱体として用い、印加電圧を調整してその表面(上面)温度を一定に維持した後、当該発熱体表面に試料を密着させ、発熱体表面において、試料が密着していない部分の温度を測定することにより行った。
結果を表2に示す。
熱放射率は、加熱板法を用いて、発熱体表面の温度上昇を測定することにより行った(測定機;温度計HFT-40-安立計器(株))。即ち、マイカヒーターを発熱体として用い、印加電圧を調整してその表面(上面)温度を一定に維持した後、当該発熱体表面に試料を密着させ、発熱体表面において、試料が密着していない部分の温度を測定することにより行った。
結果を表2に示す。
[実施例3] 本発明の陶磁器熱放射性固体物の放熱特性の測定および他の材料との比較
20(mm;幅)×40(mm;長さ)×3(mm;厚み)の形状のマイカヒーターを発熱体として用い、ボルトスライダーで印加電圧を調整し、発熱体の表面(上面)温度を98〜100℃に設定および維持した。発熱体の表面温度が98〜100℃であることを確認すると同時に、実施例1により調製した試料を発熱体の上面に密着させた。発熱体上面の、試料が密着していない部分の表面温度を、試料を密着させたと同時に、およびその後所定の時間間隔で、測定した。
結果は、表3および図1に示すごとくである。
20(mm;幅)×40(mm;長さ)×3(mm;厚み)の形状のマイカヒーターを発熱体として用い、ボルトスライダーで印加電圧を調整し、発熱体の表面(上面)温度を98〜100℃に設定および維持した。発熱体の表面温度が98〜100℃であることを確認すると同時に、実施例1により調製した試料を発熱体の上面に密着させた。発熱体上面の、試料が密着していない部分の表面温度を、試料を密着させたと同時に、およびその後所定の時間間隔で、測定した。
結果は、表3および図1に示すごとくである。
上記結果より、本発明の陶磁器熱放射性固体物(アルミナ含有量98重量%)においては、放熱性、即ち冷却特性に優れ、かつ安定した平衡表面温度を維持しており、本発明の陶磁器熱放射性固体物の熱放射率効果がよく表れている。しかし、アルミナの含有量が低下するにつれ(陶磁器熱放射性固体物Al2O3含有量92重量%および70重量%)、熱放射率が次第に低下し、排熱効果も顕著なものではないことが分かる。また、窒化アルミニウムセラミックスは、本発明の熱放射性固定物に匹敵する結果となっている。そして、金属銅および金属アルミニウムについては、その高い熱伝導率のためにほぼ2分後の表面温度が59℃および68℃と急激に低下するが、10分を経過する頃から83.5℃および92℃へと温度が上昇し始め、本発明の陶磁器熱放射性固体物と比較して、20〜30℃高くなっている。
ここで、窒化アルミニウムセラミックスは、その粉末が熱放射性フィラーとしてよく用いられるものであるが、単価において、本発明の陶磁器熱放射性固体物の原料は4300円/kgであるのに対し、窒化アルミニウムセラミックスの原料はその約3倍の12,000円/kgであり、価格面からみて、本発明の陶磁器熱放射性固体物が極めて有効であるといえる。また、金属材料はその高い熱伝導率からほぼ2分後の表面温度が59℃(金属銅)および68℃(金属アルミニウム)と急激に低下するが、10分を経過する頃から各々83.5℃および92℃へと上昇し始め、本発明の陶磁器熱放射性固体物と比較すると、20〜30℃も高くなっており、これら金属材料は、熱伝導率には優れるものの、熱放射率が低く、熱の放射材料としては不向きな材料といえる。また金属材料は、電気絶縁性の面からも、本発明の陶磁器熱放射性固体物よりも劣る。
[実施例4] 本発明の陶磁器熱放射性固体物の、テレビ画像処理装置における適用効果
前記実施例にて熱放射特性等を測定したものと同じ20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状の本発明の陶磁器熱放射性固体物を、新方式のテレビ画像処理装置のリア・プロジェクターの駆動部分のICチップを内臓した4個のパワートランジスタに、本発明の陶磁器熱放射性固体物4個を各々接触させて、これらの温度を測定した結果、本発明の陶磁器熱放射性固体物を使用しなかった場合は、4個のパワートランジスタの平均温度が93〜96℃であったのに対し、本発明の陶磁器熱放射性固体物を使用した場合は、その平均温度は平均65℃となり、約30℃も低下することが判明した。これにより、テレビ画面の画像は鮮明で、色調においてもバラツキのないものが得られた。さらに、当該パワートランジスタは、その後も65℃の安定な平衡温度状態を維持し続けることが認められた。
前記実施例にて熱放射特性等を測定したものと同じ20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状の本発明の陶磁器熱放射性固体物を、新方式のテレビ画像処理装置のリア・プロジェクターの駆動部分のICチップを内臓した4個のパワートランジスタに、本発明の陶磁器熱放射性固体物4個を各々接触させて、これらの温度を測定した結果、本発明の陶磁器熱放射性固体物を使用しなかった場合は、4個のパワートランジスタの平均温度が93〜96℃であったのに対し、本発明の陶磁器熱放射性固体物を使用した場合は、その平均温度は平均65℃となり、約30℃も低下することが判明した。これにより、テレビ画面の画像は鮮明で、色調においてもバラツキのないものが得られた。さらに、当該パワートランジスタは、その後も65℃の安定な平衡温度状態を維持し続けることが認められた。
なお、前記20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状(図2A)に代えて、20(mm;幅)×40(mm;長さ)×6(mm;厚み)の形状の放熱側の片面に、三角錐または四角錐の形状部分を設定した形状としたもの(図2B)を用いることにより、より熱放射が向上する。また、当該三角錐ないし四角錐形状部分は、1個の陶磁器熱放射性固体物の片面あたり6ヶ以上設けた場合に、いっそう熱放射が向上する。
Claims (2)
- アルミナ(Al2O3)の含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・Kの熱伝導率を有することを特徴とする、陶磁器熱放射性固体物。
- 焼結助剤として、MgO、SiO2、Na2OおよびFe2O3を含むことを、さらに特徴とする、請求項1記載の陶磁器熱放射性固体物。
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