JPH09298319A - ペルチェ素子 - Google Patents
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Abstract
着されていたヒートシンクは、ペルチェ素子全体の厚さ
を増大せしめ、特に電子機器を冷却する場合には機器の
小型化を阻害していた。 【解決手段】 ペルチェ素子2のセラミックプレート1
0(放熱側)に、熱伝達性材料からなるシート14a、
熱放射性材料からなるシート16、熱伝達性材料からな
るシート14bを積層してなる放熱体12を装着する。
こうするとペルチェ素子2のペルチェ効果により放熱側
に移動された熱量が、シート16にて電磁波に変換され
て放出され、ペルチェ素子2の放熱側の温度が低下され
る。つまり、放熱体12という薄い構成を備えたペルチ
ェ素子2によってIC4の冷却を行なうことができるの
で、電子機器の小型化を阻害しない。
Description
熱源の放熱を行なうために用いられるペルチェ素子に関
する。
等の電子部品は、その集積度の向上及び動作の高速化に
より消費電力が増大すると共に発熱量も増大し、その放
熱対策が大きな問題となっている。
ると、電子部品の特性が変動して電子機器の誤動作の原
因となったり、電子部品自体が故障したりする。そこで
従来より、電子機器等においては、その使用中に電子部
品の温度上昇を抑えるためにペルチェ素子が使用される
ことがある。このペルチェ素子は、熱電素子とも呼ばれ
るもので、その主要部はP形半導体とN形半導体とを導
体を介装しつつ交互に直列配置した構成となっている。
この一例を図4に示す。
路(以下、単にICと記す)40の上面にペルチェ素子
42を装着してIC40の冷却を行なう様子を示してい
る。本図にて一層明らかなように、ペルチェ素子42と
は上下に夫々導体46aと導体46bとを分散配置し、
これら導体46a,46bを半導体48にて連絡結合し
たものである。しかも半導体48は、P形半導体とN形
半導体とを交互に配置している。なお、本図においては
P形半導体及びN形半導体が直線的に2個ずつ並べられ
たシンプルな構成となっているが、実際には両半導体が
交互に多数、マトリクス状に並べられ、導体46a,4
6bが両半導体を接続して1本の電気回路を形成したも
のが多い。つまり、図中の左端から導体46a,P形半
導体,導体46b,N形半導体,(以下繰り返し)…
…,導体46aの順序にて接続されている。但し、ペル
チェ素子42内の回路は真に1本の回路でなくとも良
く、複数の上記と同様の回路を並列配置したものでもよ
い。
部、にはプレート状の絶縁板50が設けられ、導体46
a同士(並びに46b同士)の絶縁を確保している。導
体46aの上部に設けられた絶縁板50の上には更に、
Al製のヒートシンク52が設けられている。このヒー
トシンク52は、平板上に柱52aを所定間隔をおいて
立設したような形状にされている。
a,46aに導線を接続し、P形半導体に近い方の導体
36aを高電位になるように直流電源54を接続する
と、導体46aと半導体48(P形であるかN形である
かには依らない)との界面では発熱され、導体46bと
半導体48(P,Nに依らない)との界面では吸熱が行
なわれる。これがペルチェ効果である。この結果、導体
46aは加熱され、導体46bは冷却される。従ってI
C40は、熱を絶縁板50を介してペルチェ素子42に
奪われ、温度上昇が抑えられる。ペルチェ素子42が奪
った熱は、ヒートシンク52に伝導され、柱52aから
放熱される。
の放熱を助長するという、いわば消極的な冷却を行なう
のではなく、直流電圧の供給を受けて熱量の移動させ、
積極的な冷却を行なう。そして通常の冷凍機のように冷
媒循環路、圧縮機等を必要とせず、非常にシンプルな構
成にて冷却を行なえるため、小型の電子機器等の冷却に
適している。
に対してペルチェ素子42を用いてもよい。その場合に
は、冷却対象の形状及び大きさに合わせて、ペルチェ素
子44を適宜設計変更すれば、その冷却対象を冷却し、
温度が上昇するのを抑えることができる。
42の放熱側の導体には、図4にも示したようにヒート
シンク52を設けなければならない。ペルチェ素子42
を作動させたときの導体46a,46b間の温度差は供
給電流によって決まるので、放熱側の導体46aに熱が
こもると、導体46aの温度が上昇し、これにつれて吸
熱側の導体46bの温度も上がってしまい、十分な冷却
性能が望めなくなる。従い、導体46aに熱がこもるの
を防止するため、ヒートシンク52を導体46aから外
すわけにはいかない。そして、このヒートシンク52は
冷却効果を上げるために柱52aを設けている。このた
めペルチェ素子42自体は薄く構成できるにも拘らず、
ヒートシンク52には厚み(特に柱52aの高さ)が必
要となり、結果としてIC40を使用するために必要な
体積を増大させてしまう。
柱52aが複数配置された複雑な形状をしているため
に、ダイキャスト成形あるいは切削といった複雑な工程
が必要となる。本発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、上記ヒートシンク52に代わって、コ
ンパクトながらも冷却性能を確保できる放熱体、を備え
たペルチェ素子を提供することを目的とする。
めになされた本発明の請求項1に記載のペルチェ素子
は、吸熱部と放熱部とを有し、直流電圧が印加される
と、ペルチェ効果により上記吸熱部周辺の熱量を上記放
熱部へと移動させ、上記吸熱部周辺を冷却するペルチェ
素子において、上記放熱部に、熱放射率の大きい熱放射
性材料からなるシートと、熱伝導率の大きい熱伝導性材
料からなるシートと、を積層してなる放熱体を設けたこ
とを特徴とすることを特徴とする。
吸熱部と放熱部とを有し、直流電圧が印加されると、ペ
ルチェ効果により上記吸熱部周辺の熱量を上記放熱部へ
と移動させ、上記吸熱部周辺を冷却するペルチェ素子に
おいて、上記吸熱部に、熱放射率の大きい熱放射性材料
からなるシートと、熱伝導率の大きい熱伝導性材料から
なるシートと、を積層してなる放熱体を設けたことを特
徴とすることを特徴とする。
1又は請求項2に記載の発明において、上記放熱体が、
上記熱放射性材料からなるシートと、上記熱伝導性材料
からなるシートと、を交互に積層してなることを特徴と
する。
請求項1に記載のペルチェ素子においては、発熱部に放
熱体が設けられている。この放熱体は、熱放射性材料か
らなるシートと、熱伝導性材料からなるシートとを積層
したものである。そしてペルチェ素子の発熱部から発生
した熱を、熱放射性材料からなるシートが直接的或は間
接的に受け取ると、その熱を電磁波(主に赤外線)に変
換して速やかに外部に放射する。
熱伝導性材料からなるシートが直接的或は間接的に受け
取ると、その熱を該シート全体に速やかに伝導する。こ
れら2種類の層を積層すると、熱放射性材料からなるシ
ートが外部に放射しきれなかった熱を、熱伝導性材料か
らなるシートに伝導するため、各々1種類のシートのみ
にて放熱体を構成した場合に比べ、熱放射が効率良く行
なわれると共に放熱体内にこもる熱が減少する。
しているため、ペルチェ素子に通電すると、ペルチェ素
子の発熱部から発せられた熱は、放熱体によって速やか
に放熱体自身、及び周囲へ放出され、発熱部の温度上昇
が抑えられる。ペルチェ素子は供給電力によって発熱
部、吸熱部間の温度差が決まるので、発熱部の温度上昇
が抑えられることにより、吸熱部の温度が下がり、十分
な冷却性能を得ることができる。
トシンクが装着されたものと同様に、冷却性能が高めら
れたペルチェ素子となる。また、放熱体はシートを積層
したものであって、従来のヒートシンクのように柱状の
ものがないため、非常にコンパクトである。従い、ペル
チェ素子はかさばらないものとすることができる。特
に、近年、需要の高い、携帯用電子機器やそれ以外の小
型電子機器に用いられる電子部品の冷却には好適であ
る。
は、請求項1に記載されたものと同じ構成からなる放熱
体が、発熱部にではなく、吸熱部に設けられている。つ
まり、直接、冷却対象に触れるのは、吸熱部ではなく放
熱体となる。このペルチェ素子を、冷却対象に装着する
と、冷却対象から発せられた熱は、放熱体によってその
周囲、及び当該ペルチェ素子の吸熱部へと伝達される。
と、放熱体から吸熱部へと伝達された熱は発熱部へと移
動される。そして更に発熱部の周囲へと熱が放射され
る。すなわち、通電状態における当該ペルチェ素子は、
冷却対象から発せられる熱を、一部は放熱体から電磁波
にして放射し、残りの熱はペルチェ効果により、放熱部
へと伝達されて周囲へと発散する。つまり、放熱体と吸
熱部とで分担して、冷却対象から熱を奪いとる。
その放熱部に蓄積される熱を周囲や他の構成へ移動させ
る構成が設けられていないが、冷却対象から発せられる
熱の一部は、吸熱部に達する以前の段階で、放熱体から
電磁波として放射されているため、放熱部に蓄積される
熱量は従来のペルチェ素子に比べて軽減される。この結
果、ペルチェ効果による熱移動が十分行なわれ、冷却対
象の冷却を効果的に行なうことができる。
ペルチェ素子は、請求項1に記載のペルチェ素子に対し
て、放熱体の位置を変更しただけであるから、同様にコ
ンパクトなものとなっている。そして、このペルチェ素
子において、請求項1に記載の発明のように放熱部にも
放熱体を設けても良い。このようにすると、冷却対象の
熱を放熱体の熱放射性材料からなるシートにより電磁波
にして放射した上で、残りの熱量をペルチェ効果により
放熱側へと移動させ、更にその移動された熱量を、放熱
部に設けられた放熱体が電磁波にして外界に放出するの
で、より効率的な冷却を行なうことができる。
放熱体が、熱放射性材料からなるシートと、熱伝導性材
料からなるシートとを、交互に積層したものとなってい
る。これが上記請求項1に記載のペルチェ素子と同様
に、冷却対象の上面に貼付されて使用された場合を例に
とって説明すると、このペルチェ素子の、熱放射性材料
からなるシートの上に熱伝導性材料からなるシートが、
積層された箇所では、前者にて放射しきれなかった熱が
後者に速やかに伝導される。逆に、熱伝導性材料からな
るシートの上に熱放射性材料からなるシートが積層され
た箇所では、前者の持っている熱が順次、後者に伝導し
たのち活発に放射される。
が交互に行なわれることにより、冷却対象から熱が順調
に奪われていき、冷却対象の放熱を効率的に行なうこと
ができる。なお、熱放射性材料とは、長波長の放射率が
高い遠赤外線放射体や全赤外線域で放射率が高い放射体
である。前者としては、コージライト(2MgO・2A
l2O3・5SiO2 ),チタン酸アルミニウム(Al2
O3・Ti2O3),β−スポジューメン(Li2O・Al
2O3・4SiO2)等がある。また、後者としては遷移
元素酸化物系のセラミックス( 一例として、MnO2:
60%,Fe2O3:20%,CuO:10%,CoO:
10%)、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維等が挙げ
られる。
化物(例えばフェライトも含む)、若しくは炭素が挙げ
られる。更に、上記各性質を有する材料は、夫々所定の
基材に混合された複合材料としても良く、該複合材料
が、混合された各材料の性質を維持していればよい。
説明する。図1は、本発明の一実施例であるペルチェ素
子2を用いてIC4を冷却する様子を示す説明図であ
り、図1(a)はペルチェ素子2の発熱側に放熱体12
を設けた実施態様を表すもので、一方、図1(b)はペ
ルチェ素子2の吸熱側に放熱体12を設けた様子を示
す。つまり、図1(a)及び図1(b)は、構成要素は
共通で、配置のみが異なったものとなっている。そこ
で、まず両図の構成要素について説明する。
aと、吸熱側の導体6bと、両導体6a,6bの間に介
装された半導体8(PがP形半導体、NがN形半導体)
とからなる。なお、ここでペルチェ素子2とは、直流電
圧が印加されると、ペルチェ効果を奏する部分のみを指
すものとする。
直線的に2個ずつ並べられた構成となっているが、実際
には両半導体8が交互に多数、マトリクス状に並べら
れ、導体6a,6bが両半導体8を接続して1本の電気
回路を形成しているものとする。このように半導体8と
導体6a(又は導体6b)とを交互に配置して、電圧を
印加すると、半導体8と導体6aとの接合部において熱
の吸収若しくは放出が行なわれる。熱の吸収が行なわれ
るのは、P形半導体とこの半導体の高電位(印加時)側
に接合された導体との間、及びN形半導体とこの半導体
の低電位(印加時)側に接合された導体との間であり、
熱の放出が行なわれるのは、この逆の位置関係にある接
合部である。
ルチェ素子2では、P形半導体及びN形半導体が交互に
配置されていることから、熱の放出が行なわれる接合部
は全て、導体6aと半導体8(P,Nによらない)との
接合部であり、逆に、熱の吸収が行なわれる接合部は全
て、導体6bと半導体8(P,Nによらない)との接合
部である(但し、本図の右端の導体6aの方が左端の導
体6aよりも高電位となるように電圧を印加した場
合)。このため、実際には熱の放出・吸収が行なわれる
のは上記接合部であるが、導体6bに冷却対象を接触さ
せておけば、導体6bを介して冷却対象から熱が吸収さ
れていく。そして吸収された熱は、半導体8中を移動し
て導体6aを介して放出される。
bが本図の下側の面に集中配置されているため、平面状
の上面を持つ電子部品を冷却するのに好適な形状となっ
ている。なおセラミックプレート10は導体6b同士、
及び導体と冷却対象との絶縁を確保するために設けられ
ているもので、導体6a及びその上面に固定されている
セラミックプレート10が、本発明の放熱部に相当し、
導体6b及びその下面に固定されているセラミックプレ
ート10が、本発明の吸熱部に相当する。
層14a、熱放射性のシートであるV層16、T層14
aと同じ材料からなるシートであるT層14bという2
種、3枚の層を重合し構成されている。T層は、本発明
の熱伝導性材料からなるシートに相当するもので、シリ
コーンとアルミナを重量比2:1で混合し薄膜化した後
180℃で加硫し、厚さが1mm、熱伝導率が2.5×
10-3[cal/cm・℃・sec]のフィルムとされてい
る。一方、V層は、本発明の熱放射性材料からなるシー
トに相当するもので、シリコーンと気相生長炭素繊維と
を重量比1:1で混合し薄膜化した後180℃で加硫し
た厚さが1mmのフィルムとされている。なお、本図に
おいて放熱体12は、積層されたものであることを明示
するために、図示したような厚さにされているが、実際
には本図よりも薄くされている。
に行なった実験について図2及び図3を用いて説明す
る。まず図2は、この実験において用いた実験回路を示
すものであり、破線で囲われた部分が、図1のIC4に
相当する。すなわちIC4は、トランジスタを複数内蔵
したICであり、本実験ではその内のNPN形トランジ
スタTr1,Tr2(以下、単に夫々Tr1,Tr2と記す)の
2個のみを用いるため、他のトランジスタは図示を省略
している。そしてTr1のコレクタには直流電圧+Ed
(例えば15V)が印加され、エミッタは抵抗器R1 を
介して接地され、ベースはダイオードDを介して接地さ
れると共に抵抗器R2を介してオペアンプ22の出力端
子に接続されている。一方のTr2は、コレクタとベース
とが短絡され、且つ抵抗器R3 を介して直流電圧+Ed
が印加されると共にコンデンサC1 を介して接地されて
いる。Tr2のエミッタは直接接地されている。
から調整可能にされた電圧V1 が印加され、反転入力端
子にTr1のエミッタ電圧が帰還されている。また当然の
ことながら、オペアンプ22には正負両電圧(ここでは
+Edと−Ed)が供給され、また各電圧ラインはオペ
アンプ22の発振を防ぐために夫々2個のバイパスコン
デンサC2,C3 及びC4,C5 を介して接地されている。
電圧V1 をTr1のベースに印加してTr1に電流Iを流す
回路となっている。この回路において、IC4の上面に
放熱体12を装着した状態としない状態とでIC4内の
温度を測定し、放熱体12の冷却効果を評価した。IC
4内の温度を測定するには、以下のようにする。すなわ
ち、Tr1の入力電圧V1 を調節して、Tr1の消費電力が
一定(例えば0.3W)になるように保つ。このとき
に、Tr2の出力電圧を測定することにより、IC4の内
部温度を推定している。Tr2はベースとコレクタとが短
絡され、ベースに正電圧が印加されていることから、出
力電圧VT は0V付近の所定電圧になるが、VT はIC
4の内部温度に応じて変化する。この出力電圧VT と温
度の関係を予め求めておき、IC4の内部温度を測定す
る。
材料として次のようなものを用い放熱体12A,12B
を構成した。 放熱体12A T層:熱加硫シリコーンにAl2O3を80wt%混合した
もの V層:液状シリコーンに気相成長炭素繊維を40wt%混
合したもの 放熱体12B T層:Bergquist社製 シリコーンとAl2O3の化合物 V層:熱加硫シリコーンと気相成長炭素繊維の化合物 上記放熱体12Aについて各層の厚さを替えて3種類の
放熱体を構成し、温度測定を行なった結果が[表1]で
ある。
えて4種類の放熱体を構成し、温度測定を行なった結果
が[表2]である。
ある。横軸が放熱体の総厚さ、縦軸が装着したときに対
する装着したときの温度変化割合を表したものである。
なお、比較のために、ヒートシンク44と同じ材料であ
るAl板についても同様の測定を行なった。
と同じ材料であるAlと比べても同じ厚さで温度低下性
能が高く、放熱体12Bは更に高い。従って、ヒートシ
ンクに替えて図1のように放熱体12B(あるいは放熱
体12A)を用いれば、更に薄い構成にて同様の冷却性
能を発揮できるペルチェ素子となる。
と、ペルチェ素子2にて熱量の移動を行なうに先だち、
放熱体12B(あるいは放熱体12A)にて、IC4か
ら熱量を奪いつつ熱量の一部を、主にV層から電磁波に
して放出する。そしてペルチェ素子2に通電すると、放
熱体12B(あるいは放熱体12A)にて放出し切れな
かった残りの熱量を、導体6aへと移動させ周囲に放出
する。従い図1(b)のように導体6a側のセラミック
プレート10にヒートシンク等が装着されていなくて
も、IC4から発生される熱の一部は、放熱体12B
(あるいは放熱体12A)によって放出されているの
で、温度上昇は抑えられ、冷却性能を発揮できる。
っても、ヒートシンクのような厚みのある構成ではな
く、放熱体12という薄い構成によってペルチェ素子2
の冷却効果を補助することができるので、小型電子機器
に用いられる電子部品の冷却に好適である。
2について説明してきたが、本発明はこれらの実施例に
何等限定されるものではなく様々な態様で実施し得る。
例えば、図1(a)に示した態様と、図1(b)に示し
た態様とを組み合せたようにしてもよい。すなわち、ペ
ルチェ素子2の上下に配置されたセラミックプレート1
0の双方に放熱体12を設けてもよい。
ペルチェ素子2に直接接する層(図1(a)ではT層1
4a、図1(b)ではT層14b)を熱伝導性に加え、
絶縁性を持った材料とし、セラミックプレート10の役
割を兼ねさせてもよい。こうすると、セラミックプレー
ト10を廃止でき、更にコンパクトなペルチェ素子とす
ることができる。
夫々2枚、1枚用意し放熱体12を構成したが、本発明
のT層とは異なる熱放射性材料からなる層(T’層とす
る)を作成し、例えばT−V−T’の順に積層して放熱
体12を構成してもよい。また更に、上記とは積層の仕
方を逆にして、V−T−Vの順に積層された放熱体をペ
ルチェ素子2に設けてもよい。この場合、熱放射性材料
の層についてもV層とは異なる熱伝導性材料からなる層
(V’層とする)を作成し、例えばV−T−V’の順に
積層して放熱体12を構成してもよい。
積層させることにより放熱体12を構成したが、2枚積
層したり4枚以上積層したりしてもよい。例えば、V−
T−V−T,T−V−T−V,V−T−V’−T,V−
T−V−T’−Vといった順に積層して構成するのも可
能である。このように多層重ねた構成にすると、IC4
チップ等から発生した熱を各T層が分担して電磁波に変
換して放射し、各T層間の熱伝導をV層が速やかに行な
うので、放熱体12の中に熱がこもることがなく、より
冷却効果の高いものとでき、ペルチェ素子2の冷却性能
を十分に発揮できる。また、各層が夫々薄いフィルム状
にされていることから、このように多数積層しても、電
子機器の小型化を阻害しない。
占める割合は80wt%であったが、40〜85wt%の間
で選ぶことができる。同様にV層の材質についても気相
成長炭素繊維の占める割合は40wt%であったが、20
〜60wt%の範囲で選ぶことができる。
子を示す説明図である。
冷却性能を示すグラフである。
た回路の構成図である。
を示す説明図である。
a,6b…導体 8…半導体 10…セラミックプレート
12…放熱体 14a,14b…T層(熱伝導性材料からなるシート) 16…V層(熱放射性材料からなるシート)
Claims (3)
- 【請求項1】 吸熱部と放熱部とを有し、直流電圧が印
加されると、ペルチェ効果により上記吸熱部周辺の熱量
を上記放熱部へと移動させ、上記吸熱部周辺を冷却する
ペルチェ素子において、 上記放熱部に、 熱放射率の大きい熱放射性材料からなるシートと、熱伝
導率の大きい熱伝導性材料からなるシートと、を積層し
てなる放熱体を設けたことを特徴とすることを特徴とす
るペルチェ素子。 - 【請求項2】 吸熱部と放熱部とを有し、直流電圧が印
加されると、ペルチェ効果により上記吸熱部周辺の熱量
を上記放熱部へと移動させ、上記吸熱部周辺を冷却する
ペルチェ素子において、 上記吸熱部に、 熱放射率の大きい熱放射性材料からなるシートと、熱伝
導率の大きい熱伝導性材料からなるシートと、を積層し
てなる放熱体を設けたことを特徴とすることを特徴とす
るペルチェ素子。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のペルチェ
素子において、 上記放熱体が、 上記熱放射性材料からなるシートと、上記熱伝導性材料
からなるシートと、を交互に積層してなることを特徴と
するペルチェ素子。
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- 1996-05-07 JP JP11257396A patent/JP3560414B2/ja not_active Expired - Fee Related
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