JP2006291968A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シール部材をラップ部の凹溝内に装着し易くし、シール部材の装着作業の効率を向上させる。
【解決手段】 スクロールのラップ部に形成された凹溝に装着するシール部材31の内周面31Bに、長さ方向に多数の切込み溝32を形成し、各切込み溝32の離間間隔がシール部材31の径方向内側に位置する内径側で小さく、径方向外側に位置する外径側で大きく形成する。この結果、シール部材31の内径側が曲がり易くなる。これにより、曲率の大きなラップ部の渦巻形状に沿うようにシール部材31を容易に湾曲させることができ、シール部材31をラップ部の凹溝に容易に装着することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば空気圧縮機、冷媒圧縮機または真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
一般に、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、該固定スクロールに対向して設けられ、鏡板の歯底面に該固定スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を画成するように渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとを備え、該旋回スクロールまたは固定スクロールのラップ部に該ラップ部の歯先に沿って延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシール部材を装着したスクロール式流体機械は知られている。
そして、渦巻状をなす前記シール部材の内周面に多数の切込み溝を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来技術によるシール部材では、圧縮運転時等において、圧縮流体の圧力が該シール部材の内周面に作用すると、該シール部材の各切込み溝が拡開し、該各切込み溝の自由端側が凹溝の内側面に押し付けられてシール性を発揮するという作用効果を奏する。
実開平2−147888号公報
ところで、上述した従来技術によるシール部材は、スクロールの中心側、即ち、径方向内側に位置する内径側から、スクロールの周辺側、即ち、径方向外側に位置する外径側にかけて、各切込み溝の深さが均一であるため、下記のような問題が生じる。
シール部材は通常、金型等を用いて単に円形に湾曲した状態に成形するか、または紐状に成形する。従って、シール部材をラップ部の凹溝に装着する前の段階では、該シール部材はラップ部の渦巻形状と異なり、緩やかに湾曲した形状、または直線状である。そして、スクロール式流体機械を製造する際に、該シール部材に外力を加え、該シール部材をラップ部の渦巻形状に沿うように弾性的に湾曲させて該ラップ部の凹溝内に装着する。
この場合、スクロールの中心側、即ち、ラップ部の内径側では該ラップ部の曲率が大きいため、シール部材を該ラップ部の凹溝内に装着するには、該シール部材の内径側を前記ラップ部の渦巻形状に沿うように、大きく湾曲させなければならない。
しかし、従来技術によるシール部材では、内径側から外径側にかけて各切込み溝の切込み深さが均一であるため、該シール部材の内径側において各切込み溝の切込み深さが十分でない。この結果、シール部材が曲がりにくく、該シール部材の内径側を、曲率の大きなラップ部の内径側に装着するのが難しくなるという問題がある。
さらに、シール部材の内径側をラップ部の内径側に沿うように大きく湾曲させると、シール部材の内径側の断面が台形状に変形する。即ち、シール部材を大きく湾曲させると、シール部材の外周側湾曲面が引っ張り変形し、シール部材の内周側湾曲面が圧縮変形する。これにより、シール部材の内径側の断面形状が台形状に変形する。この結果、シール部材の内径側をラップ部の内径側に装着するのが難しいだけでなく、シール部材の内径部が出っ張り、相手方の歯底面との摺接によって過度のスラスト力を生じたり、シール部材が馴染むまでの間、流体漏れを生じ、圧縮性能等が低下するという問題がある。
なお、シール部材の各切込み溝を内径側から外径側にかけて全体的に均一に深くすることも考えられる。しかし、この場合には、比較的曲率の小さいラップ部外径側の渦巻形状に沿うように、シール部材の外径側を緩やかに湾曲させることが難しくなる。このため、シール部材の各切込み溝を内径側から外径側にかけて全体的に均一に深くすると、シール部材の外径側で摩擦抵抗が大きくなり、圧縮運転時等における圧縮流体の圧力が比較的小さいスクロールの周辺側で、シール部材の浮上性が低下するという欠点がある。
また、上述した従来技術によるシール部材は、その内径側から外径側にかけて、各切込み溝の離間間隔が均一である。即ち、シール部材の長さ方向に均一の離間間隔で各切込み溝が形成されている。このことによっても、上述した問題が生じる。
即ち、従来技術のシール部材では、各切込み溝の離間間隔が大きいため、その内径側を大きく曲げるのが難しい。この結果、ラップ部内径側の比較的曲率の大きい渦巻形状に沿うようにシール部材の内径側を湾曲させるのが難しく、シール部材をラップ部の凹溝に装着するのが難しいという問題がある。
なお、シール部材の各切込み溝の離間間隔を内径側から外径側にかけて全体的に均一に小さくすることも考えられる。しかし、この場合も上述したように、シール部材の外径側を緩やかに湾曲させることが難しく、シール部材の外径側で摩擦抵抗が大きくなり、スクロールの周辺側でシール部材の浮上性が低下するという欠点がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたものであり、本発明は、シール部材をラップ部に装着し易くでき、シール部材の装着を容易に行うことができるようにしたスクロール式流体機械を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設された2つのスクロールを対向して設け、該2つのスクロールのラップ部の間で複数の圧縮室を画成し、前記2つのスクロールのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシール部材を装着してなる構成を採用している。
そして、請求項1に係る発明は、シール部材には、凹溝の内側面と対向する内周面に該シール部材の長さ方向に離間して斜めに切込んだ多数の切込み溝を設けて、前記凹溝の内側面との間をシールするリップ部を形成し、前記各切込み溝の離間間隔を径方向内側に位置する内径側で小さくし、径方向外側に位置する外径側で大きくしたことにある。
上記構成により、シール部材の内径側が、外径側に比較して曲がり易くなるため、シール部材の内径側を曲率の大きいラップ部の内径側に容易に装着できるようになる。一方、シール部材の外径側では、シール部材が緩やかに湾曲し摩擦抵抗が低くなるため、シール部材の浮上性を十分に確保することができる。
請求項1に係る発明によれば、2つのスクロールのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部に形成された凹溝内に装着したシール部材には、前記凹溝の内側面と対向する内周面に該シール部材の長さ方向に離間して斜めに切込んだ多数の切込み溝を設けて、前記凹溝の内側面との間をシールするリップ部を形成し、前記各切込み溝の離間間隔を径方向内側に位置する内径側で小さくし、径方向外側に位置する外径側で大きくする構成としたから、シール部材を凹溝に装着し易くすることができ、シール部材の装着作業の効率を高めることができると共に、シール部材の装着不良をなくすことができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って詳述する。
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施例によるスクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げて示している。
図において、1は当該スクロール式空気圧縮機のケーシングの一部となる固定スクロールを示し、該固定スクロール1は、大略有蓋筒状に形成されたケーシング本体(図示せず)の開口端側を施蓋するように、この開口端側に固着されている。そして、該固定スクロール1は、その中心が後述する駆動軸14の軸線O1−O1と一致するように配設された円板状の鏡板2と、該鏡板2の歯底面2Aに立設された渦巻状のラップ部3と、前記鏡板2の周辺側に位置し、該ラップ部3を囲むように筒状に形成された支持部4とから大略構成されている。
また、該固定スクロール1のラップ部3は、図2に示す如く、中心側が巻始め端となり周辺側が巻終り端となって、例えば3巻半程度の渦巻状に形成されている。そして、該ラップ部3の歯先3Aは、図3に示すように、後述する旋回スクロール9の歯底面10Aから微小なクリアランスCをもって離間している。
5はラップ部3の歯先3A側に形成された凹溝を示し、該凹溝5は図3に示す如く、ラップ部3の幅方向中間部に位置して横断面が略コ字状をなすように形成され、その底面5Aおよび左,右の側面5B,5Cはラップ部3の渦巻き形状に沿ってその巻始め端から巻終り端まで延びている。そして、該凹溝5内には後述するシール部材6が装着され、相手方となる旋回スクロール9の歯底面10Aとの間をシールするようになっている。
6はラップ部3の凹溝5内に装着されたシール部材を示し、該シール部材6は耐摩耗性や摺動性に優れた弾性樹脂材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)またはポリスルフォン(PSF)等を用いて、横断面が四角形状をなす長尺のチップシールとして形成され、凹溝5の長手方向に沿って渦巻状に伸長している。
また、該シール部材6は図3ないし図5に示す如く、圧縮運転時の圧縮空気によって該シール部材6が浮上したときに相手方の歯底面10Aに摺接する上面6Aと、渦巻状をなすシール部材6の径方向内側に位置する内周面6Bと、該シール部材6の径方向外側に位置する外周面6Cと、シール部材6の内径側に位置する内径側端面6Dと、シール部材6の外径側に位置する外径側端面6Eと、凹溝5の底面5A上に載置され圧縮運転時の圧縮空気を受圧する下面6Fとから構成されている。
そして、該シール部材6は、内周面6B,外周面6Cが凹溝5内に僅かな隙間をもって挿入されているため、圧縮運転時に、シール部材6の内周面6B側が外周面6C側に比して高圧になると、シール部材6の外周面6Cが凹溝5の側面5Cに密接し、後述の各切込み溝7が圧縮空気の圧力によって拡開し、各リップ部8が凹溝5の側面5Bをシールすると共に、該シール部材6が凹溝5の底面5A上から相手方となる旋回スクロール9の歯底面10Aに向けて浮上する。
ここで、該シール部材6は金型等を用いて単に円形に湾曲した状態、または紐状に成形し、当該スクロール式空気圧縮機を製造する際に、図2の如く、該シール部材6をラップ部3の渦巻形状に沿うように弾性的に湾曲させて、該ラップ部3の凹溝5内に装着する。
7,7,…はシール部材6の長手方向にそれぞれ間隔をもって形成された切込み溝を示し、該各切込み溝7は、図4に示すように、シール部材6の内周面6Bを斜めに切込むことにより形成されている。そして、圧縮運転時には、図4中の二点鎖線に示すように、凹溝5内を矢示B方向に流れる圧縮空気によって該各切込み溝7が拡開し、内周面6Bのうち各切込み溝7が形成された部分がひれ状のリップ部8,8,…となって凹溝5の側面5Bに押し付けられる。
また、該各切込み溝7は、図5に示すように、その離間間隔がシール部材6の径方向内側に位置する内径側で小さく、径方向外側に位置する外径側で大きく形成されている。即ち、シール部材6の内径側には、各切込み溝7が、該シール部材6の外径側と比較して狭い間隔で形成され、シール部材6の外径側には、各切込み溝7が、該シール部材6の内径側と比較して広い間隔で形成されている。そして、該各切込み溝7の離間間隔は、シール部材6の外径側から内径側にいくに従って、徐々に、かつ連続的に狭くなるように形成されている。これにより、シール部材6の内径側は、外径側より曲がり易くなる。
ここで、ラップ部3は、固定スクロール1の中心側で曲率が大きく、固定スクロール1の周辺側で曲率が比較的小さい渦巻状である。このため、シール部材6を該ラップ部3の凹溝5内に装着するとき、シール部材6の内径側を、外径側よりも大きく湾曲させる必要がある。このとき、前述したように、シール部材6の内径側は、外径側より曲がり易いから、シール部材6の内径側をラップ部3の曲率の大きな渦巻形状に沿うように容易に湾曲させることができ、シール部材6を凹溝5内に装着し易くすることができる。
9は固定スクロール1に対向して前記ケーシング本体内に旋回可能に設けられる旋回スクロールを示し、該旋回スクロール9は、表面側が歯底面10Aとなって円板状に形成された鏡板10と、該鏡板10の歯底面10Aから固定スクロール1の鏡板2に向けて立設され、該固定スクロール1のラップ部3と同様に渦巻状に形成されたラップ部11と、鏡板10の背面側中央に設けられたボス部12とから構成され、該ボス部12は、後述する駆動軸14のクランク14Aに回転可能に取付けられている。
ここで、該旋回スクロール9のラップ部11についても、固定スクロール1のラップ部3と同様に例えば3巻半程度の渦巻状に形成され、その歯先11A側には、底面13Aおよび左,右の側面13B,13Cから横断面コ字形状をなす凹溝13が形成されている。
また、該ラップ部11の凹溝13内には、前記固定スクロール1側と同様に、多数の切込み溝7,7,…が形成されたシール部材6が装着されている。
14は前記ケーシング本体に回転自在に設けられる駆動軸を示し、該駆動軸14は先端側がケーシング本体内に延びるクランク14Aとなり、該クランク14Aはその軸線O2 −O2 が駆動軸14の軸線O1 −O1 に対して所定寸法δだけ偏心している。そして、該駆動軸14のクランク14Aには旋回スクロール9のボス部12が旋回軸受15を介して旋回可能に取付けられ、旋回スクロール9には自転防止機構(図示せず)等を介して旋回運動が与えられる。
ここで、旋回スクロール9のラップ部11は固定スクロール1のラップ部3に対して周方向に所定角度だけずらして重ね合わせるように配設され、図2に示すように、ラップ部3,11間には三日月形状の複数の圧縮室16,16,…が画成される。そして、旋回スクロール9を固定スクロール1に対して旋回させたときに、該各圧縮室16はその容積が連続的に縮小され、後述する吸込ポート17から吸込んだ空気を圧縮するようになっている。
17,18は固定スクロール1に形成された吸込ポート,吐出ポートを示し、該吸込ポート17は最も周辺側に位置する圧縮室16と連通するように鏡板2の周辺側に穿設され、吐出ポート18は、最も中心側に位置する圧縮室16と連通するように鏡板2の中心部に穿設されている。
本実施例によるスクロール式空気圧縮機は上述のような構成を有するもので、次にこの動作を説明する。
まず、ケーシングの外部からモータ等の駆動源(図示せず)によって駆動軸14を回転駆動すると、この回転は該駆動軸14のクランク14Aから旋回軸受15を介して旋回スクロール9に伝えられ、該旋回スクロール9は駆動軸14の軸線O1 −O1 を中心にして寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行う。
そして、この旋回運動によって各ラップ部3,11の間に画成される圧縮室16,16,…は中央側に向けて連続的に縮小し、吸込ポート17から吸込んだ空気を順次圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポート18から外部のエアタンク(図示せず)等に向けて吐出する。
ここで、圧縮運転が開始されると、ラップ部3(11)の凹溝5(13)内には図3に示す矢示A方向に高圧側の圧縮室16から圧縮空気の一部が侵入し、シール部材6は受圧面となる下面6Fでこの圧縮空気の圧力を受圧することにより、凹溝5(13)の底面5A(13A)から浮上し、対向する鏡板10(2)の歯底面10A(2A)に向けて押圧される。これにより、該シール部材6は上面6Aが相手方の歯底面10A(2A)に摺接し、ラップ部3(11)間に画成される各圧縮室16を気密にシールする。
また、図3中の矢示A方向に凹溝5(13)内に侵入した圧縮空気は、該凹溝5(13)の渦巻形状に沿って、高圧の中心側から低圧の周辺側に向けて図2中の矢示B方向に流れようとする。このとき、シール部材6の各切込み溝7が図2または図4中の二点鎖線に示すように拡開し、各リップ部8が凹溝5(13)の側面5B(13B)に押し付けられる。これにより、圧縮空気が凹溝5(13)の側面5B(13B)とシール部材6との間を流通して、中心側の圧縮室16から周辺側の圧縮室16へと漏洩するのを防止できる。
ところで、当該スクロール式空気圧縮機の製造時において、シール部材6を固定スクロール1側のラップ部3に装着する際には、該シール部材6をラップ部3の渦巻形状に沿うように湾曲させる。特に、該ラップ部3の曲率は固定スクロール1の中心側ほど大きく、該ラップ部3の内径側の曲率は外径側と比較して大きいため、シール部材6の内径側は外径側に比較して大きく湾曲させる必要がある。
然るに、本実施例によるシール部材6は、その内周面6Bに形成した各切込み溝7の離間間隔を、該シール部材6の内径側で小さくし、外径側で大きくした。このため、シール部材6に外力を加え、該シール部材6を湾曲させると、各切込み溝7が形成された部分が互いにずれるので、シール部材6は曲がり易い。特に、シール部材6の内径側では、各切込み溝7の離間間隔小さいため、シール部材6の内径側は、外径側よりも曲がり易い。
これにより、該シール部材6の内径側をラップ部3内径側の曲率の大きな渦巻形状に沿うように容易に湾曲させることができる。
一方、シール部材6の外径側では、ラップ部3の曲率が小さいため、シール部材6を該ラップ部3に装着する際に、シール部材6を緩やかに湾曲させる程度でよい。そこで、シール部材6の外径側では、各切込み溝7の離間間隔を内径側よりも大きくすることにより、シール部材6の外径側を緩やかに湾曲させるようにしている。これにより、シール部材6の摩擦抵抗を小さくすることができ、圧縮運転時における圧縮空気の圧力が比較的小さいスクロールの周辺側でもシール部材6の浮上性を確保することができる。
またさらに、本実施例によるシール部材6は、内径側に形成された各切込み溝7の離間間隔を、外径側よりも小さくしたことにより、下記の作用効果を奏する。
即ち、従来技術によるシール部材では、シール部材をラップ部内径側の大きな曲率を有する渦巻形状に沿うように大きく湾曲させると、シール部材の外周面側が弾性的に引っ張り変形すると共に、シール部材の内周面側が弾性的に圧縮変形する。このため、シール部材の断面形状が台形状となる。この結果、従来技術では、シール部材の外周面側で高さ寸法(上面−下面間の寸法)が大きくなり、シール部材の上面が相手方の歯底面に片当りし、シール性が悪いという問題があった。また、従来技術では、上述したようにシール部材の上面が相手方の歯底面に片当りする場合があるため、シール部材が馴染んで、シール部材の上面が相手方の歯底面に全面摺接するまで、馴染み運転を長時間行わなければならないという問題があった。
ところが、本実施例によるシール部材6は、かかる問題を解消することができる。即ち、本実施例によるシール部材6の各切込み溝7の離間間隔が内径側で小さいため、シール部材6をラップ部3の渦巻形状に沿うように湾曲させると、各切込み溝7の形成された部分が互いにずれるようになる。これにより、シール部材6の断面形状が台形状に変形することがない。
従って、本実施例によるシール部材6では、シール部材6の上面6Aが相手方の歯底面10Aに片当りするのを防止でき、圧縮運転時におけるシール性を向上させることができる。特に、該シール部材6の装着当初から、シール部材6の上面6Aが相手方の歯底面10Aに全面摺接させてシール性を発揮させることができ、馴染み運転を大幅に短縮することができる。
なお、旋回スクロール9のラップ部11に装着するシール部材6についても同様である。
かくして、本実施例によれば、シール部材6の内周面6Bに形成した各切込み溝7の離間間隔を、該シール部材6の内径側で小さくし、外径側で大きくする構成としたから、シール部材6の内径側を、外径側よりも曲がり易くすることができる。
従って、シール部材6をラップ部3(11)に装着するに際して、装着作業の容易化、迅速化を図ることができ、装着作業の効率を向上させることができる。これにより、スクロール式空気圧縮機の生産性をよくし、歩留をよくすることができる。
また、シール部材6をラップ部3(11)に装着するために大きく湾曲させても、該シール部材6の断面形状が台形状に変形するのを防止できる。これにより、装着当からシール部材6のシール性を十分に発揮させることができると共に、馴染み運転を短縮することが可能となる。
さらに、シール部材6の製造において、シール部材6に切込み溝7を形成するときは、カッタの歯先の形状を変えることなく、離間間隔を変えるだけでよく、各切込み溝7の加工を容易にかつ安価に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施例によるスクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げて説明するに、本実施例の特徴は、シール部材の内周面に設けた各切込み溝の離間間隔を、シール部材の内径側で小さくすると共に外径側で大きくし、かつ、各切込み溝の離間間隔をシール部材の内径側と外径側とで2段階に設定したことにある。
ここで、図6は本実施例によるスクロール式空気圧縮機において、スクロールのラップ部に設けられた凹溝に装着されるシール部材を長さ方向に展開した状態で示したものである。
図において、21は本実施例によるシール部材を示し、該シール部材21は、前述した第1の実施例で述べたシール部材6とほぼ同様に、耐摩耗性や摺動性に優れた弾性樹脂材料により横断面が四角形状をなす長尺のチップシールとして形成され、上面21A、内周面21B、外周面21C、内径側端面21D、外径側端面21E、下面とから構成されている。そして、該シール部材21の内周面21Bには多数の切込み溝22,22,…が形成され、圧縮運転時には、圧縮空気によって該各切込み溝22が拡開し、内周面21Bのうち各切込み溝22が形成された部分がリップ部23,23,…となり凹溝の内側面に押し付けられる。
また、該シール部材21に設けられた各切込み溝22の離間間隔は、シール部材21の内径側で小さくなり、シール部材21の外径側で大きくなり、かつ、切込み溝22の離間間隔がシール部材21の内径側と外径側とで2段階に設定されている。
このように構成される本実施例によるスクロール式空気圧縮機においても前述した第1の実施例と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施例では、シール部材21に設けられた各切込み溝22の離間間隔を、シール部材21の内径側と外径側とで2段階に設定したが、これに限るものでなく、各切込み溝22の離間間隔がシール部材21の外径側から内径側に行くに従って多段階的に小さくなるように設定してもよく、また、スクロール式空気圧縮機の要求性能に合わせて各切込み溝22の離間間隔を適宜に変化させるように設定してもよい。
次に、本発明に関連する参考例によるスクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げて説明するに、本参考例の特徴は、シール部材の内周面に設けた各切込み溝の切込み深さを径方向内側に位置する内径側で大きくし、径方向外側に位置する外径側で小さくしたことにある。
ここで、図7は本参考例によるスクロール式空気圧縮機において、スクロールのラップ部に設けられた凹溝に装着されるシール部材を長さ方向に展開した状態で示したものである。
図において、31は本参考例によるシール部材を示し、該シール部材31は、前述した第1の実施例で述べたシール部材6とほぼ同様に、耐摩耗性や摺動性に優れた弾性樹脂材料により横断面が四角形状をなす長尺のチップシールとして形成され、上面31A、内周面31B、外周面31C、内径側端面31D、外径側端面31E、下面とから構成されている。
また、該シール部材31の内周面31Bには多数の切込み溝32,32,…が形成されている。そして、圧縮運転時には、圧縮空気によって該各切込み溝32が拡開し、内周面31Bのうち各切込み溝32が形成された部分がひれ状のリップ部33,33,…となって凹溝の内側面に押し付けられる。
また、該各切込み溝32は、その切込み深さがシール部材31の径方向内側に位置する内径側で大きく、径方向外側に位置する外径側で小さく形成されている。そして、該各切込み溝32の切込み深さは、シール部材31の外径側から内径側にいくに従って、徐々に、かつ連続的に大きくなるように形成されている。これにより、シール部材31の内径側は、外径側より曲がり易くなる。
参考例によるスクロール式空気圧縮機は上述したような構成を有するもので、その基本的な作用効果は前述した第1の実施例と格別差異はない。
即ち、シール部材31の内周面31Bに形成した各切込み溝32の切込み深さを、該シール部材31の内径側で大きくし、外径側で小さくする構成としたから、シール部材31の内径側を外径側よりも曲がり易くすることでき、シール部材31をラップ部の凹溝に装着し易くすることができる。
一方、シール部材31の外径側ではシール部材31を緩やかに湾曲させることができるから、シール部材31の摩擦抵抗を小さくでき、圧縮運転時において比較的圧力の低いスクロール周辺側でもシール部材31の浮上性を確保できる。
また、シール部材31の内径側には、各切込み溝32の切込み深さが大きく形成されているから、シール部材31をラップ部の凹溝内に装着するために大きく湾曲させたとき、各切込み溝32の形成された部分が互いにずれるため、シール部材31の上面31Aが盛り上がることはない。従って、装着当から該シール部材31のシール性を十分に発揮させることができると共に、馴染み運転を短縮することが可能となる。
さらに、シール部材31の製造において、シール部材31に切込み溝32を形成するときは、カッタの歯先の形状を変えることなく、切込みを入れる間隔だけを変えるだけでよく、各切込み溝32の加工を容易にかつ安価に行うことができる。
次に、本発明の第参考例によるスクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げて説明するに、本参考例の特徴は、シール部材の内周面に設けた各切込み溝の切込み深さを、シール部材の内径側で大きくすると共に外径側で小さくし、かつ、各切込み溝の切込み深さ寸法をシール部材の内径側と外径側とで2段階に設定したことにある。
ここで、図8は本参考例によるスクロール式空気圧縮機において、スクロールのラップ部に設けられた凹溝に装着されるシール部材を長さ方向に展開した状態で示したものである。
図において、41は本参考例によるシール部材を示し、該シール部材41は、前述した第参考例で述べたシール部材31とほぼ同様に、耐摩耗性や摺動性に優れた弾性樹脂材料により横断面が四角形状をなす長尺のチップシールとして形成され、上面41A、内周面41B、外周面41C、内径側端面41D、外径側端面41E、下面とから構成されている。そして、該シール部材41の内周面41Bには多数の切込み溝42,42,…が形成され、圧縮運転時には、圧縮空気によって該各切込み溝42が拡開し、内周面41Bのうち各切込み溝42が形成された部分がリップ部43,43,…となって凹溝の内側面に押し付けられる。
また、該シール部材41に設けられた各切込み溝42の切込み深さは、シール部材41の内径側で大きくなり、シール部材41の外径側で小さくなり、かつ、各切込み溝42の切込み深さ寸法がシール部材41の内径側と外径側とで2段階に設定されている。
このように構成される本参考例によるスクロール式空気圧縮機においても前述した第参考例と同様の作用効果を奏する。
なお、本参考例では、シール部材41に設けられた各切込み溝42の切込み深さを、シール部材41の内径側と外径側とで2段階に設定したが、これに限るものでなく、各切込み溝42の切込み深さがシール部材41の外径側から内径側に行くに従って多段階的に大きくなるように設定してもよく、また、スクロール式空気圧縮機の要求性能に合わせて各切込み溝42の切込み深さを適宜に変化させるように設定してもよい。
また、前記第1の実施例または第2の実施例で述べたように、シール部材の各切込み溝の離間間隔を径方向内側に位置する内径側で小さくし、径方向外側に位置する外径側で大きくする構成と、第参考例または第参考例で述べたように、シール部材の各切込み溝の切込み深さを径方向内側に位置する内径側で大きくし、径方向外側に位置する外径側で小さくする構成とを組合わせてもよい。
即ち、シール部材の内径側では、各切込み溝の切込み深さを大きくすると共に、各切込み溝の離間間隔を小さくし、外径側では、各切込み溝の切込み深さを小さくすると共に、各切込み溝の離間間隔を大きくする構成としてもよい。
さらに、前記各実施例では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、例えば真空ポンプ,冷媒圧縮機等にも広く適用することができる。
本発明の第1の実施例によるスクロール式空気圧縮機の固定スクロール,旋回スクロールおよびシール部材等を示す縦断面図である。 図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。 図2中の矢示III−III方向拡大断面図である。 図1中のシール部材の内径側を示す斜視図である。 図1中のシール部材を長さ方向に展開した状態で示す平面図である。 本発明の第2の実施例によるシール部材を長さ方向に展開した状態で示す平面図である。 本発明に関連する参考例によるシール部材を長さ方向に展開した状態で示す平面図である。 本発明に関連する参考例によるシール部材を長さ方向に展開した状態で示す平面図である。
符号の説明
1 固定スクロール
2,10 鏡板
2A,10A 歯底面
3,11 ラップ部
3A,11A 歯先
5,13 凹溝
5A,13A 底面
5B,13B 側面
6,21,31,41 シール部材
6B,21B,31B,41B 内周面
7,22,32,42 切込み溝
8,23,33,43 リップ部
9 旋回スクロール
16 圧縮室

Claims (1)

  1. 鏡板の歯底面に渦巻状のラップ部が立設された2つのスクロールを対向して設け、該2つのスクロールのラップ部の間で複数の圧縮室を画成し、前記2つのスクロールのラップ部のうち少なくとも一方のラップ部には、該ラップ部の歯先に沿って延びる凹溝を形成し、該凹溝内には相手方の歯底面に摺接するシール部材を装着してなるスクロール式流体機械において、
    前記シール部材には、前記凹溝の内側面と対向する内周面に該シール部材の長さ方向に離間して斜めに切込んだ多数の切込み溝を設けて、前記凹溝の内側面との間をシールするリップ部を形成し、前記各切込み溝の離間間隔を径方向内側に位置する内径側で小さくし、径方向外側に位置する外径側で大きくしたことを特徴とするスクロール式流体機械。
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