JP2006290190A - 作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 静油圧式無段変速装置の油補給が安価に行なえるようにする。
【解決手段】 ミッションケース10の潤滑油が油圧ポンプ43によって操向バルブ50に作動油として供給され、操向バルブ50によって操向クラッチ30を操作するように油圧回路40を構成してある。静油圧式無段変速装置20のケース23を油圧回路40の排油路52に連通させてあり、排油路52からケース23の内部に油供給される。静油圧式無段変速装置20にチャージ油路29を設けてある。チャージ油路29は、静油圧式圧無段変速装置20の駆動によって発生する吸引作用により、ケース23の内部油を吸引して駆動回路20a,20bに供給する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ミッションケースに支持された静油圧式無段変速装置を備えた作業車に関する。
上記作業車において、ミッションケースに貯留された潤滑油を静油圧式無段変速装置に作動油として補給されるようにチャージ油路を構成すると、無段変速装置用の特別な油タンクを省略することができる。また、無段変速装置からのドレン油がミッションケースに戻され、ミッションケースが熱交換手段になって油の冷却が効果的に行なわれる。
この種の作業車としては、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあり、この特許文献1に示されるものにあっては、ミッションケース8に設けた吸い込み油路53を無段変速装置9の前進油路32及び後進油路33に逆止弁45,46を介して接続しているチャージ用の油路43、このチャージ油路43に介装されたチャージ用油圧ポンプ44を備えられている。
特開2004−132467号公報(段落〔0045〕、〔0047〕、図2,3,4,7)
従来の作業車にあっては、専用のチャージポンプを備える必要があり、コスト面で不利になっていた。
本発明の目的は、ミッションケースをタンクや冷却器として静油圧式無段変速装置のための油の貯留や冷却をすることができながら安価に得ることができる作業車を提供することにある。
本第1発明にあっては、ミッションケースに支持された静油圧式無段変速装置を備えた作業車において、
前記静油圧式無段変速装置に、この静油圧式無段変速装置のケース内に供給された油を静油圧式無段変速装置の駆動回路に吸引させるチャージ油路を設け、
前記ミッションケースに貯留された潤滑油を作動油にして、前記静油圧式無段変速装置以外の油圧アクチュエータを駆動する油圧回路から前記静油圧式無段変速装置のケース内に給油されるように、前記静油圧式無段変速装置の前記ケースを前記油圧回路に連通させてある。
すなわち、油圧アクチュエータを駆動する油圧回路から静油圧式無段変速装置のケース内に給油され、ケース内に供給された油が無段変速装置のチャージ油路によって駆動回路に吸引されるものであるから、無段変速装置に補給される油がミッションケースに貯留されるとともにミッションケースが冷却器となって冷却されるようにすることができ、油圧アクチュエータを駆動するように油圧回路に備えられる油圧ポンプをチャージポンプとして無段変速装置に油補給することができる。
従って、本第1発明によれば、ミッションケースが無段変速装置のためのタンクや冷却器になって構造面で有利に得ることができるとともに無段変速装置の油を効果的に冷却することができながら、専用のチャージポンプを省略してこの面からも安価に得ることができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記油圧アクチュエータが、操向クラッチを操向クラッチの入り復帰力に抗して切り状態に切り換え操作する油圧アクチュエータであり、
前記油圧回路のうちの前記油圧アクチュエータの制御バルブからの排油を前記ミッションケースに戻す排油路を、前記制御バルブを前記静油圧式無段変速装置の前記ケースの油導入口に接続している上流側排油路と、前記ケースと、前記ケースの排油口を前記ミッションケースに接続している下流側排油路とによって構成してある。
すなわち、操向クラッチを入り状態に操作されると、油圧ポンプから制御バルブに供給された圧油が制御バルブから上流側排油路に流動し、この上流側排油路から無段変速装置のケース内を通って下流側排油路に流入してミッションケースに戻るものである。操向クラッチが切り状態に操作される頻度よりも入り状態に操作される頻度の方が高いことから、無段変速装置のケース内に油が十分に供給されやすくなる。
従って、本第2発明によれば、無段変速装置以外の油圧アクチュエータを駆動する油圧ポンプをチャージポンプに利用するものでありながら、排油路の構成によって無段変速装置のケース内に給油が十分に行なわれやすく、無段変速装置への油補給を不足なく行なわせることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって走行するように構成し、かつ、運転座席2を有した運転部などを備えた自走機体の機体フレーム3の前部に、刈取り前処理部4の前処理部フレーム4aの基部を機体横向きの軸芯まわりで回動自在に連結するとともに前記前処理部フレーム4aに昇降シリンダ5を連動させ、前記機体フレーム3の後側に脱穀装置6及び穀粒タンク7を設けて、コンバインを構成してある。
このコンバインは、稲、麦などを収穫するものであり、前記昇降シリンダ5を伸縮操作すると、この昇降シリンダ5が前処理部フレーム4aを機体フレーム3に対して上下に揺動操作することにより、刈取り前処理部4を引起し装置4bの下端部が地面上近くに位置した下降作業状態と、引起し装置4bが地面上から高く上昇して上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部4を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理部4は、機体横方向に並ぶ複数の前記引起し装置4bによって植立穀稈を刈取り処理するとともに各引起し装置4bからの植立穀稈の株元をバリカン形の刈取装置4cによって刈取り処理し、刈取装置4cからの刈取穀稈を搬送装置4dによって機体後方向きに搬送して脱穀装置6の脱穀フィードチェーン6aの始端部に供給する。脱穀装置6は、脱穀フィードチェーン6aによって刈取穀稈の株元側を挟持搬送しながら、刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク7は、脱穀装置6からの脱穀粒を回収して貯留していく。
自走機体の運転座席2の下方にエンジン8を設け、このエンジン8の駆動力を左右の走行装置1に伝達する伝動構造を図2,3に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン8の出力軸8aの駆動力が伝動ベルト9を介してミッションケース10の入力軸11に伝達されて、この入力軸11のミッションケース内に位置する部位に一体回転自在に装着された伝動ギヤ12、ミッションケース10の上部に支持された静油圧式無段変速装置20のポンプ軸21に一体回転自在に設けられた入力ギヤ13を介して前記ポンプ軸21に伝達され、前記静油圧式無段変速装置20のモータ軸22からの出力が副変速装置14を介してセンタギヤ15に伝達されて、このセンタギヤ15が一体回転自在に支持されている回転支軸16の一端側から左走行装置用の操向クラッチ30に、前記回転支軸16の他端側から右走行装置用の操向クラッチ30にそれぞれ伝達されるように構成してある。左走行装置用の操向クラッチ30の出力ギヤ31の駆動力が、左側の走行装置1のクローラ駆動軸1aに一体回転自在に装着された伝動ギヤ17を介して左側の走行装置1の前記クローラ駆動軸1aに伝達され、右走行装置用の操向クラッチ30の出力ギヤ31の駆動力が、右側の走行装置1のクローラ駆動軸1aに一体回転自在に装着された伝動ギヤ17を介して右側の走行装置1の前記クローラ駆動軸1aに伝達されるように構成してある。
図3に示すように、前記左走行装置用の操向クラッチ30、及び、前記右走行装置用の操向クラッチ30は、前記センタギヤ15の前記回転支軸16の端部に一体回転自在に装着された駆動側クラッチ体32、前記回転支軸16に相対回転及び摺動自在に支持された前記出力ギヤ31、駆動側クラッチ体32の周方向での複数箇所に設けたクラッチ爪32aと、このクラッチ爪32aに係脱するように構成して出力ギヤ31に設けたクラッチ爪31aとを備えて成るクラッチ本体、出力ギヤ31を駆動側クラッチ体32の方に摺動付勢するように出力ギヤ31の内部に設けた入り付勢ばね33、ミッションケース10のピストン室34に設けた油圧ピストン35を備えて構成してある。
すなわち、各操向クラッチ30は、ピストン室34に圧油が供給されると、油圧ピストン35がピストン室34から突出する側に摺動駆動されて出力ギヤ31を入り付勢ばね33に抗して摺動操作し、出力ギヤ31の前記クラッチ爪31aが駆動側クラッチ体32のクラッチ爪32aから外れて伝動ギヤ17に対する伝動を絶つように駆動側クラッチ体32と出力ギヤ31が相対回転する状態になり、走行装置1に対する伝動を絶つように切り状態になる。そして、ピストン室34から圧油が排出されると、各操向クラッチ30は、出力ギヤ31が入り付勢ばね33によって駆動側クラッチ体32の方に摺動操作されて出力ギヤ31のクラッチ爪31aが駆動側クラッチ体32のクラッチ爪32aに噛合い、回転支軸16と一体回転する駆動側クラッチ体32の駆動力を両クラッチ爪32a,31aを介して出力ギヤ31に伝達する状態になり、走行装置1に動力伝達するように入り状態になる。各操向クラッチ30は、ピストン室34から圧油が排出されると、入り付勢ばね33による復帰力によって入り状態に自ずと復帰する。
図3に示すように、左走行装置用の操向クラッチ30及び右走行装置用の操向クラッチ30の前記出力ギヤ31に摩擦ブレーキで成る操向ブレーキBを付設してある。
各操向クラッチ30に付設された前記操向ブレーキBは、前記油圧ピストン35が操向クラッチ30を切り状態に切り換え操作した位置からさらにクラッチ切り方向と同方向に摺動駆動されると、操向ブレーキBの摩擦プレートや制動プレートが油圧ピストン35によってミッションケース10に固定の受け止め部10aに圧接操作されて出力ギヤ31に制動作用することにより、走行装置1に摩擦ブレーキを掛けるように入り状態になり、操向クラッチ30が切り状態に操作された状態では、油圧ピストン35による摩擦プレートや制動プレートの前記受け止め部10aに対する圧接が解除されて出力ギヤ31に対する制動作用を解除することにより、走行装置1に対する制動作用を解除するように切り状態になる。
図2に示すように、前記静油圧式無段変速装置20は、前記ミッションケース10を鋳造する際にミッションケース10の上部に一体に鋳造されることによってミッションケース10との一体部品に形成されたケース本体23aと、このケース本体23aの開口側にボルト連結されたポートブロック24とで成るケース23、このケース23をポンプ軸21が貫通するように構成して前記ケース23の内部の一端側に設けた可変容量形で、かつ、アキシャルプランジャ形の油圧ポンプ25、前記ケース本体23aをモータ軸22が貫通するように構成して前記ケース23の内部の他端側に設けたアキシャルプレンジャ形の油圧モータ26を備えて構成してある。
前記昇降シリンダ5、前記各操向クラッチ30、前記各操向ブレーキBを操作する油圧回路40を、図4に示す如く構成してある。
すなわち、前記ミッションケース10の油取り出し部41を、フィルター42及び油圧ポンプ43が備えられた給油路44によって昇降バルブ45の入力ポートに接続し、昇降バルブ45の出力ポートを、ロック弁46、逆止弁47が備えられた操作油路48によって昇降シリンダ5に接続し、前記昇降バルブ45の排油ポートを給油路49によって操向バルブ50の入力ポートに接続し、操向バルブ50の一対の出力ポートを一対の操作油路51,51によって左走行装置用の操向クラッチ30のピストン室34と、右走行装置用の操向クラッチ30のピストン室34とに各別に接続し、前記操向バルブ50の排油ポートを排油路52によって前記ミッションケース1の油戻り部53に接続し、前記各操向クラッチ30のピストン室34の排油部を、逆止弁54及び可変リリーフ弁55が備えられたピストン調整油路56によって前記排油路52に接続し、前記給油路44のリリーフ弁57が備えられたリリーフ油路58を前記操向バルブ50のための前記給油路49に接続することによって構成してある。
前記ピストン調整油路56は、ピストン室34から排油路52への油圧排出を調整することにより、油圧ピストン35の操作位置を操向クラッチ30も操向ブレーキBも切り状態になる操作位置と、操向クラッチ30が切り状態で操向ブレーキBが入り状態になる操作位置とに調節するものであり、可変リリーフ弁55が低圧状態に切り換え操作されると、油圧ピストン35が操向クラッチ30を入り状態から切り状態に切り換える操作位置に到達すると、油圧ピストン35に作用する油圧と入り付勢ばね33との釣り合いによって油圧ピストン35をその操作位置に維持させながら操向バルブ50からの油圧をピストン室34から排油路52に排出させる。可変リリーフ弁55が高圧状態に切り換え操作されると、油圧ピストン35が操向クラッチ30も操向ブレーキBも切り状態に操作する操作位置からさらに駆動されて、操向クラッチ30を切り状態に、操向ブレーキBを入り状態にそれぞれ操作する操作位置まで切り換わるようにピストン室34から排油路52への油圧排出を規制する。
操向バルブ50の排油ポートをミッションケース10の油戻り部53に接続している前記排油路52は、操向バルブ50の排油ポートを前記静油圧式無段変速装置20の前記ケース23の油導入口27(図7参照)に接続しているとともに前記ピストン調整油路56が接続されている上流側排油路52aと、静油圧式無段変速装置20の前記ケース23と、このケース23の排油口28(図7参照)をミッションケース10の油戻り部53に接続しているとともにリリーフ弁58が備えられた下流側排油路52bとによって構成してある。
図2に示すように、前記油圧ポンプ43を、ミッションケース10の前記入力軸11が備えている前記ギヤ12に伝動ギヤ43aを介して駆動軸43bが連動されるように構成してミッションケース10の上部に支持されたギヤポンプによって構成し、図6などに示す如く前記フィルター42をミッションケース10の上部に支持させ、前記給油路44のうちのミッションケース10の油取り出し部41とフィルター42の導入部とを接続している部分44a、及び、フィルター42の排出部と油圧ポンプ43の吸入部を接続している部分44bをミッションケース10の壁部内に設けてある。前記給油路44のうちの油圧ポンプ43の吐出部と昇降バルブ45とを接続している部分44c、前記昇降バルブ45、前記操作油路48、この操作油路48が備えている前記ロック弁46及び前記逆止弁47、前記リリーフ油路58及びこのリリーフ油路58の前記リリーフ弁57、前記給油路49、前記操向バルブ50、前記一対の操作油路51、前記ピストン調整油路56及びこのピストン調整油路56の前記可変リリーフ弁55、前記上流側排油路52a、前記下流側排油路52b及びこの下流側排油路52の前記リリーフ弁58を、ミッションケース10の壁部内に設けてある。
前記油圧回路40の排油路52の一部を静油圧式無段変速装置20のケース23によって構成してあることにより、静油圧式無段変速装置20のケース23は、排油路52の上流側排油路52aからケース内に油供給されるように、かつ、ケース内から排油路52の下流側排油路52bに排油するように排油路52に連通している。
図5,6に示すように、静油圧無段変速装置20のケース23の前記ポートブロック24の内部にチャージ油路29を設けてある。このチャージ油路29の一端側に位置するとともに逆止弁29aを備えた吸入口29bが、ポートブロック24の内面側でケース23の内部空間に向けて開口し、チャージ油路29の他端側が、一対の逆止弁29cを備えた連通油路29dを介して無段変速装置20の前進側の駆動回路20a及び後進側の駆動回路20bに連通されており、チャージ油路29は、無段変速装置20が駆動されることによって駆動回路20a,20bに発生した吸引作用により、ケース内油を吸入口29bから駆動回路20a,20bに吸引させる。
つまり、ミッションケース10の内部に貯留されている潤滑油が油圧ポンプ43によってミッションケース10から取り出されて昇降バルブ45に作動油として供給され、昇降バルブ45を上昇位置に切り換え操作すると、この昇降バルブ45が油圧ポンプ43からの圧油を操作油路48から昇降シリンダ5に供給し、昇降シリンダ5が伸張側に駆動操作されて刈取り前処理部4を上昇操作する。昇降バルブ45を下降位置に切り換え操作すると、この昇降バルブ45が昇降シリンダ5の圧油を排油路に兼用の給油路49に排出し、昇降シリンダ5が短縮作動して刈取り前処理部4を下降操作する。昇降バルブ45を中立位置に切り換え操作すると、この昇降バルブ45が昇降シリンダ5への圧油供給、及び、昇降シリンダ5からの圧油排出を停止し、昇降シリンダ5が停止操作されて刈取り前処理部4の昇降を停止させる。
また、油圧ポンプ43によってミッションケース10から取り出された潤滑油が給油路49によって作動油として操向バルブ50に供給され、操向バルブ50及び可変リリーフ弁55に連動機構60を介して連動されている操向レバー61を中立位置Sに操作すると、操向バルブ50が中立状態になって左走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油、及び、右走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油を排油路52に排出し、左走行装置側の油圧ピストン35も右走行装置側の油圧ピストン35も操向クラッチ30を入り付勢ばね33によって入り状態に、かつ、操向ブレーキBを切り状態にそれぞれ操作し、左右の走行装置1が同一方向に同一の駆動速度で駆動されて自走機体が直進走行する。
操向レバー61を左第1旋回位置L1に操作すると、操向バルブ50が左操向状態になって給油路49からの圧油を左走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35に供給し、このとき可変リリーフ弁55が低圧状態になっていて、油圧ピストン35が左走行装置用の操向クラッチ30及び操向ブレーキBを切り状態に操作し、これとともに操向バルブ50が右走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油を排油路52に排出し、この油圧ピストン35が右走行装置用の操向クラッチ30を入り状態に、右走行装置用の操向ブレーキBを切り状態にそれぞれ入り付勢ばね33によって操作し、左側の走行装置1が停止されながら右側の走行装置1が駆動されて自走機体が左向きに旋回走行する。
操向レバー61を左第2旋回位置L2に操作すると、操向バルブ50が左操向状態になって給油路49からの圧油を左走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35に供給し、このとき可変リリーフ弁55が高圧状態になっていて、油圧ピストン35が左走行装置用の操向クラッチ30を切り状態に、左走行装置用の操向ブレーキBを入り状態にそれぞれ操作し、これとともに操向バルブ50が右走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油を排油路52に排出し、この油圧ピストン35が右走行装置用の操向クラッチ30を入り状態に、右走行装置用の操向ブレーキBを切り状態にそれぞれ入り付勢ばね33によって操作し、左側の走行装置1が制動されながら右側の走行装置1が駆動されて自走機体が左向きに小旋回半径で旋回走行する。
操向レバー61を右第1旋回位置R1に操作すると、操向バルブ50が右操向状態になって給油路49からの圧油を右走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35に供給し、このとき可変リリーフ弁55が低圧状態になっていて、油圧ピストン35が右走行装置用の操向クラッチ30及び操向ブレーキBを切り状態に操作し、これとともに操向バルブ50が左走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油を排油路52に排出し、この油圧ピストン35が左走行装置用の操向クラッチ30を入り状態に、左走行装置用の操向ブレーキBを切り状態にそれぞれ入り付勢ばね33によって操作し、右側の走行装置1が停止されながら左側の走行装置1が駆動されて自走機体が右きに旋回走行する。
操向レバー61を右第2旋回位置R2に操作すると、操向バルブ50が右操向状態になって給油路49からの圧油を右走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35に供給し、このとき可変リリーフ弁55が高圧状態になっていて、油圧ピストン35が右走行装置用の操向クラッチ30を切り状態に、右走行装置用の操向ブレーキBを入り状態にそれぞれ操作し、これとともに操向バルブ50が左走行装置用の操向クラッチ30の油圧ピストン35の圧油を排油路52に排出し、この油圧ピストン35が左走行装置用の操向クラッチ30を入り状態に、左走行装置用1の操向ブレーキBを切り状態にそれぞれ入り付勢ばね33によって操作し、右側の走行装置1が制動されながら左側の走行装置1が駆動されて自走機体が右向きに小旋回半径で旋回走行する。
操向バルブ50の排油ポートから排出された油、各操向クラッチ30のピストン室34からピストン調整油路56に排出された油は、排油路52の上流側排油路52aによって静油圧式無段変速装置20のケース23の内部に供給され、ケース内に供給された油の一部は、静油圧式無段変速装置20のチャージ油路29によって駆動回路20a,20bに補給油として吸引され、ケース23の排油口28からオーバーフローした油は、下流側排油路52bによってミッションケース10の内部に戻される。
〔別実施例〕
本発明は、コンバインの他、人参や玉ねぎを収穫する収穫機、トラクタ、田植機など各種の車両にも適用することができる。また、上記実施例の如く静油圧式無段変速装置20のケース23を操向クラッチ用の油圧回路40に連通させたものの他、油圧式変速装置の油圧回路になど操作対象装置が各種異なる油圧回路に連通されたものにも適用することができる。
従って、コンバインなどの収穫機、トラクタ、田植機などの各種車両を総称して作業車と呼称し、操向クラッチの油圧ピストン35や、変速装置に操作用に備えられる油圧ピストンなどを総称して、油圧アクチュエータ35と呼称し、操向バルブ50を制御弁50と呼称する。
コンバイン全体の側面図 ミッションケースの上部での縦断面図 ミッションケースの下部での縦断面図 油圧回路図 ミッションケースの側面図 ミッションケースの正面図 ミッションケースの静油圧式無段変速装置配設部を示す断面図
符号の説明
10 ミッションケース
20 静油圧式無段変速装置
20a,20b 静油圧式無段変速装置の駆動回路
23 静油圧式無段変速装置のケース
27 ケースの油導入口
28 ケースの排油口
29 チャージ油路
30 操向クラッチ
35 油圧アクチュエータ
40 油圧回路
50 制御弁
52 排油路
52a 上流側排油路
52b 下流側排油路

Claims (2)

  1. ミッションケースに支持された静油圧式無段変速装置を備えた作業車であって、
    前記静油圧式無段変速装置に、この静油圧式無段変速装置のケース内に供給された油を静油圧式無段変速装置の駆動回路に吸引させるチャージ油路を設け、
    前記ミッションケースに貯留された潤滑油を作動油にして、前記静油圧式無段変速装置以外の油圧アクチュエータを駆動する油圧回路から前記静油圧式無段変速装置のケース内に給油されるように、前記静油圧式無段変速装置の前記ケースを前記油圧回路に連通させてある作業車。
  2. 前記油圧アクチュエータが、操向クラッチを操向クラッチの入り復帰力に抗して切り状態に切り換え操作する油圧アクチュエータであり、
    前記油圧回路のうちの前記油圧アクチュエータの制御バルブからの排油を前記ミッションケースに戻す排油路を、前記制御バルブを前記静油圧式無段変速装置の前記ケースの油導入口に接続している上流側排油路と、前記ケースと、前記ケースの排油口を前記ミッションケースに接続している下流側排油路とによって構成してある請求項1記載の作業車。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60182557U (ja) * 1984-05-15 1985-12-04 ダイキン工業株式会社 流体トランスミツシヨン装置
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