JP2006117058A - コンバインの走行操作装置 - Google Patents

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徳宗 尾崎
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Yoshimi Miyano
良實 宮野
Fumio Nagano
文男 長野
Toshio Tominaga
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Abstract

【課題】 走行装置を停止させながら刈取り前処理装置が駆動される状態を構造簡単に現出できるようにする。
【解決手段】 操向バルブ73によって左操向クラッチ30L、左旋回補助クラッチ40L、右操向クラッチ30R、右旋回補助クラッチ40Rを入り切り操作し、左右の走行装置を各別に駆動、減速、停止操作して機体を操向操作する。操向バルブ73の排油路77にクラッチバルブ76を設けてある。クラッチバルブ76は、停止作業状態76aに切り換え操作されると、中立状態73Nにある操向バルブ73によって左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの油圧ピストン32に圧油供給させて両操向クラッチ30L,30Rを切り状態に操作させ、左右走行装置に動力伝動されないで刈取り前処置装置に動力伝達される伝動状態を現出する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、コンバインの走行操作装置、詳しくは、左走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の左操向クラッチ、前記左走行装置に作用する油圧操作式の左旋回補助クラッチ、右走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の右操向クラッチ、前記右走行装置に作用する油圧操作式の右旋回補助クラッチを備え、前記左旋回補助クラッチによって前記左走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられ、かつ、前記右旋回補助クラッチによって前記右走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられる旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを備え、前記左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンに接続された操向バルブを備えるとともに、左操向クラッチ及び右操向クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りになるように左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンから排油する中立状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが入りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油する左旋回状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが切りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給する右旋回状態とを前記操向バルブに備え、前記左操向クラッチ及び前記右操向クラッチの前記油圧ピストンのための油室から前記旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションの油圧ピストンに圧油を供給して旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを入り操作する操作油路を備えてある走行操作装置に関する。
上記走行操作装置は、例えば特許文献1に示されるものである。
すなわち、操向切換え弁V1(操向バルブに相当)が中立状態に切り換え操作されると、サイドクラッチ20L(左操向クラッチに相当)、旋回用クラッチ30L(左旋回補助クラッチに相当)、サイドクラッチ20R(右操向クラッチに相当)、旋回用クラッチ30R(右旋回補助クラッチに相当)の油圧ピストンとしてのサイドクラッチギヤ23L,23Rや、油圧ピストン32Pから排油されてサイドクラッチ20L,20Rが入りで、旋回用クラッチ30L,30Rが切りになる。このとき、油路d(操作油路に相当)が圧油を供給されなくて、制動機構B(旋回ブレーキに相当)、ギヤG13やクラッチC及びギヤ27L,27Rなどを備えて成る減速伝動機構(旋回伝動ミッションに相当)を切りにし、機体が直進走行する。
操向切換え弁V1が左旋回状態に切り換え操作されると、サイドクラッチ20L及び旋回用クラッチ30Lの油圧ピストンとしてのサイドクラッチギヤ23Lや、油圧ピストン32Pに圧油が供給され、サイドクラッチ20R及び旋回用クラッチ30Rの油圧ピストンとしてのサイドクラッチギヤ23Rや、油圧ピストン32Pから排油され、サイドクラッチ20Lが切りで旋回用クラッチ30Lが入りになり、サイドクラッチ20Rが入りで旋回用クラッチ30Rが切りになる。このとき、油路dが湯室hから圧油供給されて制動機構B又は減速伝動機構を入り操作して左右走行装置2のうちの左走行装置2に制動機構B又は減速伝動機構が作用し、機体が左向きに旋回走行する。
操向切換え弁V1が右旋回状態に切り換え操作されると、サイドクラッチ20L及び旋回用クラッチ30Lの油圧ピストンとしてのサイドクラッチギヤ23Lや、油圧ピストン32Pから排油され、サイドクラッチ20R及び旋回用クラッチ30Rの油圧ピストンとしてのサイドクラッチギヤ23Rや、油圧ピストン32Pに圧油供給され、サイドクラッチ20Lが入りで旋回用クラッチ30Lが切りになり、サイドクラッチ20Rが切りで旋回用クラッチ30Rが入りになる。このとき、油路dが湯室gから圧油供給されて制動機構B又は減速伝動機構を入り操作して左右走行装置2のうちの右走行装置2に制動機構B又は減速伝動機構が作用し、機体が右向きに旋回走行する、というものである。
コンバインにおいて、従来、例えば特許文献2に示されるように、エンジン36の駆動力がHST式走行駆動部42、この走行駆動部42より出力する刈取同調駆動軸45、ワンウエイクラッチ45a、刈取同調クラッチ46を介して刈取軸47に伝達されて刈取り前処理装置4が駆動される伝動系と、エンジン36の駆動力が流し込みクラッチ48、定速回転駆動軸44、ベルト51を介して刈取軸47に伝達されて刈取り前処理装置4が駆動される伝動系とを備え、刈取り前処理装置4と走行装置2が共に駆動される状態を現出することも、走行装置2を駆動しないで刈取り前処理装置2が駆動される状態を現出することも可能なものがあった。
特開2002−295719号公報(段落〔0017〕−〔0021〕、図2−5)
特開2003−339222号公報(段落〔0018〕−〔0022〕、図5)
コンバインにおいて、走行装置を停止しながら刈取り前処理装置を駆動することができると、畦際において、走行停止させて穀稈を刈り取るとともに刈取り穀稈を搬送する作業を行なうことができる。従って、特許文献2に記載された技術を採用すれば、畦際の機械刈りが可能になるが、この場合、伝動構造の面から複雑や大型になりやすくなっていた。
本発明の目的は、走行停止しながら刈取り前処理装置を駆動することが可能なコンバインを構造面などで有利に得ることができるようにすることにある。
本第1発明にあっては、左走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の左操向クラッチ、前記左走行装置に作用する油圧操作式の左旋回補助クラッチ、右走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の右操向クラッチ、前記右走行装置に作用する油圧操作式の右旋回補助クラッチを備え、前記左旋回補助クラッチによって前記左走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられ、かつ、前記右旋回補助クラッチによって前記右走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられる旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを備え、前記左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンに接続された操向バルブを備えるとともに、左操向クラッチ及び右操向クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りになるように左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンから排油する中立状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが入りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油する左旋回状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが切りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給する右旋回状態とを前記操向バルブに備え、前記左操向クラッチ及び前記右操向クラッチの前記油圧ピストンのための油室から前記旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションの油圧ピストンに圧油を供給して旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを入り操作する操作油路を備えてあるコンバインの走行操作装置において、前記操向バルブの排油ポートに接続された排油路に、この排油路を開閉するクラッチバルブを設けてある。
すなわち、クラッチバルブを開き側に操作して排油路を開き状態にすると、排油路の開きのために、操向バルブの排油ポートがタンクに連通した状態になり、操向バルブの中立状態、右旋回状態、左旋回状態への切り換わりのために油圧ピストンが排油すべきものとなった際、その油圧ピストンが支障なく排油するようになり、操向バルブの切り換え操作によって各操向クラッチ、旋回補助クラッチ、旋回ブレーキや旋回伝動ミッションを所定どおり操作することができる。
クラッチバルブを閉じ側に操作して排油路を閉じ状態にすると、排油路の閉じのために操向バルブの排油ポートとタンクの連通が絶たれ、油圧ポンプから操向バルブに供給された圧油が左操向クラッチ及び右操向クラッチの油圧ピストンに供給されて左操向クラッチも右操向クラッチも切り状態に操作し、左走行装置に対する動力伝達も、右走行装置に対する動力伝達も絶たれる。
これにより、クラッチバルブを切り換え操作することにより、刈取り前処理装置が駆動され、かつ、左操向クラッチや右操向クラッチが入り状態になって走行装置が駆動される状態が現出されたり、刈取り前処理装置が駆動されるも、左操向クラッチ及び右操向クラッチが切り状態になって左右の走行装置が停止された状態が現出されたりする。
従って、本第1発明によれば、畦際などにおいて、走行停止させながら刈取り前処理装置を駆動して、穀稈を機械刈りすることができるものでありながら、排油路にクラッチバルブを設けるだけの簡単な改造で済み、構造簡単かつ安価に得ることができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記クラッチバルブが前記排油路を閉じる状態に切り換わると、前記操作油路に接続されたリリーフ油路のリリーフバルブが高圧側に切り換わり、前記クラッチバルブが前記排油路を開く状態に切り換わると、前記リリーフバルブが低圧側に切り換わるようにクラッチバルブとリリーフバルブとを連係させてある。
すなわち、操向バルブを切り換え操作して機体の操向操作を行なう場合、クラッチバルブを開き側に操作して排油路を開き状態にしておくが、このとき、クラッチバルブとリリーフバルブの連係のためにリリーフバルブが低圧側になり、旋回内側の走行装置に作用する操向クラッチが切りに、旋回内側の走行装置に作用する旋回補助クラッチが入りにそれぞれなっても、操作油路の圧油がリリーフ油路からタンクに戻って旋回ブレーキが入りに操作されず、旋回内側の走行装置に旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションが作用しないようにしながら旋回走行する状態を現出することができる。
左右の操向クラッチを切り状態にして機体停止させる場合、クラッチバルブを閉じ側に操作して排油路を閉じ状態にするが、このとき、クラッチバルブとリリーフバルブの連係のためにリリーフバルブが高圧側になり、操作油路の圧油が旋回ブレーキに作用して旋回ブレーキを入り状態に操作し、走行装置に旋回ブレーキが作用した状態にしながら走行装置を停止状態にすることができる。
従って、本第2発明によれば、旋回内側の走行装置に旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションが作用しない状態で旋回走行することを可能にしながら、機体停止させて機械刈り作業を行なう場合、旋回ブレーキを駐車ブレーキに利用しながら作業することができる。しかも、クラッチバルブを切り換え操作するだけで操作簡単に旋回ブレーキを駐車ブレーキに利用することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ式の走行装置1L,1R、運転座席2aが装備された運転部2、運転座席2aの下方に配置されたエンジン3(図2参照)が装備された原動部を備えた自走機体の機体フレーム4の前部に、刈取り前処理装置5の前処理フレーム5aの基部を回動自在に連結するとともに、前処理フレーム5aにリフトシリンダ6を連動させ、前記機体フレーム4の後部側に脱穀装置7及び穀粒タンク8を設けて、稲や麦などを収穫するようにコンバインを構成してある。
すなわち、リフトシリンダ6を伸縮操作すると、このリフトシリンダ6が前処理フレーム5aを機体フレーム4に対して上下に揺動操作することにより、刈取り前処理装置5を分草具5bなどが地面上近くに位置した下降作業状態と、分草具5bなどが地面上から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理装置5を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理装置5は、分草具5bによって植立穀稈を刈取り対象と非刈取り対象とに分草し、分草具5bからの刈取り対象の植立穀稈を引き起こし装置5cによって引き起こし処理するとともにバリカン形の刈取り装置5dによって刈取り処理し、刈取り穀稈を株元側に作用する挟持搬送装置と穂先側に作用する係止搬送装置とで成る搬送装置5eによって機体後方向きに搬送して脱穀装置7の脱穀フィードチェーン7aの始端部に供給する。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーン7aによって刈取穀稈の株元側を後方向きに挟持搬送することにより、その刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7から搬送された脱穀粒を回収して貯留していく。
前記エンジン3の駆動力が走行装置1L,1R、刈取り前処理装置5、脱穀装置7に伝達される伝動構造を、図2に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン3の出力軸3aの駆動力が、伝動ベルト利用の伝動機構10を介して脱穀駆動軸11に伝達され、この脱穀駆動軸11から脱穀装置7の脱穀フィードチェーン7a、扱胴(図示せず)や選別装置(図示せず)などに伝達される。
エンジン3の出力軸3aの駆動力が、伝動ベルト利用の伝動機構12を介して走行主変速装置13の入力軸13aに伝達され、ミッションケース14の内部において走行主変速装置13の出力軸13bの出力ギヤ13cから中間軸15の入力ギヤ15aに伝達され、この中間軸15のミッションケース14外に位置する端部に装着されたワンウエイクラッチ16から、伝動ベルト利用の伝動機構17を介して前処理駆動軸18に伝達され、この前処理駆動軸18から刈取り前処理装置5の引起し装置5c、刈取り装置5d、搬送装置5eなどに伝達される。走行主変速装置13は、前記入力軸13aによって駆動される可変容量形でアキシャルプランジャ形の油圧ポンプPと、この油圧ポンプPからの圧油によって駆動されて前記出力軸13bから出力するアキシャルプランジャ形の油圧モータMとを備えて成る静油圧式の無段変速装置によって構成されている。ワンウエイクラッチ16は、走行用主変速装置13が後進駆動力を出力した際のその駆動力が刈取り前処理装置4に伝達されることを阻止する。
前記中間軸15に伝達されたエンジン駆動力が、この中間軸15の出力ギヤ15bから走行用ミッションSMの入力ギヤ21に伝達され、この走行用ミッションSMの前記ミッションケース14の下部に位置する左右一対の出力軸25L,25Rのうちの左出力軸25Lから左走行装置1Lのクローラ駆動輪体1aに、右出力軸25Rから右走行装置2Rのクローラ駆動輪体1aにそれぞれ伝達される。
図2に示すように、前記走行用ミッションSMは、前記入力ギヤ21を有した副変速装置20、この副変速装置20の出力ギヤ22に噛合ったセンタギヤ26、このセンタギヤ26の中心部と前記左出力軸25Lの駆動ギヤ27Lとの間に設けた左操向クラッチ30L、前記センタギヤ26の中心部と前記右出力軸25Rの駆動ギヤ27Rとの間に設けた右操向クラッチ30R、前記センタギヤ26を中央部で支持する支軸28の一端側に設けた左旋回補助クラッチ40L、前記支軸28の他端側に設けた右旋回補助クラッチ40R、前記センタギヤ26の一側面がわに一体回動自在に設けられた出力ギヤ26a(図3参照)に噛合った入力ギヤ51を有した旋回伝動ミッション50、この旋回伝動ミッション50の出力軸52の一端部に設けた旋回ブレーキ60などを備えて構成してある。
前記副変速装置20は、2個のシフター23がシフト操作されることにより、前記入力ギヤ21によって導入したエンジン駆動力を高・中・低の3段階に変速して前記出力ギヤ22から前記センタギヤ26に伝達する。
図3,4に示すように、前記左操向クラッチ30Lは、前記センタギヤ26の中心部に設けられた内歯ギヤ26b、及び、前記支軸28に相対回転自在及び摺動自在に支持されるとともに前記左出力軸駆動ギヤ27Lに噛合ったクラッチギヤ31、このクラッチギヤ31の内周側に一体形成した油圧ピストン32、この油圧ピストン32に一端側が当接されたコイルバネで成る入り付勢バネ33を備えて構成してあり、油圧ピストン32から圧油排出されることにより、クラッチギヤ31が入り付勢バネ33によってセンタギヤ26の内歯ギヤ26bに噛合い操作されて、センタギヤ26に伝達されたエンジン駆動力を左走行装置1Lに伝達するように入り状態になり、油圧ピストン32に圧油供給されることにより、クラッチギヤ31が油圧ピストン32によってセンタギヤ26の内歯ギヤ26bから離脱操作されて、センタギヤ26から左走行装置1Lに対する伝動を絶つように切り状態になる。そして、入り付勢バネ33によって入り状態に付勢されている。
すなわち、クラッチギヤ31の前記油圧ピストン32と、前記支軸28の段部とによって油圧ピストン32の操作のための油室34が形成され、この油室34から圧油が排出されることにより、油圧ピストン32から圧油が排出されて油圧ピストン32が入り付勢バネ33によってセンタギヤ26の方に摺動操作されてクラッチギヤ31をセンタギヤ26の内歯ギヤ26bに噛合い操作し、センタギヤ26の駆動力をクラッチギヤ31を介して左出力軸25Lの駆動ギヤ27Lに伝達する。前記油室34に支軸28の内部に位置する油路71aから圧油が供給されることにより、油圧ピストン32に圧油が供給されて油圧ピストン32が圧油によって入り付勢バネ33に抗してセンタギヤ26から離れる方向に摺動操作されてクラッチギヤ31をセンタギヤ26の内歯ギヤ26bから離脱させ、センタギヤ26と左出力軸駆動ギヤ27Lの相対回動を可能にする。
図3,4に示すように、前記右操向クラッチ30Rは、左操向クラッチ30Lと同様に構成してあり、前記センタギヤ26の前記内歯ギヤ26b、及び、前記支軸28に相対回転自在及び摺動自在に支持されるとともに右出力軸駆動ギヤ27Rに噛合ったクラッチギヤ31、このクラッチギヤ31の内周側に一体形成した油圧ピストン32、この油圧ピストン32に一端側が当接されたコイルバネで成る入り付勢バネ33を備えて構成してあり、油圧ピストン32から圧油排出されることにより、クラッチギヤ31が入り付勢バネ33によってセンタギヤ26の内歯ギヤ26bに噛合い操作されて、センタギヤ26に伝達されたエンジン駆動力を右走行装置1Rに伝達するように入り状態になり、油圧ピストン32に圧油供給されることにより、クラッチギヤ31が油圧ピストン32によってセンタギヤ26の内歯ギヤ26bから離脱操作されて、センタギヤ26から右走行装置1Rに対する伝動を絶つように切り状態になる。そして、入り付勢バネ33によって入り状態に付勢されている。
すなわち、クラッチギヤ31の前記油圧ピストン32と、前記支軸28の段部とによって油圧ピストン32の操作のための油室34が形成され、この油室34から圧油が排出されることにより、油圧ピストン32から圧油が排出されて油圧ピストン32が入り付勢バネ33によってセンタギヤ26の方に摺動操作されてクラッチギヤ31をセンタギヤ26の内歯ギヤ26bに噛合い操作し、センタギヤ26の駆動力をクラッチギヤ31を介して右出力軸25Rの駆動ギヤ27Rに伝達する。前記油室34に支軸28の内部に位置する油路72aから圧油が供給されることにより、油圧ピストン32に圧油が供給されて油圧ピストン32が圧油によって入り付勢バネ33に抗してセンタギヤ26から離れる方向に摺動操作されてクラッチギヤ31をセンタギヤ26の内歯ギヤ26bから離脱させ、センタギヤ26と右出力軸駆動ギヤ27Rの相対回動を可能にする。
図2,3,4に示すように、前記旋回伝動ミッション50は、前記センタギヤ26の前記出力ギヤ26aに噛合った前記入力ギヤ51、この入力ギヤ51を相対回転自在に支持する前記出力軸52、この出力軸52と前記入力ギヤ51の間に設けた減速伝動クラッチ55、出力軸52の両端側に一体回動自在に設けられた出力ギヤ53,54を備えて構成してある。
減速伝動クラッチ55は、クラッチボディ56の内部に位置する油圧ピストン57に前記出力軸52の内部に位置する油路78aから圧油供給されて油圧ピストン57がクラッチボディ56と入力ギヤ51の間に位置する複数枚の摩擦クラッチ板58を圧接操作することにより、入力ギヤ51と出力軸52を一体回動自在に摩擦連動させるように入り状態になり、油圧ピストン57から排油されて油圧ピストン57が前記摩擦クラッチ板58の圧接操作を解除することにより、入力ギヤ51と出力軸52を相対回動させるように切り状態になる。
図2,3に示すように、前記旋回ブレーキ60は、ミッションケース14に固定された固定体61、この固定体61と旋回伝動ミッション50の前記出力軸52の一端側との間に設けた複数枚の摩擦ブレーキ板62、ミッションケース14の壁部に設けた油圧ピストン63、前記固定体61の内部に設けた切り付勢バネ64を備えて構成してあり、前記油圧ピストン63にミッションケース14の壁部内に位置する油路79aから圧油供給されて油圧ピストン63が切り付勢バネ64に抗して摺動操作されて摩擦ブレーキ板62を圧接操作すると、旋回伝動ミッション50の出力軸52に摩擦ブレーキを掛けるように入り状態になり、油圧ピストン63から排油されて油圧ピストン63が切り付勢バネ64による押し操作のために摩擦ブレーキ板62の圧接操作を解除すると、旋回伝動ミッション50の出力軸52に対する制動作用を解除するように切り状態になる。
これにより、旋回ブレーキ60が切り状態に、減速伝動クラッチ55が入り状態にそれぞれ操作されると、旋回伝動ミッション50は、センタギヤ26に伝達されたエンジン駆動力を、センタギヤ26の出力ギヤ26aと、旋回伝動ミッション50の入力ギヤ51とによってセンタギヤ26の回転速度の約1/2の回転速度に減速し、減速伝動クラッチ55を介して出力軸52に伝達して一対の出力ギヤ53,54から出力する。旋回ブレーキ60が入り状態に、減速伝動クラッチ55が切り状態にそれぞれ操作されると、旋回伝動ミッション50の一対の出力ギヤ53,54に旋回ブレーキ60によって摩擦ブレーキが掛けられるようになっている。
図2,3,4に示すように、前記左旋回補助クラッチ40Lは、旋回伝動ミッション50の前記左出力ギヤ53に噛合った状態で前記支軸28に相対回転自在に支持されている伝動ギヤ41と、前記左操向クラッチ40Lの前記クラッチギヤ31の端部との間に設けた複数枚の摩擦クラッチ板42、前記伝動ギヤ41の内部に設けた油圧ピストン43を備え構成してある。
前記油圧ピストン43に支軸28の内部に位置する油路71bから圧油供給されて油圧ピストン43が摩擦クラッチ板42を支持板44に押圧操作すると、左旋回補助クラッチ40Lは、伝動ギヤ41とクラッチギヤ31を一体回動自在に摩擦連動させて、旋回伝動ミッション50の左出力ギヤ53の減速駆動力を伝動ギヤ41、摩擦クラッチ板42、クラッチギヤ31を介して左出力軸駆動ギヤ27Lに伝達するように、あるいは、旋回ブレーキ60による摩擦ブレーキを伝動ギヤ41、摩擦クラッチ板42、クラッチギヤ31を介して左出力軸駆動ギヤ27Lに掛けるように入り状態になる。油圧ピストン43から排油されて油圧ピストン43が摩擦クラッチ板42の支持板44に対する押圧を解除すると、左旋回補助クラッチ40Lは、伝動ギヤ41とクラッチギヤ31の摩擦連動を解除し、旋回伝動ミッション50から左出力軸駆動ギヤ27Lに対する伝動を解除するように、あるいは、旋回ブレーキ60による左出力軸駆動ギヤ27Lの制動を解除するように切り状態になる。
図2,3に示すように、前記右旋回補助クラッチ40Rは、左旋回補助クラッチ40Lと同様に構成してあり、旋回伝動ミッション50の前記右出力ギヤ54に噛合った状態で前記支軸28に相対回転自在に支持されている伝動ギヤ41と、前記右操向クラッチ30Rの前記クラッチギヤ31の端部との間に設けた複数枚の摩擦クラッチ板42、伝動ギヤ41の内部に設けた油圧ピストン43を備え構成してある。
前記油圧ピストン43に支軸28の内部に位置する油路72bから圧油供給されて油圧ピストン43が摩擦クラッチ板42を支持板44に押圧操作すると、右旋回補助クラッチ40Rは、伝動ギヤ41とクラッチギヤ31を一体回動自在に摩擦連動させて、旋回伝動ミッション50の右出力ギヤ54の減速駆動力を伝動ギヤ41、摩擦クラッチ板42、クラッチギヤ31を介して右出力軸駆動ギヤ27Rに伝達するように、あるいは、旋回ブレーキ60による摩擦ブレーキを伝動ギヤ41、摩擦クラッチ板42、クラッチギヤ31を介して右出力軸駆動ギヤ27Rに掛けるように入り状態になる。油圧ピストン43から排油されると油圧ピストン43が摩擦クラッチ板42の支持板44に対する押圧を解除すると、右旋回補助クラッチ40Rは、伝動ギヤ41とクラッチギヤ31の摩擦連動を解除し、旋回伝動ミッション50から右出力軸駆動ギヤ27Rに対する伝動を解除するように、あるいは、旋回ブレーキ60による右出力軸駆動ギヤ27Rの制動を解除するように切り状態になる。
左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rのクラッチギヤ31は、センタギヤ26の内歯ギヤ26bに対して係合した場合も、離脱した場合も、左出力軸駆動ギヤ27Lや右出力軸駆動ギヤ27Rに対して係合した状態、及び、左旋回補助クラッチ40Lや右旋回補助クラッチ40Rの摩擦クラッチ板42に対して係合した状態を維持するようになっている。
図5に示すように、前記左操向クラッチ30L及び左旋回補助クラッチ40Lの油圧ピストン32,43に前記軸内油路71a,71bを備えたクラッチ操作油路71を介して一方の出力ポートが接続され、前記右操向クラッチ30R及び右旋回補助クラッチ40Rの油圧ピストン32,43に前記軸内油路72a,72bを備えたクラッチ操作油路72を介して他方の出力ポートが接続された一つの操向バルブ73の入力ポートに、油圧ポンプ74が備えられた給油路75を接続し、前記操向バルブ73の排油ポート73aに、クラッチバルブ76が設けられた排油路77を接続してある。前記減速伝動クラッチ55の油圧ピストン57に前記軸内油路78aを備えたクラッチ操作油路78を介して一方の出力ポートが、前記旋回ブレーキ60の油圧ピストン63に前記ミッションケース内油路79aを備えたブレーキ操作油路79を介して他方の出力ポートがそれぞれ接続されたモード切り換えバルブ80の入力ポートを、シーケンスバルブ81が設けられた連係操作油路82を介して前記左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの前記油室34に接続し、前記連係操作油路82の前記シーケンスバルブ81と前記モード切り換えバルブ80の間に、可変リリーフバルブ83が設けられたリリーフ油路84を接続してある。
前記操向バルブ73は、中立状態73Nと左旋回状態73Lと右旋回状態73Rとに切り換え自在なバルブに構成してある。
中立状態73Nに切り換え操作された操向バルブ73は、左操向クラッチ30L、左旋回補助クラッチ40L、右操向クラッチ30R、右旋回補助クラッチ40Rそれぞれの油圧ピストン32,43から排油路77に排油して、左操向クラッチ30Lを入り状態で、左旋回補助クラッチ40Lを切り状態に操作し、右操向クラッチ30Rを入り状態で、右旋回補助クラッチ40Rを切り状態に操作する。
左旋回状態73Lに切り換え操作された操向バルブ73は、左操向クラッチ30L及び左旋回補助クラッチ40Lの油圧ピストン32,43に油圧ポンプ74からの圧油を供給し、右操向クラッチ30R及び右旋回補助クラッチ40Rの油圧ピストン32,43から排油路77に排油して、左操向クラッチ30Lを切り状態で、左旋回補助クラッチ40Lを入り状態に操作し、右操向クラッチ30Rを入り状態で、右旋回補助クラッチ40Rを切り状態に操作する。
右旋回状態73Rに切り換え操作された操向バルブ73は、左操向クラッチ30L及び左旋回補助クラッチ40Lの油圧ピストン32,43から排油路77に排油し、右操向クラッチ30R及び右旋回補助クラッチ40Rの油圧ピストン32,43に油圧ポンプ74からの圧油を供給して、左操向クラッチ30Lを入り状態で、左旋回補助クラッチ40Lを切り状態に操作し、右操向クラッチ30Rを切り状態で、右旋回補助クラッチ40Rを入り状態に操作する。
操向バルブ73は、運転部2に設けた操向レバー90の機体横方向での揺動操作によって前記3種の操作状態に切り換え操作されるように前記操向レバー90に連動されている。
連係操作油路82の左操向クラッチ30Lに対応する前記軸内油路82Lも、右操向クラッチ30Rに対応する前記軸内油路82Rも、油圧ピストン32が摺動操作されて左操向クラッチ30Lや右操向クラッチ30Rが切り状態になると左操向クラッチ30Lや右操向クラッチ30Rの油室34に開口して前記クラッチ操作油路71,72に連通するように配置して支軸28の内部に設けてあり、連係操作油路82は、操向バルブ73から左操向クラッチ30Lや右操向クラッチ30Rの油室34に供給された圧油を、左操向クラッチ30Lや右操向クラッチ30Rが入り状態から切り状態に切り換わった後に油室34から導入してモード切り換えバルブ80を介して減速伝動クラッチ57や旋回ブレーキ60の油圧ピストン57,63に供給する。
シーケンスバルブ81は、図15に示す如く前記ミッションケース14が有するバルブブロック81aに設けられた組み付け孔に装着されたポペット81bを有したバルブに構成されている。このシーケンスバルブ81には、左操向クラッチ30Lと右操向クラッチ30Rの切り作動抵抗差が発生しても、両操向クラッチ30L,30Rが切り状態に切り換わるに足る油路抵抗を連係操作油路81に付与するように設定された作動圧を備えてある。
すなわち、クラッチバルブ76が停止作業状態76aに切り換えられても、左操向クラッチ30Lと右操向クラッチ30Rの一方の切り作動抵抗が他方の切り作動抵抗よりも大になっていた場合、連係操作油路82に前記シーケンスバルブ81の前記設定作動圧による油路抵抗がかかっていないと、切り作動抵抗の小さい方の操向クラッチ30L,30Rが切り作動抵抗の大きい方向の操向クラッチ30R,30Lよりも先に切り状態になってこの操向クラッチ30L,30Rの方で連係操作油路82の軸内油路82L,82Rが操向バルブ73に連通した状態になると、操向バルブ73からの圧油が切り状態になった操向クラッチ30L,30Rの油室34から連係操作油路82に流出して、切り作動抵抗が大になっている方の操向クラッチ30R,30Lが切り状態に切り換わらなくなったり切り換わりにくくなったりする。ところが、左操向クラッチ30Lと右操向クラッチ30Rのいずれか一方が他方よりも先に切り状態に切り換わってこの操向クラッチ30L,30Rの方で連係操作油路82が操向バルブ73に連通した状態になっても、シーケンスバルブ81の前記設定作動圧による油路抵抗が連係操作油路82にかかって切り作動抵抗が大きい方向の操向クラッチ30L,30Rの油圧ピストン32に必要な圧の油圧が作用し、左操向クラッチ30Lと右操向クラッチ30Rの切り作動抵抗差の発生にかかわらず、左右いずれの操向クラッチ30L,30Rも切り状態に切り換わるようになる。
可変リリーフバルブ83は、前記操向レバー90の揺動操作によってリリーフ圧の変更操作が行なわれるように操向レバー90に連動されている。すなわち、操向レバー87が左第1旋回位置L1や右第1旋回位置R2に操作された状態において、低リリーフ圧に設定操作され、操向バルブ73から左操向クラッチ30Lや右操向クラッチ30Rの油室34を介して連係操作油路82に供給された圧油が減速伝動クラッチ55や旋回ブレーキ60を入り状態に操作しないように、連係操作油路82の圧油をリリーフ油路84からリリーフしやすくする。操向レバー90が左第2旋回位置L2や右第2旋回位置R2に操作された状態において、高リリーフ圧に設定操作され、連係操作油路82に供給された圧油が減速伝動クラッチ55や旋回ブレーキ60の油圧ピストン57,63に供給されて減速伝動クラッチ55や旋回ブレーキ60が入り状態に切り換え操作されることを可能にする。
モード切り換えバルブ80は、ソフト旋回状態80aとブレーキ旋回状態80bとに切り換え自在なバルブであり、ソフト旋回状態80aに切り換え操作されると、連係操作油路82からの圧油を減速伝動クラッチ55の油圧ピストン57に供給するとともに旋回ブレーキ60の油圧ピストン63から排油して、減速伝動クラッチ55を入り状態に操作し、旋回ブレーキ60を切り状態に操作する。ブレーキ旋回状態80bに切り換え操作されたモード切り換えバルブ80は、連係操作油路82からの圧油を旋回ブレーキ60の油圧ピストン63に供給するとともに減速伝動クラッチ55の油圧ピストン57から排油して、旋回ブレーキ60を入り状態に操作し、減速伝動クラッチ55を切り状態に操作する。
図10,12に示すように、クラッチバルブ76は、前記ミッションケース14の上部内に組み込まれたロータリバルブで成り、ミッションケース14の外部に揺動自在に配置されたアーム式の操作部材76cが揺動操作されることによって開き状態76bと閉じ状態76a(図5参照)に切り換わるようになっている。
このクラッチバルブ76は、開き状態76bに切り換え操作されると、操向バルブ73の排油ポート73aがタンクTに連通するように排油路77を開き操作して、中立状態73Nに操作された操向バルブ73による左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの入り状態への操作を可能にし、閉じ状態76aに切り換え操作されると、操向バルブ73の排油ポート73aのタンクTに対する連通を絶つように排油路77を閉じ操作して、操向バルブ73が中立状態73Nにあっても、油圧ポンプ74からの圧油が左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの油圧ピストン32に供給されて左操向クラッチ30Lも右操向クラッチ30Rも切り状態に操作される状態を現出する。
これにより、クラッチバルブ76は、開き状態76bに切り換え操作されると、中立状態73Nにある操向バルブ73による左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの入り状態への操作を可能にすることにより、走行主変速装置13の出力軸13bによってミッションケース14に伝達されたエンジン駆動力が刈取り前処理装置5及び左右走行装置1L,1Rに伝達される伝動状態を現出するように走行作業状態になる。閉じ状態76aに切り換え操作されたクラッチバルブ76は、中立状態73Nにある操向バルブ73による左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rの切り状態への操作を可能にすることにより、走行主変速装置13の出力軸13bによってミッションケース14に伝達されたエンジン駆動力が左右走行装置1L,1Rに伝達されないで刈取り前処理装置5に伝達される伝動状態を現出するように停止作業状態になる。
図2に示すように、前記ミッションケース14の横側部の内部に駐車ブレーキ91を設けてある。この駐車ブレーキ91は、前記副変速装置20の前記出力軸24に制動作用するようになっており、この出力軸24の前記出力ギヤ22、前記センタギヤ26、前記左操向クラッチ30Lを介して左走行装置1Lにブレーキを掛け、前記出力ギヤ22、センタギヤ26、右操向クラッチ30Rを介して右走行装置1Rにブレーキを掛ける。
前記走行主変速装置13、前記クラッチバルブ76、前記駐車ブレーキ91、は、図17に示す如く運転部2のサイド操縦塔92に設けた変速レバー93、運転部床94の前端部に設けた伝動切り換えペダル95、運転部床94の横一端部に設けた駐車ブレーキペダル96を備えた走行操作装置によって操作するようになっており、この走行操作装置について、次に詳述する。
図7,8に示すように、変速レバー93の取り付け部93aが支点軸100を介してレバー支持部101aに回動自在に連結されている中継体101を、前記サイド操縦塔92にブラケット102を介して固定された支軸103に回動自在に支持させてあり、変速レバー93は、図8(ロ)の如きサイド操縦塔92の天板で成るレバーガイド104のガイド溝105に沿わせて機体前後方向に揺動操作するようになっている。
変速レバー93が機体前後方向に揺動操作されると、変速レバー93の途中部分が中継体101の前記レバー支持部101aの切欠き101bに入り込んで中継体101に係合していることによって中継体101が変速レバー93と共に支軸103の軸芯まわりで回動し、中継体101の操作アーム部101cが操作ケーブル利用の連動機構106を介して走行主変速装置13の操作部(図示せず)を操作する。変速レバー93が図8(ロ)に示す前進域Fや後進域Rに操作されて走行主変速装置13が前進側や後進側の伝動状態になった場合、前記支軸103の端部に設けてある摩擦機構107が中継体101に摩擦抵抗を付与して変速レバー93に制動作用することにより、変速レバー93が任意の操作位置に保持され、これによって走行主変速装置13が変速レバー93の操作位置に対応する変速伝動状態に保持される。
図9,10に示すように、前記伝動切り換えペダル95の回転支軸110を運転部床94の下方で回動自在に支持させ、伝動切り換えペダル95の前記回転支軸110から一体回動自在に延出された出力アーム111の先端部に位置するアウターホルダー112に一端側が保持されたアウターケーブル113aを有した操作ケーブル113、及び、この操作ケーブル113のインナーケーブル113bの一端側をクラッチバルブ76の前記操作部材76cに連結しているコイルスプリング114を備えて成る連動機構115によって、伝動切り換えペダル95とクラッチバルブ76の操作部材76cとを連動連結してある。前記アウターケーブル113aの前記出力アーム111に保持されている側とは反対側の端部は、ミッションケース14に固定されたホルダー116に保持させ、前記インナーケーブル113bの前記操作部材76cに連結している側とは反対側の端部は、伝動切り換えペダル95の下方で機体部分に固定されたホルダー116に連結してある。
すなわち、伝動切り換えペダル95は、回転支軸110の機体横向きの軸芯まわりで上下揺動するようになっており、伝動切り換えペダル95が操作部95aによって踏み込み操作されると、伝動切り換えペダル95の出力アーム111が機体後方向きに揺動操作されて操作ケーブル113のアウターケーブル113aの一端側を機体後方向きに移動操作することにより、この操作ケーブル113のインナーケーブル113bが引っ張り操作されて操作部材76cをバルブリターンバネ118に抗して閉位置CL(図10参照)に揺動操作する。
伝動切り換えペダル95の踏み込み操作が解除されると、伝動切り換えペダル95の前記出力アーム111に連結されたリターンバネ119(図9参照)のために伝動切り換えペダル95が上昇揺動して非踏み込み状態に復帰し、出力アーム111がアウターケーブル113aの一端側を機体前方向きに移動操作してペダル踏み込み前の元の位置に戻ることにより、操作ケーブル113のインナーケーブル113bが緩め操作されて操作部材76cをバルブリターンバネ118の操作力によって開位置OP(図10参照)に揺動操作する。
図9に示すように、駐車ブレーキペダル96の回転支軸120が運転部床94の下方に回動自在に支持されており、駐車ブレーキペダル96は、回転支軸120の機体横向きの軸芯まわりで上下揺動するようになっている。駐車ブレーキペダル96が踏み込み操作されたり、リターンバネ(図示せず)によって復帰揺動操作されると、回転支軸120から一体回動自在に延出された出力アーム121が揺動操作されて連動ロッド利用の連動機構122を介して前記駐車ブレーキ91の図2に示す揺動アーム形の操作部91aを揺動操作する。
図12に示す如く前記ミッションケース14の前記クラッチバルブ76の近くに位置する部分に設けたピン形牽制体131及び操作軸132が装備されて成るバルブ操作牽制機構130を前記走行操作装置に設けてある。
図12,14に示すように、前記牽制体131は、前記ミッションケース14に摺動自在に支持されており、操作軸132は、前記ミッションケース14に回動自在に支持されている。操作軸132のミッションケース内に位置する端部に、牽制体131の基端側に位置する凹入部131aに入り込んだ操作突起133を一体回動自在に備えさせてあり、操作軸132のミッションケース外に位置する端部に一体回動自在に備えられた操作アーム134が操作軸132の軸芯まわりで揺動操作されると、操作軸132が回動操作されて操作軸132と共に操作軸132の軸芯まわりで回動する前記操作突起133によって牽制体131を摺動操作するように構成してある。
すなわち、図12(イ)、図13に示すように、操作アーム134がロック域RONに操作されると、牽制体131は、この牽制体131の先端部がクラッチバルブ76の前記操作部材76cの移動経路RTに進入した取り付け状態に操作され、操作部材76cの開位置OPと閉位置CLの一方から他方への揺動作動を阻止するように操作部材76cに対して牽制体先端部によってストップ作用する状態になる。
図12(ロ)に示すように、操作アーム134がロック解除位置ROFに操作されると、牽制体131は、この牽制体先端部がクラッチバルブ76の前記操作部材76cの移動経路RTから退避した取り付け状態に操作され、操作部材76cの開位置OPと閉位置CLの一方から他方への揺動作動を許容するように操作部材76cに対する牽制体先端部によるストップ作用を解除した状態になる。
図6,12に示すように、前記操作アーム134をリターンバネ141によってロック解除位置ROFに切り換え付勢されるように構成し、操作アーム134に一端側が連動連結されたインナーケーブル142aを有した操作ケーブル142、前記インナーケーブル142aの他端側に連動連結された屈伸リンク143、この屈伸リンク143と前記変速レバー93とを連動させる連動機構150を備えて成る機械式の連係機構140により、牽制体131と変速レバー93とを連係させてある。
図7、図8(イ)に示すように、屈伸リンク143は、前記インナーケーブル142aに一端側が連動されたケーブル側リンク143aと、前記サイド操縦塔92に固定された前記ブラケット102に支軸144を介して一端側が回動自在に支持されたレバー側リンク143bとを備えて構成してある。
図7、図8(イ)に示すように、前記連動機構150は、前記中継体101、この中継体101に一体回動自在に設けた操作アーム151、この操作アーム151が備える長孔152に相対回動及び摺動自在に入り込むように構成して屈伸リンク143の前記レバー側リンク143bに固定された連動ピン153を備えて構成してある。屈伸リンク143の前記ケーブル側リンク143aの操作ケーブル142に連結している側の端部が、サイド操縦塔92の支点軸155から揺動自在に延出された揺動リンク156の遊端側に、ケーブル側リンク143aとインナーケーブル142aの連結用に兼用した連結ピン157を介して相対回動自在に支持されており、揺動リンク156は、屈伸リンク143を伸展状態に操作する側に伸展バネ158によって揺動付勢されている。これにより、連動機構150は、変速レバー93と屈伸リンク143を次の如く連動させている。
すなわち、変速レバー93が中位位置Nに操作されると、このレバー操作のために屈伸リンク143が伸展状態に操作されて操作ケーブル142のインナーケーブル142aを緩め操作する。変速レバー93が前進域Fに操作された場合と後進域Rに操作された場合とでは、操作アーム151の揺動方向が異なることに起因して屈伸リンク143の屈曲向きが異なるが、変速レバー93が前進域Fに操作された場合も後進域Rに操作された場合も、このレバー操作のために屈伸リンク143が伸展バネ158に抗して屈曲状態に操作されて操作ケーブル142のインナーケーブル142aを引っ張り操作するように、変速レバー93と屈伸リンク143を連動させている。
これにより、変速レバー93が中立位置Nに操作されて走行主変速装置13が伝動停止するように中立状態になると、操作アーム134がロック域RONに切り換え操作されるため、バルブ操作牽制機構130は、クラッチバルブ76が走行作業状態76bから停止作業状態76aに切り換え操作されることを牽制体131によって牽制するように、クラッチバルブ76が停止作業状態76aから走行作業状態76bに切り換え操作されることを牽制体131によって牽制するように牽制作用状態になる。変速レバー93が前進域Fに操作されて走行主変速装置13が前進駆動力を伝達するように前進伝動状態になった場合、及び、変速レバー93が後進域Rに操作されて走行主変速装置13が後進駆動力を伝達するように後進伝動状態になった場合、操作アーム134がロック解除位置ROFに切り換え操作され、バルブ操作牽制機構130は、クラッチバルブ76の走行作業状態76bから停止作業状態76aへの切り換わりも、停止作業状態76aから走行作業状態76bへの切り換わりも許容するように牽制解除状態になる。
従って、走行主変速装置13と牽制体131とは、前記連係機構140によって次の如く連係されている。
すなわち、走行主変速装置13が前進側の伝動入り状態にある場合、牽制体131が停止牽制手段になってクラッチバルブ76の走行作業状態76bから停止作業状態76aへの切り換わりを牽制するように牽制状態になり、走行主変速装置13が後進側の伝動入り状態にある場合、牽制体131が走行牽制手段になってクラッチバルブ76の停止作業状態76aから走行作業状態76bへの切り換わりを牽制するように牽制状態になるように、走行主変速装置13が伝動切りの中立状態にあると、牽制体131が牽制解除状態になるように連係されている。
図11に示すように、前記駐車ブレーキペダル96のペダルアーム96aに固定されたストッパー式の牽制手段161と、前記伝動切り換えペダル95の回転支軸110に一体回動自在に設けた被牽制部材162とを備えて成る停止牽制機構160を、駐車ブレーキペダル96と伝動切り換えペダル95との間に設けてある。
図11に二点鎖線で示される前記牽制手段161は、駐車ブレーキペダル96が非踏み込み状態にある場合での牽制手段を示し、図11に実線で示される前記牽制手段161は、駐車ブレーキペダル96がブレーキ入りの踏み込み状態にある場合での牽制手段を示すように、駐車ブレーキペダル96が踏み込み操作されると、牽制手段161が非操作位置にある伝動切り換えペダル95に対してストッパー作用するように前記被牽制部材162に当接した状態又はこれに近い状態になって伝動切り換えペダル95が踏み込み操作されることを阻止するように牽制作用状態になり、駐車ブレーキペダル96が非踏み込み状態にあると、牽制手段161が伝動切り換えペダル95に対するストッパー作用を解除するように前記被牽制部材162から離間した状態になって伝動切り換えペダル95が踏み込み操作されることを許容するように牽制解除状態になる。
これにより、駐車ブレーキ91が入り状態に操作されていると、停止牽制機構160は、牽制手段161の伝動切り換えペダル95に対するストッパー作用によってクラッチバルブ76の停止作業状態76aへの切り換え操作を牽制するように牽制作用状態になり、駐車ブレーキ91が切り状態になっていると、停止牽制機構160は、牽制手段161の伝動切り換えペダル95に対するストッパー作用の解除によってクラッチバルブ76の停止作業状態76aへの切り換え操作を許容するように牽制解除状態になる。
また、伝動切り換えペダル95が踏み込み操作状態にある場合、駐車ブレーキペダル96が踏み込み操作されると、牽制手段161が操作面161aのカム作用によって被牽制部材162に当接して伝動切り換えペダル95を押し上げ上昇操作するべく作用するように構成してあり、停止牽制機構160は、クラッチバルブ76が停止作業状態76aに在る状態で駐車ブレーキ96を掛けようと操作された際、クラッチバルブ76を走行作業状態76bに戻し操作するべく作動する。
つまり、機体を走行させながら刈取りする作業を行なう場合、クラッチペダル95を操作しないでクラッチバルブ76を走行作業状態76bにして、エンジン駆動力が刈取り前処理装置5にも走行装置1L,1Rにも伝達される伝動状態を現出される状態にしておいて、変速レバー93を前進域Fに操作する。すると、走行主変速装置13が前進側の伝動状態になり、エンジン3から走行主変速装置13に伝達されてこの走行主変速装置13によって変速レバー93の操作位置に対応する速度の前進駆動力に変速して出力軸13bから出力された駆動力が中間軸15及び伝動機構17を介して前処理駆動軸18に伝達されて、刈取り前処理装置5の引起し装置5c、刈取装置5d、搬送装置5eを駆動することができる。これとともに、走行主変速装置13の出力軸13bから出力された前進駆動力が中間軸15及び走行ミッションSMを介して左走行装置1L及び右走行装置1Rのクローラ駆動輪体1aに伝達され、左右の走行装置1L,1Rを前進側に駆動して機体を前進走行させることができる。
このとき、操向レバー90を中立位置Sにすると、操向バルブ73が中立状態73Nになって左操向クラッチ30Lも右操向クラッチ30Rも入り状態に操作されて左右の走行装置1L,1Rをセンタギヤ26から操向クラッチ30L,30Rを介して伝達される駆動力によって同一の駆動速度で駆動することができ、機体が直進走行する。
操向レバー90を中立位置Sから機体左側に揺動操作して左第1旋回位置L1にすると、操向バルブ73が左旋回状態73Lになって左操向クラッチ30Lが切り状態に、右操向クラッチ30Rが入り状態にそれぞれ操作され、これとともにリリーフバルブ83が低リリーフ圧に設定操作されて減速伝動クラッチ55も旋回ブレーキ60も切り状態に維持されて左走行装置1Lを停止させながら、右走行装置1Rをセンタギヤ26から右操向クラッチ30Rを介して伝達される駆動力によって駆動することができ、機体が左向きに緩旋回走行する。
操向レバー90をさらに機体左側に揺動操作して左第2旋回位置L2にすると、操向バルブ73が左旋回状態73Lにあって左操向クラッチ30Lが切り状態に、左旋回補助クラッチ40Lが入り状態に、右操向クラッチ30Rが入り状態にそれぞれ操作される。これとともにリリーフバルブ83が高リリーフ圧に設定操作されることから、モード切り換えバルブ80をソフト旋回状態80aに切り換えてある場合、減速伝動クラッチ55が入り状態に操作され、左走行装置1Lをセンタギヤ26から旋回伝動ミッション50及び左旋回補助クラッチ40Lを介して伝達される駆動力によって右走行装置1Rよりも低速で駆動しながら、右走行装置1Rをセンタギヤ26から右操向クラッチ30Rを介して伝達される駆動力によって左走行装置1Lよりも高速で駆動することができ、機体が左向きに大回り旋回走行する。また、モード切り換えバルブ80をブレーキ旋回状態80bに切り換えてある場合には、旋回ブレーキ60が入り状態に操作され、左走行装置1Lに左旋回補助クラッチ30Lを介して旋回ブレーキ60による摩擦制動を作用させながら、右走行装置1Rをセンタギヤ26から右操向クラッチ30Rを介して伝達される駆動力によって駆動することができ、機体が左向きにブレーキ旋回走行する。
操向レバー90を中立位置Sから機体右側に揺動操作して右第1旋回位置R1にすると、操向バルブ73が右旋回状態73Rになって左操向クラッチ30Lが入り状態に、右操向クラッチ30Rが切り状態にそれぞれ操作され、これとともにリリーフバルブ83が低リリーフ圧に設定操作されて減速伝動クラッチ55も旋回ブレーキ60も切り状態に維持されて右走行装置1Rを停止させながら、左走行装置1Lをセンタギヤ26から左操向クラッチ30Lを介して伝達される駆動力で駆動することができ、機体が右向きに緩旋回走行する。
操向レバー90をさらに機体右側に揺動操作して右第2旋回位置R2にすると、操向バルブ73が右旋回状態73Rにあって右操向クラッチ30Rが切り状態に、右旋回補助クラッチ40Rが入り状態に、左操向クラッチ30Lが入り状態にそれぞれ操作される。これとともにリリーフバルブ83が高リリーフ圧に設定操作されることから、モード切り換えバルブ80をソフト旋回状態80aに切り換えてある場合、減速伝動クラッチ55が入り状態に操作され、右走行装置1Rをセンタギヤ26から旋回伝動ミッション50及び右旋回補助クラッチ40Rを介して伝達される駆動力によって左走行装置1Lよりも低速で駆動しながら、左走行装置1Lをセンタギヤ26から左操向クラッチ30Lを介して伝達される駆動力によって右走行装置1Rよりも高速で駆動することができ、機体が右向きに大回り旋回走行する。また、モード切り換えバルブ80をブレーキ旋回状態80bに切り換えてある場合には、旋回ブレーキ60が入り状態に操作され、右走行装置1Rに右旋回補助クラッチ40Rを介して旋回ブレーキ60による摩擦制動を作用させながら、左走行装置1Lをセンタギヤ26から左操向クラッチ30Lを介して伝達される駆動力によって駆動することができ、機体が右向きにブレーキ旋回走行する。
畦際で刈取りするなど、機体を停止させながら機械刈りする作業を行なう場合、操向レバー90を中立位置Sに操作し、操向バルブ73が中立状態73Nになって左操向クラッチ30Lの油圧ピストン32にも、右操向クラッチ30Rの油圧ピストン32にも圧油供給することができる状態を現出しておき、変速レバー93を中立位置Nに操作してバルブ操作牽制機構130の牽制体131を牽制解除状態に操作しながら、伝動切り換えペダル95を踏み込み操作する。変速レバー93を前進域Fや後進域Rに位置させたままで伝動切り換えペダル95を操作しても、牽制体131が牽制状態にあってクラッチバルブ76の操作部材76cにストップ作用してコイルバネ114が伸張側に弾性変形して、操作ケーブル113が伸びるなど連動機構115が破損や変形することを回避しやすくなる。また、コイルバネ114の伸張のために伝動切り換えペダル95が下降揺動するが、牽制体131が牽制状態にあってクラッチバブル76が走行作業状態76bから停止作業状態76aに切り換わらないため、変速レバー93を中立位置Nに操作して牽制体131を牽制解除状態に操作しながら伝動切り換えペダル95を再度、踏み込み操作する。伝動切り換えペダル95の踏み込み操作によってクラッチバルブ76が停止作業状態76aに切り換わり、エンジン駆動力が左右の走行装置1L,1Rに伝達されないで刈取り前処理装置5に伝達される伝動状態を現出される状態になると、変速レバー93を前進域Fに操作する。すると、走行主変速装置13が前進側の伝動状態になり、エンジン3から走行主変速装置13に伝達されてこの走行主変速装置13によって変速レバー93の操作位置に対応する速度の前進駆動力に変速して出力軸13bから出力された駆動力が中間軸15及び伝動機構17を介して前処理駆動軸5に伝達されるのに対し、走行主変速装置13の出力軸13bから出力された前進駆動力が中間軸15を介して走行ミッションSMのセンタギヤ26まで伝達されるが、左右操向クラッチ30L,30Rの切り状態のために左右左走行装置1L,1Rのクローラ駆動輪体1aには伝達されず、左右の走行装置1L,1Rを停止させながら、刈取り前処理装置5の引起し装置5c、刈取装置5d、搬送装置5eを駆動することができる。
また、クラッチバルブ76を停止作業状態76aに切り換え操作する際、駐車ブレーキ96が入り状態に操作されていると、停止牽制機構160の牽制手段161が牽制状態になっており、伝動切り換えペダル95を操作しても、伝動切り換えペダル95が下降揺動しなくてクラッチバルブ76を停止作業状態76aに切り換え操作することができなくなっている。
すなわち、駐車ブレーキ91が入り状態になっていても、左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rが切り状態に操作されて左右走行装置1L,1Rが停止されると、駐車ブレーキ91が走行装置1L,1Rに効かなくなるため、この事態の発生を回避するようになっている。
機体停止させながら機械刈りする作業を行なう間、変速レバー93を前進域Fに操作しておくことから、牽制体131が牽制状態に操作されており、この牽制体131は、クラッチバルブ76の閉位置CLにある操作部材76cに対してストップ作用してクラッチバルブ76を停止作業状態76aにリターンバネ118に抗して保持する。これにより、クラッチバルブ76を停止作業状態76に保持するように伝動切り換えペダル95を踏み込み状態に維持する操作を行なわなくとも楽に作業を行なうことができる。
機体停止させての機械刈り作業を終えた際、クラッチバルブ76を走行作業状態76bに切り換えて走行装置1L,1Rの駆動を可能にするのであるが、この場合、変速レバー93を前進域Fにしてあって走行主変速装置13が伝動状態になったままであると、バルブ操作牽制機構130の牽制体131が牽制状態になっていて操作部材76cにストップ作用することから、クラッチバルブ76を走行作業状態76bに切り換え操作することができない。このため、変速レバー93を中立位置Nに操作して走行主変速装置13を中立状態にしてからクラッチバルブ76を走行作業状態76bに切り換える。また、このとき、主変速レバー93を中立位置Nに操作すると、牽制体131が牽制状態から牽制解除状態に切り換わってクラッチバルブ76の操作部材76cに対するストップ作用を解除することから、クラッチバルブ76は、バルブリターンバネ118、及び、伝動切り換えペダル95のリターンバネ119のために走行作業状態76bに自ずと復帰する。
図17,18に示すように、運転部床94の前記伝動切り換えペダル95の両横側方に、運転部床94の上面よりも上方に突出した足載せ台171,172を設けてある。図9,16に示す如く伝動切り換えペダル95が非踏み込み状態にある場合において、伝動切り換えペダル95の操作部95aが前記両足載せ台171,172の足載せ面171a,172aよりも若干高い配置高さに位置する状態に、かつ、図17,18の如く前記一対の足載せ台171,172のうち、伝動切り換えペダル95に対して運転部乗降口173が位置する側に配置されている足載せ台172の機体後方側端172bが、他方の足載せ台171の機体後方側端171bよりも機体前方側に位置する状態に両足載せ台171,172を構成してある。両足載せ台171,172は、両足載せ台171,172の前端側が連結部によって連結された状態の単一の部材になっている。
すなわち、伝動切り換えペダル95を運転部床上の障害物になりにくいように運転座席2aから前方に比較的離れて位置するように配置すると、着座状態では伝動切り換えペダル95の横側方での運転部床上面に足が届きにくくなるが、伝動切り換えペダル95の両横側方には、運転部床上面よりも高い配置高さに位置した足載せ面171a,172aが存在していることにより、楽に足を置くことができるようになっている。また、足載せ台171,172に載せた足を足載せ面171a、172aに沿わせてペダル側に移動させると、足載せ面171a、172aよりも上方に突出しているペダル部分に足が当接し、これによって伝動切り換えペダル95の位置を容易に認識して伝動切り換えペダル95を操作しやすくなっている。運転部2に対する乗り降りを行なう際、運転部乗降口173に近い方の足載せ台172の後端172bが他方の足載せ台171の後端171bよりも機体前方側に位置していて、この乗降口側の足載せ台172が障害物になりにくくなる。
図19は、別の実施形態を備えた走行操作装置を示し、この走行操作装置にあっては、クラッチバルブ76とリリーフバルブ83とモード切り換えバルブ80とを連係させた連係機構176を備えている。
この連係機構176は、クラッチバルブ76が停止作業状態76aに切り換え操作されると、これに伴ってリリーフバルブ83のリリーフ圧が高圧側に変化し、モード切り換えバルブ80がブレーキ旋回状態80bに切り換わるように各バルブ76,83,80を連係させている。
これにより、機体停止させながら刈取り前処理装置5によって機械刈りする作業が行なわれる際、旋回ブレーキ60が入り状態に操作されて左旋回補助クラッチ40Lを介して左走行装置1Lに、右旋回補助クラッチ40Rを介して右走行装置1Rにそれぞれ制動作用し、左操向クラッチ30L及び右操向クラッチ30Rが切り状態に操作されていながらも、旋回ブレーキ60を駐車ブレーキに利用して左右の走行装置1L,1Rにブレーキをかけながら作業することができる。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、走行主変速装置13が伝動切り状態にあると、牽制体131が牽制状態になってクラッチバルブ76を停止作業状態76aと走行作業状態76bの一方から他方に切り換え操作できないように牽制されるように構成して実施してあるが、走行主変速装置13が伝動切り状態にある場合に牽制体131が牽制状態にされるようにするのみならず、走行主変速装置13が前進側や後進側の伝動状態にあっても低速の伝動状態であって、走行装置1L,1Rが伝動状態になっても発進や停止ショックが発生しないものとして設定した設定低速伝動状態に走行主変速装置13がある場合にも、牽制体131が牽制状態にされるように構成して実施してもよい。
上記実施形態の如く旋回ブレーキ60と旋回伝動ミッション50の両方を備えて構成したものの他、操向バルブ73が左旋回状態73Lや右旋回状態73Rに切り換え操作されると旋回内側の走行装置1L,1Rに旋回ブレーキ60がかかる状態と、旋回外側の走行装置1R,1Lよりも減速伝動される状態のいずれか一方のみが現出されるように旋回ブレーキ60と旋回伝動ミッション50のいずか一方のみを備えて構成したものの場合にも本発明は適用できる。
コンバイン全体の側面図 伝動系の概略図 操向クラッチ、旋回伝動ミッション、操向ブレーキの断面図 操向ブレーキ、旋回補助クラッチ、減速伝動クラッチの断面図 油圧回路図 変速レバーとバルブ操作牽制機構の連係機構の側面図 変速レバー及び屈伸リンクの配設部の側面図 (イ)は、変速レバー配設部の断面図、(ロ)は、変速レバーの操作位置の平面図 伝動切り換えペダルとクラッチバルブの連係構造の側面図 クラッチバルブ配設部の側面図 伝動切り換えペダル、駐車ブレーキペダル、停止牽制機構の側面図 (イ)は、バルブ操作牽制機構の牽制作用状態での側面図、(ロ)は、バルブ操作牽制機構の牽制解除状態での側面図 (イ)は、バルブ操作牽制機構の牽制体の牽制作用状態、及び、クラッチバルブ操作部材の開位置での側面図、(ロ)は、バルブ操作牽制機構の牽制体の牽制作用状態、及び、クラッチバルブ操作部材の閉位置での側面図 バルブ操作牽制機構の牽制体と操作軸の連動状態を示す平面図 シーケンスバルブの断面図 運転部の側面図 運転部の平面図 伝動切り換えペダル及び足載せ台の斜視図 別の実施形態を備えた走行操作装置の油圧回路図
符号の説明
1L 左走行装置
1R 右走行装置
30L 左操向クラッチ
30R 右操向クラッチ
32 操向クラッチの油圧ピストン
34 操向クラッチの油室
40L 左旋回補助クラッチ
40R 右旋回補助クラッチ
43 旋回補助クラッチの油圧ピストン
50 旋回伝動ミッション
57 旋回伝動ミッションの油圧ピストン
60 旋回ブレーキ
63 旋回ブレーキの油圧ピストン
73 操向バルブ
73a 操向バルブの排油ポート
76 クラッチバルブ
77 排油路

Claims (2)

  1. 左走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の左操向クラッチ、前記左走行装置に作用する油圧操作式の左旋回補助クラッチ、右走行装置に作用する入り付勢の油圧操作式の右操向クラッチ、前記右走行装置に作用する油圧操作式の右旋回補助クラッチを備え、
    前記左旋回補助クラッチによって前記左走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられ、かつ、前記右旋回補助クラッチによって前記右走行装置に対する作用状態と作用解除状態とに切り換えられる旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを備え、
    前記左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンに接続された操向バルブを備えるとともに、左操向クラッチ及び右操向クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りになるように左操向クラッチ、左旋回補助クラッチ、右操向クラッチ、右旋回補助クラッチそれぞれの油圧ピストンから排油する中立状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが切りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが入りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油する左旋回状態と、左操向クラッチ及び右旋回補助クラッチが入りで、左旋回補助クラッチ及び右操向クラッチが切りになるように左操向クラッチ及び左旋回補助クラッチの油圧ピストンから排油するとともに右操向クラッチ及び右旋回補助クラッチの油圧ピストンに圧油供給する右旋回状態とを前記操向バルブに備え、
    前記左操向クラッチ及び前記右操向クラッチの前記油圧ピストンのための油室から前記旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションの油圧ピストンに圧油を供給して旋回ブレーキ又は旋回伝動ミッションを入り操作する操作油路を備えてあるコンバインの走行操作装置であって、
    前記操向バルブの排油ポートに接続された排油路に、この排油路を開閉するクラッチバルブを設けてあるコンバインの走行操作装置。
  2. 前記クラッチバルブが前記排油路を閉じる状態に切り換わると、前記操作油路に接続されたリリーフ油路のリリーフバルブが高圧側に切り換わり、前記クラッチバルブが前記排油路を開く状態に切り換わると、前記リリーフバルブが低圧側に切り換わるようにクラッチバルブとリリーフバルブとを連係させてある請求項1記載のコンバインの走行操作装置。
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