JP2006284164A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、イオン化部の放電電極構成を最適化することにより、デザイン性の向上とマイナスイオン発生効率の最大化を両立しつつ、通風抵抗の増大を抑制し、結露等の信頼性の向上を図ることのできるマイナスイオン発生装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明は、マイナスイオン発生装置において、送風機の送風方向と垂直かつ、その先端が吹出口の間口中央部を向くように互いに並行して突設される複数本の針状の発生電極からなる電極構造7,8とし、また、前記複数の針状電極は吹出口間口方向に対して互いに平行となるように配置し、高電圧が印加された針状電極と接地された針状電極の高さを異なる構成とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機に関し、特に空気調和機吹出口に取り付けられる、負の高電圧を印加することでマイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生装置または空気清浄装置、特にイオン化部における放電電極構造の改良に関するものである。
従来の高電圧を印加したマイナスイオン発生装置は、負の高電圧を印加する放電電極と接地された対向電極との間でコロナ放電を生じさせるイオン化部と、その電極を保護する格子状の外郭から構成される。図6は例えば特許文献1に示された従来のマイナスイオン発生装置を取り付けた空気調和機室内ユニットの断面図である。また図7(a),(b)は前記従来のマイナスイオン発生装置の斜視図及び断面図である。
図6で14はユニット本体、2は室内熱交換器、3は室内送風機(CFF)、5はマイナスイオン発生装置である。この図からわかるように、従来のマイナスイオン発生装置5は上記送風機の送風路の吹出口4近傍の上面壁に取り付けられ、マイナスイオンが放射され、吹出口4から室内空間に供給される。このような構成によって、所望の空気調和と、人体に好影響を与えるマイナスイオンの供給が、ともに効率よくなされる。
上記送風機の送風方向と平行で、かつ、その先端が送風下流側に向くように互いに並行して突設される複数本の針状の発生電極16が表面が帯電防止処理された保護用容器15で覆われている。またこの発生電極16の先端と対向部位で、かつ、送風路の送風方向に沿って開口して設けられるスリットを有することで、マイナスイオンを十分に放出することができるとともに、作業の際に、指先が針状電極16に触れる等して感電したり、保護用容器15内に異物が混入したりすることを防止することができる。
特開2003−74888号公報
上述したマイナスイオン発生器を有する室内空気調和機には、次のような問題があった。マイナスイオンの発生量を増加させるために、電極針16を送風路下流方向へ向けて配置した場合、発生器5の高さを抑制することは可能であるが、奥行き方向の長さが、高電圧が印加された電極の安全性を考慮すると40mm程度は必要であり、空気調和機としての高性能化と室内機奥行き方向の薄さを訴求している現状の空気調和機においては、CFF(クロスフローファン)と保護容器外郭との距離が必要以上に短くなってしまい、マイナスイオン発生器を一つだけしか設置しない場合でも、大幅な送風性能の低下を招いてしまうという問題があった。またこのマイナスイオン発生器の吹出口での取り付け位置を左右方向に変更を行っても、この課題は解決できない。また吹出口の、なるべく風下側に発生器を配置した場合には、CFFとの距離は確保できるものの、上下羽根との干渉や外気の巻き込みによる結露の発生といった課題を有している。さらに室内機のデザイン性の要請から上下風向変更羽根の取り付け位置が上側に移動したため、吹出口上面への取付けが困難になり、下側もしくは左右側面への取付けを余儀なくされる。しかしその場合、高さが十分ないため電極針周辺での風速が十分でなく、マイナスイオン発生器から放出するマイナスイオンが十分に吹出風にのらず、性能の低下を招くという課題も有していた。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、イオン化部の放電電極構成を最適化することにより、マイナスイオン発生効率を最大化しつつ、通風抵抗の増大を抑制し、結露等の信頼性の向上を図ることのできるマイナスイオン発生装置を得る
ことを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、マイナスイオン発生装置において、送風機の送風方向と垂直かつ、その先端が吹出口の間口中央部を向くように互いに並行して突設される一対以上の針状の発生電極からなる電極構造としたものである。
また本発明は、一対以上の針状電極が吹出口間口方向に対して互いに平行となるように配置された構成を特徴とするものである。
また本発明は、一対以上の針状電極において、高電圧が印加された針状電極と接地された針状電極の高さが異なる構成を特徴とするものである。
また本発明は、一対以上の針状電極は、負の高圧電極針と接地電極針とで構成されてなるものである。
本発明の空気調和機は、マイナスイオン発生器の放電電極針を吹出口鉛直方向に配置することによって、CFFと発生器との間で所定の距離を確保することで通風抵抗の増大を抑制しつつ、信頼性が高く、効率の良いマイナスイオンの供給を可能とするという効果を奏する。
本発明は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせ、発生させたコロナ放電電流によりマイナスイオンを発生させ、吹出口から室内環境へ、冷却又は加熱された空気と共に放出することで、人体に好影響を与えるマイナスイオンの供給を効率よく行うマイナスイオン発生器の電極構成に関するものであり、送風機の送風性能を悪化させることなく、信頼性の高い放電を行うことのできる針状電極の構成に関するものである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図3は本発明のマイナスイオン発生装置の概略断面図である。
図3において、マイナスイオン発生装置5は吹出口4に流入する空気にマイナスイオンを放出するものである。
室内機の吸込口1から吸引された空気を熱交換器2を通過させることで熱交換し、冷却または加熱する。その後室内送風回路であるCFF3によって吹出口4より室内環境へ送り出され、所定の空調となるよう調整される。その過程において吹出口4を通過する際に、吹出口4下部に配置されたマイナスイオン発生器5によって人体に好影響を与えるマイナスイオンが吹出風に混合され、上下風向変更羽根6及び左右風向変更羽根によって所定の方向へ調整された後、吹出される構成となっている。
ここで従来の構成によれば、マイナスイオン発生器5の取り付け位置は、図6に示されるように吹出口4上部に、風の流れに沿うように配置されていた。このような構成をとることによって室内機送風性能に大きな影響を持つ要因の一つである、開口部の断面積の減少を抑制することができる。また図示はしないが、吹出口4左右側壁に同様に配置される事例もあるが、同様の効果を有することが知られている。しかし、吹出口左右からの高温多湿空気の巻き込みによる結露発生の問題が別途有る。
しかしながらこれらのような従来の構成では、たとえば図2のように上下風向変更羽根6の上下方向の取り付け位置が、運転停止時の室内機前面、特に上下風向変更羽根6周辺のデザイン性から上方へ移動することがあり、その場合、送風運転を行うと、上下風向変更羽根6を上向きにしたとしても、変更羽根6の軸心が上気味になっていることから、CFF3から吹出口4へ送られる風が上下風向変更羽根6上側には流れにくくなり羽根6下側を通る風はそのまま下方向へ吹出してしまう。その結果、吹出口4の下部に配置されているマイナスイオン発生器5によって発生、放出されるマイナスイオンも下方向へ吹出され、部屋全体へ行き渡ることなく室内機から下の部屋の手前側にしか行き渡らないことになってしまう。また構造的に、上側へ移動してきた上下風向変更羽根6と干渉し、吹出口4上側にはマイナスイオン発生器5を取り付ける事ができない。
また、最近の室内空気調和機への要求として、デザイン性や設置性から奥行き方向の薄さに対する要求が強く存在し、その結果、CFF3の小口径化や熱交換器2の薄型化が求められ、吸い込み空気が熱交換器2を通過しCFF3へと吸引される風の流れが垂直化し、吹出口4を通過する風も垂直下向きへの風向が強まる傾向にあり、吹出口4下部に配置したマイナスイオン発生器5では、放出されるマイナスイオンも下方向へ吹出され、部屋全体へ行き渡ることなく室内機から下の部屋の手前側にしか行き渡らないことになってしまう。
このような課題に対し、本発明においては、図5に示されるようにマイナスイオン発生器5そのものを吹出口4下側に設置して上下風向変更羽根6との干渉を避け、さらにCFF3との距離を長く取ることによって送風性能の低下を抑制できる。
このマイナスイオン発生器5において、断面図3に示されるように負の高電圧を印加する電極針7と対向する接地電極針8を垂直上向き、すなわちこの図の場合吹出口上方向へ向けて配置し、さらに前記電極7、8を保護する格子状の籠9で覆うマイナスイオン発生器を配置している。前述した負の高圧電極針7と対向する接地電極針8は台座10に固定され、お互いに平行になるように配置される。本実施の形態1の場合、針の長さは15〜20mm程度であり、負の高圧電極針7と接地された電極針8は長さが約3mm程度異なる。但しどちらが長くても良い。本実施の形態では負の高圧電極針7を長くした。長さの異なる針を使用する事によって放電の安定性とマイナスイオン発生量の性能向上が約10%程度得られた。また室内空気の集塵能力も同様に約10%の向上が得られた。
また電極針は共に、台座10にビス11によって平行に固定され、両者間の距離が保たれている。本実施の形態1の場合、約17mmである。電極の固定された台座10は図1に示すように吹出口4下部に埋めこまれ、吹出口4を極力ふさがないように構成されている。この台座10のうち電極の固定部は、斜視図4に示されるように、外部より掘り込まれて配置され、沿面放電を抑制するために周囲を樹脂壁12によって遮られている。特に電極と電極の間は十分な距離が得られる構成になり、一般的に空気調和機の製品寿命であるとされている約10年の運転時間を経ても沿面放電が発生しないように構成されている。各電極針7、8はコネクター13によって電線と接続され台座の下方向へ引き出され、室内機背面下部の接続配管収納部(図示せず)を引き回され、室内電装品部(図示せず)へと結線されている。本実施の形態1の場合には、高電圧として約−5.8kVを印加し、放電電流は約1μAである。
電極部を保護する格子状の籠9は、通風抵抗が増大しないように、指が入らない程度の格子間距離を持ちつつ、できるだけ細くされている。さらに負の高電圧部の針7近傍には、絶縁物であっても格子等が存在する場合、針からの放電が悪影響を受け放電性能低下の大きな原因となるため、負の高電圧針7の上流側格子は、接地された電極針8のものより
も粗い格子の構成になっている。本実施の形態1では、接地された電極針8の側で約2mm間隔、負の高電圧針7で約5mm間隔である。また接地された電極針8の方が実使用上汚れが付着しやすく、その意味からも接地された電極針8の側を細かな格子間隔としている。
マイナスイオン発生器5は、吹出口の斜視図1に示されるように、吹出口4下部の中心部分に配置されている。従来左右のいずれかに配置されている場合が多いが、左右両端の場合、周辺空気巻き込みによる結露発生の問題を有し、また中央部でも両端でも送風性能への影響は全く同じであるため中心部分に配置している。
以上のような構成とすることにより、通風抵抗の増大を必要最低限に抑制しつつ、高い信頼性を持つマイナスイオン発生器5を実現することができる。
以上のように、本発明の空気調和機は、マイナスイオン発生器の放電電極針を吹出口鉛直方向に配置することによって、CFFと発生器との間で所定の距離を確保することで通風抵抗の増大を抑制しつつ、信頼性が高く、効率の良いマイナスイオンの供給が可能となるので、各種のマイナスイオン発生装置等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1であるマイナスイオン発生装置の概略斜視図 従来の上下風向変更羽根の取り付け位置を示す断面図 本発明の実施の形態1であるマイナスイオン発生装置の断面図 本発明の実施の形態1であるマイナスイオン発生装置の台座を示す概略斜視図 本発明の実施の形態1であるマイナスイオン発生装置を取り付けた空気調和機室内ユニットの断面図 従来のマイナスイオン発生装置を取り付けた空気調和機室内ユニットの断面図 (a)従来のマイナスイオン発生装置の斜視図(b)従来のマイナスイオン発生装置の縦断面図
符号の説明
1 吸込口
2 熱交換器
3 CFF
4 吹出口
5 マイナスイオン発生器
6 上下風向変更羽根
7 マイナスイオン発生器の電極針
8 マイナスイオン発生器の接地電極針
9 マイナスイオン発生器の格子状の籠
10 マイナスイオン発生器の台座
11 ビス
12 樹脂壁
13 コネクター
14 ユニット本体
15 保護用容器
16 針状の発生電極

Claims (4)

  1. 空気調和機本体内に熱交換器と送風機を収容し、上記空気調和機本体内に室内空気を吸込んで上記熱交換器と熱交換させ、上記送風機を介して吹出口から室内へ吹出す空気調和機において、上記送風機の送風路の吹出口近傍に取り付けられ、発生したマイナスイオンを吹出空気流にのせて本体外へ排出して室内雰囲気中に供給する機能を有するマイナスイオン発生装置が、上記送風機の送風方向と垂直かつ、その先端が吹出口の間口中央部に向くように互いに並行して突設される一対以上の針状の発生電極からなる電極構造を有することを特徴とする空気調和機。
  2. 一対以上の針状電極は、吹出口間口方向に対して互いに平行となるように配置されたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 一対以上の針状電極は、高電圧が印加された針状電極と接地された針状電極の高さが異なることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  4. 一対以上の針状電極は、負の高圧電極針と接地電極針とで構成されてなることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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