以下、本発明に係るパチンコ機の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、パチンコ機の一形態を示す正面図である。このパチンコ機1は、遊技領域の略中央部にいわゆるセンター役物として複数の図柄を変動表示あるいは停止表示させる可変表示装置2を備えたパチンコ機である。図示を省略する発射装置から遊技球が打ち出され、打ち出された遊技球が所定の入賞口へ入賞すると、その入賞に基づいて可変表示装置2に複数の図柄(数字や絵柄等)が所定時間変動表示される。所定時間経過後に抽選によって乱数の中から選択された図柄が停止表示され、その停止表示された図柄が予め定められた特定の組み合わせ図柄である場合、大入賞口3が所定時間連続して開放し遊技球の入賞し易い状態となって短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)が発生する。
パチンコ機1は、外枠20を備え、外枠20の前面側には、外枠20に対して開閉可能に額縁状の内枠21が蝶着され、内枠21内、即ち、額縁の内側には、遊技盤が内枠21に対して着脱可能に取り付けられている。また、内枠21の前面側には、遊技盤の前面を覆うように、内枠21に対して開閉可能にガラス枠4が蝶着されている。ガラス枠4の中央部には、窓部が形成されており、その窓部を塞ぐように透明ガラスが装着されている。従って、ガラス枠4の奥側(ガラスの裏側)には、該ガラスを透して遊技者側から遊技盤が視認可能な状態であり、ガラス枠4の窓部の大きさに対応して、即ち、ガラスを透して遊技者が視認可能な遊技盤上の位置に遊技領域5が形成されている。また、ガラス枠4には、特定の遊技状態であること、例えば、大当り遊技状態であることを表示する複数の表示灯6、あるいは遊技のエラー状態である賞球払出しエラー等を表示する表示灯6'、及び、遊技状態に応じて所定の音楽あるいは音声を出力するスピーカ7、7'が設けられている。
遊技盤上には、発射装置から打出された遊技球を誘導する略円弧状の外レール8a及び内レール8bが設けられ、この二つのレール8aと8bによって囲まれた部分が遊技領域5を形成している。遊技球はこの遊技領域5を流下し、また遊技球が遊技領域5に設けられている入賞口に入賞する等の所定の条件を満たすと予め定められた賞球が払い出される。遊技領域5の略中央には可変表示装置2が設けられ、この可変表示装置2には、図柄の変動表示が行われる可変表示部9が設けられている。可変表示部9には、左表示部9a、中表示部9b、右表示部9cの3つの表示部が設けられ、それぞれの表示部には、複数の図柄が独立して変動表示、および停止表示される。
可変表示装置2の下側には始動入賞口10が設けられており、この始動入賞口10への遊技球の入賞に基づいて可変表示部9に図柄の変動表示動作が開始される。始動入賞口10の下側には、可変表示部9a〜9cに特定の図柄が停止表示したとき、例えば、「7」、「7」、「7」のように同じ図柄が3つ停止表示したとき(以下、大当たり状態ともいう)に所定時間継続して開放状態となる大入賞口3が設けられている。また、大入賞口3の内部にはV入賞ゾーンが設けられており、大入賞口3の開放中、いわゆるラウンド中に大入賞口3に入賞した遊技球がこのV入賞ゾーンを通過すると、そのラウンドが終了し閉状態となった大入賞口3が再度開放状態となる。このように大当たり状態の発生により、短時間で多くの賞球を得ることが可能となり、遊技者に有利な特別遊技状態が発生する。大入賞口3の左右両側には、一般入賞口11が設けられている。また、大入賞口3の下側には、遊技領域5を流下していずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球、いわゆる外れ球が排出されるアウト口12が設けられている。
遊技盤の前面を覆うガラス枠4の下方部には、球皿部13を備えた一体皿14が配設されている。この一体皿14の球皿部13には、図示を省略する遊技球の貯留タンクと連通し、貯留タンクの遊技球を球皿部13へ流出させる連通口15が形成されている。一体皿14は、図1において左辺部を支軸として内枠21に対して開閉可能な状態に取り付けられている。一体皿14の左側下部には灰皿16が設けられ、右側下部には遊技者の操作によって発射装置から発射される遊技球の発射強度、即ち、遊技球の飛距離を調整するための発射強度操作装置17が設けられている。発射強度操作装置17は、その操作部に設けられたスイッチ操作によって発射装置からの遊技球の発射状態をデジタル制御方式により調整する設定手段であり、スイッチ操作に伴なってデジタルデータを出力している。そして、このデジタルデータによって遊技球の発射強度が決定され、遊技球は発射装置から発射されている。発射強度操作装置17の上側には、遊技球の発射強度を調整するスイッチの操作が受け付け可能状態にあるか否かを報知するための報知手段である強度調整可能表示灯18が設けられている。
図示は省略されているが、一体皿14の裏側には、電気的駆動源としてソレノイドを備えた、遊技球の発射装置が設けられている。遊技者による発射強度操作装置17の調整結果は、デジタルデータをD/A変換したDC電圧として出力され、この発射強度操作装置17から出力される電圧を基にしてソレノイドが励磁され、その励磁力によってソレノイドが遊技球を打ち出す。発射強度操作装置17から出力される電圧は、例えば、発射強度操作装置17の最小調整量から最大調整量に対応してDC電圧0V〜5Vまで変化する。この出力電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が調整され、遊技球の発射強度(遊技球の到達距離)が調節できる。例えば、DC電圧が大きくなるに従ってソレノイドの励磁力が大きくなって遊技球をより遠くに到達させることができる。
尚、図1に示すパチンコ機の形態に限定されるものではなく、例えば、可動羽根を備え、特定の条件が成立すると可動羽根が連続して開閉状態を繰り返す大当り遊技状態のパチンコ機等であってもよい。
ここで図2、図3に基づき発射強度操作装置17の構成について説明する。図2は、図1に示されている発射強度操作装置17を右側から見たときの斜視図である。発射強度操作装置17は、パチンコ機1に取り付けられている設定操作部30と、該設定操作部30の下側に取り付けられているアームレスト部32とから概略構成されている。また、アームレスト部32は、固定アームとして作用しパチンコ機1に取り付けられている支持部34と、支軸31を介して支持部34に対して回転可能に取り付けられている可動アーム35とから構成されている。非遊技時、即ち、遊技終了時には、可動アーム35は、自重により起立した状態(図2に示す状態)を保持している。
図3は、可動アーム部35を図2の状態から略90度回転させた発射強度操作装置17を示す斜視図である。この形態では、発射装置から遊技球を発射させて遊技の開始状態(遊技中状態)にするために、遊技者の意思によって可動アーム35を回転させて図3に示すような状態にし、さらに設定操作部30あるいは可動アーム35の腕置き部36(後述する)に接触していること、例えば、設定操作部30あるいは腕置き部36上に遊技者が手、腕等(以下、単に「手」あるいは「腕」ともいう)を接触させていることが必要である。従って、図2に示されるように可動アーム35が起立した状態では遊技を開始すること、即ち発射装置から遊技球を発射させることはできない。遊技者は遊技球を発射させるに際して先ず可動アーム35を回転させ、次に設定操作部30あるいは可動アーム35の腕置き部36に腕を置いて、設定操作部30に設けられているスイッチ33を操作して発射強度を調整する。このとき支持部34によって、アームレスト部32全体が支持されると共に、可動アーム35に置かれた遊技者の腕の重さが支えられている。
さらに図4、図5に基づき発射強度操作装置17の構成について説明する。図4は、可動アーム35が起立した状態の発射強度操作装置17(図1に示されている発射強度操作装置17)の右側面図である。また、図5は、可動アーム35が倒れた状態(図3に示されている可動アーム35の状態)の発射強度操作装置17の右側面図である。
可動アーム35は、支持部34の支軸31を軸とした天秤状の構造を有しており、遊技者が腕を置く腕置き部36と、支軸31を挟んで腕置き部36の反対側に配設されるウエイト部37とから構成されている。可動アーム35は、遊技者によって操作されていない非遊技時においては、腕置き部36よりも重いウエイト部37の重量によって左方向に回転し自動的に起立状態となる。即ち、図5に示されるように、可動アーム35が遊技者によって操作されて倒れている状態において、遊技者が可動アーム35から手を離し非接触状態となった場合には、ウエイト部37の自重により可動アーム35は支軸31の回りに左方向へ回転し図4に示すような起立状態に変化する。
遊技者がそれまで遊技していたパチンコ機での遊技を終了して、他のパチンコ機、例えば、隣接するパチンコ機へ移動しようとする場合、遊技者はそれまで遊技していたパチンコ機の発射強度操作装置17から手を離すため、その可動アーム35は上記のように自動的に起立状態に変化する。このとき遊技者が多くの遊技球を獲得して球箱内に所有しているときは、球箱が重いため持ち上げずにパチンコ島内の置台上を滑らせて移動することがある。このような場合の球箱の移動に対して起立状態となったときの可動アーム35のウエイト部37が障害とならないように、可動アーム35の各部の長さ、および重さが決定されている。
また、遊技者によって遊技が行われていない非遊技時、つまり遊技終了状態時においては、起立状態となった可動アーム35、特に腕置き部36によって設定操作部30が覆われ、遊技者が設定操作部30のスイッチ33を容易に操作することができない構造に形成されている。このような構造にすることにより、遊技者は、設定操作部30の覆いを外さなければ遊技を行うことができないことを認識し、遊技開示時には必然的に可動アーム35に触り手前側に倒す操作を行う。従って、取扱いの説明が無くても、先ず最初に可動アーム35に接触し、倒す操作をすることから遊技開始プロセスが始まるということを容易に認識させることができる。可動アーム35が倒れた状態になると、設定操作部30を覆っていた腕置き部36が取り除かれるため、遊技者は設定操作部30のスイッチ33を容易に操作できる状態になる。
設定操作部30の上面(スイッチ33の表面も含む)、および可動アーム35の腕置き部36の上面には、タッチ検出部30a、および36aが設けられている。タッチ検出部にはタッチセンサが配設されており、このタッチセンサによって遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36に接触している(タッチオン)か否か検出されている。また、設定操作部30には、可動アーム35の回転位置を検出するための検出手段が設けられている。本発明ではこの検出手段によって可動アーム35の回転状態を検出することにより、パチンコ機の「遊技中状態」及び「遊技終了状態」の内部判別処理を行っている。
次に、検出手段について説明する。図4および図5は、検出手段として2個の検出スイッチ(スタンバイスイッチ23とリセットスイッチ24)が設けられた形態を示す。
スタンバイスイッチ23は、可動アーム35の倒れた状態(以下、「倒」状態ともいう)、即ち、遊技者が遊技を開始するために可動アーム35を倒したことを検出するためのスイッチである。スタンバイスイッチ23は、設定操作部30の下側であって、奥側寄り、即ち、パチンコ機1の本体寄りに設けられており、可動アーム35が図4に示す起立した状態(以下、「立」状態ともいう)から回転し、図5に示す略水平の状態、つまり「倒」状態になるとオンするように設定されているスイッチである。可動アーム35の回転によってウエイト部37がスタンバイスイッチ23に接触しオン状態となる。検出スイッチとしては、マイクロスイッチ、フォトスイッチ等が使用される。
遊技者の操作によって可動アーム35が「倒」状態にされ、スタンバイスイッチ23がオンされると、設定操作部30のスイッチ33操作が受け付け可能となる。この発射強度の調整が受付可能となったことは、強度調整可能表示灯18の点灯によって報知される。即ち、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしており、且つ、スタンバイスイッチ23がオンである場合に遊技開始可能状態と判定される。そして、この遊技開始可能状態において、さらに設定操作部30のスイッチ33が操作されて発射強度が設定される(強度がゼロよりも大きくなる)とその発射強度で遊技球が発射されて、「遊技中状態」であると判定される。尚、発射強度の調整が受付可能となったことは、例えば、設定操作部30のスイッチ33上面部に照明を内蔵しておき、受け付け可能時に照明を点灯させるようにしてもよい。
リセットスイッチ24は、可動アーム35の「立」状態、即ち、遊技者が遊技を終了し、可動アーム35が起き上がったことを検出するためのスイッチである。リセットスイッチ24は、設定操作部30の下側であって前側寄り(パチンコ機1の本体から離れた位置)に設けられており、可動アーム35が回転し図4に示す略鉛直の状態、つまり「立」状態になるとオンするように設定されているスイッチである。可動アーム35の回転によって可動アームの略中央部分、例えば、その部分に設けられたゴム等からなる緩衝部材25がリセットスイッチ24に接触しオン状態となる。検出スイッチとしては、マイクロスイッチ、フォトスイッチ等が使用される。
遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aから非接触状態となり、可動アーム35が「立」状態となってリセットスイッチ24がオンされると、「遊技終了状態」であると判定される。この判定により、それまで設定されていた発射強度がリセットされてゼロになる。これを逆の言い方をすれば、リセットスイッチ24がオンされても、遊技者がタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしていれば「遊技終了状態」とは判定されず、発射強度はリセットされない。尚、遊技球の発射駆動は、前記遊技者が非接触状態になったときに停止される。
スタンバイスイッチ23とリセットスイッチ24の両方のスイッチがオンしていない状態、即ち、可動アーム35が回転途中の状態について以下に説明する。
可動アーム35が、「倒」状態から「立」状態の方向に回転している途中の場合には、発射停止以前の発射強度、即ち、スタンバイスイッチ23がオフ状態になる寸前に発射されていた遊技球の発射強度が維持され(後述する記憶手段に保持され)た状態で、遊技球の発射駆動が停止される。いわゆる強制的一時停止状態となる。また、可動アーム35が、「立」状態から「倒」状態の方向に回転している途中の場合には、「立」状態においてリセットスイッチ24がオンされ発射強度はリセットされていたため、「倒」状態になってスタンバイスイッチ23がオン状態になるまでは、発射強度ゼロ状態が維持される。上記何れの回転の期間中においても、スタンバイスイッチ23がオフ状態であるため、遊技者がタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしていたとしても、遊技球の発射駆動は停止される。また、このとき発射強度の調整は受け付けられない状態となっており、その旨は強度調整可能表示灯18の消灯によって報知される
本発明では、遊技者のタッチオン/オフを検出することによって、遊技球の発射駆動パルスの発生/停止のみ、即ち、遊技球を発射させるか否かのみを制御している。タッチオフ検出のみによる発射強度の初期化(強度をゼロにする)は行っていない。また、遊技終了時の発射強度の初期化タイミングは、遊技中に「倒」状態であった可動アーム35が、遊技終了後に、遊技者がタッチオフ状態となり遊技者の腕の重さによる可動アーム35への押えがなくなることで自動的に「立」状態に戻って行き、完全に「立」状態になったことがリセットスイッチ24によって検出された時点で行われる。このように処理することで、遊技状態に応じて可動アーム35の回転位置が目視上明確に変化するので、遊技者に遊技状態をより確実に認識させることができる。
また、図4および図5に示す形態の発射強度操作装置17には、可動アーム35の「立」状態および「倒」状態を安定化させるための安定化手段が設けられている。
設定操作部30の下側であって前側寄り(パチンコ機1の本体から離れた位置)には、「立」状態を安定化させる手段として永久磁石26aが設けられており、それに相対する可動アーム35の略中央部の位置には、「立」状態を安定化させる手段として鉄板等の磁性体26bが設けられている。これらの安定化手段26a、26bは、磁力により吸着することで、可動アーム35が支軸31の周りを天秤状にフラフラ不安定に動作するのを防止し、「立」状態を維持して、確実にリセットスイッチ24のオン状態を維持するためのものである。尚、遊技を開始する際に遊技者が手の力によって容易に永久磁石26aと磁性体26bとの吸着力を開放することができる程度に吸引力を設定することが望ましい。
設定操作部30の下側であって奥側寄り(パチンコ機1の本体寄りの位置)には、「倒」状態を安定化させるための手段として電磁石27aが設けられており、それに相対する可動アーム35のウエイト部37の位置には、「倒」状態を安定化させるための手段として鉄板等の磁性体27bが設けられている。これらの安定化手段27a、27bは、電磁ロック機構によって、「倒」状態を保持、確実にスタンバイスイッチ23のオン状態を維持するためのものである。
可動アーム35が遊技者によって略水平の位置まで操作されると、スタンバイスイッチ23がオン状態になると共に、電磁ロック機構が作動する。即ち、電磁ロック機構がオン状態となるためには、スタンバイスイッチ23がオン状態であって、且つ、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aに接触したタッチオン状態であることが必要となる。従って、遊技者がタッチ検出部30aあるいは36aに対して非接触状態になる、即ち、タッチオフ状態になると、その状態が検出手段によって検出され、可動アーム35を固定していた電磁ロックへの通電が停止されてそのロックが解除され、可動アーム35はウエイト部37の重さにより自動的に回転し始め、「立」状態へ変化して行く。このような構成とすることにより、遊技中は可動アーム35が電磁ロックされて「倒」状態に固定されているので、ウエイト部37の重さによる可動アーム35の回転力に抗した力を必要せずに遊技者は遊技することができる。
次に、検出手段としてリセットスイッチ24のみが設けられた発射強度操作装置17の形態について説明する。この形態は、図4および図5に示す発射強度操作装置17においてスタンバイスイッチ23を取り除いた構成のものである。従って、図4および図5に基づいて説明し、この形態自体の図示は省略する。
リセットスイッチ24は、可動アーム35の「立」状態、即ち、遊技者が遊技を終了し、可動アーム35が起き上がったことを検出するためのスイッチである。リセットスイッチ24は、設定操作部30の下側であって前側寄り(パチンコ機1の本体から離れた位置)に設けられており、可動アーム35が回転し図4に示す略鉛直の状態、つまり「立」状態になるとオンするように設定されているスイッチである。可動アーム35の回転によって可動アームの略中央部分、例えば、その部分に設けられたゴム等からなる緩衝部材25がリセットスイッチ24に接触しオン状態となる。検出スイッチとしては、マイクロスイッチ、フォトスイッチ等が使用される。
遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aから非接触状態となり、可動アーム35が「立」状態となってリセットスイッチ24がオンされると、「遊技終了状態」であると判定される。この判定により、それまで設定されていた発射強度がリセットされてゼロになる。これを逆の言い方をすれば、リセットスイッチ24がオンされても、遊技者がタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしていれば「遊技終了状態」とは判定されず、発射強度はリセットされない。尚、遊技球の発射駆動は、前記遊技者が非接触状態になったときに停止される。
この形態では、遊技者によって可動アーム35が操作されて、リセットスイッチ24がオフ状態になると、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aに接触していれば、遊技球の発射駆動は開始され、その時点で発射強度が設定されていれば遊技球は発射装置から発射される。また、リセットスイッチ24がオフ状態になると、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aに接触していれば、設定操作部30のスイッチ33操作が受け付け可能となる。この発射強度の調整が受付可能となったことは、上記形態と同様に強度調整可能表示灯18あるいはスイッチ33上面部に内蔵した照明等によって報知される。
例えば、遊技者の操作によって「立」状態であった可動アーム35が「倒」状態にされた場合には、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしていれば、設定操作部30のスイッチ33操作が受け付け可能な遊技開始可能状態と判定される。そして、この遊技開始可能状態において、さらに設定操作部30のスイッチ33が操作されて発射強度が設定される(強度がゼロよりも大きくなる)と、発射装置の発射駆動は既に開始されているので、その設定した発射強度で遊技球が発射されると共に、そのパチンコ機は「遊技中状態」であると判定される。
また、可動アーム35が回転途中の状態にあり、リセットスイッチ24がオンしていない状態では、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオンしている場合には、設定操作部30のスイッチ33操作は受け付けられる状態であり、さらに設定操作部30のスイッチ33が操作され発射強度が設定されていれば、発射装置は駆動しているので、その設定されている発射強度で遊技球は発射され、そのパチンコ機は「遊技中状態」であると判定される。但し、可動アーム35が、「立」状態から「倒」状態の方向に回転している途中の場合には、「立」状態においてリセットスイッチ24がオンされ発射強度はリセットされているため発射強度ゼロ状態が維持され、発射駆動が開始されても遊技球の発射は起こらない。
これに対して、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aにタッチオフである場合には、設定操作部30のスイッチ33操作は受け付けられない状態となり、さらに発射装置の発射駆動は停止状態となる。この場合、発射強度が既に設定されていれば、発射停止以前の発射強度、即ち、遊技者がタッチオフ状態になる寸前に発射されていた遊技球の発射強度が維持され(後述する記憶手段に保持され)た状態で、遊技球の発射駆動が停止され、いわゆる強制的一時停止状態となる。従って、可動アーム35が「倒」状態から「立」状態に回転している途中で、再度、タッチ検出部30aあるいは36aにタッチオン状態になれば、前記保持された発射停止以前の発射強度を再取得してその強度で再発射が行われる。尚、検出手段については、上記形態の場合と同様に設けられ、同様に作用する。リセットスイッチ24とスタンバイスイッチ23の2個のスイッチによって可動アームの「立」位置、「倒」位置をそれぞれ検出する場合、製造上のコストと手間がかかるという問題があるが、チャタリング等の不安定な動作(発射が開始する可動アームの位置と発射が停止する可動アームの位置が安定しない)が発生せず、安定した動作を確保することができる。一方、位置検出を1個のスイッチで行う場合、コスト面での利点はあるが、スイッチの検出位置近傍で可動アームを「立」方向へ動かしたり「倒」方向へ動かしたりすると、発射の開始と停止が交互に起こり、いわゆるチャタリング動作が発生する。
図6は、アームレスト部32の別の形態を示すものである。図(a)は発射強度操作装置17の可動アーム35が「倒」状態となったときの図であり、図(b)はアームレスト部32の上面図であり、図(c)はバネの一形態である巻線バネ28を示す図である。この形態は、可動アーム35の「倒」状態から「立」状態方向への回転を支軸31に取り付けたバネ力によって行う構成を有している。巻線バネ28は、通常時は図(c)に示す「く」字状態28aの形状を有しており、可動アーム35が「立」状態のときに、巻線バネ28はこの「く」字状態28aの形状で支軸31に取り付けられている。可動アーム35が操作されて「倒」状態になると、巻線バネ28は図(c)に示す「一」字状態28bの形状に延ばされる。このときの巻線バネ28の「く」字状態28aに戻ろうとするバネ力が、可動アーム35を左回転させようとする力として作用し、遊技者がタッチオフ状態になると可動アーム35はこのバネ力によって「立」状態に戻される。このような構成にすることにより、図4に示される形態のようなウエイト部37を可動アーム35に設ける必要がなくなり、支軸31に対して腕置き部36と反対側に配置される可動アーム35の部分の長さを短くすることができ、可動アーム35が「立」状態となったときに発射強度操作装置17の下方向へ飛び出す部分を少なくすることができるので、遊技者の獲得球を保持しておく球箱の邪魔とならない。
図7は、設定操作部30に設けられたスイッチ33の一形態を示している。
設定操作部30には、ワープスイッチ41が設けられている。ワープスイッチ41は、発射装置から発射される遊技球の発射強度を選択するための発射強度選択手段としてのスイッチである。この形態では、遊技者が遊技の際によく狙う遊技球の飛距離到達場所が予め設定されており、ワープスイッチ41の押し操作により順次その設定された到達場所の1つが選択される。到達場所が選択されると、発射装置から発射された遊技球を選択された場所に到達させるために必要な、発射装置のソレノイドを励磁する電圧が発射強度操作装置17から出力され、その電圧によって発射装置のソレノイドが励磁されると共に、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。
遊技者がよく狙う到達場所としては、先ず、遊技終了時に一体皿14内に余った遊技球を一体皿14から抜くために狙う「ファール領域」がある。発射した遊技球を遊技領域5まで到達させずに、誘導レール内を逆戻りさせて一体皿14から遊技球を排出させるために狙う領域である。また、通常の遊技時に最もよく狙う場所である、いわゆる「ぶっ込み領域」と「天釘中央」がある。また、大当たり時のゲーム仕様として要求される、いわゆる「右打ち」がある。尚、遊技終了時もしくは電源投入直後で遊技者が全く操作を行なっていない状態では、発射装置から遊技球が打ち出されない「初期状態」になっている。
設定操作部30には、予め設定された到達場所(以下、プリセットポジションともいう)として、上記の場所が「レール内」42、「ぶっ込み」43、「天」44、「右打ち」45と表示されている。また、プリセットポジションとして表示されないが、発射装置から遊技球が打ち出されない「初期状態」がある。電源投入直後や遊技終了後の非遊技時には初期状態になっており、ワープスイッチ41を押し操作すると「初期状態」→「レール内」→「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」→「ぶっ込み」の順で選択され、その後は「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」→「ぶっ込み」とサイクリックに選択される。「初期状態」でアームレスト部32が回転され、遊技者が設定操作部30に手を置いてスイッチ33が受け付け状態になった後、ワープスイッチ41が押し操作されると、先ず最初にプリセットポジション「レール内」が選択され、遊技球を「レール内」に到達させるための予め設定されているデジタルデータが設定操作部30に設けられた制御回路内で読み出される。読み出されたデジタルデータはD/AコンバータによってDC電圧に変換され、この電圧により発射装置のソレノイドが励磁されると共に、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。読み出されるデジタルデータについては後述する。尚、この形態では、アームレスト部32が回転されてスイッチ33が受け付け状態になっても、ワープスイッチ41が押し操作されない限り発射装置から遊技球は発射されない。従って、ワープスイッチ41は、遊技球を発射開始させる遊技開始スイッチとしての機能も兼ね備えている。
スイッチ33が受け付け状態になった後、ワープスイッチ41が1度押し操作されると、上述のように遊技球はプリセットポジション「レール内」に到達する発射強度で発射されるが、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「ぶっ込み」が選択され、遊技球を「ぶっ込み」領域に到達させるための予め設定されているデジタルデータが読み出され、上述の「レール内」の場合と同様に発射装置のソレノイドが励磁され遊技球が発射される。同様にして、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「天」、プリセットポジション「右打ち」が順次選択され、遊技球をそれぞれの場所「天」、「右打ち」に到達させるための予め設定されているデジタルデータが読み出され、遊技球が発射される。
また、プリセットポジション「右打ち」が選択されている状態からさらにワープスイッチが押し操作されると、次は1つ戻ってプリセットポジション「天」が選択される。そして、さらにワープスイッチ41が押し操作されると、プリセットポジション「ぶっ込み」、プリセットポジション「レール内」が順次選択され、プリセットポジション「レール内」が選択されている状態からさらにワープスイッチが押し操作されると、次はプリセットポジション「ぶっ込み」が選択される。このようにワープスイッチ41を押し操作するだけで、ソレノイドを励磁し遊技球を発射させる電圧は、先に選択されていたプリセットポジションの電圧値から新たに選択されたプリセットポジションの電圧値に置き換えられ、その置き換えられた電圧によって遊技球は、予め定められた場所、即ち、新たに選択されたプリセットポジションに到達する発射強度で発射装置から発射される。従って、ハンドルの回転角度を遊技者が調整することによって目的の場所、例えば、上述の「ぶっ込み」、「天」、「右打ち」に遊技球を到達させる場合に比べて、遊技者の発射強度操作は遥かに容易なものとなり、遊技球を目的の場所に到達させるまでの無駄打ち球を減少させることができる。また、1つのワープスイッチ41の押し操作のみで複数のプリセットポジションを選択することができるので、設定操作部30に設けるスイッチの数を少なくすることができる。
設定操作部30には、遊技球の飛距離の目安を表示するレベルメータ46が設けられている。レベルメータ46は、現在の遊技状態における遊技球の飛距離を、例えば、帯状に設けられた表示ランプによって遊技者に報知するためのものである。最小飛距離の遊技状態をレベルメータ46の左端の表示ランプの点灯によって報知し、遊技球の飛距離が大きくなるに従って点灯される表示ランプの数が増えて、点灯表示ランプの帯は右方向へ長くなって報知する。そして最大飛距離の遊技状態をレベルメータ46の左端から右端までの全ての表示ランプの点灯によって報知する。ここで、最小飛距離とは、発射された遊技球の飛距離が略ゼロのことをいい、最大飛距離とは、図1において遊技領域5の右上部分に設けられた返しゴム29の位置まで発射された遊技球が到達する飛距離のことをいう。図7に示すレベルメータ46は、左端から矢印Eで示す位置までの表示ランプが点灯しており、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択され、発射装置から発射される遊技球がぶっ込み領域まで到達することを表わしている。ワープスイッチ41によってその他のプリセットポジション「レール内」、「天」、「右打ち」が選択されると、それぞれの飛距離を報知する予め定められた位置までの表示ランプが点灯する。また、このレベルメータ46による発射強度表示は、発射一時停止状態に設定されると、その設定されている期間中は、点滅制御に変化され、現在設定されている遊技球の飛距離が点滅表示によって遊技者に報知される。
設定操作部30には、発射装置から発射される遊技球の飛距離を調整するための発射強度調整手段としての飛距離調整スイッチ47、48が設けられている。飛距離調整スイッチは、飛距離の増加調整を行なうUP(アップ)調整スイッチ47と、飛距離の減少調整を行なうDOWN(ダウン)調整スイッチ48から構成されている。上述したようにワープスイッチ41によっていずれかのプリセットポジションが選択されると、その選択されたプリセットポジションの発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整が行なわれる。例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択されると、「ぶっ込み」領域に遊技球を発射させる発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整、つまり発射装置のソレノイドを励磁するDC電圧の調整が行なわれる。飛距離調整スイッチ47、48による遊技球の飛距離調整範囲は、プリセットポジション「ぶっ込み」が選択された場合、その発射強度を調整開始点としてUP調整スイッチ47の操作により、発射された遊技球が最大飛距離に達するまで調整できる。また、DOWN調整スイッチ48の操作により、発射された遊技球が最小飛距離(略「00」)になるまで調整できる。
この発射強度の調整開始点および遊技球の飛距離調整範囲は、ワープスイッチ41によって他のプリセットポジション「レール内」、「天」、「右打ち」が選択された場合にも同様であり、選択されたそれぞれの「レール内」、「天」、「右打ち」に遊技球を発射させる発射強度を調整開始点として遊技球の飛距離調整、つまり発射装置のソレノイドを励磁するDC電圧が調整され、また、その発射強度を調整開始点としてUP調整スイッチ47の操作により、発射された遊技球が最大飛距離に達するまで、DOWN調整スイッチ48の操作により、発射された遊技球が最小飛距離になるまで調整できる。即ち、ワープスイッチ41によっていずれのプリセットポジションが選択された場合にも、UP調整スイッチ47とDOWN調整スイッチ48の操作により、選択された発射強度を調整開始点として最小飛距離から最大飛距離までの調整、つまり、遊技領域全範囲に遊技球を到達させる調整ができる。
上述したように、ソレノイドを励磁して遊技球を発射させるための電圧は、ワープスイッチ41を押し操作することにより、先に選択されていたプリセットポジションの電圧値から新たに選択されたプリセットポジションの電圧値に置き換えられ、遊技球はその置き換えられた電圧によって発射装置から発射される。このワープスイッチ41の押し操作に対するプリセットポジションの電圧値の置き換えは、UP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作によって遊技球の発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値が変化された場合にも同様に行なわれる。
例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「ぶっ込み」が選択されると、遊技球は、「ぶっ込み」領域に発射させる発射強度、つまり「ぶっ込み」領域に到達するソレノイド励磁電圧によって発射される。この状態からUP調整スイッチ47またはDOWN調整スイッチ48が操作されると、ソレノイドを励磁する電圧が変化し遊技球の発射強度は変化する。そして、このUP調整スイッチ47あるいはDOWN調整スイッチ48によって遊技球の発射強度が変化した状態においてワープスイッチ41が押し操作されると、上述したプリセットポジションの順である「レール内」→「ぶっ込み」→「天」→「右打ち」→「天」→「ぶっ込み」→「レール内」に従って、現在ワープスイッチによって選択されているプリセットポジション「ぶっ込み」の次のプリセットポジションである「天」が選択され、遊技球は、「天」に発射させる発射強度、つまり「天」に到達するソレノイド励磁電圧によって発射される。
ワープスイッチ41が押し操作されることによって、UP調整スイッチ47またはDOWN調整スイッチ48により調整されていた発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値が、それまでワープスイッチ41によって選択されていたプリセットポジションの次のプリセットポジションのソレノイドを励磁する電圧値に変換されて、遊技球の発射が継続される。尚、ワープスイッチ41が選択されたとき等に行なわれるソレノイド励磁電圧値の変換については、UP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48の操作によってデジタルデータを増加あるいは減少させ、そのデジタルデータをD/Aコンバータでアナログ電圧に変換して調整しているが、この調整内容については後述する。
設定操作部30には、遊技を停止させるため、及び遊技の停止を解除するための発射停止スイッチ(STOPスイッチ)49が設けられている。発射停止スイッチ49を操作することにより、発射装置の発射駆動を停止あるいは開始させ、遊技球の発射を停止あるいは開始させることができる。即ち、設定操作部30のスイッチ33の操作が行なわれ、遊技球が所定の発射強度で発射されている状態において、発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動は停止され、その停止した状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。この場合、遊技球が所定の発射強度で発射されている状態とは、スタンバイスイッチ23を有している形態では、スタンバイスイッチ23がオン状態にあり、遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36のタッチ検出部30aあるいは36aに接触した状態における発射状態をいい、スタンバイスイッチ23を有していない形態では、リセットスイッチ24がオフ状態にあり、遊技者がタッチ検出部30aあるいは36aに接触した状態における発射状態をいう。
また、発射停止スイッチ49の操作は、設定操作部30のスイッチ33の操作の有無に拘わらず受け付けられるように設定されている。設定操作部30のスイッチ33が操作受け付け可能状態となっているにも拘わらず遊技球の発射強度が未だ調整されず遊技球が発射されていない状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動は停止され、その停止した状態において再度、発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。尚、設定操作部30のスイッチ33が操作受け付け可能状態となっているにも拘わらず遊技球の発射強度が未だ調整されていないときは、発射装置の無駄な駆動を防止するために発射駆動を停止しておくようにしてもよい。
また、図4および図5において上述したように、設定操作部30のスイッチ33の操作が行なわれて設定された強度で遊技球が発射されている状態において、遊技者が設定操作部30および腕置き部36のタッチ検出部30aおよび36aから非接触状態となると、発射強度操作装置17の可動アーム35が「倒」状態から「立」状態の方向へ回転を開始し、リセットスイッチ24がオン状態となるまでの間は設定されていた発射強度が記憶され保持されたまま、発射装置の発射駆動は停止されて強制的一時停止状態になる。この状態において発射停止スイッチ49が操作された場合、発射停止スイッチ49の操作による発射一時停止状態に置き替えられ、前記強制的一時停止状態は解除されるが遊技球が発射開始されることはない。このとき前記記憶され保持されている発射強度はそのまま記憶され続け後述するように予め定められている所定時間だけ保持される。従って、この期間は、可動アーム35が「立」状態になってリセットスイッチ24がオン状態になっても、保持されている発射強度はリセットされることはない。
また、可動アーム35が「立」状態となりリセットスイッチ24がオン状態となって遊技球の発射強度がリセットされると共に、発射装置の発射駆動も停止状態とされている場合には、発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動を停止するように制御され、この状態から再度、発射停止スイッチ49が操作されると、発射停止状態は解除され発射装置の発射駆動が開始される。発射強度がゼロの状態にあるため、発射駆動を行なっても発射装置から遊技球が発射されることはないが、発射停止スイッチ49が操作されると発射装置の発射駆動の停止と開始状態は切り替わっている。
設定操作部30のスイッチ33のうち、発射停止スイッチ49を除いたワープスイッチ41、飛距離調整UPスイッチ47、飛距離調整DOWNスイッチ48のキートップ部分にもタッチセンサが設けられタッチ検出部30aを構成しており、人体の接触を検出することができる構造になっている。スイッチの構造は、スイッチを2重構造のメンブレンスイッチとし、キートップ部分に軽く触れる(フェザータッチ)と人体接触を検出し、さらに強く押し込むとスイッチ機能(ワープスイッチ41ではプリセットポジションの選択、飛距離調整UPスイッチ47では発射強度の増加調整、飛距離調整DOWNスイッチ48では発射強度の減少調整)を作動させるための操作であることを検出する。もしくは、キートップを導電体(金属、導電プラスチック等)で構成し静電式タッチスイッチの検出プレートとすることで、キートップに触れると人体接触の検出が行なわれ、スイッチを押し込むと上記と同様にスイッチ機能を作動させるための操作であることを検出することができる。このようにすることで、遊技者が操作を行っているときは確実に人体の接触を検出することができるようにし、例えば、設定操作部30のスイッチ周辺部分に触れないで、スイッチ部分に直接触れるような行為を行なった場合でも、人体接触を検出することができる。以降、「遊技者が設定操作部30に接触する」とは、特に説明のない場合は「遊技者が設定操作部30の発射停止スイッチ49を除いたタッチ検出部30aに接触する」ことをいう。また、「遊技者が腕置き部36に接触する」とは、特に説明のない場合は「遊技者が可動アーム35の腕置き部36のタッチ検出部30aに接触する」ことをいう。
発射装置の発射駆動の停止には上記のように、遊技者が設定操作部30および腕置き部36から非接触状態となり可動アーム35が「倒」状態から「立」状態に移行するまでの間の強制的一時停止状態と、発射停止スイッチ49の操作による発射一時停止状態とがある。そして、強制的一時停止状態を解除するには、スタンバイスイッチ23とリセットスイッチ24を備えた形態では、リセットスイッチ24がオン状態となる前に可動アーム35を「倒」状態にしてスタンバイスイッチ23をオン状態にするか、そのまま放置して可動アーム35を「立」状態にしリセットスイッチ24をオン状態にすればよい。前者の場合には非接触状態になったときに発射強度が設定されていれば、強制的一時停止状態が解除された後その強度で遊技球が発射され、後者の場合には強制的一時停止状態が解除されると共に、発射強度がリセットされる。また、リセットスイッチ24のみを備えた形態では、リセットスイッチ24がオン状態となる前に設定操作部30あるいは腕置き部36に接触するか、そのまま放置して可動アーム35を「立」状態にしリセットスイッチ24をオン状態にすればよい。そしてこの形態でも、前者の場合には非接触状態になったときに発射強度が設定されていれば、強制的一時停止状態が解除された後その強度で遊技球が発射され、後者の場合には強制的一時停止状態が解除されると共に、発射強度がリセットされる。
一方、発射一次停止状態は、リセットスイッチ24による機能よりも優先して作用する。即ち、発射一時停止状態を解除するには、前記のように発射停止スイッチ49を再度、操作する他、発射一時停止状態となった後に遊技者が設定操作部30および腕置き部36から手を離して非接触状態になった場合には、たとえ可動アーム35が「立」状態に戻ってリセットスイッチ24がオン状態になっていたとしても、スタンバイスイッチ23とリセットスイッチ24を備えた形態では、可動アーム35を「倒」状態にすることでスタンバイスイッチ23をオン状態にし、且つ、設定操作部30および腕置き部36に対して接触状態となればよく、また、リセットスイッチ24のみを備えた形態では、可動アーム35を倒してリセットスイッチ24をオフ状態にし、且つ、設定操作部30および腕置き部36に対して接触状態となればよい。このように発射一時停止状態が解除された場合には、もとの(一時停止前の)発射強度を再取得して、その強度で発射が行われる。そして、後述のように、発射一時停止状態で且つ非接触状態になっていられる時間は制限されているが、その時間内であれば可動アーム35が「立」状態に戻ってリセットスイッチ24がオン状態になっても、発射一時停止状態となる寸前の発射強度はリセットされることはない。即ち、発射停止スイッチ49を操作して発射一時停止状態になった後に、例えば、遊技者が小休止をするために遊技していたパチンコ機の席を離れ、設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態になり、リセットスイッチ24がオン状態になっても、その後、席に戻って再び遊技を開始するために設定操作部30あるいは腕置き部36に接触する(上記のように可動アーム35を操作する)ことで発射一時停止状態を解除することができる。
発射停止スイッチ49は、通常はスイッチの接点が開いていて(オフ状態で)、押し操作している期間はスイッチが閉じる(オン状態になる)、いわゆるモーメンタリースイッチ構造を有しているものを使用する。また、その他、人体の接触を検出するタッチスイッチを使用することもできる。尚、スナップスイッチ、ロッカースイッチ等のように、接点状態が操作状態によってオン/オフのいずれか一方の状態に固定され、且つ、その状態が操作者に目視確認できる構造のものは発射停止スイッチとしては不適当である。その理由は、本実施の形態では、遊技者が発射停止スイッチを用いて発射一時停止状態に設定した後、遊技者が一旦、発射強度操作部から非接触状態になり、その後、再度発射強度操作部に対して接触状態になると、一時停止状態以前の発射強度を再取得して遊技球の発射を再現(発射一時停止状態の解除)できる制御、もしくは、遊技者が一旦、発射強度操作部から非接触状態になり、発射一時停止状態に設定したまま遊技を終了すると、予め定められた時間の経過に伴なって発射一時停止状態が強制的に初期化される(電源投入後の何も操作されていない状態になる)制御が行なわれている(詳しくは後述する)ため、オン/オフ状態が固定化され、且つ、目視上明示される仕様のスイッチは、初期化(一時停止状態も初期化される)動作後に、スイッチ状態との間に不一致が生じるので不適当だからである。例えば、一時停止スイッチをオンにして一時停止状態とし、その後、一度、非接触状態になり、さらに再接触して一時停止状態を解除した場合、若しくは、予め定められた時間が経過して一時停止状態が初期化された場合、スイッチは一時停止側に固定されたままで不一致が生じる。
設定操作部30のスイッチ33が操作され、遊技球が所定の発射強度で発射されている状態において発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動が停止されると共に、発射停止スイッチ49が操作された時点の発射装置から発射されていた遊技球の発射強度が一時的に保持される。発射強度は、設定操作部30内部の制御回路のプリセット付きUP/DOWNカウンター95(図11で後述する)にデジタルデータとして書き込まれ保持される。この発射強度のデジタルデータは、遊技者が発射停止スイッチ49を操作した後に設定操作部30または腕置き部36に対して接触したままの状態であっても、あるいは非接触状態となっても継続して保持される。そして、設定操作部30および腕置き部36に対して接触したままの状態(スタンバイスイッチ23を備えている場合にはこのスイッチがオンした状態をいう)のときは、次に発射停止スイッチ49が操作されて新しい発射強度のデジタルデータに更新されるまでプリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持され、非接触状態になったときは、予め定められている所定の時間だけ保持される。
前記発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止された後に遊技者が設定操作部30または腕置き部36に対して接触したままの状態で、再度、発射停止スイッチ49が操作されると、発射装置の発射駆動の停止が解除され(発射駆動が開始され)ると共に、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータが読み出され、その発射強度で遊技球が発射装置から発射される。即ち、遊技者は、発射停止スイッチ49の操作によって一旦、遊技球の発射を停止させたとしても、設定操作部30または腕置き部36に接触したまま再度、発射停止スイッチ49を操作することにより、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することができる。
また、前記発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止された後に、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態となり、その後、再度、遊技者が設定操作部30または腕置き部36に接触すると共に可動アーム35を所定の位置まで操作した場合にも、発射装置の発射駆動の停止が解除され(発射駆動が開始され)ると共に、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータによって遊技球が発射装置から発射される。ここで前記所定の位置とは、スタンバイスイッチ23を備えている場合にはこのスイッチ23がオン状態となる位置、リセットスイッチ24のみを備えている場合にはこのスイッチ24がオフ状態となる位置をいう。即ち、遊技者は、発射停止スイッチ49の操作によって一旦、遊技球の発射を停止させ、その後さらにパチンコ機から離れる等して、設定操作部30から手を離し非接触状態になっても、再度、設定操作部30または腕置き部36に接触すると共に可動アーム35を所定の位置まで操作することにより、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することができる。
但し、遊技を一時停止状態に設定した後、設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態で居られる時間は予め設定されており、その設定された時間を経過した場合には、プリセット付きUP/DOWNカウンター95に保持されていた発射強度のデジタルデータは強制的にリセットされ、再度、遊技者が上記操作を行ったとしても、発射駆動の停止は解除されるものの、発射を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開することはできない。設定された時間の測定は、タイマーカウンタのカウントにより行なわれ、発射停止スイッチ49の操作で発射装置の発射駆動が停止された後に、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態となった時点からカウント開始される。
このように遊技者の意思によって発射停止スイッチ49を操作することにより容易に遊技球の発射を停止させ遊技を一時停止させることができると共に、遊技を停止させた時点の遊技球の発射強度で遊技を再開させることができる。従って、遊技中に図柄始動記憶メモリの記憶状態が最大数に達し、図柄変動のメモリ消化を図る場合、あるいは、画像演出が工夫されている図柄変動を遊技者がじっくり鑑賞しようとする場合等にも容易に対応することができる。また、電話、トイレ、コーヒー等の小休止のためにパチンコ機から離れる場合にも、発射停止スイッチ49の操作により容易に遊技を一時停止させることができ、その後パチンコ機に戻って設定操作部30に接触すると共に可動アーム35を所定の位置に操作するだけで発射停止スイッチ49を操作する直前の発射強度で遊技球を発射させることができるので、再度の発射強度の調整をすることがなく、発射強度調整時の無駄球を無くすことができる。
遊技者が、遊技球の発射を一時停止状態のままでパチンコ機を離れ、一時停止状態を解除しないで遊技を終了すると、そのパチンコ機は遊技が行なわれないまま前記遊技者に占有された状態になり、そのパチンコ機で遊技したい他の遊技者の遊技の機会を妨害するだけでなく、パチンコホールの売上を減少させる等の不利益を及ぼすことになる。そこで、予めパチンコホール側で一時停止時間、例えば、遊技者が遊技を一時停止してパチンコ機から離れ小休止することができる時間等を設定しておき、その設定時間が経過したら強制的に一時停止状態を初期化するようにした。これによりパチンコ機が遊技されないのに特定の遊技者によって不当に長い時間占有されるという不合理を防止することができる。
図1に戻って、ガラス枠4の右上部には、発射停止スイッチ49の操作状態を報知する表示灯からなる報知手段22が設けられている。発射停止スイッチ49が操作され発射装置の発射駆動が停止されて遊技球の発射が停止状態となっている発射一時停止期間中は、LED等からなる表示灯22が点灯または点滅されて、他の遊技者やパチンコホールの従業員にその旨が報知される。また、発射一時停止状態であることを遊技者に対してより確実に報知するために、前記表示灯22による報知とは別に、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプが点滅表示されて報知される。遊技者は、遊技球を発射させている遊技中に、そのときの遊技球の発射強度を保持しながら一時的に遊技球の発射を停止させたい場合には、設定操作部30に接触したままの状態で発射停止スイッチ49を操作することにより、遊技者の意思で発射装置の発射駆動を停止させ遊技球の発射を停止させることができ、その操作状態は表示灯22の点灯または点滅により外部に報知される。また、前記表示灯22による報知とは別に、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプの点灯表示(設定されている発射強度のレベルを示すために点灯されている表示ランプの点灯表示)が点滅表示に変化され、遊技者に対して確実に報知される。この発射駆動が停止された状態は、遊技者の意思により再度、発射停止スイッチ49を操作することによって解除することができる。発射駆動の停止解除に伴なって表示灯22の点灯または点滅表示は停止され、消灯表示される。また、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプの点滅表示が点灯表示に戻る。
また、その後もそのパチンコ機で遊技を継続する意思はあるが、一旦、遊技を中止してパチンコ機から離れたい場合(トイレ休憩、電話等の用事がある場合)には、遊技者の意思で発射停止スイッチ49を操作することにより発射装置の発射駆動を停止させると共に、表示灯22を点灯または点滅させて休息期間であることを外部に報知することができる。同時に設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプの点灯表示が点滅表示に変化することで一時停止状態であることを遊技者に報知する。この発射駆動が停止した状態は、遊技者の意思によって再度、発射停止スイッチ49を操作することにより、あるいはパチンコ機を離れることによって設定操作部30から非接触状態になった後に、再度、設定操作部30に手を載せる等して接触することにより解除することができる。発射駆動の停止解除に伴なって表示灯22の点灯または点滅表示は停止され、消灯表示される。また、設定操作部30に設けられているレベルメータ46の表示ランプの点滅表示が点灯表示に戻る。
また、発射停止スイッチ49の操作に対応した発射停止スイッチ49の操作状態を報知する信号、即ち、遊技球の発射状況を報知する信号がパチンコ機から出力されている。この出力信号はホール管理コンピュータに入力されており、ホール側はこの信号をモニタすることにより各パチンコ機の遊技球の発射状況をリアルタイムに把握することができ、遊技者の単発打ち、変則打ち等の遊技を識別して不正遊技を防止することができる。
図8は、設定操作部30の他の一形態を示すものである。この形態は、図7に示す形態のUP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48に対応するものとして、ロータリーエンコーダ61を設けている。ロータリーエンコーダ61のレバーを左右に回転させることにより、または上下に回転させることにより、遊技球の発射強度、即ち、ソレノイドを励磁する電圧値を変化させることができ、遊技領域全範囲に遊技球を到達させる調整を行なうことができる。その他の機能については、図7に示すUP調整スイッチ47およびDOWN調整スイッチ48と同様である。
図9から図12は、図1に示すパチンコ機1の制御手段による遊技球発射駆動の制御ブロック図の一形態である。以下、この制御手段による制御内容をブロック図に基づいて説明する。
パチンコ機1は、図2から図8に基づいて上述したように、発射強度操作装置17の設定操作部30を操作することにより遊技球の発射強度をデジタルデータによって設定するものである。また、検出手段としてスタンバイスイッチ23とリセットスイッチ24が設けられ、発射停止スイッチ49にラッチ機能を持たせるようにしたものである。
図9に示される、モーメンタリー構造を有した発射停止スイッチ49が操作されると、その操作状態を表わす信号が検出される。この検出信号により発射装置の発射駆動の停止および停止解除(発射駆動の開始)が制御されている。発射停止スイッチ49の操作に伴なって発生した信号は、積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路70に入力されノイズ及びチャタリングが除去される。また、信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路70から出力される。
ノイズ、チャタリング除去回路70から出力された信号は、トグルタイプのフリップフロップ71に入力される。トグルタイプのフリップフロップ71は、状態の変化、この形態では入力信号のロー(Low)状態からハイ(High)状態への立ち上がりを同期として、その出力(QおよびQの反転出力Q')の状態が切り替わるように構成されており、切り替わった出力の状態は次の入力信号の切り替わり(立ち上がり)まで維持される。即ち、遊技者により発射停止スイッチ49が操作されると、フリップフロップ71の出力はロー状態からハイ状態またはハイ状態からロー状態に切り替わり、その切り替わった出力状態は次に発射停止スイッチ49が操作されるまで原則として維持される。そして、このフリップフロップ71の出力信号を使用することにより、一度の発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動の停止と開始とが交互に切り替えられ、遊技者が発射停止スイッチ49の操作の後に発射停止スイッチ49から手を離しても、切り替えられた発射駆動の停止状態または開始状態は、遊技者が次に発射停止スイッチ49を操作するまで、原則として電子的に保持(ラッチ)される。
ところで、フリップフロップ71にはパチンコ機1の電源投入時に電源回路からリセット信号(パワーオンリセット信号)72が入力される。パワーオンリセット信号72が入力されるとフリップフロップ71の出力は、出力Q(T−FFのQ(E))がロー状態、出力Q'(T−FFのQ'(F))がハイ状態の初期状態にセットされる。また、フリップフロップ71には、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態から接触した状態に変化したときにも、タッチオン開始検出信号としてリセット信号73が入力される。さらに、フリップフロップ71には、ワンショットパルス出力回路105から出力された信号TU(タイムアップパルス(後述する))が入力される。
リセット信号73は、設定操作部30および腕置き部36の検出部30aおよび36aに内蔵されたタッチセンサ74によって設定操作部30あるいは腕置き部36に対する遊技者の接触が検出されると発生される。遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36に接触しその接触がタッチセンサ74によって検出されると、その検出信号は積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路75に入力され、ノイズ及びチャタリングが除去される。また、検出信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路75から出力されている。ノイズ、チャタリング除去回路75から出力される信号の切り替わりエッジを同期として、即ち、設定操作部30または腕置き部36へのタッチオン開始を同期としてワンショットパルスが生成され、このパルス信号がリセット信号73としてフリップフロップ71に入力される。
パワーオンリセット信号72とリセット信号73とタイムアップパルスは、オア(OR)回路76に入力され、そのオア回路76の出力(RST1(G))がフリップフロップ71のリセット端子に入力されている。従って、フリップフロップ71は、パワーオンリセット信号72、リセット信号73、あるいはタイムアップパルスのいずれかが発生されたときに初期状態にセットされる。つまり、フリップフロップ71はパチンコ機1の電源が立ち上がる度に、あるいは設定操作部30または腕置き部36が遊技者によって新たにタッチされる度に、またあるいはタイムアップパルスが発生される度に毎回、初期状態にセットされる。
発射停止スイッチ49の操作は常時受け付けられるように設定されている。即ち、遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かに拘わらず受け付けられるように設定されている。そして、フリップフロップ71にはこの発射停止スイッチ49の操作に伴なって発生する信号が入力されているため、フリップフロップ71の出力も遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かの状態に拘わらず切り替わることになる。
フリップフロップ71の出力Qと点滅変調用クロック77は、アンド(AND)回路78に入力され、アンド回路78の出力はドライバー79を介して発射停止スイッチ49の操作状態を報知する表示灯22に接続されている。点滅変調用クロック77は、表示灯22の点滅周期を決定するクロックであり、例えば、500msec毎に切り替わるロー(Low)信号とハイ(High)信号から形成されている。従って、発射停止スイッチ49が操作されて発射装置の発射駆動が停止されフリップフロップ71の出力Qがハイ状態になっている期間中、即ち、発射装置からの遊技球の発射が一時停止されている期間中は、点滅変調用クロック77の周期によって表示灯22が点滅表示され、その旨が報知される。また、一時停止状態を遊技者自身にも認識させるために、一時停止スイッチ49のキートップを点滅させるようにしてもよい。さらに、アンド回路78の出力をインバータを介してドライバーに接続し、表示灯44を駆動するようにしてもよい。このとき表示灯44は、通常は点灯しており、一時停止状態では点滅する。
発射停止スイッチ49の操作によって停止状態となった発射駆動の停止解除、即ち、発射一時停止状態の解除は、再度、発射停止スイッチ49を操作することにより行うことができる他、遊技者が再度、設定操作部30あるいは腕置き部36にタッチすることによっても行うことができる。それまで設定操作部30および腕置き部36に遊技者が接触していなかった状態において、設定操作部30あるいは腕置き部36への遊技者の接触がタッチセンサ74によって検出されると、リセット信号73がフリップフロップ71に入力されフリップフロップ71は初期状態にセットされる。フリップフロップ71が初期状態にセットされると、フリップフロップ71の出力Qと出力Q'の状態は、発射停止スイッチ49の操作により発射停止が解除されたときの出力Qと出力Q'の状態と同じになる。即ち、遊技者が設定操作部30にタッチすることによりフリップフロップ71をリセットすることができ、パチンコ機が発射一時停止状態になっている場合にはその発射一時停止を解除することができる。
上述したように発射停止スイッチ49は遊技者が設定操作部30にタッチしているか否かに拘わらず受け付けられるよう設定されているので、例えば、遊技者が設定操作部30にタッチしているときに発射停止スイッチ49の操作によって発射一時停止状態がセットされた場合には、一旦、遊技者が設定操作部30から手を離した後に、再度、設定操作部30にタッチすることにより発射一時停止を解除することができ、また、遊技者がパチンコ機台の仮予約等の為に、そのパチンコ機台の前の椅子に座り設定操作部30にタッチする前に発射停止スイッチ49の操作によって発射一時停止状態にセットした場合には、次に遊技者が遊技を行うためにそのパチンコ機台の前の椅子に座り設定操作部30にタッチすることにより発射一時停止を解除することができる。
図10に示される、発射強度操作装置17に設けられたリセットスイッチ(RSTスイッチ)24の状態を表わす信号RST(K)は、遊技球の発射強度をリセットするために使用される信号であり、後述するアンド回路110に入力される。RST(K)信号は、積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路88に入力されノイズ及びチャタリングが除去される。また、信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路88から出力される(RST(L))。可動アーム35が「立」状態となりリセットスイッチ24がオン状態になると、RST(K)信号はロー状態となり、RST(L)信号はハイ状態となる。
また、発射強度操作装置17に設けられたスタンバイスイッチ(STBYスイッチ)23の状態を表わす信号STBY(N)は、発射装置の発射駆動の開始・停止を制御するため、発射強度受付状態を制御するため、あるいは可動アーム35の「倒」状態の保持制御をするために使用される信号である。STBY(N)信号は、積分回路から構成されるノイズ、チャタリング除去回路89に入力されノイズ及びチャタリングが除去される。また、信号は波形整形されると共に、この形態では後段の回路動作の都合上、論理反転されてノイズ、チャタリング除去回路89から出力される(STBY(O))。
ノイズ、チャタリング除去回路89から出力された信号STBY(O)は、アンド回路106に入力される。また、アンド回路106には、ノイズ、チャタリング除去回路75の出力信号TCH(D)が入力されている。アンド回路106の出力信号LVC(Q)は、ドライバー107を介して出力され、遊技球の発射強度を調整するスイッチ33の操作が受け付け可能状態にあるか否かを報知するための強度調整可能表示灯18を制御する信号として使用されている。スタンバイスイッチ23がオン状態になるとSTBY(O)信号はハイ状態になり、タッチセンサ74によって遊技者のタッチオンが検出されるとTCH(D)信号はハイ状態になり、これら2つの信号がハイ状態になるとアンド回路106の出力信号LVC(Q)がハイ状態となり、強度調整可能表示灯18が点灯しスイッチ33の操作が受け付け可能状態にあることを報知する。
また、アンド回路106の出力信号LVC(Q)は、ドライバー108を介して出力され、「倒」状態を安定化させるためにの安定化手段27a、27bを制御する信号として使用されている。可動アーム35が操作されスタンバイスイッチ23がオン状態になり、且つ、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオンしていると、STBY(O)信号およびTCH(D)信号がハイ状態となり、アンド回路106の出力信号LVC(Q)もハイ状態になる。これにより、安定化手段27a、27bを構成する電磁ロック機構が作動し「倒」状態を保持する。可動アーム35は特に腕に力を入れることなく腕の重さだけで容易に「倒」状態を維持することができるが、このようにスイッチ33の操作が受け付け可能状態にある間は安定化手段27a、27bが作動して「倒」状態を安定化させることができ、これらの状態は強度調整可能表示灯18の点灯によって認識することができる。また、遊技者がタッチオフ状態になるか、あるいはスタンバイスイッチ23がオフするとLVC(Q)信号はロー状態になり、電磁ロック機構の作動が解除されると共に、スイッチ33の操作が受け付け不可の状態となり強度調整可能表示灯18が消灯してその旨を報知する。
遊技者がタッチオフ状態になると、可動アーム35はウエイト部37の作用により自動的に「倒」状態から「立」状態へ回転動作を開始する。遊技者がタッチオフ状態になると、インバータ回路115を通ったLVC(Q)信号は、ハイ状態の信号LVC(R)になる。LVC(R)信号は、図11に示される(後述する)オア回路116に入力されており、信号LVC(R)がハイ状態になった結果、オア回路116の出力信号であるクロック伝達制御信号117がハイ状態になって、クロック制御部93を制御しプリセット付きUP/DOWNカウンタ95へのクロックの伝達を停止させる。これにより強度設定スイッチであるUP/DOWNスイッチ47、48の操作が受け付けられず遊技球の発射強度の調整が不可状態になる。この「倒」状態から「立」状態へ回転動作している途中段階で遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36にタッチオン状態(TCH(D)信号がハイ)になったとしても、スタンバイスイッチ23がオフ状態(STBY(O)信号がロー)になっているためLVC(Q)信号はロー状態のままであり、発射強度の調整不可状態は解除されない。
また、上記途中段階で遊技者が設定操作部30あるいは腕置き部36にタッチオン状態になったとしても、遊技球の発射は再開されない。これは遊技者のタッチオン状態によりTCH(D)信号がハイ状態になったとしても、スタンバイスイッチ23がオフ状態でSTBY(O)信号がロー状態になっているためアンド回路109の出力であるARM(P)信号がロー状態になり、このARM(P)信号が入力されているアンド回路80の出力である発射許可信号86もロー状態のままとなっているからである。
このとき遊技者がタッチオフ状態になったときの遊技球の発射強度、即ち、遊技者がタッチオフ状態になるまで発射されていた遊技球の発射強度は、記憶手段に保持されている。これはリセットスイッチ24が未だオフ状態にあるためRST(L)信号はロー状態であり、後述するアンド回路110の出力であるRST2信号もロー状態になりプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセットは行われないからである。
遊技者が「倒」状態から「立」状態へ回転動作中にある可動アーム35を操作し、再度、「倒」状態にすると、スタンバイスイッチ23がオフ状態(STBY(O)信号がハイ)になり、LVC(R)信号がロー状態となって発射強度の調整が可能状態となると共に、ARM(P)信号がハイ状態となって発射許可信号86がハイ状態になり、前記保持されているタッチオフ直前の発射強度が取得され、その強度で遊技球の発射が再開される。
可動アーム35が回転し「立」状態になり、設定操作部30面を覆い隠す状態に格納されると、リセットスイッチ24がオン状態になる。また、スタンバイスイッチ23がオフ状態にあるためSTBY(O)信号はロー状態にあり、遊技者がタッチオフ状態であるためRST(L)信号はロー状態にあるのでアンド回路109の出力であるARM(P)信号はロー状態になる。従って、アンド回路80の出力である発射許可信号86はロー状態になり発射装置の発射駆動は停止状態となる。
発射強度デジタルデータの初期化条件、即ち、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95がリセットされる条件は、図11に示されるオア回路112の出力(RST3信号)がハイ状態になったとき、即ち、オア回路112の入力であるTU信号またはRST2信号がハイ状態になったときである。TU信号(詳しくは後述する)は、発射停止スイッチ49がオン操作されて遊技の一時停止状態が発生し、遊技者がタッチオフ状態のままその一時停止状態が予め定められた所定の時間継続したときにワンショットパルス出力回路105から出力される信号である。RST2信号は、アンド回路110の出力信号であり、入力されるQ'(F)信号、RST(L)信号、及びTCH(S)信号の全てがハイ状態のときに出力される信号である。
発射停止スイッチ49がオン操作されて一時停止状態が発生している期間中は、操作直前の発射強度を保持しておく必要があるため、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95をリセットしないように、Q'(F)信号はロー状態になる。従って、Q'(F)信号は、一時停止状態以外の期間でハイ状態になる。また、RST(L)信号は、可動アーム35が「立」状態になりリセットスイッチ24がオン状態になっているときにハイ状態になる。また、TCH(S)信号は、遊技者がタッチオフしているときにハイ状態になる。よって、RST2信号は、一時停止状態の期間中ではなく、可動アーム35が「立」状態になっており、遊技者が設定操作部30及び腕置き部36にタッチオフとなった状態でハイ状態になる。以上のことから、発射強度デジタルデータの初期化は、遊技者がタッチオフ状態のままその一時停止状態が所定時間継続したとき、あるいは一時停止状態以外の期間で、可動アーム35が「立」状態になっており、遊技者が設定操作部30及び腕置き部36にタッチしていないときに行われる。強度の初期化を3つの条件の論理積としたのは、遊技者が不用意にタッチオフ状態になってしまったとき、直ぐに発射強度がリセットされるのではなく、可動アーム35が回転し「立」状態に収納されるまでの猶予期間を設け、且つ、遊技者が目視上、可動アーム35の格納を確認することによって感覚的に遊技の終了(強度の初期化)を納得するようにさせるためである。
ノイズ、チャタリング除去回路89から出力された信号STBY(O)は、アンド回路109に入力される。また、アンド回路109には、ノイズ、チャタリング除去回路75の出力信号TCH(D)が入力されている。STBY(O)信号は、スタンバイスイッチ23がオンしているときにハイ状態となり、TCH(D)信号は、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオンしているときにハイ状態となる。
フリップフロップ71の出力Q'と、アンド回路109の出力信号ARM(P)は、図9に示すアンド回路80に入力されている。出力Q'は、発射停止スイッチ49の操作状態が発射停止解除状態に切り替わったとき、電源が投入されてパワーオンリセット信号72が入力されたとき、設定操作部30または腕置き部36に遊技者がタッチしてリセット信号73が入力されたとき、あるいはタイムアップパルスが入力されたときにハイ状態となる。また、アンド回路109の出力信号は、スタンバイスイッチ23がオン状態になり、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチしているときにハイ状態になる。そして、アンド回路80の出力信号は、これらの信号がいずれもハイとなったときにハイ状態になる。
遊技開始時は、フリップフロップ71はリセット状態にあるため出力Q'はハイ状態となっている。また、遊技開始以前は必ず遊技者はタッチオフ状態であるため、発射強度は初期化された状態であり、発射駆動は停止された状態である。遊技者が可動アーム35を手前に倒すために操作すると、遊技者の手が腕置き部36に触れてタッチオン状態となってTCH(D)信号がハイ状態になる。可動アーム35を「倒」状態まで回転させるとスタンバイスイッチ23がオン状態となってSTBY(O)信号がハイ状態になる。これによりアンド回路109の出力信号ARM(P)がハイ状態になり、出力Q'とARM(P)信号が入力されているアンド回路80の出力信号である発射許可信号(HCND(J))86がハイ状態になる。この状態においてスイッチ33が調整され発射強度が設定されれば、その設定された発射強度で遊技球が発射され遊技中状態になる。
また、遊技球が発射されている状態において発射停止スイッチ49が操作されオン状態になると、出力Q'がロー状態になりHCND(J)86がロー状態になって遊技球の発射駆動が停止され発射一時停止状態になる。また、遊技球が発射されている状態において遊技者が設定操作部30および腕置き部36からタッチオフ状態になると、ARM(P)信号がロー状態になりHCND(J)86がロー状態になって遊技球の発射駆動が停止され強制的一時停止状態になる。またスタンバイスイッチ23がオフ状態になったときも前記同様に強制的一時停止状態になる。尚、腕置き部36に遊技者の手の替わりに物を載せてスタンバイスイッチ23をオン状態にしていても、遊技者が設定操作部30および腕置き部36からタッチオフ状態になると上記のようにARM(P)信号がロー状態になるため発射駆動が停止されて強制的一時停止状態になり遊技球を発射させることはできない。
アンド回路80の出力信号は、発射装置を制御する発射制御回路81に入力されると共に、ドライバー82と、リレーあるいはフォトカプラ83と、外部情報端子板84を介してホール管理コンピュータ85に接続されている。アンド回路80の出力信号は、発射許可信号(HCND(J))86として発射制御回路81に入力され、ハイ状態のときに遊技球の発射許可を意味し、ロー状態のときに遊技球の発射禁止を意味する信号である。ハイ状態の発射許可信号86が入力されると発射制御回路81は発射装置の発射駆動を開始する制御を行い、ロー状態の発射許可信号86が入力されると発射制御回路81は発射装置の発射駆動を停止する制御を行う。発射制御回路81には、後述するD/Aコンバータ96から出力された電圧が入力されており、この電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が制御され、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。また、アンド回路80の出力信号は、パチンコ機が稼動中であるか否かを表わす発射状態信号87としてホール管理コンピュータ85に送信され、ハイ状態のときにパチンコ機が稼動状態であることを意味し、ロー状態のときにパチンコ機が稼動停止状態であることを意味する信号である。
図11は、発射装置から発射される遊技球の発射強度をデジタルデータの変化によって処理するデジタル式強度設定ブロックである。デジタル式強度設定ブロックは、強度設定スイッチ47、48の操作によって調整される遊技球の発射強度データを処理するための処理ブロック(強度設定スイッチ処理ブロック)91と、発射停止スイッチ49を操作した後に遊技者が設定操作部30に対して非接触状態となった場合の遊技の一時停止時間を測定するための処理ブロック(タイマーブロック)100から構成されている。
強度設定スイッチであるUP/DOWNスイッチ47、48が押し操作されると、遊技球の発射強度を調整するためのクロックパルスであるUPスイッチパルスとDOWNスイッチパルスがそれぞれ発生する。このクロックパルスは、ノイズ、チャタリング除去回路92において、ノイズ及びチャタリングの除去処理がされた後に、クロック制御部93に入力される。クロック制御部93にはカウンタ用のクロック94が入力されており、ノイズ、チャタリング除去回路92から入力されたクロックパルスがUPスイッチ47の操作によるものである場合には、カウンタUP用のクロック94がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のUP端子に入力され、ノイズ、チャタリング除去回路92から入力されたクロックパルスがDOWNスイッチ48の操作によるものである場合には、カウンタDOWN用のクロック94がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のDOWN端子に入力される。
このプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に入力されたクロック94によって、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は増加あるいは減少するが、そのカウンタ値の増減の開始点はその時に設定されているプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値となる。即ち、図7に示すワープスイッチ41によっていずれかのプリセットポジションが選択された後のUP/DOWNスイッチ47、48の調整では、選択されたプリセットポジションに対応するプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が増減の開始点となる。また、ワープスイッチ41によってプリセットポジションが選択された後にUP/DOWNスイッチ47、48によって既にカウンタ値が調整されている場合には、その調整された後のプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が増減の開始点となる。
例えば、8ビットのD/Aコンバータを用いる場合、UP/DOWNスイッチ47、48の調整によってプリセット付き8ビットUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は、上記のカウンタ値を開始点としてカウンタ出力値の最小値「0」〜最大値「255」まで変化する。即ち、例えば、ワープスイッチ41によってプリセットポジション「レール内」が選択された場合には、「レール内」に対応するプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値「60」を増減の開始点として、最小値「0」〜最大値「255」まで変化し、同様に「ぶっ込み」が選択された場合にはカウンタ値「120」を開始点、「天」が選択された場合にはカウンタ値「127」を開始点、「右打ち」が選択された場合にはカウンタ値「250」を開始点として最小値「0」〜最大値「255」まで変化する。
8ビットのプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は、UP/DOWNスイッチ47、48の操作により最小値「0」〜最大値「255」まで変化するが、最小値「0」まで達したときはさらにDOWNスイッチ48が操作されても、また最大値「255」まで達したときはさらにUPスイッチ47が操作されても変化せずに最小値「0」および最大値「255」を維持する。即ち、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値が最小値「0」または最大値「255」まで達すると、そのことが最大・最小値検出部97により検出され、クロック制御93に伝達される。カウンタ値の最小値「0」に達したことが最大・最小値検出部97によって検出されると、クロック制御部93は、プリセット付きUP/DOWNカウンター95のDOWN端子に入力されるカウンタDOWNクロックの伝達を停止し、UP端子に入力されるカウンタUPクロックのみを伝達する。
カウンタ値の最大値「255」に達したことが最大・最小値検出部97によって検出されると、クロック制御部93は、プリセット付きUP/DOWNカウンター95のUP端子に入力されるカウンタUPクロックの伝達を停止し、DOWN端子に入力されるカウンタDOWNクロックのみを伝達する。このような処理により、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のキャリー/ボロー処理が禁止される。UP時は「0」→「1」→「2」…→…「253」→「254」→「255」、「255」(その後UPクロックを加えても「255」で飽和し続ける)、DOWN時は「255」→「254」→「253」…→…「2」→「1」→「0」、「0」(その後DOWNクロックを加えても「0」で飽和し続ける)のように処理される。カウンタDOWNクロックの停止、およびカウンタUPクロックの停止により、UP/DOWNカウンタ95のカウンタの最小値「0」および最大値「255」は維持される。
プリセット付きUP/DOWNカウンタ95から出力されたカウント値は、D/Aコンバータ96に入力される。D/Aコンバータ96には最大基準電圧と最小基準電圧が与えられており、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウント値をN、最大基準電圧をVmax、最小基準電圧をVminとすると、D/Aコンバータ96から出力される電圧Voutは、次式によって求められる。
Vout=Vmin+(Vmax−Vmin)*N/256
D/Aコンバータ96から出力された電圧は、図9に示す発射制御回路81に入力される。そして、この電圧に基づいて発射装置のソレノイドの励磁力が制御され、その励磁力による発射強度で遊技球が発射される。
図9、10の説明でも記載したように、インバータ回路90の出力信号(TCH(S)信号)はアンド回路110に入力されている。また、アンド回路110には図9に示すフリップフロップ71の出力信号Q'(F)と、リセットスイッチ24の状態を表わすRST(L)信号が入力されている。従って、アンド回路110の出力は、インバータ回路90の出力信号がハイ状態になり、さらにフリップフロップ71の出力信号Q'(F)がハイ状態になり、さらにRST(L)信号がハイ状態になったとき、即ち、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態になり、発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動の停止が解除され、さらにリセットスイッチ24がオン状態になったときハイ状態になる。さらに具体的には、例えば、遊技者が遊技を行っている途中で発射停止スイッチ49を操作せずに(一時停止状態にしないで)、設定操作部30から手を離して、可動アーム35が「立」状態になったときに、アンド回路110の出力はハイ状態になる。アンド回路110の出力信号であるRST2信号はオア回路112に入力される。
タイマーブロック100は、発射停止スイッチ49をオン操作した後に遊技者が設定操作部30または腕置き部36に対して非接触状態となっている遊技の一時停止時間を測定するための処理ブロック、即ち、遊技者の休息時間の制限を行なうブロックである。タイマーブロック100は、時間の測定の基準となるクロック101と、クロック101をカウントするカウンタ102と、カウンタ102によってカウントされた値をデコードし、予め設定されている時間に対応したカウント値か否か判定するデコーダ103と、予め設定されている時間、即ち、許容される休息時間を選択するためのセレクタ104と、デコーダ103によってカウンタ102のカウント値が設定された時間に達したときにパルス(TU:タイムアップパルス)を生成するワンショットパルス出力回路105から構成されている。セレクタ104には外部に設けられた、例えば、遊技者が操作できないパチンコ機の裏面側に設けられた選択スイッチ118が接続(図9、11において*1と表示)されており、この選択スイッチ118の設定により休息時間として遊技を一時停止することができる時間を予めパチンコホール側で決定できるようになっている。時間は2ビットの入力スイッチで設定することができ、例えば、15分、30分、45分、60分の4通りを選択できるようになっている。
図9に示すフリップフロップ71の出力信号Q'(F)とノイズ、チャタリング除去回路75の出力TCH(D)信号はオア回路113に入力されている。そして、オア回路113の出力信号はタイマーブロック100のカウンタ102のリセット端子に入力されている。カウンタ102はリセット端子の入力がハイ状態のときリセットされる。オア回路113の出力はフリップフロップ71の出力信号Q'(F)がハイ状態のとき、あるいはノイズ、チャタリング除去回路75の出力TCH(D)信号がハイ状態のときにハイ状態になる。フリップフロップ71の出力信号Q'(F)は、発射装置の発射駆動の停止が解除され遊技球の発射が許可されている期間にハイ状態となり、ノイズ、チャタリング除去回路75の出力は、遊技者が設定操作部30に接触している期間にハイ状態となる。即ち、カウンタ102は、フリップフロップ71の出力信号Q'(F)とノイズ、チャタリング除去回路75の出力TCH(D)信号が共にローとなった状態、つまり発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動が停止され、且つ遊技者が設定操作部30から手を離した状態でリセットが解除され、クロック101のカウントを開始する。そして、それ以外の状態ではリセットされている。
ワンショットパルス出力回路105から出力されたタイムアップパルスは、オア回路112に入力されている。また、オア回路112には上述したようにリセット信号(RST2)が入力されている。そして、オア回路112の出力信号は、リセット信号(RST3)としてプリセット付きUP/DOWNカウンタ95に入力されている。リセット信号(RST3)の入力によりプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値は「ゼロ」にリセットされる。即ち、発射停止スイッチ49の操作により発射装置の発射駆動が停止され、且つ遊技者が設定操作部30及び腕置き部36から手を離した状態で予め定められた休息時間が経過し、ワンショットパルス出力回路105からタイムアップパルスが出力されたとき、または遊技者が遊技を行っている途中で発射停止スイッチ49を操作せずに(一時停止状態にしないで)設定操作部30及び腕置き部36から手を離し、可動アーム35が「立」状態になり、リセット信号(RST2)が出力されたときに、オア回路112の出力からリセット信号(RST3)が出力され、プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウンタ値はリセットされる。
リセット信号(RST3)がプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセット端子に入力されると、それまで設定されていたプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のカウント値が最小値の「ゼロ」にリセットされる。これによりD/Aコンバータ96に入力されるデジタルデータも「00」になると共に、出力されるアナルログDC電圧値も最小基準電圧Vminになる。このD/Aコンバータ96の出力電圧値は、発射強度信号として発射制御回路81に入力され、発射装置から発射される遊技球の発射強度は最小になる。
UP/DOWNカウンターとは、本来、内部回路が複数のフリップフロップから構成されているので、外部からリセット入力することでデータが初期化される。また、更にクロックが入力されて次のデータに更新されるまで、前回のデータが保持されている。この性質を利用すると、本実施の形態のように一回の一時停止時における発射強度のデータの記憶および呼出しを行うためには、新たにRAM等の特別な記憶装置(メモリー)を別途追加することなくUP/DOWNカウンターのみで保存/呼出作業を行うことができる。
また、ワンショットパルス出力回路105から出力されたタイムアップパルスは、オア回路76に入力されている。タイムアップパルスが入力されると、オア回路76の出力からはリセット信号(RST1)が出力され、そのリセット信号はフリップフロップ71のリセット端子に入力される。リセット信号が入力されるとフリップフロップ71はリセットされ、出力信号Q'(F)はハイ状態になり、出力信号Q(E)はロー状態になる。即ち、遊技者が発射停止スイッチ49を操作して発射装置の発射駆動を停止させた後、設定操作部30及び腕置き部36から手を離した非接触状態のまま予め定められた休息時間が経過すると、タイムアップパルスの入力により発射装置の発射駆動の停止された一時停止状態が解除されると共に、一時停止期間中であることを表示していた表示灯22の点滅表示は停止される。遊技者は自分の意思で発射停止スイッチ49を操作し遊技を一時停止する状態に設定した後、予め許容されている時間(休息時間として許されている期間)が経過するまで設定操作部30及び腕置き部36から手を離した状態でいたことになる。このとき可動アーム35は「立」状態になっている。これによりホール側は、そのパチンコ機にまだ遊技球が残されていたとしても遊技者が席を離れている場合には、その遊技者はそこで遊技を継続する意思が無いものと判断して残されていた遊技球を片付けてそのパチンコ機を次の遊技者のために提供することが可能となる。
図9のブロック図によると、発射停止スイッチの操作処理と発射強度の設定処理は独立しているので、遊技者が発射停止スイッチ49の操作により発射一時停止状態に設定した場合であっても、スタンバイスイッチ23がオン状態になっていれば、発射強度の調整は可能である。しかし実際には、発射強度調整を行なう場合、可動アーム35を「倒」状態まで操作し、また発射強度操作装置17の設定操作部30に設けられているスイッチ41、47、48に触れて操作しなければならないので、その時、人体の再接触が検出され、発射一時停止状態は解除される。発射強度のデジタルデータは、次に遊技者が発射強度操作装置のスイッチ41、47、48を操作してデータを更新するまで、あるいは、発射一時停止状態に設定した後、設定操作部30または腕置き部36に接触しないまま予め設定されている休息時間を経過するまで、その操作直前のデータが保持されている。一時停止状態に設定された後、遊技者が発射強度を調整する場合には、遊技者が設定操作部30及び腕置き部36に接触することによって、発射一時停止状態に設定される直前の発射強度が再取得され、その発射強度データを開始点として調整が行われる。また、遊技者の接触により発射一時停止状態は解除され、前記再取得された発射強度で遊技球の再発射が行なわれる。よって、発射一時停止状態に設定された時に、発射強度の調整を受け付けないような構成にする必要は特にない。
図12は、図11に示すデジタル式強度設定ブロックにおいて、発射強度スイッチ47、48に替え図8に示すロータリーエンコーダー61を設けたものであり、ロータリーエンコーダー61の操作によって調整されるロータリーエンコーダー処理ブロック91'を示している。
ロータリーエンコーダ61はインクリメンタル方式で、回転操作するとA、B相の2相のクロックを発生する。これらA、B2相のクロックは、ノイズチャタリング除去回路92を経由してロータリーエンコーダクロック処理ブロック98に入力される。ロータリーエンコーダ61を右に回転操作すると、ロータリーエンコーダクロック処理ブロック98のUP/DOWN制御出力信号がハイ状態(「H」)になり、A、B各相のクロックの切り替わり毎にクロックが生成される(4逓倍されたクロックが発生する)。そして、ロータリーエンコーダ61を左に回転操作すると、UP/DOWN制御信号がロー状態(「L」)になり、A、B各相のクロックのレベルの切り替わり毎にクロックが生成される(4逓倍されたクロックが発生する)。これらのクロックはノイズ、チャタリング除去回路92に入力されるが、その処理は図7のノイズ、チャタリング除去回路92の処理と同様である。
次に、このロータリーエンコーダクロック処理ブロック98によって生成されたクロックとUP/DOWN制御信号はクロック制御部93'に入力される。クロック制御部93'は、UP/DOWN制御信号が「H」の場合は、生成されたクロックをUP/DOWNカウンタ95'のUP端子に入力し、UP/DOWN制御信号が「L」の場合は、生成されたクロックをUP/DOWNカウンタ95'のDOWN端子に入力する。このUP/DOWNカウンタ95'に入力されたUP/DOWNクロックによって、UP/DOWNカウンタの値は増加または減少するが、その処理の内容は図11のプリセット付きUP/DOWNカウンタ95の処理と同様である。また、D/Aコンバータ96、最大・最小値検出部97による処理の内容も図11で説明したそれらの処理と同様である。
図13から図15は、図1に示すパチンコ機1の制御手段による遊技球発射駆動の別の一形態を示す制御ブロック図であり、図9から図12に示した遊技球発射駆動の制御ブロックにおいて、オン操作期間中にのみ遊技球の発射を停止させることができる(ラッチ機能を有しない)発射停止スイッチを使用したものである。従って、同一の部材には同じ番号を付し、同様の作用をする場合にはその詳細な説明は適宜省略する。
発射停止スイッチ49'を押操作すると、その押操作している期間中はSTOP(A)信号はロー状態になり、押操作を止めるとるSTOP(A)信号はハイ状態になる。STOP(A)信号はノイズ、チャタリング除去回路70に入力され論理反転等され、STOP(B)信号として出力される。STOP(B)信号はインバータ回路119に入力されて更に反転された後、アンド回路80に入力(STOP(T)信号)される。従って、アンド回路80には発射停止スイッチ49'が押操作されている期間中はロー状態の信号(STOP(T)信号)が入力される。アンド回路80には、アンド回路109の出力信号であるARM(P)信号も入力されているが、ARM(P)信号の状態に影響されず、アンド回路80の出力信号である発射許可信号86(HCND(J))は、発射停止スイッチ49'が押操作されている期間中はロー状態になる。発射許可信号86は、発射制御回路81に入力されており、ロー状態の発射許可信号86により発射装置の発射駆動が停止し、遊技球の発射はその発射停止スイッチ49'が押操作されている期間中は停止状態になる。
発射停止スイッチ49'の押操作を止めるとるアンド回路80にはインバータ回路119からハイ状態のSTOP(T)信号が入力される。また、アンド回路80にはアンド回路109の出力信号であるARM(P)信号も入力されており、ARM(P)信号は、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオン状態(TCH(D)信号がハイ)であり、且つ、スタンバイスイッチ23がオン状態(STBY(O)信号がハイ)のときにハイ状態になる。従って、アンド回路80の出力信号である発射許可信号86は、発射停止スイッチ49'が押操作されておらず、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオン状態にあり、さらにスタンバイスイッチ23がオン状態のときにハイ状態になり、遊技球の発射が許可される。
プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセット端子には、アンド回路110の出力信号であるRST1信号が入力されている。アンド回路110にはインバータ回路90の出力信号(TCH(S)信号)と、リセットスイッチ24の状態を表わすRST(L)信号と、発射停止スイッチ49'の操作状態を表わすSTOP(T)信号が入力されている。従って、アンド回路110の出力信号であるRST1信号は、インバータ回路90の出力信号がハイ状態になり、さらにRST(L)信号がハイ状態になり、さらにSTOP(T)信号がハイ状態になったとき、即ち、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態になり、さらに可動アーム35が「立」状態になってリセットスイッチ24がオン状態になり、さらにそのとき発射停止スイッチ49が押操作されていなければハイ状態になる。そしてこのRST1信号がハイ状態になるとプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のデータがリセットされる。
図16、図17は、図1に示すパチンコ機1の制御手段による遊技球発射駆動の別の一形態を示す制御ブロック図あり、図9から図12に示した遊技球発射駆動の制御ブロックにおいて、発射強度操作装置17にリセットスイッチ24のみを設けたものである。従って、同一の部材には同じ番号を付し、同様の作用をする場合にはその詳細な説明は適宜省略する。
遊技者が遊技していない初期状態(放置状態)では、可動アーム35は「立」状態になるため、リセットスイッチ24はオン状態になり、遊技球の発射強度はリセットされた初期化状態になっている。この状態から遊技者が可動アーム35を「倒」状態方向へ回転操作すると、腕置き部36に対して接触状態となり、さらにリセットスイッチ24がオフ状態になるため、設定操作部30のスイッチ33操作が受け付け可能な遊技球発射強度の調整受付状態になる。リセットスイッチ24のオフでRST(L)信号はロー状態になり、インバータ回路120で反転されたRST(M)信号はハイ状態になる。このRST(M)信号によってドライバー107が駆動され、遊技球発射強度の調整受付状態であることを報知する強度調整可能表示灯18が点灯表示される。
腕置き部36に接触状態になったことがタッチセンサ74によって検出されたことによりTCH(D)信号がハイ状態になり、また上記のようにRST(M)信号がハイ状態になることで、アンド回路109の出力信号であるARM(O)信号がハイ状態になる。これにより、発射停止スイッチ49がオン操作されていなければ(フリップフロップ71の出力信号Q'(F)がハイになるので)、アンド回路80の出力信号である発射許可信号86がハイ状態になり、この信号が発射制御回路81に入力され発射装置の発射駆動が開始される。従って、発射強度が既に設定され、その強度が記憶されていたとすれば、再取得されてその発射強度で遊技球の発射が行われるが、ここでは、上記のように初期状態から可動アーム35の操作を行っているので、発射強度が調整されるのを待つ調整待機状態になる。
遊技者は通常、可動アーム35を略90度回転操作し、腕置き部36の面が略水平になった「倒」状態にしてスイッチ33の操作、即ち、発射強度の調整を行う。発射強度が調整されるとその調整された発射強度で遊技球の発射が開始される。この形態ではスタンバイスイッチ23が設けられていないため、可動アーム35の状態が「倒」状態まで回転操作されていなくても、リセットスイッチ24がオフ状態であり、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオン状態にあり、発射強度が設定されていれば発射装置の発射駆動は作動し遊技球は発射される(但し、発射停止スイッチ49がオフ状態になっていることは要)。
遊技者が設定操作部30および腕置き部36から手を離してタッチオフ状態になると、TCH(D)信号がロー状態になるためアンド回路109の出力信号であるARM(O)信号はロー状態になり、さらにアンド回路80の出力信号である発射許可信号86がロー状態になるため発射装置の発射駆動は停止され、遊技球の発射が停止される。このとき遊技者がタッチオフ状態になる直前の発射強度は記憶手段に保持される。また、可動アーム35は遊技者がタッチオフ状態になることで自動的に「倒」状態から「立」状態の方向へ回転を開始する。但し、遊技者が前記回転の途中の可動アーム35に再度タッチオン状態になったときは、前記保持された発射強度を再取得して、その強度で遊技球の発射が再開される。
記憶手段に保持された発射強度は、図17に示すプリセット付きUP/DOWNカウンタ95がリセットされるまで保持される。プリセット付きUP/DOWNカウンタ95は、アンド回路110に入力されている信号が全てハイ状態なったとき、即ち、発射停止スイッチ49がオフ操作されており、遊技者がタッチオフ状態で、さらにリセットスイッチ24がオン状態になったときにリセットされる。あるいは、発射停止スイッチ49がオン操作されている場合には、遊技者がタッチオフの状態で予め定められた所定時間(休息時間)が経過したときにリセットされる。可動アーム35が「立」状態になり設定操作部30を覆い隠す状態に格納されると、リセットスイッチ24がオン状態になる。これにより発射強度調整の受付が不可能状態になり、発射停止スイッチ49がオン操作されていなければ、発射強度が初期化されて遊技が終了する。
尚、図17に示すデジタル式強度設定ブロックは、図11に示す強度設定スイッチ処理ブロック91と図12に示すロータリーエンコーダ処理ブロック91'とを同一の図面上に表わしたものであり、制御によっていずれかの処理ブロックを選択できることを示している。
図18、図19は、図1に示すパチンコ機1の制御手段による遊技球発射駆動の別の一形態を示す制御ブロック図であり、図16から図17に示した遊技球発射駆動の制御ブロックにおいて、オン操作期間中にのみ遊技球の発射を停止させることができる(ラッチ機能を有しない)発射停止スイッチを使用したものである。従って、同一の部材には同じ番号を付し、同様の作用をする場合にはその詳細な説明は適宜省略する。
発射停止スイッチ49'を押操作すると、その押操作している期間中はSTOP(A)信号はロー状態になり、押操作を止めるとるSTOP(A)信号はハイ状態になる。STOP(A)信号はノイズ、チャタリング除去回路70に入力され論理反転等され、STOP(B)信号として出力される。STOP(B)信号はインバータ回路119に入力されて更に反転された後、アンド回路80に入力(STOP(T)信号)される。従って、アンド回路80には発射停止スイッチ49'が押操作されている期間中はロー状態の信号(STOP(T)信号)が入力される。アンド回路80には、アンド回路109の出力信号であるARM(P)信号も入力されているが、ARM(P)信号の状態に影響されず、アンド回路80の出力信号である発射許可信号86(HCND(J))は、発射停止スイッチ49'が押操作されている期間中はロー状態になる。以下発射許可信号86による発射装置の発射駆動に関しては図13に示す場合と同様である。
発射停止スイッチ49'の押操作を止めるとるアンド回路80にはインバータ回路119からハイ状態のSTOP(T)信号が入力される。また、アンド回路80にはアンド回路109の出力信号であるARM(P)信号も入力されており、ARM(P)信号は、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオン状態(TCH(D)信号がハイ)であり、且つ、リセットスイッチ24がオフ状態(RST(M)信号がハイ)のときにハイ状態になる。従って、アンド回路80の出力信号である発射許可信号86は、発射停止スイッチ49'が押操作されておらず、遊技者が設定操作部30または腕置き部36にタッチオン状態にあり、さらにリセットスイッチ24がオフ状態のときにハイ状態になり、遊技球の発射が許可される。
プリセット付きUP/DOWNカウンタ95のリセット端子には、アンド回路110の出力信号であるRST1信号が入力されており、その動作については図13に示す場合と同様であり、遊技者が設定操作部30および腕置き部36に対して非接触状態になり、さらに可動アーム35が「立」状態になってリセットスイッチ24がオン状態になり、さらにそのとき発射停止スイッチ49が押操作されていなければハイ状態になる。そしてこのRST1信号がハイ状態になるとプリセット付きUP/DOWNカウンタ95のデータがリセットされる。