<遊技機の構成>
図1を用いて、まず、遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図である。遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
遊技機100は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠160と、その外枠160と回動可能に支持されたガラス枠150とを備えている。また、外枠160には、遊技球が流下する遊技領域106が形成された遊技盤102が着脱自在に設けられている。ガラス枠150には、回動操作されることにより遊技領域106に向けて遊技球を発射させる後述する発射ハンドル装置103と、スピーカからなる音声出力装置132と、複数のランプを有する演出用照明装置134と、押圧操作により演出態様を変更させるための第1演出ボタン135及び第2演出ボタン136とが設けられている。
更に、ガラス枠150には、複数の遊技球を貯留する受け皿140が設けられており、この受け皿140は、発射ハンドル装置103の方向に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。この受け皿140の下りの傾斜の端部には、遊技球を受け入れる図示しない受入口が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、破線で示す発射レール104に送り出されてその発射レール104の下り傾斜の端部で停留する。そして、遊技者が発射ハンドル装置103の後述する操作ハンドル205を回動させると、その回動量に伴って所定の発射強度で遊技球が遊技領域106に発射される。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール104から外レール105a、内レール105b間を上昇して玉戻り防止片105cを超えると遊技領域106に到達し、その後遊技領域106内を落下する。このとき、遊技領域106に設けられた図示しない複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下する。
遊技領域106の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第1始動入賞装置112が設けられている。この第1始動入賞装置112は、一般入賞装置タイプの入賞装置であって、遊技球の入球を検出する第1始動入賞装置検出スイッチ612(図6参照)が設けられている。そして、第1始動入賞装置検出スイッチ612が遊技球の入球を検出すると、後述する「特別図柄の抽選」(以下、「大当りの抽選」ともいう)が行われると共に、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第1始動入賞装置112の下方には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第2始動入賞装置115が設けられている。第2始動入賞装置115は、一対の可動片115bを有したいわゆるチューリップ式電動役物であって、これら一対の可動片115bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片115bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動入賞装置115が第1の態様に制御されているときには、遊技球の受入れを不可能としている(図1では、第2始動入賞装置115が第1の態様に制御されているときを示している)。一方で、第2始動入賞装置115が第2の態様に制御されているときには、一対の可動片115bが受け皿として機能し、第2始動入賞装置115への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動入賞装置115は、第1の態様にあるときには、遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
また、第2始動入賞装置115には、遊技球の入球を検出する第2始動入賞装置検出スイッチ615(図6参照)が設けられている。そして、第2始動入賞装置検出スイッチ615が遊技球の入球を検出すると、上記第1始動入賞装置112と同様に、後述する「特別図柄の抽選」(以下、「大当りの抽選」ともいう)が行われると共に、第1始動入賞装置112と同じ賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
遊技領域106の左側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113aが設けられている。普通図柄作動ゲート113aには、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ630a(図6参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ630aが遊技球の通過を検出すると、後述する「普通図柄の抽選」(以下、「当りの抽選」ともいう)が行われる。なお、普通図柄作動ゲート113aを遊技球が通過しても、その通過に基づいた賞球が払い出されることはない。
遊技領域106の右側の領域には、上から順に、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113bと、遊技球が入球可能な大入賞装置117と、遊技球を第2始動入賞装置115へ誘導する誘導板116とが設けられている。普通図柄作動ゲート113bは、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ630b(図6参照)が設けられており、上記普通図柄作動ゲート113aと同一機能を有している。
大入賞装置117は、いわゆるアタッカー型電動役物であって、その下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な開閉扉117bを有しており、この開閉扉117bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される(図1では、開閉扉117bが開放状態に制御されているときを示している)。そして、開閉扉117bが遊技盤面に立設していると、遊技球を大入賞装置117内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞装置117に入球可能となる。また、大入賞装置117には大入賞装置検出スイッチ617(図6参照)が設けられており、この大入賞装置検出スイッチ617が遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
開閉扉117bは、遊技領域106に設けられており、大当り遊技において開く。具体的には、開閉扉117bは、大当り遊技の各ラウンドの開始時において開く。また、開閉扉117bは、各ラウンドにおいて、開いた後、規定入賞数(max9個)の遊技球が大入賞装置117に入賞すると閉じる。
誘導板116は、遊技盤面側に突設する板状部材であって、遊技領域106の右側の領域を落下して誘導板116に到達した遊技球を、第2始動入賞装置115の方向に遊技球を転動させて誘導するよう下り傾斜を有している。つまり、誘導板116は、第2始動入賞装置115が第2の態様にあるときに、当該第2始動入賞装置115への遊技球の入賞を容易にする部材である。
なお、遊技領域106の最下部には、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115、大入賞装置117のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口111が設けられている。
遊技領域106の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる画像表示装置131が設けられており、この画像表示装置131は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115の遊技球の入賞に基づいて、特別図柄の抽選結果を報知するための複数の演出図柄が変動表示され、特定の演出図柄の組合せ(例えば、777等)が停止して確定表示されることにより、特別図柄の抽選結果として大当りが報知される。
つまり、演出図柄は、第1始動入賞装置112、第2始動入賞装置115に遊技球が入賞したときには、後述する第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122に表示される特別図柄の変動表示に合わせて変動表示すると共に、所定の変動時間経過後に特別図柄の停止表示に合わせて停止表示する。すなわち、画像表示装置131による演出図柄の変動表示と第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122による特別図柄の変動表示のタイミングは、同期している。また、この演出図柄の変動表示中に、様々な画像やキャラクタ等を表示することによって、大当りに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもなっている。なお、本実施形態においては、画像表示装置131を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクターや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス、回転ドラム等の表示装置等を用いてもよい。
遊技盤102の内レール105bの右下方には、普通図柄表示装置118、第1特別図柄表示装置120、第2特別図柄表示装置122、普通図柄保留表示器119、第1特別図柄保留表示器123、第2特別図柄保留表示器124が設けられている。第1、第2特別図柄表示装置120、122は、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したこと(第1、第2始動入賞装置検出スイッチ612、615が遊技球の入球を検出したこと)を契機として行われた大当りの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1、第2特別図柄表示装置120、122に大当りの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当りに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当り」に対応する値と比較することにより、大当りか否かを判定する処理をいう。この大当りの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1、第2特別図柄表示装置120、122において特別図柄の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当りの抽選結果に対応する特別図柄が停止後確定表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。
普通図柄表示装置118は、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したこと(ゲート検出スイッチ630a、630bが遊技球の入球を検出したこと)を契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するものであり、1つのLED(図示では「◎」)で構成されている。つまり、普通図柄表示装置118は、普通図柄の抽選によって当りに当選すると普通図柄表示装置122が点灯することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。なお、普通図柄表示装置118は、1つのLEDに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能なランプ)で構成されていてもよい。この普通図柄の抽選によって当りに当選すると、第2始動入賞装置115が所定時間、第2の態様(可動片115bが開状態)に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置122において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止後確定表示(点灯又は消灯)して、遊技者に抽選結果が報知されるようになっている。
また、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122において特別図柄の変動表示中、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球して、即座に大当りの抽選が行えない場合には、一定の条件下で、大当りの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1、第2始動入賞装置112、115に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用の乱数を保留して記憶する。
この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器123と第2特別図柄保留表示器124とに表示される。ここで、第1、第2特別図柄保留表示器123、124において、保留が1つの場合には左側のLEDが、保留が2つの場合には左右2つのLEDが点灯し、保留が3つの場合には左側のLEDが点滅すると共に右側のLEDが点灯し、保留が4つの場合には、左右2つのLEDが点滅する。この第1、第2特別図柄保留表示器123、124の表示態様は、これに限らず、例えば4つのLEDを横一列に並べて、保留の発生に対して左側のLEDから順に点灯するようにしてもよい。
また特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示中、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過して、即座に当りの抽選が行えない場合には、一定の条件下で、当りの抽選の権利が保留される。より詳細には、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が入球したときに取得された普通図柄判定用の乱数を保留して記憶する。この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、普通図柄保留表示器119に表示される。なお、普通図柄保留表示器119の表示態様は、上記した第1、第2特別図柄保留表示器123、124の表示態様に準じ、ここでの説明は省略する。
第1演出ボタン135は、主として「決定ボタン」の機能を果たし、第2演出ボタン136は、主として「選択ボタン」の機能を果たすものである。この第1演出ボタン135には、1つの押圧操作を検出する第1演出ボタン検出スイッチ635(図6参照)が設けられ、第2演出ボタン136には、複数の押圧操作を検出する第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636e(図6参照)が設けられている。そして、これらの第1演出ボタン検出スイッチ635又は第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636eから遊技者の押圧操作が検出されると、画像表示装置131に表示される画像が変更されることになる。なお、本実施形態では、第1演出ボタン135、第1演出ボタン検出スイッチ635、第2演出ボタン136、第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636eを総称して「入力装置137」ともいう。
<発射ハンドル装置の構成>
図2〜4を用いて、発射ハンドル装置103の構成及びその動作原理について説明する。図2は、発射ハンドル装置103のハンドル部200の外観構成の説明図であって、(a)はハンドル部200の正面図、(b)は発射ハンドル部200の平面図であり、図3は、発射ハンドル装置103のハンドル部200の斜視図である。発射ハンドル部200は、遊技を行うにあたって遊技者の操作によって遊技球の発射、停止、発射強度(飛距離)の調整を行なう装置であり、図2、3に示すように、ガラス枠150の右下側に固定されるハンドルベース202と、このハンドルベース202に対して前方から取り付けられるハンドルカバー203と、ハンドルベース202とハンドルカバー203との間に回動自在に挟持される操作ハンドル205とを備えている。
ハンドルベース202は、ガラス枠150に固定される略円筒形状の固定部232と、固定部232から前方側に延設された略半球形状の膨出部234とを備えている。ハンドルベース202の内部には、種々の部品、例えば、後述する遊技球の発射強度を決定する発射ボリューム692(図6参照)や遊技者が操作ハンドル205に触れていることを検知するタッチセンサ691(図6参照)、あるいは回動された操作ハンドル205を原点位置に復帰させる図示しない復帰バネ等が内蔵されている。
図2に示すように、ハンドルベース202の膨出部234の左側部には、遊技球の発射を停止させる発射停止ボタン256が設けられている。発射停止ボタン256は、遊技者の操作ハンドル205の回動量に拘らず、押圧操作することでオンとなって遊技球の発射を停止させることが可能に構成されており、また、この発射停止ボタン256には、押圧操作を検出する発射停止ボタン検出スイッチ696(図6参照)が設けられている。
操作ハンドル205は、略円盤形状の部材であって、その外周部分には遊技者が指を掛ける略山状の第1指掛け部237a、第2指掛け部237b、第3指掛け部237c、第4指掛け部237dが形成されている。操作ハンドル205は、図2(a)の矢印A(二点鎖線)に示すように、時計方向に回動させることにより徐々に遊技球の発射強度が上がるように構成されており、この時計方向に回動した状態(図2(a)の二点鎖線で示した状態)では、図示しない復帰バネの復元力により常時原点位置へ復帰させる付勢力が与えられている。
また、操作ハンドル205は、表面に金属メッキが施されて導電性を有しており、ハンドルベース202の固定部232の内部に設けられた後述のタッチセンサ691(図6参照)に対して、図示しないリード線により接続されている。これにより、操作ハンドル205は、タッチセンサ691のタッチプレートとして機能し、遊技者の手が操作ハンドル205の表面に接触すると、静電容量の変化に基づいてこの接触を検知することができる。なお、遊技球の発射は、操作ハンドル205が回動されていてもタッチセンサ691が遊技者の接触を検知していないと、発射不能となるよう構成されている。
更に、操作ハンドル205の第1指掛け部237aには、本発明の要部を構成する右打ちボタン250が設けられている。右打ちボタン250は、円形状に形成され、遊技者が操作ハンドル205を回動した状態であっても容易に操作可能なように、第1指掛け部237aの外周面において上方に突出するように設けられている。右打ちボタン250は、所定の条件下で遊技者がオン操作すると、遊技者の操作ハンドル205の回動量に拘らず、遊技球の発射強度を所定の打ち出し強さに設定して、発射された遊技球を遊技領域106の右側に向けて発射するいわゆる「右打ち」ができるようになっている。
一般的に、「右打ち」とは、遊技者が操作ハンドル205の回動量を大きくして、強い力で遊技球を打ち出すことで、この場合、打ち出された遊技球は、図1の矢印B2に示すように、遊技領域106において中央に配設された画像表示装置131の右側を落下し、大入賞装置117の方向に流下し易くなるが、本実施形態によれば、遊技者は、操作ハンドル205の回動量に拘らず、右打ちボタン250をオン操作するだけで「右打ち」を行うことができる(ただし、タッチセンサ691による遊技者の接触検知は必要)。すなわち、遊技者は、所定の条件下で「右打ち」する前の操作ハンドル205の回動量を維持したままで右打ちボタン250をオン操作すれば、「右打ち」を行うことができる。因みに、「左打ち」とは、遊技者が操作ハンドル205の回動量を小さくして、弱い力で遊技球を打ち出すことで、この場合、打ち出された遊技球は、図1の矢印Aに示すように、遊技領域106において画像表示装置131の左側を落下するようになる。
ここで、右打ちボタン250としては、本実施形態では下方に押し込む押しボタン形式で、オン操作を維持するには押し込んだ状態(押圧操作状態)を保つ非ロック式のものを採用している。つまり、遊技者は、右打ちボタン250のオンを維持するには、右打ちボタン250を押し続ける必要がある。これにより、遊技の興趣が向上する。また、この右打ちボタン250には、押圧操作を検出する右打ちボタン検出スイッチ695(図6参照)が設けられている。なお、この右打ちボタン250は、この非ロック式に限定されることなく、他の種類のものを採用してもよく、例えば、一度押圧操作すると遊技者が押し込んだ状態を保つことなく、次の押圧操作(オフ操作)までオン状態を維持できる、つまり、一度押しただけで右打ちボタン250のオンが維持できるロック式のものを採用してもよい。
図4を用いて、次に、発射ハンドル装置103の動作原理について説明する。図4は、発射ハンドル装置103の発射機構部400の動作原理を説明するための説明図であって、(a)は発射機構部400の発射用ソレノイド420の未通電時、(b)は発射機構部400の発射用ソレノイド420の通電時の態様を示している。
発射機構部400は、発射レール104の下り傾斜の端部側に設けられており、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド420と後述の玉送りソレノイド694(図6参照)とを含んで構成されている。また、発射用ソレノイド420には打出部材402が直結されており、この打出部材402は、遊技球を打ち出す槌404と磁力を帯びた第1マグネット部406とに二股状に分かれている。更に、発射レール104の下り傾斜の端部の上側には、遊技球を停止するストッパー408と第1マグネット部406とは異なる磁極からなる磁力を帯びた第2マグネット部410とが設けられている。
遊技者が操作ハンドル205を回転させると、タッチセンサ691が操作ハンドル205と遊技者とが接触していることを検知するとともに、操作ハンドル205に直結している可変抵抗器からなる後述の発射ボリューム692(図6参照)も回転する。
発射制御基板690は、タッチセンサ691からのタッチ信号と、発射ボリューム692に応じた電圧値とを少なくとも入力し、入力した電圧値に基づいて電流値を生成し、生成した電流値で発射用ソレノイド420を通電する。なお、発射制御基板690は、少なくともタッチ信号が入力されないと、発射用ソレノイド420を通電しない。
図4(a)に示すように、発射用ソレノイド420が通電されていないとき、発射用ソレノイド420は原点位置に待機しており、この状態で発射レール104下端の発射位置にセットされている遊技球は発射されることはない。そして、発射用ソレノイド420が通電されると、発射用ソレノイド420に直結された打出部材402が図4(b)の矢印Dに示すように回転し、打出部材402の槌404により遊技球が打ち出され、遊技領域106に向けて遊技球が発射される。
図4(b)に示す状態で、発射用ソレノイド420が通電されなくなると、槌404の自重に加え、第1マグネット部406と第2マグネット部410とが引き合う磁力により、図4(a)に示すように、打出部材402が元の原点位置に戻ることになる。このように、発射制御基板690が発射用ソレノイド420を通電することで、遊技球が発射されることになる。
<遊技内容の説明>
図1を参照して、次に、上記したように構成される本実施形態の遊技機100における遊技の主な流れについて説明する。まず、遊技者は、通常遊技状態(後述する大当り、高確率、時短遊技状態以外の遊技状態)で、普通図柄の当り及び特別図柄の大当りを獲得すべく、図1の矢印Aに示すように、操作ハンドル205の回動量を小さくして「左打ち」を行い、遊技領域106の左上に位置する普通図柄作動ゲート113a及び遊技領域106の略中心のいわゆる「ヘソ」に位置する第1始動入賞装置112を狙って遊技球を発射する。
この通常遊技状態で、操作ハンドル205の回動量を大きくする「右打ち」を行わないのは、遊技領域106の右上に位置する普通図柄作動ゲート113bは通過しても、釘の配列上、「ヘソ」に位置する第1始動入賞装置112には入賞し難くなっているからである。なお、この状態では、第2始動入賞装置115(以下、電チュー115ともいう)は遊技球の入賞できない第1の態様になっている。
そして、普通図柄作動ゲート113aを遊技球が通過すると、その通過に基づいて普通図柄表示装置118に普通図柄の変動表示が開始されて普通図柄の当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われ、一方、第1始動入賞装置112に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて第1特別図柄表示装置120に特別図柄の変動表示が開始され、更にこの特別図柄の変動表示と同期して、画像表示装置131に演出図柄の変動表示が開始され、特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われる。
図5を参照して、ここで、本実施形態の遊技機100において用いられる各種乱数について説明する。図5は、本実施形態の遊技機100において各種乱数が取得される乱数テーブルの説明図であり、(a)は大当り乱数テーブル、(b)は大当り図柄乱数テーブル、(c)はリーチ乱数テーブル、(d)は当り乱数テーブル、(e)は当り図柄乱数テーブルの一例をそれぞれ示した図である。特別図柄(演出図柄)は、図5(a)に示す大当り乱数テーブルにより取得される大当り乱数と、図5(b)に示す大当り図柄乱数テーブルにより取得される大当り図柄乱数とに基づいて生成され、また、普通図柄は、図5(d)に示す当り乱数テーブルにより取得される当り乱数と、図5(e)に示す当り図柄乱数テーブルにより取得される当り図柄乱数とに基づいて生成される。
図5(a)に示す大当り乱数テーブルでは、第1始動入賞装置112、電チュー115の入賞時、例えば「0」〜「299」までの300個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。大当り乱数テーブルの場合、低確率遊技状態(大当り確率が低確率になっている遊技状態)では、大当りの割合が、例えば1/300に設定され、取得した大当り乱数値が「3」のときに大当りと判定される。
一方、高確率遊技状態(大当り確率が高確率になっている遊技状態)では、大当りの割合が低確率遊技状態の10倍の10/300に設定され、取得した大当り乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のときに大当りと判定される。
更に、大当り乱数テーブルでは、小当りの抽選も行っている。図5(a)に示す例では、小当りの割合が6/300に設定され、取得した大当り乱数値が「0」、「50」、「100」、「150」、「200」、「250」のときに小当りと判定される。なお、この小当りになると、大入賞装置117の開放態様は、後述の確変2R大当りの大入賞装置117の開放態様と同一の動作をする。
図5(b)に示す大当り図柄乱数テーブルでは、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして、取得した大当り図柄乱数に基づいて、複数種類の大当りの中から何れか1つの大当りを決定する。本実施形態の遊技機100では、複数種類の大当りとして、通常8R大当り(時短付)、確変16R大当り(時短付)及び確変2R大当り(時短無し)の3種類の大当りが用意されている。なお、この大当りの種類は、例えばラウンド数の異なるものや、大入賞装置117の開閉扉117bの開閉態様が相違する(例えば、開閉時間や規定入賞数が相違する)ものなど、4種類以上あってもよい。
通常8R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が8ラウンドであって、ラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bは、所定時間経過(例えば29.5秒)又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放される大当りであり、賞球としての出球の払い出しはあまり期待できない(例えば1000個)ものの、大当り遊技終了後、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまでの期間、時短遊技を付与する大当りである。
確変16R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が16ラウンドであって、ラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bは、所定時間経過(例えば29.5秒)又は規定入賞数(max9個)の遊技球が入賞するまで開放される大当りであり、賞球としての出球の払い出しが期待できる(例えば2000個)と共に、大当り遊技終了後、次の大当りになるまで高確率遊技と時短遊技の両方を付与する大当りである。
確変2R大当りは、大当り遊技時におけるラウンド数が2ラウンドと少なく、しかもラウンドにおける大入賞装置117の開閉扉117bの開放時間が極端に短い(例えば0.2秒、ただし規定入賞数はmax9個)大当りであり、賞球としての出球の払い出しはほとんど期待できない(入賞がほとんどない)ものの、大当り遊技終了後、次の大当りになるまで高確率遊技を付与する大当りである。
この確変2R大当りにおける大入賞装置117の開放態様は、小当りと同一の動作であり、しかも大当り遊技終了後に時短遊技が付与されないので、見た目上、遊技者は、確変2R大当りと小当りとの区別を付けることができない。従って、この確変2R大当りの大当り遊技終了後、遊技状態が内部的に高確率になっていることを遊技者は認識できず、つまり、この確変2R大当りは、いわゆる「潜伏確変大当り」に相当する。
また、本実施形態の遊技機100では、第1始動入賞装置112に遊技球が入球した場合と、電チュー115に遊技球が入球した場合では、大当りが選択される割合が異なるように構成されている。具体的には、図5(b)に示すように、遊技球が第1始動入賞装置112入賞時に取得された大当り図柄乱数が「0」〜「99」であれば、通常8R大当りが選択され、この場合の割合は100/250となり、「100」〜「174」であれば、確変16R大当りが選択され、この場合の割合は75/250となり、「175」〜「249」であれば、確変2R大当りが選択され、この場合の割合は75/250となる。
一方、遊技球が電チュー115入賞時に取得された大当り図柄乱数が「0」〜「99」であれば、通常8R大当りが選択され、この場合の割合は100/250となり、「100」〜「249」であれば、確変16R大当りが選択され、この場合の割合は150/250となる。なお、確変2R大当りは、電チュー115入賞時に選択されることはない。
第1始動入賞装置112入賞時と電チュー115入賞時において選択される大当り種類を比較すると、第1始動入賞装置112入賞時は、確変16R大当りの割合が75/250であるのに対して、電チュー115入賞時は、確変16R大当りの割合が150/250であり、電チュー115入賞時のほうが、確変16R大当りが選択される割合が高くなっている。更に、第1始動入賞装置112入賞時は、確変2R大当りの割合が75/250であるのに対して、電チュー115入賞時は、確変2R大当りの割合が0/250である(なお、第1始動入賞装置112及び電チュー115入賞時において選択される確変大当り(又は通常大当り)の振り分けは、図5(b)の円グラフに示すように、同一となっている(確変大当りの割合は150/250、通常大当りの割合は100/250))。
すなわち、電チュー115の方が第1始動入賞装置112よりも、遊技者にとって有利となるように構成されている。このよう構成すると、電チュー115への遊技球の入賞率が高くなるいわゆる電チューサポートの遊技状態(時短遊技状態)に移行したときは、確変16R大当りに連続して当選する確率が高くなるため、多量の出球の獲得が期待でき、趣向性の高い遊技を提供することができる。
図5(c)に示すリーチ乱数テーブルでは、遊技球が始動入賞装置(第1始動入賞装置112又は電チュー115)の入賞時に、「0」〜「249」までの250個の乱数の中から一つの乱数値を取得される。リーチ乱数テーブルの場合、リーチ有りの割合が、例えば22/250に設定され、取得したリーチ乱数値が「0」〜「21」のときにリーチ有りと判定される。一方、リーチ無しの割合は228/250に設定され、取得したリーチ乱数値が「22」〜「249」のときにリーチ無しと判定される。なお、リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数である。
図5(d)に示す普通図柄の当り乱数を抽選する当り乱数テーブルでは、遊技球が普通図柄作動ゲート113a、113bの通過時、「0」〜「9」までの10個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。当り乱数テーブルの場合、時短以外の遊技状態(以下、時短外遊技状態ともいう)では、当りの割合が、例えば1/10に設定され、取得した当り乱数値が「7」のときに当りと判定される。一方、時短遊技状態では、当りの割合が時短外遊技状態の9倍の9/10に設定され、取得した当り乱数値が「0」〜「8」のときに当りと判定される。
図5(e)に示す当り図柄乱数テーブルでは、「0」〜「2」までの3個の乱数の中から一つの乱数値が取得される。そして、取得した当り図柄乱数に基づいて、複数種類の当りの中から何れか1つの当りを決定する。本実施形態の遊技機100では、複数種類の当りとして、ショート当りとロング当りの2種類の当りが用意されている。
ショート当りは、普通図柄の抽選によって当りに当選したとき電チュー115が開状態になる第2の態様に制御される時間が短い(例えば0.5秒の単開放、規定入賞数max9個)当りであり、一方、ロング当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が長い(例えば6秒の単開放、規定入賞数max9個)当りである。当り図柄乱数テーブルの場合、ショート当りは、その割合が例えば2/3に設定され、取得した当り図柄乱数値が「0」「1」のときにショート当りと判定され、一方、ロング当りは、その割合が例えば1/3に設定され、取得した当り図柄乱数値が「2」のときにロング当りと判定される。
ショート当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が短い単開放なので、遊技球の電チュー115への入賞は困難で、従って、賞球としての出球の払い出しは殆ど期待できず、その入賞に基づく特別図柄の大当り抽選の実行も殆ど期待できない当りである。
一方、ロング当りは、電チュー115が第2の態様に制御される時間が長い単開放なので、複数の遊技球(上限は9個)の電チュー115への入賞が期待でき、従って、賞球としての出球の払い出しが期待できると共に、その入賞に基づく特別図柄の大当り抽選の実行も期待できる当りである。しかも、上記したように、電チュー115入賞時の方が第1始動入賞装置112入賞時よりも、確変16R大当りが選択される割合が高くなっているので、遊技者にとってロング当り時に遊技球を電チュー115に入賞させることは、遊技上、極めて重要な事項となり、これにより、遊技の趣向性が向上する。
なお、この当り図柄乱数テーブルは、時短外遊技状態のみに用いられるテーブルであって、遊技状態が時短になっているときに普通図柄の抽選で当りになった場合には、電チュー115が第2の態様に制御される時間や開放態様は、全て上記ロング当りに準じて行われるようになっている(例えば5秒の単開放、規定入賞数max9個)。
図1に戻って、通常遊技状態で遊技者が「左打ち」を行っているときに、普通図柄の当りの抽選に係る図柄合せゲームが開始され、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動表示としての点滅動作開始から所定の変動時間経過後に普通図柄が停止して点灯又は消灯することにより確定表示され、この確定表示した普通図柄が点灯していれば当りとなり(図5(d)の当り乱数テーブルで取得した当り乱数値が「7」のとき、当り確率1/10)、電チュー115が、遊技球の入賞機会が増大する第2の態様(可動片115bが開状態)に制御される。
このとき、普通図柄の当りがショート当りのときは(図5(e)の当り図柄乱数テーブルで取得した当り図柄乱数値が「0」「1」のとき、割合2/3)、電チュー115の開放時間が極めて短く(0.2秒の単開放)、この電チュー115に入賞させることは困難なので、遊技者は、図1の矢印Aに示すように、そのまま「左打ち」にした状態を維持することになる。
一方、この普通図柄の当りがロング当りのときは(図5(e)の当り図柄乱数テーブルで取得した当り図柄乱数値が「2」のとき、割合1/3)、電チュー115の開放時間が長い(0.2秒と5.5秒の複開放)ので、電チュー115が開状態になると、遊技者は、操作ハンドル205の回動量を「左打ち」に維持したままで右打ちボタン250を押圧してオン操作し、図1の矢印B2に示すように「右打ち」を行う。この右打ちボタン250の操作タイミング等に関しては、後に詳述するが、電チュー115の可動片115bがロング開放している期間に関連して操作が有効とされるように構成されている。
そして、右打ちボタン250がオン操作され、その操作から充分時間が経過すると、遊技球は、図1の矢印B2に示すように、遊技領域106において画像表示装置131の右側を落下し、最終的に誘導板116に到達する。そして、誘導板116に到達した遊技球は、誘導板116上を転動して、開状態の電チュー115へ入賞するように誘導される。これにより、多数の遊技球が電チュー115へ容易に入賞可能となる。ただし、後述するように、右打ちボタン250がオン操作されたとき、まず、一時的に、遊技球は、図1の矢印B2に示す方向以外の方向に流下し易くなり、次に、図1の矢印B2に示す方向に流下し易くなる。
そして、電チュー115に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて第2特別図柄表示装置122に特別図柄の変動表示及び画像表示装置131に演出図柄の変動表示が開始され、特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われる。なお、電チュー115がロング当りで開状態になったとき、遊技者が右打ちボタン250をオン操作せずに、そのまま「左打ち」を行った場合であっても、遊技球は電チュー115に入賞可能であるが、「右打ち」を行って誘導板116を利用しなかった場合に比して入賞効率が悪く、遊技者にとっては不利益となる。
しかして、第1始動入賞装置112又は電チュー115に遊技球が入賞して特別図柄の大当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われると、画像表示装置131では、所定の態様で第1演出ボタン135や第2演出ボタン136を遊技者に操作させる趣向を凝らしたリーチ演出など、様々な演出が実行されるようになっており、従って、遊技者は、第1、第2特別図柄表示装置120、122よりも画像表示装置131を注視するようになる。
また、普通図柄の当りの抽選に係る図柄合せゲームが行われると、抽選等により所定の割合で、画像表示装置131の一部(例えば画像表示装置131の下部や隅)で、普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出が実行されるようになっており、従って、この場合、遊技者は、普通図柄表示装置118よりも画像表示装置131を注視するようになる。
なお、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122において特別図柄(画像表示装置131において演出図柄)の変動表示中、第1始動入賞装置112、電チュー115に遊技球が入賞したときは大当りの抽選の権利が保留記憶(最大4個)され、第1、第2特別図柄保留表示器123、124がその保留記憶数に応じて所定の態様で点灯する。また、同様に、普通図柄の変動表示中、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したときは当りの抽選の権利が保留記憶(最大4個)され、普通図柄保留表示器119がその保留記憶数に応じて所定の態様で点灯する。これにより、遊技者は、現状、いくつの大当り及び当りの抽選の権利が保留されているかを確認することができる。なお、本実施形態の遊技機100では、特別図柄に係る保留記憶は、電チュー115の方が優先して消化されるようになっているが、この保留記憶の消化は、入賞した時系列の順序で行うようにしてもよい。
そして、通常遊技状態で第1、第2特別図柄表示装置120、122にて特別図柄の変動表示の開始から所定の変動時間経過後に特別図柄が停止して確定表示され、この確定表示した特別図柄が予め定められた大当り図柄(例えば「7」)と一致したら大当りとなり(図5(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「3」のとき、大当り確率1/300)、この場合、画像表示装置131にも特定の演出図柄の組合せ(例えば777等)が停止表示され、特別図柄の抽選結果として大当りが遊技者に報知される。
そして、このように特別図柄の抽選結果が大当りになると、大入賞装置117の開閉扉117bが所定の態様で開閉制御され、遊技球の入賞機会が極めて増大し、遊技者は、多量の遊技球を獲得して持ち玉を増やすことのできる大当り遊技を行うことができる。大当り遊技が開始されると、遊技者は、操作ハンドル205を大きく回動させていわゆる「右打ち」を行うべく、遊技領域106の右下に位置する開閉扉117bが開放された大入賞装置117を狙って遊技球を発射する。なお、本実施形態では、遊技状態が大当りのときや、時短のときには、右打ちボタン250の操作は無効となるように構成されている。ただし、これは、有効となるように構成してもよい。
ここで、大当りが通常8R大当り(図5(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、第1始動入賞装置112及び電チュー115共に「0」〜「99」、割合100/250)のとき、8ラウンド大当り遊技が行われ、この8ラウンド大当り遊技終了後、特別図柄が100回変動するまでの期間、遊技状態は時短となる。
また、大当りが確変16R大当り(図5(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、第1始動入賞装置112の場合「100」〜「174」、割合75/250、電チュー115の場合「100」〜「249」、割合150/250)のとき、16ラウンド大当り遊技が行われ、この16ラウンド大当り遊技終了後、遊技状態は次の大当りになるまで高確率(図5(a)の大当り乱数テーブルで取得した大当り乱数値が「3」、「7」、「37」、「67」、「97」、「127」、「157」、「187」、「217」、「247」のとき、大当り確率10/300)及び時短となる。すなわち、大当りがループする。なお、この大当りのループ回数は、無制限にしてもよいし、所定回数大当りが連続したら(例えば5回)、次回の大当りを強制的に通常大当りになるように構成してもよい(いわゆるリミッター機能)。
また、大当りが確変2R大当り(第1始動入賞装置112の入賞に基づいて図5(b)の大当り図柄乱数テーブルで取得した大当り図柄乱数値が、「175」〜「249」、割合75/250)のとき、2R大当り遊技が行われ、この2ラウンド大当り遊技終了後、遊技状態は次の大当りになるまで高確率及び時短となる。
このように、電チュー115入賞時の方が第1始動入賞装置112入賞時よりも、大当りになったときに多くの出玉を獲得できる確変16R大当りが選択される(確変16R大当り図柄で停止する)確率が高いので、遊技者は、電チュー115入賞時に基づく特別図柄に係る図柄合せゲームには大いなる期待を持って臨むことができる。
遊技状態が時短になっているときは、特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮されると共に、主に普通図柄作動ゲート113bの通過に基づいて行われる普通図柄に係る図柄合せゲームでは、高い確率で当りになり(図5(d)の当り乱数テーブルで取得した当り乱数値が「0」〜「8」のとき、当り確率9/10)、しかも電チュー115が第2の態様に制御される時間や開放態様は、上記ロング当りに準じて行われるので、遊技球の入賞機会が増え、遊技者は、ほぼ現状の持ち玉を減らさずに維持することができる。
従って、時短遊技が開始されると、上記した大当り遊技と同様に、遊技者は、操作ハンドル205を大きく回動させていわゆる「右打ち」を行うべく、遊技領域106の右上に位置する普通図柄作動ゲート113bを狙って遊技球を発射する。そして、普通図柄作動ゲート113bの通過如何に拘らず、「右打ち」した遊技球は最終的に誘導板116に到達し、誘導板116に到達した遊技球は、誘導板116上を転動して、頻繁に開放される電チュー115へ入賞するように誘導される。つまり、時短遊技では、第1始動入賞装置112よりも遊技者にとって有利な電チュー115へ頻繁に入賞することになる。
なお、時短遊技において、遊技者が「左打ち」を行った場合であっても、遊技球は、普通図柄作動ゲート113aを通過可能で且つ電チュー115に入賞可能であるが、「右打ち」を行って誘導板116を利用しなかった場合に比して電チュー115への入賞効率が悪く、しかも電チュー115よりも遊技者にとって不利な第1始動入賞装置112に入賞し易くなるので、遊技者にとっては不利益となる。
<制御手段の構成>
図6を用いて、次に、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。図6は、遊技機100全体のブロック図である。主制御基板610は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、メインCPU610a、メインROM610b及びメインRAM610cから構成されるワンチップマイコン610mと、主制御基板用の入力ポートと出力ポート(図示せず)とを少なくとも備え、演出制御基板640、払出制御基板680及び電源基板670と接続されている。
主制御基板610の入力側には、第1始動入賞装置112に遊技球が入球したことを検知する第1始動入賞装置検出スイッチ612、普通図柄作動ゲート113a、113bに遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ630a、630b、第2始動入賞装置115に遊技球が入球したことを検知する第2始動入賞装置検出スイッチ615、大入賞装置117に遊技球が入球したことを検知する大入賞装置検出スイッチ617が接続され、各種信号が主制御基板610に入力される。
主制御基板610の出力側には、第2始動入賞装置115の一対の可動片115bを開閉動作させる第2始動入賞装置開閉ソレノイド616、大入賞装置117の開閉扉117bを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド618、特別図柄を表示する第1、第2特別図柄表示装置120、122、普通図柄を表示する普通図柄表示装置118、特別図柄の保留球数を表示する第1、第2特別図柄保留表示器123、124、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器119、所定の遊技情報を外部に出力する遊技情報出力端子板619が接続され、各種信号が出力される。
主制御基板610のメインCPU610aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM610bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にデータやコマンドを送信したりする。
主制御基板610のメインROM610bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、大当り抽選に参照される大当り判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等がメインROM610bに記憶されている。
主制御基板610のメインRAM610cは、メインCPU610aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM610cには、普通・特別図柄保留記憶領域、普通・特別図柄データ記憶領域、普通・特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド回数記憶領域、ゲート・各種入賞装置データ記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、普通・特別停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、管理装置用伝送データ格納領域、ホール設備用伝送データ格納領域、各種のタイマやカウンタ等が設けられている。
電源基板670は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給すると共に、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板610に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU610aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU610aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。なお、電源基板670は、主制御基板610の他、演出制御基板640、払出制御基板680及び発射制御基板690と接続されている。
演出制御基板640は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板640は、サブCPU640a、サブROM640b、サブRAM640cを備えており、主制御基板610に対して、当該主制御基板610から演出制御基板640への一方向に通信可能に接続されている。また、演出制御基板640には、第1演出ボタン検出スイッチ635、第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636e、遊技履歴が第三者によって消去されることを防止するためのクリア規制ボタン検出スイッチ638が接続されている。
また、演出制御基板640には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)640dが搭載されている。サブCPU640aは、RTC640dから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時に基づいて各種処理を実行する。RTC640dは、通常、遊技機100に電源が供給されているときには遊技機100からの電源によって動作し、遊技機100の電源が切られているときには、電源基板670に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。よって、RTC640dは、遊技機100の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC640dは、演出制御基板640上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。
演出制御基板640のサブCPU640aは、主制御基板610から送信されたデータやコマンド、第1演出ボタン検出スイッチ635又は第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636e、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM640bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板660又は画像制御基板650に送信する。
サブCPU640aは、主制御基板610のメインCPU610aから一方向のストローブ信号や画像制御用コマンド信号、ランプ制御用コマンド信号等の制御信号を入力回路を介して受け、ストローブ信号が入力されると、サブCPU640aはこの制御用コマンドを認識するように構成されている。例えば、特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、画像表示装置131、音声出力装置132、演出用駆動装置661、演出用照明装置134に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板650やランプ制御基板660へ送信する。
演出制御基板640のサブROM640bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。例えば、主制御基板610から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM640bに記憶されている。
演出制御基板640のサブRAM640cは、サブCPU640aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。サブRAM640cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、ゲート・各種入賞装置データ記憶領域、日時情報記憶領域、ログイン状態記憶領域、演算データ記憶領域、各種フラグ記憶領域、発射操作情報記憶領域、遊技者情報記憶領域、遊技履歴情報記憶領域、コード情報記憶領域、各種のタイマやカウンタ等が設けられている。
払出制御基板680は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板680は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備え、有線(ハーネス)を介して主制御基板610と接続されると共に、玉貸接続基板684を介してカードユニット600とも接続されている。また、払出制御基板680は、主制御基板610とカードユニット600(玉貸接続基板684)とに対して、双方向に通信可能に接続されている。
また、払出制御基板680の入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ682、扉開放スイッチ683も接続されている。更に、玉貸接続基板684には、玉貸スイッチ685、返却スイッチ686が接続されており、玉貸接続基板684を介して、玉貸スイッチ685、返却スイッチ686の各種の入力信号が払出制御基板680に入力される。また、払出制御基板680の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ681が接続されている。
払出CPUは、払出球計数スイッチ682、扉開放スイッチ683、玉貸スイッチ685、返却スイッチ686等の入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行う。具体的には、払出CPUは、主制御基板610から所定の入賞装置に遊技球が入賞したことを契機として生成された払出個数指定コマンドを受信すると、払出個数指定コマンドの内容に従った所定個数の遊技球を払い出す制御(賞球制御)を行い、払出モータ681を駆動させて所定の遊技球を払い出す。
また、払出CPUは、玉貸接続基板684を介してカードユニット600と接続確認を行った後、玉貸接続基板684を介して玉貸スイッチ685から玉貸信号を入力すると、カードユニット600との情報のやりとりを行いながら、規定個数の遊技球を払い出す制御(玉貸制御)を行い、払出モータ681を駆動させて所定の遊技球を払い出す。
ランプ制御基板660は、遊技盤102に設けられた演出用照明装置134を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。例えば演出用照明装置134は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。また、ランプ制御基板660は、演出用駆動装置661を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。
このランプ制御基板660は、演出制御基板640に接続されており、演出制御基板640から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。なお、演出用駆動装置661は、遊技領域106に設けられる図示しない演出装置(ギミック)を所定の態様に駆動することによって遊技者に様々な期待感を与えるものである。
画像制御基板650は、上記画像表示装置131及び音声出力装置132と接続されており、演出制御基板640から送信された各種のコマンドに基づいて、画像表示装置131における画像の表示制御、音声出力装置132における音声の出力制御を行う。この画像制御基板650は、画像表示装置131の画像表示制御を行うためホストCPU、ホストCPUのワークエリアとして機能する一時的な記憶領域を有するホストRAM、ホストCPUの制御処理のプログラム等が記憶されたホストROM、画像データが記憶されたCGROM、画像データを描画するフレームバッファを有するVRAM、画像プロセッサとなるVDPと、音の制御を行う音制御回路とを備えている。
ホストCPUは、演出制御基板640から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDPにCGROMに記憶されている画像データを画像表示装置131に表示させる指示を行う。VDPは、ホストCPUからの指示に基づいて、CGROMに記憶された画像データをVRAMのフレームバッファに描画する。次に、VRAMにある表示用のフレームバッファに記憶された画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)を生成し、生成した映像信号を液晶表示装置に出力する。
音制御回路には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路が、演出制御基板640から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置132における音声出力制御をする。例えば、音声出力装置132は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行うようにしている。
発射制御基板690は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板690は、払出制御基板680に接続されると共に、入力側にタッチセンサ691、発射ボリューム692、右打ちボタン検出スイッチ695及び発射停止ボタン検出スイッチ696が接続されており、出力側に発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694を接続している。
図7は、発射ハンドル装置103のブロック図である。上述したように、発射ハンドル装置103のハンドル部200には、タッチセンサ691、発射ボリューム692、右打ちボタン検出スイッチ695、発射停止ボタン検出スイッチ696が設けられ、発射制御基板690は、入力されるタッチセンサ691からのタッチ信号、右打ちボタン検出スイッチ695からの右打ち信号及び発射停止ボタン検出スイッチ696からの発射停止信号と、発射ボリューム692から供給された電圧に基づいて、発射機構部400を構成する発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694の通電を制御する。
具体的には、発射制御基板690は発射制御回路700を備え、タッチセンサ691は、遊技者が操作ハンドル205に触れたことを検知すると、この発射制御回路700に発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694の通電を許可するタッチ信号を出力する。右打ちボタン検出スイッチ695は、遊技者が右打ちボタン250を押圧してオン操作したことを検知すると、発射制御回路700に遊技球の発射強度を所定の右打ち強さに設定する電圧を供給するための右打ち信号を出力する。
また、発射停止ボタン検出スイッチ696は、遊技者が発射停止ボタン256を押圧してオン操作したことを検知すると、発射制御回路700に発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694の通電を遮断して遊技球の発射を停止させる発射停止信号を出力する。発射ボリューム692は、その発射ボリューム692に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御回路700に供給する(発射制御回路700に供給する電圧を可変させる)。すなわち、発射ボリューム692は、操作ハンドル205の回動量が多くなるほど、発射制御回路700に供給する電圧を大きくする。
そして、発射制御回路700は、タッチ信号が入力され、発射停止信号が入力されておらず、且つ右打ち信号が入力されていないときは、発射ボリューム692から入力した電圧を発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706に出力する。
一方、発射制御回路700は、タッチ信号が入力され、且つ右打ち信号が入力されているときは、発射停止信号の入力如何に拘らず、発射ボリューム692からの電圧が遮断され、右打ちボタン検出スイッチ695による発射強度を所定の右打ち強さに設定する電圧(以下、右打ち時の電圧とする)を発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706に出力する。
すなわち、本実施形態では、発射制御回路700は、発射ボリューム692からの電圧が供給されていないとき、つまり操作ハンドル205が回動されていない原点位置のときであっても、あるいは発射停止信号が入力されているとき、つまり発射停止ボタン256がオン操作されているときであっても、タッチ信号と、右打ち信号が入力されていれば、発射制御回路700は右打ち時の電圧を発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706に出力するよう構成されている。
図8Aに、右打ち時の電圧を示す。図8Aの横軸は時間を表し、t0は右打ち信号が入力され始めた時刻(すなわち、右打ちボタン250がオン操作された時刻)を表す。図8Aの縦軸は電圧を表す。右打ち時の電圧は、時刻t0からt1まではV0であり、時刻t1からt2まではV1であり、時刻t2以降はV2である。すなわち、右打ち時の電圧は、時間の経過とともに段階的に強くなる。ここで、t0<t1<t2であり、V0<V1<V2である。
タイミング信号発生回路702は、水晶発振器(図示せず)を備えており、1分間に約99回のパルス信号を発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706に出力している。
発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706は、発射制御回路700から入力した電圧に基づいて電流を生成する電圧電流変換回路(図示せず)を有している。つまり、発射用ソレノイド駆動回路704は、発射制御回路700から入力した電圧と正比例する発射用の電流を生成し、玉送りソレノイド駆動回路706は、発射制御回路700から入力した電圧に基づいて一定の玉送り用の電流を生成する。
発射制御回路700から入力した電圧が右打ち時の電圧であった場合、発射用の電流は、右打ち時の電圧に比例するものとなる。図8Bに、発射制御回路700から入力した電圧が右打ち時の電圧であった場合の、発射用の電流を示す。図8Bの横軸は時間を表し、t0は右打ち信号が入力され始めた時刻(すなわち、右打ちボタン250がオン操作された時刻)を表す。図8Bの縦軸は電流を表す。図8Bに示すように、発射用の電流Iは、時刻t0からt1まではI0であり、時刻t1からt2まではI1であり、時刻t2以降はI2である。すなわち、発射用の電流Iは、時間の経過とともに段階的に強くなる。ここで、I0<I1<I2である。また、I0は電圧V0から生成された電流であり、I1は電圧V1から生成された電流であり、I2は電圧V2から生成された電流である。
そして、発射用ソレノイド駆動回路704及び玉送りソレノイド駆動回路706は、タイミング信号発生回路702から出力されたパルス信号を入力し、タイミング信号発生回路702から出力されたパルス信号の入力毎に、電圧電流変換回路によって生成された発射用及び玉送り用の電流を出力して発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694を通電する。
これにより、発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694が駆動し、玉送りソレノイド694により発射レール104に発射する遊技球が送り出され、この送り出された遊技球が発射用ソレノイド420に直結された打出部材402により打ち出されて、遊技球が発射レール104から遊技領域106に向かって所定の発射強度(操作ハンドル205の回動量に比例する発射強度又は右打ちボタン250による右打ち強さの発射強度)で発射されることになる。なお、タイミング信号発生回路702は、1分間に99回のパルス信号を発生することから、1分間に99個まで遊技球が発射可能となる。
右打ちボタン250がオン操作された場合、遊技球は、右打ち強さで発射される。その右打ち強さは、発射用ソレノイド駆動回路704が上述したように生成した電流の大きさに応じた強さとなる。
よって、右打ち強さは、時刻t0(右打ちボタン250がオン操作された時刻)からt1まではI0に応じた発射強度であり、時刻t1からt2まではI1に応じた発射強度であり、時刻t2以降はI2に応じた発射強度である。すなわち、右打ち強さは、時間の経過とともに段階的に強くなる。
ここで、I0に応じた発射強度は、図1における矢印B0の方向に遊技球が発射される発射強度であり、I1に応じた発射強度は、図1における矢印B1の方向に遊技球が発射される発射強度であり、I2に応じた発射強度は、図1における矢印B2の方向に遊技球が発射される発射強度である。
図1における矢印B2の方向に発射された遊技球は、上述したとおり、画像表示装置131の右側を落下し、大入賞装置117の方向に流下する。一方、矢印B0、B1の方向に発射された遊技球は、少なくとも直接的には、画像表示装置131の右側に至らず、大入賞装置117の方向には流下し難い。
よって、遊技機1は、右打ちボタン250がオン操作された後、遊技球の発射強度を、大入賞装置117の方向に流下し易くなる発射強度以外の発射強度(図1における矢印B0、B1の方向に遊技球を発射する発射強度)に一時的に設定してから、その後、大入賞装置117の方向に流下し易くなる発射強度(図1における矢印B2の方向に遊技球を発射する発射強度)に設定する。
<主制御基板のタイマ割込み処理>
図9〜12を用いて、次に、遊技機100における遊技の進行に係り、本発明の特徴的な処理についてフローチャートを用いて説明する。図9は、主制御基板610のメインCPU610aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、主制御基板610に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、主制御基板610の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば4ms)毎に繰り返し実行される。また、図9〜12のフローチャートに基づいて説明する主制御基板610で行われる処理は、メインROM610bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。なお、図9〜12においては、本発明に主に関係しない処理については省略されている。
電源投入を契機にして、メインCPU610aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、メインRAM610c)等の各ユニットの初期化等がなされる。初期化が行われた後、メインROM610bに記憶されたプログラムがメインRAM610cに読み込まれ、メインCPU610aによって当該プログラムが実行される。
このタイマ割込み処理が実行されると、まず、ステップS900(以下、ステップSは、単に「S」ともいう)において、メインCPU610aは、図5に示したような大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数、あるいはリーチ乱数、変動パターン乱数等の各種の乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する。なお、リーチ乱数は、特別図柄抽選に落選した場合にリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数であり、変動パターン乱数は、特別図柄変動時間(つまり、演出図柄変動の実行時間)を決定するための乱数である。
S900の乱数更新処理において、各乱数は、それぞれ、1ずつ加算(インクリメント)されて更新され、つまり、タイマ割込み処理が行われる毎にカウントアップされる。そして、後述するS910の始動入賞装置検出スイッチ(SW)処理やS920のゲート検出スイッチ(SW)処理において各抽選が行われて各乱数が取得され、この取得された乱数はS930の普通図柄処理やS940の特別図柄処理で使用される。なお、S900の処理を行うカウンタは、典型的にはループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当り乱数では「299」)に達した後は、再び最小値「0」に戻る。
次に、S910の始動入賞装置検出スイッチ(SW)処理では、メインCPU610aは、第1始動入賞装置検出スイッチ612及び第2始動入賞装置検出スイッチ615の状態を監視し、いずれかのスイッチから検出信号が出力された場合に、後述するS940の特別図柄処理に使用される大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数等を取得する。また、第1始動入賞装置検出スイッチ612又は第2始動入賞装置検出スイッチ615がオンとなった時点(遊技球の検出信号が出力された時点)で特別図柄の抽選が実行中か否かを判定し、特別図柄の抽選が実行中であると判定した場合、特別図柄の抽選権利を保留する処理を実行する。具体的には、保留した抽選権利の数(例えば5回)と、保留に対応する乱数とをメインRAM610cに記憶すると共に、その保留数に応じて第1、第2特別図柄保留表示器123、124の特定のLEDを点灯/点滅制御する。
次に、S920において、メインCPU610aは、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過したか否かを検知するゲート検出スイッチ630a、630bに基づくゲート検出スイッチ(SW)処理を実行する。
図10を用いて、以下、S920で行われるゲート検出スイッチ処理の内容について説明する。図10は、主制御基板610のメインCPU610aによって行われるゲート検出スイッチ処理(S920)を示すフローチャートである。まず、S1000において、メインCPU610aは、普通図柄作動ゲート113a、113bを遊技球が通過してゲート検出スイッチ630a、630bがオンとなったか否かを判定する。そして、メインCPU610aは、ゲート検出スイッチ630a、630bがオンとなった場合(S1000でYES)、S1040に移行する。一方、メインCPU610aは、ゲート検出スイッチ630a、630bがオフの場合(S1000でNO)、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
S1040において、メインCPU610aは、メインRAM610cを参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが上限値Gmax(例えば5回)未満か否かを判定する。そして、メインCPU610aは、保留回数Gが上限値Gmax未満の場合(S1040でYES)、S1050に移行する。一方、メインCPU610aは、保留回数Gが上限値Gmax以上の場合(S1040でNO)、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
S1050において、メインCPU610aは、普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算して更新し、S1060に移行する。例えば、メインCPU610aは、メインRAM610cに格納されている普通図柄抽選における保留回数Gに1を加算し、加算後の保留回数GをメインRAM610cに格納する。
次に、S1060において、メインCPU610aは、今回の普通図柄作動ゲート113a、113bの遊技球の通過に基づいて抽選のための乱数を取得し、メインRAM610cに格納する。ここで、メインCPU610aは、メインRAM610cを参照して、上記S900で更新された乱数のうち、普通図柄抽選のための乱数(当り乱数、当り図柄乱数)を取得してメインRAM610cに格納する。このS1060で取得された乱数によって、普通図柄抽選の結果が判定される。
次に、S1070において、メインCPU610aは、保留回数Gの値(G≧2)に応じて普通図柄保留表示器119の特定のLEDを点灯/点滅制御する。メインCPU610aは、S1070の処理を終えると、このゲート検出スイッチ処理を終了する。
図9に戻って、次に、S930において、メインCPU610aは、普通図柄処理を実行する。以下、図11を用いて、S930で行われる普通図柄処理の内容について説明する。図11は、主制御基板610のメインCPU610aによって行われる普通図柄処理(S930)を示すフローチャートである。
S1100において、メインCPU610aは、「補助遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。ここで、「補助遊技フラグ」は、普通電動役物である電チュー(第2始動入賞装置)115が作動状態であることを示すものであり、具体的には、変動を停止した際の普通図柄が当り図柄である場合に、オンに設定されるフラグである(S1148参照)。
補助遊技フラグがオンである場合(S1100でYES)、メインCPU610aは、この普通図柄処理を終了する。一方、補助遊技フラグがオフである場合(S1100でNO)、メインCPU610aは、普通図柄が普通図柄表示装置118にて変動中(普通図柄の抽選が実行中)であるか否かを判定する(S1102)。
S1102において、普通図柄が変動中である場合(S1102でYES)、S1140に移行する。一方、普通図柄が変動中ではない場合(S1102でNO)、メインCPU610aは、メインRAM610cを参照して、普通図柄抽選における保留回数Gが、1以上であるか否かを判定する(S1104)。当該普通図柄抽選における保留回数Gは、上述したゲート検出スイッチ処理において設定されるパラメータである。
保留回数Gが1以上ではない場合(S1104でNO)、メインCPU610aは、この普通図柄処理を終了する。一方、保留回数Gが1以上である場合(S1104でYES)、メインCPU610aは、保留回数Gから1を減算し、保留回数Gを更新する(S1106)。そして、メインCPU610aは、S1107に移行して、保留回数Gの値(G≧1)に応じて普通図柄保留表示器119の特定のLEDを点灯/点滅制御する。
その後、S1108において、メインCPU610aは、当り乱数判定処理を実行する。当り乱数判定処理とは、メインRAM610cを参照して、遊技球が普通図柄作動ゲート113a、113bを通過した際に取得した当り乱数(S1060で取得した当り乱数)が、予め定められた「当り」を示す値と比較して等しいか否かを判定することにより、普通図柄抽選の結果が当りか否かを判定する処理である。また、この場合、当り乱数が「当り」を示す値であると判定されたときには、当り図柄乱数(S1060で取得した当り図柄乱数)が「ショート当り」か「ロング当り」かを判定する処理も、当り乱数の判定処理に準じた処理で併せて実行される。
次いで、S1110において、メインCPU610aは、停止図柄を設定する。停止図柄の設定とは、当り乱数判定処理における判定結果に応じて停止させる図柄を設定することである。具体的には、メインCPU610aは、上記当り乱数が「当り」を示す値である場合、当りを示す図柄を停止図柄として設定する(本実施形態の場合、普通図柄表示装置118を点灯)。一方、メインCPU610aは、上記当り乱数が「はずれ」を示す値である場合、はずれを示す図柄を停止図柄として設定する(本実施形態の場合、普通図柄表示装置118を消灯)。
次に、S1112において、メインCPU610aは、変動時間設定処理を実行する。「変動時間設定処理」とは、遊技状態と停止図柄とに応じて普通図柄の変動時間を設定する処理であり、例えば、時短遊技状態などの電チューサポート機能を有する補助遊技状態では「2秒」が設定され、通常遊技状態などの電チューサポート機能のない遊技状態では、「20秒」が設定される。
この後、S1114において、メインCPU610aは、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動を開始し、S1115に移行して、遊技状態を示すフラグを参照することにより、現在の遊技状態が通常遊技状態になっているか否かを判定する。S1115において、遊技状態が通常遊技状態ではない場合(S1115でNO)、メインCPU610aは、S1140に移行する。一方、遊技状態が通常遊技状態である場合(S1115でYES)、メインCPU610aは、S1116に移行する。
S1116において、メインCPU610aは、画像表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134等で、当該普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出を実行するか否かを判定する。この煽り演出実行の判定は、例えば、上記S920のゲート検出スイッチ(SW)処理のS1060で煽り演出実行用の乱数を取得し、この取得した乱数により判定するようにすればよい。具体的には、例えば、当該普通図柄の抽選結果が当り(ショート当りかロング当りかは問わず)のときは、全て煽り演出を実行すると判定し、当該普通図柄の抽選結果がはずれのときは、所定の割合(抽選確率、例えば1/10)で煽り演出を実行すると判定するようにすればよい。そして、S1116において、煽り演出を実行しないと判定した場合(S1116でNO)、メインCPU610aは、S1140に移行する。一方、煽り演出を実行すると判定した場合(S1116でYES)、メインCPU610aは、S1118に移行する。
次に、S1118において、メインCPU610aは、煽り演出開始コマンドをメインRAM610cにセットする。なお、煽り演出開始コマンドには、普通図柄抽選の結果を示す情報(ショート当り、ロング当り、はずれを示す情報)も含まれる。次に、S1140において、メインCPU610aは、上記S1112において設定された変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間が経過していない場合(S1140でNO)、メインCPU610aは、この普通図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過した場合(S1140でYES)、メインCPU610aは、普通図柄の変動を停止させる(S1142)。
そして、メインCPU610aは、停止した普通図柄が「当り」であるか否かを判定し(S1146)、停止した普通図柄が「当り」ではない場合(S1146でNO)、すなわち、はずれである場合、S1154の処理を実行する。一方、停止した普通図柄が「当り」である場合(S1146でYES)、メインCPU610aは、補助遊技フラグをオンにする(S1148)。
そして、S1154において、メインCPU610aは、上記S1118で煽り演出開始コマンドがセットされていたか否かを判定し、煽り演出開始コマンドがセットされていた場合(S1154でYES)、S1156に移行し、煽り演出終了コマンドをメインRAM610cにセットする。そして、メインCPU610aは、この普通図柄処理を終了する。一方、煽り演出開始コマンドがセットされていなかった場合(S1154でNO)、メインCPU610aは、S1156の処理をスキップして、この普通図柄処理を終了する。
図9に戻り、上記S930における普通図柄処理の後、メインCPU610aは、S940において、特別図柄処理を行う。S940の特別図柄処理では、メインCPU610aは、特別図柄の抽選を実行し、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122に特別図柄を変動表示してから停止表示するための処理を実行する。具体的には、メインCPU610aは、大当り中でなく、かつ、特別図柄の変動が開始されていない場合、記憶している保留数(保留した抽選権利の数)を1だけ減少させて消化する。この場合、メインCPU610aは、第1始動入賞装置112よりも電チュー115に係る保留数を優先して消化する。
より具体的には、メインCPU610aは、消化させた記憶保留に係る、始動入賞装置検出SW処理(S910)で取得した大当り乱数に基づいて、大当り判定を行う。大当り判定では、メインCPU610aは、取得した大当り乱数が予め定められた「大当り」を示す値と比較して等しいか否かを判定することにより、特別図柄抽選の結果が大当りか否かを判定する。また、この場合、大当り乱数が「大当り」を示す値であると判定されたときには、大当り図柄乱数が「通常8R大当り」「確変16R大当り」「確変2R大当り」の何れかを判定する処理も、大当り乱数の判定処理に準じた処理で併せて実行される。
そして、メインCPU610aは、上記大当り判定の結果に応じて、第1特別図柄表示装置120又は第2特別図柄表示装置122にて特別図柄の変動を開始し、変動の開始から所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過している場合は、特別図柄を停止させる。また、メインCPU610aは、特別図柄の変動表示と同期して画像表示装置131に変動表示する演出図柄の変動パターンを決定し、この変動パターンを指定する変動開始コマンド、演出図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド及び演出図柄の変動の停止を指定する変動停止コマンド等を設定する。
次に、メインCPU610aは、S950において、大入賞装置処理を行う。大入賞装置処理では、メインCPU610aは、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞装置開閉ソレノイド618を駆動して大入賞装置117の開閉扉117bの開閉処理を行う。例えば、メインCPU610aは、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球が9個入賞する)を満たすまで大入賞装置117の開状態が維持されるラウンドを、所定回数(例えば、通常8R大当りは8回、確変16R大当りは16回、確変2R大当りは2回)だけ繰り返す。そして、メインCPU610aは、大入賞装置117の開閉処理を終了した後、大当り図柄(大当りの種類)に応じて、遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態、通常遊技状態)を設定する。次に、S960において、メインCPU610aは、普通電動役物の一例である電チュー(第2始動入賞装置)115の作動処理(電動チューリップ処理)を行う。
図12を用いて、以下、S960で行われる電動チューリップ処理の内容について説明する。図12は、主制御基板610のメインCPU610aによって行われる電動チューリップ処理(S960)を示すフローチャートである。S1200において、メインCPU610aは、上記した普通図柄処理(S930)のS1100と同様に、「補助遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。補助遊技フラグがオフである場合(S1200でNO)、メインCPU610aは、この電動チューリップ処理を終了する。
一方、補助遊技フラグがオンである場合(S1200でYES)、メインCPU610aは、電チュー(第2始動入賞装置)115が作動中であるか否かを判定する(S1202)。そして、電チュー115が作動中であると判定した場合(S1202でYES)、メインCPU610aは、S1222に処理を進める。一方、電チュー115が作動中でないと判定した場合(S1202でNO)、メインCPU610aは、S1204に移行し、上記した普通図柄処理(S930)のS1115と同様に、現在の遊技状態が通常遊技状態になっているか否かを判定する。
ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合(S1204でNO)、つまり、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合、メインCPU610aは、S1212に移行し、電チュー115の時短遊技状態における当りの開放パターンとして、可動片115bを5秒間開放する動作を1回行う開放パターンをメインRAM610cにセットする。
一方、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定した場合(S1204でYES)、メインCPU610aは、S1206に移行して、S1146で「当り」と判定された当りがロング当りか否かを判定する。そして、ロング当りである場合(S1206でYES)、メインCPU610aは、S1208に移行し、電チュー115のロング当りの開放パターンとして、可動片115bを0.2秒間開放する動作を1回と5.5秒間開放する動作を1回行う開放パターンをメインRAM610cにセットする。
一方、ロング当りでない場合(S1206でYES)、つまりショート当りである場合、メインCPU610aは、S1210に移行し、電チュー115のショート当りの開放パターンとして、可動片115bを0.2秒間開放する動作を1回行う開放パターンをメインRAM610cにセットする。メインCPU610aは、S1208、S1210及びS1212で開放パターンをセットした後、S1214に移行し、セットした開放パターンで電チュー115の可動片115bの作動を開始させる。
そして、メインCPU610aは、S1222に移行し、上記S1214の処理で開始された電チュー115の作動が完了したか否かを判定する。ここで、電チュー115の作動が完了したと判定した場合(S1222でYES)、S1224に移行し、メインCPU610aは、補助遊技フラグをオフに設定して補助遊技を終了させる。一方、電チュー115の作動が完了していないと判定した場合(S1222でNO)、メインCPU610aは、この電動チューリップ処理を終了する。
図9に戻って、次に、S970において、メインCPU610aは、賞球処理を行う。例えば、賞球処理においては、メインCPU610aは、第1始動入賞装置112、電チュー115及び大入賞装置117にそれぞれ入賞した遊技球数に応じた賞球の払出数を設定する。
次に、S980において、メインCPU610aは、出力処理を行う。具体的には、メインCPU610aは、演出制御基板640、払出制御基板680及び発射制御基板690に対して、それぞれ制御用コマンドを出力する。例えば、メインCPU610aは、払出数を示す制御用コマンドを払出制御基板680に出力することによって、当該払出数を払出制御基板680に対して指示する。
また、メインCPU610aは、上記した煽り演出開始コマンド(S1118)、煽り演出終了コマンド(S1156)等を演出制御基板640に出力することによって、遊技機100における演出内容等を決定させる。以上で、主制御基板610のメインCPU610aによって行われるタイマ割込み処理の説明を終了する。
<演出制御基板のタイマ割込み処理>
図13、14を用いて、次に、演出制御基板640のタイマ割込み処理の内容について説明する。まず、図13は、演出制御基板640のサブCPU640aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板640に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板640の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図13、14のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板640で行われる処理は、サブROM640bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。なお、図13、14においては、本発明に主に関係しない処理については省略されている。
電源投入を契機にして、サブCPU640aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM640c)等の各ユニットの初期化等がなされる。初期化が行われた後、サブROM640bに記憶されたプログラムがサブRAM640cに読み込まれ、サブCPU640aによって当該プログラムが実行される。
このタイマ割込み処理が実行されると、まず、S1300において、サブCPU640aは、主制御基板610から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいた演出の実行を決定して、それを指示するコマンドをサブRAM640cにセットするコマンド受信処理を行う。
図14を用いて、ここで、コマンド受信処理の内容について説明する。図14は、演出制御基板640のサブCPU640aによって行われるコマンド受信処理(S1300)を示すフローチャートである。まず、S1400において、サブCPU640aは、主制御基板610から煽り演出開始コマンド(図11のS1118参照)を受信したか否かを判定する。煽り演出開始コマンドを受信した場合(S1400でYES)、サブCPU640aは、S1402に移行して、煽り演出開始演出用コマンドをサブRAM640cにセットし、S1410に移行する。一方、煽り演出開始コマンドを受信していない場合(S1400でNO)、サブCPU640aは、S1410に移行する。
次に、S1410において、サブCPU640aは、主制御基板610から煽り演出終了コマンド(図11のS1156参照)を受信したか否かを判定する。煽り演出終了コマンドを受信した場合(S1410でYES)、サブCPU640aは、S1412に移行して、煽り演出終了演出用コマンドをサブRAM640cにセットする。一方、煽り演出終了コマンドを受信していない場合(S1410でNO)、サブCPU640aは、本処理を終了する。
この煽り演出開始演出用コマンド及び煽り演出終了演出用コマンドは、後述するコマンド送信処理(S1320)において、画像制御基板650又はランプ制御基板660に送信される。つまり、煽り演出開始演出用コマンド及び煽り演出終了演出用コマンドにより、普通図柄作動ゲート113a、113bの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示中に、当該変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出が、画像表示装置131や音声出力装置132、演出用照明装置134、演出用駆動装置661等にて所定の割合で行われる。なお、この煽り演出の具体的な内容については、後述する。
図13に戻って、S1300のコマンド受信処理を終えると、次にタイマ割込み処理では、S1310において、サブCPU640aは、遊技者による第1演出ボタン135又は第2演出ボタン136の操作による第1演出ボタン検出スイッチ635又は第2演出ボタン検出スイッチ636a〜636eからの入力に基づき、演出上の効果や遊技者の遊技履歴情報取得等を実現するための演出ボタン処理を行う。
そして、S1320に移行して、サブCPU640aは、S1300のコマンド受信処理でサブRAM640cにセットされたコマンド、すなわち、煽り演出開始コマンド、煽り演出終了コマンド等のコマンドを画像制御基板650及びランプ制御基板660へ送信するコマンド送信処理を行う。
このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示装置131における画像表示や音声出力装置132からの音声出力等による演出の実行が画像制御基板650に指示され、また、演出用照明装置134の点灯や、演出用駆動装置661の動作等による演出の実行がランプ制御基板660に指示され、これにより様々な趣向を凝らした演出が遊技機100にて行われる。
<発射制御基板の発射制御処理>
図15を用いて、次に、発射制御基板690の発射制御処理の内容について説明する。図15は、発射制御基板690の発射制御回路700によって行われる発射制御処理を示すフローチャートである。発射制御処理では、まずS1500にて、タッチセンサ691がオン(タッチ信号が入力)されているか否かを判定する。タッチセンサ691がオンの場合はS1510に移行し、タッチセンサ691がオンでない場合はS1560に移行する。
S1510では、右打ちボタン250がオン操作されて右打ちボタン検出スイッチ695がオン(右打ち信号が入力)されているか否かを判定する。そして、右打ちボタン250がオン操作されていない場合はS1520に移行し、右打ちボタン250がオン操作されている場合はS1550に移行する。
S1520では、操作ハンドル205が回動されていない原点位置にあるか否かを判定する。原点位置にない場合はS1530に移行し、原点位置にある場合はS1560に移行する。
S1530では、発射停止ボタン256がオン操作されて発射停止ボタン検出スイッチ696がオン(発射停止信号が入力)されているか否かを判定する。発射停止ボタン256がオン操作されていない場合はS1540に移行し、発射停止ボタン256がオン操作されている場合はS1560に移行する。
S1540では、発射ボリューム692から供給された電圧に応じて発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694を通電することにより、操作ハンドル205の回動量に比例した発射強度にて遊技球を発射する。そして、この発射制御処理を終了する。
一方、S1500で否定判断されるか、S1520で肯定判断されるか、S1530で肯定判断された場合はS1560に移行し、発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694への通電を遮断して遊技球の発射を停止する。そして、この発射制御処理を終了する。
また、S1510で肯定判断された場合はS1550に移行し、右打ち時の電圧に基づいて発射用ソレノイド420及び玉送りソレノイド694を通電する。このとき、遊技球の発射強度は、上述したとおり、右打ちボタン250がオン操作された後、一時的に、大入賞装置117の方向に流下し易くなる発射強度以外の発射強度(図1における矢印B0、B1の方向に遊技球を発射する発射強度)となり、その後、大入賞装置117の方向に流下し易くなる発射強度(図1における矢印B2の方向に遊技球を発射する発射強度)となる。
なお、右打ちボタン250がオン操作された状態から、右打ちボタン250をオフとすると、遊技球の発射強度は、右打ちにおける発射強度から、S1560で決められる発射強度、又はS1540で決められる発射強度に変化する。すなわち、右打ちボタン250をオンからオフに切り換えたとき、タッチセンサ691がオフであるか、操作ハンドル205が原点位置にあるか、発射停止ボタン256がオンであれば、遊技球の発射は停止する。
また、右打ちボタン250をオンからオフに切り換えたとき、タッチセンサ691がオンであり、操作ハンドル205が原点位置になく、発射停止ボタン256がオフであれば、遊技球の発射強度は、右打ちにおける発射強度から、操作ハンドル205の回動量に比例した発射強度に切り替わる。
図16に、時刻teまでは右打ちボタン250がオンであり、時刻te以降は右打ちボタンがオフである場合に、発射用ソレノイド駆動回路704に出力される電圧の推移を示す。時刻Teまでの電圧はV2(図1における矢印B2の方向に遊技球を発射する発射強度に対応する電圧)であり、時刻Te以降の電圧は、操作ハンドル205の回動量に比例したVxである。
<演出の具体例>
図17を用いて、次に、画像表示装置131等で行われる本発明の特徴的な演出の具体的な内容について説明する。図17を用いて、まず、煽り演出の一例について説明する。図17は、煽り演出の一例を示す説明図である。遊技機100は、普通図柄の抽選結果が当り(ショート当りかロング当りかは問わず)のとき、あるいは、普通図柄の抽選結果がはずれのときに所定の割合で、普通図柄表示装置118にて普通図柄の変動表示中に、当該変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出を実行する。
この煽り演出は、図17に示すように、画像表示装置131の下部や隅に表示され、画像表示装置131の画面のその他の領域には、演出図柄に係る変動表示等が並行して表示されるようになっている。煽り演出の表示態様は、円形の回転表示体1702と、指針1704とから略ルーレット状に構成され、回転表示体1702の内部は、「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」の3種類の表示領域が形成されている。
つまり、「ロング当り」「ショート当り」「はずれ」の3種類の表示領域は、回転表示体1702の内部が、中心から円周に延びる複数の線で8つの略三角形状に区画され、そのうち2区画は「ロング当り」、3区画は「ショート当り」及び「はずれ」になっている。そして、図17に示すように、1つの区画の大きさはそれぞれ相違するように設けられており、この区画の大きさは、例えば、当り図柄乱数の割合(図5参照)等に基づいて決められるようになっている(図示では、「はずれ」が最も大きく、「ロング当り」が最も小さくなっている)。
煽り演出は、普通図柄表示装置118で表示される普通図柄の変動表示と同期するように、普通図柄の変動表示中は回転表示体1702が矢印Kの方向に時計回りに回転し、普通図柄の変動表示が停止するのに合わせて回転表示体1702の回転が停止するようになっている。指針1704は、三角状に形成され、その下側の先端が回転表示体1702内部の表示領域に臨んでおり、回転表示体1702が停止したとき、指針1704の先端が示す区画が普通図柄の抽選結果を表すようになっている。すなわち、指針1704は、回転表示体1702が停止したとき、普通図柄表示装置118における普通図柄の抽選結果と一致する回転表示体1702内の区画を示すように構成されている。なお、回転表示体1702の回転は、回転始動時は高速回転とし、停止が近づくにつれて徐々に低速回転にするとよい。
更に、煽り演出では、上記したように画像表示装置131にて演出表示が行われている間、音声出力装置132からの音声出力等による演出や、演出用照明装置134による光の点灯/点滅等による演出、あるいは演出用駆動装置661による演出装置(ギミック)等による演出が融合して一体的に行われ、これにより煽り演出による遊技者への普通図柄の抽選が当りになるか否かに係る煽り度を一層高めるようになっている。例えば、演出用照明装置134による演出では、回転表示体1702の始動時は低速点滅とし、停止が近づくにつれて徐々に高速点滅にする演出等が挙げられる。
なお、煽り演出では、煽り演出専用のキャラクタを表示するようにしてもよい。このようにすると、遊技者は、このキャラクタを見るだけで煽り演出が行われていることを認識でき、その結果、煽り演出の趣向性が向上する。また、煽り演出は、上記した態様に変えて、指針1704を省略し、回転表示体1702の8つの区画が順次点灯(例えば時計回り)していくように構成し、最後に点灯が停止した区画が普通図柄の抽選結果を示すように構成してもよい。
<効果>
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る遊技機100によれば、ひねり打ちを抑制することができる。その理由は以下のとおりである。ひねり打ちは、先に、弱めに遊技球を発射し、その後すぐに次の遊技球を右打ちし、先に発射した遊技球と、右打ちした遊技球とをほぼ同時に大入賞装置117に入賞させる方法である。
本実施形態に係る遊技機100では、ひねり打ちを試みる遊技者が、先の遊技球の発射後、すぐに右打ちボタン250のオン操作を行っても、オン操作の時刻から所定の時間、遊技球は、本来の右打ちの方向(図1における矢印B2の方向)に発射されない。そのため、遊技者が上記のひねり打ちを行うことが困難になる。
また、ひねり打ちが困難になる結果、遊技機のベースが過度に上昇しにくい。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態に係る遊技機100を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は実施形態に示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加などがあっても本発明に含まれる。
例えば、右打ちボタン250がオン操作された時刻t0以降に発射制御回路700が出力する電圧(右打ち時の電圧)の変化の態様は、上述したもの以外であってもよい。図18Aに示すように、例えば、右打ち時の電圧は、時刻t0以降、リニアに増加し、V2に到達するものであってもよい。この場合、右打ちボタン250がオン操作された後、遊技球は、当初、図1における矢印B0の方向に発射され、その後、時間の経過とともに、遊技球の発射方向が、図1における矢印B2の方向に徐々に近づいてゆく。
図18Bに示すように、また、右打ち時の電圧は、時刻t0以降、階段状に増加し、最終的にV2に到達するものであってもよい。階段の段数は適宜設定でき、例えば、2、3、4、5、6、7、8・・・段とすることができる。この場合、右打ちボタン250がオン操作された後、遊技球の発射方向は、当初、図1における矢印B0の方向であり、その後、時間の経過とともに、図1における矢印B2の方向に段階的に近づいてゆく。
図18Cに示すように、また、右打ち時の電圧は、時刻t0以降、一旦増加した後、減少してもよい。この場合、右打ちボタン250がオン操作された後、遊技球の発射方向は、当初、図1における矢印B0の方向であり、その後、一旦、矢印B2の方向に近づいてから、矢印B0の方向に戻り、再度、矢印B2の方向に近づいてゆく。
また、上述した実施形態においては、電チュー115の「ロング当り」の動作態様は、0.2秒と5.5秒の複開放としたが、これは限定することなく、例えば、0.2秒の短い開放を無くしてもよいし、あるいは5.5秒の長い開放を、2秒×3回(インターバル時間は0.2秒)の開放となるように構成してもよい。
また、操作ハンドル205が回動されていない原点位置のときであっても、あるいは発射停止ボタン256がオン操作されていても、タッチセンサ691がオンであれば右打ちボタン250のオン操作は有効となるようにしたが、これは限定することなく、例えば、操作ハンドル205が回動されていない原点位置のときは、あるいは発射停止ボタン256がオン操作されているときは、右打ちボタン250のオン操作は無効となるようにしてもよいし、逆に、タッチセンサ691がオフであっても右打ちボタン250のオン操作は有効となるようにしてもよい。
更に、右打ちボタン250をオン操作した時点で、操作ハンドル205の回動を固定し、一方、右打ちボタン250をオフ操作したら、この操作ハンドル205の回動固定を解除するように構成してもよい。このように構成すると、「左打ち」をしていた状態で右打ちボタン250をオン操作すると、操作ハンドル205は、右打ちボタン250がオン操作されている間中「左打ち」の回動量で固定されることになる。これにより、遊技者は、右打ちボタン250をオフ操作後、即座に「左打ち」を開始したい場合に、右打ちボタン250がオン操作されている間中、自身で操作ハンドル205の回動量を「左打ち」に維持するという煩わしい操作を行う必要がなく、その結果、更に、操作ハンドル205の操作性がよくなり、遊技の趣向性が向上する。
また、右打ちボタン250は、操作ハンドル205の第1指掛け部237aの外周面において上方に突出するように設けるようにしたが(図2、3参照)、これは限定することなく、例えば、同様に第2指掛け部237b等、操作ハンドル205の適宜位置に設けるようにしてもよいし、あるいは、ハンドルベース202の膨出部234の適宜位置(例えば発射停止ボタン256の上側等)に設けるようにしてもよい。要は、右打ちボタン250は、遊技者が操作ハンドル205を回動した状態であっても容易に操作できる位置に設けるようにすればよい。また、右打ちボタン250の形状も、円形状に限定することなく、例えば、三角や四角状、L字状等であってもよい。
また、画像表示装置131の下部や隅で行われる、普通図柄の変動表示中に、この変動表示の抽選結果が当りになるか否かに関する煽り演出は、縦方向に回転するルーレット状の回転表示体1702で行うようにしたが、これは限定することなく、例えば、前後方向あるいは左右方向に回転する回転ドラム式の表示体にて行うようにしてもよい。
また、右打ちボタン250をオン操作した時点から、所定の時間が経過するまでの期間中、遊技球の発射を停止してもよい。この場合でも、前記実施形態と略同様の効果を奏することができる。また、右打ちボタン250をオン操作した時点から、所定の時間が経過するまでの期間中、遊技球の発射間隔を通常より長くしてもよい。この場合でも、前記実施形態と略同様の効果を奏することができる。