JP2006279255A - Catvケーブルを利用した施設内介護監視システム - Google Patents

Catvケーブルを利用した施設内介護監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】 高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応することができると共に、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現する。
【解決手段】 居室11にはCATVケーブルCCを介して配信されるテレビ放送を居室27に出力すると共に要介護者からの呼出要請を受け付ける居室端末26が配備される一方、ナースセンタ9には居室端末26とCATVケーブルCCを介して接続されるセンタ端末17及び管理サーバ4と通信可能な管理PC15が配備され、呼出要請を受けると、当該呼出要請は、居室端末26からそのID番号と共にセンタ端末17に送信された後、管理PC15から管理サーバ4に送信される。管理サーバ4は、居室端末26のID番号から利用者を特定して当該呼出要請を記録すると共に当該利用者の居室情報を含む利用者情報を管理PC15に返信し、表示させる。
【選択図】図1

Description

集合住宅などの各種施設内に構築される介護監視システムに関し、特に、施設内に設置されたCATVケーブルを利用した施設内介護監視システムに関する。
現在、日本においては高齢者人口の増加に伴い、介護を必要とする高齢者が急速に増加している。介護保険制度でサービスの提供を受けることができる要介護認定者の人数は、制度の導入時(平成12年4月)から現在までに400万人に到達している。厚生労働省によれば、平成37年頃には65歳以上の高齢者が3200万人、要介護認定者が520万人に到達すると推定されている。
このように高齢者が増加する状況下においては、介護支援専門員(ケアマネージャ)やホームヘルパーなどの介護従事者の負担が大きくなることが当然に予想される。介護従事者の人数等に限界があることを考慮すると、介護従事者の負担の軽減を図るため、適切且つ効率的な介護システムの構築が要請されている。このような要請に対応するため、従来、介護システムとして、要介護者に対して映像又は音声の双方向通信による在宅介護支援システム(例えば、特許文献1参照)や、在宅患者等が外出中においても通信回線を利用した緊急通報を可能とする緊急通報システム(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開平10−234796号公報 特開平11−70086号公報
しかし、上述したような従来の介護システムにおいては、今後、高齢者の増加に伴って更に多様化することが予想される要介護者のニーズに対応することが困難であるという問題がある。
また、要介護者が安心して快適な生活を営むことができるように設立された介護型集合住宅などの施設の運営においては、要介護者に対する直接的な介護業務(以下、「直接介護業務」という)だけでなく、直接介護業務を補助する業務(介護補助業務)、物品管理などの間接的な介護業務(間接介護業務)など直接介護業務以外の業務も存在し、これらの直接介護業務以外の業務は、施設運営の大きな割合を占めている。したがって、施設全体のサービス及び質の向上を図る上では、これらの直接介護業務以外の業務の削減、あるいは効率化が要請されている。
本発明は、かかる従来の実情に鑑みてなされたものであり、高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応すると共に、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現することができる、CATVケーブルを利用した施設内介護監視システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を達成するために、要介護者が居住する居室及び介護者が待機する介護者センタが設けられた施設と、前記施設で利用される各種情報を管理する管理サーバを有する管理センタとに適用される施設内介護監視システムであって、前記居室にはCATVケーブルを介して配信されるテレビ放送を外部テレビ装置に出力すると共に要介護者からの呼出要請を受け付ける通信端末が配備される一方、前記介護者センタには前記居室の通信端末と前記CATVケーブルを介して接続される通信端末及び前記管理サーバと通信回線を介して通信可能な管理端末が配備され、前記居室の要介護者から呼出要請を受けると、当該呼出要請は、前記居室の通信端末から当該居室の通信端末の端末識別番号と共に前記CATVケーブルを介して前記介護者センタの通信端末に送信された後、前記管理端末から前記端末識別番号と共に前記管理サーバに送信され、前記管理サーバは、前記端末識別番号から要介護者を特定して当該呼出要請を記録すると共に当該要介護者の居室情報を含む要介護者情報を前記管理端末に返信し、当該管理端末の画面に表示させる。
このような構成を有する本施設内介護監視システムによれば、居室の要介護者から呼出要請を受けると、当該呼出要請は、居室の通信端末から当該通信端末の端末識別番号と共にCATVケーブルを介して介護者センタの通信端末に送信された後、管理端末から管理サーバに送信される。管理サーバでは、端末識別番号から要介護者を特定して当該呼出要請を記録すると共に当該要介護者の居室情報を含む要介護者情報を管理端末に返信してくる。このため、管理サーバで要介護者からの呼出要請をリアルタイムで記録することができると共に、要介護者の居室情報を通知することにより介護者センタで待機する介護者に迅速に対応させることが可能となる。そして、管理サーバに記録される呼出要請を分析することにより要介護者のニーズを把握することができ、把握したニーズを施設のサービスに反映させることができるので、高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応すると共に、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現することができる。
また、居室の通信端末に要介護者の映像を撮影するカメラや音声を取り込むマイクを接続し、これらを呼出要請があった場合に活用することで、介護者は介護者センタにいながらにして要介護者の状況を把握することが可能となる。介護者センタの通信端末に介護者の映像を撮影するカメラや音声を取り込むマイクを接続し、これらを呼出要請があった場合に活用するようにしてもよい。
なお、要介護者の映像及び音声出力の指示を、管理端末の画面に表示された要介護者情報の居室情報を選択することで行うようにした場合には、管理端末の画面表示を監視するだけで要介護者の呼出要請に対応することができるので、効率的に呼出要請に対応することが可能となる。管理端末の画面をタッチパネルで構成した場合には、更なる効率化を図ることが可能となる。
さらに、介護者センタの通信端末に報知装置を接続し、要介護者の呼出要請に応じて作動させるようにすれば、介護者の注意を喚起することができ、より確実に呼出要請に対応することが可能となる。居室の通信端末で、リモートコントローラから出力される信号に応じて居室の要介護者の呼出要請を受け付けるようにすれば、要介護者に最小限の動作で呼出要請をさせることができるようになる。
本発明によれば、高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応すると共に、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る施設内介護監視システムのネットワーク構成を示す図である。なお、以下においては、本実施の形態に係る施設内介護監視システムを、介護型集合住宅に適用した場合の例について示すものとする。また、その介護型集合住宅は、主に施設内の情報の管理を行う管理センタとしての本社と、実際の施設を構成する事業所とを有する管理会社により運営されるものとする。
同図に示すように、本施設内介護監視システムは、本社1内に構築されたネットワークと、事業所2内に構築されたネットワークとがインターネット網3を介して接続されている。同図においては、単一の事業所2が接続されている場合について示しているが、これに限定されず、複数の事業所2が接続されるように構成してもよい。両者のネットワークを接続するインターネット網3は、高速伝送機能を有することが望ましく、例えば光ファイバを利用するFTTH網で構築されることが望ましい。以下、本社1内のネットワーク及び事業所2内のネットワークの構成について説明する。
本社1内のネットワークは、本施設内介護監視システムを管理するシステム管理サーバ(以下、「管理サーバ」という)4を有する。管理サーバ4は、事業所2内で収集、管理される情報の一括管理を行い、事業所2からの要求に応じて必要な情報を事業所2に配信する。管理サーバ4は、事業所2である介護型集合住宅を利用する利用者(要介護者)に関する情報(以下、「利用者情報」という)、要介護者に対する介護業務や看護業務に従事する者(以下、適宜「介護者」という)に関する情報(以下、「介護者情報」という)及び介護型集合住宅で用いられる機器や物品に関する情報(以下、「機器・物品情報」という)をデータベースで管理する。利用者情報には、例えば、利用者の氏名、居室番号や介護実績等の情報が含まれ、介護者情報には、例えば、介護者の氏名や担当者コード等の情報が含まれ、機器・物品情報には、居室に設置された通信端末(以下、「居室端末」という)及び後述する介護データ入力端末のID番号や各種物品の在庫量等の情報が含まれる。このような管理サーバ4がルータ5を介してインターネット網3に接続されている。
また、管理サーバ4にハブ6を介してシステム管理パーソナルコンピュータ(以下、「管理PC」という)7及びプリンタ8が接続されている。管理PC7は、管理サーバ4の設定や管理サーバ4に蓄積される各種データの入力・編集をネットワーク管理者から受け付けるものであり、プリンタ8は、管理サーバ4内の蓄積される各種データの印刷等を行うものである。
事業所2内には、介護者が待機する介護者センタとしてのナースセンタ9、洗面所や階段などの共用スペース10及び要介護者が居住する居室11が設けられている。なお、図1においては、単一の居室11を有する場合について示しているが、実際には事業所2に複数の居室11を有している。これらのうちナースセンタ9及び共用スペース10に設置された機器がハブ12に接続され、居室11に設置された機器がナースセンタ9内に設置された機器に対してCATV同軸ケーブル(CATVケーブル)により接続されている。また、事業所2内では、要介護者の介護に関するデータ(以下、「介護データ」という)を入力する介護データ入力端末(以下、「入力端末」という)13が利用可能となっている。入力端末13は、介護者等が携帯できる構成となっており、入力端末13から入力された介護データは、既知の無線通信手段を利用してハブ12に接続される基地局(不図示)に送信される。各種機器等が接続されたハブ12がルータ5を介してインターネット網3に接続されている。
ナースセンタ9には、事業所2側の管理PC15及びナースコール表示装置(以下、「表示装置」という)16が配置され、これらが上述のハブ12に接続されている。管理PC15は、インターネット網3を介して本社1内の管理サーバ4と通信を行う。管理PC15が備える画面はタッチパネル機能を有し、後述するナースコール受付状況一覧の所定の情報を選択する際に利用される。表示装置16は、管理サーバ4からインターネット網3を介して到来する、後述のナースコール受付状況一覧を表示する。管理PC15に、CATVケーブルCCを利用して居室端末との間で各種情報を通信する通信端末(以下、「センタ端末」という)17が接続されている。センタ端末17には、CATVケーブルCCを介してテレビモニタ(以下、「モニタ」という)18が接続されている。モニタ18は、所定の場合に居室11内の要介護者の映像を表示する。また、センタ端末17には、カメラ19、マイク20及び回転灯21が接続されている。カメラ19は、居室11内の要介護者に話し掛ける際に介護者の映像を撮影するものであり、マイク20はその際の音声を取り込むものである。回転灯21は、要介護者からのナースコールに応じて作動するものであり、緊急時及び通常時に対応して2つの回転灯(赤色及び黄色)が接続されている。
共用スペース10には、洗面所や階段などに複数台の監視カメラ22〜24に設置されている。監視カメラ22〜24は、共用スペース10の入口など要介護者を撮影することが可能な場所に設置され、要介護者の所在を確認するために用いられる。設置場所、被写体との距離等に応じてパン・チルト・ズーム機能や動作感知機能を備えることが望ましい。監視カメラサーバ(以下、「カメラサーバ」という)25は、これらの複数台の監視カメラ22〜24に接続される一方、上述のハブ12に接続され、監視カメラ22〜24が撮影した画像データをハブ12を介して管理PC15に送信する。
居室11内には、CATVケーブルCCを利用してセンタ端末17との間で各種情報を通信する居室端末26が設置されている。居室端末26には、CATVケーブルCCを介してテレビ(以下、「居室TV」という)27が接続されている。居室TV27は、CATVケーブルCCを使って分配されるテレビ番組を表示すると共に、所定の場合にナースセンタ9内の介護者の映像を表示する。また、居室端末26には、カメラ28及びマイク29が接続されている。カメラ28は、ナースセンタ9内の介護者に話し掛ける際に要介護者の画像データを撮影するものであり、マイク29はその際の音声を取り込むものである。さらに、居室11内には、ナースコール専用のリモートコントローラ(以下、「専用リモコン」という)30が配備されている。専用リモコン30には、例えば、緊急時のナースコール(以下、「緊急ナースコール」という)、入浴、トイレへの誘導、水分補給など要介護者の要求に応じたボタンが設けられている。本実施形態においては、これらの4つのボタン以外の要求を指示するボタンを含めた5つのボタンが設けられ、各ボタンは異なる色に設定されている。
入力端末13は、介護者が要介護者に対して介護業務を行った場合などに介護データを入力する際に使用される。例えば、ナースコールによって呼び出された場合に実際に行った介護業務の内容、時刻、呼び出された要介護者及びその居室番号などを介護者が簡単に入力することができるように構成されている。また、当該入力端末13に入力された各種情報は、介護者による出力指示と同時に管理PC15に出力され、管理PC15で確認することができるように構成されている。入力端末13には、予め入力が予想される介護業務に対応するボタンを設けておくことが望ましい。例えば、上述の専用リモコン30に設けられた入浴、トイレへの誘導、水分補給などのボタンを設けることが考えられる。
ここで、ナースセンタ9及び居室11内に設置されるセンタ端末17及び居室端末26の構成について図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3は、夫々センタ端末17及び居室端末26の概略構成を示すブロック図である。センタ端末17及び居室端末26は、基本的に同一の機能を搭載しているが、両者が果たす役割に応じて異なる機能が搭載されている。なお、両者において同一の機能を有する構成については同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
図2に示すように、センタ端末17は、端末全体の制御を行うCPU31を備えている。CPU31は、端末全体の制御を行う際、不図示のROMから制御プログラムを読み出し、不図示のRAMを作業領域として使用する。また、センタ端末17は、CATVケーブルCCを介して入力される信号を分配する分配器32を備えている。分配器32にはTVチューナ33、通信用モデム34及び複数の変調器35が接続されている。TVチューナ33は、CATVケーブルCCを介して配信されるTV放送を受信可能とするものであり、通信用モデム34は、CATVケーブルCCを介して居室端末26との間で交換される信号の通信制御を行うものである。変調器35は、居室端末26との間で画像データ及び音声データの通信を行う際にデータの変調/復調処理を行うものである。センタ端末17は、居室端末26の設置台数に応じた数の変調器35を備えている。ここでは、2つの変調器(ここでは第1変調器35a及び第2変調器35b)を備える場合について示している。
また、センタ端末17は、オンディスプレイ制御回路36、カメラ起動リレー37、PCインターフェイス38及び電子ボリューム制御回路39を備えている。オンディスプレイ制御回路36は、モニタ18から出力される画像データ及び音声データの制御を行うものであり、カメラ起動リレー37は、カメラ19の起動/停止を切り換えるものである。PCインターフェイス38は、センタ端末17と管理PC15とを接続するものであり、電子ボリューム制御回路39は、マイクアンプ機能及びスピーカアンプ機能を有し、マイク29の入力及び外部接続されたスピーカ40の出力を制御するものである。なお、スピーカ40は、居室端末26から受信した音声データを出力するものである。
さらに、センタ端末17は、スイッチング電源(以下、「電源」という)41及びACリレースイッチ(以下、「ACリレー」という)42を備えている。電源41は、センタ端末17に供給される交流電圧から実装された電子機器で必要となる5V、12Vの直流電圧を得るものであり、ACリレー42は、内部への電力供給を切り替えてセンタ端末17のオン/オフを切り替えるものである。
一方、図3に示す居室端末26は、センタ端末17が備えるPCインターフェイス38を備えていない点、並びに、リモコン受光器43、スピーカ44及び赤外線カメラ45を備えている点で相違する。また、通信相手がセンタ端末17のみであるため、変調器35を1つだけ備えている点、並びに、ACリレー42が居室TV27にも接続され、このACリレー42により居室TV27のオン/オフを切り替える点で相違する。リモコン受光器43は、専用リモコン30から出力された信号を受信するものであり、スピーカ44は、センタ端末17から受信した音声データを出力するものであり、赤外線カメラ45は、居室11内の要介護者を含む物体の温度変化に応じた画像データを撮影するものである。
本実施の形態に係る施設内介護監視システムは、上述したような構成を有し、施設内に敷設されたCATVケーブルCC、並びに、このCATVケーブルCCを通じて居室TV27でTV放送を受信する際に必要となる居室端末26を有効活用して要介護者との意思疎通を図ることで、要介護者のニーズを適切に把握すると共に介護者側で共有し、これに対応しようとするものである。特に、本実施の形態に係る施設内介護監視システムでは、居室11内の要介護者の要求に迅速且つ適切に対応することで、要介護者のニーズを適切に把握すると共に介護者側で共有する。
以下、居室11内の要介護者から緊急ナースコールがあった場合の本施設内介護監視システムの動作について図4に示すフローに従って、図5及び図6を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいて、居室11内の要介護者から緊急ナースコールがあった場合の動作を説明するためのフロー図である。図5は、その際にナースセンタ9の管理PC15及び表示装置16に表示されるナースコール受付状況一覧の一例を示す図であり、図6は、居室11内の要介護者が緊急ナースコールを行った場合における居室11及びナースセンタ9の状況を説明する図である。
なお、図4に示す動作を説明する前提として、管理サーバ4のデータベースには、事業所2に入居している利用者情報、事業所2で働く介護者情報及び事業所2で用いられる物品・機器情報が登録されているものとする。
居室11内の要介護者が緊急ナースコールを行う場合、要介護者は、専用リモコン30を利用して緊急ナースコールを要請する(ステップ(以下「ST」という)1)。このとき、要介護者は、専用リモコン30に設けられた緊急ナースコール用のボタンを選択するだけで緊急ナースコールを要請できるので、体を起こす必要がなく、その用件を口頭で伝える必要もなく、最小限の動作で緊急ナースコールを要請することができる。専用リモコン30からの信号は、居室端末26のリモコン受光器43により受信され、この信号を検出すると、居室端末26は、CATVケーブルCCを介してセンタ端末17に居室端末26のID番号と、ナースコールデータ(ここでは緊急ナースコールを要請するナースコールデータ)を送信する(ST2)。これらの情報を受信すると、センタ端末17は、当該情報をPCインターフェイス38を介して管理PC15に送信する(ST3)。このとき、センタ端末17は、赤色の回転灯21を発光させると共に回転させ、介護者の注意を促す。このように回転灯21を作動させることで、介護者の注意を喚起することができ、より確実にナースコールに対応することが可能となる。なお、通常のナースコールの場合には黄色の回転灯21を作動させる。そして、管理PC15は、当該情報をインターネット網3を介して本社1内の管理サーバ4に送信する(ST4)。
管理サーバ4では、受信した居室端末26のID番号から、当該緊急ナースコールを要請してきた利用者を特定する。そして、その利用者情報を事業所2内の管理PC15及び表示装置16に送信する(ST5)。利用者情報を受信すると、管理PC15及び表示装置16は、これを基に図5に示すナースコール受付状況一覧(以下、「ナースコール一覧」という)を作成し、これを表示する(ST6)。ナースコール一覧は、今回の緊急ナースコールがあるまでに登録されているナースコールの内容に当該緊急ナースコールが追加された形式で作成される。
ここで、ナースコール一覧の構成について説明する。ナースコール一覧には、図5に示すように、ナースコールの受付番号、呼出内容、発報場所、要介護者の氏名、発報時刻、介護担当者、そのナースコールへの対応時刻及び監視カメラ番号などの情報が含まれる。なお、これ以外の情報を含めて構成してもよい。受付番号は、ナースコールの受付時間順に付与され、呼出内容には当該ナースコールの内容が表示される。発報場所には要介護者が発報した場所が特定され、居室11だけでなく玄関や食堂などの共用スペースも表示される。氏名には当該ナースコールをした要介護者が表示され、発報時刻には当該ナースコールをした時刻が表示される。介護担当者には、当該ナースコールに応じた介護を担当する介護者(入力端末13を携帯している介護者のうち介護を担当する介護者)が表示され、対応時刻には当該介護担当者が対応し終わった時刻が表示される。監視カメラ番号には当該ナースコールの発報場所を撮影可能な監視カメラの番号が表示される。
上述のように、ナースコール一覧を表示する管理PC15の画面は、タッチパネルで構成されている。このように管理PC15の画面をタッチパネルで構成することで、後述する要介護者の発報場所(居室)の特定を簡単に行えるようにしている。ナースコール一覧に含まれる情報のうち、「発報場所」の欄が選択(指先でタッチ)されると、ナースセンタ9に設置されたモニタ18に、当該選択された発報場所に設置された監視カメラの撮影した画像データが表示されるように構成されている。「監視カメラの番号」の欄が選択された場合も同様である。また、「介護担当者」の欄が選択されると、当該緊急ナースコールの時点で介護業務に対応可能な介護者の氏名がプルダウンメニューで表示されるように構成されている。上述のST6の処理により図5に示す受付番号「07」の緊急ナースコールがナースコール一覧に追加されたものとする。当該緊急ナースコールは、発報場所「120号室」の氏名「吉田茂」から発報時刻「14:40」に要請されたものであることが分かる。なお、緊急ナースコールを要請された時点では、介護担当者及び対応時刻が未定であるため、これらの欄はブランクとなっている。
図5に示すようなナースコール一覧が管理PC15及び表示装置16に表示されると共に、赤色の回転灯21が作動することにより、当該緊急ナースコールは、ナースセンタ9で待機している介護者により認識される。これを認識した介護者から管理PC15の画面上の「発報場所」の選択が行われると、モニタ18に当該緊急ナースコールをしてきた要介護者の居室の状況が表示される(ST7)。このとき、図6に示すように居室11内に設置されたカメラ28が撮影した画像データ(要介護者の画像データ)がモニタ18に表示されると共に、居室11内に設置されたマイク29が取得した音声データがセンタ端末17に接続されたスピーカ40から出力される。一方、居室TV27には、ナースセンタ9に設置されたカメラ19が撮影した画像データ(介護者の画像データ)が表示されると共に、ナースセンタ9内に設置されたマイク20が取得した音声データがスピーカ44(居室端末26内蔵のため不図示)から出力される。この場合において、センタ端末17及び居室端末26の両者間で交換される画像データ及び音声データは、CATVケーブルCCを介して交換される。なお、居室11内の状況をモニタ18に表示した時点で、センタ端末17は、回転灯21の作動を停止する。
そして、介護者は、モニタ18に表示された居室11内の状況を確認しながら、要介護者に問い掛ける(ST8)。このとき、介護者は、要介護者に発生している異常事態を正確に把握するように努める。居室11内の状況を把握した後、介護者は、介護担当者の選択を行う(ST9)。このとき、介護者は、ナースコール一覧の「介護担当者」の欄を選択することによりプルダウンメニューから介護担当者を選択すること可能である。そして、介護担当者の選択が行われると、ナースコール一覧の「介護担当者」の欄に担当者名が表示される。また、この時点でナースセンタ9内の介護者による管理PC15への入力処理が終了する(ST10)。この入力処理が終了した後、一定時間が経過すると、モニタ18及び居室TV27は、自動的に通常状態(TV放送が視聴可能な状態)に復帰するように構成されている。
また、介護担当者の選択が行われた時点で、管理PC15からインターネット網3を介して管理サーバ4に介護担当者データが送信される(ST11)。介護担当者データは、管理サーバ4において、利用者情報に含まれる介護実績の一部として記録される(ST12)。そして、選択された介護担当者が実際に当該緊急ナースコールに対応し、入力端末13に介護データを入力すると、入力端末13からインターネット網3を介して管理サーバ4に介護データが送信される(ST13)。介護データは、管理サーバ4により受信され、利用者情報の一部として記録される(ST14)。
介護データを記録すると、管理サーバ4は、インターネット網3を介して管理PC15及び表示装置16に再び利用者情報を送信する(ST15)。利用者情報を受信すると、管理PC15及び表示装置16は、これを基に再びナースコール一覧を作成し、これを表示する(ST16)。このとき、作成及び表示されるナースコール一覧においては、「対応時刻」の欄に実際に介護を行った時刻が表示されることとなる。すなわち、この例では、図5に示す受付番号「07」の緊急ナースコールの「対応時刻」の欄に介護担当者が実際に介護を行った時刻が表示される。
このように本実施の形態に係る施設内介護監視システムによれば、居室11の要介護者からナースコールを受けると、当該ナースコールは、居室端末26から居室端末26のID番号と共にCATVケーブルCCを介してセンタ端末17に送信された後、管理PC15から管理サーバ4に送信される。管理サーバ4では、居室端末26のID番号から要介護者を特定して当該ナースコールを記録すると共に当該要介護者の居室情報を含む利用者情報を管理PC15に返信する。このため、管理サーバ4で要介護者からのナースコールをリアルタイムで記録することができると共に、要介護者の居室情報を通知することによりナースセンタ9で待機する介護者に迅速に対応させることが可能となる。そして、管理サーバ4に記録される呼出要請を分析することにより要介護者のニーズを把握することができ、把握したニーズを施設(事業所2)のサービスに反映させることができるので、高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応することが可能となる。また、把握したニーズを施設(事業所2)のサービスに反映させる際、直接介護業務以外の業務の見直し等を図ることにより、直接介護業務以外の業務の削減、あるいは効率化を実現することができ、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現することが可能となる。
特に、本実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいては、事業所2内に敷設されたCATVケーブルCC、並びに、このCATVケーブルCCを通じて居室TV27でTV放送を受信する際に必要となる居室端末26を有効活用して要介護者からのナースコールに対応することにより、事業所2内に敷設されたCATVケーブルCC等、施設内の既存設備を利用するので、莫大な投資を必要とすることなく介護監視システムを運営することができる。
なお、要介護者のナースコール等を含む情報は、管理サーバ4のデータベースにのみ記録され、事業所2には記録されることはないので、要介護者の情報などが外部に漏洩する可能性を低減することが可能となる。なお、管理サーバ4のデータベースなど、重要な情報が管理されるファイルについては限られた人にのみ開くことができるようにすることは実施の形態として好ましい。
また、本実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいては、居室端末26に要介護者の映像を撮影するカメラ28及び音声を取り込むマイク29を接続し、これらをナースコールがあった場合に活用する一方、センタ端末17に介護者の映像を撮影するカメラ19及び音声を取り込むマイク20を接続し、これらをナースコールがあった場合に活用している。このため、介護者は、ナースセンタ9にいながらにして要介護者の状況を迅速且つ適確に把握することができるので、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現することができる。
なお、以上の説明においては、居室11内の要介護者から緊急ナースコールの要請を受けた場合について説明している。しかし、これに限定されず、緊急ナースコール以外のナースコールにおいても適用することができ、上述した優れた効果を得ることができるのは言うまでもない。
本発明は、高齢者の増加に伴って多様化することが予想される要介護者のニーズに対応することができると共に、業務の効率化を通じて集合住宅などの施設全体のサービス及び質の向上を実現するものであり、産業上の利用可能性を有する。
本発明の一実施の形態に係る施設内介護監視システムのネットワーク構成を示す図 上記実施の形態に係るセンタ端末の概略構成を示すブロック図 上記実施の形態に係る居室端末の概略構成を示すブロック図 上記実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいて、居室内の要介護者から緊急ナースコールがあった場合の動作を説明するためのフロー図 上記実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいて、ナースセンタの管理PC及び表示装置に表示されるナースコール受付状況一覧の一例を示す図 上記実施の形態に係る施設内介護監視システムにおいて、居室内の要介護者が緊急ナースコールを行った場合における居室及びナースセンタの状況を説明する図
符号の説明
1 本社
2 事業所(施設)
4 管理サーバ
9 ナースセンタ
10 共用スペース
11 居室
13 入力端末
15 管理PC
17 センタ端末
18 モニタ
26 居室端末
27 居室TV
30 専用リモコン

Claims (7)

  1. 要介護者が居住する居室及び介護者が待機する介護者センタが設けられた施設と、前記施設で利用される各種情報を管理する管理サーバを有する管理センタとに適用される施設内介護監視システムであって、
    前記居室にはCATVケーブルを介して配信されるテレビ放送を外部テレビ装置に出力すると共に要介護者からの呼出要請を受け付ける通信端末が配備される一方、前記介護者センタには前記居室の通信端末と前記CATVケーブルを介して接続される通信端末及び前記管理サーバと通信回線を介して通信可能な管理端末が配備され、
    前記居室の要介護者から呼出要請を受けると、当該呼出要請は、前記居室の通信端末から当該居室の通信端末の端末識別番号と共に前記CATVケーブルを介して前記介護者センタの通信端末に送信された後、前記管理端末から前記端末識別番号と共に前記管理サーバに送信され、
    前記管理サーバは、前記端末識別番号から要介護者を特定して当該呼出要請を記録すると共に当該要介護者の居室情報を含む要介護者情報を前記管理端末に返信し、当該管理端末の画面に表示させることを特徴とする、CATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  2. 前記居室の通信端末に要介護者を撮影するカメラ及び要介護者の音声を取り込むマイクを接続すると共に、前記介護者センタの通信端末に映像を出力するモニタ及び音声を出力するスピーカを接続し、
    前記介護者センタの通信端末は、前記管理端末に入力される介護者からの指示に応じて、前記モニタに前記居室のカメラが撮影した要介護者の映像を出力させると共に、前記スピーカに前記居室のマイクが取り込んだ要介護者の音声を出力させることを特徴とする請求項1記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  3. 前記介護者センタの通信端末に介護者を撮影するカメラ及び介護者の音声を取り込むマイクを接続すると共に、前記居室の通信端末に音声を出力するスピーカを接続し、
    前記居室の通信端末は、前記管理端末に入力される介護者からの指示に応じて、前記外部テレビ装置に前記介護者センタのカメラが撮影した介護者の映像を出力させると共に、前記スピーカに前記介護者センタのマイクが取り込んだ介護者の音声を出力させることを特徴とする請求項2記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  4. 前記介護者は、前記管理端末の画面に表示された前記要介護者情報の居室情報を選択することで、要介護者の映像及び音声出力を指示すると共に介護者の映像及び音声出力を指示することを特徴とする請求項3記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  5. 前記管理端末の画面はタッチパネルで構成され、前記介護者は前記画面上に表示される前記要介護者の居室情報を選択することを特徴とする請求項4記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  6. 前記介護者センタの通信端末に報知装置を接続し、前記居室の通信端末から呼出要請を受けると、前記介護者センタの通信端末は、前記放置装置を作動させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
  7. 前記居室の通信端末は、呼出要請を行うためのリモートコントローラから出力される信号に応じて前記居室の要介護者の呼出要請を受け付けることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のCATVケーブルを利用した施設内介護監視システム。
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