JP2006277953A - プラズマ生成装置、プラズマ処理装置、プラズマ生成方法及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ生成装置、プラズマ処理装置、プラズマ生成方法及びプラズマ処理方法 Download PDF

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浩史 滝川
Hajime Shiki
肇 志岐
Junpei Motoki
純平 元木
Takashi Otsuka
剛史 大塚
Noboru Kinoshita
暢 木下
Yoshimi Nishimura
芳実 西村
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】大気圧下において被処理物表面又は被処理薄膜のプラズマ処理を高効率に行い、プラズマによる導電性・半導体性被処理物表面又は導電性・半導体性被処理薄膜の損傷を防止するプラズマ処理装置および方法を提供する。
【解決手段】電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大するグライディングアーク用電極対18がプラズマ発生部4に配設され、プラズマ発生部4にプラズマを放射する射出口20が設けられ、電極対18の先端が射出口20より内側に位置し、作動ガス供給手段により電極間に大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガス14が供給され、電圧印加時に電極間に生じるアーク4aが電極間の開方向に移動するグライディングアークを発生させてプラズマを生成し、このプラズマを射出口20から放射するプラズマ生成装置2を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理物の表面処理等に用いられるプラズマ生成装置及びプラズマ生成方法に関し、更に詳細には、大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスを用いて、グライディングアーク法により被処理物の表面処理等に好適なプラズマを生成するプラズマ生成装置及びプラズマ生成方法並びに前記プラズマを利用して被処理物に所望の表面処理を施すプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。更に詳細には、主に金属、半導体、導電性膜など,導電性固体物質の表面及び膜を被処理物とし、被処理物の表面又は膜に所望の処理を施すプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
近年、プラズマを用いた表面処理方法が注目されており、被処理物表面の濡れ性改善、接着性改善、洗浄、殺菌、消毒、生体融和性改善、エッチング、デスミア処理、凸凹化、バリ取り、及び表面改質などを行うことにより、前記工業製品の特性を改善することができる。また、表面処理に用いられるプラズマの生成技術としては、コロナ放電、グロー放電、誘電体バリア放電(DBD:Dielectric Barrier Discharge)、RF放電、マイクロ波放電、アーク放電などがあり、従来のプラズマ生成技術では、ヘリウム、アルゴン、室内空気、乾燥空気などが作動ガスとして用いられていた。大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスからプラズマを生成可能な装置を開発し、前記作動ガスとして空気などを用いることにより、プラズマ生成装置のランニングコストを低減しようとする試みがなされている。特開平9−223595(特許文献1)には、大気圧下における高周波誘導コイルを用いたアークプラズマの生成方法が記載されている。
更に、アークプラズマの生成方法としては、グライディングアークに着目したプラズマの生成方法がCzernichowski等により提案され、A.Czemichowski:Gliding Arc.Applications to engineering and environment control, Pure and Applied Chemical, Vol.666(1994)pp.1301−1310(非特許文献1)などに記載されている。グライディングアークとは、電極間の距離がプラズマの進行方向に沿って増大する2つの電極に高電圧を印加してアークを発生させたとき、アークが電極間の開方向に移動する現象を起源としている。
図14は、グライディングアークを用いた従来のプラズマ処理装置の構成概略図である。プラズマ生成装置102から照射されたプラズマ104により被処理物表面106aを処理する。前記プラズマ生成装置102は、プラズマ発生部108、作動ガス供給路110、作動ガス供給手段(図示せず)及び電圧印加手段112から構成される。前記作動ガス供給手段により作動ガス114が供給管116を通して前記作動ガス供給路110に導入され、前記作動ガス114は前記作動ガス供給路110を流通して電極118、118が配設されたプラズマ発生部108に供給される。
前記電極118、118は、作動ガスの進行方法に沿って電極間の距離が増大するように配設されている。前記電極間に供給された作動ガスは、前記電圧印加手段112による印加電圧が電極間最短ギャップ118aにおける絶縁破壊電圧に達すると、最短ギャップ位置118bにおいてスパークを生じ、アークが発生する。このアークは、供給される作動ガスのガス流で押し出されて電極に沿って下流へと移動する。前記アークが所定長さまで伸長すると、放電維持電圧が印加電圧を超え、アークが自己消弧し、続いて高電圧が印加されると最短ギャップ位置118bで再びアークが発生する。上述のような発生から消滅までのプロセスを繰り返すものがグライディングアーク法であり、前記プラズマ104が電極間に生成される。このプラズマ104は、電流路部分のプラズマであるアークコラム104aと弱電離プラズマ状態のプルーム104bから構成される。
特開平9−223595号公報 A.Czemichowski:Gliding Arc.Applications to engineering and environment control, Pure and Applied Chemical, Vol.666(1994)pp.1301−1310
図14に示すグライディングアークを用いた被処理物106の表面処理では、非導電体の被処理物106を表面処理する場合、界面の影響によりプラズマ104が被処理物表面106aに到達しない場合があった。更に、導電体の被処理物106を表面処理する場合、電流路であるアークコラム104aの通過により被処理物表面106aにアークスポット101、101が形成され、このアークスポット101により前記被処理物106に損傷を与えることがあった。
従って、本発明の目的は、被処理物表面にプラズマを高効率に照射して、プラズマ処理を施すことができ、プラズマを構成するアークコラムによる被処理物表面のダメージを防止して、被処理物の好適な表面処理を行うことができるプラズマ生成装置及びプラズマ処理装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、電極間にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、このプラズマ発生部に作動ガスを供給する作動ガス供給手段と、前記電極間に電圧を印加する電圧印加手段とから構成されるプラズマ生成装置において、前記電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大する電極対が前記プラズマ発生部に配設され、前記プラズマ発生部に前記プラズマを放射する射出口が設けられ、この電極対の先端が前記射出口より内側に位置し、前記作動ガス供給手段により前記電極間に大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスが供給され、電圧印加時に前記電極間に生じるアークが電極間の開方向に移動するグライディングアークを発生させてプラズマを生成し、このプラズマを前記射出口から放射するプラズマ生成装置である。
本発明の第2の形態は、前記プラズマ発生部の前段に作動ガスを流通する作動ガス供給路が設けられ、前記作動ガス供給路断面及び/又は前記プラズマ発生部の断面が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略垂直方向に縮小するノズル部が形成されるプラズマ生成装置である。
本発明の第3の形態は、前記ノズル部が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されるノズルであるプラズマ生成装置である。
本発明の第4の形態は、前記ノズル部内に1つ又は複数の整流壁を設けて前記作動ガスが流通する複数の整流路が形成されるプラズマ生成装置である。
本発明の第5の形態は、前記射出口又は射出口近傍にスリットが設けられるプラズマ生成装置である。
本発明の第6の形態は、前記スリットのスリット幅を調整する開閉手段を具備するプラズマ生成装置である。
本発明の第7の形態は、前記プラズマ発生部又は前記射出口から射出されるプラズマの電流路と接触する位置に一つ又は複数のブロック部材が配設されるプラズマ生成装置である。
本発明の第8の形態は、前記第1〜7の形態のいずれかのプラズマ生成装置を具備し、このプラズマ生成装置から放射されるプラズマにより被処理物の表面処理を行うプラズマ処理装置である。
本発明の第9の形態は、大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスをプラズマ発生部に供給し、電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大する電極対に電圧を印加して、前記電極間に生じるアークが電極間の開方向に移動するグライディングアークを発生させ、このグライディングアークにより生成されたプラズマを射出口から射出し、この射出口の内側に前記電極対が位置するプラズマ生成方法である。
本発明の第10の形態は、前記作動ガスが流通する作動ガス供給路及び/又はプラズマ発生部に形成されたノズル部により前記作動ガスの流速を制御して前記プラズマ発生部に供給するプラズマ生成方法である。
本発明の第11の形態は、前記作動ガスの進行方向に沿って前記ノズル部の断面が電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されたノズルにより前記作動ガスの略平面流を形成し、この略平面流を前記プラズマ発生部に供給するプラズマ生成方法である。
本発明の第12の形態は、複数の整流路が設けられたノズル部により前記作動ガスを整流して前記プラズマ発生部に供給するプラズマ生成方法である。
本発明の第13の形態は、前記射出口又は射出口近傍に設けられたスリットの開口幅によりプラズマの流速調整及び/又は整流を行うプラズマ生成方法である。
本発明の第14の形態は、前記プラズマ発生部又は前記プラズマの電流路と接触する位置に設けられた一つ又は複数のブロック部材により前記電流路を遮断するプラズマ生成方法である。
本発明の第15の形態は、前記第9〜14の形態のいずれかのプラズマ生成方法により被処理物の表面処理を行うプラズマ処理方法である。
本発明の第1の形態によれば、前記電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大するグライディングアーク用電極対の先端が前記射出口より内側に位置することにより、射出口における高速のガス流速によってアークコラムが冷却されるため、射出口より外にアークコラムが出にくくなり、前記アークコラムの到達範囲が縮小される。従って、導電性被処理物表面での前記アークスポットの発生を防止することができる。更に、プラズマの原料ガスとして、大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスを用い、大気圧前後の圧力においてプラズマを生成するから、前記プラズマにより被処理物の処理などを行う場合に、真空又は高圧状態を維持する必要が無く、簡易に低コストでプラズマを生成することができる。更に、前記プラズマをグラインディングアークにより生成するから、大気圧下で高電圧が必要となるアーク放電を高効率に発生させることができる。
本発明の第2の形態によれば、前記作動ガス供給路及び/又は前記プラズマ発生部に前記ノズル部が形成されるから、前記電極間に好適な圧力を有する作動ガスを供給することができ、被処理物表面に弱電離プラズマ状態のプルームを圧送することができる。前記プラズマの電流路であるアークコラムは、所定の長さ以上に伸長され、更に対流による冷却作用によって放電抵抗が増加すると、放電維持電圧が印加電圧を超えて自己消弧する。前記射出口と被処理物の距離を所定間隔以上に設定し、前記ノズル部によって加速されたガス流を電極間に供給することにより前記プルームのみを被処理物表面に照射することができ、前記アークスポットによる被処理物のダメージを防止することができる。前記プラズマ発生部断面の高さ(電極対が結ぶ面に対して略垂直方向の距離)は、1mm〜15mmの範囲にあることが好ましく、2mm〜10mmの範囲にあることがより好ましく、前記プラズマが好適な流速を有し、プラズマ流の乱れを抑制することができる。
本発明の第3の形態によれば、前記ノズル部が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されるノズルであるから、前記作動ガスが略平面流を形成し、この略平面流が電極間に供給されることにより、前記作動ガスを高効率にプラズマ化することができる。また、前記略平面流を形成可能な市販のノズルを前記プラズマ発生部の前段に配設し、前記ノズルとして用いることができる。
本発明の第4の形態によれば、前記ノズル部内に1つ又は複数の整流壁を設けて前記作動ガスが流通する複数の整流路が形成されるから、前記作動ガスが好適な略平面流を形成し、この略平面流を前記電極間に供給することにより高効率に前記作動ガスをプラズマ化することができる。更に、前記作動ガスを略平面流化することにより、前記作動ガス及びその作動ガスから生成される略平面プラズマの流速が増大し、前記プルームを略平面にして高効率に前記射出口から放射することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記射出口又は射出口近傍にスリットが設けられるから、前記スリット先端に形成された傾斜面がノズルとして作用し、前記プラズマ発生部において生成されたプラズマの流速を制御することができ、上述のように、前記プルームを略平面にして被処理物表面に高効率に照射することができる。
本発明の第6の形態によれば、前記スリットのスリット幅を調整する開閉手段を具備するから、前記スリット幅を自在に調整して前記プラズマの流速や前記被処理物又はその表面における略平面のプルームプラズマの照射範囲を制御することができる。前記スリット幅は、好ましくは0.1mm〜20mmの範囲で調整され、より好ましくは、1mm〜4mmの範囲で調整される。
本発明の第7の形態によれば、前記プラズマ発生部又は前記射出口から射出されるプラズマの電流路と接触する位置に1つ又は複数のブロック部材が配設されるから、電流路を遮断して、アークコラムの到達範囲を縮小し、弱電離プラズマであるプルームのみを被処理物表面に照射できる。前記ブロック部材としては、絶縁材料を用いることが好ましく、セラミック材料などを用いることができる。1つ又は複数の孔部が設けられたブロック部材を前記射出口近傍に取り付けても良く、更にはメッシュ状のブロック部材を前記射出口近傍に取り付けることができる。
本発明の第8の形態によれば、前記第1〜7の形態のいずれかのプラズマ生成装置を具備するから、前記弱電離プラズマ状態であるプルームを高効率に射出して、被処理物表面にダメージを与えること無く、被処理物の表面処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することができる。このプラズマ処理装置は、被処理物表面の濡れ性、接着性又撥水性の改善、被処理物の洗浄、静電気防止処理、デスミア処理、エッチング、アッシング、消毒・殺菌・滅菌、固体表面の酸化、薄膜加工(例えば、ダイヤモンド薄膜の微細加工・除去、ダイヤモンドライクカーボン膜の微細加工・除去、各種膜の焼結、各種膜の酸化、各種膜の合成)などに用いることができる。更に、大気圧下で種々の被処理物を処理することができるから、気体や液体の処理も可能であり、例えば、大気浄化、排ガス処理、排煙処理、液体のpH制御などの環境浄化処理に用いることができる。
本発明の第9の形態によれば、大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスから大気圧前後の圧力においてプラズマを生成するから、前記プラズマにより被処理物の表面処理などを行う場合に、真空又は高圧状態を維持する必要が無く、簡易に低コストでプラズマを生成することができる。電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大する電極対に電圧を印加して、前記電極間に生じるアークが電極間の開方向に移動するグラインディングアークを発生させるから、大気圧下で放電プラズマを高効率に発生させることができる。更に、前記電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大するグライディングアーク用電極対の先端が前記射出口より内側に位置することにより、射出口における高速のガス流速によってアークコラムが冷却されるため、射出口より外にアークコラムが出にくくなり、前記アークコラムの到達範囲が縮小される。従って、導電性被処理物表面での前記アークスポットの発生を防止することができる。また、前記作動ガスとして、安価な空気や窒素、酸素、ヘリウム及びアルゴンなどから選択された少なくとも1つ以上のガスを用いることができるから、プラズマによる表面処理のコストを低減することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記作動ガスが流通する作動ガス供給路に形成されたノズル部により前記作動ガスの流速を制御するから、被処理物表面に弱電離プラズマ状態のプルームを高効率に照射することができる。前記アークコラムは、所定の長さ以上に伸長され、更に対流による冷却作用によって放電抵抗が増加すると、放電維持電圧が印加電圧を超えて自己消弧する。前記射出口と被処理物の距離を所定間隔以上に設定し、前記ノズル部によって加速されたガス流を電極間に供給することにより冷却効率が増加してアークコラムを効率的に消滅できるため、前記プルームのみを被処理物表面に照射することができ、前記アークスポットによる導電性被処理物のダメージを防止することができる。
本発明の第11の形態によれば、前記作動ガスの進行方向に沿って前記作動ガス供給路の断面が電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されたノズルにより前記作動ガスの略平面流を形成するから、この略平面流を前記電極間に供給することにより高効率に前記作動ガスをプラズマ化することができる。更に、前記作動ガスを略平面流化することにより前記作動ガス及びその作動ガスから生成されるプラズマの流速が増大し、前記プルームを高効率に前記射出口から放射することができる。
本発明の第12の形態によれば、1つ又は複数の整流路が設けられたノズル部により前記作動ガスを整流するから、前記作動ガスがより好適な略平面流を形成し、この略平面流を前記電極間に供給することにより高効率に前記作動ガスをプラズマ化することができる。更に、この略平面流化された作動ガスからプラズマを生成することにより、このプラズマは好適な流速を有し、前記プルームを高効率に被処理物表面に照射することができる。
本発明の第13の形態によれば、前記射出口又は射出口近傍に設けられたスリットの開口幅によりプラズマ作動ガスの流速調整を行うから、作動ガス流を加速させた場合、前記アークコラムがエネルギー損失により自己消孤し易くなり、前記アークコラムの到達範囲が縮小する。従って、前記被処理物に前記プルームを高効率に照射することができるため、アークスポットの発生に起因する被処理物表面のダメージを防止することができる。
本発明の第14の形態によれば、前記プラズマ発生部又は前記プラズマの電流路と接触する位置に設けられた一つ又は複数のブロック部材により前記電流路を遮断するから、アークコラムの到達範囲を縮小し、弱電離プラズマであるプルームのみを被処理物表面に照射できる。前記ブロック部材により、前記プラズマの電流路であるアークコラムの長さが伸長し、前記アークコラムが維持される放電維持電圧が増大する。従って、前記放電維持電圧が電極間に加えられる印加電圧を超えると、前記アークコラムが自己消孤するから、アークコラムが被処理物まで到達しなくなり、従って、被処理物表面での前記アークスポットの形成を防止することができる。
本発明の第15の形態によれば、前記第9〜14の形態のいずれかのプラズマ生成方法により被処理物の表面処理を行うから、前記弱電離プラズマ状態であるプルームを高効率に射出して、被処理物表面にダメージを与えること無く、被処理物の表面処理を行うプラズマ処理方法を提供することができる。このプラズマ処理方法により、被処理物表面の濡れ性、接着性又は撥水性の改善、被処理物の洗浄、静電気防止処理、デスミア処理、エッチング、アッシング、消毒・殺菌・滅菌、固体表面の酸化、薄膜加工(例えば、ダイヤモンド薄膜の微細加工・除去、ダイヤモンドライクカーボン膜の微細加工・除去、各種膜の焼結、各種膜の酸化、各種膜の合成)などを行うことができる。更に、大気圧下で種々の被処理物を処理することができるから、気体や液体の処理も可能であり、例えば、大気浄化、排ガス処理、排煙処理、液体のpH制御などの環境浄化処理を行うことができる。
以下に、本発明の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るグライディングアーク法を用いたプラズマ処理装置の構成概略図である。プラズマ生成装置2から照射されたプラズマ4により被処理物表面6aを処理する。前記プラズマ生成装置2は、プラズマ発生部8、作動ガス供給路10、作動ガス供給手段(図示せず)及び電圧印加手段12から構成される。この実施例では、前記作動ガス供給路がノズル部材13に形成され、前記プラズマ発生部8が前記ノズル部材13内に形成されている。前記作動ガス供給手段により大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガス14が供給管16を通して前記作動ガス供給路10に導入され、前記作動ガス14は前記作動ガス供給路10を流通して電極18、18が配設されたプラズマ発生部8に供給される。前記作動ガス供給手段としては、市販のガスボンベ、コンプレッサ、ブロア、窒素ガス供給装置などを利用できる。
前記電極18、18は、作動ガスの進行方法に沿って電極間の距離が増大するように前記プラズマ発生部8に配設される。更に、電極先端18c、18cが射出口20より内側に位置するように前記電極18、18が設置される。前記電極間に供給された作動ガスは、前記電圧印加手段12による印加電圧が電極間最短ギャップ18aにおける絶縁破壊電圧に達すると、最短ギャップ位置18bにスパークを生じてプラズマ4が発生する。このプラズマ4は、電流路部分のプラズマであるアークコラム4aと弱電離プラズマ状態のプルーム4bから構成される。前記電圧印加手段12は,市販の高電圧直流電源,高電圧交流電源,高電圧パルス電源などを使用できる。
前記アークコラム4aは、供給される作動ガス14のガス流により押し出されて前記電極18、18に沿って下流へと移動する。前記アークコラム4aが所定長さまで伸長すると、アークコラムの放電維持電圧が印加電圧を超え、アークコラム4aが自己消弧する。このとき、前記プルーム4bも前記ガス流により押し出され、前記射出口20の方向へ進行する。前記電極先端18c、18cが前記射出口20より内側に位置することにより、射出口における高速のガス流速によってアークコラムが冷却されるため、射出口より外にアークコラムが出にくくなり、前記アークコラム4aの到達範囲が縮小される。従って、前記アークスポットの発生を防止して、前記被処理物表面に弱電離プラズマ状態であるプルームを高効率に照射することができる。
図2は、本発明に係るノズル部材13の概略図である。前記ノズル部材13には、射出口20が形成され、この射出口20からプラズマが射出される。(2A)は、スリット及び/又は作動ガス供給路が一体形成されたノズル部材13を示しており、射出口20にはスリットを形成することができる。(2B)は、スリット22の開閉手段(図示せず)を有するノズル部材13を示しており、射出口20がスリット部材22a、22aから構成されている。前記スリット部材にはスリット面22b、22bが形成されている。前記スリット部材22aの少なくとも一方は、前記開閉手段により自在に移動することができ、スリット幅を制御することができる。スリット部は高温になることから,スリット部材には耐熱樹脂やセラミックスを用いることが望ましい。(2C)は、曲線状のスリット面22b、22bを有するスリット部材22a、22aが設置されたノズル部材13を示している。前記スリット面22b、22bが曲線状に形成されて射出口20を構成する場合においても、前記射出口20から弱電離プラズマ状態であるプルームが射出される。従って、前記スリット部材22a、22aから構成される射出口の形状は、被処理物が設置される環境、被処理物の状態・形状に応じて、適宜に選択することができる。
図3は、本発明に係るノズル部材13の断面概略図である。(3A)に示したノズル部材13内部の上面及び下面には、ノズル部13aが形成されている。このノズル部13aにより前記作動ガス及びプラズマが整流される。更に、(3B)に示したノズル部材13には、第1ノズル部13bと第2ノズル部13cが形成されている。このように前記ノズル部13aの形状は、前記プラズマの射出形態に応じて設計される。(3C)は、前記射出口20にスリット22が形成されたノズル部材13の断面概略図である。(3D)は、スリット22とノズル部13aが形成されたノズル部材の断面概略図である。(3A)〜(3D)に示すように、スリット22及び/又はノズル13の形状を組み合わせて、所望の流体特性を有するプラズマを射出することができる。
図4は、本発明に係るノズル部材13の断面概略図である。図4は、図2(2B)に示した開閉手段を有するスリット22が付設されたノズル部材13の断面概略図を示している。(4A)に示したノズル部材13は、略平行の作動ガス供給路10が形成されており、前記射出口20にはスリット22が付設されている。(4B)に示したノズル部材13には、ノズル部13aとスリット22が設けられている。(4A)及び(4B)のスリット22は、前記開閉手段(図示せず)が具備され、好適なスリット幅に調整することができる。
図5は、本発明に係るグライディングアーク用電極18、18の概略構成図である。図1には、金属電極を折曲し、対向する電極面の距離が前記作動ガス14の進行方向に沿って増大するグライディングアーク用電極18、18が示されている。このグライディングアーク用電極18、18は、上述のように、電極対が末広がり状に配設されていれば良く、以下に示すような種々の形状の電極を用いることができる。(5A)は三角形状の電極18、18が配設されたプラズマ発生部8である。更に、(5B)には、湾曲面を有する電極18、18が示され、(5C)には、くの字型の電極18、18が示されている。(5A)〜(5C)に示される電極対は、作動ガスの進行方向に沿った少なくとも一部の電極間距離が増大しており、これらの電極を用いてグライディングアークを発生させることができる。
図6は、ブロック部材24が付設されたプラズマ射出口20の正面概略図である。図中のWはプラズマが射出されるスリットの幅である。図に示すように、前記スリット部材22a、22aに複数のブロック部材24が取り付けられ、プラズマはスリット22とブロック部材24とが形成する隙間から射出される。
前記ブロック部材24としては、耐熱絶縁材料が用いられ、例えば、耐熱樹脂、高抵抗カーボン、セラミック材料などからブロック部材が形成される。(6A)は、取付けられるブロック部材24の太さSが全て等しく、各ブロック部材24の間隙dが等間隔に設定されたスリット22を示している。前記ブロック部材24が付設される位置は、前記スリット22に限定されるものではなく、前記ノズル部材の射出口20又はその近傍に配設されて前記アークコラムを遮断し、前記プルームを被処理物に照射することが可能であれば、前記ブロック部材24を所望の位置に配設することができる。(6B)は、ブロック部材24の取付け位置がスリット22の端部側から中心位置に近づくにつれて、前記ブロック部材24の間隙dを狭め、ブロック部材24の太さSが徐々に大きくなるように設定されている。ブロック部材24の大きさは、同一である必要は無く、ブロック部材同士の間隙dを等しく配設する必要も無い。従って、電極間の中心位置では、アークコラムが最も伸張するため、電極間の中心において、間隙dが小さく,電極間近傍では間隙dが大きくなるように配置することができる。このようにプラズマの射出形状に適応させて、好適な形状および配置間隔を選択できる。
図7は、本発明に係るブロック部材24が配設されたプラズマ発生部8の構成概略図である。(7A)及び(7B)には、複数の円柱状あるいは円筒状ブロック部材24が等間隔に電極間距離が広がる方向に対し、垂直に配設されている。前記ブロック部材24によりプラズマ4の電流路であるアークコラム4aを遮断して弱電離プラズマであるプルーム4bのみを被処理物表面に照射するから、アークスポットの発生が防止され被処理物の好適な表面処理を行うことができる。
(7B)は、ブロック部材24の太さ及び間隔を変化させた比較例におけるプラズマ発生部8の構成概略図である。(7A)のブロック部材24に比べ、径の細いブロック部材24を使用した場合、前記印加電圧を増大させていくと、(7B)に示すようにアークコラム4aがブロック部材の外側を迂回してしまう。更に、前記ブロック部材24の間隔を広くした場合、アークコラム4aが動作ガスによって押し出され易くなるから、アークコラムが被処理物表面に到達し、導電性被処理物表面にアークスポットが発生しやすくなる。以上のことから,アークスポットの発生を抑えるためには、径の大きなブロック部材24を使用し、狭い棒間隔で配置することが好ましい。ブロック部材24の径若しくは幅は0.1〜10mm、好ましくは2〜4mmがよい。ブロック部材24同士が成す間隙は0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mmがよい。なお、それぞれのブロック材の形状が同一である必要は無い。例えば、細いブロック材と太いブロック部材24とを交互に配設することもできる。
図8は、本発明に係る種々の形状のブロック部材24が配設されたプラズマ発生部8の構成概略図である。(8A)には、四角形の断面形状を有するブロック部材24が配設されたプラズマ発生部8を示している。前記ブロック部材24の断面形状が円形でない場合においても、前記ブロック部材24によりプラズマの電流路であるアークコラムを遮断して弱電離プラズマであるプルームのみを被処理物表面に照射することができる。前記ブロック部材の断面形状は、上述の形状に限定されず、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、星径、その他さまざまな断面形状を呈してよい。ブロック材は中空でも中実でもかまわない。また、ブロック部材24は、軸方向に断面積や断面形状が変化していても構わない。湾曲したブロック部材24を用いてもよい。更に、ブロック部材24は電極間距離が広がる方向に対して必ずしも垂直に配置する必要は無く、それぞれのブロック部材24の配置角度が変化していても良く、プラズマ射出口に対して斜向配置される場合においても前記ブロック部材24により前記アークコラムを遮断することができる。
(8B)は、前記ブロック部材24の配列が2重配列されたプラズマ発生部8を示している。前記ブロック部材24を2重に配列することにより、前記電極18、18間に発生するアークプラズマがより確実に遮断され、前記プルームのみを生成することができる。また、前記ブロック部材24の配設位置は、プラズマ射出口20から等距離に設定される必要はなく、被処理物の形状や配置、表面処理の種類に応じて、前記ブロック部材24を自在に配列することができる。プラズマ射出口20に被処理物を近接させる場合などでは、(8C)に示すように、前記ブロック部材24をプラズマ射出口20の内側に配設することができる。
図9は、メッシュ状ブロック部材24a又は孔部24cが形成された多孔型ブロック部材24bが取り付けられたプラズマ生成装置2の正面概略図である。前記ブロック部材は、前述したような棒状のブロック部材24に限定されるものではなく、(9A)に示すメッシュ状ブロック部材24aや(9B)及び(9C)に示す多孔型ブロック部材24bなどを用いることができる。即ち、ブロック部材24により前記アークコラムを複数箇所で遮断して、前記プルームのみを被処理物表面に照射し、前記アークスポットの発生を防止しできれば、前記メッシュ状ブロック部材24aや多孔型ブロック部材24bなどの種々の形状を有するブロック部材を用いることができる。
なお、(9B)及び(9C)に示す多孔型ブロックの孔24cは、円形である必要は無く、三角形、四角形、五角形、六角形など、様々な形状が利用できる。望ましくは、正方形あるいは長方形の孔である。例えば、正方形または長方形の孔の場合、孔幅は0.1〜10mm、好ましくは2〜4mmがよい。前記孔24c同士が成す間隙は0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mmがよい。また、孔24cはブロックに対し垂直に開いている必要は無く、また、テーパー状の孔でもよい。更に、前記孔24cは,プラズマ射出口に対し一列状に空いている必要はなく、(9C)に示すように、前記孔24cを多段に形成してもよい。また、メッシュ状ブロック部材24aの場合、メッシュ形状が四角形,円径などさまざまな形状のものを利用できる。更に、市販のセラミックメッシュを利用することもできる。
図10は、本発明に係る略平面流を発生するノズル(フラットノズルという)26が設置されたプラズマ生成装置2の構成概略図である。(10A)に示すプラズマ生成装置は、前述のプラズマ生成装置2の作動ガス供給路10を前記フラットノズル26に置換したものである。前記フラットノズル26は、その断面が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略面方向に拡大され、前記フラットノズル26を流通する前記作動ガスは略平面流を形成する。このフラットノズル26は、前記略平面流を形成可能な市販のノズルを用いることができる。(10B)には、管状フラットノズル27が設置されたプラズマ生成装置2が示されている。前記管状フラットノズル27の先端から射出された作動ガス14は、前記作動ガス供給路10内の前記略面方向に広がって略平面流を形成する。従って、前記フラットノズル26又は管状フラットノズル27をプラズマ生成装置2に配設することにより、前記作動ガス14の略平面流が電極間に供給されるから、作動ガス14を高効率にプラズマ化することができる。
図11は、フラットノズル26の幅方向の断面概略図である。前記フラットノズルには、複数の整流壁26aが設けられ、前記作動ガスが流通する複数の整流路28が形成される。従って、前記作動ガスが好適な略平面流を形成し、この略平面流を前記電極間に供給することにより高効率に前記作動ガスをプラズマ化することができる。前記作動ガスを略平面流化することにより、前記作動ガス及びその作動ガスから生成されるプラズマの流速が増大し、前記プルーム4bを高効率に前記射出口20から被処理物表面6aに照射することができる。
図12は、フラットノズル26の高さ方向の断面概略図である。前記フラットノズル26は、好ましくは高さ方向に縮小されることにより、好適な略平面流を形成することができる。(12A)に示すフラットノズル26は、上壁26bと下壁26cが湾曲して、前記フラットノズル26の高さが作動ガス14の進行方向に沿って縮小されていく。(12B)に示すフラットノズル26は、上壁26bのみが湾曲し、前記フラットノズル26の高さが作動ガス14の進行方向に沿って縮小している。
図13は、本発明に係るフラットノズル26に電極18、18が配設されたプラズマ生成装置2の構成概略図である。前記フラットノズルに前記グライディングアーク用の電極18、18を配設することにより、プラズマ生成装置2が完成される。前記フラットノズル26を構成する整流壁26aが前記ブロック部材として機能し、アークコラムを遮断して前記被処理物表面におけるアークスポットの発生を防止することができる。従って、市販のフラットノズルを用いて、本発明に係るプラズマ生成装置を簡易に製造することができる。更に、ノズル部材がフラットノズル26から構成されるから、プラズマの好適な略平面流が形成され、被処理物表面の処理が高効率に行なわれる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係るプラズマ生成装置及びプラズマ処理装置は、大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスからプラズマを生成し、このプラズマによる表面処理において、被処理物表面にダメージを与えるアークスポットの発生を防止することができる。従って、本発明に係るプラズマ生成装置及びプラズマ処理装置により、濡れ性改善、接着性改善、印刷(インクジェット印刷、シルク印刷、グラビア印刷、ロール印刷など)、塗装(バンパー塗装、車体塗装など)、接着(ガラス、樹脂、ゴム、金属など)、絶縁線と電線の密着工程、シール部材の取付けなどの封止工程及び注射針などの接合における前処理などの表面処理を好適に行うことができる。更に、種々の被処理物表面の静電気防止処理、デスミア処理、エッチング、アッシング、固体表面の酸化、表面加工(例えば、ダイヤモンドおよびダイヤモンドライクカーボン膜の微細加工・除去,各種膜の焼結、各種膜の酸化、各種膜の合成)などを被処理物表面にダメージを与えること無く、高効率に行うことができる。また、メス、カテーテル、眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、入れ歯、複合チップ及び注射針などの消毒・殺菌・滅菌処理などの表面処理を好適に行うことができ、気体や液体の処理も可能であり、例えば、大気浄化、排ガス処理、排煙処理及び気体のpH制御などの環境浄化処理に用いることができる。
本発明に係るグライディングアーク法を用いたプラズマ処理装置の構成概略図である。 本発明に係るノズル部材の概略図である。 本発明に係るノズル部材の断面概略図である。 本発明に係るノズル部材の断面概略図である。 本発明に係るグライディングアーク用電極の概略構成図である。 ブロック部材24が付設されたプラズマ生成装置の正面概略図である。 本発明に係るブロック部材が配設されたプラズマ発生部の構成概略図である。 ブロック部材の太さ及び間隔を変化させた比較例におけるプラズマ発生部8の構成概略図である。 メッシュ状ブロック部材又は孔部が形成された多孔型ブロック部材24bが取り付けられたプラズマ生成装置の正面概略図である。 本発明に係るフラットノズルが設置されたプラズマ生成装置の構成概略図である。 フラットノズルの幅方向の断面概略図である。 フラットノズルの高さ方向の断面概略図である。 本発明に係るフラットノズルに電極が配設されたプラズマ生成装置2の構成概略図である。 グライディングアークを用いた従来のプラズマ処理装置の構成概略図である。
符号の説明
2 プラズマ生成装置
4 プラズマ
4a アークコラム
4b プルーム
6 被処理物
6a 被処理物表面
8 プラズマ発生部
10 作動ガス供給路
12 電圧印加手段
13 ノズル部材
13a ノズル部
13b 第1ノズル部
13c 第2ノズル部
14 作動ガス
16 供給管
18 電極
18a 最短ギャップ
18b 最短ギャップ位置
18c 電極先端
20 射出口
22 スリット
22a スリット部材
22b スリット面
24 ブロック部材
24a メッシュ状ブロック部材
24b 多孔型ブロック部材
24c 孔
26 フラットノズル
26a 整流壁
26b 上壁
26c 下壁
27 管状フラットノズル
28 整流路
101 アークスポット
102 プラズマ生成装置
104 プラズマ
104a アークコラム
104b プルーム
106 被処理物
106a 被処理物表面
108 プラズマ発生部
110 作動ガス供給路
112 電圧印加手段
113 ノズル部材
114 作動ガス
116 供給管
118 電極
118a 最短ギャップ
118b 最短ギャップ位置
120 射出口

Claims (15)

  1. 電極間にプラズマを発生させるプラズマ発生部と、このプラズマ発生部に作動ガスを供給する作動ガス供給手段と、前記電極間に電圧を印加する電圧印加手段とから構成されるプラズマ生成装置において、前記電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大する電極対が前記プラズマ発生部に配設され、前記プラズマ発生部に前記プラズマを放射する射出口が設けられ、この電極対の先端が前記射出口より内側に位置し、前記作動ガス供給手段により前記電極間に大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスが供給され、電圧印加時に前記電極間に生じるアークが電極間の開方向に移動するグライディングアークを発生させてプラズマを生成し、このプラズマを前記射出口から放射することを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 前記プラズマ発生部の前段に作動ガスを流通する作動ガス供給路が設けられ、前記作動ガス供給路断面及び/又は前記プラズマ発生部の断面が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略垂直方向に縮小するノズル部が形成される請求項1に記載のプラズマ生成装置。
  3. 前記ノズル部が前記作動ガスの進行方向に沿って電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されるノズルである請求項2に記載のプラズマ生成装置。
  4. 前記ノズル部内又はノズル出口近傍に1つ又は複数の整流壁を設けて前記作動ガスが流通する複数の整流路が形成される請求項2又は3に記載のプラズマ生成装置。
  5. 前記射出口又は射出口近傍にスリットが設けられる請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  6. 前記スリットのスリット幅を調整する開閉手段を具備する請求項5に記載のプラズマ生成装置。
  7. 前記プラズマ発生部又は前記射出口から射出されるプラズマの電流路と接触する位置に1つ又は複数のブロック部材が配設される請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマ生成装置を具備し、このプラズマ生成装置から放射されるプラズマにより被処理物の表面処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 大気圧以上又は大気圧近傍の作動ガスをプラズマ発生部に供給し、電極間の距離が作動ガスの進行方向に沿って増大する電極対に電圧を印加して、前記電極間に生じるアークが電極間の開方向に移動するグライディングアークを発生させ、このグライディングアークにより生成されたプラズマを射出口から射出し、この射出口の内側に前記電極対が位置することを特徴とするプラズマ生成方法。
  10. 前記作動ガスが流通する作動ガス供給路及び/又はプラズマ発生部に形成されたノズル部により前記作動ガスの流速を制御して前記プラズマ発生部に供給する請求項9に記載のプラズマ生成方法。
  11. 前記作動ガスの進行方向に沿って前記ノズル部の断面が電極対が結ぶ面の略面方向に拡大されたノズルにより前記作動ガスの略平面流を形成し、この略平面流を前記プラズマ発生部に供給する請求項10に記載のプラズマ生成方法。
  12. 一つ又は複数の整流路が設けられたノズル部により前記作動ガスを整流して前記プラズマ発生部に供給する請求項10又は11に記載のプラズマ生成方法。
  13. 前記射出口又は射出口近傍に設けられたスリットの開口幅によりプラズマの流速調整及び/又は整流を行う請求項9〜12のいずれかに記載のプラズマ生成方法。
  14. 前記プラズマ発生部又は前記プラズマの電流路と接触する位置に設けられた一つ又は複数のブロック部材により前記電流路を遮断する請求項9〜13に記載のプラズマ生成方法。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載のプラズマ生成方法により被処理物の表面処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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