JP2022011543A - プラズマ照射装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022011543000001
【課題】沿面放電部を備えるプラズマ照射装置において、沿面放電部側に効率的にガスを供給しながら沿面放電を行う。
【解決手段】プラズマ照射装置において沿面放電部40の位置で第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路36の内周面110は、第2方向において空間102の一方側に配置された第1面111よりも他方側に配置された第2面112のほうが狭い。更に、上記内周面110は、第1方向及び第2方向と直交する第3方向において空間102の両側にそれぞれ配置された第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域で第2面112側に向かって狭くなっている。
【選択図】図7

Description

本発明は、プラズマ照射装置に関するものである。
特許文献1には、沿面放電型のプラズマ放電を行うプラズマ表面処理装置が開示されている。この装置は、反応部構成体にプラズマ生成用ガスの流路が設けられており、この流路の壁面に沿面放電用電極が配置される。沿面放電用電極は、プラズマ生成用ガスの進行方向の側面に配置される放電電極と誘電体と介して放電電極と対向する誘導電極とによって構成される。
特開2005-50723号公報
沿面放電型のプラズマ照射装置は、放電電極又は接地電極の一方が直接又は他部材を介して流路内の空間に面するように沿面放電部が構成されるが、流路を流れるガスは必ずしも沿面放電部側に効率的に供給されるというわけではなかった。つまり、ガスの流れ方によっては、流路のうち沿面放電部から遠い側に逃げた形でガスの流量が多量に流れることもあり、このような場合にはプラズマ放電が効率的になされない虞があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、沿面放電部を備えるプラズマ照射装置において、沿面放電部側に効率的にガスを供給しながら沿面放電を行い得る技術を提供することを目的とする。
本発明の一つであるプラズマ照射装置は、
ガスを導入する導入口と、ガスを放出する放出口と、前記導入口と前記放出口との間に設けられる流路と、を有し、前記導入口側から導入されたガスを前記流路内の空間を通して前記放出口に流すガス誘導路と、
誘電体層と、前記誘電体層を介在させて互いに対向して配置される放電電極及び接地電極と、を有し、前記放電電極又は前記接地電極の一方が直接又は他部材を介して前記流路内の前記空間に面しつつ、周期的に変化する電圧が前記放電電極に印加されることに応じて前記流路内で沿面放電を発生させる沿面放電部と、
を備えるプラズマ照射装置であって、
前記流路は、少なくとも前記沿面放電部が設けられた領域において第1方向に沿ってガスを流すように配置され、
前記第1方向と直交する第2方向において、前記空間の一方側に前記沿面放電部が配置されており、
前記沿面放電部の位置で前記第1方向と直交する方向に切断した切断面での前記流路の内周面は、前記第2方向において前記空間の前記一方側に配置された第1面よりも他方側に配置された第2面のほうが狭くなっており且つ前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向において前記空間の両側にそれぞれ配置された第3面及び第4面の前記第3方向の間隔が前記第2方向の少なくとも一部領域で前記第2面側に向かって狭くなっている。
上記のプラズマ照射装置は、流路内で第1方向に沿ってガスが流れる際に、第2方向の他方側(沿面放電部とは反対側)に逃げるガスの量を抑え、一方側(沿面放電部側)を流れるガスの量を増やすことができる。よって、流路内において沿面放電部付近の内面近傍にガスが供給されやすくなり、沿面放電がより効率的に行われやすくなる。
上記のプラズマ照射装置では、導入口からの沿面放電部までの少なくとも一部範囲において、第1方向と直交する切断面での流路の内周面は、第1面よりも第2面のほうが狭くなっていてもよく、第3面及び第4面の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域で第2面側に向かって狭くなっていてもよい。
このように、導入口からの沿面放電部までの少なくとも一部範囲において第1面側よりも第2面側のほうが狭くなっていれば、導入口から入り込んだガスが沿面放電部付近に達するまでに第2方向一方側に導かれやすくなる。よって、沿面放電部付近の内面近傍にガスが一層供給されやすくなり、沿面放電がより一層効率的に行われやすくなる。
上記のプラズマ照射装置において、放出口の内縁を第1方向と直交する仮想平面に投影したときの第1の環状図形が、沿面放電部の位置で第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路の内周面を仮想平面に投影したときの第2の環状図形の内部に配置される位置関係となっていてもよい。
このように構成されていれば、沿面放電部付近で第1方向に沿って流れるガスが放出口に向かってより大きな流速で円滑に流れやすくなる。よって、沿面放電部で発生したプラズマが放出口からより一層効率的に排出されやすくなる。
上記のプラズマ照射装置は、導入口の開口の第2方向の高さよりも放出口の開口の第2方向の高さのほうが小さくてもよく、流路の少なくとも一部領域において、放出口に向かって空間の第2方向の高さが次第に小さくなる高さ縮小部を有していてもよい。
このように構成されていれば、高さ縮小部によってガスの流れを高さ方向において絞ることができ、放出口側のガスの流れをより速めることができる。よって、沿面放電部で発生したプラズマがより一層効率的に排出されやすくなる。
上記のプラズマ照射装置において、誘電体層は、第2方向において空間の一方側に配置される第1誘電体層と空間の他方側に配置される第2誘電体層とを有していてもよい。更に、第1誘電体層の一部を介在させて放電電極と接地電極とが互いに対向して配置されていてもよく、第1誘電体層の第2方向の厚さよりも第2誘電体層の第2方向の厚さのほうが小さくてもよい。
このプラズマ照射装置は、厚さが相対的に大きい第1誘電体層によって放電電極が外部へ及ぼす電気的な悪影響を抑えることができ、沿面放電への影響が比較的小さい第2誘電体層の厚さを相対的に小さくしているため、サイズの低減が図られる。よって、上記プラズマ照射装置は、外部への電気的な悪影響を抑制する効果とサイズを低減する効果を両立することができる。
本発明は、沿面放電部側に効率的にガスを供給しながら沿面放電を行うことができる。
図1は、第1実施形態のプラズマ照射装置を備える先端デバイス及び手術用装置を概略的に示す概略図である。 図2は、図1の先端デバイスにおける作用部付近の一部を拡大して概念的に示す拡大図である。 図3は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を概念的に示す斜視図である。 図4は、図3の構造体を三分割した構成を概念的に示す分解斜視図である。 図5は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を第3方向(幅方向)中心位置にて第3方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図6は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を第2方向(厚さ方向)中心位置にて第2方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図7は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を図6のA-A位置(沿面放電部の位置)にて第1方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図8は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を図6のB-B位置(導入口近傍)にて第1方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図9は、第1実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を図6のC-C位置(導入口近傍)にて第1方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図10は、放出口の内縁を第1方向と直交する仮想平面に投影したときの第1の環状図形と、沿面放電部の位置で第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路の内周面を上記仮想平面に投影したときの第2の環状図形と、を示す説明図である。 図11は、第2実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を第3方向(幅方向)中心位置にて第3方向と直交する方向に切断した切断面の断面構成を概略的に示す断面概略図である。 図12は、第2実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を三分割した構成を概念的に示す分解斜視図である。 図13は、第2実施形態のプラズマ照射装置を構成する構造体を概念的に示す斜視図である。 図14は、第1実施形態と同様のプラズマ照射装置を図1とは異なるプラズマ照射システムに適用した例を示す説明図である。
<第1実施形態>
1-1.手術用装置の概要
図1で示される手術用装置1は、施術対象の生体組織に対して切開、剥離又は止血を行い得る処置装置として構成されている。手術用装置1は、先端デバイス3と、超音波振動部12(駆動部)を制御する装置である制御装置5と、先端デバイス3内のガス誘導路30(図5)に対してガスを供給するガス供給装置7と、プラズマ照射装置20に対して電圧を印加し得る電源装置9とを備える。
制御装置5は、超音波振動部12に対して超音波振動を発生させるための電気信号を与える装置である。制御装置5は、先端デバイス3と制御装置5との間に介在する図示しない可撓性の信号ケーブルを介して超音波振動部12に電気信号を与え得る構成となっている。
ガス供給装置7は、ヘリウムガスやアルゴンガスなどの不活性ガス(以下、単にガスともいう)を供給する装置である。ガス供給装置7は、例えば、先端デバイス3とガス供給装置7との間に介在する可撓性の通気部材(図1では図示を省略)を介して後述するガス誘導路30に不活性ガスを供給する。ガス供給装置7は、例えばボンベ等から供給される高圧ガスを減圧するレギュレータと、流量制御を行う制御部とを含む。
電源装置9は、高周波電圧発生回路11に電力を供給する装置であり、昇圧トランスなどを含む回路である。高周波電圧発生回路11は、後述する放電電極42(図5)と接地電極44(図5)との間に所望の電圧を印加する装置であり、接地電極44をグラウンド電位に保ちつつ、放電電極42と接地電極44との間に所定周波数の交流電圧を印加する。高周波電圧発生回路11は、高周波数(例えば、20kHz~300kHz程度)の高電圧(例えば、振幅が0.5kV~10kVの高電圧)を生成し得る回路であれば、公知の様々な回路を採用し得る。なお、高周波電圧発生回路11が発生させる高電圧の周波数は、一定値に固定された周波数であってもよく、変動してもよい。また、高周波電圧発生回路11が接地電極44と放電電極42との間に印加する電圧は、周期的に変化する電圧であればよく、正弦波の交流電圧であってもよく、非正弦波(例えば、矩形波、三角波など)の交流電圧であってもよい。
図1では、高周波電圧発生回路11がケース体14の内部に設けられた先端デバイス3及び手術用装置1が例示されているが、高周波電圧発生回路11がケース体14の外部(例えば、先端デバイス3の外部)に設けられていてもよい。
先端デバイス3は、手術を行う術者によって把持されて使用される装置であり、主に、ケース体14、把持器具15、プラズマ照射装置20、超音波振動部12、などを備える。ケース体14、把持器具15、プラズマ照射装置20、及び超音波振動部12は、使用者に把持される把持ユニットとして一体的に構成されており、可撓性を有する部材を介して不活性ガスや電力が供給されるようになっている。
ケース体14は、円筒状に構成され所定方向に延びており、主として、基部14Bと、基部14Bと一体的に構成されるとともに所定方向に延びる円筒状の延出部14Aとを備える。基部14Bの内部には、超音波振動部12などが収容され、延出部14Aにはプラズマ照射装置20が固定又は一体化されている。
超音波振動部12は、公知の超音波振動子として構成され、上述した制御装置5によって所定の電気信号が与えられたときに駆動して超音波振動を発生させ、後述する作用部材16に対して超音波振動を伝達するように動作する。超音波振動部12は、駆動部の一例に相当し、作用部16A付近において生体組織を切開、剥離又は熱凝固止血する作用が生じるように作用部材16を駆動する。
把持部60は、先端デバイス3を使用する使用者によって把持される部分であり、公知の可動機構を採用した可動部材変位機構として構成されている。把持部60は、ケース体14の基部14Bに固定されてケース体14と一体化された固定把持部62と、固定把持部62に対して相対移動可能に取り付けられる軸状の作用部材64とによって構成されている。
把持器具15は、生体組織を挟んで把持するように使用し得る器具であり、作用部材16と作用部材64とを有する。
作用部材16は、軸状の部材であり、生体組織に作用する作用部16Aを自身の先端側に備える部材である。作用部16Aは、作用部材16の先端部付近において固定刃として機能する部位である。作用部材16は、作用部16Aと、超音波振動部12から与えられた振動を作用部16Aに伝達する軸部16Bとを有し、超音波振動部12で発生した振動が軸部16Bを介して作用部16Aに伝達されることにより作用部16Aが振動する。作用部材16は、作用部16Aが生体組織に接近又は接触している状態で作用部16Aが振動することにより生体組織に対して切開作用、剥離作用又は止血作用を生じさせるように動作する。
作用部材64は、可動部材として機能する軸状の部材であり、生体組織に作用する作用部64Aを自身の先端側(一端側)に備える部材である。作用部64Aは、可動刃として機能する部位である。作用部材64は、自身の後端側(他端側)の端部付近に可動把持部64Cを備えている。把持器具15では、軸状の作用部材64が延出部14Aの先端部付近の回動軸Zを中心として回動可能とされ、作用部16Aと作用部64Aとが接近及び離間自在に構成されている。把持器具15は、可動把持部64Cを固定把持部62側に近づけようとする操作がなされることに応じて作用部64A(可動刃)が作用部16A(固定刃)に近づくように作用部材64が回動する。逆に、可動把持部64Cを固定把持部62から離間させようとする操作がなされることに応じて作用部64Aが作用部16Aから離れるように作用部材64が回動する。
このように構成された先端デバイス3は、超音波振動を用いた生体組織の切開処置、剥離処置、止血処置を行いうる。例えば、作用部16A(固定刃)と作用部64Aとによって生体組織が挟み込まれたときに作用部16Aに超音波振動が伝達されることにより生体組織を切除することができる。また、超音波振動が伝達される作用部16Aを生体組織に接触させて摩擦熱を生じさせ、止血を行うこともできる。作用部材16に対して超音波振動を与えながら、又は与えずに、作用部16Aと作用部64Aとによって生体組織を挟持し、剥離処置を行うこともできる。このように、先端デバイス3では、超音波振動による切開、剥離又は熱凝固止血が可能となっており、更に、後述するプラズマ照射装置20からの低温プラズマの照射によって低侵襲な止血を併用することもできる。
1-2.プラズマ照射装置の基本構成
図1に示されるように、プラズマ照射装置20は先端デバイス3の一部として組み込まれ、先端デバイス3の内部で誘電体バリア放電を生じさせる装置として構成されている。なお、図1の例では、プラズマ照射装置20は、保持部18によって保持された構成でケース体14に固定されている。図2に示されるように、プラズマ照射装置20の内部で発生した低温プラズマPは、作用部材16の先端部に設けられた作用部16A付近に照射される。なお、図2では、作用部16Aと作用部64Aとが接触するときの作用部材64の位置が二点鎖線によって概念的に示されている。
図3で示されるように、プラズマ照射装置20は、所定の立体形状(例えば、板状且つ直方体状)として構成された構造体20Aを有し、構造体20Aの長手方向の端部に形成された放出口34から低温プラズマPを照射するように構成されている。
図4にて概念的に示されるように、構造体20Aは、厚さ方向中央部に誘電体層53が設けられ、誘電体層53よりも厚さ方向一方側に誘電体層54が設けられている。更に、構造体20Aは、誘電体層53よりも厚さ方向他方側に誘電体層51及び誘電体層52が設けられている。誘電体層51及び誘電体層52によって構成された誘電体領域の内部には、放電電極42及び接地電極44が埋め込まれている。図4では、構造体20Aが3分割された構成が分解斜視図として概念的に示されているが、実際の構成は、誘電体層51、誘電体層52、誘電体層53、及び誘電体層54の各々が、一体的な誘電体部50(図7)の一部として構成されている。
図5に示されるように、構造体20Aは、ガス誘導路30と、沿面放電部40とを備える。
ガス誘導路30は、ガスを導入する導入口32と、ガスを放出する放出口34と、導入口32と放出口34との間に設けられる流路36と、を有する。放出口34は、流路36の先端側において流路36を流れたガスを放出するように機能する。流路36は、先端側に配された放出口34に向かってガスを流すように機能し、少なくとも沿面放電部40が設けられた領域において第1方向に沿ってガスを流すように配置される。ガス誘導路30は、先端デバイス3の外部に設けられたガス供給装置7(図1)から管路7Aを介して供給される不活性ガスを導入口32から導入し、導入口32側から導入されたガスを流路36内の空間を通して放出口34に誘導する誘導路となっている。なお、図5では、導入口32に向けてガスを供給するための管路7Aが二点鎖線によって概念的に示されている。ガス誘導路30は、放出口34から作用部16A(図2)側にガスを放出する流路構成となっており、ガスと共に低温プラズマP(図2)を放出口34から作用部16A側に放出するように機能する。
図5で示されるように、本明細書では、プラズマ照射装置20においてガス誘導路30が延びる方向が第1方向であり、第1方向と直交する方向のうち誘電体部50の厚さ方向が第2方向であり、第1方向及び第2方向と直交する方向が第3方向(図7)である。図5の構成では、誘電体部50と放電電極42と接地電極44とが一体的に設けられた構造体20Aの長手方向が第1方向である。そして、構造体20Aを第1方向と直交する平面方向に切断した切断面(図7)での構造体20Aの短手方向が第2方向であり、この切断面の長手方向が第3方向(図7)である。第3方向(図7)は構造体20Aの幅方向であり、第2方向は構造体20Aの高さ方向又は厚さ方向である。なお、以下の説明では、第1方向において放出口34側が構造体20Aの先端側であり、第1方向において導入口32側が構造体20Aの後端側である。
図5で示されるように、構造体20Aは、所定方向(第1方向)に沿ってガスを流すようにガス誘導路30が構成され、この所定方向(第1方向)と直交する第2方向を積層方向とする構成で放電電極42と接地電極44と誘電体部50とが積層された構成をなす。
沿面放電部40は、誘電体層51と、誘電体層51を介在させて互いに対向して配置される放電電極42及び接地電極44と、を有する。沿面放電部40は、放電電極42と接地電極44との電位差に基づく電界をガス誘導路30内で発生させて沿面放電による低温プラズマ放電を発生させるように機能する。具体的には、沿面放電部40は、接地電極44の電位を一定の基準電位(例えば、0Vのグラウンド電位)に保ちつつ、周期的に変化する電圧が放電電極42に印加されることに応じて流路36内で沿面放電を発生させ、低温プラズマを生じさせる。
沿面放電部40は、放電電極42又は接地電極44の一方が直接又は他部材を介して流路36の空間に面しつつ、周期的に変化する電圧が放電電極42に印加されることに応じて流路36内で沿面放電を発生させるものである。なお、「放電電極42又は接地電極44の一方が直接流路36に面する構成」とは、放電電極42又は接地電極44の一方が流路36内の空間に露出し当該一方が流路の内壁の一部をなすような構成が該当する。また、「放電電極42又は接地電極44の一方が他部材を介して流路36に面する構成」とは、放電電極42又は接地電極44のうちの一方が流路36に近い位置に配置されるとともに当該一方の一部又は全部が他部材によって覆われる構成が該当する。このように他部材を介する構成では、当該他部材が流路の内壁の一部をなし、上記の「一方」の主面が流路36に向いて配置される。なお、図5で示される構成は、放電電極42が上記の「一方」に該当し、「放電電極42が他部材を介して流路36に面する構成」であるが、図5では、他部材の一例に相当する誘電体層52が省略された形で示されている(図6、図7参照)。
1-3.ガス誘導路及び沿面放電部の具体的構成
図6で示されるように、ガス誘導路30を構成する流路36は、第2方向(図5)両側及び第3方向両側が囲まれた空間が第1方向に続くように構成されている。流路36は、第1方向に沿って延びる第1流路36Aと、第1流路36Aの下流側に設けられる第2流路36Bと、第1流路36Aの上流側に設けられる第3流路36Cとを備える。第1流路36Aは、構造体20Aにおいて第1方向の第1領域AR1に設けられている。第2流路36Bは、構造体20Aにおいて第1方向の第2領域AR2に設けられ、縮幅流路37Aと一定流路37Bとを備える。第3流路36Cは、構造体20Aにおいて第1方向の第3領域AR3に設けられ、拡幅流路38Aと一定流路38Bとを備える。図6では、第1方向において第1流路36Aが設けられる範囲が第1領域AR1として表され、第1方向において第2流路36Bが設けられる範囲が第2領域AR2として表され、第1方向において第3流路36Cが設けられる範囲が第3領域AR3として表されている。
図6で示される第1流路36Aは、第1方向における第1領域AR1のいずれの位置でも、第1方向と直交する切断面における自身の内壁面の形状がほぼ一定形状(図7)とされている。つまり、なお、第1流路36Aの内壁面の詳細については後述する。
図6のように、第2流路36Bは、第1流路36Aと放出口34との間において第1流路36Aよりも狭い幅で構成されている。第2流路36Bにおいて縮幅流路37Aは、第1方向において第2領域AR2の一部領域AR21にわたって設けられている。そして、縮幅流路37Aは、放出口34に近づくにつれて内壁面の幅が次第に狭くなっており、第1方向と直交する切断面における自身の内壁面の大きさが放出口34に近づくにつれて次第に小さくなっている。縮幅流路37Aの高さは、領域AR21の全範囲にわたって一定である。一定流路37Bは、第1方向において第2領域AR2の一部領域AR22にわたって設けられ、第1方向における一部領域AR22のいずれの位置でも、第1方向と直交する切断面における自身の内壁面の形状がほぼ一定形状(図9)とされている。なお、一定流路37Bの内壁面の詳細については後述する。
図6のように、第3流路36Cは、導入口32と第1流路36Aとの間において第1流路36Aよりも狭い幅で構成されている。第3流路36Cにおいて拡幅流路38Aは、第1方向において第3領域AR3の一部領域AR31にわたって設けられ、第1流路36Aに近づくにつれて内壁面の幅が次第に大きくなっており、第1方向と直交する切断面における自身の内壁面の大きさが第1流路36Aに近づくにつれて次第に大きくなっている。拡幅流路38Aの高さは、領域AR31の全範囲にわたって一定である。一定流路38Bは、第1方向において第3領域AR3の一部領域AR32にわたって設けられ、第1方向における一部領域AR32のいずれの位置でも、第1方向と直交する切断面における自身の内壁面の形状がほぼ一定形状(図8)とされている。なお、一定流路38Bの内壁面の詳細については後述する。
このように構成された流路36に対して、接地電極44は、流路36に沿うように第1方向に直線状に延びており、第1方向の所定領域に配置されている。接地電極44は、自身の先端側の一部が放電電極42よりも放出口34側に配置されている。接地電極44の一部は、第1方向において第2流路36Bの配置領域AR2に位置しており、図6の例では、接地電極44の先端が縮幅流路37Aの先端(後述する一定流路37Bの後端)よりも先端側に位置し、第1方向において一定流路37Bの配置領域AR22に位置している。接地電極44の後端は、第1流路36Aの先端よりも後端側に位置し、放電電極42の先端よりも後端側且つ放電電極42の後端よりも先端側に位置している。接地電極44は、第3方向において第1流路36Aの配置領域AR1内に自身の少なくとも一部(図6では自身の全部)が位置する。より具体的には、接地電極44は、第3方向において一定流路37Bの配置領域AR4内に自身の少なくとも一部(図6では自身の一部)が位置し、第3方向において放出口34の形成領域内に自身の少なくとも一部(図6では自身の一部)が位置する。
図6のように、放電電極42は、直線状に構成された複数本(具体的には、3本)の直線状電極部42Aを備え、これら直線状電極部42Aが流路36に沿うように第1方向に直線状に延びており、各々の直線状電極部42Aがライン状の電極として機能する。各々の直線状電極部42Aは、一定の幅且つ一定の厚さの導体によって構成され、第1方向の所定領域に配置されている。複数本の直線状電極部42Aは後端部で連結され、互いに電気的に接続され、互いに同電位とされる。放電電極42は、第1方向において第1流路36Aの配置領域(第1領域AR1)及び第3流路36Cの配置領域(第3領域AR3)に跨るように位置する。即ち、放電電極42の先端は、第1流路36Aの先端よりも後端側に位置し、放電電極42の後端は第1流路36Aの後端よりも後端側(具体的には、第3流路36Cの先端と後端との間)に位置する。更に、各々の直線状電極部42Aの幅(第3方向の長さ)は、接地電極44の幅(第3方向の長さ)よりも小さくなっている。放電電極42の全体は、第3方向において接地電極44の配置領域AR5内に収まっている。
図7で示されるように、誘電体部50は、誘電体層51、誘電体層52、誘電体層53、誘電体層54を備え、全体として中空状に構成されている。
誘電体層51は、流路36の空間よりも第2方向(厚さ方向)一方側に配置されるとともに接地電極44が埋め込まれるように構成される。誘電体層52は、セラミック材料によって放電電極42を覆うように構成されたセラミック保護層であり、誘電体層51よりも流路空間側において放電電極42を覆うように配置される。誘電体層51及び誘電体層52は、流路36における第2方向一方側の内壁部を構成する。図7の例では、放電電極42及び接地電極44が誘電体層51を介して互いに対向している。放電電極42は、誘電体層52を介して流路36に面しており、誘電体部50内において第2方向の第1位置に第1の厚さで配置されている。接地電極44は、誘電体部50内において第2方向の第2位置に第2の厚さで配置されており、放電電極42に対して流路36とは反対側に設けられるとともに放電電極42よりも流路36から離れている。このような構成により、流路36内の空間の第2方向一方側に沿面放電部40が配置されている。
誘電体層54は、流路36の空間よりも第2方向(厚さ方向)他方側に配置され、流路36における第2方向他方側の内壁部を構成する。誘電体層53は、第2方向において誘電体層51と誘電体層54との間に配置され、流路36における第3方向一方側の側壁部及び第3方向他方側の側壁部を構成する。このように、流路36は、誘電体層51、誘電体層52、誘電体層53、及び誘電体層54により画成されている。
誘電体層51、誘電体層52、誘電体層53、及び誘電体層54の材料は、例えばアルミナなどのセラミック、ガラス材料や樹脂材料を好適に用いることができる。なお、機械的強度が高いアルミナを誘電体として用いることで、沿面放電部40の小型化を図りやすくなる。
1-4.流路の詳細構成
図7のように、構造体20Aにおける沿面放電部40の位置における第1方向(図6)と直交する方向の切断面での流路36の内周面110は、流路36の空間102の第2方向一方側に配置された第1面111よりも第2方向他方側に配置された第2面112のほうが狭い。第2方向一方側は、第2方向において空間102を基準とする沿面放電部40側であり、第2方向他方側は、第2方向において空間102を基準とする沿面放電部40とは反対側である。そして、上記切断面での内周面110は、第3方向において流路36の空間102の両側にそれぞれ配置された第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域で第2面112側に向かって狭くなっている。図7の例では、上記切断面において、構造体20Aの内周面110の形状が台形状となるように構成されるとともに構造体20Aの外周面120の形状も台形状となるように構成されている。また、図7の例では、上記切断面における第3面113と第4面114との第3方向の間隔は、内周面110における第2方向の全領域で第2面112側に向かって狭くなっている。
具体的には、上述の第1方向(図6)における放電電極42及び接地電極44が配置される重なり領域AR11(図6)のいずれの位置でも、第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路36の内周面110は、図7のような台形状の形状となっている。そして、上記重なり領域AR11(図6)のいずれの位置でも上記切断面(第1方向と直交する方向の切断面)での上記内周面110は、第1面111よりも第2面112のほうが狭い。即ち、重なり領域AR11(図6)における上記切断面では、第1面111の第3方向の幅Za1よりも第2面112の第3方向の幅Za2ほうが小さい。第2面112の第3方向の幅Za2は、第3面113の第2方向の大きさ(図7の例では高さYa2)よりも大きく、第4面114の第2方向の大きさ(図7の例では高さYa2)よりも大きい。更に、重なり領域AR11(図6)のいずれの位置でも、上記切断面における上記内周面110は、第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域で第2面112側に向かって狭くなっている。具体的には、重なり領域AR11(図6)のいずれの位置でも、第3面113及び第4面114が設けられた領域の全領域で、第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2面112側に向かって狭くなっている。
更に、重なり領域AR11(図6)のいずれの位置でも、図7のように、第1方向と直交する方向の切断面での構造体20Aの外周面120は、空間102の第2方向一方側に配置された第1外面121よりも第2方向他方側に配置された第2外面122のほうが狭い。また、上記切断面での外周面120は、空間102の第3方向両側に配置された第3外面123及び第4外面124の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(図7では、構造体20Aの第2方向全領域)で第2外面122側に向かって狭くなっている。このようにして、第2外面122側の小型化、軽量化が図られている。
更に、図7のように、少なくとも重なり領域AR11(図6)において、構造体20Aの誘電体部50(誘電体層)は、空間102に対して第2方向一方側に配置される第1誘電体層(誘電体層51、誘電体層52)と空間102に対して第2方向他方側に配置される第2誘電体層(誘電体層54)とを有する。そして、第1誘電体層(具体的には、誘電体層51の一部)を介在させて放電電極42と接地電極44とが互いに対向して配置されている。このような構成において、第1誘電体層(誘電体層51及び誘電体層52)の第2方向の厚さTa1よりも第2誘電体層(誘電体層54)の第2方向の厚さTa2のほうが小さくなっている。なお、厚さTa1は、第1誘電体層(誘電体層51及び誘電体層52)のうちの空間102に面する部分(第1面111が設けられた部分)において第2方向の厚さが最も小さい位置での厚さである。また、厚さTa2は、第2誘電体層(誘電体層54)のうちの空間102に面する部分(第2面112が設けられた部分)において厚さが最も小さい位置での厚さである。
図8には、一定流路38B(図6)における導入口32(図6)近傍で第1方向と直交する方向に切断した切断面が示されている。図8で示されるように、導入口32(図6)からの沿面放電部40(図6)までの少なくとも一部範囲においても、第1方向(図6)と直交する切断面での流路36の内周面110は第1面111よりも第2面112のほうが狭い。具体的には、一定流路38B(図6)のいずれの位置でも上記切断面(第1方向と直交する方向の切断面)での流路36の内周面110は、図8のような台形状の形状であり、第1面111よりも第2面112のほうが狭い。即ち、この切断面でも、第1面111の第3方向の幅Zb1よりも第2面112の第3方向の幅Zb2ほうが小さい。第2面112の第3方向の幅Zb2は、図8の切断面における第3面113の第2方向の大きさ(図8の例では高さYb2)よりも大きく、第4面114の第2方向の大きさ(図8の例では高さYb2)よりも大きい。更に、一定流路38B(図6)のいずれの位置の上記切断面でも、内周面110は、第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(具体的には、第3面113及び第4面114が設けられた領域の全領域)で第2面112側に向かって狭くなっている。
更に、一定流路38B(図6)のいずれの位置の上記切断面(第1方向と直交する方向の切断面)でも、構造体20Aの外周面120は、空間102の第2方向一方側に配置された第1外面121よりも第2方向他方側に配置された第2外面122のほうが狭い。更に、上記切断面での外周面120は、空間102の第3方向両側に配置された第3外面123及び第4外面124の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(図8では、構造体20Aの第2方向全領域)で第2外面122側に向かって狭くなっている。このようにして、第2外面122側の小型化、軽量化が図られている。
図9には、一定流路37B(図6)における放出口34(図6)近傍で第1方向と直交する方向に切断した切断面が示されている。図9で示されるように、放出口34(図6)からの沿面放電部40(図6)までの少なくとも一部範囲においても、第1方向(図6)と直交する切断面での流路36の内周面110は第1面111よりも第2面112のほうが狭い。具体的には、一定流路37B(図6)のいずれの位置でも上記切断面(第1方向と直交する方向の切断面)での流路36の内周面110は、図9のような台形状の形状であり、第1面111よりも第2面112のほうが狭い。即ち、この切断面でも、第1面111の第3方向の幅Zc1よりも第2面112の第3方向の幅Zc2ほうが小さい。第2面112の第3方向の幅Zc2は、図9の切断面における第3面113の第2方向の大きさ(図9の例では高さYc2)よりも大きく、第4面114の第2方向の大きさ(図9の例では高さYc2)よりも大きい。更に、一定流路37B(図6)のいずれの位置の上記切断面でも、内周面110は、第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(具体的には、第3面113及び第4面114が設けられた領域の全領域)で第2面112側に向かって狭くなっている。
更に、一定流路37B(図6)のいずれの位置の上記切断面(第1方向と直交する方向の切断面)でも、構造体20Aの外周面120は、空間102の第2方向一方側に配置された第1外面121よりも第2方向他方側に配置された第2外面122のほうが狭い。更に、上記切断面での外周面120は、空間102の第3方向両側に配置された第3外面123及び第4外面124の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(図8では、構造体20Aの第2方向全領域)で第2外面122側に向かって狭くなっている。このようにして、第2外面122側の小型化、軽量化が図られている。
図10には、放出口34(図6)の内縁(図9で示す内周面110)を第1方向(図6)と直交する仮想平面に投影したときの第1の環状図形が二点鎖線で示されるとともに符号34Zが付されて示されている。更に、沿面放電部40の位置で第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路36の内周面110を上記仮想平面に投影したときの第2の環状図形が太線の実線で示されるとともに符号40Zが付されて示されている。プラズマ照射装置20では、図10のように仮想平面に投影したときに、第1の環状図形34Zの過半領域(望ましくは全領域)が第2の環状図形40Zの内部に配置される位置関係となり、第1の環状図形34Zの内側の面積は、第2の環状図形40Zの内側の面積よりも小さくなる。図10の例では、第1の環状図形34Zにおける所定方向(長手方向)両側の端部(傾斜部)134C,134Dがいずれも、当該所定方向において第2の環状図形40Zにおける上記所定方向(長手方向)両側の端部(傾斜部)140C,140Dの間に配置されている。そして、第1の環状図形34Zにおける上記所定方向と直交する直交方向(短手方向)両側の端部134A,134Bがいずれも、当該直交方向において第2の環状図形40Zの上記直交方向(短手方向)両側の端部140A,140Bの間に配置されている。
1-5.本構成の効果の例示
本構成のプラズマ照射装置20は、流路36内で第1方向に沿ってガスが流れる際に、第2方向他方側(沿面放電部40とは反対側)に逃げるガスの流量を抑え、第2方向一方側(沿面放電部40側)を流れるガスの流量を増やすことができる。よって、流路36内において沿面放電部40付近の内面近傍にガスが供給されやすくなり、沿面放電がより効率的に行われやすくなる。
プラズマ照射装置20では、導入口32からの沿面放電部49までの少なくとも一部範囲(例えば、全範囲)において、第1方向と直交する切断面での流路36の内周面110は、第1面111よりも第2面112のほうが狭くなっている。そして、第3面113及び第4面114の第3方向の間隔が第2方向の少なくとも一部領域(例えば、第3面113及び第4面114が設けられた領域の全領域)で第2面112側に向かって狭くなっている。このように、導入口32からの沿面放電部40までの少なくとも一部範囲において第1面111側よりも第2面112側のほうが狭くなっていれば、導入口32から入り込んだガスが沿面放電部40付近に達するまでに第2方向一方側に導かれやすくなる。よって、沿面放電部40付近の内面近傍にガスが一層供給されやすくなり、沿面放電がより一層効率的に行われやすくなる。
更に、プラズマ照射装置20では、放出口34の内縁を第1方向と直交する仮想平面に投影したときの第1の環状図形34Zが、沿面放電部40の位置で第1方向と直交する方向に切断した切断面での流路36の内周面110を上記仮想平面に投影したときの第2の環状図形40Zの内部に配置される位置関係となっている。このように構成されていれば、沿面放電部40付近で第1方向に沿って流れるガスが放出口34に向かってより大きな流速で円滑に流れやすくなる。よって、沿面放電部40で発生したプラズマが放出口34からより一層効率的に排出されやすくなる。
更に、誘電体部50(誘電体層)は、第2方向において流路36の空間102の一方側に配置される第1誘電体層(誘電体層51,52)と流路36の空間102の他方側に配置される第2誘電体層(誘電体層54)とを有する。更に、第1誘電体層の一部を介在させて放電電極42と接地電極44とが互いに対向して配置され、第1誘電体層の第2方向の厚さTa1よりも第2誘電体層の第2方向の厚さTa2のほうが小さくなっている。このプラズマ照射装置20は、厚さが相対的に大きい第1誘電体層によって放電電極42が外部へ及ぼす電気的な悪影響を抑えることができ、沿面放電への影響が比較的小さい第2誘電体層の厚さを相対的に小さくしているため、サイズの低減が図られる。よって、プラズマ照射装置20は、外部への電気的な悪影響を抑制する効果とサイズを低減する効果を両立することができる。
<第2実施形態>
次に、図11等を参照して第2実施形態のプラズマ照射装置220について説明する。
第2実施形態のプラズマ照射装置220は、誘電体部50(誘電体層)の形状を若干変更して流路36の形状を若干変更した点のみが第1実施形態のプラズマ照射装置20と異なり、その他の点は第1実施形態のプラズマ照射装置20と同一である。よって、以下の説明では、誘電体部50及び流路36に関連する構成について詳述し、その他の点については、プラズマ照射装置20の各部分と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図11等で示される第2実施形態のプラズマ照射装置220は、図1で示す手術用装置1及び先端デバイス3においてプラズマ照射装置20に代えて設けることができ、このようにすれば、プラズマ照射装置220を備えた先端デバイス及び手術用装置を構成し得る。以下では、図1の先端デバイス3及び手術用装置1においてプラズマ照射装置20に代えてプラズマ照射装置220が適用された場合を前提として説明する。
図11のように、プラズマ照射装置220は、導入口32の開口の第2方向の高さYd2よりも放出口34の開口の第2方向の高さYe2のほうが小さくなっている。そして、流路36の少なくとも一部領域(図11では、流路36の第1方向全領域)において、放出口34に向かって空間102の第2方向の高さが次第に小さくなる高さ縮小部236を有する。なお、図11の例では、流路36の全体が高さ縮小部236として構成されているが、流路36の一部のみが高さ縮小部として構成されていてもよい。この例では、図12のように、第3誘電体層53の厚さ(第2方向の長さ)が、第1方向先端側(図11で示す放出口34側)に近づくにつれて次第に小さくなっている。なお、図12の構成は、図4の構成から第3誘電体層53の厚さのみが変更されたものである。そして、図13のように、構造体20Aの厚さ(第2方向の長さ)も、第1方向先端側(放出口34側)に近づくにつれて次第に小さくなっており、構造体20Aの後端部(第1方向における導入口32側の端部)の厚さYd1(図11)よりも先端部(第1方向における放出口34側の端部)の厚さYe1(図11)のほうが小さくなっている。
第2実施形態のプラズマ照射装置220は、導入口32の開口の第2方向の高さYd2よりも放出口34の開口の第2方向の高さYe2のほうが小さい。そして、流路36の少なくとも一部領域において、放出口34に向かって空間102の第2方向の高さが次第に小さくなる高さ縮小部236を有する。このように構成されていれば、高さ縮小部236によってガスの流れを高さ方向において絞ることができ、放出口34側のガスの流れをより速めることができる。よって、沿面放電部40で発生したプラズマがより一層効率的に排出されやすくなる。
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
上述した実施形態では、超音波振動を行い得る先端デバイスにプラズマ照射装置が組み込まれた構成を例示したが、他の電気的機能を有する先端デバイスに上述したいずれかの構成のプラズマ照射装置が組み込まれた構成であってもよい。例えば、図1で開示されるデバイス3とは異なる構造、機能を有する電気メスに上述したいずれかの構成のプラズマ照射装置が組み込まれていてもよい。或いは、電気的な機能を有さない既知の手術用器具(例えば、鉗子等)として構成される先端デバイスに上述したいずれかの構成のプラズマ照射装置が組み込まれた構成であってもよい。
上述した実施形態では、プラズマ照射装置が組み込まれた先端デバイスの一例を示したが、プラズマ照射装置は上記実施形態とは異なる先端デバイスに組み込まれていてもよく、先端デバイスに組み込まれていなくてもよい。
例えば、図1で示す構成から一部を省略し、図14で示すように、プラズマ照射装置20と制御装置5とガス供給装置7と電源装置9とを備えた構成でプラズマ照射システム301を構築してもよい。このプラズマ照射システム301は、手術用のシステムとして用いてもよく、手術以外の用途で用いてもよい。図14の例では、第1実施形態と同様のプラズマ照射装置20とケース体314とを備えるとともにプラズマ照射装置20がケース体314に組み込まれた構成で先端デバイス303が構成されている。この先端デバイス303は、ケース体314、プラズマ照射装置20、高周波電圧発生回路11、その他の部品が一体化した形で把持ユニット(ユーザによって把持される手持ち部)が構成されている。この場合、制御装置5には、超音波振動部12の制御に代えて他の制御を行う機能をもたせればよい。
第2実施形態では、流路36において、放出口34に向かって空間102の第2方向の高さが次第に小さくなる高さ縮小部236が設けられていたが、流路の少なくとも一部領域(例えば第1方向全領域)において放出口に向かって流路空間の第2方向の高さが次第に大きくなる高さ拡大部が設けられていてもよい。
上記実施形態では、接地電極44の先端部が放電電極42の先端部よりも先端側(第1方向において放出口34側)に設けられた例が示された。しかし、いずれの実施形態のいずれの例でも、接地電極44の先端部が放電電極42の先端部よりも後端側(第1方向において導入口32側)に設けられていてもよい。或いは、いずれの実施形態のいずれの例でも、接地電極44の先端部と放電電極42の先端部とが第1方向において同一であってもよい。
上記実施形態では、接地電極44の後端部が放電電極42の後端部よりも先端側(第1方向において放出口34側)に設けられた例が示された。しかし、いずれの実施形態のいずれの例でも、接地電極44の後端部が放電電極42の後端部よりも後端側(第1方向において導入口32側)に設けられていてもよい。或いは、いずれの実施形態のいずれの例でも、接地電極44の後端部と放電電極42の後端部とが第1方向において同一であってもよい。
明細書において、「生体組織に作用する」とは、作用部材が生体組織に影響を及ぼし、切開と剥離と止血との少なくとも1つを為すことを意味する。上述した実施形態で例示された作用部材はあくまで一例であり、作用部材が生体組織に影響を及ぼし、切開、剥離、止血の少なくとも1つを行い得るようになっていれば、上述した実施形態以外の様々な構成を採用することができる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
20,220…プラズマ照射装置
30…ガス誘導路
34…放出口
36…流路
40…沿面放電部
42…放電電極
44…接地電極
50…誘電体部(誘電体層)
51,52…誘電体層(第1誘電体層)
54…誘電体層(第2誘電体層)
102…空間
110…内周面
111…第1面
112…第2面
113…第3面
114…第4面
236…高さ縮小部

Claims (5)

  1. ガスを導入する導入口と、ガスを放出する放出口と、前記導入口と前記放出口との間に設けられる流路と、を有し、前記導入口側から導入されたガスを前記流路内の空間を通して前記放出口に流すガス誘導路と、
    誘電体層と、前記誘電体層を介在させて互いに対向して配置される放電電極及び接地電極と、を有し、前記放電電極又は前記接地電極の一方が直接又は他部材を介して前記流路内の前記空間に面しつつ、周期的に変化する電圧が前記放電電極に印加されることに応じて前記流路内で沿面放電を発生させる沿面放電部と、
    を備えるプラズマ照射装置であって、
    前記流路は、少なくとも前記沿面放電部が設けられた領域において第1方向に沿ってガスを流すように配置され、
    前記第1方向と直交する第2方向において、前記空間の一方側に前記沿面放電部が配置されており、
    前記沿面放電部の位置で前記第1方向と直交する方向に切断した切断面での前記流路の内周面は、前記第2方向において前記空間の前記一方側に配置された第1面よりも他方側に配置された第2面のほうが狭くなっており且つ前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向において前記空間の両側にそれぞれ配置された第3面及び第4面の前記第3方向の間隔が前記第2方向の少なくとも一部領域で前記第2面側に向かって狭くなっている
    プラズマ照射装置。
  2. 前記導入口からの前記沿面放電部までの少なくとも一部範囲において、前記第1方向と直交する切断面での前記流路の内周面は、前記第1面よりも前記第2面のほうが狭くなっており且つ前記第3面及び前記第4面の前記第3方向の間隔が前記第2方向の少なくとも一部領域で前記第2面側に向かって狭くなっている
    請求項1に記載のプラズマ照射装置。
  3. 前記放出口の内縁を前記第1方向と直交する仮想平面に投影したときの第1の環状図形が、前記沿面放電部の位置で前記第1方向と直交する方向に切断した切断面での前記流路の内周面を前記仮想平面に投影したときの第2の環状図形の内部に配置される位置関係となっている
    請求項1又は請求項2に記載のプラズマ照射装置。
  4. 前記導入口の開口の前記第2方向の高さよりも前記放出口の開口の前記第2方向の高さのほうが小さく、
    前記流路の少なくとも一部領域において、前記放出口に向かって前記空間の前記第2方向の高さが次第に小さくなる高さ縮小部を有する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプラズマ照射装置。
  5. 前記誘電体層は、前記第2方向において前記空間の前記一方側に配置される第1誘電体層と前記空間の前記他方側に配置される第2誘電体層とを有し、
    前記第1誘電体層の一部を介在させて前記放電電極と前記接地電極とが互いに対向して配置されており、
    前記第1誘電体層の前記第2方向の厚さよりも前記第2誘電体層の前記第2方向の厚さのほうが小さい
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプラズマ照射装置。
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