JP2002093768A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2002093768A JP2001143712A JP2001143712A JP2002093768A JP 2002093768 A JP2002093768 A JP 2002093768A JP 2001143712 A JP2001143712 A JP 2001143712A JP 2001143712 A JP2001143712 A JP 2001143712A JP 2002093768 A JP2002093768 A JP 2002093768A
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Yoshiyuki Nakazono
佳幸 中園
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典幸 田口
Akio Nakano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物表面に高処理速度で均一にプラズマ
処理を施すことが可能なプラズマ処理装置およびプラズ
マ処理方法を提供する。 【解決手段】 プラズマ処理装置は、横長断面を有する
筒状容器と、一対の電極と、ストリーマ生成ガスを筒状
容器内に供給するガス供給手段と、筒状容器内に大気圧
もしくはその近傍の圧力下で複数のストリーマを生成す
るために電極間に交流電圧又はパルス電圧を印加する電
源と、筒状容器の横長断面の横方向において複数のスト
リーマを均一化するプラズマ均一化手段とを具備する。
得られた均一なプラズマは筒状容器の一端から噴射さ
れ、被処理物の表面を高処理速度で均一に表面処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品や半導体
部品の表面洗浄や表面改質、具体的には、BGA(Ball
Grid Array)、CSP(Chip Size Package)のボンデ
ィング部の洗浄によるボンディング強度の改善や封止材
との密着性改善、液晶パネルの洗浄、液晶パネルとAG
F(Anisotropic Conductive Film)との接合性改善、フ
ィルム状基板の印刷性、接着性改善、レジストアッシン
グ、金属電極の酸化被膜の還元除去によるボンディング
性改善等の多方面に応用できるプラズマ処理装置および
プラズマ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被処理物に表面処理を施すために
大気圧プラズマが利用されている。例えば、大気圧下で
生成したプラズマジェットを用いた被処理物の表面処理
については、特開平3−219082号公報、特開平4
−212253号公報、特開平4−334543号公報
および特開平6−108257号公報等に開示されてい
る。これらの表面処理によれば、被処理物上の所定領域
のみを正確にプラズマジェットで処理することができ
る。
【0003】さらに、幅広のプラズマジェットで大表面
積被処理物を効率よく処理する方法が、特開平4−35
8076号公報や特開平9−232293号公報に記載
されている。特開平4−358076号公報は、電極
を、誘電体を挟むように対向させて配置し、電極間に高
周波電力を印加することにより大気圧下で希ガスの安定
なグロー放電を生成し、得られたライン状のプラズマジ
ェットを被処理物上に噴射するものである。一方、特開
平9−232293号公報は、ガス流路の上流と下流
に、扁平な筒状の放電管の外周面に沿うように一対の電
極を配置し、放電管の一端からライン状プラズマジェッ
トを噴射するものである。
【0004】しかし、BGA(Ball Grid Array)やフ
ィルムなどの相対的に大きな処理面積を有する被処理物
にプラズマジェットをスポット照射する場合は、被処理
物の処理面全体にわたってプラズマジェットをスキャン
させる必要があり、プラズマ処理の効率が低下するとい
う問題がある。また、安定なグロー放電でなる線状のプ
ラズマジェットを表面処理に用いる場合は、処理効率を
ある程度改善することが可能であるが、グロー放電プラ
ズマの電流密度が相対的に低く、プラズマ中のラジカル
やイオンなどの活性種密度が低くなるため、大表面積被
処理物を処理するには依然として処理速度が十分とは言
えないものであった。
【0005】ところで、グロー放電とは、比較的電流密
度が低く、発光輝度が低い時間的、空間的に均一な放電
とされている。グロー放電とは異なる放電状態として、
比較的電流密度が高く、グロー放電に比べて発光輝度の
高いフィラメント状の不安定な放電であるストリーマ
(放電)がある。ストリーマの高い電流密度は活性種密度
の高い放電を提供するため、処理速度を大幅に速くでき
る可能性を秘めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ストリ
ーマの不均一な放電状態は処理効果のバラツキを招きや
すい。すなわち、放電空間におけるストリーマ発生箇所
の下流側の処理速度はストリーマの未発生箇所の下流側
での処理速度よりも著しく早くなる。この処理速度の差
によって生じる処理効果のばらつきが、ストリーマの表
面処理技術への実用的な利用を妨げる主たる原因となっ
ていた。
【0007】また、プラズマ生成容器内で生成されたプ
ラズマ放電中の活性種は、大気中に放出されると、大気
中の窒素や酸素と再結合を起こし、大部分が失活してし
まう。この時、活性種が被処理物表面に到達するまでの
時間が長いほど、更には、プラズマジェットと大気との
接触面積が大きいほど、活性種は失活しやすく、プラズ
マジェットによる被処理物の処理効果が損なわれやす
い。従って、プラズマジェットが横長断面を有する形状
で提供される場合、その横方向における端部はその中央
より大気との接触面積が大きいため、処理効果が低下し
やすい。さらに、被処理物表面に凹凸があるものをプラ
ズマ処理する場合、前記した横方向における処理効果の
差に加え、凹部と凸部の処理表面へのプラズマジェット
の到達時間の差による処理効果のばらつきが生じるた
め、処理表面内における処理ムラがさらに生じやすくな
る。このような処理ムラが発生すると、接合信頼性が低
下するなど被処理物の性能低下の原因となる。このよう
に、被処理物表面におけるプラズマ処理効果の均一性を
改善することがまた望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記事実に鑑みて、本発
明は、放電空間内におけるストリーマの分布均一性の向
上を図り、高い処理速度で被処理物を均一に表面処理す
るという目的を装置とプロセスの両側面において達成
し、ストリーマを使用したプラズマ表面処理の実用化に
成功したものである。したがって、本発明の第1の目的
は、上記目的を実現可能なプラズマ処理装置を提供する
ことにある。
【0009】すなわち、そのプラズマ処理装置は、横長
断面を有し、一端にガス導入口および他端にプラズマ放
出口を有する電気絶縁材料製の筒状容器;一対の電極、
前記一対の電極は交流電圧及びパルス電圧のいずれかを
電極間に印加する時、筒状容器の略軸方向に電気力線が
形成されるように筒状容器のまわりに配置される;前記
ガス導入口を介してストリーマ生成ガスを前記筒状容器
内に供給するガス供給手段;前記筒状容器内に前記ガス
の複数のストリーマを生成するために前記電極間に交流
電圧及びパルス電圧を印加するための電源;前記筒状容
器の横長断面の横方向において前記複数のストリーマを
均一化するプラズマ均一化手段を含むことを特徴とする
ものである。
【0010】本発明においては、上記プラズマ均一化手
段として、(1)ガス導入口の開口面積をガス導入口直
下における筒状容器の断面積よりも小さくなるように形
成した筒状容器を用いること、(2)上記横長断面が1
〜5mmの内部幅寸法を有するように形成した筒状容器
を用いること、(3)筒状容器内にストリーマ生成ガス
の乱流を形成可能な形状を有する乱流生成部材を配置す
ること、のいずれかを採用することが好ましい。
【0011】本発明の第2の目的は、上記目的を達成可
能なプラズマ処理方法を提供することである。
【0012】すなわち、本発明のプラズマ処理方法は、
一端にガス導入口および他端にプラズマ放出口を有し、
横長断面を有する電気絶縁材料製の筒状容器にストリー
マ生成ガスを供給するステップと、前記筒状容器の略軸
方向に電気力線が形成されるように配置された一対の電
極間に、交流電圧及びパルス電圧のいずれかを印加して
大気圧もしくはその近傍の圧力下で前記筒状容器内に複
数のストリーマを生成するステップと、前記筒状容器の
横長断面の横方向において前記複数のストリーマを筒状
容器内に均一に分散させるステップと、前記筒状容器の
プラズマ放出口から提供されるプラズマで被処理物を処
理するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0013】本発明においては、上記複数のストリーマ
を均一化するステップは、筒状容器内のストリーマ生成
ガスの流れが非放電時において1700もしくはそれ以
上のレイノルズ数を有するようにストリーマ生成ガスを
筒状容器に供給すること、もしくはより具体的にストリ
ーマ生成用ガスの筒状容器の軸方向におけるガス流速が
5m/秒もしくはそれ以上となるようにストリーマ生成
ガスを筒状容器に供給することにより実施することが好
ましい。
【0014】本発明のさらなる目的は、被処理物表面上
におけるプラズマ処理効果の均一性の向上を図るため、
プラズマジェットの被処理面への到達時間を制御するこ
とによって被処理物の処理表面全域に亘って均一なプラ
ズマ処理を行うための処理効果均一手段を具備するプラ
ズマ処理装置を提供することにある。すなわち、本発明
のプラズマ処理装置は、一端にガス導入口および他端に
プラズマ放出口を有する電気絶縁材料製の筒状容器、一
対の電極、ガス導入口を介してプラズマ生成ガスを筒状
容器内に供給するガス供給手段、筒状容器内に前記ガス
のプラズマを生成するために電極間に交流電圧及びパル
ス電圧のいずれかを印加するための電源、および被処理
物上におけるプラズマ処理効果の均一性を高める処理効
果均一手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマ処理装置
及びプラズマ処理方法について詳細に説明する。
【0016】本発明は、筒状容器内に大気圧もしくはそ
の近傍の圧力下で発生させた複数のストリーマを筒状容
器の軸方向に垂直な方向において均一化することによっ
て得られるプラズマで被処理物を処理するためのプラズ
マ処理装置およびプラズマ処理方法を提供するものであ
る。放電空間内において複数のストリーマを均一に分布
させることに成功したので、得られたプラズマによって
高処理速度で且つ均一に被処理物を表面処理することが
可能となった。
【0017】本発明のプラズマ処理装置の一例を図1に
示す。このプラズマ処理装置は、内部に放電空間が定義
される筒状容器1、筒状容器の周囲に配置される一対の
電極2、3、筒状容器内にストリーマ生成ガスを供給す
るためのガス供給ユニット(図示せず)、電極間に交流も
しくはパルス電圧を印加して複数のストリーマを筒状容
器内に生成するための電源4、および放電空間7内の複
数のストリーマを均一化するプラズマ均一化手段とを具
備する。
【0018】筒状容器1は、例えば、石英ガラス、アル
ミナ、イットリア、ジルコニウムなどのガラス質材料や
セラミック材料などの高融点の絶縁材料(誘電体材料)で
形成することができる。図1(a)の筒状容器1は、上
端にガス導入口10、下端にプラズマ放出口12を有す
る矩形筒形状を有し、互いに平行に延出する一対の前壁
13および後壁14と、互いに平行に延出する一対の側
壁15とで構成される。図1(b)に示すように、筒状
容器1の軸方向に垂直な断面は、長さ(L)と幅(W)を有
する矩形形状である。横長断面を有する筒状容器1とす
るために、長さ(L)は幅(W)より大きく設計されてい
る。尚、図1(b)において、”SW”は筒状容器の内
部幅寸法であり、本明細書ではスリット幅と呼んでい
る。また、”SL”は、筒状容器の内部長さ寸法(=筒
状容器の横長断面の横方向における内寸)であり、本明
細書ではスリット長さと呼んでいる。”H”は、筒状容
器の高さ寸法である。筒状容器1の前壁13、後壁14
および側壁15に囲まれた内空間が放電空間7として使
用される。ストリーマ生成ガスは、ガス導入口10を介
して筒状容器1内に導入され、プラズマ放出口12から
外部に噴射される。
【0019】電極2、3は、交流電圧もしくはパルス電
圧を電極間に印加する時、筒状容器1の略軸方向に電気
力線が形成されるように配置される。これらの電極は、
銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼
(SUS304など)などの導電性の金属材料で形成さ
れている。また、これらの電極2,3の各々は、矩形開
口21、31を有する矩形リング形状を有し、矩形開口
に筒状容器1を挿入可能である。矩形開口は、矩形開口
内において筒状容器1が電極2,3に良好にフィットす
るように形成されることが好ましい。尚、電極と筒状容
器の間のクリアランスについては特に限定されるもので
はない。放電空間7は、筒状容器1内で且つ電極2,3
間に位置する。図1の装置においては、電極2が電源4
に電気的に接続されて高圧電極として機能し、電極3が
接地されて低圧電極として機能する。
【0020】尚、電極2,3はプラズマ放出口12の近
傍に配置するのが好ましい。放電空間7と被処理物8と
の間の距離が縮まって処理速度を向上させることができ
る。但し、電極をプラズマ放出口12に近づけすぎる
と、放電空間と被処理物との間の距離が近くなりすぎて
被処理物8との間でアークが発生する恐れがある。した
がって、アークが発生しない程度に電極2,3をプラズ
マ放出口12に近接させることが好ましい。また、被処
理物への熱的なダメージを抑えるために、電極の内部に
冷却水を流すなどして放電空間の温度を下げることも好
ましい。
【0021】ところで、電極2,3を介して筒状容器1
内の放電空間7に交流あるいはパルス状の電界を印加す
ることよって発生する電気力線hの長さで定義される放
電パスが長くなるほど、放電空間でストリーマが発生し
やすい。従って、図2(a)に示すように、筒状容器1
の軸方向に後述する所定距離によって互いから離れるよ
うに電極2,3を配置すると、放電パスが長くなってス
トリーマが発生しやすくなる。一方、図2(b)に示す
ように、筒状容器1の両側に一対の電極2,3を配置す
ると、放電パスが短くなってグロー放電が生成されやす
くなる。また、ストリーマ生成ガスを電気力線hと略平
行方向に流すことで多数のストリーマを同時発生させや
すくなる。
【0022】本発明においては、多数のストリーマをほ
ぼ同時に且つ継続的(連続的)に筒状容器1内に発生させ
るため、電極2,3間の距離Dを2mmもしくはそれ以
上とすることが好ましい。この場合は、電流密度の疎の
領域と密の領域(この密の領域がストリーマに相当す
る)を多数の箇所で発生させて複数のストリーマの同時
且つ継続的な生成を促進することができる。この電極間
距離Dが2mm未満になると、放電パスが短くなってス
トリーマの数が減少する恐れがあり、しかも筒状容器1
の外側において電極2,3間に火花放電が起こり、放電
空間内に放電が起こらなくなる恐れがある。また、より
多数のストリーマを発生させるため、電極間距離Dを5
mm以上20mm未満とすることが好ましい。電極間距
離Dが20mm以上となると、放電開始電圧が大きくな
って放電を開始させ難くなる傾向がある。
【0023】本発明のプラズマ均一化手段は、筒状容器
1の横長断面の横方向(図1(b)の長さ(L)方向)に
おいて複数のストリーマを均一化するためのものであ
る。本発明においては、プラズマ均一化手段として、下
記の(1)〜(3)のいずれかを使用することが好まし
い。
【0024】(1)プラズマ均一化手段を具備する筒状
容器として、図3(a)〜(c)に示すように、ガス導
入口10の開口面積が筒状容器1のガス導入口側直下の
断面積よりも小さくなるように形成した筒状容器1を使
用することが好ましい。この場合、ガス導入口10の中
心が筒状容器1の軸上に位置するようにガス導入口10
を設けることが特に好ましい。
【0025】このような構成の筒状容器1を使用した場
合、ストリーマ生成ガスはガス導入口10から下流側に
向かって放射状(図4中の矢印方向)に拡散しながら放電
空間7に流れ込む。この時、筒状容器の内空間9には渦
流が発生する。この渦流によりストリーマ生成ガスが放
射状に流れやすくなり、電気力線に略平行でないガス流
成分の割合が多くなってストリーマはより均一に発生す
る。
【0026】図3(a)のような構造の筒状容器を使用
したプラズマ処理装置では、図5(a)に示すように、
非放電時での筒状容器のプラズマ放出口12直下におけ
るガス流速は、筒状容器の略中央において最も速くな
り、端部に向かうほど徐々に遅くなる流速分布となる。
図5(a)に示すような流速分布を有するストリーマ生
成ガスを放電中の放電空間に供給する場合は、図5
(b)に示すようにプラズマジェットの流速が筒状容器
1の横長断面の横方向で均一な分布になる。これは、放
電時の放電空間内は圧力が高く、ガスの流れに対する抵
抗が大きくなるため、ガスが放電空間に侵入する時、放
電空間の中央から端部へと流れ込むガス成分が増加する
ためであると考えられる。
【0027】このような場合に、ストリーマの生成を放
電空間7において筒状容器1の横長断面の横方向におけ
る全域に亘って均一にするには、ストリーマ生成ガスの
平均流速を高めて筒状容器内にガスの乱流成分を発生さ
せる必要がある。そこで、上記したような開口面積の小
さいガス導入口10を有する筒状容器を使用すること
で、供給するストリーマ生成ガスの量を増やすことなく
放電空間に乱流成分を容易に発生させることが可能とな
り、結果的に、プラズマ処理に必要なストリーマ生成ガ
スの消費量を節約してランニングコストを低減するとと
もに、放電空間内におけるストリーマの均一性を改善す
ることに成功したのである。
【0028】尚、ガス導入口1の開口面積が狭いほど、
放電空間にストリーマ生成ガスの乱流成分を多く発生さ
せることができるが、放電空間の中央でストリーマ生成
ガスの流速が過剰に速くなると、放電空間中央のプラズ
マが吹き消されて均一な処理が行えなくなる恐れがあ
る。また、図6(a)及び(b)に示すように、ガス導
入口10と放電空間7との間の距離が長くなるほど、生
成された渦流の影響が放電空間7に到達し難くなる。そ
の結果、電気力線に略平行なガス流成分が支配的とな
り、ガス導入口10の開口を小さくした効果が減少する
恐れがある。したがって、ガス導入口10の開口面積と
筒状容器1のガス導入口側直下の断面積の比をガス流量
等のプラズマ処理条件に応じて適宜変更できるように、
ガス導入口の開口面積を調整可能な開口面積調節手段を
筒状容器に設けることも好ましい。
【0029】具体的には、図3(b)および(c)に示
すように、筒状容器1のガス導入口側直下の断面積S1
と、ガス導入口の開口面積S2との比率S2 / S1は、
0.125< S2 / S1 <0.75であることが好ま
しい。比率S2 / S1が0.125以下の場合、ガス導
入口10での流速が大きくなりすぎるため、放電空間略
中央のプラズマがガス流によって吹き消され、ストリー
マの均一性が低下する恐れがある。また、比率S2 / S
1が0.75以上の場合、ガス流量が一定の時、ガス導
入口10におけるガス流速が比較的小さくなるため、渦
流が下流側に発達しない恐れがある。
【0030】(2)プラズマ均一化手段として、図7に
示すように、筒状容器内にストリーマ生成ガスの乱流を
形成可能な形状を有する乱流生成部材6を配置すること
が好ましい。図7においては、略三角柱の乱流生成部材
6が放電空間1内で対向する側壁15間の略中央位置
で、且つ放電空間7の上方に配置されている。非放電時
にガス導入口10から導入されたストリーマ生成ガス
は、乱流生成部材6の下流側の空間17で渦流を形成す
る。この渦流により、電気力線と略平行な方向だけでは
ない無秩序な方向性を有するガス流成分が多数生じる。
この結果、放電空間において前記横方向の全域に亘って
ストリーマがほぼ均一に分散して発生し、プラズマ放出
口12を介して均一なプラズマを提供することが可能と
なる。
【0031】乱流生成部材6は、放電空間7の中に配置
しても、また放電空間7の上側に配置しても構わない
が、ガス乱流成分を含む渦流発生域の一部が放電空間7
中に存在するように配置することが重要である。尚、乱
流生成部材の形状はストリーマ生成ガスの供給量や筒状
容器の形状、被処理物の形状等に応じて適宜設計され
る。
【0032】(3)プラズマ均一化手段を具備する筒状
容器として、筒状容器1の前壁13と後壁14との間の
距離(スリット幅(SW))を1〜5mmに形成すること
が望ましい。すなわち、図1に示す筒状容器を使用した
プラズマ処理装置において、スリット幅を1〜5mmと
すると、ストリーマ生成ガスの供給量を増やすことな
く、放電空間7におけるストリーマ生成ガスの平均流速
を増加させることができる。これにより、ガス乱流成分
の生成量が多くなる。スリット幅が1mmより小さい
と、放電空間の体積が減少するため、相対的に放電空間
のインピーダンスが増加する。インピーダンスの増加
は、放電空間に投入される有効電力の減少を招くので、
プラズマの生成効率が低下し、結果的にプラズマ処理効
果が低下する恐れがある。一方、スリット幅が5mmよ
り大きくなると、筒状容器1内でのガス流速を高速にす
るためには、多量のストリーマ生成ガスを供給する必要
があるので、プラズマ表面処理のコストパフォーマンス
が低下する恐れがある。また、放電空間7への印加電力
が一定の場合、スリット幅が広くなるほど、放電空間7
の単位体積当たりの電力量(パワー密度)が低下するの
で、十分な処理速度が得られなくなる可能性がある。
【0033】尚、図3に示す装置においては、ガス導入
口10の開口面積を小さくしたことに加えて、スリット
幅を1〜5mmの範囲内とすることによってプラズマ均
一化手段の相乗効果を提供することが可能である。この
場合は、ガス導入口10における平均速度が増加し、渦
流発生領域が筒軸方向の下流側に伸びるため、乱流成分
を放電空間に安定して供給しやすくなる。同様に、図7
に示す装置において、乱流生成部材6を筒状容器内に配
置することに加えて、スリット幅を1〜5mmの範囲内
とすることによってプラズマ均一化手段の相乗効果を提
供することが可能である。この場合も、ストリーマ生成
ガスの平均速度を増加させ、乱流生成部材6の下流側に
形成される渦流領域を広げ、より一層ガス乱流成分を放
電空間7に形成しやすくなる。
【0034】本発明のプラズマ処理装置は、被処理物の
被処理面が平坦でないような場合でも、被処理面上のプ
ラズマ処理効果の均一性を高めることができる処理効果
均一手段をさらに具備することが好ましい。すなわち、
処理効果均一手段は、横長断面を有するプラズマジェッ
トの横方向における被処理物表面へのプラズマ到達時間
分布を制御するため、横方向におけるプラズマジェット
の流速制御、もしくは筒状容器のプラズマ放出口12と
被処理物8表面との距離(以下、照射距離と記す場合が
ある)の制御を行うものである。
【0035】処理効果は、図8に示すように照射距離が
大きくなる程、指数関数的に減衰する性質がある。一
方、被処理物が導電性を有する場合は、照射距離が小さ
いとプラズマジェットと被処理物の間でアークが発生し
やすくなる。そのため、ある程度の照射距離を確保する
必要がある。このように、プラズマ処理効果の均一性の
さらなる向上を図るためには、被処理面の形状および被
処理物の性質に応じてより最適な処理効果均一手段を選
択する必要がある。
【0036】そこで、本発明においては、以下の処理効
果均一手段(a)〜(g)のいずれか、もしくは必要に
応じてそれらを併用して使用することが好ましい。
【0037】(a)処理効果均一手段を具備した筒状容
器1として、被処理物の被処理面の凹凸に基づいて、筒
状容器の高さ(H)を筒状容器の横長断面の横方向にお
いて変化させた筒状容器を使用することが好ましい。
【0038】一例として、図9に示すように、筒状容器
の筒軸方向の高さ(H)が筒状容器の横方向の略中央
(HC)から両端部(HE)へ向かうにつれて増加するよう
に形成された筒状容器1を使用することができる。この
場合は、被処理物が平坦な場合に照射距離を大きく取っ
たとしても、あるいは、被処理物表面の端部がくぼんだ
凸形状(図9)であっても、処理効果均一手段を具備し
ていない筒状容器と比すると、プラズマジェットの端部
において活性種の失活を抑制することができ、より均一
なプラズマ処理を実施することができる。
【0039】また、図10に示すように、筒状容器1の
筒軸方向の高さ(H)が筒状容器の横方向の略中央
(HC)から両端部(HE)に向かうにつれて減少するよう
に形成された筒状容器1を使用しても良い。この場合
は、被処理物が平坦な場合に照射距離を大きく取ったと
しても、あるいは、被処理物表面の中央がくぼんだ凹形
状(図10)であっても、処理効果均一手段を具備して
いない筒状容器と比すると、プラズマジェットの中央に
おいて活性種の失活を抑制することができ、より均一な
プラズマ処理を実施することができる。尚、筒状容器の
筒軸方向の高さ(H)は、被処理物の形状に合わせて適
宜決定される。
【0040】(b)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、プラズマ放出口12から放出されるストリー
マ生成ガスが、被処理物の被処理面の凹凸形状に基づい
て決定される流速分布を有するように形成した少なくと
も2個以上のガス導入口を有する筒状容器を使用するこ
とが好ましい。
【0041】一例として、図11に示すように、筒状容
器1の上面において筒状容器の中心線に対して線対称に
ガス導入口10を2箇所設けても良い。この場合は、非
放電時のプラズマ放出口12直下でのストリーマ生成ガ
スは、図12に示すような流速分布を有することにな
る。すなわち、プラズマジェット端部のガス流速が増加
し、プラズマジェット端部の被処理物への到達時間が短
縮される。よって、被処理物表面が平坦な場合に照射距
離を大きく取ったとしても、あるいは図11に示すよう
に被処理物表面の略中央部が突出した凸形状であっても
均一にプラズマ処理することが可能となる。尚、各々の
ガス導入口の位置や面積およびガス導入口の数は、被処
理物の形状等に応じて適宜設定可能である。
【0042】(c)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、筒状容器1の軸方向に垂直な断面積がその軸
方向において変化するように形成された筒状容器を使用
することが好ましい。
【0043】一例として、筒状容器の軸方向に垂直な断
面積(以下、スリット断面積と呼ぶ)がプラズマ放出口
12に向かって徐々に増加するように台形形状の一対の
前壁および後壁13,14と矩形形状の一対の側壁15
とで形成された筒状容器1を図13に示す。この場合
は、筒状容器1内において、筒状容器の横長断面の横方
向における略中央から端部向かって拡散するガスの流れ
込みが少なくなり、プラズマジェットの中央部の被処理
物への到達時間が短縮される。これにより、図13に示
すように、被処理物表面の略中央部がくぼんだ凹形状で
あっても均一にプラズマ処理することが可能となる。
尚、プラズマジェットの中央部の流速は、筒状容器の軸
方向と側壁15とのなす角度として定義される壁面傾斜
角によって調節することができ、壁面傾斜角が大きいほ
ど略中央部流速は速くなる。
【0044】(d)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、プラズマ放出口12から放出されるストリー
マ生成ガスが、被処理物の被処理面の凹凸に基づいて決
定される流速分布を有するようにその内表面に粗面化領
域を設けた筒状容器を使用することが好ましい。
【0045】一例として、筒状容器1の前壁13と後壁
14の内表面において、筒状容器の横長断面の横方向に
おける略中央から左右両方向に所定距離にわたって、且
つガス導入口10直下からプラズマ放出口12直上にい
たる垂直距離にわたって粗面化領域16を有する筒状容
器1を図14(a)および(b)に示す。この場合は、
粗面化領域16はガス流に対する抵抗となるため、ガス
流は粗面化領域16を回避するように図14(a)の矢
印方向に流れやすくなる。その結果、筒状容器1の端部
におけるガス流速が増加し、横方向の両端部においてプ
ラズマジェットの被処理物への到達時間を短縮すること
ができる。これにより、被処理物表面が平坦なものをプ
ラズマ処理する場合に照射距離を大きく取ったとして
も、あるいは図14(a)に示すように、被処理物表面
の両側部がくぼんだ凸形状であっても均一にプラズマ処
理することが可能となる。尚、筒状容器の内表面に形成
される粗面化領域の数、表面積、および位置は、被処理
物の形状等に応じて任意に設定可能である。
【0046】(e)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、プラズマ放出口12から放出されるストリー
マ生成用ガスが、被処理物の被処理面の凹凸に基づいて
決定される流速分布を有するように形成した筒軸方向に
垂直な断面形状を有する筒状容器を使用することが好ま
しい。
【0047】一例として、筒状容器の横長断面における
開口幅(スリット幅(SW))が、筒状容器の横長断面
の横方向において端部から略中央に向かって徐々に増加
するように形成した筒状容器を図15(a)および
(b)に示す。この場合は、ストリーマ生成ガスは、ガ
スの流れに対する抵抗が小さい領域へ流れ込む性質を持
っているため、大きな中心幅を有する筒状容器の略中央
のガス流速が増加し、プラズマジェット中央部の被処理
物への到達時間が短縮される。これにより、図15
(a)に示すように、被処理物表面の略中央部がくぼん
だ凹形状であっても、プラズマ中の活性種が失活する前
に凹形状の底部に到達させることができ、結果として均
一なプラズマ処理を提供することが可能となる。尚、図
15(c)〜(g)に筒状容器の断面形状の他例を示
す。
【0048】(f)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、筒状容器の軸方向に垂直な断面積がプラズマ
放出口12に向かって徐々に減少するように台形形状の
一対の前壁13、後壁14と矩形形状の一対の側壁15
とで形成され、筒軸方向と側壁のなす角度が2〜30度
の範囲内である筒状容器を使用することが好ましい。
【0049】この筒状容器の一例を図16に示す。この
場合は、ストリーマ生成ガスは、図16(b)の矢印で
示すように放射状に拡散しながら下流へ流れる。そし
て、筒状容器の壁面付近のガス流は壁面の傾斜の影響を
受けてプラズマ放出口12に向かって集束する。その結
果、プラズマジェット端部のガス流速が増加し、プラズ
マジェット端部の被処理物への到達時間が短縮される。
これにより、被処理物表面が平坦なものをプラズマ処理
する場合に照射距離を大きくしても、あるいは図16
(a)に示すように、被処理物表面の略中央部が突出し
た凸形状であっても均一にプラズマ処理することが可能
となる。
【0050】尚、プラズマジェットの横方向における流
速分布は筒軸方向と側壁のなす角度θによって調節する
ことができ、上記のようにプラズマジェット端部の流速
を大きくするには、筒軸方向と側壁のなす角度である壁
面傾斜角θが2〜30度になるように形成することが好
ましい。角度θが2度未満の場合、壁面のガス集積効果
が小さくなるため、プラズマジェット端部のガス流速を
十分に増加させることができない恐れがある。また、角
度θが30度より大きい場合、放電空間体積が増加する
ため、ストリーマ生成ガスの供給量を増加させる必要が
ある。これはガスコストの増加を招くので、この観点か
ら角度θを30度以下に設定することが好ましい。
【0051】この形態の筒状容器1を使用する場合のさ
らなる長所としては、プラズマジェットから被処理物へ
のアーク放電が生じにくいことを挙げることができる。
したがって、導電性を有する被処理物をプラズマ処理す
る場合には特に適している。これは、プラズマジェット
と被処理物の間で生じるアーク放電は、筒状容器の幅狭
壁面に沿って輝度の高い放電(以下、沿面放電)が存在
する場合に発生しやすい。沿面放電については十分に解
明されていないが、図16に示すような筒状容器を使用
した場合は、ストリーマ生成ガスがガス導入口10から
放射状に拡散し、その一部が側壁15に到達する時、ガ
ス流の方向と傾斜した壁面が成す角度αは、矩形の筒状
容器(図16(b)において点線で表示)を使用した場合
の角度βよりも大きくなる。その結果、側壁15の極表
面に生じる速度境界層の厚みが薄くなり、側壁15の極
表面で生成されたプラズマ活性種、特にイオンは、速度
境界層外に流出しやすくなる。更に、速度境界層の厚み
が薄くなるため,速度境界層の外側を流れる比較的速度
の速いガス流によって、側壁15の表面は熱交換されや
すい。したがって、速度境界層内に滞在するイオン密度
の低下と側壁15における冷却効果によって、図16に
示す筒状容器では沿面放電が生じにくくなり、結果的に
アーク放電が生じにくくなると考えられる。
【0052】(g)処理効果均一手段を具備した筒状容
器として、筒状容器の横長断面がその中心から横方向に
その両端に向かって広くなる幅を有し、中心幅(SW
C)と端部幅(SWE)の比が0.8 ≦ SWC/SWE
<1である筒状容器を使用することが好ましい。
【0053】この筒状容器の一例を図17(a)および
(b)に示す。この場合は、ストリーマ生成ガスはガス
の流れに対してより抵抗の小さい領域へ流れ込む性質を
持っているため、プラズマジェットの端部でのガス流速
が略中央部よりも増加し、両端部でのプラズマジェット
の被処理物への到達時間が短縮され、プラズマ活性種が
失活しにくくなる。これにより、平坦な被処理物表面を
プラズマ処理する場合に照射距離を大きくしても、ある
いは図17(b)に示すように、被処理物表面の略中央
部が突出した凸形状であっても均一にプラズマ処理する
ことが可能となる。
【0054】このように、被処理物表面におけるプラズ
マ処理の処理効果均一手段は、プラズマジェットの被処
理物表面への到達時間を筒状容器の横長断面の横方向に
おいて制御するものであり、プラズマの発生状態や発生
手段に関わらず、プラズマをジェット状で噴射させて被
処理物に作用させる構造を有するプラズマ処理装置全般
に適用可能なものである。
【0055】ところで、プラズマ均一化手段として紹介
した図7の乱流生成部材6の筒状容器1内における配置
が適切である場合は、乱流生成部材6が処理効果均一手
段としての役割を担うことも可能である。すなわち、乱
流生成部材6をガス導入口1の略中央部で下流側の適切
な位置に配置すると、筒状容器の横方向の端部でのガス
流速が増加し、プラズマジェット端部の被処理物への到
達時間が短縮される。これにより、被処理物表面が平坦
でない場合であっても均一なプラズマ処理を被処理物に
提供することが可能となる。
【0056】本発明のプラズマ処理装置は、筒状容器1
のガス導入口10側に配置されるヘッダー50を具備す
ることが好ましい。すなわち、図18に示すように、筒
状容器1の上側には設けられたヘッダー50は、上部の
円筒部51と下部の絞り部52とで主に構成され、絞り
部52は円筒部と筒状容器のガス導入口10との間を滑
らかに且つ全周に亘って隙間なく連結する。また、ヘッ
ダー50の閉塞された上面にはガス導入管53が突設さ
れている。尚、ヘッダー50は、筒状容器と同様の材料
で筒状容器1と一体に形成しても良い。
【0057】ヘッダー50を使用する場合は、ガス導入
管53を通じてヘッダー内にストリーマ生成ガスがまず
供給され、次いでヘッダーからガス導入口10を介して
筒状容器1内にストリーマ生成ガスが導入されることに
なる。筒状容器1にストリーマ生成ガスを導入するに先
立って、ヘッダーによりストリーマ生成ガスの流速の抵
抗が限りなく小さくなるように整流されるので、ストリ
ーマ生成ガスを偏りなく均一に筒状容器1に供給するこ
とができ、その結果、筒状容器内に筒軸対称の流速分布
と流速を有するストリーマ生成ガスの流れを提供しやす
くなる。これは、被処理物上におけるプラズマ処理効果
の均一性を促進する上でも好ましい。
【0058】尚、ヘッダーの形状は図18のものに限定
されず、ガス導入口10に導入される以前にストリーマ
生成ガスに望ましくない流速分布が発生せず、且つガス
導入口10でストリーマ生成ガスの流速が低下しないよ
うな構造であればよい。また、へーダーは添付図面に描
かれた他のプラズマ処理装置に対しても必要に応じて取
付け可能である。
【0059】また、本発明のプラズマ処理装置は、筒状
容器1内に複数のストリーマの生成を開始させるための
プラズマ点火手段を具備することが好ましい。一般に、
大気圧あるいはその近傍の圧力条件下で放電させるプラ
ズマ処理装置では、放電開始時に放電空間7に大きな電
圧(約1kV以上)をかけてプラズマを点灯させる必要
がある。また、放電空間7に印加する電力(電源)の周
波数も13.56MHzに代表されるような高周波であ
るために、電源20とプラズマ発生領域(放電空間7)
との間にインピーダンス整合が必要である。従って、プ
ラズマを点灯させてプラズマ処理装置を始動させるため
に高電圧を電極2に印加すると、上記のインピーダンス
整合のために設けたインピーダンス整合器内の可変コン
デンサ内でアークが発生し、プラズマ処理装置を始動さ
せ難くなる恐れがある。
【0060】そこで、本発明においては、プラズマ点火
手段としては、例えば、図19に示すように、高電圧パ
ルス発生器60を筒状容器のプラズマ放出口12側に配
置することが好ましい。高電圧パルス発生器60は、高
電圧パルス発生回路を内蔵し、且つ高電圧パルス発生回
路で発生させた高電圧パルスを放つ放射電極61を具備
する。放射電極61は、電極2,3と同様の金属材料で
形成でき、その先端は高電圧パルスが放ち易いように鋭
利に形成されている。また、放射電極61の先端がプラ
ズマ放出口12の真下(下流)に位置する状態とプラズ
マ放出口12の真下に位置しない状態との間で移動可能
となるように放射電極61の移動手段(図示せず)を設
けることが好ましい。例えば、そのような移動手段とし
てはエアーシリンダ等を用いることができる。
【0061】プラズマを点火する場合は、放射電極61
を移動させてその先端をプラズマ放出口12の真下に位
置させると共に、電源4の使用による放電空間7への交
流又はパルス状の電界の印加と筒状容器1内へのストリ
ーマ生成ガスの導入が行われている条件の下で放射電極
61の先端から高電圧パルスを放てばよい。プラズマ点
灯後は、放射電極61をプラズマ放出口12の真下から
遠ざけてプラズマ処理の邪魔にならないように移動させ
る。尚、高電圧パルス発生器60で発生させる高電圧パ
ルスの電圧や発生時間はストリーマ生成ガスの種類など
によって選択されるが、高電圧パルスの電圧をストリー
マ生成中に電源4によって電極2に印加する電圧の3倍
もしくはそれ以上とするのが好ましい。高電圧パルスの
発生時間は任意に設定可能である。
【0062】このように、電源4とは別にプラズマの点
灯用の高電圧パルス発生器60を設けることは、高電圧
を電極2に印加することなくプラズマを確実に点灯させ
ることができ、始動不良のないプラズマ処理装置の素早
い安定した始動を提供できる点で好ましい。
【0063】また、図20に示すように、別のプラズマ
点火手段としてUVランプのような光源70を使用して
も良い。光源70は、筒状容器1内の放電空間7内にお
いてプラズマ点火に十分なエネルギーを有する光、例え
ば、紫外光を照射するものであり、光源は水平方向に長
い略円柱形状で形成され、電極2,3間の間隙と対向す
るように筒状容器1の横長断面の横方向に略平行に配置
される。プラズマを点火する場合は、電源4の使用によ
る放電空間7への交流又はパルス状の電界の印加と筒状
容器へのストリーマ生成ガスの導入が行われている条件
の下で光源70により放電空間に光を照射すれば良い。
【0064】次に、本発明のプラズマ処理方法について
説明する。本プラズマ処理方法は、上記したプラズマ処
理装置を用いて実施することが好ましいことは言うまで
もないが、内部に放電空間が定義される筒状容器と、一
対の電極と、ストリーマ生成ガスを筒状容器内に供給す
るガス供給手段と、筒状容器内に前記ガスの複数のスト
リーマを生成するために電極間に交流電圧及びパルス電
圧のいずれかを印加する電源とを具備するプラズマ装置
を使用すれば、以下の方法により複数のストリーマを均
一化して得たプラズマで被処理物を高処理速度で且つ均
一に表面処理することが可能である。
【0065】すなわち、本発明のプラズマ処理方法を実
施するにあたっては、まず、横長断面を有し、一端にガ
ス導入口および他端にプラズマ放出口を有する電気絶縁
材料製の筒状容器にガス導入口を介してストリーマ生成
ガスを供給する。ストリーマ生成ガスとしては、主成分
としてアルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトンのよう
な希ガスを含有するガスを使用することが好ましく、特
にアルゴンおよびアルゴンとヘリウムの混合ガスを希ガ
スとして使用することが好ましい。熱伝導率が小さいア
ルゴンを主体とするストリーマ生成ガスを用いる場合
は、ストリーマを数多く発生させることができるので、
高い処理速度を得る上で特に有効である。また、ガスの
コスト面を考慮した場合でも、高価なヘリウムよりもア
ルゴンの使用が好ましい。
【0066】アルゴンの含有量としては、ストリーマ生
成ガスの全量に対して30体積%以上、より好ましくは
50体積%以上とすることが好ましい。アルゴンの含有
量が30体積%以上であれば、多数のストリーマの同時
生成をより確実に達成することができる。尚、ストリー
マ生成ガスにアルゴン単体を使用することを排除するも
のではないが、処理中にアーク放電が発生しやすくなる
ために推奨されない。そのような場合は、希ガス中のア
ルゴンの含有量を100体積%にわずかに満たない量と
し、残りをヘリウムなどの他のガスとすることが好まし
い。
【0067】また、ストリーマ生成ガスとしては、プラ
ズマ処理内容に応じて複数種の希ガスと反応性ガスの混
合気体を用いても良い。反応性ガスとしては、例えば、
被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジ
ストの剥離、有機フィルムの表面改質などを行う場合
は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用い
ることができる。この酸化性ガスの含有量は、プラズマ
処理を効率よく行うため、ストリーマ生成ガスの全量に
対して酸素換算で1体積%以上とするのが好ましい。一
方、酸化性ガスの含有量の上限は特に設定されないが、
多くのストリーマを確実に発生させるという観点から、
例えば、酸化性ガスの含有量の上限を10体積%と設定
することができる。これは、酸素はOやO2 -などの負イ
オンを形成しやすく、O2 -+Ar+→O2+Arなどの反応によ
り、過度に酸素が存在するとプラズマが消滅しやすくな
るからである。
【0068】被処理物上に存在する金属酸化物の還元処
理を行う場合は、水素などの還元性ガスを反応性ガスと
して用いるのが好ましい。この還元性ガスの含有量とし
ては、プラズマ処理を効率よく行うためストリーマ生成
ガスの全量に対して1体積%以上にするのが好ましい。
一方、還元性ガスの含有量の上限としては、還元性ガス
の含有率を過度に高くしても還元効果は変わらず、安全
上の観点からも、還元性ガスの含有率の上限を10体積
%とするのが好ましい。
【0069】被処理物が導電性を有する場合は、筒状容
器と導電性の被処理物との間にアーク放電が発生するを
抑制するため、ヘリウムを3体積%以上含有するストリ
ーマ生成ガスを用いるのが好ましい。ヘリウムの含有量
がストリーマ生成ガスの全量に対して3体積%未満であ
れば、筒状容器と導電性の被処理物との間にアーク放電
が発生しやすくなり被処理物が損傷する恐れがある。ア
ーク発生の防止は、筒状容器のプラズマ放出口から被処
理物を遠ざけたり、電極を筒状容器のプラズマ放出口か
ら離して配置したり、放電空間に印加する電力を小さく
する等によっても可能であるが、これらの場合は処理速
度の低下を招くので、上記したように、ストリーマ生成
ガスにヘリウムを3体積%以上含有させることが特に有
効である。尚、筒状容器内に多くのストリーマを発生さ
せるという観点からヘリウムの含有率の上限は50体積
%とするのが好ましい。
【0070】次に、筒状容器の略軸方向に電気力線が形
成されるよう筒状容器のまわりに配置した一対の電極間
に交流あるいはパルス電圧を印加し、大気圧もしくはそ
の近傍の圧力(93.3〜106.7kPa(700〜
800Torr))下で筒状容器内に上記したガスの複
数のストリーマを生成する。この時、電極間距離が2m
mもしくはそれ以上、20mm未満が特に好ましいこと
は上記した通りである。
【0071】本発明において、電源として交流電源を用
いた場合、放電空間に印加される交流電界の周波数は1
kHz〜200MHzに設定するのが好ましい。交流電
界の周波数が1kHz未満であれば、放電を安定化させ
ることができなくなり、プラズマ処理を効率よく行えな
くなる恐れがある。また、交流電界の周波数が200M
Hzを超えると、放電空間でのプラズマの温度上昇が著
しくなり、被処理物に熱的なダメージを与える可能性が
増加してくる。また、筒状容器1や電極2、3の寿命が
短くなったり、プラズマ処理装置が複雑化且つ大型化し
たりする恐れがある。
【0072】電源としてパルス電源を用いた場合、放電
空間に印加されるパルス電界の周波数は 0.5kHz〜
200MHzに設定するのが好ましい。より好ましくは
1kHz〜200kHzである。パルス電界の周波数の
上下限については、交流電源を用いた場合と同様であ
る。尚、パルス電源を用いる場合、パルス電圧の立ち上
がり時間を100μsec以下にすることが好ましい。
パルス電界の立ち上がり時間が100μsec以上であ
ると、放電空間におけるプラズマ密度を高くすることが
難しくなり、プラズマ処理能力が低下する恐れがある。
また、下限値は特に限定しないが、現状のパルス電源で
の立ち上がり時間の下限値はおよそ40nsecであ
る。40nsecよりも短い立ち上がり時間を実現でき
れば、40nsecよりも短い時間を立ち上がり時間と
するのが好ましい。また、パルス電界強度は1〜150
kV/cmに設定することが好ましい。
【0073】また、本発明において、放電空間に印加す
る印加電力の密度は20〜3500W/cm3に設定す
るのが好ましい。放電空間に印加する印加電力の密度が
20W/cm3未満であれば、プラズマを充分に発生さ
せることができなくなり、逆に、放電空間に印加する印
加電力の密度が3500W/cm3を超えると、安定し
た放電を得難くなる恐れがある。尚、印加電力の密度
(W/cm3)は、(印加電力/放電空間体積)で定義
される。
【0074】次に、筒状容器の矩形断面の長さ方向にお
いて複数個のストリーマを均一化し、筒状容器内にプラ
ズマを形成する。
【0075】本発明者らは鋭意研究を重ねてきた結果、
筒状容器内に生成した複数のストリーマを筒状容器の横
長断面の横方向において均一化するには、筒状容器内を
流れるストリーマ生成ガスの流れが、非放電時におい
て、1700以上のレイノルズ数(Re)を有すること
が重要であり、これにより、個々のストリーマが経時的
に同一個所に固定化されて発生することなく、放電空間
の前記横方向の全体に亘って均一に発生させることがで
きることを見出した。レイノルズ数(Re)は、次式
(1)によって表される”流れ”を特徴づける無次元の
数である:
【0076】
【数1】
【0077】ここに、”ρ”はストリーマ生成ガスの密
度、”u”は放電空間上端断面積Sと放電空間へ供給す
るガス流量QによりQ/Sで与えられる放電空間上端部にお
ける非放電時の平均速度、”D”は放電空間上端幅、”
ν”はストリーマ生成ガスの動粘性係数、”μ”はスト
リーマ生成ガスの粘性係数を表わす。従って、筒状容器
の幅が一定であれば、放電空間上端部における非放電時
の平均速度”u” が大きいほど、また、ストリーマ生
成ガスの動粘性係数”ν”が小さいほど、レイノルズ数
が大きくなり、結果としてストリーマ生成ガスに乱流成
分が発生しやすくなってストリーマを空間的に均一に発
生させやすくなる。
【0078】安定して1700以上のレイノルズ数を得
る方法としては、例えば、放電空間の上端部におけるス
トリーマ生成ガスの平均速度を5m/秒とすることが望
ましい。これにより、例えば、アルゴンの含有率が少な
い(動粘性係数が大きい)場合であっても、レイノルズ
数を大きくして乱流成分を形成しやすくなる。尚、ガス
流速の上限としては、あまり高速にするとプラズマが吹
き消される恐れがあるので、例えば40m/秒以下とす
るのが好ましい。
【0079】ここで、本発明のストリーマ均一化ステッ
プを行う場合と行わない場合について放電空間7内にお
ける複数のストリーマの分布状態について述べておくこ
とは本発明の理解をさらに深める上で有益である。図2
1(a)〜(j)は、ストリーマ均一化ステップを実施
しない場合の放電空間内に生成した複数のストリーマの
放電状態を示すため、1/30秒毎に撮影した写真であ
る。これらの放電状態は、図1のような構成のプラズマ
処理装置において、電極2,3の間の隙間から筒状容器
内を撮影したものである。
【0080】この場合は、ストリーマの生成が無い領域
とストリーマの生成が有る領域とをはっきり区別するこ
とができ、筒状容器の横長断面の横方向(図21水平方
向)におけるストリーマは不均一に分布した状態とな
る。このようなストリーマの不均一分布は、図21
(a)〜(j)からわかるように、経時的にみてもほぼ
同じ分布状態で放電が維持される。これは、一旦ストリ
ーマが電気力線と略平行方向に固定して発生すると、そ
の個所の誘電体表面温度が上昇し、二次電子が放出され
やすくなるため、ストリーマはさらに成長する。この
時、ストリーマ生成ガスが方向性を持たず、電気力線と
略平行方向に流れていると、電子なだれは既に形成され
ているストリーマの極近傍にしか生じないため、ストリ
ーマの発生した箇所と発生していない個所が明確に分離
された状態を不可逆的に維持し続けるためと考えられ
る。
【0081】このようなストリーマで被処理物を処理し
た場合は、ストリーマの生成個所の直下に対応する被処
理物の表面では高い処理効果が得られるが、ストリーマ
が生成していない個所の直下に対応する被処理物の表面
でほとんど処理効果が得られず、筒状容器の前記横方向
における被処理物上の処理効果に極めて大きなバラツキ
が発生することになる。
【0082】これに対して、図22(a)〜(j)は、
本発明のストリーマ均一化ステップを実施した場合の放
電空間内に生成した複数のストリーマの放電状態を示す
ため、上記と同じ撮影条件で1/30秒毎に撮影した写
真である。これらの写真からわかるように、ストリーマ
の生成が無い領域とストリーマの生成が有る領域との差
が小さくなり、筒状容器の横方向(図22の水平方向)に
おけるストリーマの分布均一性が大幅に改善されてい
る。これは、ストリーマ均一化ステップの実施および/
もしくはプラズマ処理装置内にプラズマ均一化手段を配
備したことによって、放電空間の至る所で、極めて短い
タイムスケールで、ストリーマの生成と消滅を繰り返し
発生させ(例えば、6、7本のストリーマが、数百μsec
〜数msecのタイムスケールで生成と消滅を繰り返す)、
筒状容器の横方向における放電空間の全域に亘って多数
のストリーマを略均一に生成することができたからであ
る。このようなストリーマの均一性は、ストリーマの輝
線の位置が時間経過に伴って逐次変化するため、長いタ
イムスケールでみれば、ストリーマは経時的にも空間的
にも安定且つ均一に維持される。このようなストリーマ
で被処理物を処理した場合は、筒状容器の前記横方向に
おける被処理物上の処理効果のばらつきが小さく、また
大気圧グロー放電を用いた処理と比較して非常に高い処
理速度を提供することが可能となる。
【0083】このようなストリーマの均一化は、非放電
時のストリーマ生成ガスの乱流成分を放電空間の少なく
とも一部分に存在させることで実現することができる。
放電空間中にガスの乱流成分が存在すると、電気力線と
略平行な方向だけでなく無秩序な方向性がガス流に発生
する。このガス流により、ストリーマの極近傍で生成さ
れた活性種、特にイオンは、あらゆる方向に移動可能と
なり、その結果、放電空間の至る場所で電子なだれが発
生してストリーマが放電空間内にほぼ均一に分散して形
成されると考えられている。
【0084】次に、筒状容器のプラズマ放出口からカー
テン状のプラズマを被処理物の被処理面に吹き付けてプ
ラズマ処理を実施する。
【0085】プラズマ処理を実施するにあたっては、プ
ラズマを吹き出しながら被処理物、もしくはプラズマ処
理装置を筒状容器の前記横方向と略直交する方向に移動
させることが好ましい。また、プラズマ処理装置又は被
処理物をその移動方向と直交する方向に振動させること
により、繰り返しプラズマが被処理物に吹き付けられる
ことになってプラズマ処理の均一性をさらに高めること
も可能である。また、被処理物の大きさが筒状容器の長
さ(L)よりも大きい場合は、例えば、ロボットなどの
移動手段を用いて被処理物の全面に亘ってプラズマジェ
ットが吹き付けられるように被処理物を移動させても良
い。更には、被処理物あるいはプラズマ処理装置を筒状
容器の前記横方向と略同一方向に移動させることによ
り、被処理物の一部を直線状に処理することも可能であ
る。この場合は、プラズマジェットの照射される時間が
長くなるので、格段に高い処理効果を期待することがで
きる。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。尚、実施例1〜18においては、筒状容器1の
プラズマ放出口12から下側(下流側)5mmの位置に
被処理物を置いて、筒状容器の横長断面の横方向と直交
する方向に10mm/秒で被処理物を移動させながらプ
ラズマ処理を行った。被処理物にはネガ型フィルムレジ
ストを1μmの厚みで塗布したシリコン基板を用いた。 実施例1及び比較例1 実施例1では、図18に示すヘッダー50を装備した図
1の構成のプラズマ処理装置を使用した。筒状容器1
は、板厚1mmの石英ガラス製で、内寸が幅1mm(ス
リット幅(SW))、長さ40mm(スリット長(S
L))、高さ(H)80mmの矩形の筒形状を有する。
一対の電極2、3は銅製で、その表面には金メッキ処理
を施してある。また、電極間距離Dは5mmとした。電
極2、3の内部には冷却水用の流路を設けてあり、この
流路に冷却水を循環させて電極及び放電空間7を冷却で
きるようにしてある。上部の電極2は高周波電界(電
圧)を発生する電源4に接続し、下部の電極3は接地し
た。比較例1においては、図23に示すプラズマ処理装
置を使用した。すなわち、一対の電極2,3を、筒状容
器1の軸方向に略平行に筒状容器の両側に配置して、グ
ロー放電を生成しやすい構造となっている。その他は図
1の装置と実質的に同じである。
【0087】これらのプラズマ処理装置を用いて、大気
圧下、ヘリウムを12リットル/分、酸素を0.4リッ
トル/分の割合で混合したストリーマ生成ガスを筒状容
器1に供給し、13.56MHzの周波数で1000W
の印加電力で高周波電界を放電空間7に印加して複数の
ストリーマを発生させ、プラズマ放出口12からカーテ
ン状のプラズマを被処理物8表面に噴射してプラズマ処
理を行った。本実施例では、ストリーマを均一化するた
めに、ストリーマ生成ガスの筒状容器の軸方向における
ガス流速を5m/秒以上(=計算値5.17m/秒)に
するとともに、スリット幅が1mmである筒状容器を使
用した。実施例1及び比較例1について、レジストのエ
ッチング深さを測定してその平均値を求めると共に放電
状態を観察した。結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1に示すように、実施例1では、放電空
間全域に亘ってストリーマが均一に発生したのに対し、
比較例1においては、グロー放電が発生した。また、エ
ッチング深さの平均値は、グロー放電プラズマを用いた
場合(比較例1)より複数のストリーマを均一化するこ
とによって得られたプラズマを用いた場合(実施例1)
の方が約3倍近く大きく、処理速度の顕著な差を確認す
ることができた。 実施例2乃至5 これらの実施例で使用したプラズマ処理装置は、筒状容
器の内寸がスリット幅(SW)1mm、スリット長(S
L)56mm、高さ(H)80mmであり、図3に示す
ように、ガス導入口10の開口幅及び開口長さをそれぞ
れ1mmおよび16mmとしたことを除いて実質的に実
施例1の場合と同じである。
【0090】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、表2に示すガス組成を有するヘリウムとアルゴンの
混合ガスを12リットル/分、酸素を0.4リットル/
分の割合で混合して得られるストリーマ生成ガスを筒状
容器に供給し、13.56MHzの周波数で700Wの
印加電力で高周波電界を放電空間7に印加してストリー
マを発生させ、プラズマ放出口12からカーテン状のプ
ラズマを被処理物の表面に噴射してプラズマ処理を行っ
た。本実施例では、ストリーマを均一化するために、ス
リット幅(SW)が1mmで、且つガス導入口の開口面
積(約16mm2)をガス導入口直下における筒状容器
の断面積(約56mm2)よりも小さくなるように形成
した筒状容器1を使用した。プラズマ処理後、レジスト
のエッチング深さを測定してその平均値を求めた。結果
を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】表2に示すように、アルゴンの割合が増加
するほどプラズマ処理が速くなる傾向があった。これ
は、アルゴンの割合が多いほどストリーマが多く発生し
たためであり、ストリーマ発生量とプラズマ処理効果
(エッチング深さ)との間には強い相関関係があること
がわかった。また、エッチングの面内均一性もアルゴン
の割合が多いものほど良好であった。 実施例6乃至8 本実施例で使用したプラズマ処理装置は、以下の点を除
いて実質的に実施例1で用いた装置と同じである。すな
わち、筒状容器の内寸は、スリット幅(SW)1mm、
スリット長(SL)56mm、高さ(H)80mmであ
り、図3に示すように、ガス導入口10の開口幅及び開
口長さをそれぞれ1mmおよび16mmとした。また、
それぞれの実施例において電極間距離Dを変化させ、そ
れがプラズマ処理に及ぼす影響を調べた。
【0093】プラズマ処理は以下の条件で行った。すな
わち、上記したプラズマ処理装置を用いて、大気圧下、
ヘリウムを2リットル/分、アルゴンを10リットル/
分、酸素を0.4リットル/分の割合で混合したストリ
ーマ生成ガスを供給し、13.56MHzの周波数で6
00Wの印加電力で高周波電界を放電空間7に印加して
複数のストリーマを発生させ、プラズマ放出口12から
プラズマを被処理物の表面に噴射してプラズマ処理を行
った。本実施例では、ストリーマを均一化するために、
スリット幅(SW)が1mmで、ガス導入口の開口面積
(16mm2)がガス導入口直下における筒状容器の断
面積(56mm2)よりも小さい筒状容器を使用した。
プラズマ処理後、レジストのエッチング深さを複数の位
置で測定してその平均値を求めると共に、処理中の放電
状態を観察した。結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】表3に示すように、実施例6では、プラズ
マ放電中に放電空間に多数のストリーマが発生し、しか
も放電空間7の全域に亘って均一なストリーマが得られ
た。従って、実施例6ではレジストのエッチング量が位
置によって大きく異なることなく、ほぼ均一な深さと形
状でエッチングすることができた。一方、実施例7で
は、放電開始時に筒状容器1の外側で電極2,3間にス
パークが発生する場合があった。また、実施例8では電
極間距離が長すぎたため、ストリーマを発生させ難い傾
向があった。 実施例9乃至11 これらの実施例で使用したプラズマ処理装置は、筒状容
器の内寸が、スリット幅(SW)1mm、スリット長
(SL)56mm、高さ(H)80mmであることを除
いて実質的に実施例1と同じである。
【0096】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、表4に示す割合で混合したヘリウム、アルゴン、酸
素からなるストリーマ生成ガスを供給し、放電空間7に
供給する際のガスの流速(レイノルズ数)を変化させ
た。そして、13.56MHzの周波数で700Wの印
加電力で高周波電界を放電空間7に印加して複数のスト
リーマを発生させ、プラズマ放出口12からプラズマを
被処理物の表面に噴射してプラズマ処理を行った。本実
施例では、ストリーマを均一化するために、非放電時に
おける筒状容器内のストリーマ生成ガスの流れが170
0以上のレイノルズ数を有するようにストリーマ生成ガ
スを筒状容器に供給するとともに(実施例10,1
1)、スリット幅(SW)が1mmである筒状容器を使
用した(実施例9〜11)。プラズマ処理後、レジスト
のエッチング深さを複数の位置で測定してその平均値を
求めた。また、プラズマ処理中の放電状態を観察した。
結果を表4に示す。エッチング深さのバラツキは、エッ
チング深さの最大値と最小値の差をエッチング深さの平
均値で除した値(百分率)とした。
【0097】
【表4】
【0098】表4に示すように、レイノルズ数が170
0以上である実施例10、11では、レイノルズ数が小
さい実施例9よりもストリーマの発生量が多く、またそ
の均一性も良好であり、レジストのエッチング深さのバ
ラツキ範囲もより小さい結果となった。このように、レ
イノルズ数が大きくなるほど、プラズマ処理の均一性が
向上する傾向があった。また、エッチング深さはストリ
ーマ生成ガス流量の増加に比例して増加する傾向があっ
た。 実施例12乃至14 これらの実施例で使用したプラズマ処理装置は、スリッ
ト幅(SW)が表5に示す値で、スリット長(SL)が
30mm、高さ(H)が80mmであり、ガス導入口1
0の開口幅が前記したスリット幅と同じで、その開口長
さが8.5mmである筒状容器を使用したことを除いて
実質的に実施例1と同じである。
【0099】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、ヘリウムを1リットル/分、アルゴンを5リットル
/分、酸素を0.2リットル/分の割合で混合したスト
リーマ生成ガスを供給し、13.56MHzの周波数で
700Wの印加電力で高周波電界を放電空間7に印加し
て複数のストリーマを発生させ、プラズマ放出口12か
らプラズマを被処理物の表面に噴射してプラズマ処理を
行った。本実施例では、ストリーマを均一化するため
に、スリット幅(SW)が1mm(実施例13のみ)
で、且つガス導入口の開口面積(実施例12:4.25
mm2、実施例13:8.5mm2、実施例14:59.
5mm2)がガス導入口直下における筒状容器の断面積
(実施例12:15mm2、実施例13:30mm2、実
施例14:210mm2)よりも小さい筒状容器(実施
例12〜14)を使用した。プラズマ処理後、レジスト
のエッチング深さを複数の位置で測定すると共に、エッ
チング深さのバラツキを求めた。結果を表5に示す。
【0100】
【表5】
【0101】表5に示すように、実施例12では、プラ
ズマの均一性は極めて良好であったが、エッチング深さ
の平均値は実施例13のそれの半分であった。一方、実
施例14ではスリット幅が大きすぎたため、本実施例に
おけるストリーマ生成用ガスの供給量では筒状容器のガ
ス導入口において十分なガス速度を得ることができず、
渦流が下流側にまで発達しなかったため、実施例12、
13と比べるとストリーマ発生量は多少減少した。ま
た、放電空間の単位体積当たりの電力量が減少したた
め、エッチング深さの平均値も減少する結果となった。 実施例15〜17 これらの実施例で使用したプラズマ処理装置は、スリッ
ト幅(SW)が1mm、スリット長(SL)が56m
m、高さ(H)が80mmであり、ガス導入口10の開
口長さが表6に示す値である筒状容器を使用したことを
除いて実質的に実施例1と同じである。
【0102】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、ヘリウムを3.39リットル/分、アルゴンを0.
48リットル/分、酸素を0.43リットル/分の割合
で混合したストリーマ生成ガスを供給し、13.56M
Hzの周波数で700Wの印加電力で高周波電界を放電
空間7に印加して複数のストリーマを発生させ、プラズ
マ放出口12からプラズマを被処理物の表面に噴射して
プラズマ処理を行った。本実施例では、ストリーマを均
一化するために、スリット幅が1mmで(実施例15〜
17)、且つガス導入口の開口面積(実施例16:16
mm2、実施例17:8mm2)がガス導入口直下におけ
る筒状容器の断面積(56mm2)よりも小さい筒状容
器を使用した。プラズマ処理後、レジストのエッチング
深さを複数の位置で測定すると共に、エッチング深さの
バラツキを求めた。結果を表6に示す。エッチング深さ
のバラツキは、エッチング深さの最大値と最小値の差を
エッチング深さの平均値で除した値(百分率)とした。
【0103】
【表6】
【0104】表6に示すように、実施例15ではエッチ
ング深さのバラツキは他の実施例に比して大きかった。
実施例15では、ガス導入口10の開口面積とプラズマ
放出口12の開口面積が約56mm2と同じであり、本
実施例のガス供給量、ガス組成ではレイノルズ数が10
93となり、乱流成分が発生し始める1700に達しな
かった。一方、実施例17でも、エッチング深さのバラ
ツキがやや大きめであったが、これはガス導入口の開口
面積が小さすぎ、放電空間7の中央部に供給されるスト
リーマ生成ガスの流速が速すぎて放電空間7の略中央部
における放電状態の安定性が低下したためと考えられ
る。 実施例18 本実施例では、図18に示すヘッダー50を装備した図
7の構成のプラズマ処理装置を使用した。筒状容器3は
板厚1mmの石英ガラス製で、内寸が幅1mm(スリッ
ト幅(SW))、長さ56mm(スリット長(S
L))、高さ(H)80mmの矩形の筒形状を有する。
また、底辺20mm、高さ15mmの二等辺三角形を底
面とする三角柱の乱流生成部材6を、乱流生成部材6の
前記二等辺三角形の頂点が、筒状容器のガス導入口10
から筒軸方向に下方に5mm離れた場所に位置するとと
もに、乱流生成部材6の底面が筒状容器の内壁面と平行
に延出するように筒状容器1内に配置した。それ以外の
構成については実施例1の装置と実質的に同じである。
【0105】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、ヘリウムを3.39リットル/分、アルゴンを0.
48リットル/分、酸素を0.43リットル/分の割合
で混合したストリーマ生成ガスを供給し、13.56M
Hzの周波数で700Wの印加電力で高周波電界を放電
空間7に印加して複数のストリーマを発生させ、プラズ
マ放出口12からプラズマを被処理物の表面に噴射して
プラズマ処理を行った。本実施例では、ストリーマを均
一化するために、スリット幅が1mmで、且つ筒状容器
内にストリーマ生成ガスの乱流を形成可能な形状を有す
る乱流生成部材6を配置した筒状容器1を使用した。プ
ラズマ処理後、レジストのエッチング深さを複数の位置
で測定すると共に、エッチング深さのバラツキを求め
た。結果を実施例15の結果とともに表7に示す。エッ
チング深さのバラツキは、エッチング深さの最大値と最
小値の差をエッチング深さの平均値で除した値(百分
率)とした。
【0106】
【表7】
【0107】表7に示すように、ストリーマ均一化手段
として筒状容器1内に乱流生成部材6を設置したので、
ストリーマ発生量が多く、その均一性も極めて良好であ
り、レイノルズ数の小さい実施例15の場合と比較して
格段にエッチング深さのバラツキを少なくすることがで
きた。 実施例19乃至25 実施例19では、図3に示す構成のプラズマ処理装置を
使用した。筒状容器1がスリット幅(SW)が1mm、
スリット長(SL)が56mm、高さ(H)が80mm
であり、ガス導入口10の開口幅が1mmで、開口長さ
が16mmである筒状容器1を使用したことを除いて実
質的に実施例1と同じである。
【0108】実施例20では、図17に示す構成のプラ
ズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの
石英ガラス製で、スリット長(SL)が56mm、高さ
(H)が80mmの矩形の筒形状を有する。また、本実
施例の装置は、上記した処理効果均一手段(g)を具備
している。すなわち、この筒状容器は、図17(b)に
示すように、筒状容器のスリット幅が、端部(SWE)
から略中央(SWC)に向かって滑らかに減少するよう
に、一対の凹曲面状の前壁13および後壁14と一対の
平坦な側壁15とで形成されている。尚、前壁13と後
壁14の間の最も狭い間隔(SWC)と最も広い間隔
(SWE)の差は、45μmである。筒軸容器1の中心
部のスリット幅(SWC)は1mmである。また、ガス
導入口10の開口長さは16mmである。その他の構成
については実施例1と同じである。
【0109】実施例21では、図16に示す構成のプラ
ズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの
石英ガラスを製で、スリット幅(SW)が1mm、ガス
導入口10側のスリット長(SL)が85mm、プラズ
マ放出口12側のスリット長(SL)が56mm、高さ
(H)が80mm、筒軸方向と側壁15のなす壁面傾斜
角θが10.3度で、筒状容器1の筒軸方向の下流側に
向かうほど流路断面積が小さくなるように台形形状の一
対の前壁および後壁と矩形形状の一対の側壁とで形成さ
れている。すなわち、本実施例の装置は、上記した処理
効果均一手段(f)を具備しているのである。尚、ガス
導入口10の開口幅および開口長さはそれぞれ1mmお
よび24mmである。その他の構成については実施例1
と同じである。
【0110】実施例22では、図11に示すプラズマ処
理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの石英ガ
ラス製で、内寸が幅1mm(スリット幅(SW))、長
さ56mm(スリット長(SL))、高さ(H)80m
mの矩形の筒形状を有する。また、本実施例の装置は、
上記した処理効果均一手段(b)を具備している。すな
わち、開口幅が1mmで開口長さが8mmのガス導入口
10を、筒状容器1の中心軸に対して左右対称に2箇所
設置した。その他の構成については実施例1と同じであ
る。
【0111】実施例23では、図9に示す構成のプラズ
マ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの石
英ガラス製で、内寸が幅1mm(スリット幅(S
W))、長さ56mm(スリット長(SL))の矩形の
筒形状を有する。また、本実施例の装置は、上記した処
理効果均一手段(a)を具備している。すなわち、この
筒状容器1は、その高さ(H)がプラズマ放出口12側
において筒状容器の横長断面の横方向に略中央から両端
部に向かって連続的に滑らか曲線を描きながら増加し、
端部の高さ(HE)が90mm、略中央(HC)の高さ
が80mmとなるように形成されている。尚、ガス導入
口10の開口幅および開口長さはそれぞれ1mmおよび
16mmである。その他の構成については実施例1と同
じである。
【0112】実施例24では、図14に示す構成のプラ
ズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの
石英ガラス製で、内寸が幅1mm(スリット幅(S
W))、長さ56mm(スリット長(SL))、高さ
(H)80mmの矩形の筒形状を有する。また、本実施
例の装置は、上記した処理効果均一手段(d)を具備し
ている。すなわち、この筒状容器1の内表面には、図1
4(b)において番号16で示される領域に幅10m
m、ガス導入口10からプラズマ放出口12までの距離
に渡って帯状に平均表面粗さ約100μmを有する粗面
化領域を形成してある。その他の構成については実施例
2と同じである。
【0113】実施例25では、図7に示す構成のプラズ
マ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの石
英ガラス製で、内寸が幅1mm(スリット幅(S
W))、長さ56mm(スリット長(SL))、高さ
(H)80mmの矩形の筒形状を有する。また、底辺2
0mm、高さ15mmの二等辺三角形を底面とする三角
柱形状の乱流生成部材6を、乱流生成部材6の前記二等
辺三角形の頂点が筒状容器1のガス導入口10から筒軸
方向に下方に5mm離れた場所に位置し、乱流生成部材
の底面が筒状容器の内壁面と平行に延出するように筒状
容器1内に配置した。この配置において、乱流生成部材
6はプラズマ均一化手段として機能するとともに、処理
効果均一手段としても機能する。その他の構成について
は実施例1と同じである。
【0114】実施例19〜25に示す各プラズマ処理装
置において、大気圧下、ヘリウムを1.4リットル/
分、アルゴンを7リットル/分、酸素を0.28リット
ル/分の割合で混合したストリーマ生成ガスを供給し、
13.56MHzの周波数で700Wの印加電力で高周
波電界を放電空間7に印加して複数のストリーマを発生
させ、プラズマ放出口12からプラズマを被処理物の表
面に噴射してプラズマ処理を行った。尚、ストリーマを
均一化するため、実施例19〜23において、スリット
幅が1mmで、ガス導入口の開口面積がガス導入口直下
における筒状容器の断面積よりも小さい筒状容器を使用
した。また、実施例24においては、スリット幅が1m
mで、ガス導入口の開口面積がガス導入口直下における
筒状容器の断面積よりも小さい筒状容器を使用したこと
に加えて、筒状容器内に粗面化領域を設けたので、上記
したストリーマ生成ガスの供給量により9370という
高いレイノルズ数を有するストリーマ生成ガスの流れを
筒状容器1内に実現した。さらに、実施例25において
は、スリット幅が1mmで、且つ内部に乱流生成部材6
が配置された筒状容器1を使用した。
【0115】プラズマ処理は、筒状容器1のプラズマ放
出口12の下側(下流)5mmの位置に被処理物8を置
いて、被処理物を筒状容器1の横長断面の横方向と直交
する方向に100mm/秒で移動させて行った。被処理
物としては、図24に示すように、凸形状の断面を有す
るエポキシ樹脂成形品を用い、プラズマ処理を行った直
後の水の接触角により処理効果を評価した。すなわち、
図24に示すように、被処理物上に水の接触角を測定す
る位置として3本の平行なラインA、B、Cを定義した。
それぞれのライン上の複数点において水の接触角を測定
し、その平均値を求めた。結果を表8に示す。尚、プラ
ズマ処理を行う前に測定した各ライン上の水の接触角
(平均値)は、それぞれラインAにおいて93度、ラインB
で95度、ラインCで100度であった。
【0116】
【表8】
【0117】表8に示すように、実施例19では、ライ
ンBとラインA、ラインCにおける水の接触角に差が見ら
れた。これは、3次元の複雑な形状を有する被処理面を
プラズマ処理する場合には、実施例19のプラズマ処理
装置が処理効果均一手段を具備していないため、処理効
果の均一性を凹凸のある被処理面の全域にわたって十分
に提供することができなかったからと考えられる。これ
に対して、実施例20〜25に示すプラズマ処理装置で
は、処理効果均一手段を具備しているので、ラインA〜C
の水の接触角がほぼ同等で、凹凸を有する被処理物であ
っても、十分に均一なプラズマ処理を提供することがで
きた。 実施例26〜31 実施例26、29においては、図3に示す構成のプラズ
マ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1mmの石
英ガラス製で、内寸が幅1mm(スリット幅(S
W))、長さ56mm(スリット長(SL))、高さ
(H)80mmの矩形の筒形状を有する。ガス導入口1
0の開口幅および開口長さは、それぞれ1mmおよび1
6mmである。その他の構成については実施例1と同じ
である。
【0118】実施例27、30においては、図17に示
す構成のプラズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、
板厚1mmの石英ガラス製であり、内寸が長さ56mm
(スリット長(SL))、高さ(H)80mmの矩形の
筒形状を有する。また、本実施例の装置は、上記した処
理効果均一手段(g)を具備している。すなわち、この
筒状容器は、図17(b)に示すように、筒状容器のス
リット幅が、端部(SWE)から略中央(SWC)に向
かって滑らかに減少するように、一対の凹曲面状の前壁
13および後壁14と一対の平坦な側壁15とで形成さ
れている。尚、前壁13と後壁14の間の最も狭い間隔
(SWC)と最も広い間隔(SWE)の差は、45μm
である。筒軸容器1の中心部のスリット幅(SWC)は
1mmである。また、ガス導入口10の開口長さは16
mmである。その他の構成については実施例1と同じで
ある。
【0119】実施例28、31においては、図16に示
す構成のプラズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、
板厚1mmの石英ガラスを製で、スリット幅(SW)が
1mm、ガス導入口10側のスリット長(SL)が85
mm、プラズマ放出口12側のスリット長(SL)が5
6mm、高さ(H)が80mm、筒軸方向と側壁15の
なす壁面傾斜角θが10.3度で、筒状容器1の筒軸方
向の下流側に向かうほど流路断面積が小さくなるように
台形形状の一対の前壁および後壁と矩形形状の一対の側
壁とで形成されている。すなわち、本実施例の装置は、
上記した処理効果均一手段(f)を具備しているのであ
る。尚、ガス導入口10の開口幅および開口長さはそれ
ぞれ1mmおよび24mmである。その他の構成につい
ては実施例1と同じである。
【0120】これらのプラズマ処理装置の各々におい
て、大気圧下、ヘリウムを1リットル/分、アルゴンを
5リットル/分、酸素を0.2リットル/分の割合で混
合したストリーマ生成ガスを供給し、13.56MHz
の周波数で700Wの印加電力で高周波電界を放電空間
7に印加して複数のストリーマを発生させ、プラズマ放
出口12からプラズマを被処理物の表面に噴射してプラ
ズマ処理を行った。これらの実施例では、ストリーマを
均一化するために、スリット幅が1mmで、且つガス導
入口10の開口面積がガス導入口直下における筒状容器
の断面積よりも小さい筒状容器を使用した。
【0121】プラズマ処理は、筒状容器1のプラズマ放
出口12の下流位置に被処理物8を配置し、被処理物8
を筒状容器1の横長断面の横方向と直交する方向に30
mm/秒で移動させて行った。被処理物8としては、幅
55mmで処理表面が平坦なポリイミドフィルムを用
い、リールトゥリールでプラズマ処理を行った直後の水
の接触角により処理効果を評価した。尚、プラズマ放出
口12と被処理物8との間の距離(照射距離)は、実施
例26〜28において2mm、実施例29〜31におい
て10mmとした。
【0122】プラズマ処理後、図25に示すように、ポ
リイミドフィルムの処理面上に平行なラインA、B、Cを
定義し、各々のライン上において複数個所の水の接触角
を測定し、その平均値を求めた。結果を表9に示す。
尚、プラズマ処理を行う前に測定した各ラインにおける
水の接触角の平均値は、それぞれラインAで37度、ラ
インBで40度、ラインCで38度であった。
【0123】
【表9】
【0124】表9に示すように、照射距離が2mmであ
る実施例26〜28における水の接触角は、処理前と比
べ大幅に改善されており、ラインAからCでほぼ同一の値
となり、処理効果の高い均一性を確認できた。ただし、
照射距離2mmではプラズマの熱の影響を受けたため、
被処理物のフィルムには若干の反りが生じた。また、照
射距離を10mmに設定した場合、水の接触角に関して
は照射距離2mmの場合とほぼ同等のレベルであるが、
熱によるフィルムの変形は認められなかった。
【0125】また、実施例30および31においては、
各ラインの水の接触角に大きな差はなく、被処理物表面
においてプラズマ処理の均一な処理効果を得ることがで
きた。一方、実施例29ではラインA、Cの水の接触角と
ラインBのそれとの間には実施例30,31に比べやや
バラツキが大きかった。先に述べたように、プラズマジ
ェットは、活性種が被処理物表面に到達するまでの時間
が長いほど、換言すれば大気との接触面積が大きいほど
処理効果が低下しやすい性質がある。従って、照射距離
が大きいほど処理効果は低下しやすく、特にプラズマジ
ェットの横方向の略中央〜端部に向かうほど処理効果が
低下しやすい。よって、実施例29の場合は、処理効果
均一手段が設けられていないことに加えて、照射距離が
10mmと長かったため、ラインA、ラインC上における
水の接触角の改善が他に比べて十分でなかったもの推測
される。
【0126】これに対して、実施例30、31において
使用したプラズマ処理装置は、処理効果均一手段を具備
しているので、照射距離が10mmと多少長くなっても
ラインA〜Cにおいてほぼ一定の水の接触角を得ることが
できたものと考えられる。このように、凹凸を有する被
処理物にプラズマ処理を施す場合において処理効果均一
手段の有効性を確認することができた。 実施例32 本実施例において使用したプラズマ処理装置は、筒状容
器の内寸がスリット幅(SW)1mm、スリット長(S
L)56mm、高さ(H)80mmであり、図3に示す
ように、ガス導入口10の開口幅及び開口長さをそれぞ
れ1mmおよび16mmとしたことを除いて実質的に実
施例1と同じである。
【0127】このプラズマ処理装置を用いて、大気圧
下、ヘリウムを2リットル/分、アルゴンを10リット
ル/分、水素を0.4リットル/分の割合で混合したス
トリーマ生成ガスを供給し、13.56MHzの周波数
で700Wの印加電力で高周波電界を放電空間7に印加
して複数のストリーマを発生させ、プラズマ放出口12
からプラズマを被処理物の表面に噴射してプラズマ処理
を行った。この実施例では、ストリーマを均一化するた
めに、スリット幅が1mmで、且つガス導入口の開口面
積(16mm2)がガス導入口直下における筒状容器の
断面積(56mm2)よりも小さい筒状容器1を使用し
た。
【0128】プラズマ処理は、プラズマ放出口12の下
流5mmの位置に被処理物を配置し、被処理物を筒状容
器1の横長断面の横方向に対して45°の方向に5mm
/秒で移動させて行った。被処理物8としては、アルミ
ナ基板にパラジウム添加銀ペーストをスクリーン印刷
し、これを脱脂・焼成して形成したボンディングパッド
部を有する回路板を使用した。
【0129】プラズマ処理後、ボンディングパッド部を
XPSにて分析した結果、プラズマ処理前では酸化銀の
ピークが確認されたが、処理後にはこの酸化銀のピーク
は消失していた。これより、水素ラジカルを含むプラズ
マ処理により酸化銀が銀に還元されたことを確認でき
た。 実施例33〜35 実施例33および34において使用したプラズマ処理装
置は、筒状容器の内寸がスリット幅(SW)1mm、ス
リット長(SL)56mm、高さ(H)80mmであ
り、図3に示すように、ガス導入口10の開口幅及び開
口長さをそれぞれ1mmおよび16mmとしたことを除
いて実質的に実施例1と同じである。
【0130】実施例35においては、図16に示す構成
のプラズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、板厚1
mmの石英ガラスを製で、スリット幅(SW)が1m
m、ガス導入口10側のスリット長(SL)が85m
m、ガスプラズマ放出口12側のスリット長(SL)が
56mm、高さ(H)が80mm、筒軸方向と側壁15
のなす壁面傾斜角θが10.3度で、筒状容器1の筒軸
方向の下流側に向かうほど流路断面積が小さくなるよう
に台形形状の一対の前壁および後壁と矩形形状の一対の
側壁とで形成されている。すなわち、本実施例の装置
は、上記した処理効果均一手段(f)を具備しているの
である。尚、ガス導入口10の開口幅および開口長さは
それぞれ1mmおよび24mmである。その他の構成に
ついては実施例1と同じである。
【0131】これらのプラズマ処理装置の各々におい
て、大気圧下、表10に示すガス組成を有するヘリウム
とアルゴンの混合ガスを12リットル/分、酸素を0.
4リットル/分の割合で混合したストリーマ生成ガスを
供給し、13.56MHzの周波数で700Wの印加電
力で高周波電界を放電空間7に印加して複数のストリー
マを発生させ、プラズマ放出口12からプラズマを被処
理物の表面に噴射してプラズマ処理を行った。これらの
実施例では、ストリーマを均一化するために、スリット
幅が1mmで、且つガス導入口10の開口面積がガス導
入口直下における筒状容器の断面積よりも小さい筒状容
器1を使用した。
【0132】プラズマ処理は、プラズマ放出口12の下
流側3mmの位置に被処理物8を配置し、被処理物を筒
状容器1の横長断面の横方向と直交する方向に10mm
/秒で移動させて行った。被処理物8としては銅板を用
いた。これらの実施例において、プラズマ処理中、被処
理物8とプラズマジェットの間にアーク放電が生じるか
どうかを観察した。結果を表10に示す。
【0133】
【表10】
【0134】表10に示すように、実施例33のように
希ガスにヘリウムを全く含有していない場合、被処理物
とプラズマジェットの間にアーク放電の発生が観察され
た。また、実施例35では、ヘリウムを全く含有してい
ないにもかかわらず、被処理物とプラズマジェットの間
にはアーク放電が生じなかった。このことは、実施例3
5の処理効果均一手段は、アーク抑制効果としても機能
することを示している。 実施例36 本実施例では、図20に示すプラズマ点火手段70を有
するプラズマ処理装置を使用した。筒状容器1は、石英
製であり、スリット幅(SW)1mm、スリット長(S
L)56mm、高さ(H)80mmであり、ガス導入口
10の開口幅及び開口長さをそれぞれ1mmおよび16
mmとした。また、上部の電極2が高圧電極、下部の電
極3が低圧電極となるように、インピーダンス整合器8
0を介して高周波電源4に電極を接続した。また、図2
0に示すように、プラズマ点灯手段としての殺菌灯70
を電極の一側に略平行に配置した。その他の構成は実施
例1と同じである。
【0135】このプラズマ処理装置において、大気圧
下、ヘリウムを2リットル/分、アルゴンを10リット
ル/分、酸素を0.4リットル/分の割合で混合したス
トリーマ生成ガスを供給し、13.56MHzの周波数
で400Wの印加電力で高周波電界を放電空間7に印加
して複数のストリーマを発生させることを試みた。
【0136】プラズマを点火するために紫外光を放射す
る放電ランプ(例えば、殺菌灯70)から提供される光
を放電空間7に照射した場合は、電極2,3間に印加す
る電圧を約3kVとすれば放電を開始させることができ
たが、プラズマ点火手段70を使用しないでプラズマを
点灯させるには電極間に5kV以上もの高電圧を印加す
る必要があった。この結果は、プラズマ点火手段70の
使用が放電空間に印加すべき電圧を大幅に低下させるこ
とができることを示している。すなわち、電源4により
電極にACあるいはパルス電圧が印加された条件下で該
放電ランプの紫外線を放電空間7に照射することによ
り、放電空間中の電子数を増加させることができ、結果
として、放電空間内で放電ガスの電離を促進し、放電を
容易に開始させることができる。 実施例37 本実施例では、図16に示す構成のプラズマ処理装置を
使用した。筒状容器1は、板厚1mmの石英ガラス製
で、スリット幅(SW)が1mm、ガス導入口10側の
スリット長(SL)が85mm、プラズマ放出口12側
のスリット長(SL)が56mm、高さ(H)が80m
m、筒軸方向と側壁15のなす壁面傾斜角θが10.3
度で、筒状容器1の筒軸方向の下流側に向かうほど流路
断面積が小さくなるように台形形状の一対の前壁および
後壁13、14と矩形形状の一対の側壁15とで形成さ
れている。すなわち、本実施例の装置は、上記した処理
効果均一化手段(f)を具備しているのである。尚、ガ
ス導入口10の開口幅および開口長さはそれぞれ1mm
および24mmである。その他の構成については実施例
1と同じである。
【0137】本実施例のプラズマ処理装置において、大
気圧下、ヘリウムを2リットル/分、アルゴンを10リ
ットル/分、酸素を0.4リットル/分の割合で混合し
たストリーマ生成ガスを供給し、パルス状の電界を放電
空間7に印加して複数のストリーマを発生させ、プラズ
マ放出口12からプラズマを被処理物の表面に噴射して
プラズマ処理を行った。ストリーマを均一化するため
に、ストリーマ生成ガスの筒状容器の軸方向におけるガ
ス流速を5m/秒以上とするとともに、スリット幅が1
mmで、ガス導入口10の開口面積(24mm2)をガ
ス導入口直下における筒状容器の断面積(85mm2
よりも小さい筒状容器1を使用した。
【0138】印加したパルス電圧波形を図26に示す。
また、波形パラメータは、周波数(fr)は120kH
z、立ち上り時間(tr)は70nsec、周期(T)
は、8.3μsec、パルス巾(tp)は280nse
c、ピークトゥピーク電圧(Vp p)は5.5kVであ
る。被処理物にはネガ型フィルムレジストを1μmの厚
みで塗布したシリコン基板を用いた。プラズマ処理後、
レジストのエッチング深さを測定してその平均値を求め
たところ、450Åであった。
【0139】
【発明の効果】上記したように、本発明は、均一なプラ
ズマ処理を高い処理速度で被処理物に施すことに成功し
た。すなわち、プラズマ均一化手段を具備するプラズマ
処理装置を使用すること、および/あるいはプラズマ均
一化ステップを含むプラズマ処理方法を実施することに
より、筒状容器内に発生させた多数のストリーマを筒状
容器の横長断面の横方向において均一化することができ
た。
【0140】したがって、本発明のプラズマ処理装置お
よびプラズマ処理方法は、被処理物の表面に存在する有
機物や有機汚れ等のアッシングやクリーニング、レジス
トの剥離やエッチング、フィルムや成形品の表面改質、
水や半田などの濡れ性の改善、接着性・密着性の改善、
金属酸化物の還元、殺菌・滅菌、製膜などの広い分野に
おいて利用可能であって、特に、精密な接合が要求され
る電子部品や半導体部品の表面クリーニングや表面改質
に好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のプラズマ処理装置の一例を
示す概略斜視図であり、(b)は筒状容器の横断面図で
ある。
【図2】(a)は、ストリーマ生成用の電極配置を示す
概略断面図であり、(b)はグロー放電生成用の電極配
置を示す概略断面図である。
【図3】(a)は、本発明のプラズマ処理装置の他例を
示す概略斜視図であり、(b)および(c)はガス導入
口の開口面積(S2)とガス導入口直下の筒状容器の断面積
(S1)の位置を示す部分斜視図および部分断面図である。
【図4】図3のプラズマ処理装置内におけるガスの流れ
を示す概略図である。
【図5】(a)は、非放電時におけるプラズマ放出口で
のガス流速分布を示す図であり、(b)放電時における
プラズマ放出口でのガス流速分布を示す図である。
【図6】(a)は、図3のプラズマ処理装置の筒状容器
の平面図であり、(b)は(a)の筒状容器の軸方向に
おけるガス流速変化を示す図である。
【図7】本発明の乱流生成部材を具備するプラズマ処理
装置の概略斜視図である。
【図8】プラズマ放出口と被処理物との間の距離(照射
距離)による処理効果の変化を示す図である。
【図9】本発明の処理効果均一手段を具備するプラズマ
処理装置の概略斜視図である。
【図10】本発明の別の処理効果均一手段を具備するプ
ラズマ処理装置の概略斜視図である。
【図11】本発明のさらに別の処理効果均一手段を具備
するプラズマ処理装置の概略斜視図である。
【図12】図11のプラズマ処理装置のプラズマ放出口
におけるガス流速分布を示す図である。
【図13】本発明の別の処理効果均一手段を具備するプ
ラズマ処理装置の概略斜視図である。
【図14】(a)は、本発明の処理効果均一手段として
粗面化領域を有する筒状容器を用いたプラズマ処理装置
の概略斜視図であり、(b)は同筒状容器の粗面化領域
を示す平面図である。
【図15】(a)は、本発明の処理効果均一手段を具備
するプラズマ処理装置の概略斜視図であり、(b)は同
装置の筒状容器の断面図であり、(c)〜(g)は筒状
容器の断面形状の他例を示す図である。
【図16】(a)は、本発明のさらに別の処理効果均一
手段を具備するプラズマ処理装置の概略斜視図であり、
(b)は同プラズマ処理装置内のストリーマ生成ガスの
流れを示す図である。
【図17】(a)は、本発明のさらに別の処理効果均一
手段を具備するプラズマ処理装置の概略斜視図であり、
(b)は、同装置の筒状容器の断面図である。
【図18】本発明のヘッダーを具備するプラズマ処理装
置の概略斜視図である。
【図19】本発明のプラズマ点火手段を具備するプラズ
マ処理装置の概略斜視図である。
【図20】本発明の別のプラズマ点火手段を具備するプ
ラズマ処理装置の概略斜視図である。
【図21】(a)〜(j)は、筒状容器内に生成された
複数のストリーマが均一化されない場合の放電状態の時
間変化を示す写真である。
【図22】(a)〜(j)は、筒状容器内に生成された
複数のストリーマを均一化した場合(本発明)の放電状
態の時間変化を示す写真である。
【図23】比較例1で使用したプラズマ処理装置(従来
例)の概略斜視図である。
【図24】プラズマ処理効果を評価するために実施例1
9〜25で使用された被処理物の概略斜視図である。
【図25】プラズマ処理効果を評価するために実施例2
6〜31で使用された被処理物の概略斜視図である。
【図26】実施例37において印加したパルス電圧波形
を示す図である。
【符号の説明】
1 筒状容器 2、3 電極 4 電源 7 放電空間 8 被処理物 10 ガス導入口 12 プラズマ放出口 13 前壁 14 後壁 15 側壁 21、31 矩形開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 康志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中園 佳幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 田口 典幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 仲野 章生 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA61 BC06 BC10 CA15 CA62 CA63 DA02 EB42 EC21 EE02 FB02 FB04 FB06 FC06 FC15 5F004 AA14 BA11 BB11 BD01 DA00 DA22 DA23 DA26 DB26 EB02

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構成を具備することを特徴とする
    プラズマ処理装置:横長断面を有し、一端にガス導入口
    および他端にプラズマ放出口を有する電気絶縁材料製の
    筒状容器;一対の電極、前記一対の電極は交流電圧及び
    パルス電圧のいずれかを電極間に印加する時、筒状容器
    の略軸方向に電気力線が形成されるように筒状容器のま
    わりに配置される;前記ガス導入口を介してストリーマ
    生成ガスを前記筒状容器内に供給するガス供給手段;前
    記筒状容器内に前記ガスの複数のストリーマを生成する
    ために前記電極間に交流電圧及びパルス電圧を印加する
    ための電源;および前記筒状容器の横長断面の横方向に
    おいて前記複数のストリーマを均一化するプラズマ均一
    化手段。
  2. 【請求項2】 上記プラズマ均一化手段は、ガス導入口
    の開口面積をガス導入口直下における筒状容器の断面積
    よりも小さくなるように形成した上記筒状容器によって
    提供されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    処理装置。
  3. 【請求項3】 上記プラズマ均一化手段は、上記筒状容
    器内に配置され、筒状容器内にストリーマ生成ガスの乱
    流を形成可能な形状を有する乱流生成部材でなることを
    特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 上記プラズマ均一化手段は、上記横長断
    面が1〜5mmの内部幅寸法を有するように形成された
    筒状容器によって提供されることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 上記一対の電極は、一対のリング状電極
    であって、一方の電極が上記筒状電極の軸方向に2mm
    もしくはそれ以上、20mm未満の距離で他方の電極か
    ら離して上記筒状電極のまわりに配置されることを特徴
    とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 被処理物上におけるプラズマ処理効果の
    均一性を高める処理効果均一手段をさらに具備すること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 上記処理効果均一手段は、被処理物の被
    処理面の凹凸に基づいて筒状容器の高さ寸法を前記筒状
    容器の横長断面の横方向において変化させた上記筒状容
    器によって提供されることを特徴とする請求項6に記載
    のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 上記処理効果均一手段は、プラズマ放出
    口から放出されるストリーマ生成ガスが被処理物の被処
    理面の凹凸形状に基づいて決定される流速分布を有する
    ように形成した少なくとも2個以上のガス導入口を有す
    る上記筒状容器によって提供されることを特徴とする請
    求項6に記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 上記処理効果均一手段は、上記筒状容器
    の軸方向に垂直な断面積がその軸方向において変化する
    ように形成された上記筒状容器によって提供されること
    を特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】 上記筒状容器は、台形形状の一対の前
    壁および後壁と一対の側壁とで形成されることを特徴と
    する請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】 上記処理効果均一手段は、プラズマ放
    出口から放出されるストリーマ生成ガスが被処理物の被
    処理面の凹凸に基づいて決定される流速分布を有するよ
    うにその内表面に粗面化領域を設けた上記筒状容器によ
    って提供されることを特徴とする請求項6に記載のプラ
    ズマ処理装置。
  12. 【請求項12】 上記処理効果均一手段は、プラズマ放
    出口から放出されるストリーマ生成用ガスが被処理物の
    被処理面の凹凸に基づいて決定される流速分布を有する
    ように形成した筒軸方向に垂直な断面形状を有する上記
    筒状容器によって提供されることを特徴とする請求項6
    に記載のプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】 上記筒状容器は、筒状容器の軸方向に
    垂直な断面積がプラズマ放出口に向かって徐々に減少す
    るように台形形状の一対の前壁および後壁と一対の側壁
    とで形成され、筒軸方向と前記側壁のなす角度が2〜3
    0度の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の
    プラズマ処理装置。
  14. 【請求項14】 上記筒状容器の横長断面は、その中心
    から横方向にその両端に向かって広くなる幅を有し、中
    心幅(SWC)と端部幅(SWE)の比が0.8≦ SWC
    /SWE <1であることを特徴とする請求項6に記載の
    プラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】 上記筒状容器内において上記複数のス
    トリーマの生成を開始させるためのプラズマ点火手段を
    さらに具備することを特徴とする請求項1に記載のプラ
    ズマ処理装置。
  16. 【請求項16】 一端にガス導入口および他端にプラズ
    マ放出口を有し、横長断面を有する電気絶縁材料製の筒
    状容器にストリーマ生成ガスを供給するステップと、前
    記筒状容器の略軸方向に電気力線が形成されるように配
    置された一対の電極間に、交流電圧及びパルス電圧のい
    ずれかを印加して大気圧もしくはその近傍の圧力下で前
    記筒状容器内に複数のストリーマを生成するステップ
    と、前記筒状容器の横長断面の横方向において前記複数
    のストリーマを筒状容器内に均一に分散させるステップ
    と、前記筒状容器のプラズマ放出口から提供されるプラ
    ズマで被処理物を処理するステップとを具備することを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  17. 【請求項17】 上記複数のストリーマを均一化するス
    テップは、上記筒状容器内のストリーマ生成ガスの流れ
    が非放電時において1700もしくはそれ以上のレイノ
    ルズ数を有するようにストリーマ生成ガスを筒状容器に
    供給することにより実施されることを特徴とする請求項
    16に記載のプラズマ処理方法。
  18. 【請求項18】 上記複数のストリーマを均一化するス
    テップは、ストリーマ生成用ガスの前記筒状容器の軸方
    向におけるガス流速が5m/秒もしくはそれ以上となる
    ようにストリーマ生成ガスを筒状容器に供給することに
    より実施されることを特徴とする請求項16に記載のプ
    ラズマ処理方法。
  19. 【請求項19】 上記ストリーマ生成ガスは、希ガスを
    含有することを特徴とする請求項16に記載のプラズマ
    処理方法。
  20. 【請求項20】 上記希ガスは、アルゴンであることを
    特徴とする請求項19に記載のプラズマ処理方法。
  21. 【請求項21】 上記ストリーマ生成ガスは、アルゴン
    ガスを30体積%もしくはそれ以上含有することを特徴
    とする請求項20に記載のプラズマ処理方法。
  22. 【請求項22】 上記ストリーマ生成ガスは、酸素換算
    で1体積%もしくはそれ以上の酸化性ガスを含有するこ
    とを特徴とする請求項16に記載のプラズマ処理方法。
  23. 【請求項23】 上記ストリーマ生成ガスは、1体積%
    もしくはそれ以上の水素を含有することを特徴とする請
    求項16に記載のプラズマ処理方法。
  24. 【請求項24】 上記ストリーマ生成ガスは、3体積%
    もしくはそれ以上のヘリウムを含有することを特徴とす
    る請求項16に記載のプラズマ処理方法。
  25. 【請求項25】 以下の構成を具備することを特徴とす
    るプラズマ処理装置:一端にガス導入口および他端にプ
    ラズマ放出口を有する電気絶縁材料製の筒状容器;一対
    の電極;前記ガス導入口を介してプラズマ生成ガスを前
    記筒状容器内に供給するガス供給手段;前記筒状容器内
    に前記ガスのプラズマを生成するために前記電極間に交
    流電圧及びパルス電圧のいずれかを印加するための電
    源;および被処理物上におけるプラズマ処理効果の均一
    性を高める処理効果均一手段。
  26. 【請求項26】 筒状容器内に大気圧もしくはその近傍
    の圧力下で発生させた複数のストリーマを筒状容器の軸
    方向に垂直な方向において均一化することによって得ら
    れるプラズマで被処理物を処理するためのプラズマ処理
    装置。
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