JP2006273194A - エアバッグドア部を有する表皮材付き内装品の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に隆起や落ち込みがなくて見映えのよいエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品を効率的に成形する。
【解決手段】先端部39aに電熱線39bが設けられた溝形成刃39を裏面成形型29内に後退させた状態で、キャビティ31内に溶融樹脂Rを射出充填する。その後、溝形成刃39の先端部39aをキャビティ31内に進出させる。そして、成形表皮4に達する直前に電熱線39bを加熱し、成形表皮4に押し付けて溶融させて、その表面に達しないように成形表皮4と基材2とにまたがる切り込み溝21を形成して破断予定部23を形成する。
【選択図】図4
【解決手段】先端部39aに電熱線39bが設けられた溝形成刃39を裏面成形型29内に後退させた状態で、キャビティ31内に溶融樹脂Rを射出充填する。その後、溝形成刃39の先端部39aをキャビティ31内に進出させる。そして、成形表皮4に達する直前に電熱線39bを加熱し、成形表皮4に押し付けて溶融させて、その表面に達しないように成形表皮4と基材2とにまたがる切り込み溝21を形成して破断予定部23を形成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両衝突時にエアバッグ装置の作動で開くエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品の成形方法に関するものである。
従来より、破断予定部が内装品表面側から識別できない、いわゆるシームレスタイプのエアバッグドア部を有し、表皮材の裏面に樹脂基材が一体に形成された表皮材付き内装品の成形方法は知られている(例えば、特許文献1参照)。この成形方法では、予め裏面成形型の破断予定部と対応する位置に尖った突起を形成する一方、表面成形型の裏面に2層の表皮材を配置し、型締めにより裏面成形型の突起を表皮材に押し付けて、裏側の表皮材に切り込みを入れて切り込み溝を形成した後、キャビティ内に溶融樹脂を射出し、この裏面成形型の突起によって切り込み溝の形成されたエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品を得るようにしている。
特開平9−300400号公報
しかしながら、上記特許文献1では、予め裏面成形型に設けた突起を型締め時に表皮材に押し付けて切り込み溝を形成しているため、突起の圧力が切り込み溝の先端に作用して、表皮の表面に隆起や落ち込みが生ずる場合がある。また、切り込み溝を形成するときに、溶融樹脂の流れが突起に遮られてしまい、切り込み溝の内側のキャビティ内に溶融樹脂が行き渡りにくく、充填時間が長くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表面に隆起や落ち込みがなくて見映えのよいエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品を効率的に成形することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、切り込み溝形成手段の先端部に電熱線を設け、先端部が表皮材に達する直前に電熱線を加熱して、この電熱線で表皮材を溶融させて、その表面に達しないように表皮材と樹脂基材とにまたがる切り込み溝を形成するようにした。
具体的には、この発明は、表面成形型の成形面に表皮材を配置して型締めした後、該表皮材の裏面と裏面成形型との間に溶融樹脂を射出し、該表皮材の裏面に樹脂基材を一体に形成して、エアバッグ膨出時に展開するエアバッグドア部を形成する表皮材付き内装品を成形する方法を対象とする。
そして、先端部に電熱線が設けられ、上記エアバッグドア部を囲みエアバッグ膨出時に破断する破断予定部を形成するための切り込み溝形成手段を、上記表面成形型に配置された表皮材に対して進退可能に上記裏面成形型に配置し、上記先端部を該裏面成形型内に後退させた状態で上記表皮材の裏面と裏面成形型との間のキャビティ内に上記溶融樹脂を射出充填した後、上記切り込み溝形成手段の先端部を上記キャビティ内に進出させ、上記表皮材に達する直前に上記電熱線を加熱し、該表皮材に押し付けて溶融させ、その表面に達しないように該表皮材と上記樹脂基材とにまたがる切り込み溝を形成し、上記電熱線の加熱を止め、上記切り込み溝形成手段の先端部を上記裏面成形型内に後退させた後、上記溶融樹脂の射出充填後にキャビティ内に作用させる保圧で、上記切り込み溝を構成する側面同士が接した破断予定部を形成し、上記溶融樹脂を冷却後に脱型する構成とする。
上記の成形方法によれば、切り込み溝形成手段の先端部を裏面成形型内に後退させた状態で溶融樹脂を射出充填しているため、溶融樹脂の流れが切り込み溝形成手段に遮られることなく、溶融樹脂がスムーズにキャビティ内の隅々まで行き渡り、充填時間を短縮できる。また、切り込み溝形成手段を進出させてこの先端部が表皮材に達する直前に、先端部に設けた電熱線を加熱し、表皮材を溶融させて切り込み溝を形成している。このため、表皮材を溶融させながら切り込みを入れるので、先端部が表皮材内に進出することで表皮材に作用する圧力は、切断して切り込みを入れる場合に比べて表皮材の切り込み溝の先端に大きく作用することがなく、表面に隆起や落ち込みがなくて見映えのよい表皮材付き内装品を成形することができる。これと共に、表皮材に切り込みを入れるために必要な部分のみを瞬時に加熱して、切り込み溝形成手段の動きを止めずに表皮材と樹脂基材とにまたがる切り込み溝を形成することができるので、成形サイクルを簡略化し、効率的に内装品を成形することができる。
そして、切り込み溝形成手段を切り込み溝から後退させ、切り込み溝を構成する側面同士をある程度冷却した状態で、両側面が接した破断予定部を形成するようにしている。このため、成形後に切り込み溝の空間の大部分がなくなるので、断面変化によるヒケが表面に表れるのを防ぐことができる。さらに、内装品に温度変化が生じたときに、熱膨張による延びを切り込み溝の空間で吸収することはないので、表面の落ち込みを防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−インストルメントパネルの構成−
図1は本発明の実施形態に係るエアバッグドア部付き内装品としてのインストルメントパネル1の助手席前方部分を示す。図2は図1のII−II線における断面図である。
図1は本発明の実施形態に係るエアバッグドア部付き内装品としてのインストルメントパネル1の助手席前方部分を示す。図2は図1のII−II線における断面図である。
上記インストルメントパネル1は、成形表皮4とこの裏面に一体に形成された基材2とからなる2層構造を有し、この基材2裏面の助手席前方に対応する箇所には、樹脂製の筒状枠体3が振動溶着により固定されている。この枠体3内部の上端には、2枚のフラップ5が車体前方側と後方側とに設けたヒンジ部7を介して一体に形成されている。これらフラップ5と上記枠体3との間には、平面視略H字状の隙間9が形成されるようになっている。この隙間9及びヒンジ部7を除いた枠体3表面及びフラップ5表面が基材2裏面に振動溶着されている。そして、各フラップ5はエアバッグ装置11の作動でヒンジ部7を中心にそれぞれ開くようになっている。上記枠体3内部の下端側には、エアバッグ装置11が取り付けられている。
上記エアバッグ装置11は、エアバッグケース13を備え、このエアバッグケース13内には、折り畳んだ状態のエアバッグ15とインフレータ17とが収納されている。また、上記エアバッグケース13の車体前方側及び後方側には複数の係止プレート19が取り付けられ、これらの係止プレート19先端の係止爪19aを上記枠体3の車体前側壁部3a及び車体後側壁部3bに形成された複数の係合孔3cに係合させることにより、上記エアバッグ装置11が枠体3に取り付けられている。
上記インストルメントパネル1の成形表皮4裏面側と基材2とのエアバッグ装置11に対応する位置には、切り込み溝21が上記H字状の隙間9と両フラップ5のヒンジ部7とに対応する平面視略B字状に、かつ成形表皮4の表面に達しないように成形表皮4と基材2とにまたがって形成されている。具体的には、図4(e)に示すように、上記切り込み溝21は、これを構成する側面21a同士が接した状態にあり、その断面は直線状になっている。
上記インストルメントパネル1の切り込み溝21よりも表面側の、薄肉の成形表皮4部分によって破断予定部23が形成されている。また、この破断予定部23で囲まれる領域でエアバッグドア部25が構成されている。この破断予定部23がエアバッグ15膨出時の展開圧力で破断するようになっている。
上記切り込み溝21で形成されたエアバッグドア部25は、切り込み溝21がインストルメントパネル1表面側から識別できない、いわゆるシームレスタイプとなっている。
−成形型の構成−
次に、上述の如く構成されたインストルメントパネル1を成形する成形型26について説明する。
次に、上述の如く構成されたインストルメントパネル1を成形する成形型26について説明する。
図3に示すように、上記成形型26は、エアバッグドア部25の表面側を成形する固定型としての表面成形型27と、エアバッグドア部25の裏面側を成形する可動型としての裏面成形型29とを備えている。上記表面成形型27と裏面成形型29とを型締めした状態で各々の成形面27a,29a間にインストルメントパネル1を成形するためのキャビティ31が形成されている。
上記裏面成形型29の内部には、収容空間33が設けられ、この収容空間33内には矩形板状の支持プレート35が配置されている。この支持プレート35は、裏面成形型29背面に固定された油圧シリンダ37のピストンロッド37aの先端に連結されている。
上記支持プレート35上面には、切り込み溝形成手段としての溝形成刃39が取り付けられている。この溝形成刃39は、複数の薄い略矩形状金属板からなり、各金属板が支持ブロック41と押さえ板43とによって、その基端側を狭持された状態で、上記切り込み溝21に対応するように配設されている。つまり、高さのほぼ等しい金属板が車体前後方向に3枚配設されると共に、2枚の金属板が上記3枚の金属板を両側から挟むように配設されている。金属板の構成は、これに限定されず、一部又は全部が一体に形成されたものでもよい。また、溝形成刃39の先端部39aの先端のほぼ全域にわたって、直線ごとに電熱線39bが設けられている。各直線状の電熱線39bの両端は、図示しない加熱装置に接続されている。なお、溝形成刃39の先端部39aは、電熱線39bの電気を遮断する非伝導体で覆われている。
図4(a)及び(d)に示すように、上記溝形成刃39は、油圧シリンダ37の収縮作動により、溝形成刃39の先端部39aが上記裏面成形型29の成形面29aに没入するように、裏面成形型29に後退する。一方、図4(c)に示すように、油圧シリンダ37の伸長作動により、表面成形型27の成形面27aと溝形成刃39の電熱線39bとの間に所定の間隔Lがあくように、溝形成刃39が成形表皮4内の破断予定部形成位置Pに進出するように構成されている。
−インストルメントパネルの成形方法−
次に、上述の如く構成された成形型26によりエアバッグドア部25を有するインストルメントパネル1の成形方法について説明する。
次に、上述の如く構成された成形型26によりエアバッグドア部25を有するインストルメントパネル1の成形方法について説明する。
まず、予め所定の形状に成形された成形表皮4を表面成形型27の成形面27aに配置する。
次に、図3に示すように、表面成形型27に対して裏面成形型29を接近させて型締めする。この状態で油圧シリンダ37は収縮作動している。つまり、図4(a)に示すように、溝形成刃39の先端部39aは、裏面成形型29側に後退して裏面成形型29に没入している。
次いで、充填圧をかけながら、溶融樹脂Rを上記キャビティ31内に射出して充填する。図5に示すように、充填時間は例えば3秒間である。この間、溝形成刃39がキャビティ31内に突出していないので、溶融樹脂Rの流れが溝形成刃39に遮られることなくスムーズにキャビティ31内の隅々までに行き渡る。このことで、充填時間ひいては成形サイクルを短縮することができる。また、溶融樹脂Rの流れが溝形成刃39に衝撃を与えることがなく、溝形成刃39への負担が少なく、その耐久性を向上させることができる。
その後、図4(b)及び(c)に示すように、溶融樹脂Rがキャビティ31内に充填した後、上記充填圧を除去し、油圧シリンダ37を伸長作動させ、溝形成刃39を上記キャビティ31内に進出させる。この溝形成刃39の進出のタイミングは、例えば溶融樹脂Rを射出して、充填してから1秒後である。充填圧を取り除いた状態とは、溶融樹脂Rを射出充填したときの射出圧力を積極的に保持せず、溶融樹脂Rの冷却などによりキャビティ31の充填圧が低下する場合をいう。この充填圧を除去した時間は、例えば、溶融樹脂Rを射出充填した後、6秒間である。これにより、キャビティ31内の溶融樹脂Rは、半凝固状態となる。
上記溝形成刃39をキャビティ31内に進出させ、その移動を止めないまま、図4(b)に示すように、溝形成刃39の電熱線39bが成形表皮4に達する直前に電熱線39bに通電して加熱する。ここで、電熱線39bが成形表皮4に達する直前に電熱線39bを加熱するとは、電熱線39bが成形表皮4の裏面に接する前に加熱を開始して、接するときに電熱線39bの温度が成形表皮4の融点以上に加熱されている状態にすることをいう。したがって、この加熱のタイミングは、成形表皮4の融点及び電熱線39bの加熱効率により異なる。そして、図4(c)に示すように、表面成形型27の成形面27aと電熱線39bとの間が所定の間隔Lとなる位置まで、溝形成刃39を上記成形表皮4内の破断予定部形成位置Pに進出させる。このとき、溝形成刃39の先端部39aの電熱線39bが成形表皮4を溶融しながら進出し、成形表皮4に切り込みが入れられる。
上記溝形成刃39が破断予定部形成位置Pに進出した直後に、電熱線39bの通電を切り加熱を止める。そして、上記溝形成刃39の進出工程から所定の時間経過した後、具体的には、溝形成刃39をキャビティ31内に進出させてから4秒後、図4(d)に示すように、油圧シリンダ37を収縮作動させる。この溶融樹脂Rが未だ完全に固化しない冷却進行過程に溝形成刃39を先端部39aが上記裏面成形型29の成形面29aに没入するように、裏面成形型29側に後退させる。この段階では、キャビティ31内の溶融樹脂Rには充填圧がかかっていないので、溝形成刃39のあとに成形表皮4と基材2とにまたがる空間21cが残っている。ここで、電熱線39bは加熱により瞬時に上記成形表皮4の融点以上の温度となり、加熱を止めるとその温度が急速に下がる。このため、溝形成刃39を必要以上に加熱することなく、半凝固状態となっている溶融樹脂Rを溶かさずに成形表皮4と基材2とに切り込みを入れることができ、溝形成刃39の後退時に、溝形成刃39に溶融樹脂Rが付着して悪影響を与えることはない。
上記溝形成刃39が後退してから1秒後に溶融樹脂Rに再び圧力をかけて樹脂圧が下がらないように保圧状態とする。この保圧状態は、例えば4.5秒間である。すると、図4(e)に示すように、切り込み溝21の両側面21aに保圧による圧力が発生して、両側面21aを閉じようとするので、切り込み溝21の空間21cが埋まる。このとき、切り込み溝21の両側面21aは、溝形成刃39に接している時間及び保圧状態で接するまでの時間でほぼ固化しているので、両側面21a同士が溶着するのを防ぐことができ、溶着を防ぐために溝形成刃39を冷却する装置を別途設ける必要がなくなる。これにより、キャビティ31内で溶融樹脂R内の固化が型崩れしない程度まで進行し、裏面に成形表皮4と基材2とにまたがる切り込み溝21が形成されたインストルメントパネル1が成形され、上記切り込み溝21に対応する破断予定部23で囲まれる領域でエアバッグドア部25が構成される。
なお、溝形成刃39の進出の際に、必ずしも充填圧を除去しなくてもよく、溶融樹脂Rを射出充填したときの射出圧力を保持したまま、溶融樹脂Rを半凝固状態としてもよい。すなわち、少なくとも溶融樹脂Rが半凝固状態で溝形成刃39を後退させた後に、保圧が作用して切り込み溝21を構成する側面21a同士が接した破断予定部23が形成されるようにしてもよい。この場合も、溝形成刃39が必要以上に加熱されていないため、両側面21a同士が溶着するのを防ぐことができる。
そして、成形されたインストルメントパネル1の形状が安定するまで冷却した後、インストルメントパネル1を脱型する。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態によると、溝形成刃39の先端部39aを裏面成形型29内に後退させた状態で溶融樹脂Rを射出充填している。このため、溶融樹脂Rの流れが溝形成刃39に遮られることなく、溶融樹脂Rがスムーズにキャビティ31内の隅々まで行き渡り、充填時間を短縮できる。また、溝形成刃39を進出させてこの先端部39aが成形表皮4に達する直前に先端部39aに設けた電熱線39bを加熱し、成形表皮4を溶融させて切り込み溝21を形成している。このため、成形表皮4を溶融させながら切り込みを入れるので、先端部39aが成形表皮4内に進出することで成形表皮4に作用する圧力は、切断して切り込みを入れる場合に比べて成形表皮4の切り込み溝21の先端に大きく作用することがなく、表面に隆起や落ち込みがなくて見映えのよいインストルメントパネル1を成形することができる。これと共に、成形表皮4に切り込みを入れるために必要な部分のみを瞬時に加熱して、溝形成刃39の動きを止めずに成形表皮4と基材2とにまたがる切り込み溝21を形成することができるので、成形サイクルを簡略化し、効率的にインストルメントパネル1を成形することができる。
したがって、本実施形態によると、溝形成刃39の先端部39aを裏面成形型29内に後退させた状態で溶融樹脂Rを射出充填している。このため、溶融樹脂Rの流れが溝形成刃39に遮られることなく、溶融樹脂Rがスムーズにキャビティ31内の隅々まで行き渡り、充填時間を短縮できる。また、溝形成刃39を進出させてこの先端部39aが成形表皮4に達する直前に先端部39aに設けた電熱線39bを加熱し、成形表皮4を溶融させて切り込み溝21を形成している。このため、成形表皮4を溶融させながら切り込みを入れるので、先端部39aが成形表皮4内に進出することで成形表皮4に作用する圧力は、切断して切り込みを入れる場合に比べて成形表皮4の切り込み溝21の先端に大きく作用することがなく、表面に隆起や落ち込みがなくて見映えのよいインストルメントパネル1を成形することができる。これと共に、成形表皮4に切り込みを入れるために必要な部分のみを瞬時に加熱して、溝形成刃39の動きを止めずに成形表皮4と基材2とにまたがる切り込み溝21を形成することができるので、成形サイクルを簡略化し、効率的にインストルメントパネル1を成形することができる。
そして、溝形成刃39を切り込み溝21から後退させ、切り込み溝21を構成する側面21a同士をある程度冷却した状態で、両側面21aが接した破断予定部23を形成するようにしている。このため、成形後に切り込み溝21の空間21cの大部分がなくなるので、断面変化によるヒケが表面に表れるのを防ぐことができる。さらに、インストルメントパネル1に温度変化が生じたときに、熱膨張による延びを切り込み溝21の空間21cで吸収することはないので、表面の落ち込みを防ぐことができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、切り込み溝形成手段を金属板よりなる溝形成刃39としたが、多数のブロックで構成してもよい。
また、上記各実施形態では、破断予定部23を平面視略B字状に設けたが、平面視略矩形枠状に設けた、片開き状のドア部としてもよい。
上記各実施形態では、エアバッグ装置11を運転席側方の助手席前方に配置されたフロントエアバッグ装置とし、エアバッグ装置11が車両前後方向からの衝撃から乗員を保護するようにしたが、本発明は、運転者を保護するためにステアリングハンドルのパッドに適応することができる。その他、本発明は、センターピラーガーニッシュなどの車両用内装品にエアバッグ装置を装備した場合にも適応することができる。
以上説明したように、本発明は、インストルメントパネルなどのエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品の成形方法について有用である。
R 溶融樹脂
1 インストルメントパネル(内装品)
2 基材(樹脂基材)
4 成形表皮(表皮材)
15 エアバッグ
21 切り込み溝
23 破断予定部
25 エアバッグドア部
27 表面成形型
27a 成形面
29 裏面成形型
31 キャビティ
39 溝形成刃(切り込み溝形成手段)
39a 先端部
39b 電熱線
1 インストルメントパネル(内装品)
2 基材(樹脂基材)
4 成形表皮(表皮材)
15 エアバッグ
21 切り込み溝
23 破断予定部
25 エアバッグドア部
27 表面成形型
27a 成形面
29 裏面成形型
31 キャビティ
39 溝形成刃(切り込み溝形成手段)
39a 先端部
39b 電熱線
Claims (1)
- 表面成形型の成形面に表皮材を配置して型締めした後、該表皮材の裏面と裏面成形型との間に溶融樹脂を射出し、上記表皮材の裏面に樹脂基材を一体に形成して、エアバッグ膨出時に展開するエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品を成形する方法であって、
先端部に電熱線が設けられ、上記エアバッグドア部を囲みエアバッグ膨出時に破断する破断予定部を形成するための切り込み溝形成手段を、上記表面成形型に配置された表皮材に対して進退可能に上記裏面成形型に配置し、上記先端部を該裏面成形型内に後退させた状態で上記表皮材の裏面と裏面成形型との間のキャビティ内に上記溶融樹脂を射出充填した後、
上記切り込み溝形成手段の先端部を上記キャビティ内に進出させ、上記表皮材に達する直前に上記電熱線を加熱し、該表皮材に押し付けて溶融させ、その表面に達しないように該表皮材と上記樹脂基材とにまたがる切り込み溝を形成し、
上記電熱線の加熱を止め、上記切り込み溝形成手段の先端部を上記裏面成形型内に後退させた後、
上記溶融樹脂の射出充填後にキャビティ内に作用させる保圧で、上記切り込み溝を構成する側面同士が接した破断予定部を形成し、
上記溶融樹脂を冷却後に脱型することを特徴とするエアバッグドア部を有する表皮材付き内装品の成形方法。
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2005
- 2005-03-30 JP JP2005097352A patent/JP2006273194A/ja active Pending
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