JP2006266048A - 橋梁用複合支承 - Google Patents

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JP2006266048A JP2005093861A JP2005093861A JP2006266048A JP 2006266048 A JP2006266048 A JP 2006266048A JP 2005093861 A JP2005093861 A JP 2005093861A JP 2005093861 A JP2005093861 A JP 2005093861A JP 2006266048 A JP2006266048 A JP 2006266048A
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Yasuhisa Hishijima
康久 比志島
Keiichi Honma
慶一 本間
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Abstract

【課題】凹状ポット部に雨水や塵芥等が入り込むことがなく、シールリングが不要であり、低コストで製作でき、さらに上揚力がとれる橋梁用複合支承を提供する。
【解決手段】積層ゴム支承部1と、積層ゴム支承部1上に設けられる密閉ゴム支承板支承部2とからなる橋梁用複合支承であって、密閉支承板支承部2は、下向きに開口する凹状ポット部18が形成された上沓15と、凹状ポット部18に密閉して収容された圧縮ゴム板16と、凹状ポット部16に圧縮ゴム板16を押圧するように嵌合され、鉛直荷重及び水平荷重を積層ゴム支承部1に伝達するとともに、上沓15の鉛直方向の回転を許容できるピストン17とを有し、ピストン17は下部側の小径部17aと上部側の大径部17bとからなり、上沓15の下部には凹状ポット部18の内方側に突出して、ピストン17の大径部17bの下面に係合可能な環状のストッパ部材44が設けられている。
【選択図】 図7

Description

この発明は、橋梁用複合支承に関し、さらに詳細には、回転機能と水平変形機能とを分離した支承に関する。
従来、橋梁用の支承として水平力分散ゴム支承が知られている。これは、ゴム層と鋼板とを積層してなる積層ゴム(ゴム沓)の上下に上沓及び下沓をそれぞれ取付け、上部構造と下部構造との間に設置される支承である。この水平力分散ゴム支承においては、ゴム沓が鉛直方向に変形することにより上部構造の回転を吸収し、またせん断変形することにより上部構造の水平変位を吸収するようになっている。
すなわち、積層ゴムは鉛直荷重支持の他に、回転機能と水平変形機能との3つの役割を担っている。このため、一つの支承に3つの機能を集約するため設計が難しく、支承の大きさも大きくなるという難点があった。このようなことから、回転機能と水平変形機能とを分離した支承、言い換えれば回転機能を持つ支承と水平変形機能を持つ支承とを複合させた支承が提案されている(特許文献1参照)。
この支承は水平変形機能を担う積層ゴム支承部と、その上に設けられて回転機能を担う密閉ゴム支承板支承部とからなる複合支承である。この複合支承では、密閉ゴム支承板支承部の凹状ポット部(鍋状凹部7)が、積層ゴム支承部の上部鋼板に形成されている。このため凹状ポット部は上向きに開口することとなり、雨水や塵芥等が入りやすくなり、これを防止するためにシールリングが必要となる。さらに、上揚力を受け止める手段については何ら開示されていない。
特開2003−64622号公報
この発明は上記のような技術的背景に基づいてなされたものであって、次の目的を達成するものである。
この発明の目的は、凹状ポット部に雨水や塵芥等が入り込むことがなく、シールリングが不要であり、低コストで製作できる橋梁用複合支承を提供することにある。
この発明の別の目的は、上揚力を受け止める手段を付加した橋梁用複合支承を提供することにある。
この発明は上記課題を達成するために、次のような手段を採用している。
すなわち、この発明は、積層ゴム支承部と、この積層ゴム支承部上に設けられる密閉ゴム支承板支承部とからなる橋梁用複合支承であって、
前記密閉支承板支承部は、下向きに開口する凹状ポット部が形成された上沓と、
前記凹状ポット部に密閉して収容された圧縮ゴム板と、
前記凹状ポット部に前記圧縮ゴム板を押圧するように嵌合され、鉛直荷重を前記積層ゴム支承部に伝達するとともに、前記上沓の鉛直方向の回転を許容できるピストンとを有し、
前記密閉ゴム支承板支承部と前記積層ゴム支承部との間で水平荷重を伝達する手段を備えてなることを特徴とする橋梁用複合支承にある。
より具体的には、前記積層ゴム支承部は厚肉の上下部鋼板及び薄肉の複数の中間鋼板とゴム層とを交互に積層してなるゴム沓を有している。前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面に形成されたキー穴と、このキー穴に嵌合される前記ピストンとからなる。前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面及び前記ピストンの下面にそれぞれ形成されたキー穴と、これらのキー穴に嵌合されるせん断キーとからなるようにしてもよい。これらの場合、前記上部鋼板は前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられている。
前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面に固定された中間プレートと、この中間プレートの上面に形成されたキー穴と、このキー穴に嵌合される前記ピストンとからなるようにしてもよい。この場合、前記中間プレートは前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられている。
前記上沓は前記凹状ポット部の外周に段差を介して連なる凹部を有し、前記上部鋼板の上面には前記凹部に遊間を置いて嵌合される載置プレートが固定され、この載置プレートの上面に前記ピストンが載置され、
前記水平荷重伝達手段は、前記凹部と前記載置プレートとからなるようにしてもよい。この場合、前記載置プレートと前記上部鋼板との間に中間プレートが配置され、この中間プレートは前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられている。
また、この発明は、積層ゴム支承部と、この積層ゴム支承部上に設けられる密閉ゴム支承板支承部とからなる橋梁用複合支承であって、
前記密閉支承板支承部は、下向きに開口する凹状ポット部が形成された上沓と、
前記凹状ポット部に密閉して収容された圧縮ゴム板と、
前記凹状ポット部に前記圧縮ゴム板を押圧するように嵌合され、鉛直荷重及び水平荷重を前記積層ゴム支承部に伝達するとともに、前記上沓の鉛直方向の回転を許容できるピストンとを有し、
前記ピストンは下部側の小径部と上部側の大径部とからなり、
前記上沓の下部には前記凹状ポット部の内方側に突出して、前記ピストンの大径部の下面に係合可能な環状のストッパ部材が設けられていることを特徴とする橋梁用複合支承にある。
より具体的には、前記ピストンの大径部の外周は、前記凹状ポット部の内周に周接する凸状湾曲面を有している構成を採ることができる。
また、前記ピストンの小径部の外周は、前記ストッパ部材の内周に周接する凸状湾曲面を有している構成を採ることもできる。この場合、前記ピストンと前記圧縮ゴム板との間に、前記ピストンに対して滑動自在な中間プレートが介在されている構成にするとよい。また、前記上沓の下面には環状の切欠部が形成され、この切欠部に前記ストッパ部材が固定されている構成にするとよい。
さらに、前記凹状ポット部の底面中央にボスが設けられるとともに、前記圧縮ゴム及び前記ピストンの各中央に穴が設けられ、
前記ボスは前記圧縮ゴムの穴を貫通して前記ピストンの穴に嵌合され、
前記ボスの外周は前記ピストンの穴内周に周接する凸状湾曲面を有している構成を採ることもできる。
この発明によれば、圧縮ゴム板及びピストンが収容される凹状ポット部は上沓に設けられることによって下向きに開口することとなる。このため、ポット部に雨水や塵芥等が入り込むことがなく、シールリング等の設置が不要となる。また、積層ゴム支承部に張出部を設け、上沓には張出部に係合するストッパ部材を設けることにより、上部構造の上揚を抑止することができる。
また、ストッパ部材がピストンに係合して上部構造の上揚を止める構造にすることにより、全体構造をコンパクトなものとすることができ、製造コストを安価にすることができる。
この発明の実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、この発明の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)、図2は橋軸直角方向に沿った立面図、図3は図1のA−A線断面図である。図3に示されるX,Yは、それぞれ橋軸方向及び橋軸直角方向を示している。
複合支承は積層ゴム支承部1と、その上に設けられる密閉ゴム支承板支承部2とで構成される。積層ゴム支承部1は、いずれも全体的に矩形形状とされたゴム沓3と下沓4とを有している。ゴム沓3は厚肉の上下部鋼板5,6と、薄肉の複数の中間鋼板7と、ゴム層8とを交互に積層して形成される。
下部鋼板6はせん断キー9及びボルト10を介して下沓4に固定され、これによりゴム沓3と下沓4とが一体化される。下沓4は溶接などによりベースプレート12に固定される。このベースプレート12はアンカーボルト13を介して橋脚や橋台などの下部構造14に固定される。
密閉ゴム支承板支承部2は上沓15と、圧縮ゴム板16と、ピストン17とを有している。上部構造19を構成する橋桁の下面にはソールプレート20が固定され、このソールプレート20の下面にせん断キー21及びセットボルト22を介して上沓15が固定される。
上沓15は矩形の部材であり、下向きに開口する円形の凹状ポット部18が形成され、このポット部18に圧縮ゴム板16が密閉して収容される。23は圧縮リングである。凹状ポット部18にはさらに、圧縮ゴム板16を押圧するようにピストン17が嵌合されている。このピストン17の下部はゴム沓3の上部鋼板5に形成したキー穴24に嵌合されている。ピストン17の外周はその一部のみがポット部18の内周に周接し、当該一部は凸状湾曲面53となっている。この結果、ピストン17は上沓15の鉛直方向の回転を許容できるようになっている。ここで、「周接」とは実質的に接していることを意味する。すなわち、実際の設計では凸状湾曲面53とポット部18の内周との間には僅かな隙間( 0.5mm 程度)が形成され、このような態様も周接の概念に包含される。この点は、以下の各実施形態についても同様である(図8の実施形態にあってはストッパ部材44の内周との間)。なお、凹状ポット部18は円形に限らず、角形の場合もあり得る。
ゴム沓3の上部鋼板5は、ゴム沓3の外周から橋軸方向両側に張り出す張出部5aを有している。他方、上沓15も橋軸方向両側に張り出す張出部15aを有している。この張出部15aに断面コ字形のストッパ部材25がボルト50により固定され、このストッパ部材25の下端部は、上部鋼板5の張出部5aの下面に係合可能である。
上部鋼板5はゴム沓3の外周から橋軸直角方向にも張り出していて、その張出部が符号5bで示されている。下沓4上にはゴム沓3の橋軸方向に沿う両側に位置するように、サイドブロック26が固定されている。これらのサイドブロック26に張出部5bが当接することにより、ゴム沓3の橋軸直角方向の水平変位が規制されるようになっている。
上記実施形態の複合支承において、上部構造19の鉛直荷重はピストン17を介して積層ゴム支承部1に伝達される。また、上部構造19に作用する水平荷重は、ピストン17を介して上部鋼板5すなわち積層ゴム支承部1に伝達され、ゴム沓3が水平方向にせん断変形する。また、上部構造19の回転は、上沓15がピストン17に対して鉛直方向に回転することで吸収される。
このように、水平変形機能は積層ゴム支承部1が担い、回転機能は密閉ゴム支承板支承部2が担っていることから、ゴム沓3の鉛直ばね剛性を高めることができる。すなわち、ゴム層8の一層厚を薄くして一次形状係数を高めることにより、ゴム沓3の鉛直ばね剛性を高めることができる。これにより、ゴム沓3の鉛直たわみが抑えられるので、振動問題が解消する。また、所定のせん断ばね剛性を設定し易くなり、地震時の変位を低減することが可能となる。なお、次式で表されるゴム沓3の一次形状係数は10以上とすることが好ましい。
S=a・b/2(a+b)・te
ここに、S:一次形状係数、a,b:ゴム沓の平面上の一辺の長さ、te:ゴム層の一層厚である。
そして、上記実施形態では、圧縮ゴム板16及びピストン17が収容される凹状ポット部18が上沓15に設けられることによって下向きに開口するので、ポット部18に雨水や塵芥等が入り込むことがなく、シールリング等の設置が不要となる。また、ストッパ部材25が上部鋼板5の張出部5aに係合することで、上部構造19の上揚を抑止することができる。
図4は、別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。この実施形態では、上部鋼板5の上面及びピストン17の下面にキー穴27,28が形成され、これらのキー穴27,28にせん断キー29が嵌合されている。このせん断キー29により、上部構造19の水平荷重が積層ゴム支承部1に伝達される。この実施形態によれば、上部鋼板5に形成したキー穴27を利用してせん断試験機にセットすることができる。
図5は、さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。この実施形態では、上部鋼板5の上面に中間プレート30が配置されている。中間プレート30は、その下面に形成されたキー穴31及び上部鋼板5の上面に形成されたキー穴32に嵌合されるせん断キー33と、ボルト51とによって上部鋼板5に固定される。
中間プレート30の上面に形成されたキー穴34にはピストン17が嵌合される。上部構造19に作用する水平荷重は、ピストン17及び中間プレート30を介して積層ゴム支承部1に伝達される。中間プレート30は橋軸方向の両側及び橋軸直角方向の両側にそれぞれ張り出す張出部30a,30bを有し、この実施形態では、張出部30aがストッパ部材25に係合可能となっている。また、サイドブロック26には張出部30bが当接可能である。この実施形態の場合も、上部鋼板5に形成したキー穴32を利用してせん断試験機にセットすることができる。
図6は、さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。この実施形態では、上沓15は凹状ポット部18の外周に環状段差35を介して連なる円形の大径凹部36を有している。他方、上部鋼板5の上面には中間プレート30及び円形の載置プレート37が順に配置され、ピストン17は載置プレート27に載置されている。載置プレート37は大径凹部36に遊間を置いて嵌合している。この遊間は、上沓15の鉛直方向の回転を許容できる大きさのものである。
中間プレート30及び載置プレート37は、上部鋼板5、中間プレート30及び載置プレート37のそれぞれに形成されたキー穴32,38,39に嵌合されるせん断キー40と、ボルト52とによって上部鋼板5に固定される。中間プレート30は、図5に示した実施形態と同様に、張出部30a,30bを有している。張出部30aはストッパ部材25に係合可能であり、サイドブロック26には張出部30bが当接可能である。
この実施形態において、上部構造19の水平荷重は、大径凹部36の内周に載置プレート37が係合することにより、積層ゴム支承部1に伝達される。ピストン17には水平力が働かないので、その摩耗を抑えることができる。
図7は、さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(断面)である。この実施形態では、ピストン17は下部側のくびれた小径部17aと上部側の大径部17bとからなっている。小径部17aは凹状ポット部18から下方に突出し、上部鋼板5の上面及びピストン17の下面にそれぞれ形成されたキー穴に嵌合されるせん断キー41と、ボルト42とにより上部鋼板5に固定されている。大径部17bの外周は、凹状ポット部18の内周に周接する凸状湾曲面53となっている。この結果、ピストン17は上沓15の回転を許容できるようになっている。
上沓15の下端には凹状ポット部18の内方側に突出する環状のストッパ部材44がボルト45により固定されている。このストッパ部材44はピストン17の大径部17bの下面に係合可能である。また、上沓15の回転を阻害しないように、ストッパ部材44と小径部17a及びゴム沓3との各間には隙間が設けられている。なお、この実施形態では、下沓が設けられず、ゴム沓3は下部鋼板6の下面及びベースプレート12の上面にそれぞれ形成されたキー穴に嵌合されるせん断キー46と、ボルト47とによりベースプレート12に直接固定されている。
この実施形態の複合支承においても、図1,図2に示した実施形態のものと同様に、上部構造19の鉛直荷重はピストン17を介して積層ゴム支承部1に伝達される。また、上部構造19に作用する水平荷重は、凹状ポット部18の内周からピストン17の大径部17bに伝達され、さらにこのピストン17を介して上部鋼板5すなわち積層ゴム支承部1に伝達されて、ゴム沓3が水平方向にせん断変形する。また、上部構造19の回転は、上沓15がピストン17に対して鉛直方向に回転することで吸収される。したがって、図1,2に示した実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、上部構造19の上揚力は、ストッパ部材44がピストン17の大径部17bの下面に係合することで受け止めることができる。この上揚力を止める構造は、ピストンを利用したので外部に突出するものとはならず、全体構造がコンパクトになり、また外部に露出しないので塵芥等が溜まることがない。
図8は、さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(断面図)である。この実施形態も、ピストン17は下部側のくびれた小径部17aと上部側の大径部17bとからなっている。そして、小径部17aが凹状ポット部18から下方に突出して、せん断キー41とボルト42とにより上部鋼板5に固定されるという基本構成は図7に示した実施形態と同様である。
この実施形態では、ピストン17の小径部17の外周が凸状湾曲面53に形成され、ストッパ部材44の内周に周接するようになっている。このストッパ部材44は、上沓15の下面に設けられた環状の切欠部48に嵌め込まれて、ボルト45により上沓15に固定されている。また、上沓15の回転を阻害しないように、ピストン17の大径部17bと凹状ポット部18の内周との間には隙間が設けられたうえ、この大径部17bの外周は下向きのテーパ面49に形成されている。さらに、圧縮ゴム板16とピストン17との間には中間プレート55が介在されている。この中間プレート55の外周と凹状ポット部18の内周との間には僅かな隙間が形成されている。
この実施形態の複合支承の場合、上部構造19に作用する水平荷重は、上沓15の切欠部48の周壁からストッパ部材44に伝達され、このストッパ部材44を介してピストン17の小径部17aに伝達される。また、小径部17aの外周が凸状湾曲面53となっていることから、上部構造19の回転が可能である。ストッパ部材44がピストン17の大径部17bの下面に係合することで、上部構造19の上揚を止めることができることは図7に示した実施形態と同様である。
なお、ピストン17の凸状湾曲面53の曲率中心Oは、ストッパ部材44の厚み方向中央の平面と、ストッパ部材44の軸線とが交差する点と一致させてある。これによって、上沓15の回転を円滑なものとすることができる。
上部構造19の回転の際、圧縮ゴム板16は部分的に圧縮変形することになる。このとき、この実施形態ではピストン17の大径部17bと凹状ポット部18の内周との間に隙間が形成されているので、ピストン17と圧縮ゴム16との間で相対変位が生じ、圧縮リング23が押し出されることが考えられる。しかし、この実施形態では、ピストン17との間で滑動する中間プレート55が設けられているので、圧縮リング23はこの中間プレート55によって保持され、その脱落を防止することができる。
図9は、さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(断面図)である。この実施形態も、ピストン17は下部側のくびれた小径部17aと上部側の大径部17bとからなっている。そして、小径部17aが凹状ポット部18から下方に突出して、せん断キー41とボルト42とにより上部鋼板5に固定されるという基本構成は図7に示した実施形態と同様である。
この実施形態では、凹状ポット部18の底面中央にセンターボス56が設けられている。また、圧縮ゴム16及びピストン17の各中央には穴57,58が設けられている。そして、センターボス56は圧縮ゴム16の穴57を貫通して、ピストン17の穴58に嵌合している。圧縮リング23は圧縮ゴム16の内外周のそれぞれに設けられている。なお、ピストン17と上部鋼板5とを固定するせん断キー41も穴58に嵌合している。
図10にも拡大して示すように、センターボス56の先端部外周には、ピストン17の穴58の内周に周接する凸状湾曲面53が形成されている。この結果、ピストン17は上沓15の回転を許容できるようになっている。上沓15の回転を阻害しないように、ピストン17の穴58の上端周縁には環状の切欠部59が設けられ、この切欠部59に対応してセンターボス56の外周にも凸状湾曲面53に連なる切欠部60が設けられている。
図9に示すように、ストッパ部材44とピストン17の小径部17a及びゴム沓3との各間に隙間が設けられているのは、図7に示した実施形態と同様である。また、ピストン17の大径部17bと凹状ポット部18の内周との間に隙間が設けられたうえ、この大径部17bの外周がテーパ面49に形成されているのは、図8に示した実施形態と同様である。
この実施形態の複合支承の場合、上部構造19に作用する水平荷重は、上沓15のセンターボス56からピストン17に伝達され、さらにこのピストン17を介して積層ゴム支承部1に伝達される。また、ピストン17の穴58に嵌合するセンターボス56の外周が凸状湾曲面53となっていることから、上部構造19の回転が可能である。ストッパ部材44がピストン17の大径部17bの下面に係合することで、上部構造19の上揚を止めることができることは図7に示した実施形態と同様である。
積層ゴム支承部1に水平荷重が作用してゴム沓3がせん断変形しているとき、上沓15が回転すると、上沓15とピストン17との間の摩擦により回転抵抗(抵抗モーメント)が生じる。この回転抵抗は、上沓15の回転中心から該上沓15とピストン17とが接触する位置までの距離(抵抗モーメントの腕の長さ)に比例する。この実施形態では、上沓15に設けたセンターボス56がピストン17の中心穴58の内周に接触する構造なので、前記距離が小さくなり、回転抵抗を小さくすることができる。すなわち、上沓15の凹状ポット部18の内周でピストン17に接触する図7に示した実施形態のものよりも回転抵抗を小さくすることができる。
この発明の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。 同実施形態の橋軸直角方向に沿った立面図である。 図1のA−A線断面図である。 別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。 さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。 さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。 さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(半断面)である。 さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(断面)である。 さらに別の実施形態を示す橋軸方向に沿った立面図(断面)である。 同実施形態におけるセンターボスの嵌合部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 積層ゴム支承部
2 密閉ゴム支承板支承部
3 ゴム沓
4 下沓
5 上部鋼板
6 下部鋼板
7 中間鋼板
8 ゴム層
12 ベースプレート
14 下部構造
15 上沓
16 圧縮ゴム板
17 ピストン
17a 小径部
17b 大径部
18 凹状ポット部
19 上部構造
25 ストッパ部材
26 サイドブロック
30 中間プレート
36 大径凹部
37 載置プレート
43 中間プレート
44 ストッパ部材
48 切欠部
53 凸状湾曲面
55 中間プレート
56 センターボス
57 穴
58 穴

Claims (15)

  1. 積層ゴム支承部と、この積層ゴム支承部上に設けられる密閉ゴム支承板支承部とからなる橋梁用複合支承であって、
    前記密閉支承板支承部は、下向きに開口する凹状ポット部が形成された上沓と、
    前記凹状ポット部に密閉して収容された圧縮ゴム板と、
    前記凹状ポット部に前記圧縮ゴム板を押圧するように嵌合され、鉛直荷重を前記積層ゴム支承部に伝達するとともに、前記上沓の鉛直方向の回転を許容できるピストンとを有し、
    前記密閉ゴム支承板支承部と前記積層ゴム支承部との間で水平荷重を伝達する手段を備えてなることを特徴とする橋梁用複合支承。
  2. 前記積層ゴム支承部は厚肉の上下部鋼板及び薄肉の複数の中間鋼板とゴム層とを交互に積層してなるゴム沓を有していることを特徴とする請求項1記載の橋梁用複合支承。
  3. 前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面に形成されたキー穴と、このキー穴に嵌合される前記ピストンとからなることを特徴とする請求項2記載の橋梁用複合支承。
  4. 前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面及び前記ピストンの下面にそれぞれ形成されたキー穴と、これらのキー穴に嵌合されるせん断キーとからなることを特徴とする請求項2記載の橋梁用複合支承。
  5. 前記上部鋼板は前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の橋梁用複合支承。
  6. 前記水平荷重伝達手段は、前記上部鋼板の上面に固定された中間プレートと、この中間プレートの上面に形成されたキー穴と、このキー穴に嵌合される前記ピストンとからなることを特徴とする請求項2記載の橋梁用複合支承。
  7. 前記中間プレートは前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられていることを特徴とする請求項6記載の橋梁用複合支承。
  8. 前記上沓は前記凹状ポット部の外周に段差を介して連なる凹部を有し、前記上部鋼板の上面には前記凹部に遊間を置いて嵌合される載置プレートが固定され、この載置プレートの上面に前記ピストンが載置され、
    前記水平荷重伝達手段は、前記凹部と前記載置プレートとからなることを特徴とする請求項2記載の橋梁用複合支承。
  9. 前記載置プレートと前記上部鋼板との間に中間プレートが配置され、この中間プレートは前記ゴム沓の両側に張り出す張出部を有し、前記上沓には前記張出部の下面に係合可能なストッパ部材が設けられていることを特徴とする請求項8記載の橋梁用複合支承。
  10. 積層ゴム支承部と、この積層ゴム支承部上に設けられる密閉ゴム支承板支承部とからなる橋梁用複合支承であって、
    前記密閉支承板支承部は、下向きに開口する凹状ポット部が形成された上沓と、
    前記凹状ポット部に密閉して収容された圧縮ゴム板と、
    前記凹状ポット部に前記圧縮ゴム板を押圧するように嵌合され、鉛直荷重及び水平荷重を前記積層ゴム支承部に伝達するとともに、前記上沓の鉛直方向の回転を許容できるピストンとを有し、
    前記ピストンは下部側の小径部と上部側の大径部とからなり、
    前記上沓の下部には前記凹状ポット部の内方側に突出して、前記ピストンの大径部の下面に係合可能な環状のストッパ部材が設けられていることを特徴とする橋梁用複合支承。
  11. 前記ピストンの大径部の外周は、前記凹状ポット部の内周に周接する凸状湾曲面を有していることを特徴とする請求項10記載の橋梁用複合支承。
  12. 前記ピストンの小径部の外周は、前記ストッパ部材の内周に周接する凸状湾曲面を有していることを特徴とする請求項10記載の橋梁用複合支承。
  13. 前記ピストンと前記圧縮ゴム板との間に、前記ピストンに対して滑動自在な中間プレートが介在されていることを特徴とする請求項12記載の橋梁用複合支承。
  14. 前記上沓の下面には環状の切欠部が形成され、この切欠部に前記ストッパ部材が固定されていることを特徴とする請求項12又は13記載の橋梁用複合支承。
  15. 前記凹状ポット部の底面中央にボスが設けられるとともに、前記圧縮ゴム及び前記ピストンの各中央に穴が設けられ、
    前記ボスは前記圧縮ゴムの穴を貫通して前記ピストンの穴に嵌合され、
    前記ボスの外周は前記ピストンの穴内周に周接する凸状湾曲面を有していることを特徴とする請求項10記載の橋梁用複合支承。
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