JP2006265523A - 抄造用樹脂組成物および成形材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸水率が低く、耐水強度に優れる成形材料が得られる抄造用樹脂組成物と該抄造用樹脂組成物を含有する成形材料を提供すること。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂(A)および固形レゾール型フェノール樹脂(B)を含有し、かつ、ISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmである抄造用樹脂組成物、該抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物を抄造成形して得られる成形原体を硬化させて得られる成形材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂(A)および固形レゾール型フェノール樹脂(B)を含有し、かつ、ISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmである抄造用樹脂組成物、該抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物を抄造成形して得られる成形原体を硬化させて得られる成形材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、吸水率が低く、耐水強度に優れる成形材料が得られる抄造用樹脂組成物と該抄造用樹脂組成物を含有する成形材料に関する。
従来よりフィルターやプリプレグ等の繊維状の成形材料は、例えば、湿式抄造法により得られる。湿式抄造法は、例えば、粉状の熱硬化性樹脂と繊維状物質を水中で混合し分散させた分散体を任意形状の湿潤成形体に抄造成形した後、乾燥・硬化させる方法である。この湿式抄造法で用いる熱硬化性樹脂として、例えば、オルソ/パラ比が2以上であるハイオルソノボラックフェノール樹脂型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物を用いる事ができる(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1で開示されている樹脂組成物を湿式抄造法に用いて得られる成形材料は吸水率が高く、耐水強度にも劣るという欠点があった。
本発明の課題は、湿式抄造法によって吸水率が低く、耐水強度が強い成形材料を得る事ができる抄造用樹脂組成物と該抄造用樹脂組成物を用いた成形材料を提供する事にある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂(A)と固形レゾール型フェノール樹脂(B)とを含有し、且つ、ISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmである樹脂組成物を用いて湿式抄造法により製造した成形材料は吸水率が低く、耐水強度が強い事等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ノボラック型フェノール樹脂(A)および固形レゾール型フェノール樹脂(B)を含有し、かつ、ISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmであることを特徴とする抄造用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物を抄造成形して得られる成形原体を硬化させて得られることを特徴とする成形材料を提供するものである。
本発明の抄造用樹脂組成物を用いると湿式抄造法において吸水率が低く、耐水強度が強い成形材料を得る事ができる。また、本発明の抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物は分散性が良好で抄造しやすい利点もある。
本発明の抄造用樹脂組成物はノボラック型フェノール樹脂(A)および固形レゾール型フェノール樹脂(B)を含有し、かつ、ISO−8619に規定するフロー距離(以下、フローと記す。)が50〜150mmであることが必要である。前記ISO−8619に規定するフロー距離(以下、フローと記す。)が50mm未満の場合、樹脂フローが充分ではなく、成形材料の強度が低下し、吸水率が高く、寸法安定性、耐水強度が十分でないため好ましくない。また、フローが150mmを超えると、樹脂が金型等から系外に流れ出してしまい、充分な強度が得られず好ましくない。本発明の抄造用樹脂組成物はISO−8619に規定するフロー距離が60〜120mmであることが特に好ましい。
前記ISO−8619に規定するフロー距離とは、下記の方法で測定するものである。すなわち、粉末化した樹脂組成物0.5gを、直径12.5mm、高さ4.8mmのタブレットとし、このタブレットをガラス板に乗せ、125℃オーブン中で3分間加熱した後、その温度のまま、ガラス板を60度に傾けて、20分後の樹脂の流れた距離を測定し、その距離(単位:mm)をフロー距離とする。
本発明で用いるノボラック型フェノール樹脂(A)としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを原料として、酸性触媒存在下で反応して得られるもの等が挙げられる。前記フェノール類としては、例えば、フェノール;クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。これらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
前記酸性触媒としては、例えば、蓚酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの触媒は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。また、触媒の添加量としては、特に制限されないが、フェノール類100重量部に対して0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3.0重量部の範囲にあることが特に好ましい。
本発明で用いるノボラック型フェノール樹脂(A)の融点(環球法)は、本発明の抄造用樹脂組成物のISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmとなるように選択すれば特に限定するものではないが、例えば、80〜120℃が好ましく、90〜110℃がより好ましい。
本発明で用いるノボラック型フェノール樹脂(A)としては、低吸水性、耐水強度に優れ且つ、成形材料の変色の度合いが少ないことから、オルソ/パラ比が2以上のハイオルソノボラック型フェノール樹脂が好ましく、3以上のハイオルソノボラック型フェノール樹脂がより好ましい。前記オルソ/パラ比とはフェノール系化合物同士が、オルソ位またはパラ位で連結されているノボラック型フェノール樹脂の中で、オルソ位で結合したものとパラ位で結合したものとの比(〔オルソ位結合〕/〔パラ位結合〕)である。オルソ/パラ比は13C−NMRにより求めることができる。
本発明で用いる固形レゾール型フェノール樹脂(B)としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを原料として、塩基性触媒存在下で反応して得られるもの等が挙げられる。前記フェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえばフェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコール等の多価フェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。これらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。また、前記ノボラック型フェノール樹脂(A)の調製に用いたフェノール類と同一のものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。また、前記ノボラック型フェノール樹脂(A)の調製に用いたアルデヒド類と同一のものを使用しても良いし、異なるものを使用しても良い。
前記塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、酢酸亜鉛、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。これらの触媒は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。また、触媒の添加量としては、特に制限されないが、フェノール類100重量部に対し、触媒0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部であることが特に好ましい。
固形レゾール型フェノール樹脂(B)の融点(キャピラリー法)は、本発明の抄造用樹脂組成物のISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmとなるように選択すれば特に限定するものではないが、55〜85℃であることが好ましい。固形レゾール型フェノール樹脂(B)の数平均分子量は500〜1000が好ましい。固形レゾール型フェノール樹脂(B)の重量平均分子量は1500〜2500が好ましい。なお、前記数平均分子量、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より求めることができる。
前記固形レゾール型フェノール樹脂(B)としては、固形アルカリレゾール型フェノール樹脂、固形ベンジリックエーテルレゾール型フェノール樹脂、固形アンモニアレゾール型フェノール樹脂等が使用でき、単独または併用しても構わない。特に、固形アンモニアレゾール型フェノール樹脂の使用が好ましい。この固形アンモニアレゾール型フェノール樹脂は例えば、前記レゾール型フェノール樹脂の製造方法において触媒としてアンモニアを用いて得ることにより得ることができる。
本発明の抄造用樹脂組成物における前記ノボラック型フェノール樹脂(A)と前記固形レゾール型フェノール樹脂(B)の配合比率は、前記フローが50〜150mmとなる範囲になるように配合すれば良く特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂(A)と固形レゾール型フェノール樹脂(B)の固形分重量比で、〔ノボラック型フェノール樹脂(A)〕/〔レゾール型フェノール樹脂(B)〕=9/1〜6/4であることが、充分な樹脂硬化時のフローが得ることができ、好ましい。
本発明の抄造用樹脂組成物(抄造用樹脂混合物)は種々の方法により調製することができる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂(A)と固形レゾール型フェノール樹脂(B)とを混合し、更に粉砕する事により得られる。
次に、本発明の成形材料について説明する。本発明の成形材料は本発明の抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物を抄造成形して得られる成形原体を硬化させて得られる。
前記繊維状物質としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維、ロックウールなどの無機繊維;綿、麻のような天然繊維;ポリエステル、ポリアミドのような合成有機繊維等があげられ、単独使用及び併用しても構わない。繊維基材の形状に関しても何ら限定するものではなく、例えば、短繊維、ヤーン、マット、シートのようなものでもよい。前記繊維状物質の添加量は、前記抄造用樹脂組成物の固形分100重量部に対して50〜3000重量部が好ましく、500〜1500がより好ましい。
前記混合物を調製する際の水の使用量としては、前記抄造用樹脂組成物の固形分100重量部に対して10000〜30000重量部が好ましく、15000〜25000がより好ましい。
前記混合物には更にワックスエマルジョンを添加しても良い。ワックスを添加することにより、混合物の水中での分散性が向上し、また、得られる成形材料の耐水性が向上するという効果が期待できる。用いるワックスエマルジョンとしては、脂肪酸アマイド系ワックスエマルジョン、脂肪族炭化水素系ワックエマルジョン、金属石けん系ワックスエマルジョン、脂肪酸エステル系ワックスエマルジョン等の使用が可能であり、例えばエチレンステアリン酸アマイドエマルジョン、メチロールアマイドエマルジョン、ステアリン酸亜鉛エマルジョン、ステアリン酸アマイドエマルジョン、カルナバワックスエマルジョン、ポリエチレンワックスエマルジョン、パラフィンワックスエマルジョン等が挙げられ、単独使用または併用しても構わない。特にエチレンビスステアリン酸アマイドエマルジョン、メチロールアマイドエマルジョンの使用が好ましい。
ワックスエマルジョンの添加は、例えば、1.本発明の抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合し混合物を得る際に、ワックスエマルジョンも添加して水中に分散及び混合させる、2.前記混合物を得る際に、ノボラック型フェノール樹脂(A)としてノボラック型フェノール樹脂にワックスエマルジョンを予め溶融混合させたノボラック型フェノール樹脂を用いた抄造用樹脂組成物を用いる等の方法により行う事ができる。ワックスエマルジョンを添加する方法としては良好な分散性が得られる事から1.の方法が好ましい。
ワックスエマルジョンの使用量は、特に限定するものではないが、例えば、本発明の抄造用樹脂組成物に対し、固形分換算で0.1〜20%の使用が好ましく、2〜10%の使用がより好ましい。
前記ワックスエマルジョンを混合物中に添加するには、例えば、前記混合物に直接ワックスエマルジョンを添加、必要により混合する方法、溶融状態のノボラックフェノール樹脂(A)に添加し混合する方法等が挙げられるが、分散性の低下が防止できることから好ましい。
また、前記混合物にはポリイソシアネートを架橋剤として添加することもできる。前記ポリイソシアネートとしては、例えば、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、TDI(トルエンジイソシアネート)等が挙げられる。
また前記混合物には、エポキシ等の架橋剤、アミノシラン等のシランカップリング剤、ポリビニルアルコール、界面活性剤等の添加剤を添加しても構わない。
さらに前記混合物には充填材を添加することもできる。前記充填材としては、種々のものが使用できるが、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、黒鉛、シラスバルーン、フェノールバルーン等が挙げられ、単独使用及び併用が可能である。前記充填材の添加量は、前記成形用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、3〜1500重量部が好ましい。
なお、抄造時には、凝集剤、サイズ剤、歩留まり向上剤等を添加してもよい。例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、カチオン化デンプン、アクリルアミド系化合物が挙げられる。
本発明の成形材料は、特に限定されないが、例えば、抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した、必要に応じて凝集剤を添加し混合物を得た後、該混合物を抄造成形して成形原体を調製し、これを加熱して硬化させることにより得られる。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、例中の部、%は、特に断りのない限り、重量基準である。
実施例1
攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g及び45%ホルムアルデヒド水溶液453gを加え攪拌を開始した。触媒として酢酸亜鉛2水和物2.4gを加え、還流温度まで昇温した。5時間還流下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、130℃まで昇温した。130℃にて1時間保持した後、蒸留しながら170℃まで昇温した。170℃にて減圧化で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出し、軟化点(環球法)96℃のハイオルソノボラック型フェノール樹脂(A−I)を得た。13C−NMRよりオルソ/パラ比は、3.4であった。
攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g及び45%ホルムアルデヒド水溶液453gを加え攪拌を開始した。触媒として酢酸亜鉛2水和物2.4gを加え、還流温度まで昇温した。5時間還流下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、130℃まで昇温した。130℃にて1時間保持した後、蒸留しながら170℃まで昇温した。170℃にて減圧化で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出し、軟化点(環球法)96℃のハイオルソノボラック型フェノール樹脂(A−I)を得た。13C−NMRよりオルソ/パラ比は、3.4であった。
固形ハイオルソノボラック型フェノール樹脂(A−1)80部、アンモニア固形レゾール型フェノール樹脂(B−1)(融点59℃、数平均分子量631、重量平均分子量1684)20部とを混合粉砕して本発明の抄造用樹脂組成物1を得た。この抄造用樹脂組成物1のフロー(ISO−8619)は、73mmであった。
得られた抄造用樹脂組成物1 10部、水2000部及びロックウール100部を混合し混合物を得た。この混合物にポリアクリルアミド1%溶液20部を添加し、抄造機で抄造成形して成形原体を得た。この成形原隊を180℃、1時間の条件下で熱硬化させ、本発明の成形材料を得た。得られた成形材料の曲げ強度、耐水曲げ強度、吸水率を測定した。吸水率の測定は、成形材料を室温にて水に浸漬させ、24時間後に重量を測定することにより行った。測定結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1で得られた抄造用樹脂組成物10部、水2000部、ロックウール100部及びエチレンビスステアリン酸アマイドエマルジョン(40%水溶液)0.75部を混合し混合物を得た。この混合物にポリアクリルアミド1%溶液20部を添加し、抄造機で抄造成形して成形原体を得た。この成形原隊を180℃、1時間の条件下で熱硬化させ、本発明の成形材料を得た。実施例1と同様にして成形材料の曲げ強度、耐水曲げ強度、吸水率を測定した。測定結果を第1表に示す。
実施例1で得られた抄造用樹脂組成物10部、水2000部、ロックウール100部及びエチレンビスステアリン酸アマイドエマルジョン(40%水溶液)0.75部を混合し混合物を得た。この混合物にポリアクリルアミド1%溶液20部を添加し、抄造機で抄造成形して成形原体を得た。この成形原隊を180℃、1時間の条件下で熱硬化させ、本発明の成形材料を得た。実施例1と同様にして成形材料の曲げ強度、耐水曲げ強度、吸水率を測定した。測定結果を第1表に示す。
実施例3
実施例1で得られたハイオルソノボラック型フェノール樹脂(A−1)80部、アンモニア固形レゾール(B−2)(融点64℃、数平均分子量873、重量平均分子量2097)20部と混合粉砕して抄造用樹脂組成物2を得た。この抄造用樹脂組成物2のフローは、67mmであった。
実施例1で得られたハイオルソノボラック型フェノール樹脂(A−1)80部、アンモニア固形レゾール(B−2)(融点64℃、数平均分子量873、重量平均分子量2097)20部と混合粉砕して抄造用樹脂組成物2を得た。この抄造用樹脂組成物2のフローは、67mmであった。
抄造用樹脂組成物1の代わりに抄造用樹脂組成物2を用いる以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。実施例1と同様にして成形材料の曲げ強度、耐水曲げ強度、吸水率を測定した。測定結果を第1表に示す。
比較例1
攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g及び45%ホルムアルデヒド水溶液533gを加え攪拌を開始した。触媒としてしゅう酸2水和物4.7gを加え、還流温度まで昇温した。6時間還流下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、170℃まで昇温した。170℃にて減圧化で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出し、軟化点(環球法)121℃のノボラック型フェノール樹脂(A−2)を得た。13C−NMRよりオルソ/パラ比は、1.1であった。
攪拌機、コンデンサー、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口2リットルフラスコに、フェノール940g及び45%ホルムアルデヒド水溶液533gを加え攪拌を開始した。触媒としてしゅう酸2水和物4.7gを加え、還流温度まで昇温した。6時間還流下にて反応させた後、蒸留を開始して水を除去しつつ、170℃まで昇温した。170℃にて減圧化で遊離フェノールを一部除去した後、反応容器より取り出し、軟化点(環球法)121℃のノボラック型フェノール樹脂(A−2)を得た。13C−NMRよりオルソ/パラ比は、1.1であった。
ノボラック型フェノール樹脂(A−2)80部、アンモニア固形レゾール型フェノール樹脂(B−1)(融点59℃、数平均分子量631、重量平均分子量1684)20部とを混合粉砕して比較対照用の抄造用樹脂組成物1′を得た。この抄造用樹脂組成物1′のフローは、40mmであった。
抄造用樹脂組成物1の代わりに抄造用樹脂組成物1′を用いた以外は実施例1と同様にして成形材料を得た。実施例1と同様にして成形材料の曲げ強度、耐水曲げ強度、吸水率を測定した。測定結果を第1表に示す。
Claims (9)
- ノボラック型フェノール樹脂(A)および固形レゾール型フェノール樹脂(B)を含有し、かつ、ISO−8619に規定するフロー距離が50〜150mmであることを特徴とする抄造用樹脂組成物。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂(A)の融点が80〜120℃である請求項1記載の抄造用樹脂組成物。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂(A)のオルソ/パラ比が2以上である請求項1記載の抄造用樹脂組成物。
- 前記固形レゾール型フェノール樹脂(B)の融点が55〜85℃で、数平均分子量が500〜1000で、重量平均分子量が1500〜2500である請求項1記載の抄造用樹脂組成物。
- 前記固形レゾール型フェノール樹脂(B)がアンモニアレゾール型フェノール樹脂である請求項4記載の抄造用樹脂組成物。
- 前記フロー距離が60〜120である請求項1〜5にいずれか1項記載の抄造用樹脂組成物
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の抄造用樹脂組成物と繊維状物質とを水中で混合した混合物を抄造成形して得られる成形原体を硬化させて得られることを特徴とする成形材料。
- 前記混合物がワックスエマルジョンを含有するものである請求項6記載の成形材料。
- 前記ワックスエマルジョンがエチレンビスステアリン酸アマイドエマルジョンである請求項8記載の成形材料。
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Cited By (1)
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JP2021024173A (ja) * | 2019-08-02 | 2021-02-22 | 住友ベークライト株式会社 | タブレット、成形品、およびタブレットの製造方法 |
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2005
- 2005-12-15 JP JP2005361692A patent/JP2006265523A/ja active Pending
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JP2021024173A (ja) * | 2019-08-02 | 2021-02-22 | 住友ベークライト株式会社 | タブレット、成形品、およびタブレットの製造方法 |
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