JP2021024173A - タブレット、成形品、およびタブレットの製造方法 - Google Patents

タブレット、成形品、およびタブレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トランスファー成形または圧縮成形用途に適した良好な流動性を有する抄造体タブレットが提供できる。【解決手段】タブレットは、トランスファー成形用または圧縮成形用であって、前記タブレットが抄造体からなり、前記抄造体が、熱硬化性樹脂および繊維フィラーを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、タブレット、成形品、およびタブレットの製造方法に関する。
従来、抄造体は、繊維フィラーを含み、これにより軽量で高い強度が得られる材料として知られている。抄造体を利用した成形品の製造プロセスとしては、例えば、特許文献1に記載の手法が挙げられる。同文献には、主材と木材パルプと無機繊維と凝集用バインダーとを含むスラリーを抄造し、シートを形成した後、該シートを積層して加圧加熱し、加熱乾燥させることにより不燃性ボードを得ると記載されている。
なお、抄造体は、繊維材料を漉く手法を使用して得られた物の状態を示す技術用語として一般的に使用されている。この状態は、例えば、特許文献2および3に記載されている。同文献によれば、当該抄造体は、繊維や樹脂等の原料を分散媒に分散させた原料スラリーから、液体分が脱水され、フィルター上に残った湿潤状態の固形分を指す、と記載されている。ここでいう上記湿潤状態とは、乾燥および加熱処理を施す前の硬化状態、すなわち、ポストキュア前の硬化状態を意味する。
また、同文献によれば、当該抄造体は、成形型内で加熱して乾燥成形することにより得られる成形体に利用される。すなわち、抄造体は成形材料として用いられると記載されている。
特開2006−336159号公報 特許第4675276号 特許第5426399号
本発明者は、抄造体の新たな用途の一つとして、トランスファー成形または圧縮成形に用いることの可能性に着目した。そして、鋭意検討を行った結果、抄造体のタブレットを製造し、これをトランスファー成形または圧縮成形用途に適用した場合、意外にもかかる用途に適した良好な流動性が得られることが見出され、本発明が完成された。
本発明によれば、抄造体の新たな用途として、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットが実現できる。
本発明によれば、
トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットであって、
前記タブレットが抄造体からなり、
前記抄造体が、熱硬化性樹脂および繊維フィラーを含む、タブレットが提供される。
また、本発明によれば、上記タブレットを用い、トランスファー成形または圧縮成形により成形された成形品が提供される。
また、本発明によれば、
熱硬化性樹脂および繊維フィラーが溶媒中に分散した抄造スラリーを抄造し、抄造シートを得る工程と、
前記抄造シートを丸めて柱状の巻回体にする工程と、
前記巻回体の中心軸に平行な方向から当該巻回体を圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る工程と、
を有する、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
熱硬化性樹脂および繊維フィラーが溶媒中に分散した抄造スラリーを抄造し、抄造シートを得る工程と、
前記抄造シートを切断し、短冊状の抄造片を得る工程と、
当該短冊状の抄造片の長手方向から圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る工程と、
を有する、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットの製造方法が提供される。
本発明によれば、トランスファー成形または圧縮成形用途に適した良好な流動性を有する抄造体タブレットが提供できる。
本実施形態に係る抄造体の製造方法の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係るタブレットの製造方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るタブレットの製造方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<タブレット>
本実施形態において、タブレットとは、室温において一定の形状が保持され、経時的な形状の変化が実質的にない固体のことを意味する。
一般に、樹脂組成物の成形方法として知られる圧縮成形法やトランスファー成形法において、原料である樹脂組成物がペースト状や粘土状であると、一定した形状を保持できないため、互いに密着して一体化したり、変形しやすいため、原料の計量や搬送、成形機への供給が困難となるという問題が生じる。これに対し、原料がタブレット状であると、かかる問題が解決でき、成形の自動化もできるようになるため、生産性が大幅に向上できる。
一方で、タブレット化した原料を圧縮成形法やトランスファー成形法に用いた場合、当該タブレットを加熱溶融し、金型内に流動させることとなる。そのため、トランスファー成形用および圧縮成形用のタブレットには良好な流動性が求められる。
本実施形態のタブレットは、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットであって、抄造体からなるものである。抄造体は、熱硬化性樹脂および繊維フィラーを含み、いわゆる抄造法を用いて得られるものである。一般に、抄造体を用いた成形品は、抄造体の特性により繊維フィラーが一定方向に配向している。
しかしながら、本発明者は、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットとして抄造体を用いることで、成形時に溶融加熱され、流動する際に繊維フィラーの配向が低減されることを知見した。その結果、繊維フィラーの配向が低減されるとともに、繊維フィラーによる機械的特性を生かした成形体を簡便に得ることができる。
また、本実施形態のタブレットは、次の条件を満たすことが好ましい。これにより、トランスファー成形用または圧縮成形用の用途において適切な流動性が得られる。
条件:タブレットの合計重量が重量40gとなるように金型内にタブレットを投入し、流路断面積50mm、金型温度160℃、50MPaの条件で高さ方向から加熱圧縮した時の最大流動長が10cm以上である。
また、当該最大流動長の下限値は、好ましくは15cm以上であり、より好ましくは20cm以上である。一方、当該最大流動長の上限値は、特に限定されないが、トランスファー成形用または圧縮成形用の用途により適切な流動性を保持する観点から、120cm以下が好ましく、90cm以下がより好ましい。
本実施形態のタブレットの流動長は、材料の選択、例えば、繊維フィラーの繊維長や繊維の種類、および繊維フィラーの含有量、または、タブレットの成形方法などによって適宜制御できる。
本実施形態において、タブレット中の繊維フィラーの配向はランダムであることが好ましい。これにより、トランスファー成形用または圧縮成形用の用途に適用した場合、良好な流動性が得られる。
なお、本実施形態において、繊維フィラーがランダムとは、従来の抄造法で得られた抄造シートにおいて繊維フィラーが層方向に配向しているのに対し、層方向の配向を低減させることを意図する。
〔抄造体〕
本実施形態において抄造体は、熱可塑性樹脂と、当該熱可塑性樹脂中に分散した繊維フィラーとを含み、Bステージ状態のものである。
上記の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、及びポリウレタンの中から選択される一種又は二種以上が挙げられる。なかでも、フェノール樹脂、エポキシ樹脂を含むことが好ましく、フェノール樹脂を含むことがより好ましい。
熱硬化性樹脂の含有量が、タブレット全量に対して、20質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。
熱硬化性樹脂の含有量を、上記下限値以上とすることにより、良好な成形性と流動性が得られ、上記上限値以下とすることにより、繊維フィラーの割合が高くなり、機械的強度を高くしやすくなる。
[繊維フィラー]
本実施形態で用いられる繊維フィラーとしては、金属繊維、木材繊維、木綿、麻、羊毛などの天然繊維;レーヨン繊維などの再生繊維;セルロース繊維などの半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維;炭素繊維;ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維などが挙げられるがこれらに限定されない。繊維フィラーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、高い機械的強度を得る観点から、炭素繊維、及び無機繊維が好ましい。
繊維フィラーの繊維長さは、要求される特性に応じて使い分けることが望ましく、例えば、500μm以上10mm以下であることが好ましい。繊維長さを上記下限値以上とすることで、機械的強度、剛性などの特性を発現させることができる。一方、繊維長さを上記上限値以下とすることで、良好な成形加工性を確保することができる。
繊維フィラーの径は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。
繊維フィラーの径を上記下限値以上とすることで、成形品の機械的強度を確保することができ、上記上限値以下とすることで、成形加工性を確保することができる。
繊維フィラーの繊維長さ及び径は、例えば、得られた抄造体を電子顕微鏡で観察することにより、確認することができる。さらに、平均繊維長さ、平均径は、得られた抄造体の表面から観察される繊維フィラーを合計で100本選び、その平均値を算出することで、求めることができる。
繊維フィラーの含有量は、タブレットの用途に応じて適宜選択できる。
[その他の材料]
本実施形態において抄造体は、さらにカーボン、モリブデン、二硫化モリブデン、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム及びマイカからなる群より選択される少なくとも1種以上の摺動材を含むことが好ましい。これにより、タブレットの良好な流動性が得られるようになる。なかでも、流動性を保持しつつ、機械的特性が得られやすくなる点から、カーボンが好ましい。
また、摺動材は、タブレット全量に対して、0.1質量%以上、15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、10質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態において抄造体は、上記繊維フィラーに加え、パルプ繊維を用いてもよい。パルプ繊維とは、有機繊維をフィブリル化したものをいう。有機繊維とは、天然繊維、合成繊維のうち、有機物質を主成分とする繊維の総称である。パルプ繊維としては、具体的には、リンターパルプや木材パルプ等のセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹などの天然繊維;パラ型全芳香族ポリアミド繊維やその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維やその共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維をフィブリル化したパルプ状繊維が挙げられる。パルプ繊維は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パルプの含有量は、抄造体全体に対して0.5重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2重量%以上であることがさらに好ましい。これにより、製造工程中における熱硬化性樹脂の凝集をより効果的に発生させて、さらに安定的な成形体の製造を実現することができる。
一方、パルプの含有量は、抄造体全体に対して、15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましく、8重量%以下であることがさらに好ましい。これにより、抄造体の機械的特性や熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
本実施形態において抄造体は、例えば、凝集剤を含むことができる。凝集剤は、後述する抄造法を用いた抄造体の製造方法において、熱硬化性樹脂、繊維材料をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
凝集剤は、例えば、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、及び両性高分子凝集剤から選択される一種又は二種以上を含むことができる。このような凝集剤の例示としては、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。また、凝集剤において、そのポリマー構造や分子量、水酸基やイオン性基などの官能基量などは、必要特性に応じて特に制限無く調整することが可能である。
本実施形態において抄造体は、例えば、特性向上を目的とした酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、樹脂の硬化触媒や硬化促進剤、顔料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤などの紙力向上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、サイズ定着剤、消泡剤、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性製紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤などのサイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミなどの凝結剤などの添加剤から選択される一種又は二種以上を、生産条件調整や、要求される物性を発現させることを目的として含むことができる。
<抄造体の製造方法>
図1は、本実施形態の抄造体の製造方法を説明する模式断面図である。本実施形態の抄造体の製造方法は、例えば、以下の工程を有する。
1b.熱硬化性樹脂Aと、繊維フィラーBを分散媒中で混合して、スラリーを調製する工程。
2b.底面にメッシュを備える容器に、得られたスラリーを入れ、分散媒を分離する工程。
3b.メッシュ上に残った凝集物を脱水プレスする工程。
4b.乾燥させる工程。
以下、各工程について詳述する。
[工程1b]
スラリーの調製は、図1(a)に示すように、熱硬化性樹脂Aと、繊維フィラーBとを分散媒中で混合、撹拌することにより行われる。
上記材料を分散媒中で混合する工程は、例えば、攪拌機を備える容器中で撹拌する方法を用いることができる。
分散媒としては限定されず、具体的には、水;エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類;テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラールなどのエーテル類などが挙げられる。分散媒としては、上記具体例のうち、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、入手が容易であり、環境負荷が低く、安全性が高いことから、水を用いることが好ましい。
ここで、スラリーは、上記材料に加えて、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン、パルプ繊維を含むものであってもよい。
上記のポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンは、熱硬化性樹脂A、繊維フィラーB、必要に応じてパルプ繊維、及び必要に応じて他の成分を分散媒中で混合し、撹拌した後に添加してもよいし、上記成分と同時に混合してもよい。各成分をより高度に分散させるために、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンは、上記各成分を分散媒中で混合し撹拌した後に加えるのが好ましい。
また、パルプ繊維が配合されることにより、繊維フィラーBを高度に分散させることができる。
又は、熱硬化性樹脂A、繊維フィラーB、及びポリエーテルオキサイドを分散媒中で混合して、第一のスラリーを得た後に、当該第一の混合水性スラリーに、ポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンを混合して、第二のスラリーを調製してもよい。
[工程2b]
本実施形態では、図1(b)に示すように、底面にメッシュを備える容器に、得られたスラリーを入れ、分散媒を分離する。これにより、図1(c)に示すようにメッシュ60上に、シート状の凝集物が残存する。なお、凝集物は、例えば、スラリーの原料成分を含む。
ここで、メッシュ60の形状を適宜選択することによって、のちに得られる抄造シート11の形状を調整することが可能である。例えば、平坦なシート形状のメッシュ60を用いた場合、シート様の形状を有する抄造体が得られる。また、例えば、波型、凹凸等の立体形状を有するメッシュ60を用いた場合、立体形状を有する抄造シートが得られる。
また、抄造シート11の厚みは、材料スラリー中の上記各材料の量を調整したり、再度スラリーを作製して分離工程を行ったりすることによって調整することができる。
[工程3b]
次いで、メッシュ上に残った凝集物を脱水プレスすることで、抄造シート11を得る(図1(c))。脱水プレスの条件は、例えば、温度20℃以上30℃以下で、圧力1kgf/cm以上50kgf/cm以下とすることができる。
ここで、脱水プレスは、例えば、抄造シート11の脱水率が20%以下となるように行われることが好ましい。なお、本実施形態にかかる脱水率とは、脱水処理する前に凝集物に含まれる分散媒の質量を100%としたとき、脱水処理した後の凝集物に含まれる分散媒の質量を示す。
[工程4b]
乾燥工程では、図1(d)に示すように、オーブン70内で凝集物を熱処理する。これにより、抄造シート11から分散媒をさらに取り除く。なお、乾燥する方法としては、限定されず、オーブン70以外の方法を用いてもよい。
乾燥する温度は、熱硬化性樹脂の融点以上反応温度以下とすることができる。なお、反応温度とは、示差走査熱量(DSC:Differential scanning calorimetry)測定における昇温過程において、算出される反応率が0%を最初に越える温度である。ここで、反応率とは、次のように求められる。まず、硬化反応を行っていない抄造体について、DSC測定により温度プロファイルを測定する。これにより得られる硬化反応の温度プロファイルから算出される、硬化反応の発熱ピークの単位質量あたりに換算した発熱量をA[mJ/mg]とする。次いで、反応率を算出する抄造体についても、同様に、硬化反応の発熱ピークの単位質量あたりに換算した発熱量B[mJ/mg]を算出する。上記A及びBを用いて、以下の式より、反応率が求められる。
(式) (反応率)=B/A×100[%]
以上の工程により、Bステージの状態の抄造シート11が得られる。
<タブレットの製造方法>
次に、得られた抄造シート11を用いてタブレット化する工程について説明する。
[工程1b]
図2に示すように、得られた抄造シート11を丸めて柱状の巻回体にする。
巻回体は、中心軸にできるだけ隙間が生じないようにすることが好ましい。
[工程2b]
前記巻回体の中心軸に平行な方向から当該巻回体を圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る。こうすることにより、抄造シート11内で二次元ランダムに配向していた繊維フィラーの配向を低減させることができる。その結果、より流動性を高めることができる。
加熱温度は、抄造シート11が完全硬化しない温度であればよく、例えば、フェノール樹脂が用いられている場合、150℃未満とすることが好ましく、60〜100℃がより好ましい。また、加圧条件として、圧力は、1〜80MPaとすることが好ましく、5〜60MPaとすることがより好ましい。また、加圧時間は、1〜10分間程度が好ましい。
また、抄造シート11の長さや得たいタブレットのサイズに応じて、巻回体の中心軸に垂直な方向で当該巻回体を切断した後に、上記の圧縮、扁平化を行ってもよい。切断方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。また、タブレットのサイズは、目的に応じて、巻回体の径の長さや切断幅を調整することで適宜設定できる。例えば、原料となる抄造シート11に含まれる繊維フィラーの量に応じて、抄造シート11の厚みと、その後得られるタブレットの厚みが調整される。そのため、抄造シート11の厚み自体も、適宜設定できる。
このような手順により、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットが得られる。
なお、本発明の抄造体タブレットの製造方法は、上記の方法に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記のタブレットの製造工程では、抄造シート11を巻回する例について例について説明したが、以下の方法であってもよい。
図3に示すように、抄造シート11を切断し、短冊状の抄造片を得る工程と、当該短冊状の抄造片の長手方向から圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る工程と、を有するものであってもよい。こうすることにより、抄造シート11内で二次元ランダムに配向していた繊維フィラーの配向を低減させることができ、より流動性を高めることができる。
また抄造シート11の長さや得たいタブレットのサイズに応じて、短冊状の抄造片の長さが短くなるように切断した後に、上記の圧縮、扁平化を行ってもよい。
また、例えば、得られた抄造シート11を円板状に切り出し、複数の円板状シートを積層し、圧縮することでタブレットを得てもよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
(抄造体の作製)
分散媒としての水に、熱硬化性樹脂(レゾール型フェノール樹脂、住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−51723」)50重量部、繊維フィラー(リサイクルカーボン、平均繊維長6mm)40重量部、およびパルプ繊維(アラミド微小繊維、ダイセルファインケム株式会社製「ティアラ KY−400S」平均繊維長500〜600μm)10重量部を加え、20分間撹拌して、固形分濃度0.15重量%のスラリーを得た。
得られたスラリーに、あらかじめ調製したポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョン(ハイモ株式会社製の「ハイモロック DR−9300」)を、スラリー中の固形分に対して300ppmとなるように添加し、スラリー中の固形分を凝集させた。
次いで、凝集物を含むスラリーを、30メッシュの金属網(スクリーン)で濾過し、スクリーン上に残ったシート状の凝集物を、圧力3MPaでプレスして脱水した。脱水した凝集物を、70℃で3時間乾燥させて、シート状の抄造体を得た。
<実施例2>
分散媒としての水に、熱硬化性樹脂(レゾール型フェノール樹脂、住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−51723」)70重量部、繊維フィラー(リサイクルカーボン、平均繊維長6mm)20重量部、およびパルプ繊維(アラミド微小繊維、ダイセルファインケム株式会社製「ティアラ KY−400S」平均繊維長500〜600μm)10重量部を加え、20分間撹拌して、固形分濃度0.15重量%のスラリーを得た以外は、実施例1と同様にして、シート状の抄造体を得た。
<実施例3>
分散媒としての水に、熱硬化性樹脂(レゾール型フェノール樹脂、住友ベークライト株式会社製「スミライトレジンPR−51723」)60重量部、繊維フィラー(リサイクルカーボン、平均繊維長6mm)30重量部、およびパルプ繊維(アラミド微小繊維、ダイセルファインケム株式会社製「ティアラ KY−400S」平均繊維長500〜600μm)10重量部を加え、20分間撹拌して、固形分濃度0.15重量%のスラリーを得た以外は、実施例1と同様にして、シート状の抄造体を得た。
得られた各シート状の抄造体を用いて以下の各タブレットを賦形した。
(タブレットの作製−1)
厚み1mmのシート状の抄造体を切断し、長さ50mm、横10mmの短冊状の抄造片を作製した。続けて、抄造片の長さ方向から以下の条件で加熱圧縮し、サイズ(外径40mm、高さ20mm)のタブレット1を賦形した。
温度:80℃、圧力:5MPa、時間:20秒
(タブレットの作製−2)
厚み1mmのシート状の抄造体を丸め、直径35mm、長さ80mmの略柱状の巻回体を作製した。続けて、巻回体の長さ方向から以下の条件で加熱圧縮して変形させ、サイズ(外径40mm、高さ20mm)のタブレット2を賦形した。
温度:80℃、圧力:5MPa、時間:20秒
(タブレットの作製−3)
厚み1mmのシート状の抄造体から、直径35mmの複数の略円板を切り出し、複数の円板状シートを作製した。続けて、円板状シートを厚み方向に10枚積層し、積層方向から以下の条件で加熱圧縮して変形させ、サイズ(外径40mm、高さ20mm)のタブレット3を賦形した。
温度:80℃、圧力:5MPa、時間:20秒
<参考例>
従来のトランスファー成形および圧縮成形用タブレットとして、スミコンPM(PM−9640、住友ベークライト株式会社製)を用いた。
得られた各タブレットについて、以下の評価を行った。
・最大流動長:タブレットの合計重量が重量40gとなるように金型内にタブレットを投入し、流路断面積50mm、金型温度160℃、50MPaの条件で高さ方向から加熱圧縮した時の最大流動長(cm)を測定した。結果を、表1に示す。
Figure 2021024173
11 抄造シート
60 メッシュ
70 オーブン
A 熱硬化性樹脂
B 繊維フィラー

Claims (9)

  1. トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットであって、
    前記タブレットが抄造体からなり、
    前記抄造体が、熱硬化性樹脂および繊維フィラーを含む、タブレット。
  2. 以下の条件を満たす、請求項1に記載のタブレット。
    条件:前記タブレットの合計重量が重量40gとなるように金型内に当該タブレットを投入し、流路断面積50mm、金型温度160℃、50MPaの条件で高さ方向から加熱圧縮した時の最大流動長が10cm以上である。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびポリウレタンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1または2に記載のタブレット。
  4. 前記繊維フィラーが、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、およびエチレンビニルアルコール繊維の中から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタブレット。
  5. 前記熱硬化性樹脂の含有量が、前記タブレット全量に対して、20質量%以上、80質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタブレット。
  6. 前記抄造体がさらにカーボン、モリブデン、二硫化モリブデン、6チタン酸カリウム、8チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム及びマイカからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタブレット。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタブレットを用い、トランスファー成形または圧縮成形により成形された成形品。
  8. 熱硬化性樹脂および繊維フィラーが溶媒中に分散した抄造スラリーを抄造し、抄造シートを得る工程と、
    前記抄造シートを丸めて柱状の巻回体にする工程と、
    前記巻回体の中心軸に平行な方向から当該巻回体を圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る工程と、
    を有する、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットの製造方法。
  9. 熱硬化性樹脂および繊維フィラーが溶媒中に分散した抄造スラリーを抄造し、抄造シートを得る工程と、
    前記抄造シートを切断し、短冊状の抄造片を得る工程と、
    当該短冊状の抄造片の長手方向から圧縮し、扁平化することによりタブレットを得る工程と、
    を有する、トランスファー成形用または圧縮成形用のタブレットの製造方法。
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