JP2006265368A - アクリル系粘着シートおよびその製造方法 - Google Patents

アクリル系粘着シートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いせん断強度を有し、自動車塗料や鋼、ステンレス鋼など極性の高い被着体だけでなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性の難接着性の被着体に対しても十分な接着強度を有するアクリル系粘着シートを提供することを目的とする。
【解決手段】微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、少なくとも、炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物に紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とするアクリル系粘着シートを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小球状体を含む粘弾性体層の少なくとも片面に、紫外線硬化性のアクリル系粘着剤層を設けたアクリル系粘着シート、およびその製造方法に関する。
粘着テープまたはシートとして、粘着剤層中にガラスのミクロバブル(中空微粒子)を分散させることで、接着強さと剪断力に優れた発泡体様粘着テープが知られている(特許文献1参照)。しかしながら、上記発泡体様粘着テープは、十分なせん断強度を得るためにガラスのミクロバブルを分散させているため、それ自体では接着性の点で満足いくものではない。
このような発泡体用粘着テープの接着性を改良する試みとして、例えば塩素化ポリオフィンを配合した紫外線重合粘着剤を接着剤層としてもつ発泡体様材料が報告されている(特許文献2参照)。この方法によれば、自動車ペイント、鋼、ステンレス鋼などの極性の強い被着体によく接着するとともに、オレフィン表面などの低極性な被着体にも優れた接着性を示すとされる。しかしながら、塩素化ポリオレフィンはアクリルモノマーとの相溶性がよいとはいえず、塩素化ポリオレフィンの溶解に長時間を要したり、モノマーを加温したりする必要があり、このため生産性が塩素化ポリオレフィンを添加しない場合よりも低くなっていた。さらに、アクリルモノマーの組成が変わると、塩素化ポリオレフィンの溶解性が変わり、特にアクリルモノマーの極性を高めると溶解性に乏しくなることから、非極性表面への接着は優れる反面、極性表面への接着は従来の粘着剤よりも低くなってしまう場合もあった。
また無機中空粒子を添加してなる粘着剤を基材層とし、光活性官能基を有するアクリル系高分子量体を主成分とする粘着剤層を設けた光硬化型の両面粘着テープが報告されている(特許文献3参照)。このような粘着テープでは、高粘着性と高耐熱性を両立できることが示されているが、ステンレス板を被着体とした場合に高い接着性を示すものであって、低極性の被着体への接着性は満足いくものではない。
特公昭57−17030号公報 特表平11−504367号公報 特開2000−248241号公報
本発明では、上記の課題を解決しようとするものであり、高いせん断強度を有し、自動車塗料や鋼、ステンレス鋼など極性の高い被着体だけでなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性の難接着性の被着体に対しても十分な接着強度を有するアクリル系粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、下記アクリル系粘着シートにより上記目的を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下に示す通りである。
1.微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、
少なくとも、炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物に紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とするアクリル系粘着シートである。
2.ビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)100重量部に対し、
光重合開始剤(b)0.001〜5重量部、
(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)5〜40重量部、
を含有することを特徴とする上記1記載のアクリル系粘着シート。
3.(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)が、ホモポリマーとした時の溶解度パラメーターが21.5(MPa1/2)以下であり、かつガラス転移温度Tgが15℃以上であるアルキル(メタ)アクリレート(c1)をモノマーユニットとして50重量%以上含む重合体であることを特徴とする上記1または2のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
4.粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体が、ベースポリマーとして(メタ)アクリル酸エステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーを含有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
5.微小球状体が、中空ガラスバルーンであることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
6.粘弾性体層(X)は、微小球状体と(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして含む粘弾性体組成物に紫外線照射して硬化させて得られることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
7.微小球状体とアルキル(メタ)アクリレートを主単量体として含む粘弾性体組成物からなる層の少なくとも片面に、
炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物層を設け、
これら積層体に紫外線照射することで粘弾性体層(X)および粘着剤層(Y)を形成することを特徴とするアクリル系粘着シートの製造方法。
本発明のアクリル系粘着シートによれば、自動車塗料や鋼、ステンレス鋼など極性の高い被着体だけでなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性の難接着性の被着体に対しても十分な接着強度を有するアクリル系粘着シートを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のアクリル系粘着シートは、微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、
少なくとも、炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物に紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とする。
本発明の粘着剤層(Y)は、少なくとも、炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物に紫外線照射して得ることを特徴とする。
炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらアルキル(メタ)アクリレート(a1)は1種または2種以上が用いられる。
前記アルキル(メタ)アクリレート(a1)は、ビニル系モノマー(a)の全量とすることができるが、ビニル系モノマー(a)には前記モノマー(a1)とともに、共重合性のモノマー(a2)を用いることができる。共重合性モノマー(a2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシへキシル等のヒドロキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。また(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシへキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンインミド等のスクシンイミド系モノマーなども共重合性のモノマー(a2)として挙げられる。さらに酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー;メチル(メタ)アクリレートやオクタデシル(メタ)アクリレート等の上記主成分をなすアルキル(メタ)アクリレート(a1)とは異なるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート等も共重合性モノマー(a2)として挙げられる。共重合性モノマーは(a2)は1種または2種以上を用いることができる。
上記モノマー(a1)とモノマー(a2)を用いる場合、モノマー(a1)を70〜99.9重量%、モノマー(a2)を0.1〜30重量%とするのが好ましい。さらに好ましくは、モノマー(a1)を80〜99,9重量%、モノマー(a2)を0.1〜20重量%である。さらに好ましくは、モノマー(a1)を90〜99重量%、モノマー(a2)を1〜10重量%である。
モノマー(a2)としては、ヒドロキシル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが好ましく、特にアクリル酸が好ましく、その使用割合は1〜10重量%とするのが好ましい。前記範囲で用いることで接着力を向上させることができる。
光重合開始剤(b)としては、各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などのケタール系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(ダロキュア1173:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などのα−ヒドロキシケトン系、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などのα−アミノケトン系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ルシリンTPO:BASF社製)等のアシルホスフィンオキサイド系、その他、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系などが挙げられる。
これらの光重合開始剤(b)の使用量は、前記ビニル系モノマー(a)100重量部に対して、0.001〜5重量部の割合であるのが好ましい。より好ましくは0.01〜4重量部であり、さらに好ましくは0.1〜3重量部の割合で用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)は、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量1000〜30000である。(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)の軟化温度Tsは、定荷重細管押出し式レオメーター(島津フローテスタCFT−500D)を用いて測定される軟化温度Tsを指し、ダイ:1mm×1mm、荷重:4.9N、昇音速度:5℃/分の条件で測定されたものを指す。ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性被着体への接着性の観点から、軟化温度Tsは45℃以上、さらには55℃以上であるのが好ましい。一方軟化温度Tsが高くなりすぎると、粘着剤組成物のTgが高くなり、初期タックなどが低下するため、軟化温度Tsは200℃以下、さらには150℃以下であるのが好ましい。
また(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーは(c)は、重量平均分子量が1000〜30000である。好ましくは2000〜10000である。重量平均分子量が1000未満ではポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性被着体への接着性を向上させる効果に乏しい。一方、重量平均分子量が30000を越えると、(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)が層分離しやすくなり、粘着性能や外観に悪影響を及ぼす場合がある。重量平均分子量の測定は、GPC法によりポリスチレン換算して求められる。具体的には東ソー株式会社製の『HPLC8020』に、カラムとして『TSKgelGMH−H(20)』を2本連結して用いて、テトラヒドロフラン溶媒で流速0.5ml/分の条件にて測定される。
(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を形成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)が、ホモポリマーとした時の溶解度パラメーターが21.5(MPa1/2)以下であり、かつTgが15℃以上であるアルキル(メタ)アクリレート(c1)をモノマーユニットとして50重量%以上含む重合体を好ましく使用できる。
溶解度パラメーター(SP値)は、R.T.Fedors,Polymer Engineering and Science,14,147(1974)に記載されている方法により算出される。溶解度パラメーターは、ポリエチレンやポリプロピレンのような低極性表面を有する被着体への接着性の観点から、好ましくは21.3(MPa1/2)以下、さらに好ましくは21.0(MPa1/2)以下である。なお、溶解度パラメーターが小さくなりすぎるとアクリル系粘着剤組成物の主成分となる、ビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)との相溶性、特に、一般的に用いられる、アクリル酸ブチルや2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸の共重合体物に対する相溶性が低くなるため、溶解度パラメーターは18.0(MPa1/2)以上、さらに好ましくは18.5(MPa1/2)以上である。
またTgは、POLYMER HANDBOOK FORTH EDITIONに記載されている数値より判断される。Tgは、粘着剤の凝集力、接着力の観点から、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。なお、Tgが高くなりすぎると、粘着剤組成物のTgを引き上げて初期タックなどが低下するなどの点で好ましくないため、Tgは200℃以下、さらに好ましくは190℃以下である。
ホモポリマーとしたときに溶解度パラメーター(SP値)が21.5以下、Tgが15℃以上であるアルキル(メタ)アクリレート(c1)の具体例としては、t−ブチルアクリレート(Tg:43℃,SP値:19.2(MPa1/2))、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート(Tg:15℃,SP値:19.1(MPa1/2))、イソボルニルアクリレート(Tg:94℃,SP値:19.7(MPa1/2))、メチルメタクリレート(Tg:105℃,SP値:20.3(MPa1/2))、エチルメタクリレート(Tg:65℃,SP値:19.9(MPa1/2))、シクロヘキシルメタクリレート(Tg:83℃,SP値:20.1(MPa1/2))、イソブチルメタクリレート(Tg:53℃,SP値:19.0(MPa1/2))、t−ブチルメタクリレート(Tg:118℃,SP値:18.6(MPa1/2))などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)は、前記アルキル(メタ)アクリレート(c1)をモノマーユニットとして50重量%以上含む重合体であることが好ましい。前記アルキル(メタ)アクリレート(c1)は、1種類または2種以上が用いられる。アルキル(メタ)アクリレート(c1)の含有量が50重量%未満では、ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性被着体への接着性を十分向上させられない点で好ましくない。アルキル(メタ)アクリレート(c1)の含有量は50重量%以上、さらには80重量%以上である。なお、(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)は、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000であれば、アルキル(メタ)アクリレート(c1)の他に、溶解度パラメーターが21.5(MPa1/2)を超えたり、かつTgが15℃未満である他のモノマーを共重合することもできる。
(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)の使用量は、前記ビニル系モノマー(a)100重量部に対して、5〜40重量部の割合であるのが好ましい。より好ましくは10〜30重量部の割合で用いられる。5重量部未満であると、ポリエチレンやポリプロピレンなどの低極性被着体への接着性を向上させる効果に乏しく、40重量部を超えると(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)が相分離しやすくなり、粘着性能や外観に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、粘着剤層(Y)に適度なゲル分率を付与するために、多官能(メタ)アクリレートを配合することもできる。多官能(メタ)アクリレートとしては、少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を特に制限なく使用できる。例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの使用量は、上記成分(a)乃至(c)を含有するアクリル系粘着剤組成物から形成されるアクリル系粘着剤層のゲル分率が45重量%以上となるように配合するのが好ましい。前記ゲル分率は50重量%以上であるのがより好ましい。ゲル分率が45重量%未満となると、粘着剤層の凝集力が不足し、保持力や剪断方向への接着強さが不足する場合がある。一方、ゲル分率が高くなりすぎると、粘着剤層のタックが低下し、粘着性能や外観に悪影響を及ぼす場合があることから、ゲル分率は99重量%以下、さらには97重量%以下であるのが好ましい。
なお、ゲル分率は、粘着剤約1gを精秤し、これを酢酸エチル約40gに7日間浸漬し、その後、酢酸エチルに対する不溶解分を全て回収し、130℃で2時間乾燥し、その重量を求め、得られた数値を以下の式に代入して算出した。
溶剤不溶分(%)=(不溶解分重量/浸漬前の粘着剤重量)×100
多官能(メタ)アクリレートの使用量は、その分子量や官能基数などにより異なるが、通常、前記ビニル系モノマー(a)100重量部に対して、0.001〜30重量部の割合であるのが好ましい。より好ましくは0.05〜20重量部の割合で用いられる。
本発明のアクリル系粘着剤層は、上記成分(a)乃至(c)を含有するアクリル系粘着剤組成物を光重合することにより形成される。当該アクリル系粘着剤組成物は、その取り扱い上、塗工に適した粘度(通常、B型粘度計における粘度測定において、25℃で0.3〜40Pa・s)に調整するのが好ましい。そのため、上記モノマー(a1)またはモノマー(a1)とモノマー(a2)からなるビニル系モノマー(a)は予備重合して部分重合物としておくことができる。ビニル系モノマー(a)の部分重合物の重合率は、部分重合物中のポリマー分子量にもよるが、2〜40重量%程度とするのが好ましい。さらには、5〜20重量%とするのが好ましい。部分重合する際には、酸素との接触を避けて紫外線照射するのが好ましい。なお、部分重合物の重合率は、部分重合物約0.5gを精秤し、これを130℃で2時間乾燥した後の重量を精秤し、得られた数値を以下の式に代入して算出した。
部分重合物の重合率(%)=(乾燥後の部分重合物の重量/乾燥前の部分重合物の重量)×100
またアクリル系粘着剤組成物は、増粘用ポリマーを適宜に配合することにより粘度調整することもできる。増粘用ポリマーとしては、前記した(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)にアクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリン等を共重合したアクリル系ポリマーや、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム、ポリウレタン、ポリエステル等を用いることができる。これら増粘剤用ポリマーは、アクリル系粘着剤組成物中40重量%以下の範囲で用いられる。増粘用ポリマーを用いる場合には5〜40重量%とするのがよい。
またアクリル系粘着剤組成物には、その他にも可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料などの従来公知の各種の添加剤を、光重合性を阻害しない範囲内で適宜配合することができる。
本発明のアクリル系粘着シートを構成する粘着剤層(Y)は、前記粘着剤組成物を適宜な基材上に塗工した後、紫外線照射することにより得られる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cm2である紫外線を、光量400〜4000mJ/cm2程度照射して光重合させることによりアクリル系粘着剤層が得られる。なお、この時の重合率は90重量%以上とすることが望ましい。未反応モノマーは通常の乾燥工程により除去することもできる。なお、重合率は前述の方法と同様の方法により算出できる。また、アクリル系粘着剤組成物中に(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)等を含んでいる場合にも、前記同様に重合率として扱い、前記重合率は90%以上とするのが好ましい。
アクリル系粘着剤層の厚さは特に制限されないが、良好な接着強度を確保するため、通常10μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上(通常400μmまで)であるのがよい。
微小球状体を含む粘弾性体層(X)は、少なくとも粘弾性体を構成するベースポリマーと、微小球状体とを含む粘弾性体組成物からなる。
ベースポリマーとしては、特に限定されず、公知のベースポリマーから適宜選択して用いることができ、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどを挙げることができる。特に本発明においては、これらのベースポリマーのうち、粘着剤層(Y)との接着性の良さから、アクリル系ポリマーが好適に用いられる。
アクリル系ポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートをモノマー主成分とするポリマーであり、1種または2種以上のアルキル(メタ)アクリレートが用いられる。
前記アクリル系ポリマーにおけるアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ナノデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは炭素数2〜14のアルキル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは炭素数2〜10のアルキル(メタ)アクリレートが望ましい。
またアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)クリリレートとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
なお、アルキル(メタ)アクリレートは、アクリル系ポリマーのモノマー主成分として用いられているので、アクリル系ポリマーを調整するためのモノマー成分全量に対して60重量%以上、好ましくは80重量%用いることが望ましい。
前記アクリル系ポリマーでは、モノマー成分として、極性基含有モノマーや多官能性モノマーなどの各種の共重合性モノマーを用いてもよい。モノマー成分として、共重合性モノマーを用いることにより、例えば、弾性や柔軟性など基材としての特性を改良することができる。
前記極性基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシへキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。また(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモリホリンの他、N−ニミルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマーなどが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリル酸やメタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーが好適に用いられる。このような極性基含有モノマーは、1種または2種以上を用いることができる。
極性基含有モノマーの使用量としては、アクリル系ポリマーを調整するためのモノマー成分全量に対して30重量%以下(例えば1〜30重量%)であり、好ましくは3〜20重量%である。極性基含有モノマーの使用量が30重量%を超えると、例えば、粘弾性体層(X)の柔軟性が損なわれ、粘着シートとして凹凸のある被着体などに対して接着性が低下するおそれがある。また、極性基含有モノマーの使用量が少なすぎると(例えばアクリル系ポリマーを調整するためのモノマー成分全量に対して1重量%未満であると)粘弾性体層(X)の凝集力が乏しなり、粘着シートとして保持性能が低下したり、シートを切断あるいは打ち抜くなどする際の加工性が低下するおそれがある。
前記多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ヘキシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーの使用量としては、アクリル系ポリマーを調整するためのモノマー成分全量に対して2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%)であり、好ましくは0.02〜1重量%である。多官能性単量体の使用量がアクリル系ポリマーを調整するためのモノマー成分全量に対して2重量%を超えると、例えば粘弾性体層(X)の柔軟性が損なわれ、粘着シートとして凹凸のある被着体などに対して接着性が低下するおそれがある。また、多官能性単量体の使用量が少なすぎると(例えばアクリル系ポリマーを調整を調整するためのモノマー成分全量に対して0.01重量%未満であると)、例えば、粘弾性体層(X)の凝集力が乏しなり、粘着シートとして保持性能が低下したり、シートを切断あるいは打ち抜くなどする際の加工性が低下するおそれがある。
また、極性基含有モノマーや多官能性モノマー以外の共重合性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレンビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体;フッ素原子含有(メタ)アクリレート、ケイ素原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明では、前記ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーの調整に際して、従来公知の溶液重合や乳化重合、塊状重合などの重合方法によりアクリル系ポリマーを調整することができるが、光重合開始剤(光開始剤)を用いた活性エネルギー光線による硬化反応を利用することが好ましい。すなわち、本発明における粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体組成物には光重合開始剤が含まれてもよい。このように光重合開始剤が含まれていると活性エネルギー光線による硬化が可能となり、粘着剤層(Y)と同時に粘弾性体層(X)を製造することが可能となる。
前記重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ケタール系光重合開始剤、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α-アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。
具体的には、ケタール系光重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などが挙げられる。α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(ダロキュア1173:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(イルガキュア2959:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などが挙げられる。α-アミノケトン系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369:チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)などが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ルシリンTPO:BASF社製)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量としては、特に限定されないが、例えば、粘弾性体組成物中のベースポリマーを形成するための全モノマー成分[特に(メタ)アクリル酸エステルを単量体の主成分とするアクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分]100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲から選択することができる。
光重合開始剤の活性化に際しては、活性エネルギー光線を粘弾性体に照射することが重要である。このような活性エネルギー光線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に紫外線が好適である。また、活性エネルギー光線の照射エネルギーや、その照射時間などは特に限定されず、光重合開始剤を活性させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
また本発明における粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体組成物には、熱重合開始剤が含まれていてもよい。熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤[例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど]、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。熱重合開始剤の使用量としては特に限定されず、従来、重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。
本発明の粘弾性体層(X)は、微小球状体を含むことを特徴とする。粘弾性体に微小球状体が含まれることにより、例えば、粘弾性体層(X)における凝集力、剪断強度を高めることができ、また、加工性を向上させることができる。微小球状体は単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に用いる微小球状体としては、内部に空間を有する中空のものであっても、また内部が充填されている中実のものであってもかまわないが、紫外線の透過性を妨げ難いという理由から中空の微小球状体が好適に用いられる。また微小球状体は、無機系微小球状体であってもよく、有機系微小球状体であってもよい。具体的には、中空の無機系微小球状体としては、例えば、中空ガラスバルーン等のガラス製の中空バルーン;中空アルミナバルーン等の金属化合物性の中空バルーン;中空セラミックバルーン等の磁器製中空バルーンなどが挙げられる。また、中空の有機系微小球状体としては、例えば中空アクリルバルーン、中空の塩化ビニリデンバルーン等の樹脂製の中空バルーンなどが挙げられる。
また中実の無機微小球状体としては、ガラスビーズやシリカビーズなどが挙げられ、中実の有機微小球状体としてはスチレンビーズ、アクリルビーズなどのポリマービーズが挙げられる。
微小球状体の粒径(平均粒子径)としては特に制限されないが、例えば1〜500μm(好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜100μm)の範囲から選択することができる。
微小球状体の比重としては、特に限定されないが、例えば、0.1〜0.8g/cm3(好ましくは0.12〜0.5g/cm3)の範囲から選択することができる。中空微小球状体の比重が0.1g/cm3よりも小さいと、微小球状体を粘弾性体組成物中に配合して混合する際に、浮き上がりが大きくなり、均一に分散させること難しくなり、一方、0.8g/cm3よりも大きいと、高価になり、コストが高くなる。
微小球状体の使用量としては、特に限定されず、例えば、粘弾性体により形成された粘弾性体層(X)の全体積に対して5〜50容積%(体積%)、好ましくは10〜50容積%、さらに好ましくは15〜40容積%となるような範囲から選択することができる。微小球状体の使用量が粘弾性体により形成された粘弾性体層(X)の全体積に対して5容積%未満となるような使用量であると、微小球状体を添加した効果が低く、一方、50容積%を超えるような使用量であると、例えば、弾性が乏しくなるおそれがある。
本発明のアクリル系粘着シートにおける粘弾性体層(X)は、微小球状体のほか、気泡を含有することができる。粘弾性体層(X)に気泡を含有することで、クッション性や密着性が向上するという利点がある。粘弾性体層(X)に混合可能な気泡量としては、基材特性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、粘弾性体層(X)の全体積に対して通常5〜50体積%(好ましくは10〜40体積%、更に好ましくは12〜30体積%)である。気泡量が5体積%未満であると、気泡を含有する効果に乏しいという不具合がある。また50体積%を超えるとシートを貫通する気泡が形成し、粘弾性体層(X)が柔らかくなりすぎ、保持力、剪断強度が劣ることが多い。
粘弾性体層(X)中に混合される気泡は、基本的には、独立気泡タイプの気泡であることが望ましいが、独立気泡タイプの気泡と連続気泡タイプの気泡とが混在していてもよい。
また、このような気泡としては、通常、球状の形状を有しているが、いびつな形状の球状を有していてもよい。前記気泡において、その平均気泡径(直径)としては、特に限定されず、例えば、1〜1000μm(好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは30〜300μm)の範囲から選択することができる。
なお、気泡に含まれる気体成分(気泡を形成するガス成分;「気泡形成ガス」と称する場合がある)としては、特に限定されず、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスの他、空気などの各種気体成分を用いることができる。気泡形成ガスとしては、気泡形成ガスを混合した後に、重合反応等の反応を行う場合は、その反応を阻害しないものを用いることが重要である。気泡形成ガスとしては、反応を阻害しないことや、コスト的観点などから窒素が好適である。
本発明のアクリル系粘着シートにおける粘弾性体層(X)においては、粘弾性体を構成するポリマー成分と微小球状体に加え、フッ素系界面活性剤を配合することが好ましい。分子中に特定の構造を有する界面活性剤を用いることにより、微小球状体と粘弾性体層(X)中のポリマーとの間の密着性や摩擦が低下し、高い応力分散性が得られ、これにより粘弾性体組成物の凝集強さと凹凸面に対する良好な追従性とが同時に実現し、接着強さと剪断強さのバランスに優れた粘弾性体層(X)を形成することが可能である。
フッ素系界面活性剤としては分子中にオキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有するフッ素系界面活性剤が好適に用いられる。オキシC2-3アルキレン基は式:−R−O−(Rは炭素数2又は3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基)で表される。分子中にオキシC2-3アルキレン基を有することにより、微小球体とベースポリマーとの密着度や摩擦抵抗が低減され、応力分散性が発現する。そのため、本発明のアクリル系粘着シートの粘弾性体層(X)とした場合は、高い接着性が得られる。フッ素化炭化水素基を有することにより上記摩擦抵抗等の低減効果に加えて、気泡混合性及び気泡安定性を高める効果も得られる。フッ素系界面活性剤はオキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有していれば特に限定されないが、ベースポリマーに対する分散性の観点から非イオン型界面活性剤が好ましい。また、分子中にオキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基[−CH2CH(CH3)O−]等の何れか1種を有していてもよく、2種以上を有していてもよい。なお、フッ素系界面活性剤は、単独で、又は2種以上組み合わせて使用することができる。
フッ素化炭化水素基としては、特に制限されないがパーフルオロ基が好適であり、該パーフルオロ基は、1価であってもよく、2価以上の多価であっても良い。また、フッ素化炭化水素基は二重結合や三重結合を有していても良く、直鎖でも枝分かれ構造や環式構造を有していても良い。フッ素化炭化水素基の炭素数としては特に限定されず、1又は2以上、好ましくは3〜30、さらに好ましくは4〜20である。これらのフッ素化炭化水素基が界面活性剤分子中に1種又は2種以上導入されている。オキシC2-3アルキレン基としては、末端の酸素原子に水素原子が結合したアルコール、他の炭化水素基と結合したエーテル、カルボニル基を介して他の炭化水素基と結合したエステル等、何れの形態でも良い。また、環式エーテル類やラクトン類等、環状構造の一部に該構造を有する形態でもよい。
フッ素系界面活性剤の構造としては特に制限されないが、例えば、オキシC2-3アルキレン基を有する単量体及びフッ素化炭化水素基を有する単量体をモノマー成分として含む共重合体を好適に用いることができる。このような共重合体としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体など、様々な構造が考えられるが、何れも好適に用いられる。
ブロック共重合体(主鎖にオキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有する共重合体)としては、例えば、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル、ポリオキシエチレンパーフルオロアルキレート、ポリオキシプロピレンパーフルオロアルキルエーテル、ポリオキシイソプロピレンパーフルオロアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンパーフルオロアルキレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーパーフルオロアルキレート、ポリオキシエチレングリコールパーフルオロアルキレート等である。
グラフト共重合体(側鎖にオキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有する共重合体)としては、モノマー成分として少なくとも、ポリオキシアルキレン基を有するビニル系化合物及びフッ素化炭化水素基を有するビニル系化合物を含む共重合体、特に、アクリル系共重合体が好適に用いられる。ポリオキシアルキレン基を有するビニル系化合物としては、例えば、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートが挙げられる。フッ素化炭化水素基を有するビニル系化合物としては、例えば、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等、フッ素化炭化水素を含有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、分子中に上記構造の他に脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基などの構造を有していてもよく、ベースポリマーへの分散性を阻害しない範囲内でカルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、アミド基、アミノ基等様々な官能基を有していてもよい。例えばフッ素系界面活性剤がビニル系共重合体である場合は、モノマー成分として、ポリオキシアルキレン基を有するビニル系化合物及びフッ素化炭化水素基を有するビニル系化合物と共重合可能なモノマー成分が用いられてもよい。このようなモノマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記共重合可能なモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル;シクロペンチル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレートなどの芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。その他、マレイン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体などが挙げられる。さらにまた、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性共重合性単量体(多官能モノマー)が用いられてもよい。
フッ素系界面活性剤の分子量は特に制限されないが、重量平均分子量が20000未満(例えば500以上、20000未満)であると粘弾性体組成物中のベースポリマーと中空微小球状体との間の密着性や摩擦抵抗を低減する効果が高い。さらに重量平均分子量20000以上(例えば20000〜100000、好ましくは22000〜80000、さらに好ましくは24000〜60000)のフッ素系界面活性剤を併用すると、気泡の混合性や、混合された気泡の安定性が高まる。
オキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有し、且つ重量平均分子量20000未満のフッ素系界面活性剤の具体例としては、商品名「フタージェント251」(株式会社ネオス製)、商品名「FTX−218」(株式会社ネオス製)、商品名「メガファックF−477」(大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「メガファックF−470」(大日本インキ化学工業株式会社製)、商品名「サーフロンS−381」(セイケミカル株式会社製)、商品名「サーフロンS−383」(セイケミカル株式会社製)、商品名「サーフロンS−393」(セイケミカル株式会社製)、商品名「サーフロンKH−20」(セイケミカル株式会社製)、商品名「サーフロンKH−40」(セイケミカル株式会社製)などが挙げられる。オキシC2-3アルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有し、且つ重量平均分子量20000以上であるフッ素系界面活性剤の具体例としては、商品名「エフトップEF−352」(株式会社ジェムコ製)、商品名「エフトップEF−801」(株式会社ジェムコ製)、商品名「ユニダインTG−656」(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、何れも本発明に好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤の使用量(固形分)としては、特に制限されないが、例えば、粘弾性体組成物のベースポリマーを形成するための全モノマー成分[特に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分]100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.03重量部〜1重量部)の範囲で選択することができる。0.01部未満であると微小球状体と粘弾性体層(X)中のポリマーとの間の密着性や摩擦を低減させる効果が得られず、5重量部を超えると高価となりコストが高くなる、あるいは接着強さを低下させる場合があるという不具合がある。
粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体組成物には、前記成分(ベースポリマー、中空微小球状体、重合開始剤、フッ素系界面活性剤など)の他に、適宜な添加剤が含まれていてもよい。例えば、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂などからなる常温で固体、半固体、あるいは液状のもの)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、着色剤(顔料や染料など)などの適宜な添加剤を含んでもよい。例えば、光重合開始剤を用いて粘弾性体層(X)を形成する場合、粘弾性体層(X)を着色するために、光重合を阻害されない程度の顔料(着色顔料)を使用することができる。粘弾性体層(X)の着色として黒色が望まれる場合は、例えば、カーボンブラックを用いることができる。着色顔料としてのカーボンブラックの使用量としては、着色度合いや、光重合反応を阻害しない観点から、例えば、粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体組成物中のベースポリマーを形成するための全モノマー[特に(メタ)アクリル酸エステルを単量体とするアクリル系ポリマーを形成するための全モノマー成分]100重量部に対して0.15重量部以下(例えば0.001〜0.15重量部)好ましくは0.02〜0.1重量部の範囲から選択することが望ましい。
本発明では、粘弾性体層(X)に気泡を含有させる場合、粘弾性体組成物中に気泡を安定的に混合して存在させるために、気泡は粘弾性体組成物中に最後の成分として配合し混合させることが好ましく、特に、気泡を混合する前の粘弾性体組成物(「気泡含有粘弾性前駆体」と称する場合がある)の粘度を高くすることが好ましい。気泡を含有させる前の粘弾性体組成物の粘度としては、混合された気泡を安定的に保持することが可能な粘度であれば特に限定されないが、例えば、粘度計としてBH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数:10rpm、測定温度:30℃の条件で測定された粘度としては、5〜50Pa・s(好ましくは10〜40Pa・s)であることが望ましい。粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、30℃)が、5Pa・s未満であると、粘度が低すぎて、混合した気泡がすぐに合一して系外に抜けてしまう場合があり、一方、50Pa・sを超えていると、粘弾性体層(X)を形成する際に粘度が高すぎて困難となる。
なお、気泡を含有させる前の粘弾性体組成物の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマー成分を配合する方法、ベースポリマーを形成するためのモノマー成分[例えば、アクリル系ポリマーを形成させるためのアルキル(メタ)アクリレートなどのモノマー成分など]を一部重合させる方法などにより、調整することができる。具体的には、例えば、ベースポリマーを形成するためのモノマー成分[例えば、アクリル系ポリマーを形成させるためのアルキル(メタ)アクリレートなどのモノマー成分など]と、重合開始剤(例えば、光重合開始剤など)とを混合してモノマー混合物を調整し、該モノマー混合物に対して重合開始剤の種類に応じた重合反応を行って、一部のモノマー成分のみが重合した組成物(シロップ)を調製した後、該シロップに中空微小球状体と、必要に応じてフッ素系界面活性剤や各種添加剤とを配合して、気泡を安定的に含有することが可能な適度な粘度を有することができる。そして、この気泡含有粘弾性前駆体に、気泡を導入して混合させることにより、気泡を安定的に含有している粘弾性体組成物を得ることができる。なお、前記シロップの調製に際しては、モノマー混合中に、予め、フッ素系界面活性剤や、中空微小球状体が適宜配合されてもよい。
気泡を混合する方法としては特に限定されず、公知の気泡混合方法を利用することができる。例えば、装置の例としては、中央部に貫通孔を持った円盤上に、細かい歯が多数ついたステータと、歯のついているステータとを対向しており、円盤上にステータと同様の細かい歯がついているロータとを備えた装置などが挙げられる。この装置におけるステータ上の歯とロータ上の歯との間に粘弾性体組成物を導入し、ロータを高速回転させながら、貫通孔を通して気泡を形成させるためのガス成分(気泡形成ガス)を気泡含有粘弾性前駆体中に導入させることにより、気泡形成ガスが気泡含有粘弾性前駆体中に細かく分散され混合された気泡含有粘弾性体組成物を得ることができる。
なお、気泡の合一を抑制又は防止するためには、気泡の混合から、粘弾性体層(X)の形成までの行程を一連の工程として連続的に行うことが好ましい。すなわち、前述のようにして気泡を混合させて気泡を含有した粘弾性体組成物を調製した後、続いて、公知の粘弾性体層の形成方法を利用して気泡を含有した粘弾性体層を形成することが好ましい。
本発明の粘弾性体層(X)は、前記粘弾性体組成物を、所定の面上に塗布し、必要に応じて乾燥や硬化等を行うことにより、微小球状体を含む粘弾性体層(X)として形成することができる。なお、粘弾性体層(X)の形成に際しては、前述のように、活性エネルギー光線の照射により、硬化させることが好ましい。すなわち、光重合開始剤を含有する粘弾性体組成物を用い、該粘弾性体組成物を、所定の面上に塗布した後、活性エネルギー光線の照射を行って、粘弾性体層(X)を形成することができる。
粘弾性体層(X)の厚みとしては、特に制限されず、例えば、200〜5000μm(好ましくは300〜4000μm、さらに好ましくは400〜3000μm)の範囲から選択することができる。粘弾性体層(X)の厚みが200μmよりも小さいと、クッション性が低下して、曲面や凹凸面に対する接着性が低下し、5000μmよりも大きいと、均一な厚みの層又はシートが得られにくくなる。
なお、粘弾性体層(X)は、単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
このようにして得られる粘弾性体層(X)は、粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体層組成物中に含まれるベースポリマーの種類やその他添加剤の種類により、それ自身が粘着シートとして必要な接着力を有する粘着シートとすることができる。また配合を選ぶことにより、接着力を有さない支持体としてのシートとすることもできる。
本発明のアクリル系粘着シートは、微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に粘着剤層(Y)を設ける構成であり、例えば図1に示されるように粘弾性体層(X)(11)の片面に粘着剤層(Y)(12)を設けた形態のアクリル系粘着シート(1)であってもよい。この場合、粘弾性体層(X)(11)が粘着シートとしての接着力を有する場合は、両面が接着面(粘着面)となっている両面粘着シートとしての形態を有する。また粘弾性体層(X)(11)が粘着シートとしての接着力を有さない場合は、粘着剤層(Y)(12)側が接着面(粘着面)となっている片面接着性の粘着シートとしての形態を有する。
また本発明のアクリル系粘着シートは、図2に示されるように粘弾性体層(X)(21)の両面に粘着剤層(Y)(22)を設けた形態のアクリル系粘着シート(2)であってもよい。この場合、アクリル系粘着シートは両面とも粘着剤層(Y)(22)を有する構成であるので、両面とも接着面(粘着面)となっている両面粘着シートとしての形態を有する。なおこの場合、粘弾性体層(X)(21)の両面に設けられる粘着剤層(Y)は、同じ粘着剤層(22)であってもよいし、その目的により異なる粘着剤層(22)(23)を設けてもよい。
本発明のアクリル系粘着シートは、前記アクリル系粘着剤組成物から得られた着剤層(Y)を、微小球体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に設けるものであって、当該アクリル系粘着シートは、粘弾性体層(X)および粘着剤層(Y)を別々に製造し、それらを貼りあわせることで製造することができる。またあらかじめ粘弾性体層(X)を製造しておき、この粘弾性体層(X)の片面または両面に前記アクリル系粘着剤組成物を塗工し、光重合等させることにより作製することができる。
特に本発明においては、粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体組成物および粘着剤層を構成する粘着剤組成物のいずれにもアクリル系モノマーおよび光重合開始剤を含有させておき、微小球体を含む粘弾性体組成物の層を形成し、その片面または両面に前記アクリル系粘着剤組成物による層を積層した状態で紫外線照射し、粘弾性体層(X)および粘着剤層(Y)を同時に光重合させることによりアクリル系粘着シートを得ることが好ましい。このような方法を用いることで、生産性に優れ、さらに粘弾性体層(X)と粘着剤層(Y)とが一体化することで接着強さを向上させるような利点がある。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下で部、%とあるのはいずれも重量基準である。
実施例1
((メタ)アクリル酸エステルオリゴマーの調整)
トルエン100部、シクロヘキシルメタクリレート100部、アゾビスイソブチロニトリル0.3部および2−メルカプトエタノール3部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下に70℃で6時間、80℃で1時間反応させた。その後該反応液をメタノール中へ添加し、オリゴマーを沈殿させ取り出し、更に減圧乾燥機により乾燥処理した。得られたシクロヘキシルメタクリレートオリゴマーの重量平均分子量は3800、軟化点Tsは97℃であった。
(アクリル系粘着剤組成物の調整)
ブチルアクリレート95部、アクリル酸5部、光開始剤(「イルガキュア184」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.35部、光開始剤(「イルガキュア651」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.35部を4つ口フラスコに投入し,窒素雰囲気下で紫外線に曝露して光重合させることによって,重合率7%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。
この部分重合物100部に、上記で得られたシクロヘキシルメタクリレートオリゴマー20部、トリメチロールプロパントリアクリレート0.15部を添加した後、これらを均一に混合してアクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
(粘弾性体組成物の調整)
2−エチルヘキシルアクリレート90部、アクリル酸10部、光開始剤(「イルガキュア184」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.05部、光開始剤(「イルガキュア651」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.05部を4つ口フラスコに投入し,窒素雰囲気下で紫外線に曝露して光重合させることによって,重合率7%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。
この部分重合物100部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.1部、平均粒径60μm、かさ比重0.17g/cm3の中空ガラスビーズ(「セルスターZ−27」東海工業社製)を9.5部添加し、これらをプロペラミキサーを用いて均一に混合し、次いでデシケーターの中で真空ポンプを用いて脱泡させ、粘弾性体組成物を得た。
(アクリル系粘着シートの作製)
前記アクリル系粘着剤組成物(1)を、塗布面がシリコーンで離型処理された厚み38μmポリエステルフィルムに、最終的な厚みが60μmになるように塗布し塗布層(Y1)を形成した。これとは別に前記粘弾性体組成物を、塗布面がシリコーンで離型処理された厚み38μmポリエステルフィルムに、最終的な厚みが800μmになるように塗布し塗布層(X1)を形成した。アクリル系粘着剤組成物からなる塗布層(Y1)と、粘弾性体組成物からなる塗布層(X1)とを貼り合わせ、塗布層(Y1)と(X1)の両側からブラックライトランプ(東芝社製)にて照度4mW/cm2(約350nmに最大感度をもつ「トプコンUVR−T1」で測定)の紫外線を240秒間照射してアクリル系粘着シートを得た
実施例2
(アクリル系粘着剤組成物の調整)
2−エチルヘキシルアクリレート90部、アクリル酸10部、光開始剤(「イルガキュア184」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.05部、光開始剤(「イルガキュア651」チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)0.05部を4つ口フラスコに投入し,窒素雰囲気下で紫外線に曝露して光重合させることによって,重合率7%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。
この部分重合物100部に、上記で得られたシクロヘキシルメタクリレートオリゴマー10部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.1部を添加した後、これらを均一に混合してアクリル系粘着剤組成物(2)を得た。
(アクリル系粘着シートの作製)
前記アクリル系粘着剤組成物(2)を、塗布面がシリコーンで離型処理された厚み38μmポリエステルフィルムに、最終的な厚みが50μmになるように塗布し塗布層(Y2)を形成した。これ以外は実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを得た。
比較例1
実施例1において、粘弾性体組成物を塗布面がシリコーンで離型処理された厚み38μmポリエステルフィルムに、最終的な厚みが800μmになるように塗布し塗布層(X1)を形成した。ブラックライトランプ(東芝社製)にて照度4mW/cm2(約350nmに最大感度をもつ「トプコンUVR−T1」で測定)の紫外線を240秒間照射した。その後、130℃の乾燥機で3分間熱処理して、微量に残ったモノマーを揮発させて、粘着剤層を有さない粘弾性体層のみからなるアクリル系粘着シートを得た。
比較例2
実施例2のアクリル系粘着剤組成物において、シクロヘキシルメタクリレートオリゴマーを添加しなかった以外は、実施例2と同様にして、アクリル系粘着シートを得た。
以上の実施例および比較例で得られたアクリル系粘着シートについて下記評価を行った。結果を表1に示す。
<接着力>
作製したアクリル系粘着シートの粘弾性体層面に、厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、幅が25mmとなるようにカットした。23℃中で、清浄なポリエステル/メラミン(白)塗料を塗布した塗装鋼板およびポリプロピレン(PP)板に5kgローラー片道で圧着させ、20分間以上エージングした後、180度剥離方向に引っ張り速度50mm/分にてテープを剥離して接着強さを測定した。
<保持力>
作製したアクリル系粘着シートの粘弾性体層面に、厚さ50μmのポリエステルフィルムを貼り合わせ、幅が10mmとなるようにカットした。清浄なベークライト板にテープ幅10mm、長さ20mmの接着面積となるように貼りあわせた。80℃で20分間以上エージングした後、80℃で500gfの荷重を掛けて2時間保持しズレ距離あるいは落下時間を測定した。
Figure 2006265368
実施例および比較例の結果から明らかなように、本発明のアクリル系粘着剤は、高いせん断強度を有し、塗装板のような極性の高い被着体だけでなく、ポリプロピレンのような低極性の難接着性の被着体に対しても十分な接着強度を有することが分かる。
本発明のアクリル系粘着テープの例を示す概略断面図である。 本発明のアクリル系粘着テープの他例を示す概略断面図である。
符号の説明
1, 2 アクリル系粘着シート
11,21 粘弾性体層
12,22 粘着剤層



Claims (7)

  1. 微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、
    少なくとも、炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物に紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とするアクリル系粘着シート。
  2. ビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)100重量部に対し、
    光重合開始剤(b)0.001〜5重量部、
    (メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)5〜40重量部、
    を含有することを特徴とする請求項1記載のアクリル系粘着シート。
  3. (メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)が、ホモポリマーとした時の溶解度パラメーターが21.5(MPa1/2)以下であり、かつガラス転移温度Tgが15℃以上であるアルキル(メタ)アクリレート(c1)をモノマーユニットとして50重量%以上含む重合体であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
  4. 粘弾性体層(X)を構成する粘弾性体が、ベースポリマーとして(メタ)アクリル酸エステルを単量体主成分とするアクリル系ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
  5. 微小球状体が、中空ガラスバルーンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
  6. 粘弾性体層(X)は、微小球状体と(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして含む粘弾性体組成物に紫外線照射して硬化させて得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル系粘着シート。
  7. 微小球状体とアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含む粘弾性体組成物からなる層の少なくとも片面に、
    炭素数2〜14個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分とするビニル系モノマーまたはその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、軟化温度Tsが40℃以上であり、かつ重量平均分子量が1000〜30000である(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー(c)を含有してなるアクリル系粘着剤組成物層を設け、
    これら積層体に紫外線照射することで粘弾性体層(X)および粘着剤層(Y)を形成することを特徴とするアクリル系粘着シートの製造方法。



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