JP2009185229A - アクリル系粘着シート - Google Patents
アクリル系粘着シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009185229A JP2009185229A JP2008028554A JP2008028554A JP2009185229A JP 2009185229 A JP2009185229 A JP 2009185229A JP 2008028554 A JP2008028554 A JP 2008028554A JP 2008028554 A JP2008028554 A JP 2008028554A JP 2009185229 A JP2009185229 A JP 2009185229A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- meth
- acrylate
- acrylic
- monomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【解決手段】中空微小球状体を含む粘弾性体層の少なくとも片面に、アルキル(メタ)アクリレートモノマー、N−ビニル環状アミド、酸性基含有モノマー及び共重合モノマーからなるモノマー組成物またはその部分重合物100重量部、光重合開始剤0.001〜0.5重量部、及び連鎖移動剤0.005〜0.5重量部からなるアクリル系重合性組成物に、紫外線照射して得られる粘着剤層が設けられていることを特徴とするアクリル系粘着シートを提供する。
【選択図】なし
Description
(a1):下記式(I)で表されるアルキル(メタ)アクリレートモノマー40〜74重量%
CH2=C(R1)COOR2 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す)
(a2):下記式(II)で表されるN−ビニル環状アミド25〜33重量%
(a3):酸性基を含むモノマー1〜2.5重量%
(a4):上記(a1)、(a2)及び(a3)と共重合可能な他のモノマー0〜25重量%
本発明において、中空微小球状体を含む粘弾性体層(X)は、粘弾性体を構成するベースポリマーと、中空微小球状体とを含む粘弾性体組成物からなる。
ベースポリマーとしては、特に制限されず、公知のベースポリマーから適宜選択して用いることができる。このようなベースポリマーとしては、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマーなどを用いることが出来る。特に、本発明においては、これらのベースポリマーのうち、粘着剤層(Y)との接着性の良さから、アクリル系ポリマーが好適に用いられる。
本発明において、前記粘弾性体層(X)のベースポリマー(特にアクリル系ポリマー)は、前記モノマー成分を共重合することによって得られる。重合方法としては、従来公知の溶液重合、乳化重合、塊状重合などの重合方法を用いることができる。本発明においては、特に光重合開始剤(光開始剤)を用いた、活性エネルギー光線による硬化反応を利用することが好ましい。このように、光重合開始剤が含まれていると活性エネルギー光線による硬化が可能となり、粘着剤層(Y)と同時に粘弾性体層(X)を製造することが可能となる。なお、これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ケタール系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。上記の光重合開始剤は、特に制限無く使用できる。
本発明の粘弾性体層(X)は、中空微小球状体を含む。中空微小球状体を用いることにより、粘弾性体層(X)における剪断接着力を高めることができ、又、加工性を向上させることができる。中空微小球状体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記粘弾性体層(X)には、ベースポリマーと中空微小球状体に加え、フッ素系界面活性剤が含まれていてもよい。フッ素系界面活性剤を含有することにより、中空微小球状体と粘弾性体層(X)中のベースポリマーとの密着度や摩擦抵抗が低減され、応力が分散される。そのため、本発明の粘弾性体を用いて感圧性接着剤層を形成した場合は、高い接着性が得られる。又、気泡混合性及び気泡安定性を高める効果も得られる。
本発明において、粘着剤層(Y)は、特定量の(a1)アルキル(メタ)アクリレートモノマー、(a2)N−ビニル環状アミドモノマー、(a3)酸性基含有モノマー、及び(a4)共重合可能な他のモノマーとからなるモノマー組成物又はその部分重合物(a)に、特定量の光重合開始剤(b)及び連鎖移動剤(c)を加えたアクリル系重合性組成物に、紫外線照射して得られる。
(a1)成分としてのアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレートなどの、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。上記の中でも、炭素数2〜14のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜10のアルキルメタアクリレートである。これらのアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(a2)成分としての、N−ビニル環状アミドモノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどが挙げられる。上記の中でも、N−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。これらのN−ビニル環状アミドモノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(a3)成分としての、酸性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体のほか、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−ヒドロキシプロピルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有単量体などが挙げられる。これらの酸性基含有モノマーは、使用目的に応じて、そのいずれかが選択使用され、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(a4)成分としての、共重合可能な他のモノマーとしては、前記(a1)、(a2)及び(a3)の成分と共重合可能なモノマーであって、通常アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)が250℃以下となる範囲において、又、アクリル系重合体のタックを損なわない範囲において用いられる。
光重合開始剤(b)としては、例えば、ケタール系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられ、前記粘弾性体層(X)において例示した光重合開始剤を使用できる。
本発明におけるアクリル系重合性組成物には、適度な分子量のポリマーを重合し耐水性を高めるために、連鎖移動剤(c)を用いる。適度な分子量からなるアクリル系粘着剤組成物からなるアクリル系粘着シートを用いると、例えば、その粘弾性体層とアクリル粘着シートを積層させた接着シートにて、自動車外装用物品を耐酸性雨塗膜に接合させ、その後温水中に長時間浸漬させ、その物品を引き剥がす際に、粘弾性体層の部分にて凝集破壊するほどの接着力を維持させることが可能となる。
ゲル分率(溶剤不溶解分)(%)=溶剤不溶解分重量(g)/浸漬前の粘着剤重量(g)×100
アクリル系モノマー部分重合物の重合率(%)=[1−(重量減少量)/(乾燥前のアクリル系モノマー部分重合物の重量)]×100
本発明のアクリル系粘着シートは、中空微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a1)、N−ビニル環状アミドモノマー(a2)、酸性基含有モノマー(a3)及び共重合可能なモノマー(a4)からなるモノマー組成物又はその部分重合物(a)、光重合開始剤(b)、及び連鎖移動剤(c)からなるアクリル系重合性組成物に、紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とする
本発明において、粘着剤層(Y)以外の粘着剤層を設けることができる。このような粘着剤層としえは、例えば、公知の粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)を用いて、公知の粘着剤層の形成方法を利用して形成することができる。なお、粘着剤層(Y)以外の粘着剤層の厚みは、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
剥離フィルム(セパレータ)は、本発明のアクリル系粘着シート作製の際に用いられたり、又、作製後使用されるまでの間における粘着面等の保護材として用いられる。なお、本発明のアクリル系粘着シート作製の際、剥離フィルムは必ずしも用いられなくてもよいが、光重合反応は空気中の酸素等により反応が阻害されるため、剥離フィルムで表面を被覆し酸素との接触を防止するために、用いられいることが好ましい。なお、本発明のアクリル系粘着シートを利用する際には、通常、剥離フィルムは剥離される。
本発明のアクリル系粘着シートの製造方法としては、例えば、弾性体層(X)及び粘着剤層(Y)を別々に製造し、それらを貼り合わせる方法;予め製造した弾性体層(X)の片面又は両面にアクリル系重合性組成物を塗布し、アクリル系重合性組成物の層を設けた後、活性エネルギー線を照射することにより重合させて粘着剤層(Y)を形成させる方法;予め製造した粘着剤層(Y)の片面に弾性体層(X)を形成する樹脂組成物を塗布し、樹脂組成物層を設けた後、該層を重合させて弾性体層(X)を形成させる方法などが挙げられる。
本発明のアクリル系粘着シートは、特に、メラミン含有量の少ない、あるいはメラミンを含有しない塗膜に対して好適に用いられる。中でも、FT−IRを用いたATR測定法により得られる、[メラミン/エステルピーク比(メラミン/エステル強度比)]が、0.4以下である塗膜が耐酸性雨用塗膜であるものとする。本発明のアクリル系粘着シートと該耐酸性雨用塗膜とは積層し、積層体としてより好適に用いられる。
(メラミン/エステルのピーク比)=(メラミンのピーク)/(エステルピーク)
[粘弾性体層(X)の作製]
モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート90重量部及びアクリル酸10重量部が混合されたモノマー混合物に、光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」チバスペシャリティ・ケミカル社製)0.05重量部、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名「イルガキュア184」チバスペシャリティ・ケミカル社製)0.05重量部を混合し、粘度(BH粘度系No.5ローター、10rpm、測定温度30℃にて測定)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射し、一部が重合した組成物(シロップA)を作製した。
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル68.5重量部、N−ビニル−2−ピロリドン30重量部、アクリル酸1.5重量部からなるモノマー混合物100重量部に、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」チバスペシャリティ・ケミカル社製)0.05重量部、及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名「イルガキュア184」チバスペシャリティ・ケミカル社製)0.05重量部を配合し、十分に窒素ガスで置換して紫外線照射を行い、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。
アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン28重量部、アクリル酸2重量部からなるモノマー混合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール0.05重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率24重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル90重量部、アクリル酸10重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約8重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率36.8重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン30重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.0075重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール0.025重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率45.6重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル63重量部、N−ビニル−2−ピロリドン35重量部、アクリル酸2重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.012重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール0.05重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率31.1重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル67重量部、N−ビニル−2−ピロリドン30重量部、アクリル酸3重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率63.3重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル80重量部、N−ビニル−2−ピロリドン20重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率54.9重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン28重量部、アクリル酸2重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.02重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール0.003重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率34.9重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部、N−ビニル−2−ピロリドン28重量部、アクリル酸2重量部よりなるモノマー混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合率約11重量%の部分重合物(モノマーシロップ)を得た。このモノマーシロップに対し、内部架橋剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.4重量部、連鎖移動剤として2−メルカプトエタノール0.6重量部を添加し、実施例1と同様にして、ゲル分率58重量%の粘着剤層(Y)を得た。この粘着剤層(Y)を用いて、実施例1と同様にして、アクリル系粘着シートを作製した。
実施例及び比較例で得られたアクリル系粘着シートについて下記評価を行った。結果を表1に示す。なお、耐酸性雨用塗膜としては、メラミン/エステルピーク比が0.03、表面に占めるSi元素比率が1.2%であるものを用いた。
実施例、比較例で得られたアクリル系粘着シートの、粘弾性体層(X1)側についている剥離フィルムを剥がし、粘弾性体層(X1)面に剥離処理をしていない厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、測定幅が25mmになるよう短冊状サンプルをカットした。粘着剤層(Y)面についている剥離フィルムを剥がし、その粘弾性体層(Y)面を、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウエスにて10往復擦り洗浄した清浄な耐酸性雨用塗膜に、5kgローラーで片道圧着させた。該サンプルを一方は、40℃で2日間放置した。もう一方は、40℃で浸水し2日間放置した。その後、両方の試験片を取り出し常温で30分放置させてから、50mm/分の引張り速度で180°ピールで接着力を測定した。該接着力としては、60N/mm以上(更に好ましくは64N/mm以上)であるものが好ましく、又、浸水接着力としては、45N/mm以上(更に好ましくは50N/mm以上)であるものが好ましい。
実施例、比較例で得られたアクリル系粘着シートについて、上記接着力測定の剥離時に、粘弾性体層(X)の部分において、凝集破壊したものを良好とし、凝集破壊しなかったものを不良とした。
表1において、以下のように評価した。
○:剥離時に粘弾性体層(X)の部分において凝集破壊していた。
×:剥離時に粘弾性体層(X)の部分において凝集破壊していなかった。
実施例、比較例で得られたアクリル系粘着シートの、粘弾性体層(X1)側についている剥離フィルムを剥がし、粘弾性体層(X1)面に剥離処理をしていない厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、測定幅が25mmになるよう短冊状サンプルをカットした。粘着剤層(Y)面についている剥離フィルムを剥がし、その粘弾性体層(Y)面を、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウエスにて10往復擦り洗浄した清浄な耐酸性雨用塗膜に、5kgローラーで片道圧着させ、80℃の環境下に30分投入したのち、80℃の環境下、50mm/分の引張り速度で180°ピールで接着力を測定した。高温接着力としては、18N/mm以上(更に好ましくは20N/mm以上)であるものが好ましい。
実施例、比較例で得られたアクリル系粘着シートの、粘弾性体層(X1)側についている剥離フィルムを剥がし、粘弾性体層(X1)面に剥離処理をしていない厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、測定幅が25mmになるよう短冊状サンプルをカットした。粘着剤層(Y)面についている剥離フィルムを剥がし、その粘弾性体層(Y)面をイソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウエスにて10往復擦り洗浄した。その後5℃の環境下で30分放置した。5℃の環境下に30分投入させておいた清浄な耐酸性雨用塗膜に、5kgローラーで片道圧着させ、5℃の環境下に30分投入したのち、5℃の環境下、50mm/分の引張り速度で180°ピールで接着力を測定した。本発明においては、接着力のピークの山と谷の平均で評価した。低温接着力としては、20N/mm以上(更に好ましくは25N/mm以上)であるものが好ましい。
実施例、比較例で得られたアクリル系粘着シートの、粘弾性体層(X2)側についている剥離フィルムを剥がし、粘弾性体層(X2)面に剥離処理をしていない厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ、測定幅が15mm、長さが50mmになるよう短冊状サンプルにカットした。粘着剤層(Y)面についている剥離フィルムを剥がし、その粘弾性体層(Y)面を、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウエスにて10往復擦り洗浄した清浄な耐酸性雨用塗膜に、5kgローラーで片道圧着させた。さらに、常温で20分放置した後、粘着テープの端部に200gのおもりを取り付け、塗膜から粘着テープとおもりが宙吊りになるような形状にサンプルを固定させ、おもりの重さで、テープが90°に剥離されるような形状にした。その後、常温で24時間観察し、6時間後と24時間後のテープ端部からの剥がれ距離を測定した。定荷重剥離力としては、24時間後の剥がれ距離が15mm以下(更に好ましくは10mm以下)であるものが好ましい。
表1において、「落下」はアクリル系粘着シートが、耐酸性雨塗膜から落下したことを示す。
11 粘弾性体層(X)
12 粘着剤層(Y)
13 中空微小球状体
Claims (3)
- 中空微小球状体を含む粘弾性体層(X)の少なくとも片面に、下記の(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)成分からなるモノマー組成物又はその部分重合物(a)100重量部、光重合開始剤(b)0.001〜0.5重量部、及び連鎖移動剤(c)0.005〜0.5重量部からなるアクリル系重合性組成物に、紫外線照射して得られる粘着剤層(Y)が設けられていることを特徴とするアクリル系粘着シート。
(a1):下記式(I)で表されるアルキル(メタ)アクリレートモノマー40〜74重量%
CH2=C(R1)COOR2 (I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す)
(a2):下記式(II)で表されるN−ビニル環状アミド25〜33重量%
(a3):酸性基を含むモノマー1〜2.5重量%
(a4):上記(a1)、(a2)及び(a3)と共重合可能な他のモノマー0〜25重量% - 当該粘着シートと被着体とを貼り合わせて40℃の温水に48時間浸漬し、その後常温で30分放置させてから、50mm/分の引張り速度で剥離試験を行った時、中空微小球状体を含む粘弾性体層(X)の部分で凝集破壊が起こることを特徴とする請求項1記載のアクリル系粘着シート。
- 粘着シートの粘着剤層(Y)面が耐酸性雨自動車塗膜面に貼り合わされることによりなる、請求項1又は2記載のアクリル系粘着シートと耐酸性雨自動車塗膜とからなる積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008028554A JP5097567B2 (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | アクリル系粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008028554A JP5097567B2 (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | アクリル系粘着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009185229A true JP2009185229A (ja) | 2009-08-20 |
JP5097567B2 JP5097567B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=41068786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008028554A Expired - Fee Related JP5097567B2 (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | アクリル系粘着シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5097567B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012027093A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Canon Inc | レンズ鏡筒および光学機器 |
WO2015118960A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
WO2016021373A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2016-02-11 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
KR20170114860A (ko) * | 2016-04-06 | 2017-10-16 | 주식회사 엘지화학 | 점착 조성물, 이의 제조방법 및 점착제 |
JP2019094501A (ja) * | 2019-01-18 | 2019-06-20 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0218486A (ja) * | 1988-05-20 | 1990-01-22 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 可塑化ビニル物質への接着性改良感圧性接着剤 |
JPH06200225A (ja) * | 1992-12-29 | 1994-07-19 | Nitto Denko Corp | 塗料用感圧性接着剤とその接着シ―ト類 |
JPH08209083A (ja) * | 1995-02-02 | 1996-08-13 | Sekisui Chem Co Ltd | アクリル系粘着剤およびアクリル系粘着テープ |
JP2006265368A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Nitto Denko Corp | アクリル系粘着シートおよびその製造方法 |
-
2008
- 2008-02-08 JP JP2008028554A patent/JP5097567B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0218486A (ja) * | 1988-05-20 | 1990-01-22 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 可塑化ビニル物質への接着性改良感圧性接着剤 |
JPH06200225A (ja) * | 1992-12-29 | 1994-07-19 | Nitto Denko Corp | 塗料用感圧性接着剤とその接着シ―ト類 |
JPH08209083A (ja) * | 1995-02-02 | 1996-08-13 | Sekisui Chem Co Ltd | アクリル系粘着剤およびアクリル系粘着テープ |
JP2006265368A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-10-05 | Nitto Denko Corp | アクリル系粘着シートおよびその製造方法 |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012027093A (ja) * | 2010-07-20 | 2012-02-09 | Canon Inc | レンズ鏡筒および光学機器 |
WO2015118960A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
JP2015147870A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
US20170232720A1 (en) * | 2014-08-08 | 2017-08-17 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
JP2016037564A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
KR20170041803A (ko) * | 2014-08-08 | 2017-04-17 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 점착 시트 |
CN106574154A (zh) * | 2014-08-08 | 2017-04-19 | 日东电工株式会社 | 粘合片 |
EP3178893A1 (en) | 2014-08-08 | 2017-06-14 | Nitto Denko Corporation | Adhesive sheet |
WO2016021373A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2016-02-11 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
EP3178893A4 (en) * | 2014-08-08 | 2018-02-21 | Nitto Denko Corporation | Adhesive sheet |
US10479058B2 (en) | 2014-08-08 | 2019-11-19 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
CN106574154B (zh) * | 2014-08-08 | 2020-09-25 | 日东电工株式会社 | 粘合片 |
KR102386020B1 (ko) * | 2014-08-08 | 2022-04-14 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 점착 시트 |
KR20170114860A (ko) * | 2016-04-06 | 2017-10-16 | 주식회사 엘지화학 | 점착 조성물, 이의 제조방법 및 점착제 |
KR102119903B1 (ko) * | 2016-04-06 | 2020-06-05 | 주식회사 엘지화학 | 점착 조성물, 이의 제조방법 및 점착제 |
JP2019094501A (ja) * | 2019-01-18 | 2019-06-20 | 日東電工株式会社 | 粘着シート |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5097567B2 (ja) | 2012-12-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5581419B2 (ja) | アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着シートおよび該粘着シートの自動車塗膜面への接着方法 | |
JP5095279B2 (ja) | 車両用塗膜面接着用粘着シート | |
JP5294931B2 (ja) | アクリル系粘着シート | |
JP5038770B2 (ja) | 車両用塗膜面に対する粘着シートの接着方法 | |
JP4756834B2 (ja) | 気泡含有粘弾性組成物、及び感圧性接着テープ又はシート | |
JP5089894B2 (ja) | 微粒子含有粘弾性層、及び感圧性接着テープ又はシート | |
JP5568290B2 (ja) | 粘着テープ | |
US8022125B2 (en) | Pressure-sensitive adhesive sheet | |
US20100021730A1 (en) | Acrylic pressure-sensitive adhesive tape or sheet, and method for producing the same | |
JP5089201B2 (ja) | アクリル系粘着テープ又はシート、およびその製造方法 | |
US20100233466A1 (en) | Acrylic pressure-sensitive adhesive sheet | |
EP2653516B1 (en) | Pressure-sensitive adhesive sheet and pressure-sensitive adhesive composition | |
JP5097567B2 (ja) | アクリル系粘着シート | |
EP2743319B1 (en) | Pressure-sensitive adhesive composition and pressure-sensitive adhesive sheet | |
JP4757344B2 (ja) | 気泡含有粘弾性組成物、及び感圧性接着テープ又はシート | |
JP6317938B2 (ja) | 粘着シート | |
JP2012251159A (ja) | アクリル系粘着テープ又はシート、およびその製造方法 | |
JP2008115374A (ja) | アクリル系粘着テープ又はシート、およびその製造方法 | |
JP2011168793A (ja) | 気泡含有粘弾性組成物、及び感圧性接着テープ又はシート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120910 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120918 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120924 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |