JP2006261506A - ダイヤモンド発光素子 - Google Patents

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Kazuyuki Hayashi
和志 林
Yoshihiro Yokota
嘉宏 横田
Takeshi Tachibana
武史 橘
Nobuyuki Kawakami
信之 川上
Koji Kobashi
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Abstract

【課題】 発光効率が高く、高い紫外線の発光輝度が得られるダイヤモンド発光素子を提供する。
【解決手段】 低抵抗ダイヤモンド層1の一方の面上に、低抵抗ダイヤモンド層1よりも抵抗値が高い高抵抗ダイヤモンド層2を形成し、この低抵抗ダイヤモンド層1及び高抵抗ダイヤモンド層2によりキャリア発生層を構成する。また、高抵抗ダイヤモンド層2上には、発光層となるp型半導体ダイヤモンド層3を選択的に形成する。更に、低抵抗ダイヤモンド層1の一方の面上に電極5を形成し、低抵抗ダイヤモンド層1の他方の面上に、電極5と共にキャリア発生層に電界を印加する電極4を形成する。更にまた、p型半導体ダイヤモンド層3上に、電極5と共に発光層に電界を印加する電極6を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光材料にダイヤモンドを使用したダイヤモンド発光素子に関する。
従来、発光材料にダイヤモンドを使用したダイヤモンド発光素子が提案されている(例えば、特許文献1乃至3及び非特許文献1参照)。従来のダイヤモンド発光素子としては、発光層である半導体ダイヤモンド層と金属電極とが直接接触しているMS(Metal/Semiconductor)型の発光素子がある。このMS型発光素子は、例えば、基板の一方の面上にp型半導体ダイヤモンド層が形成されており、このp型半導体ダイヤモンド層上及び基板の他方の面上に夫々金属電極が形成されている。
また、特許文献1及び2並びに非特許文献1には、発光層である半導体ダイヤモンド層と金属電極との間に絶縁層が形成されたMIS(Metal/Insulator/Semiconductor)型のダイヤモンド発光素子が開示されている。図4は特許文献1に記載の発光素子の構造を示す断面図であり、図5は特許文献2に記載の発光素子の構造を示す断面図である。図4に示すように、特許文献1に記載のダイヤモンド発光素子100は、金属電極101上に導電性基板102が配置されており、これらはオーミック接合されている。また、導電性基板102上には、発光層であるホウ素(B)ドープダイヤモンド層103と、絶縁層であるアンドープダイヤモンド層104がこの順に積層されており、アンドープダイヤモンド層104上には金属電極105が形成されている。そして、金属電極101及び金属電極105には外部電源106が接続され、これらの間に電圧が印加される。
更に、図5に示すように、特許文献2に記載の発光素子110は、発光層であるBドープダイヤモンド層111の一方の面上に絶縁層であるアンドープダイヤモンド層112が形成されており、このアンドープダイヤモンド層112上及びBドープダイヤモンド層111の他方の面上に、夫々金属電極114及び金属電極113が形成されている。このようなMIS型及び前述のMS型のダイヤモンド発光素子は、外部電源等により2つの金属電極間に電圧を印加して、順方向に電流を流すことによって発光する。
更にまた、従来、アンドープダイヤモンド等からなり発光層となる真性半導体層の表面に、Bドープダイヤモンド等からなる2つのp型半導体層が形成され、この2つのp型半導体層に夫々接触するように2つの金属電極が形成されたpip(p-type-Semiconductor/intrinsic-Semiconductor/p-type-Semiconductor)型のダイヤモンド発光素子が提案されている。一方、アンドープダイヤモンド等からなり発光層となる真性半導体層の表面に、Bドープダイヤモンド等からなるp型半導体層が1つだけ形成され、2つの金属電極のうち一方がp型半導体層に接触するように形成され、他方が真性半導体層上に直接形成されたMip(Metal/intrinsic-Semiconductor/p-type-Semiconductor)型のダイヤモンド発光素子も提案されている。
これらpip型発光素子及びMip型発光素子においては、p型半導体層から真性半導体層へ高エネルギーの正孔が注入され、真性半導体層において電子と正孔とが再結合して電子−正孔対が生じる。このとき、真性半導体層の発光領域から青、緑及びオレンジ色の発光が生じる。また、真性半導体層として、例えばカソードルミネッセンス・スペクトルにおいて励起子の再結合発光が観察されるような結晶品質が優れたダイヤモンド層を使用すると、電子が金属電極からp型半導体層へ注入されるため、従来よりも短波長の300nm以下に発光強度のピークをもつ発光スペクトルが得られる。
このようなpip型ダイヤモンド発光素子における発光機構は、以下のように考えられている。Bドープダイヤモンド層からアンドープダイヤモンド層中にダイヤモンドバンドギャップ(約5.5eV)以上の高エネルギーをもった正孔が注入されると、アンドープダイヤモンド層において、印加された電界により正孔が加速される。この加速された正孔は、ダイヤモンドの構成元素である炭素原子と衝突して価電子帯から伝導体に励起し、これにより、アンドープダイヤモンド層中に電子−正孔対が生じる。そして、この電子−正孔対が再結合してエネルギーを失う際に発光が生じる。
また、pip型発光素子におけるp型半導体層は、電力損失なしに真性半導体層に正孔を注入することができるという特徴があり、pip型発光素子の発光強度を増加させるためには、高エネルギーの正孔を高密度に真性半導体層に注入すればよい。そこで、特許文献3に記載のダイヤモンド発光素子においては、真性半導体層における発光領域上に絶縁膜を介して電極を形成し、この電極に電圧を印加することにより発光領域を流れる電流量を増加させている。
図6は特許文献3に記載の発光素子の構造を示す断面図である。図6に示すように、特許文献3に記載の発光素子120は、発光層であるアンドープダイヤモンド層121の表面に、p型半導体層としてBが高濃度にドープされた高濃度Bドープダイヤモンド層122及び123が形成されており、適長間隔をあけて形成されている。また、アンドープダイヤモンド層121上には、高濃度Bドープダイヤモンド層122及び123に接触するように、夫々金属電極124及び125が形成されている。そして、アンドープダイヤモンド層121における高濃度Bドープダイヤモンド層122及び123間の領域上には、酸化シリコン等からなる絶縁層127を介して金属電極128が形成されている。即ち、発光領域126上に絶縁膜127を介して金属電極128が形成されている。この発光素子120においては、金属電極128に印加する電圧を変えることにより、発光領域126に流れる電流量が変化し、これにより、発光輝度を調節することができる。
特開平7−283434号公報 特開平7−307487号公報 特開平8−255924号公報 横田 嘉宏、外3名,「ダイヤモンド紫外線LED」,NEW DIAMOND,2000年1月25日,第16巻,第1号,p.20−21
しかしながら、前述の従来のダイヤモンド発光素子は、紫外線発光の輝度が十分ではなく、紫外線発光素子としては実用に適さないという問題点がある。例えば、pip型発光素子の場合、紫外線発光はp型半導体層に電子が到達し、正孔と再結合することにより生じるが、この電子−正孔対はp型半導体層から空間的に遠く離れた部分で生じる。正孔と電子は正負が逆であるため、この電子及び正孔は、印加された電界によって元来た方向に戻り、再びp型半導体層に注入され、再結合して発光する。このとき、紫外線発光が観察されるためには、電子が高速で真性半導体層を通過しなければならないが、実際は、発生した直後の電子の運動エネルギーは、極めて小さく、また真性半導体層には多数の正孔が存在し、この正孔と電子が容易に再結合するため、発生した電子の大部分はp型半導体層には到達しない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、発光効率が高く、更に、高い紫外線の発光輝度が得られるダイヤモンド発光素子を提供することを目的とする。
本発明に係るダイヤモンド発光素子は、ダイヤモンドからなり電子−正孔対が発生するキャリア発生層と、ダイヤモンドからなり前記キャリア発生層から電子が注入され発光する発光層と、前記キャリア発生層及び前記発光層に方向が相互に異なる電界を印加する手段と、を有することを特徴とする。
本発明においては、キャリア発生層と発光層とを異なる層により形成し、更に、これらの層に方向が相互に異なる電界を印加するため、発光せずに再結合する電子が減少し、発光効率が増加すると共に、高い紫外線発光輝度が得られる。
前記キャリア発生層は、低抵抗ダイヤモンド層と、この低抵抗ダイヤモンド層の一方の面上に形成され前記低抵抗ダイヤモンド層よりも抵抗値が高い高抵抗ダイヤモンド層と、を有し、前記発光層は、前記高抵抗ダイヤモンド層上に選択的に形成されていてもよい。これにより、発光層に注入された電子が、高抵抗ダイヤモンド層中の正孔と再結合することを防止することができ、従来のMIS型ダイヤモンド発光素子に比べて、発光効率及び紫外線の発光輝度が高いMIS型ダイヤモンド発光素子が得られる。
その場合、前記電界印加手段は、前記低抵抗ダイヤモンド層の他方の面上に形成された第1の電極と、前記高抵抗ダイヤモンド層の前記発光層が形成されていない領域上に形成された第2の電極と、前記発光層上に形成された第3の電極とを有し、例えば、前記第1及び第2の電極により前記キャリア発生層に電界を印加し、前記第2及び第3の電極により前記発光層に電界を印加する。
前記低抵抗ダイヤモンド層及び/又は前記発光層は、Bがドーピングされたp型半導体ダイヤモンド層でもよく、その場合、前記p型半導体ダイヤモンド層は、Bドーピング濃度が1019cm−3以上であることが好ましい。
また、前記高抵抗ダイヤモンド層は、真性ダイヤモンドにより形成することができ、前記高抵抗ダイヤモンド層の残留不純物濃度は、1×1017cm−3以下であることが好ましい。
又は、前記キャリア層は、真性ダイヤモンド層と、前記真性ダイヤモンド層上に選択的に形成された第1及び第2のp型半導体ダイヤモンド層と、を有し、前記発光層は、前記真性ダイヤモンド層上における前記第1のp型半導体ダイヤモンド層及び前記第2のp型半導体ダイヤモンド層間の領域以外の領域に形成されていてもよい。これにより、発光層に注入された電子が、高抵抗ダイヤモンド層中の正孔と再結合することを防止することができるため、従来のpip型ダイヤモンド発光素子に比べて、発光効率及び紫外線の発光輝度が高いpip型ダイヤモンド発光素子が得られる。
その場合、前記電界印加手段は、前記第1のp型半導体ダイヤモンド層上に形成された第1の電極と、前記第2のp型半導体ダイヤモンド層上に形成された第2の電極と、前記発光層上に形成された第3の電極とを有し、例えば、前記第1及び第2の電極により前記キャリア発生層に電界を印加し、前記第2及び第3の電極により前記発光層に電界を印加する。
前記発光層は、前記第2のp型半導体ダイヤモンド層側に形成することができる。また、前記発光層は、前記第1のp型半導体ダイヤモンド層及び前記第2のp型半導体ダイヤモンド層間の領域の両側に形成されていてもよい。
更に、前記第1及び第2のp型半導体ダイヤモンド層は、例えば、Bドーピング濃度が1019cm−3以上である。更にまた、前記真性ダイヤモンド層の残留不純物濃度は、例えば、1×1017cm−3以下である。
これらのダイヤモンド発光素子においては、前記キャリア発生層に、前記発光層よりも大きな電界を印加することもできる。これにより、キャリア発生量が増加し、発光効率をより向上させることができる。
本発明によれば、キャリア発生層とは別に発光層を設け、このキャリア発生層及び発光層に方向が相互に異なる電界を印加するため、発光に寄与する電子の数が増加し、発光効率が向上すると共に、高い紫外線発光輝度が得られる。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る発光素子について説明する。図1は本実施形態の発光素子を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の発光素子10は、抵抗値が例えば1Ω・cm以下である低抵抗ダイヤモンド層1の一方の面上に、低抵抗ダイヤモンド層1よりも抵抗値が高く、例えば100Ω・cm以上である高抵抗ダイヤモンド層2が形成されており、この低抵抗ダイヤモンド層1及び高抵抗ダイヤモンド層2がキャリア発生層となる。また、高抵抗ダイヤモンド層2上には、発光層となるp型半導体ダイヤモンド層3が例えば円環状に形成されている。更に、低抵抗ダイヤモンド層1の他方の面上には電極4が形成され、低抵抗ダイヤモンド層1の一方の面におけるp型半導体ダイヤモンド層3に囲まれた領域上には電極5が形成され、p型半導体ダイヤモンド層3上には例えば円環状に電極6が形成されている。
この発光素子10における低抵抗ダイヤモンド層1は、例えばBがドーピングされたp型半導体ダイヤモンドにより形成することができ、その場合、低抵抗ダイヤモンド層1中のBドーピング濃度は1×1019cm−3以上であることが望ましい。また、高抵抗ダイヤモンド層2は、例えばアンドープダイヤモンド又は極微量のBがドーピングされたダイヤモンドにより形成することができ、その場合、高抵抗ダイヤモンド層2における残留不純物濃度は1×1017cm−3以下であることが望ましい。これら低抵抗ダイヤモンド層1、高抵抗ダイヤモンド層2及びp型半導体ダイヤモンド層3は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により形成することができる。更に、電極4乃至6は、金属及び低抵抗シリコン等の導電材料により形成することができ、電極4乃至6は、夫々、低抵抗ダイヤモンド層1、高抵抗ダイヤモンド層2及びp型半導体ダイヤモンド層3とオーミック接合している。
次に、本実施形態の発光素子10の動作について説明する。本実施形態の発光素子10は、電極5をアースに接続すると共に、電極4及び電極6に正の電位を印加する。このとき、電極4及び電極5間に生じる電界が、電極5及び電極6間に生じる電界よりも大きくなるようにする。これにより、電極4と電極5との間に印加された電圧によって、低抵抗ダイヤモンド層1から高抵抗ダイヤモンド層2に、正孔による空間電荷制限電流が流れ、大電流が得られる。そして、高抵抗ダイヤモンド層1に注入された正孔は、電極4と電極5との間に生じた電界により加速され、電極5の近傍において電子−正孔対を形成する。その後、この電子−正孔対における正孔は電極5に注入され、一方、電子の一部は、電極5と電極6との間に生じた電界によって、p型半導体ダイヤモンド層3に注入される。これにより、p型半導体ダイヤモンド層3において、電子−正孔の再結合が生じ、発光する。このように、本実施形態の発光素子10においては、低抵抗ダイヤモンド層1及び高抵抗ダイヤモンド層2において電子−正孔対が形成され、p型半導体ダイヤモンド層3において発光が生じる。
本実施形態の発光素子10においては、MIS型ダイヤモンド発光素子において、キャリア発生層(低抵抗ダイヤモンド層1及び高抵抗ダイヤモンド層2)と、発光層(p型半導体ダイヤモンド層3)とを異なる層により構成すると共に、発光層にキャリア発生層とは異なる方向に電界を印加する電極を設けているため、発光層であるp型ダイヤモンド層3に注入された電子が、高抵抗ダイヤモンド層2中に存在する正孔と再結合することを防止することができる。その結果、従来のMIS型ダイヤモンド発光素子に比べて、発光に寄与する電子の数を増加させることができるため、発光効率が向上すると共に、高い紫外線の発光輝度が得られる。なお、前述の特許文献3に記載の発光素子には、発光領域上に絶縁膜を介して金属電極が形成されているが、この金属電極は、注入された正孔の密度を調整して、電子−正孔対の数を変化させるものであり、本実施形態の発光素子10のように、発生した電子−正孔対から効率よく電子を取り出すことはできない。
また、本実施形態の発光素子10において、電極4と電極5との間に印加する電圧は、直流電圧の他、パルス電圧でもよい。特に、電極4と電極5との間に印加する電圧をパルス電圧又はパルス電圧と直流電圧との重畳とし、高周波数で駆動させると、電極4と電極5との間に形成され、電子を引き寄せ、発光効率を向上させるための電界を、極めて短い時間に限定することができるため、発生したキャリアが電極4に戻ることを防止でき、より発光効率を向上させることができる。従って、本実施形態の発光素子10は、その利用価値及び技術的価値が極めて高い。
更に、本実施形態の発光素子10においては、発光層であるp型半導体ダイヤモンド層3及び電極6を円環状に形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、p型半導体層3は、高抵抗ダイヤモンド層2上に選択的に形成されていればよく、また、電極6は、p型半導体ダイヤモンド層3に接触するように形成されていればよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る発光素子について説明する。図2は本実施形態の発光素子を示す平面図であり、図3は図2に示すA−A線による断面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態の発光素子20は、真性ダイヤモンド層11上に、p型半導体ダイヤモンド層12及び13が適長間隔をあけて形成されており、この真性ダイヤモンド層11並びにp型半導体ダイヤモンド層12及び13がキャリア発生層となる。また、真性ダイヤモンド層11上には、p型半導体ダイヤモンド層13の近傍で、且つp型半導体ダイヤモンド層12及びp型半導体ダイヤモンド層13間の領域以外の領域に、発光層となるp型半導体ダイヤモンド層14a及び14bが形成されている。このp型半導体ダイヤモンド層14a及び14bは、p型半導体ダイヤモンド層12及びp型半導体ダイヤモンド層13間の領域を挟むように形成されている。更に、p型半導体ダイヤモンド層12及び13上には、夫々電極15及び16が形成されており、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14b上には、夫々電極17a及び17bが形成されている。
この発光素子20における真性ダイヤモンド層11は、例えばアンドープダイヤモンド又は極微量のBがドーピングされたダイヤモンドにより形成することができ、その場合、高抵抗ダイヤモンド層2における残留不純物濃度は1×1017cm−3以下であることが望ましい。また、p型半導体ダイヤモンド層12、13、14a及び14bは、例えばBがドーピングされたダイヤモンドにより形成することができ、その場合、これらのp型半導体ダイヤモンド層におけるBドーピング濃度は1×1019cm−3以上であることが望ましい。特に、発光層であるp型半導体ダイヤモンド層14a及び14bにおけるBドーピング濃度は、1×1020cm−3以上であることがより望ましい。更に、各ダイヤモンド層は、CVD法等により形成することができる。更にまた、各電極は、金属及び低抵抗シリコン等の導電材料により形成することができ、電極15及び16は、夫々、p型半導体ダイヤモンド層12及び13とオーミック接合しており、電極17a及び17bは、夫々、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14bとオーミック接合している。
次に、本実施形態の発光素子20の動作について説明する。本実施形態の発光素子20は、電極16をアースに接続すると共に、電極15並びに電極17a及び17bに正の電位を印加する。このとき、電極15と電極16との間に生じる電界が、電極16と電極17a及び17bとの間に生じる電界よりも大きくなるようにする。これにより、電極15と電極16との間に生じた電界によって、p型半導体ダイヤモンド層12から高抵抗ダイヤモンド層11に、正孔による空間電荷制限電流が流れ、大電流が得られる。そして、高抵抗ダイヤモンド層11に注入された正孔は、電極15と電極16との間に生じた電界により加速され、電極16の近傍において電子−正孔対を形成する。その後、この電子−正孔対における正孔はp型半導体ダイヤモンド層13を介して電極16に注入され、一方、電子の一部は、電極16と電極17a及び17bとの間に生じた電界によって、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14bに注入される。これにより、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14bにおいて、電子−正孔の再結合が生じ、発光する。このように、本実施形態の発光素子20においては、高抵抗ダイヤモンド層11において電子−正孔対が形成され、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14bにおいて発光が生じる。
本実施形態の発光素子20においては、pip型ダイヤモンド発光素子において、キャリア発生層(高抵抗ダイヤモンド層11、p型半導体ダイヤモンド層12及び13)と、発光層(p型半導体ダイヤモンド層14a及び14b)とを異なる層により構成すると共に、発光層にキャリア発生層とは異なる方向に電界を印加する電極を設けているため、発光層であるp型半導体ダイヤモンド層14a及び14bに注入された電子が、p型半導体ダイヤモンド層12とp型半導体ダイヤモンド層13との間に存在する抵抗によって正孔と再結合することを防止することができる。その結果、従来のpip型ダイヤモンド発光素子に比べて、発光に寄与する電子の数を増加させることができるため、発光効率が向上すると共に、高い紫外線の発光輝度が得られる。従って、本実施形態の発光素子20は、その利用価値及び技術的価値が極めて高い。
なお、本実施形態の発光素子20においては、前述の第1の実施形態の発光素子10と同様に、電極15と電極16との間に印加する電圧は、直流電圧の他、パルス電圧でもよく、この電極15と電極16との間に印加する電圧をパルス電圧又はパルス電圧と直流電圧との重畳とし、高周波数で駆動させることにより、電極15と電極16との間に生じる電界を、極めて短い時間に限定することができるため、発生したキャリアが電極15に戻ることを防止できる。その結果、より発光効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。本発明の実施例1として、図1に示す構造の発光素子を作製した。具体的には、ダイヤモンドの核発生密度を増加させるために、表面を1時間研磨した単結晶p型低抵抗シリコン基板(比抵抗0.01Ω・cm)上に、プラズマCVD法により、低抵抗ダイヤモンド層1として、厚さが2μmのBドープダイヤモンド層を形成した。その際、原料ガスには、0.5体積%のメタン(CH)と99.5体積%の水素(H)との混合ガスに、ドーピングガスとしてジボラン(B)を添加したものを使用した。なお、原料ガス中の炭素(C)に対するホウ素(B)の原子数比(以下、B/Cという)は、2ppmとした。また、基板温度は800℃、ガス圧は6.6kPa(50Torr)、合成時間は12時間とした。引き続き、プラズマCVD法により、Bドープダイヤモンド層上に、高抵抗ダイヤモンド層2として厚さが0.5μmのアンドープダイヤモンド層を形成した。その際の合成条件は、原料ガスにジボランを添加しない以外は、Bドープダイヤモンド層と同様にし、合成時間は2時間とした。
次に、アンドープダイヤモンド層の表面にフォトレジストを塗布した後、フォトリソグラフィーにより、p型半導体ダイヤモンド層3形成予定領域以外の部分のフォトレジストを除去した。そして、フォトレジストマスクが形成されたアンドープダイヤモンド層上に、マグネトロンスパッタ法によりSiO膜を形成した後、フォトレジストを溶解除去することにより、p型半導体ダイヤモンド層3形成予定領域以外の部分にSiOマスクを形成した。次に、前述の低抵抗ダイヤモンド層1と同様の方法及び条件で2時間ダイヤモンドを合成した後、フッ酸によりSiOマスクを除去してp型半導体ダイヤモンド層3としてBドープダイヤモンド層を形成した。
次に、表面に付着したダイヤモンド以外の炭素成分を除去するために、重クロム酸による洗浄を行い、その後王水でリンスした。更に、純水で洗浄後、フォトリドグラフィーにより電極をパターニングし、マグネトロンスパッタリング法により白金を蒸着した後、リフトオフして白金からなる電極4乃至6を形成した。なお、電極5とp型半導体ダイヤモンド層3との間隔は、5μmとした。その後、シリコン基板をチップ状に切断することにより分離された素子を、ハーメチックシール上に固定し、各電極に金線をワイヤボンディングすることにより、実施例1の発光素子を得た。
次に、本発明の実施例2として、図2及び図3に示す発光素子を作製した。具体的には、表面を1時間研磨した単結晶p型低抵抗シリコン基板(比抵抗0.01Ω・cm)上に、プラズマCVD法により、真性ダイヤモンド層11として厚さが2μmのアンドープダイヤモンド層を形成した。その際、原料ガスには、0.5体積%のCHと99.5体積%のHとの混合ガスを使用した。また、基板温度は800℃、ガス圧は6.6kPa(50Torr)合成時間は12時間とした。その後、このアンドープダイヤモンド層上に、p型半導体ダイヤモンド層12、13、14a及び14bとして、選択的に厚さが0.1μmのBドープダイヤモンド層を形成した。その際の合成条件は、原料ガスには、0.5体積%のCHと99.5体積%のHとの混合ガスに、ドーピングガスとしてジボランBを添加したものを使用した。なお、原料ガス中のB/Cは、1000ppmとした。また、基板温度は800℃、ガス圧は6.6kPa(50Torr)、合成時間は2時間とした。なお、p型半導体ダイヤモンド層12とp型半導体ダイヤモンド層13との間隔は5μmとし、p型半導体ダイヤモンド層13とp型半導体ダイヤモンド層14a及び14bとの間隔は1μmとした。
次に、表面に付着したダイヤモンド以外の炭素成分を除去するために、重クロム酸による洗浄を行い、その後王水でリンスした。更に、純水で洗浄後、フォトリドグラフィーにより電極をパターニングし、マグネトロンスパッタリング法により、厚さが500Åのチタン膜を蒸着した後、厚さが1000Åの金膜を蒸着し、電極15、16、17a及び17bを形成した。その後、シリコン基板をチップ状に切断することにより分離された素子を、ハーメチックシール上に固定し、各電極に金線をワイヤボンディングすることにより、実施例2の発光素子を得た。
次に、本発明の比較例1として、p型半導体ダイヤモンド層3及び電極6を形成せず、それ以外は、前述の実施例1と同様の構成の発光素子を作製した。また、本発明の比較例2として、p型半導体ダイヤモンド層14a及び14b並びに電極17a及び17bを形成せず、それ以外は、前述の実施例2と同様の構成の発光素子を作製した。
上述の実施例1及び2並びに比較例1及び2の発光素子の特性を評価した。先ず、実施例1の発光素子は、電極5をアースに接続すると共に、電極4と電極5との間に150Vの電圧を印加し、電極5と電極6との間に100Vの電圧を印加した。また、実施例2の発光素子は、電極16をアースに接続すると共に、電極15と電極16との間に150Vの電圧を印加し、電極16と電極17a及び17bとの間に150Vの電圧を印加した。その結果、実施例1及び2の発光素子は、発光層から波長が248nmの紫外線発光が生じた。また、実施例1及び実施例2の発光素子は、比較例1及び比較例2の発光素子に比べて、夫々20倍及び100倍の紫外線発光強度が得られた。
本発明の第1の実施形態の発光素子を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の発光素子を示す平面図である。 図2に示すA−A線による断面図である。 特許文献1に記載の従来の発光素子を示す断面図である。 特許文献2に記載の従来の発光素子を示す断面図である。 特許文献3に記載の従来の発光素子を示す断面図である。
符号の説明
1;低抵抗ダイヤモンド層
2;高抵抗ダイヤモンド層
3、12、13、14a、14b;p型半導体ダイヤモンド層
4、5、6、15、16、17a、17b、101、105、113、114、124、125、128;電極
10、20、100、110、120;発光素子
11;真性ダイヤモンド層
102;導電性基板
103、111;Bドープダイヤモンド層
104、112、121;アンドープダイヤモンド層
106;電源
122、123;高濃度Bドープダイヤモンド層
126;発光領域
127;絶縁層

Claims (15)

  1. ダイヤモンドからなり電子−正孔対が発生するキャリア発生層と、ダイヤモンドからなり前記キャリア発生層から電子が注入され発光する発光層と、前記キャリア発生層及び前記発光層に方向が相互に異なる電界を印加する手段と、を有することを特徴とするダイヤモンド発光素子。
  2. 前記キャリア発生層は、低抵抗ダイヤモンド層と、この低抵抗ダイヤモンド層の一方の面上に形成され前記低抵抗ダイヤモンド層よりも抵抗値が高い高抵抗ダイヤモンド層と、を有し、前記発光層は、前記高抵抗ダイヤモンド層上に選択的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド発光素子。
  3. 前記電界印加手段は、前記低抵抗ダイヤモンド層の他方の面上に形成された第1の電極と、前記高抵抗ダイヤモンド層の前記発光層が形成されていない領域上に形成された第2の電極と、前記発光層上に形成された第3の電極とを有し、前記第1及び第2の電極により前記キャリア発生層に電界を印加し、前記第2及び第3の電極により前記発光層に電界を印加することを特徴とする請求項2に記載のダイヤモンド発光素子。
  4. 前記低抵抗ダイヤモンド層は、Bがドーピングされたp型半導体ダイヤモンド層であることを特徴とする請求項2又は3に記載のダイヤモンド発光素子。
  5. 前記発光層は、Bがドーピングされたp型半導体ダイヤモンド層であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  6. 前記p型半導体ダイヤモンド層は、Bドーピング濃度が1019cm−3以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載のダイヤモンド発光素子。
  7. 前記高抵抗ダイヤモンド層は、真性ダイヤモンドにより形成されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  8. 前記高抵抗ダイヤモンド層の残留不純物濃度は、1×1017cm−3以下であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  9. 前記キャリア層は、真性ダイヤモンド層と、前記真性ダイヤモンド層上に選択的に形成された第1及び第2のp型半導体ダイヤモンド層と、を有し、前記発光層は、前記真性ダイヤモンド層上における前記第1のp型半導体ダイヤモンド層及び前記第2のp型半導体ダイヤモンド層間の領域以外の領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド発光素子。
  10. 前記電界印加手段は、前記第1のp型半導体ダイヤモンド層上に形成された第1の電極と、前記第2のp型半導体ダイヤモンド層上に形成された第2の電極と、前記発光層上に形成された第3の電極とを有し、前記第1及び第2の電極により前記キャリア発生層に電界を印加し、前記第2及び第3の電極により前記発光層に電界を印加することを特徴とする請求項9に記載のダイヤモンド発光素子。
  11. 前記発光層は、前記第2のp型半導体ダイヤモンド層側に形成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載のダイヤモンド発光素子。
  12. 前記発光層は、前記第1のp型半導体ダイヤモンド層及び前記第2のp型半導体ダイヤモンド層間の領域の両側に形成されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  13. 前記第1及び第2のp型半導体ダイヤモンド層は、Bドーピング濃度が1019cm−3以上であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  14. 前記真性ダイヤモンド層の残留不純物濃度は、1×1017cm−3以下であることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
  15. 前記キャリア発生層には、前記発光層よりも大きな電界が印加されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のダイヤモンド発光素子。
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