JP2006258815A - ボロメータ検出器、そのような検出器を使用して赤外線を検出するための装置、およびこの検出器の製造方法 - Google Patents

ボロメータ検出器、そのような検出器を使用して赤外線を検出するための装置、およびこの検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出器の結果的な性能が、過剰な関連ノイズによって影響を受けず、ボロメータ材料の抵抗率によらずに有用な表面積を最大にする。
【解決手段】感応性の部分/膜は、抵抗率が温度により変化する感光材料(6)の層、ボロメータ検出器に関連する読出し回路と電気的に接続して一方で検出器のための電極として感光材料(6)に接触し、他方で電磁放射吸収材として働く第1の導電性素子、電磁放射吸収材としてのみ働く浮動電位における第2の導電性素子、を有する。又、感応性の部分と読出し回路への導電体を位置決めする少なくとも1つの支持領域(3)と、感応性の部分に各支持領域(3)を電気的及び機械的に接続する少なくとも1つの熱隔離構造(4)とを有する。導体素子群は、重ねられた2つの導電経路のネットワーク(5A,5B)として分布し、両ネットワークの第1のネットワーク(5A)は、全ての第1の導電性素子を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ボロメータ検出器、およびそのような検出器を使用して赤外線を検出するための装置に関わり、また、そのような検出器の製造方法にも関わる。特に、本発明は、赤外線イメージングの分野に適用される。
赤外線検出器の分野では、-極低温、通常は液体窒素でのみ動作することのできる、「量子検出器」と呼ばれる検出器とは対照的に-アレイの形態で構成され周囲温度、すなわち極低温にまで冷却することを必要としないで動作できる装置が知られている。
これらの非冷却検出器は、伝統的に、適切な材料の物理的単位の変化を300K付近の温度の関数として使用する。ボロメータ検出器の場合には、この物理的単位は電気抵抗である。
そのような非冷却検出器は、一般に以下を含む:
-赤外線を吸収して、それを熱に変換する手段
-温度が赤外線の効果に起因して上昇することができるように、検出器を熱隔離(isolation:アイソレーション)する手段
-ボロメータ検出器の状況下で抵抗素子を使用する測温手段。
-測温手段により提供された電気信号を読み込む手段。
赤外線イメージングを対象とした検出器は、前記基本の検出器を電気的に励起させる手段とそれらの基本の検出器によって発生する電気信号を前処理する手段を組み込んで、一般にシリコンで作られた基板上に、基本の検出器の1次元配列または2次元配列として製造される。
これら電気励起と前処理の手段は、基板上に形成され、読出し回路を構成する。
対応する読出し回路を有する検出器のモノリシック集積化は、製造コストの観点から有利である。それにもかかわらず、第2の独立な基板上に製造された検出器のアレイを、そのような読出し回路上に混成することも可能である。
基本の検出器のアレイと関連する読出し回路をと有するデバイスは、一般にパッケージに配置され、古典的な技術(金属ワイヤおよびピン)を使用して外部環境に特に電気的に接続される。そのようなパッケージ内における圧力は、熱損失を制限するために低下される。このパッケージは、検出されるべき放射に対して透明な窓を有する。
この検出器を使用してシーン(場面や状況)を観測するために、そのシーンは適当な光学部品を通して基本の検出器アレイ上に投影され、また、計測された電気刺激は、それぞれの基本の検出器によって到達温度のイメージを構成する電気信号を得るために、それぞれの基本の検出器、またはそのような検出器のそれぞれの列に(このために提供された)読出し回路を通して適用される。
次に、この信号は、読出し回路によって、該当する場合には続いてパッケージ外の電子デバイスによって、観測されたシーンの熱イメージを作るために、より大きな程度、またはより小さな程度に処理される。
非冷却ボロメータ検出器の性能は本質的には以下に依存する:
-信号対ノイズ比について読出し回路を最大限利用するために読出し回路から熱隔離されたボロメータ・マイクロブリッジから成る、非常に軽量な構造内に、最も高い性能のボロメータ材料を製造し統合することの克服
-シーンの温度変化に対する熱的応答時定数の克服
-可及的な最低のコストための、各パラメータの空間的均一性。
従来の技術的現状は、基本の検出器の異なった構成部品を配置する様々な方法を記述している。
コプレーナ(coplanar:同一面)電極を有する検出器と、平行電極(いわゆる「サンドイッチ」構造)を有する検出器との間に、主要な違いがある。
本発明は、特に、コプレーナ電極を有する検出器に関し、そのコプレーナ電極は、動作中にその構造を通過する電流がボロメータ材料の層の面を流れるものである。
このタイプの検出器は、一般に、温度感応性のボロメータ材料の薄い層(通常0.1から1μm)を有する浮遊させられた膜の形態で構成され、その2つの電極が、ボロメータ材料と「吸収材」の同じ表面に配置されるという意味でコプレーナ(同一面)である。「吸収材」という用語は、1つ以上の層または層の配列を表し、その機能は、その構造内部品で熱に変換するために電磁放射を捕獲することである。追加的な特徴は、その膜を支持し、膜(放射の効果に起因して昇温するよう意図されている)と読出し回路の間の可能な限り高い熱抵抗を作り出すことを意図している。
特許文献1は、読出し回路と、特にボロメータ材料の層だけでなく2つの導電性電極、およびこの感応性の部分を支持する少なくとも1つの素子をも含む感応性の部分を自身が備えて電極が互いにかみ合っているような、1つ以上の基本の検出器と、を有するボロメータ検出器について説明している。この基本のボロメータ検出器を、図1および図2に図式的に示す。
そこでは、読出し回路(1)は、実際のボロメータによって吸収されない赤外線放射を反射することを意図した反射性の金属層(2)によって覆われ、そのボロメータは、(これらの検出器の通常の好適感度範囲に実質的に等しい10μm波長の両側で検出を最適化するために)前記反射体の上方約1.5から2.5μmに位置する。
この位置設定は、ほぼ垂直な構造体(3)によって得られる。これらの構造体は、この先の説明において「ポスト(post:柱)」と呼ぶが、電気を通し、その結果、やはり電気は通すが熱抵抗性であるような平坦で細長い構造体(4)を通して、ボロメータ検出器の導電部分または電極(5)に駆動電圧を印加することを可能にする。これらの平坦で細長い構造体は、この先の説明において「アーム」と呼ぶ。
この熱抵抗は、「熱隔離」とも呼び、赤外線放射の効果に起因してボロメータ材料の温度が上昇することを可能にすることを意図している。
ボロメータ本体と反射体との間の空間は、固体伝導に起因した熱損失を防ぐためにポスト(3)以外の材料を欠いている。この空間は、通常、ガスによる対流と熱伝導を制限するために低圧ガスで満たされる。
このタイプのデバイスでは、読出し回路はポスト(3)とアーム(4)、および少なくとも2つの導電部分または電極(5)を介して取り付けられ、ボロメータ検出器の面に平行な構造体を通して電流が流れる。この電流はボロメータ材料(6)を通して流れ、その抵抗率は温度により変化する。このために最も広く使用される材料は、バナジウム酸化物およびアモルファスシリコンである。
導電部分または電極(5)は、微細で、通常は金属の導電膜によって製造される。それらは赤外線放射の吸収を得るのにも使用されるが、それは、膜と呼ぶ基本の検出器の利用可能な範囲に亘ってそれらを分布させる方法のためである。図1では、これらの電極がボロメータ材料(6)の上面に配置されていることがわかる。しかしながら、前記電極は、ボロメータ材料の下側の面に配置することや、あるいは前記材料の2つの層間に挿入することもできる。
ボロメータの活性部分または膜、すなわちポスト(3)とアーム(4)を除いた基本の検出器の利用可能な範囲は、ボロメータ層の部分(6A)と駆動電流が通って流れる抵抗の表面(6B)に実際に接触する等電位面(5)の形態にあり、その広がりは部分(5)間の間隔によって規定される。
この先の説明において、駆動電流がそれら(6B)を通つて流れるか、またはそれら(6A)を流れないかどうかに依存して、ボロメータ材料(6)の層の部分(6A)と(6B)の間に区別がなされることになる。
ボロメータ検出器の性能は、伝統的に、熱解像度NedT(ノイズ等価微分温度を表す)によって表現される。
例えば、特許文献2は、特に、アモルファス物質で特徴付けられる「1/fノイズ」と呼ばれる低周波ノイズ(LFN)によって検出器の電気ノイズを占めるのに十分なバイアス・レベルを仮定すると、熱解像度は次の式で定量化されることを説明している。
Figure 2006258815
ここに、
・kは、読出し回路の帯域幅、ボロメータ材料(6)の「1/f」としての低周波ノイズレベル、基本の検出器の表面積、および基本の検出器の赤外線吸収の効果を統合する、ここで詳述するに値しない比例パラメータ、
・WとLは、それぞれ、図1からわかるボロメータ材料(6)を通した電流の電気的幅と長さであり、積W.Lは電流により影響を受ける部分(6B)の面積を規定する。
・Eは、寸法WとLに囲まれた電流により影響を受ける表面に亘るボロメータ材料(6)の厚さ、
・TCRは、動作温度付近の抵抗の変化(dR/RdT)に関係する係数であって、Rを2つの電流供給端末(2つのポスト(3))にわたる電気抵抗とする状況で使用されるボロメータ材料の特性であり、またTはマイクロブリッジの温度、
・Rthは、温度が赤外線放射に起因して上昇するボロメータ中央の「固体」部分と、読出し回路(1)との間の熱抵抗であって、温度が一定であるか、または専ら非常にゆっくり変化する。
パラメータTCRとRthを定数kに統合することによって、この式は以下のように簡単化することができる。
Figure 2006258815
ボロメータ材料の部分(6A)は、ボロメータ検出器の検出性能を規定する部分として振舞わない。というのは、実際にはこれらの領域で前記ボロメータ材料を通していかなる電流も流れないからである。これらの領域は、はるかに低い電気抵抗を持った部分(5)によって短絡させられる。
検出アレイの場合には、平面の両側の寸法における基本の検出器の反復ピッチはpと規定される。
上記の分析によると、最適な検出性能を実現するためには、それは、検出性能を最適化するためにL.W=pとなる(電気的)長さLと(電気的)幅Wを持った多角形に部分(6B)を配置するのに十分である。
技術的な理由として、基本の検出器と、少なくともポスト(3)とアーム(4)と表面積がゼロとなり得ない領域(6A)のための余地と、の間のクリアランス・ギャップを作るのに、面積pの部分を取っておくべきであるので、この量pはパラメータL.Wの上限を表す。
典型的な構成に対するこれらの量LとWを、図1に示す。
しかしながら、もし導電性表面(5)の関係する面積が非常に抵抗の高い表面(6B)の関係する面積の利益となるように減少するならば、導電性の層に部分的に覆われたそのような構造体の上で電磁放射が吸収される効果、面抵抗(またはシート抵抗)の観点から最適化される効果さえもが、急速に低下することは明らかである。実際には、ボロメータの解像度に関する最良の性能は、領域(5)と(6B)の間が均衡しているときに得られる。結果として、ボロメータ(部分(6A))の膜のおよそ半分の面積は、電流が通って流れる多角形の総面積W.L.を最大にするのに必要な電流を最適化するのに使用することができない。
図1の導電部分(5)は互いにかみ合ったレイアウトの特殊な場合を表す。このタイプのレイアウトは、読出し回路の観点で実用的な数百から数千キロオームの抵抗Rを得るためにアモルファスシリコンや同様の材料などの高抵抗を持ったボロメータ材料を使用するときには、必然的なものである。
実際には、ボロメータ構造を規定するときに当技術分野の当業者が遭遇した1つの困難は、駆動電圧が適用される2つの導電部分または電極(5)の間の周囲温度付近の適切な値の電気抵抗Rを得ることである。
ボロメータ検出器を設計することは、あらゆる抵抗値が、製品の設計者によって使用される読出し回路にとって不適当であることを明らかにしている。
一般的に言って、前記読出し回路の機能を最適化するためには、有効な電圧に関し、読出し回路の最適な動作範囲にボロメータを適合させることが、むしろその逆よりも実用的である。実際には、検出器の性能が過度に低い信号によって制限されないために、励起の際に膜を通した十分高い電流を得ることが重要である。
図1に示すような互いにかみ合っている電極を使用する構造に関連した欠点は、「ポイント効果」の結果として、導電部分(5)の内側エッジにおいて電流密度が平均の密度を超えるような領域の発生である。これらの電流の濃化は、検出器の高い性能に有害となる電気ノイズレベルの増加をもたらす。
前述の特許文献1も、ボロメータ材料として、通常バナジウム酸化物のような低抵抗率を有する材料の使用を提案し、一番端の2つのストリップをポスト(3)に接続することによって、電極を、例えば、接続されていない、つまり浮遊電位状態にされた全ての内部のストリップを残す、真直ぐで、平行で、不連続なストリップに分布させることを推奨している。そして、そのような配列において、電流はすべて平行で一定であり、それにより、ポイント効果に関連する追加的な電気ノイズを回避する。
しかしながら、この構成では、赤外線吸収を最適化するには、導電部分(5)の膜の表面に亘るほぼ一様な分布が要求されるので、膜の表面のおよそ半分は電流を最適化するのに使用することができない。
上述の特許文献2は、放射の吸収と、導電部分または電極(5)の領域とボロメータ材料の領域(6B)のバランスの特性に関連した制約を、緩和することを意図した構成を示唆している。
この特許文献で開示されているように、電極(5)とボロメータ材料(6)の間の接触する部分(6A)は、小さく、狭く、細長い表面に縮小される。電極(5)の表面のかなりの部分も、隔離層(7)を挿入することによって、ボロメータ材料から隔離される。
この技術によれば、面積W.Lの多角形を最適化するために、膜上の利用可能な表面積のほとんどの部分を使用することが可能になり、その結果、実質的に改善された性能を実現できる。しかしながら、この結果は、重要でないとは言えない追加の製作上の複雑さを犠牲にして得られ、互いにかみ合った電極を使用することが必要なことがわかれば、ポイント効果に固有の過剰なノイズの問題を悪化させることにもなる。アモルファスシリコンまたは同様の材料を、このタイプの材料の通常的に高い抵抗率の理由から使用するならば、そのような互いにかみ合った構成は避けられない。
従って、従来技術による前述の両方の特許文献では、吸収材が電流供給用電極と同じ材料の層によって製造されることは、そのレイアウトに関連するすべての利点を有するものの、読出し回路に十分に適合する電気抵抗を得ることの困難性についての上述のような欠点もある、ということは明白である。
特許文献3では、電流供給用電極に対し分離して異なった導電層から吸収材が作られている。この特許文献3は、ボロメータ材料の層と同じ面に位置付けされた2つのコプレーナの(同一平面上の)電極だけでなく、このボロメータ材料の層の他方の面に位置付けされた導電層をも有するボロメータ検出器について説明している。この導電層の機能は、検出されるべき赤外線放射を吸収することであり、それは電気的な絶縁層によって検出器の本体から切り離されなければならない。したがって、その実装は非常に複雑である。
それに加え、この特許文献で規定された技術は当然に電流を最適化し、それにより低周波ノイズレベルを最適化する。というのは、基本の検出器の2つの対向端から離れて電極が位置決めされた状態にあるからであり、また他方では、この特定のレイアウトが極めて低レベルの抵抗率を持った材料、通常はバナジウム酸化物に対してのみ適切であるからであり、そうでないと、膜の電気抵抗はとても高くて読出し回路により正しい駆動を得ることができず、そして実際には、アモルファスシリコンおよび同様の材料に適用できない。
欧州特許出願公開第0,828,145号明細書 フランス特許第2,796,148号明細書 米国特許第5,367,167号明細書
本発明の目的は、検出器の結果的な性能が、過剰な関連ノイズ、特に電極または導電部分(5)の互いにかみ合った構成に固有のポイント効果による関連ノイズによって影響を受けることなく、ボロメータ材料の抵抗率にかかわらずにボロメータ材料の有用な表面積を最大にする(積W.Lを最大にする)ことである。
本発明によれば、ボロメータ検出器は、
-感応性の部分であり、
・抵抗率が温度に従って変化する、感光材料の1つ以上の層、
・ボロメータ検出器と関連づけた読出し回路と電気的に接続し、一方では、前記検出器のための電極として、またこのために前記感光材料に接触して機能し、他方では、赤外線吸収材として機能する第1の導電性素子、
・赤外線吸収材としてのみ機能する浮動電位における第2の導電性素子、
を有する感応性の部分または膜と、
-前記感応性の部分と前記読出し回路に関係する導電体とを位置決めする機能を実現させる、感応性の部分のための少なくとも1つの支持領域と、
-感応性の部分に各支持領域を電気的および機械的に結び付ける少なくとも1つの熱隔離構造と、
を有する。
本発明によるボロメータ検出器では、導体素子群が、重ねられた2つの導電経路のネットワークとして分布し、2つのネットワークの第1のネットワークが、すべての前記第1の導電性素子を有することを特徴とし、重ねられることは、完全または部分的である。
本発明で意味するところの「交差される」および「重ねらる」という用語は、感応性の部分を含む平面にそれぞれ投影したときに、第1のネットワークの前記導電経路が、第2のネットワークを構成するものにまとまる(converge)という事実として理解されるべきである。
前記第1のネットワークは第2の導電性素子をも有するが、しかしながら、それを構成する少なくとも2つの導電経路は、電極を形成するために感応性の部分を構成する感光材料に接触する。この接触は、その全長に亘って有利に起こり、それにより、検出器の性能が最適化される。
想定するのが可能な本発明の様々な構成において、2つのネットワーク間に電気接触がないようにできる。しかしながら、もし高抵抗を持った感光材料が使用されるならば、第2のネットワークの少なくとも2つの経路は、感応性の部分を構成する感光材料に接触する前記第1のネットワークの、前記特別な経路に交互に接触する状態にある。
これのようであれば、本発明による検出器の不活性な表面積は、有用な表面積のためにかなり減少させられるが、一方では同時に、導電性素子と使用されるボロメータ材料の詳細な構成に応じて変化する電流の抑制に関連した過剰ノイズを減少させる。
本発明によれば、それぞれの2つのネットワークのそれぞれの経路は本質的には真直ぐで、互いに平行であり、第1のネットワークの導電経路は、通常、第2のネットワークを構成するものに対して直角である。
さらに、ネットワークの一方の経路のそれぞれの間の間隔ピッチは、他方のネットワークの経路の間の間隔ピッチと同じであるか、または異なっている。
2つの異なったネットワークの2つの経路の間の接触は、感応性の部分を構成する感応性の層と第1のネットワークを構成する第1のレベルの導電経路との間に挿入された誘電体層内の開口によって得られる。
本発明を実施する方法とその結果得られる利点は、単なる一例として与えられ、添付図面を参照する以下の実施の形態の説明によって、より容易に理解できるようになるであろう。
したがって、本発明は、まず基本のボロメータ検出器に関わり、特に、膜それ自体の重要部分を構成するその感応性の部分の上の導電経路の構成およびレイアウトに関係する。これらの導電経路は適切なものとして、電極、つまりそれらが読出し回路から感応性の部分に電流を供給するものとして機能し、また検出されるべき赤外線放射の吸収材として、あるいは単なる吸収材としての機能として作用する。
図3は、本発明によるボロメータ膜の典型的な実施形態を示している。また、図1と共通な様々な構成部材は、同じ参照番号を有する。
本発明の基本的な特徴によると、前記膜は導電経路(5)の別々の2つのネットワークに対応する。
第1のネットワークは、本質的に真直ぐでお互いに平行な一連の導電経路(5A)から成る。説明された例では、これらの4つの経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)が、膜を構成するボロメータ材料(6)に接触している。さらに、この接触は本質的には前記経路の全長に亘って起こっている。
しかしながら、本発明による検出器の動作を可能にするためには、これらのうち2つの経路だけが実際に前記ボロメータ材料に接触していれば、十分である。実際に、そして本発明が解決しようとする技術課題を扱う場合の、先に言及した面積(W.L)を最適化するために、一番端の導電経路(5A1)と(5A4)が、実際にボロメータ材料(6)に接触する。
異なった構成であったならば、前記一番端の導電経路から離れて位置する表面積の損失をもたらし、望まれるのは正反対の結果となるだろう。
図3に関連して説明される例では、3つの経路のうちの1つの経路に対してネットワーク(5A)だけが、ボロメータ材料(6)に接触する状態にあり、特に最初の経路(5A1)と最後の経路(5A4)は2つの対向するエッジに沿った層(6)に接触する、ということが明らかである。
第2のネットワークも、本質的に真直ぐでお互いに平行なだけでなく、前記第1のネットワークを構成する導電経路(5A)に対して概ね直角に方向付けられた一連の経路(5B)から成る。図3では、膜を含む平面に投影すると、それぞれの2つのネットワークを構成する導電経路がお互いに垂直である、ということが分かる。
説明した例では、これら3つの導電経路(5B1、5B2)、(5B3、5B4)、および(5B5、5B6)は、それぞれ、第1のネットワークの特別な経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)、つまりボロメータ材料(6)に接触する第1のネットワークの導電経路に、交互に電気的に接触する。このように、図3において、第2のネットワーク(5B)は、(平均で)2つの経路うちの1つのみについて前記第1のネットワーク(5A)の特別な経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)に接触する。
この特定の典型的な構成は、高抵抗の感光材料(6)を使用する代わりに、十分低い抵抗を得ることを可能にする。この特定の構成では、実際には、ネットワーク(5A)の経路に接触する十分な数の電気接触が存在し、前記接触部分は、均一な電流密度を実現するために標準の距離Lだけ離して区切られる。これらの接触部分は、第2のネットワーク(5B)の経路(少なくとも2つ)によって作られる接続を用いて(読み出しの際に)交互に高電位および低電位に設定される。
このようであれば、互いにかみ合う「コーム(くし:comb)」を形成し、その抵抗はL/(n−1)に比例する。ここで、nは感光材料(6)に接触状態にあるネットワーク(5A)の導電経路の数を示す。このように、間隔ピッチpによって、そして問題を大幅に簡素化することにより、p/Lの導電経路(5A)を以下の抵抗を持った感光材料(6)に接触させることができる。
Figure 2006258815
したがって、導電経路(5A1)と(5A3)は、それぞれ導電経路(5B2、5B4、および5B6)に電気接触状態にある一方で、導電経路(5A2)と(5A4)は、それぞれ導電経路(5B1、5B3、および5B5)と電気接触状態にある。しかしながら、やはり、本発明による検出器の動作を可能にするためには、これらの経路(5B)の2つだけが実際に前記第1のネットワークの前記特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)に交互に接触していれば十分であろう。
この交互接触により、膜の電極間のいかなる短絡をも防止することが可能になる。
したがって、これらすべての特別な経路は、それらが第1のネットワークに属するか第2のネットワークに属するどうかに拘らず、電極および吸収材として機能する。対照的に、他のすべての経路は、放射吸収材の機能を実現させることのみに制限される。
ネットワーク(5A)のただ2つの導電経路のみが感光材料(6)に接触するような特定の構成、機能的な基本のボロメータを作り出すのに適切な構成においては、ネットワーク(5B)の導電経路との接触を生じさせる必要はない。というのは、後者(ネットワーク(5B)の導電経路)が放射吸収材としてのみ機能するからである。
かなりの程度まで、そして従来技術による検出器に課された制約とは対照的に、それぞれのネットワークの導電経路の密度(すなわち間隔ピッチ)は任意であり、検出器の性能に影響しない。比較的自由な間隔ピッチを持った導電経路の2つの独立な交差するネットワークを備えることの可能性は、ボロメータ材料(6)における電流の幾何学構成を規定し、それによって検出器の全体的な抵抗Rを規定するために、より多くのレイアウトと組み合わせを作ることを明らかに可能にする。
導電経路を構成し、分布させられるこの柔軟性のおかげで、導電経路(そのピッチ)の間隔、特に前記ボロメータ材料に接触するネットワーク(5A)の導電経路と、2つのネットワーク間の接続の配置との間隔を慎重に変えることによって用いるボロメータ材料(6)に依存した、検出器に要求される全体的な抵抗値Rを、当業者が容易に実現することができる、ということは、明らかである。そのような結果を得ることは、従来技術により推奨されるような、重なっているかまたは互いにかみ合う電極をボロメータ材料に接触する状態にさせる手段に訴えることを必要とせず、このことが、読者が気付くように、ポイント効果に関連する過剰ノイズの源である、ということが強調されるべきである。これだけにとどまらず、本発明の実施形態は、(積W.Lを最大にして)ボロメータ材料の有用な表面積の大部分を活用することを可能にする。このようであれば、本発明は非常にフレキシブルなデザインと最適性能の二重の利点を有する。
現実的な観点から、第1のネットワークの特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)とボロメータ材料(6)との間に接触を形成することは、第1の間に挿入した、ボロメータ材料(6)の層を覆う誘電体層(7A)におけるほぼ線状の開口によって通常得られる。その誘電体層(7A)は、前者(ボロメータ材料(6))と、放射吸収材としてのみ機能する前記第1のネットワークの導電経路(5Aa)との間の電気的隔離を可能にする誘電体層である。
しかしながら、本発明の1つの特定の実施形態は、前記第1のネットワークのすべての導電経路(5A)に電極と赤外線吸収材の二重機能を与えることを含む。この場合、前記第1のネットワークのすべての導電経路(5A)がボロメータ材料(6)の層に接触する。このようであれば、誘電体材料の層(7A)は余計である。この構成では、ネットワーク(5A)のすべての前記導電経路がネットワーク(5B)に接続される必要があるわけではない。この場合には、ネットワーク(5B)の経路に接続されないネットワーク(5A)の導電経路は、浮動電位での電極として機能する。
第1のネットワークの特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)と上記で解説した第2のネットワークのある導電経路の間に電気接触を形成することは、通常、前記第1のネットワークの吸収材としてのみ機能する導電経路(5Aa)と前記第2のネットワークの導電経路(5B)との間に挿入された誘電体材料の第2の層(7B)に作られた実質的にポイント形状(「ポイント形状」という用語は「膜の寸法と比較して非常にわずかな寸法を持つ」こととして理解すべきである)の開口(8)によって得られる(図5を参照)。これらの開口(8)は、先の説明による前記導電経路のある特定の交差点に位置付けられる。
本発明によって可能な特別の構成の1つを図3に示す。この構成は、明らかに同じボロメータ材料(6)の層を用い、図1における構成を使用して得られるものよりおよそ2倍高い全体的な抵抗Rを得ることを可能にする。
2つのネットワークの他の構成は同程度の抵抗Rを保つことを可能にする。図3で提案した構成は、本発明の一般的な基本原則を一旦理解すれば、当業者の能力の範囲に十分にある他の構成を説明する必要なしに、本発明のすべての有利な特徴を簡単に説明することを可能にする。
導電経路の2つのネットワーク間の接触ポイント(8)のレイアウトは、ネットワーク(5A)の導電経路の中で交互の等電位を規則的に発生させるように、先に言及した交互接触の原理を説明している。しかしながら、前記ネットワーク(5A)の経路とネットワーク(5B)のすべての経路との間で接触部分を構築することも可能であるだろうし、また、それが許容される入力抵抗Rを発生させるべきものならば、それぞれの等電位のグループに対するネットワーク(5B)のただ1つの経路との間で接触部分を作ることも可能であるだろう。実際に、2つの導電ネットワーク(5A)と(5B)の間の接触部分の密度は、主として、過度に低い接触密度が引き起こしうる過度に高い入力抵抗によって決定付けられる。
本発明の推奨される構成に付随する利点についても強調すべきである。ポイント形状の接触部分によってのみ相互連結された2つのネットワーク、特に、その接触部分が2つのネットワーク間の少なくとも2つの経路(5B)に亘って分布するというという事実を使用することは、接続の過剰性を実現し、その過剰性は、正しく電位を分配する可能性を実質的に改善し、2つの経路間の単一の、そして場合によっては歪められた接触による有害な結果を避ける。
ネットワーク(5A)の一番端のライン(5A1)と(5A4)のみがボロメータ材料(6)の層に接触する非常に特別なケースを考える必要がある。この場合、2つのネットワーク(5A)と(5B)の間に電気接触(8)を形成する必要は全くない。というのは、そのような接触がその構成において短絡を引き起こすからである。この特定の構成における結果としての抵抗は、ネットワーク(5A)に直角な、膜の問題とする方向における可能な最大値が想定される。このことは、交互に電位が消滅するが、それにもかかわらず、その構造が低周波ノイズレベルと光学的吸収の点から猶も最適化されうることに起因する。
ネットワーク(5A)の(これらの一番端の経路の間の)他の内部経路は、前記層(6)への追加の接触によって占められる表面積は別として、電流、従って検出器の機能または特性の構成を実質的に変更することなく、ボロメータ材料(6)の層にも接触することができる、ということにも注意すべきである。既に述べたように、ネットワーク(5A)のすべての経路が層(6)に接触すると仮定すると、そのために無意味となる層(7A)を優先的に無くすには明らかに都合がよい。
本発明により推奨された構成は、そのような検出器の実装を実質的に簡素化することを可能とする。それは、例えば、ネットワーク(5A)の一番端の経路(5A1)と(5A4)をアーム(4)上の導電性ポスト(3)の方に継続的に延ばすことを可能にする。
さらに本発明は、アーム(4)の近くにボロメータ材料(6)を保つことを可能にし、その結果、そのような検出器を製造する過程を簡素化もする。確かに、概して言うと、検出器の熱抵抗を改善するためには、この領域に前記材料を保つことを敬遠するが、これは本発明の目的でない。
感応性の膜の「端子」に電流を供給する他の方法が、本発明の範囲を超えることのない範囲で、想定することができる。例えば、ネットワーク(5B)をポスト(3)への(5A)よりもむしろ広くすることによって、他の特定の実施形態を得ることができる。この目的のために選ばれる特定の導電層の選択は、第一に、異なるものでありうるそれぞれのネットワークに使用される材料の電気的かつ熱的伝導特性によって決定付けられ、そして、第二に、構成を組み立てるのに使用されうる技術の便利さによって決定付けられる。
実際に、本発明により、2つの導電ネットワークの導電経路の数と幾何学的特性(幅、厚さ、詳細な形状)は、決して、例示の目的を対象として説明した例のものだけに限らない、ということに注意すべきである。
本発明の範囲内における他のネットワーク構成も想定できる。ネットワーク(5A)をボロメータ材料(6)の層の下に配置することができる。この場合、任意選択の誘電体層(7A)を前記ネットワークと層(6)の間に配置できる。この誘電体層(7A)は、設計者がボロメータ材料(6)と接触させることを意図したネットワーク(5A)の経路の反対側に移動される。2つのネットワーク(5A)と(5B)の間の接触ポイントは、前記材料の層(6)とボロメータ材料(6)の前記層の上面を覆う誘電体層(7B)とにおいて貫通開口を作ることによって得られる。次に、ネットワーク(5B)をこの組立体の上に形成する。しかしながら、ネットワーク(5A)と(5B)の役割を逆にすること、つまり、上側のネットワークを活用してボロメータ材料(6)に接続する直線的な接続を作ることも可能である。本構成を図6に示す。
また、図7に示すようにボロメータ材料(6)の層の下に2つのネットワーク(5A)および(5B)を配置することによって、図3で説明した構造を、完全に引っくり返した他の方式に変えることも可能である。この特定の構成は、製造工程の理由から、感光材料(6)を組立工程のできるだけ遅い段階に堆積(蒸着)させたい場合に有利である。そのような必要性は、特に、感光材料と他の材料を規定するための過程の不適合性の問題、あるいは、装置が一旦完成されてから感光材料の表面全体に直接アクセスする際の問題からの結果でありうる。
それにもかかわらず、これらのすべての変形は本発明の同じ動作原理に基づいている。
本発明に従って製造された検出器の機能的な最適化を得るための基準を以下に述べる。
我々は、マイクロボロメータの膜が、それぞれ平行で規則的に区切られ、各ネットワークにおいて同一の線形抵抗を持つ導電経路から成っている2つの直交したネットワーク(5A)と(5B)によって、その境界またはエッジに達するまで一様に覆われるような、典型的であるが、限定的でない状況を考えている。この構成は最適な吸収効果をもたらす。膜の対向する2つのエッジの間の全体的な電気抵抗Rが約380オームであるならば、入射する電磁放射の吸収は最適化される。この値は、反射体の上方1.5μmから3μmに浮遊させられた膜に対するものであって、連続した導電層を使用する電磁波吸収体を製造するために当業者にはよく知られている。それぞれのネットワーク(5A)と(5B)は、この基準が少なくとも近似的に満たされるようなものでなければならない。
正方形の外形を有する膜に対して、このデータは有効である。それにもかかわらず、膜自体で結び付けられたそれぞれのネットワーク(5A、5B)の少なくとも2つの経路区画を含むのに十分大きな、あらゆる輪郭(outline)がこの基準を満たすならば、他の何らかの膜の形態も最適化できる。そのような輪郭を、図3に点線の輪郭によって示す。
検出器の最適化を評価する他の方法は、(ネットワーク間で両立する拡張により)上述の基準を満たす正方形が得られるまで局所的に膜の境界を拡張することによって「外接した」正方形を描くことである。
それぞれ1つの方向に3,800オームの抵抗を持つ10個の平行な導電経路のネットワークによって、また、それぞれその方向(前記1つの方向)に対して直角な方向に1,900オームの抵抗を持つ5つの平行な導電経路のネットワークによって、例えば正方形の膜を覆うことができる。2つの対向するエッジ間の「見かけの」抵抗は、n個の平行な導電経路に対するこれらのエッジに直角な単一の導電経路の抵抗の1/n倍に等しい。
実際に、2つの対向するエッジの間のその抵抗がそれぞれの方向で300または500オームのオーダーであるような正方形の膜は、わずかに有効でないだけだろうから、この基準は厳格ではなくて最適のものである。当業者ならば、上述の最適値の近傍における抵抗の関数として、実際には、吸収がゆっくりと変化するだけであることに気付くだろう。
本発明による検出器を最適化するために、この一般的な基準は、それぞれのネットワーク(5A)と(5B)のピッチに基づく特別な基準によって有利に補充される。そのピッチは、望ましくは、検出されるべき平均放射の波長の半分を超えてはならない。8から14μmの放射を検出することを意図した検出器のために、導電経路の各ネットワークに対し6μm未満のピッチを有利に使用すべきである。より高いピッチの値は、特に、電磁吸収の特性に悪影響を及ぼしうる回折現象をもたらす。
これらの基準を満足することにより、入射した特定の検出スペクトルにおける放射の90%を超える吸収を、通常は実現することができる。
本発明による検出器の実施例を以下で説明する。
大抵、最終製品、すなわち誘電体層、ボロメータ材料層、(電流供給部および電極のような)等電位領域のための金属層などを構成する様々な層の連続した堆積とエッチングにより、マイクロボロメータの網膜アレイ(retina array)は、当業者に馴染みのある伝統的な方法を使用して得られる。
これらの様々な層は、「犠牲」層と呼ばれる構造層の上面に堆積(蒸着)される。というのは、それはボロメータの構造、さらにとりわけ、熱隔離機能(特にアーム(4))のみによって浮遊させられた膜を残すために、工程の終わりで除去されるからである。
図1または図3に示すような単一の膜をアレイ状に並置することによって、イメージ網膜が得られる。つまり、マイクロエレクトロニクス技術は、このタイプの構築と、単一基板上に同時に多数の網膜を製造することに対し、それ自体当然に役立つ。
以下の段階は、より詳細に、本発明による検出デバイスを製造することに関係する。この説明は特定の組立体に関して適用される。そういうものとして、この説明は、特に、例えば実際の検出器自体について上記の説明で提案したものなどのように当業者が容易に想像できる構造の変化に関して、本発明の実際の範囲を決して限定することを意味するものではない。層の配列のいかなる反転、様々な部分または特別な製造工程の詳細な配置のいかなるものも本発明の範囲内に入る。
以下で説明した動作は、図3による検出器を直接製造することに関する。
第一の段階は、読出し回路を含む基板(通常シリコンで作られている)表面に「犠牲」層を堆積することを含む。この犠牲層は、通常、ポリイミドや、何らかの有機物質あるいは無機物質から成ることができ、それはその後の製造工程の動作条件に耐えることができ、製造が一旦完了すると選択的に除去できるものである。
好都合なことに、周知の配置においては、反射性の金属層(2)(例えばアルミニウムで作られる)が、最初に基板(1)の表面に堆積され、検出器のスペクトル挙動を最適化するために周知の適切な技術を使用して、局所的にエッチングされる。この場合、犠牲層の厚さは、8から14μmまでの波長スペクトルにおける放射の吸収を最適化することが目的ならば、1.5から3μmに設定される。
次に、犠牲層の表面に、ボロメータ材料(6)の層が従来技術を使用して通常50から500ナノメートル厚さに堆積される。ここで説明した構造は、特にアモルファスシリコン、またはSiGe(1−x−y)タイプの同様の材料に適切である。
次に、誘電体材料の第1の層(7A)、通常、一般的に10から50ナノメートルの厚さを持っているシリコン酸化物または窒化物が、例えば、プラズマ化学気相成長法(PECVD法)を使用して、ボロメータ材料(6)の層表面に堆積される。
この誘電体材料の層(7A)は、伝統的なリソグラフィマスクと適切なエッチング過程を使用して、例えば図3のパターン、すなわち非常に狭い平行な経路にエッチングされる。しかしながら、これらのエッチングされた経路の幅は、通常、少なくとも材料(6)の厚さより小さくなく、例えば0.2から2μmの幅に達する。これらのエッチングされた経路の間隔は、例えば5から50μmである。
次に、導電性材料(5A)の第1の層が、そのタイプの層に適切な周知の技術を使用して堆積される。何らかのタイプの金属、望ましくはマイクロエレクトロニクスに通常的に用いられるもの、例えばアルミニウム、チタニウム、またはチタン窒化物を使用することができる。導電経路の第1のネットワーク(5A)は、第2のリソグラフィマスクを使用して伝統的なエッチングによって規定される。ネットワーク(5A)を形成する経路のいくつかは、以前に製造された下に横たわる誘電体材料の層(7A)に作られた開口の反対側に配置される。他の経路は「浮遊」状態に残される。すなわち、誘電体層(7A)によりボロメータ材料(6)から隔離される。
層(5A)の厚さeと抵抗率(Rho)、すなわちRho/eによって規定されるシート抵抗(当業者によって通常的に用いられる量として言い表される)は、先に述べた一般的な基準を満たすために、ネットワーク(5A)の導電経路の最終的な寸法に応じて選択される。例えば、点線の正方形に結びつけた膜の部分は、9個の導電経路を有し、その経路は、図3に点線で描かれた正方形の「水平の(紙面内の左右方向の)」エッジに経路が交差しているポイント間で約3,400オームの抵抗を持たなければならない。9個の平行な経路を利用するならば、これは前記点線の正方形の「水平の」対向する2つのエッジ間におよそ380オームを与える。
導電層(5A)が、例えば100マイクロオーム.cmの抵抗率を持ったチタン窒化物の10ナノメートルで得られる100オーム/スクエアのシート抵抗を持っていれば、幅に対する長さ(点線の正方形内の)の比は、およそ34でなければならない。図3が、全長50μmの稜線サイズを持つボロメータを示していると仮定すると、点線で囲まれた正方形は、約34μm稜線サイズを持ち、したがって、経路(5A)の幅はおよそ1μmでなければならず、点線の正方形内の前記経路を分離する9個の経路と9個の間隔に合うように、前記経路(5A)は約3.8μmのピッチの規則的な間隔で、繰り返される。
明らかに、シート抵抗、経路幅、および密度に関するパラメータの他の組み合わせも、上述の一般的な基準を満たす結果を生じさせることができる。
既に示したように、第1のネットワーク(5A)のすべての導電経路がボロメータ材料(6)に接触させる構成のための条件を作ることが可能である。次に誘電体材料の層(7A)を使用する必要がもはやないという意味で、また、関連する規定のための技術(リソグラフィとエッチング)を排除するという意味で、この特殊ケースは有利である。それにより、かなりの複雑さが減少することになる。
しかしながら、層(6)に接触する経路(5A)のトータルの表面積は、図3においてそれらの経路(5A)の表面積が表面積(6A)に等しいので、デバイスを最適化する観点から無駄になるものと見なさなければならない。したがって、ボロメータ材料(6)に接触する経路の部分を、一旦組立が完了してから膜全体のために必要な全体抵抗を得るのに要求される最低限度にまで制限することは、有利である。
同様に、接触領域の幅、この場合、誘電体層(7A)に作られる開口は、同様の理由から実用的な最小値に制限される。
層(5A)は、導電性の構造体(4)を対向する側で(図3の左側および右側で)支持しつつ原形のままで残される。
次に、導電性の支持体あるいはポスト(3)が形成される。これは、例えば1から数μmの側面寸法を持った小さなサイズの開口を除外して、全体構造を保護するよう意図した新たなリソグラフィマスクを付けることによる。次に、これらの開口は次の順:すなわち導電性材料(5A)、誘電体材料(7A)、ボロメータ材料(6)の順序で表層を通してエッチングされ、そして、読出し回路(1)の表面上に先に作られた接触部分(コンタクト)の表面にまで達する犠牲層を通してエッチングされる。次に、比較的厚い層が堆積される。この層は、例えば、この目的にとって伝統的な材料から選択された0.2から2μmの金属で、単なる例に過ぎないが、アルミニウムやその合金、チタニウム、チタン窒化物、タングステン、タングステンシリサイド、あるいはそれらの材料の様々な組み合わせものを有する層である。
次に、この金属を、先に作られた開口に隣接して保つためにリソグラフィマスクが付けられる、そして先に古典的な過程を使用して堆積された金属がエッチングによって残りの表面から除去される。エッチングは、層(5A)が現れた次第、選択的に停止される。後の2つのリソグラフィマスクと関連するエッチング動作の手順を逆転するのも好都合でよい。
第1の層(7A)と概ね同一の種類と厚さの誘電体材料の第2の層(7B)が堆積され、次に、ボロメータ材料(6)に接触するネットワーク(5A)の導電経路(5A1、5A2、5A3、5A4)上に開いた、局在化する開口(8)を保持した新たなリソグラフィマスクを使用してエッチングが行われる。
次に、第2の導電層(5B)が、適切なリソグラフィレベルを使用することによって、第1のネットワーク(5A)にほぼ直角なネットワークとして堆積され、規定される。
第1のネットワークに使用した材料と同じ材料を使用することができる。やはり、この層(5B)の厚さと抵抗率、従ってその「シート抵抗」は、上述の一般的な基準を満たすために、この第2のネットワークの導電経路の最終的な寸法に応じて選択される。例えば、34μmのエッジ寸法を持つと仮定される点線の正方形に結び付けられた膜の部分は、やはり、この特定の構造の場合における9個の導電経路(5B)を有し、そのそれぞれは、点線の正方形の2つの「垂直な(紙面内の上下方向の)」エッジによって規定されるポイントの間で約3,400オームの抵抗持たなければならない。それぞれの経路の幅を約2μmとして(したがって間隔を1.8μmとして)規定したいのならば、この第2のネットワーク(5B)に対して、例えば200マイクロオーム.cmの抵抗率を持ったチタン窒化物の10ナノメートルで得られる200オーム/スクエアの金属の層を使用しなければならない。そして、9個の平行な経路は、点線の正方形の2つの「垂直な」エッジ間でおよそ380オームに等しく、そして、これは上述のような最適化の基準を満たす。
最終的なリソグラフィレベルは、犠牲層の表面が貫通されるまで、膜(5B)、また該当する場合は(7B)、(5A)、(7A)、(6)を構成するすべての材料を非選択エッチングすることにより、膜の周辺部を切り取ると共に、構造体(4)とポスト(3)を保つのに使用される。言及したすべての材料のためのこの操作に最も適切な、望ましくは乾式のエッチング技術は、当業者には良く知られている。
次に、例えば、酸素プラズマ中の酸化によって犠牲層が除去されるが、通常の場合、前記犠牲層は有機物型で、その最終の機能的で最適化された状態において、膜は基板(1)の上方に浮遊させられる。
図1および図3、また特に対応する断面図(図2および図4)に示した構成を、とりわけ、表面(6A)と(6B)の関係する幾何学構成(そこでは短い方の側だけを示す)の観点から比較すれば、電流の流れという意味での不活性な表面積(6A)が、本発明を用いることのおかげで有用な表面積(6B)の利益となるようにかなり減少される、ということは明らかである。
図1および図3に示した特徴的な量WとLの比較評価は、本発明により提案された典型的な構成が、距離Lをおよそ2倍改善し、距離Wを約10%改善することを示す。実際に、図3の例での電気的幅Wは実質的に合計W+W+Wに等しい。したがって、信号対ノイズ比の観点から結果的に関係する性能の改善は約50%であり、あるいは、熱的解像度はこの分野で非常に重要な数量であるところの33%だけ減少する(向上する)。
この利益に対して、詳細な構成と使用されるボロメータ材料とに依存して変化する電流の抑制に関連した過剰ノイズの消滅を追加することもできる。信号対ノイズ比の10から15%の余分の改善、すなわち特許文献1で説明された技術と比較して約40%の熱解像度の減少を期待することは妥当である。
本発明によれば、最終的な性能に関して実質的にいかなる妥協をすることもなく、読出し回路の機能的要求に合わせるように膜の電気抵抗を規定する際に、追加的な極度の柔軟性を許容することの結果として提供される性能の利益は、明らかである。このような特徴は、一般に、序文で引用された文献に開示された従来技術において欠けている。
前述の従来技術による基本のボロメータ検出器の平面図である。 図1の線A−Aに沿った断面図である。 本発明による検出器の概略平面図である。 図3の線B−Bに沿った断面図である。 図4の断面図の一部分の(破線の円内)詳細図である。 詳細図であって、本発明の他の実施形態の図である。 詳細図であって、本発明の他の実施形態の図である。
符号の説明
1 読出し回路(シリコン基板)
2 金属層
3 ポスト
4 アーム(熱隔離構造)
5 電極
5A 第1のネットワーク
5A1、5A2、5A3、5A4 導電経路
5Aa 吸収材としてのみ機能する導電経路
5B 第2のネットワーク
5B1、5B2、5B3、5B4、5B5、5B6 導電経路
6 ボロメータ材料(感光材料)
6A、6B ボロメータ材料の部分
7A、7B 誘電体材料層
8 開口(接触ポイント)

Claims (16)

  1. -感応性の部分または膜であり、
    ・抵抗率が温度に従って変化する感光材料(6)の1つ以上の層、
    ・ボロメータ検出器と関連づけた読出し回路と電気的に接続し、一方では、前記検出器のための電極として、またこのために前記感光材料(6)に接触して機能し、他方では、電磁放射吸収材として機能する第1の導電性素子、
    ・電磁放射吸収材としてのみ機能する浮動電位における第2の導電性素子、
    を有する感応性の部分または膜と、
    -前記感応性の部分と前記読出し回路に関係する導電体とを位置決めする機能を実現させる、前記感応性の部分のための少なくとも1つの支持領域(3)と、
    -感応性の部分に各支持領域(3)を電気的および機械的に結び付ける少なくとも1つの熱隔離構造(4)と、
    を有する電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    導体素子群は、重ねられた2つの導電経路のネットワーク(5A、5B)として分布し、2つのネットワークの第1のネットワーク(5A)は、すべての前記第1の導電性素子を有することを特徴とする、電磁放射のためのボロメータ検出器。
  2. ネットワーク(5A)および(5B)は完全にまたは部分的に重ねて挿入されることを特徴とする請求項1に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  3. 前記第1のネットワーク(5A)は第2の導電性素子も有するが、それを構成する少なくとも2つの導電経路(5A1、5A2、5A3、5A4)は、感応性の部分を構成する感光材料(6)にそのほぼ全長に亘って接触することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  4. 第2のネットワーク(5B)の少なくとも2つの導電経路は、感応性の部分を構成する感光材料(6)に接触する前記第1のネットワーク(5A)の前記特別の経路(5A1、5A2、5A3、5A4)に交互に接触していることを特徴とする請求項3に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  5. それぞれの2つのネットワーク(5A、5B)のそれぞれの導電経路は、真直ぐで互いに平行であり、第1のネットワーク(5A)の導電経路は、第2のネットワーク(5B)を構成するものに対して直角であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  6. 導電経路の2つのネットワーク(5A)および(5B)は、感光材料(6)の層の上面に位置決めされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  7. 請求項6に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    ・第1のネットワーク(5A)は、前記第1のネットワーク(5A)の特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、5A4)と感光材料(6)の層との間の接触の領域の反対側に局所的に開口を持つ誘電体材料で作られた第1の層(7A)によって、感光材料(6)の層から電気的に隔離され、
    ・誘電体材料の第2の層(7B)は、前記第1のネットワーク(5A)の吸収材としてのみ機能する導電経路(5Aa)と前記第2のネットワークの導電経路(5B)との間に挿入され、
    ・そして、第1のネットワーク(5A)の特別な経路(5A1、5A2、5A3、および5A4)と第2のネットワーク(5B)のある導電経路との間の接触は、誘電体材料の第2の層(7B)に作られた開口(8)において得られる
    ことを特徴とするボロメータ検出器。
  8. 前記ネットワーク(5A、5B)の一方は感光材料(6)の層の下に位置決めされ、他のネットワークは感光材料(6)の層の上に位置決めされることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  9. 請求項8に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    ・第1のネットワーク(5A)は感光材料(6)の層の下に位置決めされ、かつ後者(感光材料)から、前記第1のネットワーク(5A)の特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、5A4)と感光材料(6)の層との間の接触の領域の反対側に局所的に開口を持つ誘電体材料で作られた第1の層(7A)によって、電気的に隔離され、
    ・第2のネットワーク(5B)は感光材料(6)の層の上に位置決めされ、かつ後者(感光材料)から、誘電体材料で作られた第2の層(7B)によって電気的に隔離され、
    ・そして、2つのネットワーク(5A)および(5B)の間の電気接触の接点は、前記材料(6)の層と誘電体材料の第2の層(7B)に貫通開口を作ることによって得られることを特徴とするボロメータ検出器。
  10. 請求項8に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    ・第1のネットワーク(5A)は感光材料(6)の層の上に位置決めされ、かつ後者(感光材料)から、前記第1のネットワーク(5A)の特別な導電経路(5A1、5A2、5A3、5A4)と感光材料(6)の層との間の接触の領域の反対側に局所的に開口を持つ誘電体材料で作られた第1の層(7A)によって、電気的に隔離され、
    ・第2のネットワーク(5B)は感光材料(6)の層の下に位置決めされ、かつ後者(感光材料)から、誘電体材料で作られた第2の層(7B)によって電気的に隔離され、
    ・そして、2つのネットワーク(5A)および(5B)の間の電気接触の接点は、前記材料(6)の層と誘電体材料の第2の層(7B)に貫通開口を作ることによって得られることを特徴とするボロメータ検出器。
  11. 前記第1のネットワークのすべての導電経路(5A)は、ボロメータ材料(6)の層に接触することを特徴とする請求項6または8に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器。
  12. 請求項11に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    ・前記ネットワーク(5A)は感光材料(6)の層の上に位置決めされ、
    ・誘電体材料の層(7B)は、前記第1のネットワーク(5A)の導電経路と前記第2のネットワークの導電経路(5B)との間に挿入され、
    ・そして、第1のネットワーク(5A)の導電経路と第2のネットワーク(5B)のある導電経路との間の接触は、前記誘電体層(7B)に作られた開口(8)において得られることを特徴とするボロメータ検出器。
  13. 請求項11に記載の電磁放射のためのボロメータ検出器であって、
    ・前記ネットワーク(5A)は感光材料(6)の層の下に位置決めされ、
    ・第2のネットワーク(5B)は感光材料(6)の層の上に位置決めされ、かつ後者(感光材料)から、誘電体材料で作られた層(7B)によって電気的に隔離され、
    ・そして、2つのネットワーク(5A)および(5B)の間の電気接触の接点は、前記材料(6)の層と誘電体材料の層(7B)に貫通開口を作ることによって得られることを特徴とするボロメータ検出器。
  14. 1つ以上のボロメータ検出器を請求項1から13のいずれか1項に記載のものとして使用し、その検出器がポスト型構造(3)によって読出し回路(1)に接続されることを特徴とするボロメータタイプ赤外線検出器。
  15. 少なくとも2つのボロメータ検出器を有するアレイ構造を有することを特徴とする請求項14に記載のボロメータタイプ赤外線検出器。
  16. 特にシリコン基板上に製造された読出し回路(1)から始めるボロメータタイプ赤外線検出器を製造する方法であって、
    -最初に、読出し回路(1)を検出モジュールまたは感応性の部分から熱隔離するために、何らかの既知の手段によって検出器製造後に取り除くことを意図した第1の補助犠牲層を前記シリコン基板上に形成する段階と、
    -この補助犠牲層上に感応性のボロメータ材料の層を形成する段階と、
    -この感応性の層(6)の上に誘電体材料からなる層(7A)を堆積する段階と、
    -この層にリソグラフィマスクを使用し、エッチングを行って、感光材料(6)の層との接触領域を作るために、限られた厚さの線状の開口を作製する段階と、
    -導電性材料の第1の層を堆積する段階と、
    -リソグラフィマスクを使用して導電経路の第1のネットワーク(5A)を作製し、それの或るものが、誘電体材料の層(7A)に作られた開口の反対側に位置するようにして、このために感光材料(6)に電気接触させるようにする段階と、
    -小さいサイズの開口を除外した全体構造を保護することを意図した新たなリソグラフィマスクを塗布することによって、前記開口が以下の順:すなわち導電性材料(5A)、誘電体材料(7A)、ボロメータ材料(6)の順序で表層を通して、その次に読出し回路(1)の表面上に先に作られた接触の表面にまで達する犠牲層を通してエッチングされるようにすること、次に少なくとも1つの金属で堆積すること、次にリソグラフィマスクを用いてポスト(3)以外のこの/これらの金属層をエッチングすること、によって導電性支持体またはポスト(3)を作製する段階と、
    -ネットワーク(5A)上に誘電体材料の第2の層(7B)を堆積する段階と、
    -リソグラフィマスクを使用し、エッチングを行って、感光材料(6)に接触するネットワークの導電経路上に局在化させた前記誘電体層(7B)に開口(8)を作製する段階と、
    -誘電体材料の層(7B)上に導電性材料の第2の層を堆積する段階と、
    -リソグラフィマスクを使用して、第1のネットワーク(5A)を構成する経路に対してほぼ直角に方向付けられた導電経路の第2のネットワーク(5B)を作成する段階と、
    -リソグラフィマスクを使用し、エッチングを行って、支持アーム(4)と、膜の周囲の輪郭または検出器の感応性の部分とを規定する段階と、
    -最後に、その膜または感応性の部分が基板(1)の上で浮遊するように犠牲層を除去する段階と、
    を含むことを特徴とするボロメータタイプ赤外線検出器を製造する方法。
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