JP2001272271A - 赤外線センサ - Google Patents

赤外線センサ

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JP2001272271A
JP2001272271A JP2000179822A JP2000179822A JP2001272271A JP 2001272271 A JP2001272271 A JP 2001272271A JP 2000179822 A JP2000179822 A JP 2000179822A JP 2000179822 A JP2000179822 A JP 2000179822A JP 2001272271 A JP2001272271 A JP 2001272271A
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infrared
film
electrode
infrared sensor
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JP2000179822A
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Hisatoshi Hata
久敏 秦
Yoshiyuki Nakagi
義幸 中木
Osamu Kaneda
修 兼田
Takanori Sone
孝典 曽根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線吸収効率が良好で高感度であり、か
つ、検知部の熱容量の小さくレスポンス特性に優れた熱
型赤外線センサを提供すること。 【解決手段】 熱型赤外線センサの検知部に、赤外線吸
収膜26を形成し、検知部下方の半導体基板10上に赤
外線反射膜24を形成し、検知部6の一部の領域におい
て、赤外線吸収膜26と電極22a及び22bとの間の
光学距離を検出赤外線波長の略4分の1とする一方、検
知部6の残りの領域において、赤外線吸収膜26と赤外
線反射膜24の間の光学距離を検出赤外線波長の略4分
の1とする。電極22a及び22bの赤外線反射機能を
積極的に利用して、電極−赤外線吸収膜間に共振構造を
形成することにより、赤外線吸収効率を高める。また、
電極形成を検知部の一部に限定し、残りの領域において
は赤外線吸収膜と赤外線反射膜の間に共振構造を形成す
るため、検知部の膜厚増加を抑制して、レスポンス特性
の低下を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱により赤外線を
検出する熱型赤外線センサに関し、特に、赤外線吸収効
率の向上による熱型赤外線センサの高感度化に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱型センサの開発が盛んであり、
特にマイクロマシニング技術を用いた微細な熱型赤外セ
ンサは既に実用段階にある。熱型赤外線センサは、赤外
線受光によるセンサの温度変化を、電気抵抗、自発分
極、又は熱起電力等の物理量の変化に変換して検出する
ものである。
【0003】図9及び図10は、センサの温度変化を電
気抵抗の変化に変換するボロメータ型の熱型赤外線セン
サの一例を示す上面図及び断面図である。図9及び図1
0に示す赤外線センサにおいて、シリコン基板10の上
に、赤外線を検知する検知部6と、検知部6を中空に支
える断熱脚4a及び4bがマイクロマシニング技術によ
って形成されている。検知部6を周囲から断熱してセン
サの感度を高めるため、検知部6の下部には空洞が設け
られている。
【0004】検知部6の内部には、温度によって電気抵
抗値が変化するボロメータ膜14が形成され、ボロメー
タ膜14と外部回路(図示せず)を接続するため、ボロ
メータ膜14の一部に電極22a及び22bが接合さ
れ、これらの電極から連続して、配線20a及び20b
が検知部6から断熱脚4a及び4b上にかけて形成され
ている。ボロメータ膜14には、ポリシリコン、アモル
ファスシリコン、炭化ケイ素や酸化バナジウム等が用い
られている。電極22a及び22b、並びに配線20a
及び20bには、一般にアルミニウム、チタン、タング
ステン等の金属が用いられている。
【0005】また、検知部6には、ボロメータ膜14の
上部に誘電体膜からなる絶縁膜28、赤外吸収膜26、
保護膜30が形成されている。一方、基板上には赤外吸
収率を高めるための赤外反射膜24が形成されている。
【0006】図9及び図10に示す熱型赤外線センサ
は、センサ上方から入射した赤外線を吸収して検知部6
の温度が上昇し、検知部6内のボロメータ膜14の抵抗
値が温度上昇に伴って変化することを利用して赤外線の
検出を行う。ボロメータ膜14の抵抗値の変化は、電極
22a及び22bを介して外部回路から電圧を印加し、
定電圧を印加した時の電流量の変化、又は定電流を流し
た場合の電圧値の変化として読み取ることができる。
【0007】熱型赤外線センサにおいては、諸特性のう
ち感度及びレスポンス特性が重要視される場合が多い。
熱型赤外センサのレスポンス特性は、検知部6の熱容量
に依存しており、熱容量が小さい程、赤外線量の変化と
検知部の温度変化とのタイムラグが短縮されてレスポン
ス特性が良好となる。一方、熱型赤外線センサの検出感
度を向上させるためには、(a)温度による電気特性変
化率の大きな材料でボロメータ膜14を形成すること、
(b)検知部6の赤外吸収率を向上すること、(c)検
知部6と基板10との熱コンダクタンスを低減すること
等が必要となる。
【0008】検知部6の赤外吸収率を向上させるため
に、例えば、Proc.SPIE,Vol.3224,
pp.40−51,1997には、検知部6の中に形成
された赤外吸収膜26と、基板10の上に設けられた赤
外反射膜24との間で、入射した赤外光が共振する共振
構造を形成することが記載されている。共振構造は、赤
外線反射膜24と赤外線吸収膜26との間の光学的距離
を、検出する赤外線波長の約4分の1とすることにより
形成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】赤外線カメラ等では、
2次元画像を得るために、複数の熱型赤外線センサを画
素としてマトリックス状に配置したセンサアレイが構成
されている。高精細な画像を得るためには、画素数を増
やす必要があり、撮像素子自体の大きさを変えずに画素
数を増やすためには個々のセンサのサイズを縮小するこ
とが必要となる。
【0010】しかし、上記従来の熱型赤外線センサにお
いては、センサのサイズを縮小しようとした場合に以下
の問題が生じる。センサのサイズを縮小すると、検知部
6の赤外吸収面積が小さくなるだけでなく、パターニン
グ精度上の制約から、検知部6における電極22a及び
22bの占有面積が相対的に大きくなる。ところが、電
極22a及び22bには一般に、金属薄膜が用いられて
おり、金属薄膜は赤外線透過率が小さい。このため、検
知部6における電極22a及び22bの占有面積が増大
すると、上述の共振器構造の有効面積が減少し、検知部
6の赤外線吸収効率が低下してしまう。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、熱型赤外線センサのサイズ縮小に伴う電極面積
の相対的な増加による赤外線吸収率の低下を無くし、高
感度、高精細な画像を得ることができる赤外線センサを
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における第1の発明は、赤外線を吸収して温
度変化を起こす検知部を、半導体基板の上方に、断熱脚
によって支持して成り、前記検知部に、温度変化により
電気特性が変化する検知膜と、該検知膜に接合した一組
の電極とを有し、該電極を介して、前記検知部の温度変
化を電気信号として読み出す赤外線センサにおいて、前
記検知部に、赤外線を吸収しながらその一部を透過する
赤外線吸収膜を形成し、前記検知部下方の前記半導体基
板上に、赤外線を反射する赤外線反射膜を形成し、前記
検知部の一部の領域において、前記赤外線吸収膜と前記
電極との間の光学距離を検出赤外線波長の略4分の1と
する一方、前記検知部の残りの領域において、前記赤外
線吸収膜と前記赤外線反射膜の間の光学距離を検出赤外
線波長の略4分の1としたことを特徴とする。
【0013】即ち、本発明の第1の発明においては、検
知部において電極を形成する領域を一定の領域に限定
し、その領域において電極の赤外線反射機能を積極的に
利用して電極−赤外線吸収膜間に共振構造を形成するこ
とにより、センサのサイズが小さく、電極の占有面積が
相対的に大きなセンサについても、赤外線吸収効率を高
めることができる。また、電極形成領域を検知部の一部
の領域に限定し、残りの領域においては赤外線吸収膜と
赤外線反射膜の間に赤外線の共振器構造を形成するた
め、検知部の膜厚増加を最小限に抑制して、レスポンス
特性の低下を防止することができる。
【0014】また、第1の発明において、前記検知部の
一部の領域に、前記電極の少なくとも一方と、前記検知
膜とを積層し、さらに、前記検知部のほぼ全面に、前記
赤外線吸収膜を形成することが好ましい。この構造によ
れば、検知膜の膜厚のみを従来と変えることによって、
赤外線共振構造を形成することができる。検知膜は赤外
線吸収率が低いため、電極に接合して抵抗値の変化を読
み出すことができるように形成すれば良く、必ずしも検
知部の全面に広がっている必要はない。そこで、検知膜
を形成する領域を電極形成領域に合わせて縮小し、その
縮小分だけ膜厚を増加させれば、検知部の熱容量を殆ど
増加させることなく、赤外線の共振構造を検知部内に形
成することができる。
【0015】さらに、第1の発明において、前記検知膜
が、互いに近接する一組の電極の上に積層されているこ
とが好ましい。電極間の間隔が検出赤外線波長よりも十
分小さくなるように近接して形成された一組の電極は、
連続した1枚の反射膜であるかのように振舞う。したが
って、この構造によれば、赤外線の共振を効率良く起こ
し、赤外線吸収効率をより一層高めることができる。
【0016】また、第1の発明において、前記赤外線吸
収膜が、他方の電極を兼ねていても良い。これにより、
電極が検知膜をその膜厚方向に挟む構成となるため、検
知膜の形成を一部の領域に限定しながら、電極面積を広
くすることができ、センサの感度を高めることができ
る。
【0017】また、第1の発明において、前記検知膜
が、酸化バナジウム、アモルファス構造のイットリウム
・バリウム・銅の酸化物、アモルファス構造のシリコン
から成る群から選択された1つからなることが好まし
い。これらの材料は、抵抗温度係数が高いため、赤外線
センサの感度を向上することができる。
【0018】さらに、第1の発明において、前記赤外吸
収膜が、窒化バナジウム、窒化チタニウム、ニッケル・
クロム合金から成る群から選択された1つからなること
が好ましい。これらの材料は、赤外線吸収効率が高い点
で有利である。これらのシート抵抗値は100Ω/□以上10
00Ω/□以下とすることが望ましい。
【0019】また、本発明の第2の発明は、赤外線を吸
収して温度変化を起こす検知部を、半導体基板の上方
に、断熱脚によって支持して成り、前記検知部に、温度
変化により電気特性が変化する検知素子を有し、該検知
素子に接合して前記断熱脚上に延在した導電部材を介し
て、前記検知部の温度変化を電気信号として取出す赤外
線センサにおいて、前記導電部材のうち、前記検知素子
と接合した電極部分と前記断熱脚上に延在した配線部分
とが異なる組成から成り、前記電極部分が前記配線部分
よりも大きなシート抵抗値を有することを特徴とする赤
外線センサである。
【0020】前述の第1の発明においては、電極を積極
的に赤外線反射膜として作用させて共振器構造を形成す
ることにより赤外線吸収効率を高めたが、第2の発明に
おいては、電極を配線と別の材料で形成することによ
り、電極を赤外線吸収膜として作用させる。これによ
り、電極部分にある導電部材による赤外線反射を抑制し
て、赤外線センサの検知部の赤外線吸収効率を向上する
ことができる。
【0021】また、第2の発明において、前記電極部分
のシート抵抗値が、100〜1000Ω/□であること
が好ましい。このような範囲において、電極部分にある
導電部材の赤外線吸収率が良好となるからである。
【0022】さらに、第2の発明において、前記電極部
分の組成が、クロム窒化物、クロム酸化物、チタン窒化
物及びチタン酸化物から成る群から選択された1つであ
ることが好ましい。これにより、膜中の酸素含有量又は
窒素含有量を制御することによって導電部材のシート抵
抗値を制御することができる。
【0023】また、第2の発明において、前記検知部の
下方に、赤外線を反射する赤外線反射膜を形成したこと
が好ましい。これにより、検知素子を通過した赤外線を
検知素子に戻して赤外線吸収効率を高めることができ
る。
【0024】加えて、第2の発明において、前記導電部
材が、前記電極部分と同一の組成であって前記電極部分
から延長して前記配線部分の上方に庇状に張り出した赤
外吸収部分を有することが好ましい。これにより、赤外
線を吸収する有効領域を配線部分に拡大して赤外線吸収
効率を高めることができる。
【0025】また、第2の発明において、前記検知部の
下方に、赤外線を反射する赤外線反射膜を形成し、赤外
線反射膜と電極間で赤外吸収のための共振構造を形成し
ていることが好ましい。これにより、赤外吸収効率がさ
らに向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。図において同一の符号
を付した部材は、同一又は対応する部材を表す。実施の
形態1.図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る
熱型赤外線センサを示す平面図及び断面図である。図1
及び図2は、アレイ形状をなすように基板上に配列して
形成された複数の熱型赤外線センサの1つについて示し
ている。本実施の形態においては、検知部において一対
の電極を形成する領域を、連続した一定の領域に限定
し、その領域において電極の赤外線反射機能を積極的に
利用して電極−赤外線吸収膜間に共振構造を形成してい
る。これにより、センサのサイズが小さく、電極の占有
面積が相対的に大きなセンサについても、検知部の熱容
量増加によるレスポンス特性の低下を抑制しつつ、赤外
線吸収効率を高めることができる。
【0027】図1及び図2に示す赤外線センサは、赤外
線を吸収して温度変化を起こす検知部6を、半導体基板
10の上方に、断熱脚4a及び4bによって基板10か
ら分離するように支持して成る。検知部6には、図2に
示すように、一対の電極22a及び22bと、温度変化
により電気特性が変化するボロメータ膜(=検知膜)1
4と、層間絶縁膜28と、赤外線吸収膜26と、保護絶
縁膜30が順次積層されている。半導体基板10の上に
は、検知部6の下方に赤外線反射膜24が形成されてい
る。また、ボロメータ膜14に接合した一対の電極22
a及び22bから連続して、配線20a及び20bが断
熱脚4a及び4b上に延在しており、外部回路への信号
経路を形成している。
【0028】図1に示すように、電極22a及び22b
は、検知部6の連続した一部の領域(以下、電極形成領
域と称する)に互いに近接して形成されており、互いに
噛み合わされたくし状に形成されている。電極22a及
び22bは、互いの間隔が赤外線波長に比較して十分に
短い距離(例えば、約1μm)となるように近接して形
成されている。このように近接して形成された電極22
a及び22b(以下、まとめて電極22とする)は、そ
の間隔が入射する赤外線の波長に比べて小さいため、連
続した1枚の反射膜であるかのように振舞う。
【0029】この電極形成領域に、ボロメータ膜14が
積層されており、さらに、検知部6のほぼ全面に、赤外
線吸収膜26が層間絶縁膜28を介して形成されてい
る。即ち、電極形成領域は、検知部6の残りの領域に比
べて、主にボロメータ膜14の分だけ層厚が厚くなって
いる。ボロメータ膜14、層間絶縁膜28などの各層の
厚みは、赤外線吸収膜26と電極22との間、及び赤外
線吸収膜26と赤外線反射膜24との間に、検出する赤
外線波長の共振器構造が形成されるように設定する。即
ち、赤外線吸収膜26と電極22との間の光学距離が、
検出する赤外線波長の約4分の1となり、かつ赤外線吸
収膜26と赤外線反射膜24との間の光学距離が、検出
する赤外線波長の約4分の1となるように、各層の厚み
を調節する。
【0030】例えば、検出赤外線の波長を8〜12μm
とすると、上述の光学距離を、中心波長(=10μm)
の約4分の1である2.5μmとなるように設定する。
ここで光学距離とは、絶対屈折率が1の媒質における光
の進行距離に換算した距離を指し、絶対屈折率がnの媒
質中における光学距離は、真空中のn倍となる。したが
って、赤外線吸収膜26と電極22との間、及び赤外線
吸収膜26と赤外線反射膜24との間において、その間
に存在する各層の厚みにその絶対屈折率をかけた数値の
総和が2.5μmとなるようにすれば良い。
【0031】これにより、電極形成領域においては、セ
ンサの上方から入射した赤外線は、赤外線吸収膜26と
電極22との間で共振しながら吸収される。前述の通
り、電極22a及び22bは、連続した1枚の反射膜と
して振舞うことができるように互いに近接して、例え
ば、互いの間隔が少なくとも検出赤外線の波長以下、好
ましくは波長の半分以下、さらに好ましくは1/4以下
となるように形成されているため、電極22aと電極2
2bの間においても、赤外線の共振を起こすことができ
る。一方、検知部6の電極形成領域を除く領域において
は、入射した赤外線は、赤外線吸収膜26と赤外線反射
膜24との間で共振しながら吸収される。したがって、
電極の占有面積が相対的に大きな場合であっても、高い
赤外線吸収効率を実現することができる。
【0032】また、本実施の形態においては、赤外線の
共振構造を検知部6の内部に形成することによる検知部
6の熱容量の増加を抑制するため、電極22a及び22
bを検知部6の一部の領域に互いに近接して形成すると
共に、ボロメータ膜14を電極と赤外線吸収膜26の間
に挟む構造としている。この構造によれば、ボロメータ
膜14の膜厚のみを従来と変えることによって、赤外線
共振構造を形成することができる。ボロメータ膜14は
赤外線吸収率が低いため、電極に接合して抵抗値の変化
を読み出すことができるように形成すれば良く、必ずし
も検知部6の全面に広がっている必要はない。そこで、
ボロメータ膜14を形成する領域を電極形成領域に合わ
せて縮小し、その縮小分だけ膜厚を増加させれば、検知
部6の熱容量を殆ど増加させることなく、赤外線の共振
構造を検知部内に形成することができる。
【0033】次に、本実施の形態における赤外線センサ
を製造するための製造方法及び好適な材料について説明
する。ここでは、図1及び図2に示す赤外線センサをア
レイ状に配列したセンサアレイを製造する場合について
説明する。まず、Si基板10上に、赤外線センサを形
成しようとする素子領域を基板10上に複数設定し、A
l等で赤外線反射膜24を形成する。赤外線反射膜24
の形成は、読み出し回路等の周辺回路の形成時に同時に
行っても良い。次に、各素子領域上に、Siから成る犠
牲層(図示せず)を形成する。Si犠牲層は、後述する
ようにエッチングで除去することにより、検知部下方に
空洞を形成する役割を果たす。
【0034】Si犠牲層を形成した後、断熱脚4a、4
bおよび支持膜5を、例えばSiN x膜によって形成す
る。断熱脚4a、4bおよび支持膜5は、SiO2膜又
はSiNx膜とSiO2膜の積層膜によって形成しても良
い。次に、断熱脚4a、4bおよび支持膜5上に、配線
20a、20b及び電極22a、22bを形成する。配
線20a及び20bは、基板10上の回路部に電気的に
接続するように形成する。これらの電極及び配線は、例
えば、スパッタ法により同時に形成することができる。
電極の材料には、赤外線反射率及び導電率の高い材料が
好ましく、例えば、Ti,Pt,Al等を用いることが
できる。
【0035】尚、ボロメータ膜14が形成される部分で
反射率が高い材料を用いれば良いため、電極及び配線を
同一材料で形成する代りに、ボロメータ膜と接合する電
極22a及び22bのみを金属薄膜で形成し、配線20
a及び20bをTiN等の熱伝導率の小さい材料で形成
しても良い。
【0036】次に、ボロメータ膜14を形成する。ボロ
メータ膜14には、抵抗温度係数が高く、屈折率の大き
な材料を用いることが好ましい。例えば、アモルファス
構造のイットリウム・バリウム・銅の酸化物(=YBa
CuO)を用いることができる。アモルファス構造のY
BaCuOは、例えば、Arガスを用いたRFマグネト
ロンスパッタ法により、YBaCuOターゲット(組成
比Y:Ba:Cu:O=1:2:3:6)を用いて成膜
することができる。この時、基板は水冷することが好ま
しい。また、YBaCuOの他にも、酸化バナジウム、
アモルファス構造のシリコン等を、ボロメータ膜14と
して用いることができる。
【0037】YBaCuOから成るボロメータ膜14の
上に、さらに、プラズマCVD法によりSiNx膜を成
膜後、イオンミリング法を用いて電極形成領域のみが残
るように、SiNxとYBaCuOを一括してパターニ
ングする。
【0038】次に、層間絶縁膜28として、プラズマC
VD法によりSiNx膜を形成し、その上に赤外吸収膜
8を形成する。赤外吸収膜8は、理想的には、そのシー
ト抵抗値が377Ω/□となる時に最も赤外線吸収率が
高くなる。例えば、RFマグネトロンスパッタによる窒
化バナジウムを用い、膜厚を10nmとすれば、高い赤
外線吸収効率をもつ赤外線吸収膜とすることができる。
窒化バナジウムの他に、窒化チタニウム、ニッケル・ク
ロムを用いても同様な効果が得られる。
【0039】さらに、保護膜30として、例えば、プラ
ズマCVDによるSiNxを0.2μm程度形成した
後、Si犠牲層をエッチングするためのエッチングホー
ルを形成する。この時、各画素を分離するエッチングも
同時に行う。次に、形成したエッチングホールを介し
て、例えば、KOH等の強アルカリ液を用いたウエット
エッチ法、又はXeF2ガス等を用いたドライエッチ法
によりSi犠牲層をエッチングすることにより、断熱脚
2a、2bで支持膜3を支える構造が完成する。
【0040】赤外線吸収膜26と電極22との間、及び
赤外線吸収膜26と反射電極24との間に、例えば波長
10μmにおける共振構造を形成するために、各層の厚
みを以下のようにすることができる。まず、赤外線吸収
膜26と電極22の間には、SiNx膜28とYBaC
uO膜14とが形成されている。これらの膜はいずれも
屈折率が約2.0であるため、その合計膜厚を1.25
μmとすれば、赤外線吸収膜26と電極22の間の光学
距離が約2.5μmとなり、検出赤外線波長の4分の1
に等しくなる。例えば、YBaCuO膜14を1μm、
SiNx膜28を0.25μmとすれば良い。
【0041】一方、赤外線吸収膜26と赤外線反射膜2
4の間には、SiNx層間絶縁膜28、SiNx支持膜
5、及び空洞8が形成されている。SiNxの屈折率は
約2.0であり、空洞部は屈折率が1であるため、Si
Nx層間絶縁膜28、SiNx支持膜5、及び空洞8の
膜厚を、各々0.25μm、0.25μm、1.5μm
とすれば、赤外吸収膜26と赤外線反射膜24の間での
光学的距離が2.5μmとなる。
【0042】こうして、電極22を形成した領域と電極
22を形成しない領域のいずれにおいても赤外吸収のた
めの共振構造を取ることができるため、電極面積や形状
に依らず高い赤外吸収率を実現することができる。
【0043】尚、ボロメータ膜14は、YBaCuO以
外にもVOx,アモルファスSiで構成しても良く、ボ
ロメータ膜と誘電体膜との光学的膜厚を共振構造を取る
ように調整することで、本実施の形態と同様な効果を奏
する熱型赤外線センサを構成することができる。
【0044】実施の形態2.図3及び図4は、本発明の
実施の形態2に係る熱型赤外線センサを示す平面図及び
断面図である。本実施の形態においては、赤外線吸収膜
によって、一方の電極を兼用した構成について説明す
る。電極及び赤外線吸収膜を除いた部分の構造及び材料
は、実施の形態1と同様である。
【0045】図3及び図4に示すように、本実施の形態
において、電極22と配線20a及び20bは別体に形
成されており、一方の電極22aは検知部6の一部の領
域(=電極形成領域)に矩形に形成され、他方の電極は
検知部6のほぼ全面を覆って形成された赤外線吸収膜2
6によって兼用されている。ボロメータ膜14は、電極
形成領域において、赤外線吸収膜14と電極22aとの
間の層に形成されている。
【0046】配線と電極の異なる組み合わせ同士の短絡
を防止するため、配線20a及び20bは絶縁膜19に
よって覆われている。配線20aと電極22aの間の接
続、及び配線20bと電極(=赤外線吸収膜)26の間
の接続は、絶縁膜19に設けられたスルーホール19a
及び19bを介して行われている。
【0047】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様に、ボロメータ膜14、絶縁膜19などの各層の厚
みは、赤外線吸収膜26と電極22aとの間、及び赤外
線吸収膜26と赤外線反射膜24との間に、検出する赤
外線波長における共振器構造が形成されるように設定す
る。即ち、赤外線吸収膜26と電極22との間、及び赤
外線吸収膜26と赤外線反射膜24との間において、そ
の間に存在する各層の厚みにその絶対屈折率をかけた数
値の総和が検出赤外線波長の約4分の1となるようにす
る。
【0048】これにより、電極形成領域においては、セ
ンサの上方から入射した赤外線は、赤外線吸収膜26と
電極22aとの間で共振しながら吸収される。実施の形
態1と異なり、共振構造の一方を形成している電極22
aは連続層であるため、より効率良く赤外線の共振を起
こすことができる。検知部6の電極形成領域を除く領域
においては、入射した赤外線は、赤外線吸収膜26と赤
外線反射膜24との間で共振しながら吸収される。
【0049】また、実施の形態1と同様に、ボロメータ
膜14の膜厚を増加させることによって赤外線の共振構
造を検知部内に形成する一方、ボロメータ膜14を形成
する領域を電極形成領域に限定しているため、検知部6
の熱容量の増加によるレスポンス特性の低下を抑制する
ことができる。
【0050】次に、本実施の形態に係る赤外線センサの
製造方法について説明する。基板10、赤外反射膜2
4、断熱脚4a、4b、及び支持膜5を形成するまで
は、実施の形態1と同様である。断熱脚4a、4bの上
に、配線20a、20bをTi等で形成した後、絶縁膜
19を形成し、絶縁膜19の一部を開口してスルーホー
ル19a、19bを形成する。その後、金属薄膜電極2
2aをスルーホール19aを覆って形成し、スルーホー
ル19aを含む検知部6の一部の領域を残すようにパタ
ーニングする。
【0051】次に、ボロメータ膜14を成膜し、電極2
2aが隠れるようにパターニングする。その後、ボロメ
ータ膜14上に、検知部6のほぼ全面に渡って電極と赤
外吸収膜を兼ねる膜26を成膜し、スルーホール19b
を介して配線20bと接続する。そして、保護膜30を
形成した後は、実施の形態1と同様な方法で空洞を形成
して赤外線検出素子を得ることができる。
【0052】ボロメータ膜14は、例えば、屈折率2.
0のYBaCuOを用いて1.25μmの膜厚に形成す
ることができる。また、電極を兼用する赤外線吸収膜に
は、例えば、シート抵抗が約400Ω/□のTiNを用
いることができる。なお、ボロメータ膜はYBaCuO
以外にもVOx,アモルファスSiで構成しても良く、
ボロメータ膜の光学的膜厚を共振構造を取るように調整
することで、同様な効果を奏することができる。
【0053】実施の形態3.図5及び図6は、本発明の
実施の形態1に係る熱型赤外線センサを示す上面図及び
断面図である。実施の形態1又は2においては、電極を
積極的に赤外線反射膜として作用させて共振器構造を形
成することにより赤外線吸収効率を高めたが、本実施の
形態においては、電極を配線と別の材料で形成すること
により、電極を赤外線吸収膜として作用させる。
【0054】図5及び図6に示すように、シリコン基板
10の上に、シリコン酸化膜12を介して、赤外線を検
知する検知部6と、検知部6を中空に支える断熱脚4a
及び4bがマイクロマシニング技術によって形成されて
いる。検知部6内には、温度によって電気抵抗値が変化
するボロメータ膜14が形成され、ボロメータ膜14と
外部回路(図示せず)を接続するための導電部材20
a、20b、22a及び22bが検知部6から断熱脚4
a及び4b上にかけて形成されている。導電部材及びボ
ロメータ膜14は、シリコン酸化膜18内に形成されて
おり、導電部材22a及び22bは、ボロメータ膜14
をパターニングする際に劣化することのないように、ボ
ロメータ膜14の上部に形成されている。
【0055】本実施の形態に係る熱型赤外線センサにお
いて、導電部材は、検知素子であるボロメータ膜14と
接合した部分22a及び22b(=電極部分)とボロメ
ータ膜14から外部に向かって延伸した部分20a及び
20b(=配線部分)が異なる組成で形成されており、
電極部分22a及び22bが配線部分20a及び20b
よりも大きなシート抵抗値を有するように組成が制御さ
れている。
【0056】一般に、導電部材は、配線抵抗を数kΩ以
下に抑えるためにシート抵抗が数10Ω/□以下の導電
材料で形成されるが、そのような材料は電磁気学的に赤
外線の吸収率が低く、反射率が高くなる。しかし、シー
ト抵抗値を数100Ω程度に高めていくと、赤外線の吸
収率を増大し、反射率を抑制することができる。したが
って、電極部分22a及び22bのシート抵抗値を従来
よりも高めることにより、導電部材による赤外線反射を
抑制し、検知部6のほぼ前面を有効な受光部として赤外
線吸収効率を高めることができる。一方、配線部分20
a及び20bは、電極部分20a及び20bと同様のシ
ート抵抗値としては配線抵抗が高くなってセンサの駆動
電圧が増大してしまうため、従来通りのシート抵抗値と
する。このような構成を採用することにより、従来通り
の配線抵抗を維持しながら、検知部6の熱容量を増大さ
せることなく、その赤外線吸収効率を高めることができ
る。
【0057】電極部分22a及び22bと配線部分20
a及び20bを異なる組成とするには、例えば、図5及
び図6に示すように、配線部分20a及び20bをある
組成で成長させて所定形状にパターニングし、続けて電
極部分22a及び22bを異なる組成で成長させてパタ
ーニングする。配線部分20a及び20bと電極部分2
0a及び20bとが一部の領域において重複する形状と
しておけば、図6(b)に示すように、両導電部材を互
いに接合させて導通を取ることができる。尚、配線部分
20a及び20bと電極部分22a及び22bとの間に
絶縁膜等を形成し、絶縁膜等に開けたコンタクトホール
を介して両部分の間の導通を取っても構わない。また、
配線部分と電極部分を1つの層として成長させ、拡散や
注入等の膜成長後に組成を制御する手段とマスキング技
術を組み合わせることによって各々の組成を制御しても
良い。
【0058】また、本実施の形態においては、検知部6
の赤外線吸収効率をさらに高めるため、半導体基板10
上の検知部6の下方に相当する領域にアルミ合金から成
る赤外線反射膜24を設けている。検知部6に吸収され
ずに透過した赤外線を再び検知部6に戻して再吸収させ
ることができるため、検知部6の赤外線吸収効率を高め
ることができる。また、赤外線反射膜24と検知部6は
空洞によって熱的に遮断されているため、赤外線反射膜
24の形成によって検知部6の熱容量が増加することは
ない。赤外線反射膜24は、アルミ合金の他に、チタ
ン、タングステン、又はこれらを主体とした窒化物でも
良い。
【0059】電極部分22a及び22b及び配線部分2
0a及び20bは、例えば、クロム若しくはチタン、又
はこれらの窒化物若しくは酸化物によって形成すること
ができる。窒化物又は酸化物を用いた場合、膜中の窒素
含有率又は酸素含有率を変化させることにより導電部材
のシート抵抗値を制御することができる。例えば、クロ
ムの窒化物CrNxは、窒素含有率xを0から1前後に
変化させることによって、特開平10−318830号
公報に示されるように、比抵抗値を約10-5Ω・cmか
ら10-1Ω・cmに連続的に変化させることができる。
【0060】電極部分22a及び22bは、膜厚が50
nm以下、好ましくは20nm近傍とする。この時、電
極部分22a及び22bの赤外線吸収率は、シート抵抗
値が約400Ω/□である場合に最も高くなる。したが
って、赤外線吸収率の観点からは、電極部分22a及び
22bのシート抵抗値は、好ましくは約100〜100
0Ω/□、より好ましくは約200〜600Ω/□、さら
に好ましくは約300〜500Ω/□とする。一方、配
線部分20a及び20bは、配線抵抗が数kΩ以下とな
るように約10〜50Ω/□のシート抵抗値とすること
が好ましい。尚、同一形状の赤外線センサにおいて、電
極部分22a及び22bのシート抵抗値が大きい程セン
サの検知電流は減少するため、実際の電極部分22a及
び22bのシート抵抗値の設定に当たっては、必要な検
知電流量が確保できる範囲内でできるだけ赤外線吸収率
が高くなるように設定することが好ましい。
【0061】例えば、図5及び図6に示す構成の赤外線
センサにおいて、電極部分22a及び22bのシート抵
抗値を約200Ω/□とし、配線部分20a及び20b
のシート抵抗値を約20Ω/□とすることにより、導電
部材全面のシート抵抗値を約20Ω/□とした時に比較
して約10倍の感度を得ることができ、レスポンス特性
も良好であった。また、電極部分22a及び22bのシ
ート抵抗値を順次下げていくと、100Ω/□よりも小
さなシート抵抗値とした場合に赤外線の吸収効率が下が
ってセンサの感度が低下する傾向が見られた。
【0062】実施の形態4.図7(a)及び(b)は、
本発明の実施の形態4に係る熱型赤外線センサを示す上
面図及び断面図である。実施の形態3と同様に、電極を
配線と別の材料で形成することにより、電極を赤外線吸
収膜として作用させる。ただし、本実施の形態において
は、電極部分22a及び22bをボロメータ膜14の下
側に形成し、ボロメータ膜14上側のほぼ全面に、電極
部分22a及び22bと同様の組成から成る第2の導電
部材25を形成している。
【0063】第2の導電部材25を形成することによ
り、一方の電極部分22aからボロメータ膜14を通過
して他方の電極部分22bに流れる電流が、第2の導電
部材23を介して容易に流れるようになる。したがっ
て、本実施の形態における熱型赤外線センサにおいて
は、電極部分22a及び22bのシート抵抗値を実施の
形態3よりも大きくすることができ、より赤外線吸収率
が高くなるようなシート抵抗値に設定することが可能で
ある。また、第2の導電部材25も赤外線を吸収する役
割を果たすため、検知部6の赤外線吸収効率をさらに高
めることができる。
【0064】例えば、図7に示す構成の赤外線センサに
おいて、電極部分22a及び22bと第2の導電部材2
5のシート抵抗値を500Ω/□とすると、導電部材全
面のシート抵抗値を約20Ω/□とした時に比較して1
0倍を超える感度を得ることができ、レスポンスも良好
であった。尚、電極部分22a及び22bのシート抵抗
値が100〜1000Ω/□の範囲においては、著しい
感度低下は見られなかった。
【0065】実施の形態5.図8(a)〜(c)は、本
発明の実施の形態5に係る熱型赤外線センサを示す上面
図及び断面図である。上記実施の形態3又は4において
は、断熱脚4a及び4bの領域は赤外線の吸収に寄与し
ない無駄な領域となっている。このため、特に複数の赤
外線センサをマトリックス状に配列して画像センサを構
成した場合、個々の赤外線センサを小面積化する必要が
ある一方で断熱脚4a及び4bの小面積化には一定の限
界があるため、赤外線を吸収する有効面積が減少し、セ
ンサの感度が低下する。そこで、本実施の形態において
は、導電部材を電極部分22a及び22bから延長し、
断熱脚4a及び4bの上方に張り出した赤外線吸収部分
23a及び23bを設けることにより、赤外線を吸収す
る有効面積を拡大してセンサの感度を向上させる。
【0066】図8に示す熱型赤外線センサは、検知部6
の一部を翼状に延長した点を除いては、実施の形態1に
示す赤外線センサと同様の構造である。検知部6は、基
板10上に形成された空洞8の上に断熱脚4a及び4b
によって側方から支持されており、検知部6の断熱脚4
a及び4bに対向する辺が翼状に延長され、断熱脚4a
及び4bの上方に覆い被さるよう張り出している。この
時、検知部6の熱的な遮蔽状態を維持するために、検知
部6の張出し部分と断熱脚4a及び4bとの間は接触し
ないように空隙を設ける。このような構造は、適当な犠
牲層とエッチングを組み合わせた公知の方法によって形
成することができる。例えば、特開平10−20941
8号公報には、図8に類似した庇状の構造を、犠牲層を
用いたエッチングによって形成する方法が開示されてい
る。
【0067】検知部6の内部には、ボロメータ膜14と
導電部材が形成されている。導電部材は、ボロメータ膜
14と接合した電極部分22a及び22bと、これらの
端部から連続して断熱脚4a及び4bの上方に張り出し
た赤外線吸収部分23a及び23bとを有するように形
成されている。一方、ボロメータ膜14は実施の形態1
と同様の領域に形成されており、検知部6の張出し部分
には形成されていない。ボロメータ膜14を延長して形
成しないのは、ボロメータ膜14自身の赤外線吸収率は
あまり高くないため、検知部6の熱容量が不必要に増大
するのを避けるためである。
【0068】尚、赤外線吸収部分23a及び23bの組
成は、電極部分22a及び22bと同一とすることがプ
ロセス簡略化の観点からは有利である。但し、赤外線吸
収部分23a及び23bの赤外線吸収率を高めるため
に、電極部分22a及び22bよりもシート抵抗値が高
くなるような組成としても良い。
【0069】本実施の形態の赤外線センサを、実施の形
態3と同様の組成によって構成したところ、検知部6の
赤外線吸収率は約0.7となり、実施の形態3に比べ
て、レスポンス特性は約0.8倍に低下したものの感度
は約1.4倍となり、高感度赤外線センサを構成するこ
とができた。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、下記の効果を奏する。本発明の第1の発明
によれば、検知部の一部の領域において、赤外線吸収膜
と電極との間の光学距離を検出赤外線波長の略4分の1
とする一方、検知部の残りの領域において、赤外線吸収
膜と赤外線反射膜の間の光学距離を検出赤外線波長の略
4分の1としたため、電極の赤外線反射機能を積極的に
利用して電極−赤外線吸収膜間に共振構造を形成するこ
とにより、センサのサイズが小さく、電極の占有面積が
相対的に大きなセンサについても、赤外線吸収効率を高
めることができる。また、電極形成領域を検知部の一部
の領域に限定し、残りの領域においては赤外線吸収膜と
赤外線反射膜の間に赤外線の共振器構造を形成したた
め、検知部の膜厚増加を最小限に抑制して、レスポンス
特性の低下を防止することができる。
【0071】また、検知部の一部の領域に、前記電極の
少なくとも一方と検知膜とを積層し、さらに、検知部の
ほぼ全面に、赤外線吸収膜を形成することにより、検知
膜の膜厚のみを従来と変えることによって、赤外線共振
構造を形成することができ、検知部の熱容量を殆ど増加
させることなく赤外線の共振構造を検知部内に形成する
ことができる。
【0072】さらに、検知膜を、互いに近接する一組の
電極の上に積層することにより、一組の電極は連続した
1枚の反射膜であるかのように振舞い、赤外線の共振を
効率良く起こして、赤外線吸収効率をより一層高めるこ
とができる。
【0073】また、赤外線吸収膜によって他方の電極を
兼ねることにより、検知膜の形成を一部の領域に限定し
ながら、電極面積を広くすることができ、センサの感度
を高めることができる。
【0074】加えて、検知膜を、酸化バナジウム、アモ
ルファス構造のイットリウム・バリウム・銅の酸化物、
アモルファス構造のシリコンから成る群から選択された
1つとすることにより、赤外線センサの感度を向上する
ことができる。
【0075】さらに、赤外吸収膜を、窒化バナジウム、
窒化チタニウム、ニッケル・クロム合金から成る群から
選択することにより、赤外線吸収効率を高めて、赤外線
センサの感度を向上することができる。
【0076】また、本発明の第2の発明によれば、電極
部分にある導電部材が、配線部分にある導電部材よりも
大きなシート抵抗値を有するため、赤外線センサ検知部
の熱容量を増大させることなく、その赤外線吸収効率を
向上し、レスポンス特性及び感度の優れた熱型赤外線セ
ンサを提供することができる。
【0077】また、電極部分にある導電部材のシート抵
抗値を約100〜1000Ω/□とすることにより、電
極部分にある導電部材の赤外線吸収率を高めて熱型赤外
線センサの感度を向上することができる。
【0078】さらに、電極部分にある導電部材の組成
を、クロム窒化物、クロム酸化物、チタン窒化物及びチ
タン酸化物から成る群から選択された1つとすることに
より、膜中の酸素含有量又は窒素含有量を調節すること
によって導電部材のシート抵抗値を容易に制御すること
ができる。
【0079】また、検知部の下方に赤外線を反射する赤
外線反射膜を形成することにより、検知部を通過した赤
外線を検知部に戻して赤外線吸収効率を高め、熱型赤外
線センサの感度をさらに向上することができる。
【0080】加えて、電極部分の導電部材を、配線部分
の上方に張り出して赤外線を吸収することにより、赤外
線を吸収する有効領域を配線部分に拡大し、熱型赤外線
センサの感度をまたさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態1に係る熱型赤
外線センサを示す上面図である。
【図2】 図2は、図1のII−II’線における断面
図である。
【図3】 図3は、本発明の実施の形態2に係る熱型赤
外線センサを示す上面図である。
【図4】 図4は、図3のIV−IV’線における断面
図である。
【図5】 図5は、本発明の実施の形態3に係る熱型赤
外線センサを示す上面図である。
【図6】 図6(a)及び(b)は、図5のa−a’線
及びb−b’線における断面図である。
【図7】 図7(a)は、本発明の実施の形態4に係る
熱型赤外線センサを示す上面図であり、図7(b)は、
図7(a)のb−b’線における断面図である。
【図8】 図8(a)は、本発明の実施の形態5に係る
熱型赤外線センサを示す上面図であり、図8(b)及び
(c)は、図8(a)のb−b’線及びc−c’線にお
ける断面図である。
【図9】 図9は、従来の熱型赤外線センサの一例を示
す上面図である。
【図10】 図10は、図9に示す熱型赤外線センサの
断面図である。
【符号の説明】
4a及び4b 断熱脚、6 検知部、8 空洞、10
シリコン基板、12及び18 シリコン酸化膜、14
ボロメータ膜(=検知膜)、20a及び20b配線、2
2a及び22b 電極、23a及び23b 赤外線吸収
部分、24 赤外線反射膜、25 第2の導電部材、2
6 赤外線吸収膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼田 修 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 曽根 孝典 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA04 AB02 BA12 BB24 4M118 AA01 AA10 AB10 BA05 CA14 CA32 CA35 CB05 CB06 CB07 CB14 EA01 GA10 GD15 5C024 AX06 CX41 CY47 EX26 GX00 GX08 5F088 AA20 AB01 BA01 EA02 FA01 FA09 FA15 GA04 HA09 LA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線を吸収して温度変化を起こす検知
    部を、半導体基板の上方に、断熱脚によって支持して成
    り、 前記検知部に、温度変化により電気特性が変化する検知
    膜と、該検知膜に接合した一組の電極とを有し、該電極
    を介して、前記検知部の温度変化を電気信号として読み
    出す赤外線センサにおいて、 前記検知部に、赤外線を吸収しながらその一部を透過す
    る赤外線吸収膜を形成し、前記検知部下方の前記半導体
    基板上に、赤外線を反射する赤外線反射膜を形成し、 前記検知部の一部の領域において、前記赤外線吸収膜と
    前記電極との間の光学距離を検出赤外線波長の略4分の
    1とする一方、 前記検知部の残りの領域において、前記赤外線吸収膜と
    前記赤外線反射膜の間の光学距離を検出赤外線波長の略
    4分の1としたことを特徴とする赤外線センサ。
  2. 【請求項2】 前記検知部の一部の領域に、前記電極の
    少なくとも一方と、前記検知膜とを積層し、さらに、前
    記検知部のほぼ全面に、前記赤外線吸収膜を形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 前記検知膜が、互いに近接する一組の電
    極の上に積層されていることを特徴とする請求項2記載
    の赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 前記赤外線吸収膜が、他方の電極を兼ね
    ることを特徴とする請求項2記載の赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 前記検知膜が、酸化バナジウム、アモル
    ファス構造のイットリウム・バリウム・銅の酸化物、ア
    モルファス構造のシリコンから成る群から選択された1
    つからなることを特徴とする請求項1記載の赤外線セン
    サ。
  6. 【請求項6】 前記赤外吸収膜が、窒化バナジウム、窒
    化チタニウム、ニッケル・クロム合金から成る群から選
    択された1つからなることを特徴とする請求項1記載の
    赤外線センサ。
  7. 【請求項7】 赤外線を吸収して温度変化を起こす検知
    部を、半導体基板の上方に、断熱脚によって支持して成
    り、 前記検知部に、温度変化により電気特性が変化する検知
    素子を有し、該検知素子に接合して前記断熱脚上に延在
    した導電部材を介して、前記検知部の温度変化を電気信
    号として取出す赤外線センサにおいて、 前記導電部材のうち、前記検知素子と接合した電極部分
    と前記断熱脚上に延在した配線部分とが異なる組成から
    成り、前記電極部分が前記配線部分よりも大きなシート
    抵抗値を有することを特徴とする赤外線センサ。
  8. 【請求項8】 前記電極部分のシート抵抗値が、100
    〜1000Ω/□であることを特徴とする請求項7記載
    の赤外線センサ。
  9. 【請求項9】 前記電極部分の組成が、クロム窒化物、
    クロム酸化物、チタン窒化物及びチタン酸化物から成る
    群から選択された1つであることを特徴とする請求項7
    記載の赤外線センサ。
  10. 【請求項10】 前記導電部材が、前記電極部分と同一
    の組成であって前記電極部分から延長して前記配線部分
    の上方に庇状に張り出した赤外吸収部分を有することを
    特徴とする請求項7記載の赤外線センサ。
  11. 【請求項11】 前記検知部下方の前記半導体基板上
    に、赤外線を反射する赤外線反射膜を形成したことを特
    徴とする請求項7記載の赤外線センサ。
  12. 【請求項12】 前記電極部分と前記赤外線反射膜との
    間の光学距離が、検出赤外線波長の略4分の1であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の赤外線センサ。
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