JP2006514787A - ピクセル構造及び当該ピクセル構造を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

焦平面アレイの一エレメントを形成するピクセル構造であって、検出器と絶縁体を有するボロメータを具える。検出器は入射熱輻射を吸収する材料からできており、材料の温度の変化に応じて変化する電気抵抗を有する。絶縁体は、絶縁体が検出器と基板の間に延在するように検出器の完全に下側に配置された複数のサーペンタイン脚部を有する。絶縁体は、基板に対してスペースを空けた関係で検出器を支持して、検出器を基板から熱的に絶縁している。ボロメータの性能を更に改善するために、ボロメータは検出器と絶縁体の間に共振層を具える。共振層は、検出器と共振層の間に、および共振層と絶縁体の間に規定される領域がそれぞれ、第1及び第2の共振キャビティを形成するように配置されている。

Description

発明の属する技術分野
本発明は、一般的に、赤外線検出器と該検出器を製造する方法に関するものであり、特に、ボロメータベースの焦平面アレイピクセル構造と、該ピクセル構造を製造する方法に関する。
発明の背景
赤外線検出器は、電気的出力を提供する様々なアプリケーションに使用されており、入射赤外線の有用な測定器である。例えば、量子検出器は、一種の赤外線検出器であり、軍用、工業および商業といった様々なアプリケーションにおいて夜間視力の目的でしばしば使用されている。量子検出器は一般的に、極低温で動作し、したがって、極低温冷却装置が必要である。この結果、極低温で動作する量子検出器は比較的複雑に設計されており、一般的にかなりの量のエネルギィを消費する。
もうひとつのタイプの赤外線検出器はボロメータである。ボロメータは、通常、冷却されず、一般的には室温で動作する。開発され、普及が進んでいるあるタイプのボロメータは、マイクロボロメータベースの、冷却されていない焦平面アレイである。焦平面アレイは、通常、複数のピクセル構造を有し、各構造が共通基板上に配置したボロメータを具える。各ボロメータは、入射赤外線によって生じる温度変化によって電気抵抗が変化するトランスデューサエレメントを具える。この電気抵抗の変化を検出することによって、入射赤外線を測定することができる。ボロメータベースの冷却されていない焦平面アレイの設計は一般的に極低温冷却された量子検出器より複雑でないし、これらの冷却されていない焦平面アレイは一般的に極低温冷却された量子検出器よりかなり少ないエネルギィですむため、ボロメータベースの冷却されていない焦平面アレイの利用がだんだん増えてきている。
従来の冷却されていない焦平面アレイの各ピクセル構造は、赤外線を吸収する吸収エレメントと、温度変化に応じて電気抵抗が変化する対応トランスデューサエレメントを具えるボロメータを有する。動作中は、吸収エレメントに入射する赤外線が、その吸収エレメントを熱する。吸収エレメントとトランスデューサエレメントは熱的に接触した状態にあるので、吸収エレメントの加熱に対応してトランスデューサエレメントを加熱し、これによってトランスデューサエレメントの電気抵抗が所定の態様で変化する。トランスデューサエレメントに既知の電流を流すなどして、トランスデューサエレメントの電気抵抗の変化を測定することで、赤外線を測定することができる。
ボロメータを入射赤外線の変化に応答させるために、ボロメータは通常、基板の熱損失を最小限にするように設計されている。従って、従来の焦平面アレイのボロメータは、吸収エレメントとトランスデューサエレメントを基板から離して、比較的固い基板を実質的にピクセルから熱的に切り離すようにしている。この点に関して、各ボロメータは通常、基板上方に吸収エレメントとトランスデューサエレメントを支持する2又はそれ以上の脚部を有する熱分離構造(TIS: Thermal Isolation Structure)を具える。この脚部の長さは、アブソーバ/トランスデューサと基板間の熱分離のレベルに直接的に応じて決まる。TISは、吸収エレメントとトランスデューサエレメントを、この吸収エレメントとトランスデューサエレメントを基板上に支持する柱、または柱のようなものに接続している。しかしながら、従来のボロメータでは、TISの脚部は通常アブソーバおよびトランスデューサの下側にまで延在していない。その代わりに、脚部は典型的には、アブソーバとトランスデューサのエッジ部分から外側へ延在している。このことは、従来のボロメータの欠点である。なぜなら所定のサイズのピクセル構造の場合は、TISと、脚部の長さとボロメータの熱分離を制限するアブリーバとトランスデューサとの間で有効面積を分割する必要があるからである。
吸収エレメントとトランスデューサエレメントが別々の層であるボロメータでは、吸収エレメントとトランスデューサエレメント間に熱接触を提供する一方で吸収エレメントからトランスデューサエレメントを電気的に絶縁するために、通常、ボロメータも吸収エレメントとトランスデューサエレメントとの間に熱的に導体であり、電気的に絶縁である層を配置している。更に、ボロメータは通常、その他の層を構造的に支持し、製造プロセス中にその他の層を保護する働きをする、基板に対向してボロメータの表面上に配置した別の絶縁層を具えている。従来のボロメータベースの焦点面アレイピクセル構造について述べている米国特許第5,286,976号、第5,288,649号、及び第5,367,167号を参照されたい。各特許の内容がここに引用されている。
従来のピクセル構造の性能を更に改善するために、各ボロメータは吸収エレメントとトランスデューサエレメントの下にある基板表面上に反射体を具えるようにしてもよい。ボロメータに入射するが吸収エレメントは通過してここで吸収されない赤外線は、反射体で吸収エレメントの方向へ反射される。この反射された赤外線の少なくとも一部は、吸収エレメントを二次通過する間に吸収エレメントに吸収され、これによって吸収エレメントによって吸収される赤外線のパーセンテージが増えることになる。
動作中は、ピクセル構造に入射する赤外線がボロメータの吸収エレメントによって吸収され、この吸収された赤外線によって発生した熱がトランスデューサエレメントに伝えられる。トランスデューサエレメントが吸収された赤外線に応じて加熱すると、トランスデューサエレメントの電気抵抗が所定の態様で変化する。トランスデューサエレメントの抵抗の変化をモニタするために、従って、ピクセル構造のボロメータに入射する赤外線を間接的に測定するために、通常、下にある基板上に回路が形成されている。この回路は、通常、一対の導電路を介して、もしくは、基板表面上方の吸収エレメントおよびトランスデューサエレメントを支持する脚部、柱などによって、あるいはこれらの上に規定されたトレースを介してトランスデューサエレメントに電気的に接続されている。トランスデューサエレメントに既知の電流を流すことによって、トランスデューサエレメントの電気的抵抗の変化を測定することができ、対応する入射赤外線の測定値を決定することができる。
上述した複数のピクセル構造を有するボロメータベースの焦平面アレイは非常に有用であるが、これらの従来の焦平面アレイはいくつか欠点がある。最も著しいものは、各ピクセル構造のボロメータについて、吸収エレメントとトランスデューサエレメントが基板表面上に支持されている同じ多重層構造内に含まれているため、吸収エレメントとトランスデューサエレメントの特徴を別々に最適化できないことである。この点について、焦平面アレイのボロメータの性能を最適化するためには、ボロメータの吸収特性を最大にする一方で、基板への熱損失を最小にする必要がある。特に、感度、従ってボロメータの熱抵抗を上げるためには、吸収特性を最大にして基板に対する熱損失を最小にすることが好ましい。
ピクセル構造は通常アレイ内に配置されているので、各ピクセル構造のボロメータの吸収層はできるだけ大きくとり、またピクセル構造の全体のサイズは、フィルファクタを最大にするためにできるだけ密接に近づけることが好ましい。残念ながら、従来のボロメータの吸収エレメントとトランスデューサエレメントを基板表面上で支持する脚部、柱などは、通常、吸収およびトランスデューサエレメントのエッジ部分から基板へ延びている。これらの従来のボロメータの設計のため、吸収層は通常、脚部、柱などを完全に覆うことができない。
上述したような、ボロメータ付ピクセル構造を有する従来の焦平面アレイは、ほとんどの過去のアプリケーションには十分であるが、これらの従来の焦平面アレイは、性能を向上させ、おそらくはサイズを小さくすることを要求する将来的な多くのアプリケーションの高い要求を満たすことはできないであろう。特に、ピクセル密度と焦平面アレイの性能の要求が増えるため、従来のボロメータの吸収特性とバランスを取るためにこれまで行われた妥協は役に立たなくなる。更に、焦平面アレイを製造するコストとその結果としての焦平面アレイのサイズに関する問題は、焦平面アレイをむしろより小さなものにしており、これに相応じて、配置がピクセル構造のフィルファクタを最大にするのにより重要になる。上述した理由により、基板表面上に支持されているアブソーバとトランスデューサを有するボロメータを各々が具える、複数のピクセル構造を有する従来の焦平面アレイは、いくつかの現代のアプリケーションが要求する性能を満たし得るように見えない。
上述した従来の焦平面アレイの欠点のほとんどを克服するように設計された取組みが米国特許第6,307,194号(以下、’194特許という)に記載されている。この特許は、本出願の譲受人であるDRSセンサーズアンドターゲッティングシステムズに譲渡されている。’194特許の内容は、全面的にここに引用されている。’194特許のピクセル構造は、スペースを空けて、好ましくは異なる平面にギャップで分離して配置したトランスデューサとアブソーバを有するボロメータを具え、トランスデューサとアブリーバを別々に最適化できるようにしている。このようにして、ボロメータの吸収特性を最大にすることができ、同時に基板への熱損失を最小にすることができる。この吸収特性を最大にし、熱損失を最小にする組み合わせは、更に、より感度の高いボロメータとボロメータの熱抵抗の増加になる。トランスデューサからスペースを空けた関係にあるアブリーバを支持するために、’194特許のボロメータは好ましくは、トランスデューサとアブソーバの間に延在するポストを含む。このポストは、好ましくは熱伝導性であり、アブソーバとトランスデューサ間の熱的な接触を維持する。このように、アブソーバはポストを介して吸収された赤外線に応じて熱エネルギィをトランスデューサに送ることができる。ボロメータの性能をさらに改善するためには、ボロメータは基板の上で、トランスデューサの下に配置した反射体を具えることもできる。
‘194特許に開示されているように、ボロメータのアブソーバとトランスデューサは互いにスペースを空けて配置されているので、ピクセル構造の性能を最適化するためにアブソーバとトランスデューサを別々に設計することができる。例えば、ピクセル構造の吸収特性を上げるために、アブソーバは比較的大きいことが好ましい。この点について、アブソーバとトランスデューサは、アブソーバの表面積がトランスデューサの表面積より大きくなるようなサイズにすることが好ましい。このように、アブソーバは傘のような形状でトランスデューサを覆う。更に、基板に対してスペースをあけた関係でトランスデューサを支持する脚部をピクセル構造が具えている実施例においては、アブソーバを、アブソーバがトランスデューサと脚部の両方を傘のような形状で覆うようなサイズにするのが好ましい。全てではないにしても、ピクセル構造のフットステップを各アブリーバでほとんど埋めることによって、本発明の焦平面アレイは、フィルファクタを最大にし、これによって、対応するアブソーバが捕える入射赤外線のパーセンテージを最大にすることができる。
‘194特許に開示されているピクセル構造が従来の焦平面アレイの多くの問題に取り組む一方で、現在の設計に更に改良を加えることが好ましい。この点について、多くのボロメータのトランスデューサエレメントを製造するのに使用されているある種の材料は、通常、トランスデューサエレメントを流れる電流によって生じる信号に、周波数レベルがいくらか低い1/fノイズを生じさせる。例えば、いくつかのボロメータのトランスデューサは酸化バナジウム(VO)で形成されているが、電気抵抗が温度変化に応じて有意な態様で予測可能に変化するので、この酸化バナジウムは1/fのノイズを生じる。典型的には、1/fノイズのレベルは、ボロメータに使用されているトランスデューサの材料の体積の平方根に反比例する。従って、面積がより小さいトランスデューサは、面積がより大きいトランスデューサより高いレベルの1/fノイズを示す傾向にある。この1/fノイズは通常、空間パターンノイズなどのその他のタイプのノイズを効果的にキャリブレートするための赤外線検出器の能力を制限して、トランスデューサエレメントを流れる電流で生じる信号からその他のタイプのノイズを除去してしまうため、1/fノイズは焦平面アレイにとっては欠点である。従って、従来の焦平面アレイの欠点に取り組んでいるピクセル構造を有し、更に、残りのピクセル構造に関連するトランスデューサエレメントの体積を最大にすることによって1/fノイズを減らすことが好ましい。このピクセル構造は、更に、基板への熱損失を最小に抑え、ボロメータの吸収特性を最大にするものでなくてはならない。
発明の概要
上述した背景に照らして、本発明は、典型的には焦平面アレイの一のエレメントを形成し、間隔をあけて配置した検出器と絶縁体を有する(すなわち、熱絶縁構造)ボロメータを具えるピクセル構造を提供する。
この絶縁体は複数の脚部を有しており、ある実施例ではこの脚部が検出器の面積と絶縁体の脚部の長さを最大にして、従って、ピクセル構造の性能が最適化するように検出器の下に配置されている。これに関して、検出器の面積を最大にすることがボロメータの吸収効率を上げ、1/fノイズのレベルを低減する。さらに、ある実施例では、サーペンタイン脚部を具えるなどして、脚部の長さを長くすることで吸収効率を上げ、ボロメータの熱抵抗を上げ、基板への熱損失を最小限にしている。
さらに、ボロメータは検出器と絶縁体に沿って二つの共振吸収キャビティを形成する共振層を有し、ボロメータの吸収効率を上げるようにしている。この点について、共振層は、インピーダンスが真空にマッチするように選択されており、ボロメータの放射率が均一に近づくようにしている。また、検出器の下側に絶縁体を配置して、検出器と絶縁体の面積を容易に最大にすることができるボロメータベースの焦平面アレイのピクセル構造を製造する方法が提供されている。
各ピクセル構造は、基板とボロメータを具える。ボロメータは入射熱輻射を吸収する材料でできており、例えばVOなどの材料の温度変化に応じて電気抵抗が変化する検出器を具える。ボロメータは、また、複数のサーペンタイン脚部を有する絶縁体を具え、ある実施例ではこの脚部が検出器の完全に下側に配置されており、絶縁体が検出器と基板の間に延びて、基板に対して間隔を空けて配置した検出器を支持するようにしている。この検出器に対する配置に関係なく、ある実施例のサーペンタイン脚部は平面的である。これについては、サーペンタイン脚部は、一の方向に延びる第1のブランチセットと、この第1セットのブランチに相互接続して、第1セットの方向と異なる別の方向に延びる第2のブランチセットを具える複数のブランチを有していてもよい。ボロメータの性能を更に改善するために、絶縁体は入射熱輻射を少なくとも部分的に検出器側へ反射させるように構成することができる。検出器と絶縁体に加えて、ボロメータは共振層を有する。上述したとおり、共振層は検出器と絶縁体の間に配置されている。この共振層は、検出器と共振層の間に規定される領域が第1の共振キャビティを形成し、共振層と絶縁体との間に規定される領域が第2の共振キャビティを形成するように配置されている。
上述したとおり、絶縁体は、基板に対してスペースを空けた関係で検出器を支持している。基板に対してスペースを空けた関係で検出器を支持するために、ある実施例のピクセル構造は基板と絶縁体の間に延在する円錐台形状などの様々な形状をした一又はそれ以上のベースアンカを具え、基板に対してスペースを空けた関係で絶縁体を(あるいは、検出器を)支持している。これに加えて、別の実施例では、ピクセル構造は絶縁体と検出器との間に延在する円錐台形状などの様々な形状をした一又はそれ以上のエレベーションアンカを具え、基板に対してスペースを空けた関係で検出器を更に支持するようにしている。アンカを具える実施例においては、基板および絶縁体、および可能であれば絶縁体と検出器は異なる平面に配置されており、ギャップによって少なくとも部分的に分離されている。また、様々な実施例において、アンカはさらに、ボロメータをピクセル構造の上に、典型的には基板内のコンタクト位置に電気的に接続する働きをする。
動作において、検出器は検出器を熱する熱入射輻射を吸収する。この輻射が検出器を熱すると、検出器の温度が変化し、検出器の電気抵抗がそれに対応して所定の態様で変化する。そこに既知の電流を流すなどして、検出器の電気抵抗の変化を測定することで、検出器によって吸収された輻射を正確に測定することができる。
一の実施例のボロメータは、検出器の下に配置したサーペンタイン脚部を具える絶縁体を有するので、検出器の面積と脚部の長さを最大にしてピクセル構造の性能を最適化することができる。例えば、ピクセル構造の吸収特性を上げるためには、入射熱輻射を吸収する検出器は比較的大きいことが好ましい。ピクセル構造のフットプリントのすべてではないにしてもほとんどをそれぞれの検出器で埋めることによって、本発明の焦平面アレイは、フィルファクタを最大にする。更に、検出器の面積とノイズレベルは逆比例しているので、ピクセル構造のフットプリントに対する検出器の面積を最大にすることで、1/fノイズのレベルは最小になる。
一の実施例によれば、絶縁体を基板と検出器間において、絶縁体の脚部を検出器の下に配置することによって、基板に対する熱損失も最小とすることができる。上述したとおり、従来のボロメータは、通常、ボロメータと基板間に延在して基板上にボロメータを支持する2またはそれ以上の脚部を有しており、基板への熱損失を減らすようにしている。従来のボロメータの脚部は、通常、アブソーバとトランスデューサの脚部から外側へ延在しているので、脚部の長さが制限されて、ボロメータの熱絶縁を制限する。これに対して、検出器を絶縁脚部の上に配置し、及び/又は、絶縁脚部を平面的なサーペンタイン形状に形成することによって、本発明のボロメータは絶縁体の脚部の長さを最大にすることができる。脚部の長さを最大にすることで、基板に対する検出器の熱絶縁を最大にし、検出器の吸収効率と組み合わさって、ボロメータの感度と、従って熱抵抗を増加させる。
本発明はまた、ボロメータと複数の熱インピーダンス脚部を有するピクセル構造の製造方法を提供する。本発明の方法では、まず第1の犠牲層を基板の上に形成する。次いで絶縁体を形成する熱インピーダンス脚部が第1の犠牲層の上に、好ましくはサーペンタイン形状で形成される。
基板と熱インピーダンス脚部間に複数のベースアンカを有する実施例では、前記第1の犠牲層を貫通する少なくとも一のコンタクトホールをまず形成し、次いでこのコンタクトホール内に、好ましくは円錐台形状にベースアンカを形成することによって、熱インピーダンス脚部を形成することができる。この熱インピーダンス脚部は、次いで、ベースアンカと機械的な接続を図ってベースアンカが基板に対してスペースをあけた関係で熱インピーダンス脚部を支持するように形成される。
更なる実施例では、熱インピーダンス脚部は、まず前記第1の犠牲層を貫通するコンタクトホールを作って、コンタクト位置を規定することによって形成される。ついで、前記第1の犠牲層の上に、少なくとも前記コンタクト位置のホール内の一部に第1の熱絶縁層が形成される。次いで、このコンタクト位置において前記第1の絶縁層を通る開口が形成される。開口を作った後に、第1の導電層が前記第1の熱絶縁層の少なくとも一部の上であって前記開口内に形成される。次いで、前記第1の熱伝導材料上に第2の熱絶縁層が形成される。本実施例では、前記コンタクト位置内に配置された第1の熱絶縁層、第1の導電層、および第2の熱絶縁層がベースアンカを構成している。
熱インピーダンス脚部を形成した後、この熱インピーダンス脚部の上に第2犠牲層を形成する。次いで、この第2の犠牲層の上に共振層を形成する。エレベーションアンカを有する実施例では、次いで絶縁体の上に検出器を支持し、検出器と絶縁体脚部に電気的に接続しているエレベーションアンカを形成する。このエレベーションアンカは、共振層、第2の犠牲層及び熱インピーダンス脚部の第2の絶縁層を貫通する少なくとも一つのキャビティをまず形成して、熱インピーダンス脚部の第1の導電層上に少なくとも一の接続位置を規定することによって形成される。次いで熱絶縁層が共振層の上と、前記接続位置におけるキャビティ内に少なくとも部分的に形成され、その後、前記接続位置に熱絶縁層を通る開口を形成して、第1の導電層を再び露出させる。次いで、露出させた第1の導電層の上の開口内に、第2の導電層が第1の導電層と電気的に通信するように、また前記開口を少なくとも部分的に超えて延在するように第2の導電層を形成する。
第2の犠牲層と共振層を形成し、エレベーションアンカ(エレベーションアンカを有する実施例では)を形成した後、検出器を形成するボロメータ材料を共振層の上に、好ましくは、熱インピーダンス脚部を完全に覆うように形成する。ベースアンカを有する実施例では、ボロメータ材料は、第2の導電層を介して、ボロメータ材料が熱インピーダンス脚部の第1導電層およびベースアンカと電気的に通信可能な状態になるように形成するのが好ましい。共振層の上にボロメータ材料を形成した後に、前記第1及び第2の犠牲層を除去してボロメータ材料が熱インピーダンス脚部からスペースを空けた状態に、又熱インピーダンス脚部が基板からスペースを空けた状態にする。
本発明のボロメータにおいて検出器の下に絶縁体を好適に配置することによって、検出器と絶縁体の面積を最大にすることができ、ピクセル構造の最適な性能を得ることができる。このようにして、ボロメータの吸収特性を最大にし、1/fノイズを最小にすることができる。更に、絶縁体脚部の長さを長くして、増加した吸収特性と併せて、ボロメータの熱抵抗を増やすことにより基板に対するボロメータの熱損失を減らすことができる。更に、共振層を具えることによって、ボロメータの吸収効率が従来のシステムより大幅に増加する。
発明の詳細な説明
本発明を、本発明の好ましい実施例が示されている添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な形で具現化することができ、ここに述べる実施例に限定して解釈するべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えられるように記載されている。全体を通して同じ符号が同じ要素に引用されている。
図1を参照すると、本発明の一実施例におけるピクセル構造10が記載されている。図に示すように、このピクセル構造は基板12とこの基板上に配置したボロメータを具える。当業者には公知であるように、焦平面アレイは通常ピクセル構造アレイを具えており、これによって冷却していない赤外線焦平面アレイを形成している。このアレイは、320列×240行など、サイズは異なるが、通常の焦平面アレイの一例は、640列、480行に配置されたピクセル構造アレイを具える。しかしながら、例示目的であり、焦平面アレイのその他のピクセル構造を同様に構成することができるという理解の下、一のピクセル構造が記載されている。
図に示されてはいないが、焦平面アレイは通常、密封して真空チャンバにしたハウジング内に配置されている。このハウジングは通常、ハウジングに入射する赤外線を焦平面アレイの一又はそれ以上のピクセル構造で検出できるように、赤外線透過材料で形成された窓を有する。例えば、米国特許第6,252,229号を参照されたい。この特許は、焦平面アレイが配置されているハウジングと、このハウジングを密封する技術を開示しており、この内容はここに引用されている。
基板12は超小型電子基板であり、通常シリコンでできているが他の材料を使用することも可能である。回路は、信号を適正に送り、各ピクセル構造から受信した信号を適正に処理するために、通常、基板の上または下側に当業者に公知の態様で形成されており、これによって信号が送られる各ピクセル構造に、そこに入射する輻射を決定させる。この点に関して、基板と回路は読み出し集積回路ウエハ内に形成することができる。焦平面アレイがピクセル構造10アレイを具える実施例に関する図1に示すように、回路は好ましくは個々のピクセル構造にアドレスできるようにするために列および行の選択エレメント13を具えることが好ましい。当業者には公知であるように、この回路は、各ピクセル構造へ送信された、あるいは各ピクセル構造から受信した信号を処理するために、列及び/又は行の選択エレメントと電気的に通信する基板上に配設されているその他の回路も具える。
本発明の焦平面アレイのピクセル構造10は、脚部15を有し基板12に対してスペースを空けた関係で支持されている絶縁体14と、この絶縁体上に配設され、基板と絶縁体の双方に対してスペースを空けた関係で支持されている検出器16とを具える。更に、ピクセル構造は、絶縁体と検出器との間に設けた共振層18を具える。絶縁体は、検出器の下側に設けるのが好ましいので、絶縁体と検出器の面積は、それぞれ、ピクセル構造の性能を最適化するように最大にすることができる。例えば、各ピクセル構造の応答性を上げるために、検出器の吸収特性を最大にすることができ、及び/又は、基板に対する熱損失を最小にすることができる。また、共振層が絶縁体と検出器の間に配置されているので、二つの共振キャビティが形成されて、ピクセル構造の熱吸収効率をあげることができる。
検出器16は、入射熱輻射を吸収する材料で作られており、温度変化に応じて電気抵抗が変化する。例えば、一の実施例の検出器は、電気抵抗が温度変化に応じて有意な態様で予測可能に変化するので、VOで作られている。図に示すように、絶縁体14は、検出器の下に配置されていることが好ましく検出器を支持する役割をしている。以下に述べるとおり、絶縁体は通常、SiOなどの電気絶縁材料27でできており、検出器の熱的な絶縁を助けるような形状をしている。図2に示すように、好ましい実施例では、絶縁体はチタンやニクロムなどの導電材料で形成された複合構造をしており、検出器と基板上に配置された回路間に電気的接触を提供している。この導電材料は、SiOなどの電気絶縁層上に配置されている。また、図に示し、以下に説明するように、絶縁体は導電材料の上にSiOなどでできた第2の絶縁層を具え、導電材料とそれに沿った信号伝達に対して更なる絶縁を提供するようにしても良い。絶縁体を形成する材料は電気的絶縁材料であるが、更に基板から検出器を熱的に隔離するのを助けるような材料が選択され、そのような形状を有するものであって、これによって基板に対する熱損失を好適に低減する。この点について、絶縁体は検出器から基板へ比較的長い導電路を形成するように設計されており、これによって検出器と基板の間の熱絶縁を強化している。更に、一の実施例では、絶縁体は少なくとも部分的に入射熱輻射を反射するようなものが選択される。本実施例では、絶縁体は、絶縁体内の導電材料のトレースによって熱輻射を少なくとも部分的に反射することができる。また本実施例では、後述するように、絶縁体が光学キャビティの底側を規定し、検出器がそのキャビティの上側を規定する。例えば、絶縁体は典型的には複数の脚部15を規定する形状をしたSiOでできており、後述するとおり各脚部15は検出器の熱絶縁を上げ、熱輻射を反射するためにサーペンタインパターンを有する。この点に関して、サーペンタイン脚部の接近したスペーシング(約1ミクロン)のため反射効率が高い。絶縁体は、本発明の精神と範囲からはずれることがない限り、窒化シリコンなどのその他の絶縁材料で作られていても良い。図1と図3に示すとおり、検出器は、検出器を更に保護するために、両側部を絶縁材料17でできた追加層で被覆するようにしても良い。絶縁体と同様に、検出器を被覆している絶縁材料層が、SiOなどの比較的熱絶縁性であるように選択され、そのように形成されている電気絶縁材料で形成されることが好ましい。説明を容易にするため、周辺絶縁層同様に検出器は検出層20として集合的に引用されている。
図4Aおよび4Bを参照すると、絶縁体14は、下にある基板12から、典型的には、エアキャップG分、間隔を空けて配置されており、検出層20は絶縁層からエアギャップGだけ離れて配置されている。ギャップGは本発明の精神と範囲から離れることなくサイズを変えることができ、典型的には約1ミクロンである。後により詳細に説明するように、特に、ギャップGは、通常、検出器層20と組み合わせた場合に、全光学路がボロメータが検出するように設計されている輻射の波長の約1/4となるサイズである。
絶縁体14は、様々な態様で基板12から間隔を空けて配置することができる。例えば、絶縁体は、基板に対して下向きに角度を付けた、または傾斜させた一対の脚部を具えることができる。代替的に、図2および図4Aに記載されているように、絶縁体の脚部15は、基板上で絶縁体を支持するように、基板から円錐台状に外側へ向けて延在している各ベースアンカ22へ延在することができる。後に詳細に説明するとおり、絶縁体と同様に、ベースアンカは典型的には、絶縁体と基板上に配置された回路間を電気接続するために、チタンあるいはニクロムなどの導電材料でできた複合構造であり、SiOなどの絶縁材料内に延在している。絶縁体を用いて検出器エレメントを基板から熱的に絶縁することによって、検出器から基板への熱損失が低減される。
絶縁体14が複合構造である実施例では、絶縁体は、ベースアンカ22のそれぞれと、特に各ベースアンカの導電部に電気的に接続する、導電材料でできたトレース23を具え、これによって、後述するとおり絶縁体と検出器16を基板12の上にある回路に電気的に接続している。導電トレースは一般的に絶縁層の上に配置され、図に示すように、導電トレースも別の絶縁層で被覆されており、導電トレースを保護し、信号の伝達を保護するようにしても良い。後述するとおり、導電トレースを含む絶縁体は、好ましくは一対のサーペンタイン脚部15を規定する。サーペンタイン脚部の導電トレースは、従って、検出器の抵抗が対応してモニタできるように検出器を通る電流を制御することができ、これによって、ボロメータへ入射する輻射を測定する。
検出器16から基板12への熱損失を最小にして、これに応じてボロメータの応答を最大にするためには、検出器は下側の基板から熱的に絶縁されていることが好ましい。熱絶縁を行うためには、検出器を支持している絶縁体14が、検出器の下のサーペンタインパターンを規定しており、検出器から各ベースアンカ22へ延在する脚部15を有することが好ましい。図2を参照されたい。ここで用いられているように、サーペンタインは、2回又はそれ以上方向が変わるワインディングパターンをさす。例えば、サーペンタインパターンは、第1の方向に延在する第1のブランチセットと、第1のブランチセットの各ブランチにつながって、第1の方向に直交する方向などの、第1の方向と異なる第2の方向に延在する第2のブランチセットを有する複数のブランチで構成することができる。この点について、図に示す実施例の絶縁体は、曲折した脚部でできたある種のサーペンタインパターンを有するが、必要であれば、より複雑に曲がったサーペンタインパターンを規定することができる。当業者には明らかであるように、脚部のサーペンタインパターンは、検出器と基板間を通って熱が伝わる通路の長さが通路の断面サイズより非常に大きい、すなわち、脚部の長さが脚部の断面の大きさより非常に大きいので、検出器に対して有意な熱絶縁を提供する。
本発明の一実施例によれば、検出器16は、一又はそれ以上のエレべーションアンカ24によって絶縁体14に対してスペースを空けて配置されている。図3および図4Bに示すように、例えば、ボロメータは、絶縁体に対してスペースを開けた関係で検出器を支持するために、絶縁体から外側に向けて楕円円錐台形状に延在する複数のエレベーションアンカを具えることができる。しかしながら、ボロメータは必要があれば追加のエレベーションアンカを具えていても良い。しかしながら、典型的には、ボロメータは、検出器の反対側に配置され、別のサーペンタイン脚部に接続されている一対のエレベーションアンカを具える。ベースアンカ22と絶縁体と同様に、エレベーションアンカは、検出器と絶縁体間、従って検出器と基板間に電気的接触を提供するために、典型的には、チタンやニクロムなどの導電材料でできた複合構造であり、SiOなどの電気的絶縁材料を通って延在している。検出器と基板上に配置した回路間に電気的接続を取るために、エレベーションアンカの導電材料は、絶縁体内の導電材料に電気的に接続されている。一方、絶縁体内の導電材料は、ベースアンカ内の導電材料に電気的に接続されている。又、ベースアンカの導電材料は、基板上の回路に電気的に接続されている。従って、エレベーションアンカによって検出器を制御可能に電流が流れる。
下側基板12からの絶縁体14のスペーシングについて上述した通り、検出器16は絶縁体からいくらか距離を変えて配置することができる。しかしながら、一の実施例では、検出器は絶縁体から約1ミクロンのギャップG空けて配置されている。図4Aと4Bを参照されたい。より詳細には、ギャップGと検出層20を足した厚さは、例えば波長8から14ミクロンの赤外線を優先的に吸収するように設計されたアブソーバに対して、約2~3ミクロンのアブソーバが優先的に吸収するように設計された輻射の波長の約1/4のスペーシングを有する。
検出器16の熱吸収効率を上げるために、ピクセル構造10は、検出器と絶縁体14の間に配置した共振層18を有する。図に示すとおり、共振層を検出器の下にある絶縁層17の下側に配置して、これによって共振層の上面を保護するようにしても良い。共振層は、検出器の下の絶縁層17と組み合わせたときに共振層の両面を保護する、絶縁材料19でできた追加層を具えているのが好ましい。共振層は、チタンやニクロムなどの材料のいずれを具えていても良いが、約150.3乃至225.7Ω/スクエア、最も好ましくは約188Ω/スクエアのシート抵抗を有することが好ましい。
当業者には公知なように、シート抵抗が188Ω/平方を有する自立構造の薄膜は真空にマッチしたインピーダンスであり、従って、入射熱輻射の約50%を吸収することができる。この点に関して、共振層18を加えることで、その共振層を末尾とする二つの共振キャビティがピクセル構造10に形成される。第1の共振キャビティは、検出器16を囲む絶縁層17と、検出器自体とからなる。共振層の底面上の絶縁層19は、エアギャップGおよび絶縁体14の電気的絶縁材料27の上側層と組み合わせて、第2の共振キャビティを形成する。
図5を参照すると、共振層の追加は、理想の300kの黒体放射(線30)と比較した場合に検出器の吸収効率を有意に改善する。この点に関して、線32は共振層を有するピクセル構造のスペクトル吸収を表しており、線34は、共振層のない同じピクセル構造のスペクトル吸収を表している。このグラフが示すように、全体の吸収効率は、共振層を持たないピクセル構造の約2倍に増えている。実際、好ましい実施例では、8ないし14ミクロンのスペクトルバンドを平均した熱放射率は、共振層のないピクセル構造での0.36から、共振層を有する本発明のピクセル構造では0.80へ改善されている。
動作において、波長8乃至12ミクロンの赤外線輻射などの、検出器16に入射する輻射は検出器の温度を上昇させる。この温度上昇は、対応して検出器の電気抵抗を変化させる。次いで、電流が基板12上の回路、ベースアンカ22、導電トレース23、およびエレベーションアンカ24を介して検出器に流れる。回路が列選択エレメントと行選択エレメント13を有する焦平面アレイの典型的な実施例では、電流を誘電して選択された列内の各ピクセル構造に流するために、列選択エレメントに既知の電圧を与えることができる。検出器の電気抵抗の変化を測定することによって、回路あるいは他の関連するプロセッシングエレメントで検出器に入射する輻射を詳細に決定することができる。例えば、ピクセル構造の選択された列のボロメータの検出器を流れる電流を別に測定することと、測定された電流をボロメータ間の差動を補償するために既知のオフセットで調整することによって、各検出器の抵抗の測定、ひいては、各検出器に入射した輻射の測定を得ることができる。ピクセル構造のアレイの各々に入射する輻射を分析することによって、入射する輻射の二次元画像を構築することができる。
上述したとおり、ボロメータに入射する赤外線のうちのいくらかは、検出器16を通過し、ボロメータ16によって吸収されない。この赤外線は絶縁体によって検出器に向けて反射される。検出器の吸収を最大にするためには、共振層18が検出器層の上側表面と絶縁体14の導電トレース23間のボロメータ内に二つの共振キャビティを作る。この点について、検出器を通過する輻射の一部が共振層で反射されて第1の共振キャビティ内で共振する一方で、検出器を通る連続した通路上の輻射の少なくとも一部を検出器が吸収する。共振層を通過する反射された輻射のいずれかの部分が第2の共振キャビティ内で共振する。輻射が第2の共振キャビティで共振するので、輻射の少なくとも一部は、共振層を通って第2の共振キャビティ内へ戻り、検出器で吸収される。
本発明のピクセル構造10のボロメータは、上述の絶縁体14上方に配置された検出器16を具え、この検出器と絶縁体は、その吸収特性を最大にする一方、同時に、対応してボロメータの応答性を上げるために基板12に対する熱損失を最小にするように構成することができる。このように、検出器は典型的には、4000Å未満というように比較的薄いが、検出器は一般的には、輻射を受けるために比較的広い表面積を持つように構成されている。さらに、この広い表面積も上述したように、検出器の面積と反比例する1/fノイズを低減する。更に、検出器の下に絶縁体を配置することによって、絶縁体の面積を最大にすることができる。上述したとおり、例えば検出器と絶縁体は、検出器と絶縁体の表面積がピクセルフットプリントをほぼ完全に覆うようなサイズにすることが好ましい。特に、検出器は、基板12上に絶縁体をサスペンドしている脚部15とベースアンカ22を含めて、絶縁体全体を覆うことが好ましい。検出器の大きさを絶縁体より大きく拡大することによって、本発明のピクセル構造のアレイはフィルファクタを80%まで最大化する、あるいはいくつかの実施例ではそれ以上にするように設計することができる。検出器のサイズを、1/fノイズを低減するように最大化することができるので、本発明のピクセル構造は50平方ミクロンの通常のピクセル構造より小さいピクセル構造を有する焦平面アレイの製造に使用することができる。例えば、本発明のピクセル構造は25平方ミクロン、あるいはこれより小さくすることが可能であり、これによって、所定のサイズの一枚のウエハからより多くのピクセル構造を製造することが可能となり、結果としてできる検出器アレイの解像度が改善される。
図6に示すように、本発明のピクセル構造10は、ユニークな一連の従来のマイクロエレクトロニック製造ステップによって製造される。この点について、ブロック100内に示すようにその上に回路が形成されている基板12が提供されている。ついで、第1の犠牲層が基板上に配設される。ブロック102を参照されたい。第1の犠牲層は様々な材料で形成することができるが、通常はポリイミドでできている。第1の犠牲層は、基板と絶縁体14との間でギャップGを規定しているので、第1の犠牲層は、上述したとおり、通常約1.5ミクロンの厚さを有する。第1の犠牲層をホトリソグラフィでパターニングした後、第1の犠牲層をエッチングして、複数のコンタクトホールを規定し、以下に述べるように、このホールを通じて、基板によって伝えられる回路と連続的に電気的接触がなされるように基板を露出する。ブロック104を参照されたい。次いで、複数のインピーダンス脚部15を有する絶縁体と、ベースアンカ22が第1の犠牲層の上に第1の犠牲層によって規定されたコンタクトホール内に形成される。例えば、絶縁体は通常、ブロック106に示すように、第1の犠牲層の上に、又コンタクトホール内に少なくとも部分的に、0.1から0.2ミクロンの厚さのSiOなどの熱絶縁材料の薄い層の第1の蒸着によって形成される。典型的には、熱絶縁層は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)によって蒸着する。次いで、コンタクトホール内に熱絶縁層を通る開口をエッチングして、基板を再度露出させる。ブロック108を参照されたい。ついで、0.1から0.2ミクロンの厚さのSiOでできた第2の熱絶縁層を、通常PECVDによって、電気的導電材料の上に蒸着する。ブロック112を参照されたい。この点について、熱絶縁層と導電層が、導電トレース23を含む絶縁体とベースアンカを作る複合構造を前記コンタクトホールと開口内に形成する。絶縁体とベースアンカを形成した後、熱インピーダンス脚部がホトリソグラフィによってパターン形成され、所定の形状、すなわち、サーペンタイン形状15を規定する。ブロック114を参照されたい。
熱インピーダンス脚部15をパターン形成した後、第2の犠牲層が絶縁体14の上に蒸着される。ブロック116を参照されたい。後述するように、絶縁体上に第2の犠牲層を蒸着することの副産物として、必要ではないが、第2の犠牲層は、第2の犠牲層内に、その後第2の犠牲層の上に蒸着した全ての層の中にディボット26を形成しつつ絶縁体とベースアンカ22の形状に一致する。上述したとおり、第2の犠牲層には、様々な厚さを有する様々な他の材料を使用することができるが、通常厚さ1ミクロンのポリイミドでできている。次いで、第2の犠牲層がホトリソグラフィによってパターン形成され、エッチングして複数のキャビティを形成する。このキャビティを通じて、絶縁体内の導電トレース23が露出し、これによって、複数の接続位置28を規定する。ブロック118を参照されたい。次に、共振層18、検出器層20、およびエレベーションアンカ24が第2の犠牲層の上に作られる。この点について、ブロック120に示すように、検出器とエレベーションアンカは厚さ0.5ミクロンのSiOでできた熱絶縁層を第2の犠牲層の上に、又、少なくとも部分的にキャビティ内に、通常PECVDによって、第1の蒸着を行うことによって形成することができる。
次いで、導電材料でできた共振層がキャビティ内の熱絶縁層上に蒸着される。ブロック122を参照されたい。次いで、厚さ0.05ミクロンのSiO層などの別の熱絶縁層が、その共振層の上に、通常PECVDによって蒸着される。ブロック124を参照されたい。次に、共振層を取り囲む熱絶縁層と、共振層を通る開口をエッチングして、絶縁層内の導電トレース23を再度露出させる。ブロック126を参照されたい。次いで導電材料でできた厚さ0.05から0.10ミクロンのチタニウムまたはニクロムの薄層が蒸着され、ホトリソグラフィでパターン形成されて、エッチングによって接続位置28で電気的コネクタ25を形成する。ブロック128を参照されたい。
電気的コネクタ25を形成した後、ブロック130に記載されているように、検出器16を形成するボロメータ材料が、以前に共振層の上、及び電気コネクタの上におよび電気コネクタに電気的に接触させて蒸着した熱絶縁層上に蒸着される。例えば、ある実施例では、ボロメータ材料が厚さ0.20から0.40ミクロンのVO層でできており、反応スパッタリングによって蒸着される。ボロメータ材料が蒸着された後、ボロメータ材料をホトリソグラフィでパターンニングし、エッチングしてピクセル構造10の二つの端部を規定し、焦平面内において次々にピクセル構造をデリニエートする。ボロメータ材料を密封するために、厚さ0.5ミクロンのSiO層などの別の熱絶縁層を、通常PECVDを用いて、ボロメータ材料の上に、蒸着することができる。この点について、熱絶縁層、導電層、およびボロメータ材料で複合構造を形成して、キャビティと開口内に形成されている検出器層20とエレベーションアンカ24を作っている。次いで、ピクセル構造のエンドポイントにおいてボロメータ材料を取り巻いている絶縁層をエッチングすることによってピクセル構造のデリニエーションが完成する。次いで、ポリイミドを二酸化炭素に転化する酸素プラズマエッチングなどで第1及び第2の犠牲層を除去する。ブロック132を参照されたい。
本発明のピクセル構造10は、マイクロエレクトロニック製造工程とのユニークな組み合わせによって効率よく製造することができる。さらに、脚部15を具える絶縁体14を検出器16の下に配置することによって、検出器と絶縁体の脚部の面積を最大にして、検出器によって発生する1/fノイズを低減し、検出器の吸収特性を強化し、基板に対する熱損失を最小限にし、これによってピクセル構造の応答性を最大にすることなどによって、ピクセル構造の性能を最適化することができる。従って、本発明にかかるボロメータベースの冷却していない焦平面アレイのピクセル構造は、適時に応答性のある態様でアブソーバ上に入射する輻射の精密な測定を提供することができる。さらに、ボロメータベースの冷却していない焦平面アレイのピクセル構造は検出器と絶縁体間に配置した共振層を提供する。共振層を含めることによって、ピクセル構造の吸収効率が従来のピクセル構造に比べて飛躍的に上がる。
これまでの説明と添付の図面に記載されている教示の利益を有する本発明に関連する当業者には本発明の多くの変形とその他の実施例は自明である。従って、本発明はここに開示されている特定の実施例に限定されるものではなく、変形およびその他の実施例が請求項の範囲に含まれると介するべきである。特定の用語がここで使用されているが、この用語は一般的で記述的な感覚で使用されているだけであり、限定のためのものではない。
一般的な用語で発明を説明し、符号を図面に付ける。図面は縮尺する必要はない。
図1は、本発明の一実施例にかかる焦平面アレイの一のピクセル構造の斜視図である。 図2は、図1に示すボロメータの絶縁体の斜視図である。 図3は、図1に示すボロメータの検出器の斜視図である。 図4Aは、4A−4A線に沿った図1に示すピクセル構造の側断面図であり、絶縁体と一のベースアンカを強調して、断面に位置するピクセル構造のこれらの部分のみを記載した図である。 図4Bは、4B−4B線に沿った図1に示すピクセル構造の側断面図であり、検出器とエレベーションアンカを強調して、断面に位置するピクセル構造のこれらの部分のみを記載した図である。 図5は、本発明の一実施例に係る共振層を追加したピクセル構造の熱吸収の上昇を示すグラフである。 図6は、本発明の一実施例に係るボロメータを有するピクセル構造の製造に実施される操作を示すフローチャートである。

Claims (30)

  1. 輻射を検出するボロメータベースの焦平面アレイのピクセル構造において:
    基板と;
    ボロメータと:
    を具え、当該ボロメータが、
    前記基板に対してスペースを空けた関係で支持されている検出器であり、入射熱輻射を吸収するように構成されており、当該検出器の電気抵抗が検出器の温度変化に応じて変化する検出器と、
    前記検出器の完全に下側に配置された複数のサーペンタイン曲線を具える絶縁体であり、当該絶縁体が前記検出器と前記基板との間に延在して、前記検出器を前記基板に対してスペースを空けた関係で支持している絶縁体と;
    前記検出器と前記絶縁体との間に配置された共振層であって、当該共振層が前記検出器と前記共振層の間に規定される領域が第1の共振キャビティを形成するように配置されており、前記共振層と前記絶縁体の間に規定される領域が第2の共振キャビティを形成するように配置されている共振層と;
    を具えることを特徴とするピクセル構造。
  2. 請求項1に記載のピクセル構造において、前記検出器と前記絶縁体が、各々の平面内に配置されており、少なくとも部分的にギャップで分離されていることを特徴とするピクセル構造。
  3. 請求項2に記載のピクセル構造において、前記基板と前記絶縁体が、各々の平面内に配置されており、少なくとも部分的にギャップで分離されていることを特徴とするピクセル構造。
  4. 請求項1に記載のピクセル構造において、前記検出器が酸化バナジウムを具えることを特徴とするピクセル構造。
  5. 請求項1に記載のピクセル構造がさらに、前記基板と前記絶縁体の間に延在する複数のベースアンカを具え、前記ベースアンカが前記絶縁体を前記基板に対してスペースを空けた関係に支持することを特徴とするピクセル構造。
  6. 請求項5に記載のピクセル構造において、前記ベースアンカが円錐台形形状であることを特徴とするピクセル構造。
  7. 請求項5に記載のピクセル構造において、前記ボロメータが更に、前記検出器と前記絶縁体との間に延在する少なくとも一のエレベーションアンカを具え、前記少なくとも一のエレベーションアンカが前記検出器を前記絶縁体に対してスペースを空けた関係で支持していることを特徴とするピクセル構造。
  8. 請求項7に記載のピクセル構造において、前記少なくとも一のエレベーションアンカが、円錐台形形状であることを特徴とするピクセル構造。
  9. 請求項1に記載のピクセル構造において、前記絶縁体が更に、前記検出器に対して少なくとも部分的に入射熱輻射を反射することを特徴とするピクセル構造。
  10. 請求項1に記載のピクセル構造において、前記絶縁体の複数のサーペンタイン脚部が第1の方向に延在する第1のブランチセットと、前記第1のセットの各ブランチと交差し、前記第1の方向とことなる第2の方向に延在する第2のブランチセットを具える複数のブランチを具えることを特徴とするピクセル構造。
  11. 基板とボロメータを具えるピクセル構造において、当該ボロメータが:
    前記基板に対してスペースを空けた関係に支持されている検出器であって、当該検出器が入射熱輻射を吸収するように構成されており、前記検出器の温度変化に応じて電気抵抗が変化する検出器と;
    前記検出器と前記基板との間に延在し、前記検出器を前記基板に対してスペースを空けた関係で支持する複数の二次元サーペンタイン脚部を具える絶縁体と;
    前記検出器と前記絶縁体間に配置された共振層であって、前記検出器と前記共振層間に規定された領域が第1の共振キャビティを形成するように前記共振層が配置されており、また、前記共振層と前記絶縁体間に規定される領域が第2の共振キャビティを形成するように前記共振層が配置されている、共振層と;
    を具えることを特徴とするピクセル構造。
  12. 請求項11に記載のピクセル構造において、前記絶縁体が完全に前記検出器の下側に配置されていることを特徴とするピクセル構造。
  13. 請求項11に記載のピクセル構造において、前記絶縁体の平面的なサーペンタイン脚部が、第1の方向に延在する第1のブランチセットと、前記第1のブランチセットのそれぞれのブランチに交差し、前記第1の方向と異なる第1の方向に延在する第2のブランチセットとでなる複数のブランチを具えることを特徴とするピクセル構造。
  14. 請求項11に記載のピクセル構造において、前記検出器と前記絶縁体がそれぞれ平面に配置されており、少なくとも部分的にギャップで分離されていることを特徴とするピクセル構造。
  15. 請求項14に記載のピクセル構造において、前記基板と前記絶縁体がそれぞれ平面内に配置されており、少なくとも部分的にギャップで分離されていることを特徴とするピクセル構造。
  16. 請求項11に記載のピクセル構造において、前記検出器が酸化バナジウムを具えることを特徴とするピクセル構造。
  17. 請求項11に記載のピクセル構造が更に、前記基板と前記絶縁体の間に延在する複数のベースアンカを具え、当該ベースアンカが前記絶縁体を前記基板に対してスペースを空けた関係で支持していることを特徴とするピクセル構造。
  18. 請求項17に記載のピクセル構造において、前記ベースアンカが円錐台形形状であることを特徴とするピクセル構造。
  19. 請求項17に記載のピクセル構造において、前記ボロメータが更に、前記検出器と前記絶縁体の間に延在する少なくとも一のエレベーションアンカを具え、当該少なくとも一のエレベーションアンカが前記検出器を前記絶縁体に対してスペースを空けた関係で支持していることを特徴とするピクセル構造。
  20. 請求項19に記載のピクセル構造において、前記少なくとも一のエレベーションアンカが円錐台形形状を有することを特徴とするピクセル構造。
  21. 請求項11に記載のピクセル構造において、前記絶縁体が更に、少なくとも部分的に前記検出器に向けて入射熱輻射を少なくとも部分的に反射することを特徴とするピクセル構造。
  22. ピクセル構造の製造方法において:
    基板上に第1の犠牲層を蒸着するステップと;
    前記第1の犠牲層の上に複数の熱インピーダンス脚部を形成するステップと;
    前記熱インピーダンス脚部の上に第2の犠牲層を蒸着するステップと;
    前記第2の犠牲層の上に共振層を蒸着するステップであって、当該共振層が導電材料を具えるステップと;
    前記共振層上にボロメータ材料を蒸着するステップであって、前記ボロメータ材料が入射熱輻射を吸収するものであり、前記ボロメータ材料が当該ボロメータ材料の温度変化に応じて変化する電気抵抗を有し、前記ボロメータ材料をボロメータ材料と共振層の間に規定される領域が第1の共振キャビティを形成するように蒸着するステップと;
    前記第1及び第2の犠牲層を、ボロメータ材料が基板からスペースを空けるように除去するステップであって、前記第2の犠牲層を前記熱インピーダンス脚部と前記共振層の間に規定される領域が第2の共振キャビティを形成するように除去するステップと;
    を具えることを特徴とするピクセル構造の製造方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、前記ボロメータを蒸着するステップが、前記第1及び第2の犠牲層の除去ステップに続いて、ボロメータ材料が熱インピーダンス局部を完全にカバーするようにボロメータ材料を蒸着するステップを具えることを特徴とする方法。
  24. 請求項22に記載の方法において、前記熱インピーダンス脚部を形成するステップが、サーペンタイン形状の複数の熱インピーダンス脚部を形成するステップを具えることを特徴とする方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、前記熱インピーダンス脚部を形成するステップが、第1の方向に延在する第1のブランチセットと、前記第1のブランチセットのそれぞれのブランチに交差し、前記第1の方向と異なる第1の方向に延在する第2のブランチセットとでなる複数のブランチを有する平面サーペンダイン脚部形状の複数の熱インピーダンス脚部を形成するステップを具えることを特徴とする方法。
  26. 請求項22に記載の方法において、前記熱インピーダンス脚部を形成するステップが:
    前記第1の犠牲層を貫通する複数のコンタクトホールを作るステップと;
    前記コンタクトホール内に複数のベースアンカを形成するステップと;
    前記第1の犠牲層の上に、前記ベースアンカが前記第1の犠牲層を除去するときに前記基板に対してスペースを空けた関係に前記熱インピーダンス脚部を支持するように前記ベースアンカとの機械的接続を取って前記複数の熱インピーダンス脚部を形成するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  27. 請求項26に記載の方法において、前記ベースアンカが、断面がV字形状の複数のベースアンカを形成するステップを具えることを特徴とする方法。
  28. 請求項22に記載の方法において、前記熱インピーダンス脚部を形成するステップが:
    前記第1の犠牲層を貫通する複数のホールを作り、これによって複数のコンタクト位置を規定するステップと;
    前記第1の犠牲層の上、及び前記コンタクト位置の前記ホール内に少なくとも部分的に第1の熱絶縁層を蒸着するステップと;
    前記コンタクト位置に、前記第1の熱絶縁層を通る複数の開口を作るステップと;
    前記第1の熱絶縁層の少なくとも一部の上及び前記開口内に第1の導電層を蒸着するステップと;
    前記第1の熱導電材料の上に第2の熱絶縁層を蒸着するステップであって、前記コンタクト位置における前記第1の熱絶縁層と、前記第1の導電層と第2の熱絶縁層の蒸着ステップが、複数のベースアンカを形成するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  29. 請求項28に記載の方法において、前記ボロメータ材料の蒸着ステップが、ボロメータ材料が前記第1の導電層と電気的通信を行うように前期ボロメータ材料を蒸着するステップを具えることを特徴とする方法。
  30. 請求項29に記載の方法が更に、前記ボロメータ材料を蒸着する前に導電層とボロメータ材料の間に電気コネクタを形成するステップを具え、当該電気コネクタを形成するステップが:
    前記共振層と、前記第2の犠牲層と、第2の熱絶縁層を貫通する少なくとも一のキャビティを作り、これによって前記第1の導電層上に少なくとも一の接続位置を規定するステップと;
    前記共振層の上に、また、前記少なくとも一つの接続位置において前記少なくとも一のキャビティ内に少なくとも部分的に熱絶縁層を蒸着するステップと;
    前記少なくとも一つの接続位置に前記熱絶縁層を通る少なくとも一の開口を作り、前記第1の導電層を露出させるステップと;
    前記露出した第1の導電層上の開口内に第2の導電層を、当該第2の導電層が前記第1の導電層と電気通信を行い、前記ボロメータ材料が前記第2の犠牲層上に蒸着されるときに、当該ボロメータ材料が前記第2の導電材料と電気的通信するように、少なくとも部分的に前記開口を超えて延在するように蒸着するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
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