JP2006258193A - 車輌の摩擦制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦制動装置の構造を過度に複雑化することなく、長期間に亘り適正な制動を確保しつつブレーキ鳴きを効果的に低減する。
【解決手段】ピストン16の摩擦材24の側の端面16Aは軸線14の周りに半円弧状に延在する凸部20を有し、ピストン16は軸線14の周りに回転可能であり、車輌の走行開始時にピストン16の回転位置が標準位置に制御され(S10)、制動中であると判別されると(S30)、運転者の制動操作量に応じて電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiが制御され(S110〜130、S300)、制動中ではないと判別され(S30)、制動の終了時であると判別されると(S40)、ピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転され(S50)、これにより摩擦材24に対するピストン16の押圧中心36の位置が変化される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌の制動装置に係り、更に詳細には車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧し、その押圧力を制御することにより制動力を制御する摩擦制動装置に係る。
自動車等の車輌の摩擦制動装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧する二つのピストンを有し、一方のピストン内にばね部材が設けられ、該一方のピストンによる摩擦材の押圧を他方のピストンによる摩擦材の押圧に対し遅らせるよう構成された摩擦制動装置が既に知られている。上述の如き摩擦制動装置によれば、二つのピストンが同時には摩擦材を押圧しないので、二つのピストンが同時に摩擦材を押圧する場合に比してブレーキ鳴きを低減することができる。
実開平4−44525号公報
上述の如き従来の摩擦制動装置に於いては、往復動部材として複数のピストンが設けられ、車輪と共に回転する回転部材に対し摩擦材を押圧するために、複数のピストンが駆動されなければならず、そのため摩擦制動装置の構造が複雑になるという問題があり、また回転部材に対する摩擦材の押圧位置を変更することによりブレーキ鳴きを更に一層効果的に低減すると共に長期間に亘り適正な制動を確保すべく、複数のピストンが個別に駆動される場合には、摩擦制動装置の構造が更に一層複雑になるという問題がある。
本発明は、摩擦材が複数のピストンにより回転部材に対し押圧される従来の摩擦制動装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、一つの往復動部材にて摩擦材を押圧すると共にその押圧位置を変更し得るよう構成することにより、摩擦制動装置の構造を過度に複雑化することなく、長期間に亘り適正な制動を確保しつつブレーキ鳴きを効果的に低減することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち制動要求量を判定する手段と、車輪と共に回転する回転部材と、摩擦材と、前記摩擦材を前記回転部材に対し押圧する押圧手段と、前記制動要求量に基づき前記押圧手段の押圧量を制御する制御手段とを有する車輌の摩擦制動装置に於いて、前記押圧手段は前記摩擦材に近づく方向及び離れる方向へ往復動可能であり且つ往復動方向に沿う軸線の周りに回転可能である往復動部材を含み、前記往復動部材の前記摩擦材側の端面は前記軸線の周りに部分的に延在する凸部を有し、前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧量を制御すると共に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を制御することを特徴とする車輌の摩擦制動装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧毎に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧中に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記摩擦制動装置はブレーキ鳴きを検出する手段を有し、前記制御手段はブレーキ鳴きが検出されたときには前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記制御手段は前記凸部が前記回転部材の回転中心に近づくよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項5の構成に於いて、前記摩擦制動装置は制動トルクの変動を検出する手段を有し、前記制御手段は制動トルクの変動が大きいときには制動トルクの変動が小さいときに比して前記凸部が前記回転部材の回転中心に近い側に位置するよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を制御するよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至6の構成に於いて、車輌の制動減速走行中に於ける前記制動要求量の変化率の大きさが基準値以下の状況に於いて制動トルクの増大率が基準値以上であるときには、前記制御手段は前記凸部が前記回転部材の回転中心に近づくよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至7の構成に於いて、前記摩擦制動装置は前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段を有し、前記制御手段は前記摩擦材の摩擦係数の推定値が低いときには前記摩擦材の摩擦係数の推定値が高いときに比して前記凸部が前記回転部材の回転中心より離れるよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項8の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項8の構成に於いて、前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも前記摩擦材の温度に基づいて前記摩擦材の摩擦係数を推定するよう構成される(請求項9の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項8又は9の構成に於いて、前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも車速に基づいて前記摩擦材の摩擦係数を推定するよう構成される(請求項10の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至10の構成に於いて、前記摩擦制動装置は前記摩擦材の摩擦負荷を推定する手段を有し、前記制御手段は前記摩擦材の摩擦負荷の推定値が基準値以上であるときには前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項11の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項11の構成に於いて、前記摩擦材の摩擦負荷を推定する手段は制動中の制動エネルギーの積算値に基づいて前記摩擦材の摩擦負荷を推定するよう構成される(請求項12の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至12の構成に於いて、前記制御手段は前記制動要求量の増大率が基準値以上であるときには、前記凸部が前記回転部材の回転中心より離れるよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(請求項13の構成)。
上記請求項1の構成によれば、押圧手段は摩擦材に近づく方向及び離れる方向へ往復動可能であり且つ往復動方向に沿う軸線の周りに回転可能である往復動部材を含み、往復動部材の摩擦材側の端面は軸線の周りに部分的に延在する凸部を有し、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧量を制御すると共に軸線の周りの往復動部材の回転位置を制御するので、往復動部材の回転位置を変更することにより軸線に対する凸部の位置を変更することができ、これにより複数個の往復動部材及びそれらの個別駆動を要することなく、凸部による摩擦材の押圧位置を容易且つ確実に変更することができる。
また上記請求項2の構成によれば、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧毎に軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、制動毎に凸部による摩擦材の押圧位置を変更することができ、これにより摩擦材が回転部材に対し常に同一の押圧位置にて押圧されることを防止し、これによりブレーキ鳴き発生の虞れを効果的に低減することができる。
また上記請求項3の構成によれば、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧中に軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、凸部による摩擦材の押圧位置を制動中に変更することができ、これにより制動中摩擦材が回転部材に対し同一の押圧位置にて押圧されることを防止し、これによりブレーキ鳴き発生の虞れを効果的に低減することができる。
また上記請求項4の構成によれば、摩擦制動装置はブレーキ鳴きを検出する手段を有し、制御手段はブレーキ鳴きが検出されたときには軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、往復動部材の回転位置が不必要に変更されることを防止しつつ、ブレーキ鳴きを早期に終息させることができる。
また上記請求項5の構成によれば、制御手段は凸部が回転部材の回転中心に近づくよう軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、摩擦材に対する往復動部材の押圧中心と回転部材の回転中心との間の距離を低減し、これにより摩擦材が回転部材に対し押圧されることにより発生する制動トルクの不必要な増大を回避しつつ、ブレーキ鳴き又はその発生の虞れを効果的に低減することができる。
また上記請求項6の構成によれば、摩擦制動装置は制動トルクの変動を検出する手段を有し、制御手段は制動トルクの変動が大きいときには制動トルクの変動が小さいときに比して凸部が回転部材の回転中心に近い側に位置するよう軸線の周りの往復動部材の回転位置を制御するので、制動トルクを低減し、制動トルクの変動及びこれに起因するブレーキ振動を効果的に低減することができる。
また上記請求項7の構成によれば、車輌の制動減速走行中に於ける制動要求量の変化率の大きさが基準値以下の状況に於いて制動トルクの増大率が基準値以上であるときには、制御手段は凸部が回転部材の回転中心に近づくよう軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、制動トルクを低減し、制動トルクが過剰な増大率にて不必要に増大することを効果的に抑制することができる。
また上記請求項8の構成によれば、摩擦制動装置は摩擦材の摩擦係数を推定する手段を有し、制御手段は摩擦材の摩擦係数の推定値が低いときには摩擦材の摩擦係数の推定値が高いときに比して凸部が回転部材の回転中心より離れるよう軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、往復動部材によって摩擦材が回転部材に対し押圧されることにより発生する摩擦制動力が低いときには摩擦制動力が高いときに比して、確実に摩擦材に対する往復動部材の押圧中心と回転部材の回転中心との間の距離を大きくし、これにより摩擦材の摩擦係数の変動に拘らず所要の制動トルクを発生させることができる。
また摩擦材の摩擦係数は摩擦材の温度によって変動するが、摩擦材の種類に拘らず摩擦材の摩擦係数と摩擦材の温度との間には一定の関係がある。上記請求項9の構成によれば、摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも摩擦材の温度に基づいて摩擦材の摩擦係数を推定するので、摩擦材の摩擦係数と摩擦材の温度との間の一定の関係を利用して摩擦材の摩擦係数を推定することができる。
また摩擦材の摩擦係数は摩擦材と回転部材との間の相対速度によっても変動するが、摩擦材の種類に拘らず摩擦材の摩擦係数と相対速度との間には一定の関係があり、相対速度は車速に応じて変化する。上記請求項10の構成によれば、摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも車速に基づいて摩擦材の摩擦係数を推定するので、摩擦材と回転部材との間の相対速度に応じて適正に摩擦材の摩擦係数を推定することができる。
また上記請求項11の構成によれば、摩擦制動装置は摩擦材の摩擦負荷を推定する手段を有し、制御手段は摩擦材の摩擦負荷の推定値が基準値以上であるときには軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、軸線の周りの往復動部材の回転位置が一定である場合に比してブレーキ鳴き発生の虞れを低減することができ、また摩擦材が回転部材に対し一定の摩擦状態に維持されることによる摩擦材の偏摩耗の虞れを低減し、長期間に亘り良好な制動状況を確保することができる。
また上記請求項12の構成によれば、摩擦材の摩擦負荷を推定する手段は制動中の制動エネルギーの積算値に基づいて摩擦材の摩擦負荷を推定するので、摩擦材の摩擦負荷を確実に推定することができる。
また上記請求項13の構成によれば、制御手段は制動要求量の増大率が基準値以上であるときには、凸部が回転部材の回転中心より離れるよう軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するので、緊急制動時の如く制動要求量が急激に増大する状況に於いて、往復動部材の回転位置が変更されない場合に比して、制動トルクを速やかに増大させることができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至13の構成に於いて、制動要求量を判定する手段は運転者の制動操作量に基づいて制動要求量を判定するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至13又は上記好ましい態様1の構成に於いて、押圧量は押圧力であり、目標押圧量は目標押圧力であるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2又は上記請求項4乃至13上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧終了時に軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は上記請求項4乃至13又は上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧量が基準値以下であるときに軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様4の構成に於いて、制御手段は摩擦材に対する往復動部材の押圧量が基準値以下であり且つ前回往復動部材の回転位置を変更した時点より基準時間以上経過しているときに軸線の周りの往復動部材の回転位置を変更するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7又は上記請求項8乃至13又は上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、制御手段は車輌の減速度の増大率に基づいて制動トルクの増大率を判定するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項7又は上記請求項8乃至13又は上記好ましい態様1又は2又は6の構成に於いて、制御手段は制動トルクの増大率が大きいほど往復動部材の回転位置の変更速度を大きくするよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至13又は上記好ましい態様1乃至7の構成に於いて、押圧手段は電磁式の押圧力発生装置であるよう構成される(好ましい態様8)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例1を示す概略構成図、図2は図1に示されたピストンを拡大して示す正面図、図3は図1に示されたピストンを拡大して示す側面図である。
これらの図に於いて、10は図には示されていない車輪と共に車輪の軸線10Aの周りに回転する回転部材としてのロータディスクを示している。ロータディスク10の外縁部に近接した位置にはキャリパ12が配置され、キャリパ12は図には示されていないばね上部材に取り付けられている。キャリパ12はロータディスク10に対し垂直な方向に往復動可能に且つ往復動方向に沿う軸線14の周りに回転可能にピストン16を支持している。
図示の実施例1に於いては、ピストン16はキャリパ12の当接板18を貫通してロータディスク10の側へ延在し、ピストン16のロータディスク10の側の端面16Aは軸線14の周りに半円弧状に延在する凸部20を有している。凸部20は支持板22に当接し、支持板22には摩擦材24が固定されている。支持板22は当接板18によりロータディスク10に対し垂直な方向に往復動可能に且つ軸線14の周りに回転不可能に支持されている。
キャリパ12には電磁アクチュエータ26が固定され、電磁アクチュエータ26の駆動軸28はピストン16のロータディスク10とは反対側の端面16Bに当接している。ピストン16は電磁アクチュエータ26の駆動軸28により軸線14に沿って往復動され、これにより摩擦材24がロータディスク10に対し押圧されるようになっている。電磁アクチュエータ26にはピストン16の軸力Fsを検出する軸力センサ30が設けられている。
ピストン16の外周には複数個の永久磁石32が周方向に等間隔にて隔置された状態で固定されており、永久磁石32の周りには周方向に等間隔にて隔置された状態で複数個のソレノイド34が配設されている。従ってソレノイド34に対し制御電流が通電されることによりピストン16が軸線14の周りに回転駆動され、これによりピストン16の軸線14の周りの回転位置、換言すれば軸線14に対する凸部20の位置を変更し、摩擦材24に対するピストン16の押圧中心36の位置を可変制御し得るようになっている。
尚図には示されていないが、電磁アクチュエータ26に駆動電流が通電されていないときには、ロータディスク10より離れる方向へピストン16を付勢する圧縮コイルばねの如き付勢手段が設けられており、これにより電磁アクチュエータ26に駆動電流が通電されていないときには、摩擦材24がロータディスク10に押圧されないようになっている。またピストン16が支持板22に対し相対的に容易に回転することができるよう、ピストン16と支持板22との間の摩擦係数は非常に低い値に設定されている。
電磁アクチュエータ26は電子制御装置40により制御され、電子制御装置40には各車輪の軸力センサ30よりの押圧力Fsi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号に加えて、各車輪のロータリーエンコーダー44より各ピストン16の回転角度θi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、ブレーキペダル42に設けられた踏力センサ46よりペダル踏力Fpを示す信号、ストップランプスイッチ(STPSW)48よりストップランプスイッチがオン状態にあるか否かを示す信号が入力される。尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置40はCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。
電子制御装置40は、ペダル踏力Fpに基づき車輌全体の目標制動力Fballを演算し、目標制動力Fballに基づき各車輪の目標制動力Fbti(i=fl、fr、rl、rr)を演算する。また電子制御装置40は、摩擦材24の摩擦係数をμとし、摩擦材24の制動力発生中心とロータディスク10の回転軸線10Aとの間の距離(制動半径)をそれぞれRi(i=fl、fr、rl、rr)として、各車輪について下記の式1を満たすFstiの値を電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiとして演算する。尚この場合、摩擦材24の制動力発生中心は摩擦材24に対するピストン16の押圧中心36の位置にあると推定され、制動半径Riはピストン16の回転位置に拘らず一定と看做される。
Fbti=FstiμRi ……(1)
更に電子制御装置40は、目標押圧力Fstiに基づき電磁アクチュエータ26の目標電圧Vtiを演算し、目標電圧Vtiに基づき電磁アクチュエータ26の駆動電圧を制御することにより、軸力センサ30により検出される押圧力Fsiが目標押圧力Fstiになるよう各電磁アクチュエータ26を制御する。
また電子制御装置40は、図2に示されたピストン16の回転位置、即ち押圧中心36が軸線14に対し車輌前進時のロータディスク10の回転方向トレーリング側に位置するよう位置決めされる回転位置を標準位置として、車輌の走行開始時にはピストン16を標準位置に制御し、ピストン16が標準位置にあるときのピストン16の回転角度θiを0として回転角度θi(−180°≦θi≦180°、図2で見て時計廻り方向を正とする)を制御する。
特に図示の実施例1に於いては、電子制御装置40は、制動の終了時、即ちピストン16によるロータディスク10に対する摩擦材24の押圧終了時に、ピストン16を軸線14の周りに所定の回転角度Δθ(正の定数)回転させ、摩擦材24に対するピストン16の押圧位置を制動毎に変更する。
この場合回転後のピストン16の回転角度θiが180°を越えた場合には、現在の回転角度θi−360°が次のサイクルに於ける現在の現在の回転角度θiとされる。また回転後のピストン16の回転角度θiが−180°を越えた場合には、現在の回転角度θi+360°が次のサイクルに於ける現在の現在の回転角度θiとされる。
次に図4に示されたフローチャートを参照して実施例1に於ける制動力制御ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いてはピストン16の回転位置が標準位置に制御され、ステップ20に於いては踏力センサ44により検出されたペダル踏力Fpを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ30に於いてはストップランプスイッチ46がオン状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ110へ進み、否定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
ステップ40に於いては前回ストップランプスイッチ46がオン状態にあると判別されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ20へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ50に於いてピストン16の現在の回転角度をθfi(i=fl、fr、rl、rr)として、ピストン16の回転角度θiがθti=θfi+Δθの目標回転角度になるようピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転され、しかる後ステップ20へ戻る。
ステップ110に於いてはペダル踏力Fpに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車輌全体の目標制動力Fballが演算され、ステップ120に於いては当技術分野に於いて公知の配分則に従って各車輪の目標制動力Fbtiが演算される。
ステップ130に於いては上記式1を満たすFstiの値として電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiが演算され、ステップ300に於いては電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiがそれぞれ目標押圧力Fstiになるよう各電磁アクチュエータ26の押圧力が制御される。
かくして図示の実施例1によれば、車輌の走行開始時にステップ10に於いてピストン16の回転位置が標準位置に制御され、ステップ30に於いて制動中であると判別されると、ステップ110〜130及び300に於いて運転者の制動操作量に応じて電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiが制御される。これに対しステップ30に於いて制動中ではないと判別され、ステップ40に於いて制動の終了時であると判別されると、ステップ50に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転される。
従って図示の実施例1によれば、制動の終了毎にピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転されるので、制動毎に軸線14に対するピストン16の押圧中心36の位置を変更し、これによりロータディスク10に対する摩擦材24の押圧状況を変化させてブレーキ鳴きが発生する虞れを効果的に低減することができ、またピストン16が回転されない場合に比して摩擦材の偏摩耗の虞れを確実に低減することができる。
また図示の実施例1によれば、ピストン16は制動の終了時、換言すれば摩擦材24に対するピストン16の押圧力が非常に小さい状況に於いてピストン16が回転されるので、ピストン16が制動中に回転される場合に比して、電磁アクチュエータ26の回転負荷を低減することができ、電磁アクチュエータ26の消費エネルギーを低減することができると共に、電磁アクチュエータ26として低出力のものを使用することができる。
尚図示の実施例1に於いては、ステップ40に於いて肯定判別が行われると、ステップ50に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転されるようになっているが、ステップ50に先立って軸力センサ30により検出される押圧力Fsiが基準値Fso(0に近い正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ20へ戻り、肯定判別が行われた場合にステップ50が実行されるよう修正されてもよい。
図5は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例2に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5に於いて図4に示されたステップと同一のステップには図4に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、このことは後述の他の実施例についても同様である。
この実施例2に於いては、ステップ30に於いて否定判別が行われたときにはステップ20へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ110〜130が上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ130が完了するとステップ140へ進む。
ステップ140に於いては電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiが基準値Fsto(0に近い正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ150へ進む。
ステップ150に於いてはピストン16が前回所定の回転角度Δθ回転された時点より基準時間Δto(正の定数)以上経過したか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ160に於いて上述の実施例1に於けるステップ50の場合と同様、ピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転され、しかる後ステップ300へ進む。
かくして図示の実施例2によれば、運転者により制動操作が行われ、ステップ30に於いて肯定判別が行われると、ステップ110〜130に於いて運転者の制動操作量に基づき電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiが演算され、目標押圧力Fstiが基準値Fstoを越えているとき又は目標押圧力Fstiが基準値Fsto以下であるがピストン16が前回所定の回転角度Δθ回転された時点より基準時間Δto以上経過していないときには、ステップ300に於いて電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiが目標押圧力Fstiになるよう制御される。
これに対し目標押圧力Fstiが基準値Fsto以下であり且つピストン16が前回所定の回転角度Δθ回転された時点より基準時間Δto以上経過しているときには、ステップ160に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転され、しかる後ステップ300に於いて電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiが目標押圧力Fstiになるよう制御される。
従って図示の実施例2によれば、制動中であり且つピストン16の押圧力Fsiが小さい状況に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転されるので、制動中に軸線14に対するピストン16の押圧中心36の位置を変更し、これによりロータディスク10に対する摩擦材24の押圧状況を変化させてブレーキ鳴きが発生する虞れを効果的に低減することができ、またピストン16が回転されない場合に比して摩擦材の偏摩耗の虞れを確実に低減することができる。
また図示の実施例2によれば、ピストン16はピストン16の押圧力Fsiが小さい状況に於いてピストン16が回転されるので、ピストン16が押圧力が高い制動中に回転される場合に比して、電磁アクチュエータ26の回転負荷を低減することができ、電磁アクチュエータ26の消費エネルギーを低減することができると共に、電磁アクチュエータ26として低出力のものを使用することができる。
特に図示の実施例2によれば、ステップ150に於いてピストン16が前回所定の回転角度Δθ回転された時点より基準時間Δto以上経過したと判別されたときにステップ160に於いてピストン16が回転されるので、例えば運転者によりブレーキペダルがポンピングされるような状況に於いて、ピストン16が不必要に頻繁に回転されることを確実に防止することができる。
尚図示の実施例2に於いては、ステップ140に於いて電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiが基準値Fsto以下であるか否かの判別が行われるようになっているが、ステップ150に先立って軸力センサ30により検出される押圧力Fsiが基準値Fso以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われた場合にステップ150が実行されるよう修正されてもよく、またステップ140の判別に代えて押圧力Fsiが基準値Fso以下であるか否かの判別が行われるよう修正されてもよい。
図6は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例3に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例3に於いては、ステップ10〜30、ステップ110〜130、ステップ300は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ130が完了するとステップ170へ進み、ステップ170に於いてペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が基準値Fpdo(正の定数)以下であるか否かの判別、即ち運転者の制動操作量が実質的に一定であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ180へ進む。
ステップ180に於いては現在までの所定の時間内に軸力センサ30により検出された押圧力Fsiの最大値と最小値との偏差ΔFsiが演算されると共に、偏差ΔFsiが基準値ΔFso(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち制動トルクの変動が大きい状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ190に於いてピストン16の目標回転角度θti=90°としてピストン16の回転角度θiが目標回転角度θtiになるようピストン16が軸線14の周りに回転され、しかる後ステップ300へ進む。
かくして図示の実施例3によれば、ステップ170に於いてペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が基準値Fpdo以下であり、運転者の制動操作量が実質的に一定であると判別され、ステップ180に於いて制動トルクの変動が大きい状況であると判別されると、ステップ190に於いてピストン16の回転角度θiが目標回転角度θti=90°になるようピストン16が軸線14の周りに回転され、摩擦材24の制動力発生中心とロータディスク10の回転軸線10Aとの間の距離、即ち制動半径が最小値に低減されることによって制動トルクが低減される。
例えば図7(A)〜(C)はそれぞれピストン16の回転角度θiが0°(標準位置)、90°、−90°であるときのロータディスク10及び摩擦材24に対するピストン16の凸部20及び押圧中心36の位置関係を示している。図示の如く、制動半径Riは回転角度θiが−90°であるときに最大値Rmaxになり、回転角度θiが90°であるときに最小値Rminになり、回転角度θiが0°であるときに最大値Rmaxと最小値Rminとの中間値Rn=(Rmax+Rmin)/2になる。
図示の実施例3によれば、運転者の制動操作量が実質的に一定である状況に於いて制動トルクの変動が大きいときには、制動半径Riが最小値Rminになるようピストン16が回転され、これによりロータディスク10に対する摩擦材24の押圧状態が変化されると共に制動トルクが低減されるので、制動トルクの変動が継続する虞れを効果的に低減することができる。
特に図示の実施例3によれば、ステップ170に於いてペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が基準値Fpdo以下であり、運転者の制動操作量が実質的に一定であるか否かが判別され、ステップ170に於いて肯定判別が行われた場合にステップ180の判別が実行されるので、運転者の制動操作量が細かく増減される状況に於いてピストン16が不必要に回転されることを防止することができる。
尚図示の実施例3に於いては、ステップ190に於いてピストン16の回転角度θiが目標回転角度θti=90°になるようピストン16が回転されるようになっているが、ピストン16の回転角度θiが目標回転角度θti=90°に漸次近づくようピストン16が各サイクル毎に特定の角度ずつ回転されるよう修正されてもよい。
図8は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例4に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例4に於いては、図1に於いて仮想線にて示されている如く、電子制御装置40には、車速センサ50より車速Vを示す信号及び温度センサ52i(i=fl、fr、rl、rr)より各車輪の摩擦材24の温度Ti(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。また電子制御装置40は図9に示されたグラフに対応するマップを記憶している。
次に図8に示されたフローチャートを参照して実施例4に於ける制動力制御ルーチンについて説明する。
図8に示されている如く、ステップ10〜30、ステップ110〜130、ステップ300は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ30に於いて否定判別が行われたときには、即ち運転者により制動操作が行われていないときにはステップ60へ進み、ステップ60に於いては摩擦材24の温度Ti及び車速Vに基づき図9に示されたグラフに対応するマップより摩擦材24の摩擦係数の推定値μai(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
ステップ70に於いては摩擦材24の摩擦係数の推定値μaiが低いほど制動半径Riが大きくなるようピストン16の目標回転角度θtiが演算され、ステップ80に於いてはピストン16の回転角度θiが目標回転角度θtiであるか否かが判別され、回転角度θiが目標回転角度θtiでないときには回転角度θiが目標回転角度θtiになるようピストン16が軸線14の周りに回転され、しかる後ステップ20へ戻る。
かくして図示の実施例4によれば、運転者により制動操作が行われていない状況に於いて、ステップ60に於いて摩擦材24の摩擦係数μaiが推定され、摩擦材24の摩擦係数μaiが低いほど制動半径Riが大きくなるようピストン16が回転されるので、摩擦材24の摩擦係数の変動に起因する制動トルクの変動を低減し、摩擦材24の摩擦係数の変動に拘らず常に良好な制動性能を確保することができる。
特に図示の実施例4によれば、摩擦材24の温度Ti及び車速Vに基づき図9に示されたグラフに対応するマップより摩擦材24の摩擦係数の推定値μaiが演算されるので、例えば摩擦材24の温度Ti又は車速Vのみに基づき摩擦材24の摩擦係数の推定値μaiが演算される場合に比して摩擦材24の摩擦係数μaiを正確に推定することができる。
図10は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例5に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例5に於いては、ステップ10〜30、ステップ110〜130、ステップ300は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ30に於いて否定判別画行われたときには、即ち運転者により制動操作を行われていないときには、ステップ35に於いて各車輪の支持荷重をMi(i=fl、fr、rl、rr)とし、後述のステップ55が実行された後の各制動時の制動開始時に於ける車速をVsとし、制動終了時に於ける車速をVeとして、下記の式2に従って各車輪毎に制動エネルギーの積算値Ebi(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
Ebi=ΣMi(Vs2−Ve2)/2 ……(2)
ステップ45に於いては制動エネルギーの積算値Ebiが基準値Ebo(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち制動負荷が大きい状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ20へ戻り、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
ステップ50に於いては上述の実施例1の場合と同様、ピストン16の現在の回転角度をθfi(i=fl、fr、rl、rr)として、ピストン16の回転角度θiがθti=θfi+Δθの目標回転角度になるようピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転され、ステップ55に於いては制動エネルギーEbiが0にリセットされ、しかる後ステップ20へ戻る。
かくして図示の実施例5によれば、運転者により制動操作が行われていない状況に於いて、ステップ35に於いて制動エネルギーの積算値Ebiが演算され、ステップ45に於いて制動エネルギーの積算値Ebiが基準値Ebo以上であり、制動負荷が大きい状況であると判別されると、ステップ50に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転される。
従って制動負荷が大きい状況であると判別される毎に軸線14に対するピストン16の押圧中心36の位置を変更し、これによりロータディスク10に対する摩擦材24の押圧状況を変化させてブレーキ鳴き発生の虞れや摩擦材の偏摩耗の虞れを効果的に低減することができる。
例えば図11は摩擦材24に対するピストン16の押圧状況が一定である場合の摩擦材24の摩耗状況(破線)と図示の実施例5の場合の摩擦材24の摩耗状況(一点鎖線)とを比較して示す説明図である。図11に於いて破線にて示されている如く、摩擦材24に対するピストン16の押圧状況が一定である場合には、摩擦材24に偏摩耗が生じ易く、摩擦制動装置が長期間に亘り使用されると制動を安定的に実行できなくなったり、摩擦材24の交換頻度が高くなるという問題がある。これに対し図示の実施例5によれば、ロータディスク10に対する摩擦材24の押圧状況が変化されるので、図11に於いて一点鎖線にて示されている如く、摩擦材24の偏摩耗の虞れやその交換頻度を低減し、長期間に亘り安定的に適正な制動を行うことができる。
また図示の実施例5によれば、ピストン16は非制動時、換言すれば摩擦材24に対するピストン16の押圧力が0である状況に於いてピストン16が回転されるので、ピストン16が制動中に回転される場合に比して、電磁アクチュエータ26の回転負荷を低減することができ、電磁アクチュエータ26の消費エネルギーを低減することができると共に、電磁アクチュエータ26として低出力のものを使用することができる。
尚図示の実施例5に於いては、制動負荷は制動開始時の車速Vsと制動終了時の車速Veとの偏差に基づいて演算されるようになっているが、軸力センサ30により検出される押圧力Fsiの積算値の如く任意の要領にて演算されてよい。
図12は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例6に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例6に於いては、ステップ10〜30、ステップ110〜130、ステップ300は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ170は上述の実施例3の場合と同様に実行され、ステップ170に於いて肯定判別が行われたときにはステップ200へ進む。
ステップ200に於いては車輌の減速度Gbの増大率Gbdが基準値Gbd1以上であるか否かの判別、即ち摩擦材の温度及び摩擦係数の上昇に起因する制動力の増大及びブレーキ鳴き発生の虞れがある状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときには210へ進む。
ステップ210に於いては車輌の減速度Gbの増大率Gbdに基づき図13に示されたグラフに対応するマップよりピストン16の回転角度Δθbが演算され、ステップ220に於いてはピストン16の回転角度θiが90°に近づくよう各サイクル毎にピストン16が軸線14の周りにΔθb回転され、しかる後ステップ300へ進む。
かくして図示の実施例6によれば、ステップ170に於いてペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が基準値Fpdo以下であり、運転者の制動操作量が実質的に一定であると判別され、ステップ200に於いて車輌の減速度Gbの増大率Gbdが基準値Gbd1以上であり、摩擦材の温度及び摩擦係数の上昇に起因する制動力の増大及びブレーキ鳴き発生の虞れがある判別されると、ステップ210及び220に於いてピストン16の回転角度θiが90°に近づくよう各サイクル毎にピストン16が軸線14の周りにΔθb回転され、制動半径Riが最小値Rminに漸次近づくよう低減されることによって制動トルクが漸次低減される。
従って制動の継続による摩擦材の温度及び摩擦係数の上昇に起因する制動力の増大及びブレーキ鳴き発生の虞れがあるときには、制動トルクが漸次低減されるので、車輌全体の制動力を低減して車輌の減速度が不必要に増大することを確実に防止することができると共に、ブレーキ鳴き発生の虞れを効果的に低減することができる。
例えば図14は、車輌が制動減速走行する場合であって、運転者の制動操作量が増大された後比較的長い時間に亘り実質的に一定に維持され、しかる後低減される場合に於ける車輌の減速度の変化を、従来の摩擦制動装置の場合(A)及び図示の実施例6の場合(B)について示すグラフである。
図14(A)に示されている如く、従来の摩擦制動装置の場合には、制動減速走行の継続時間が長くなると、摩擦熱により摩擦材の温度が上昇し、これに伴って摩擦材の摩擦係数が上昇することに起因して制動力が増大し、そのため運転者の制動操作量が実質的に一定に維持されているにも拘らず、車輌の減速度が不必要に増大すると共にブレーキ鳴きが発生し易い。
これに対し図示の実施例によれば、図14(B)に示されている如く、制動減速走行の継続時間が長くなり、摩擦材の温度及び摩擦係数が上昇することに起因して制動力が増大し、車輌の減速度が増大し始めると、ピストン16の回転角度θiが90°に近づくようピストン16が漸次回転され、制動半径Riが漸次低減されることによって制動トルクが漸次低減されるので、ピストン16が回転されない場合に比して、車輌の減速度が不必要に増大する虞れやブレーキ鳴きが発生する虞れを効果的に低減することができる。
特に図示の実施例6によれば、ステップ30に於いて制動中であるか否かの判別が行われ、制動中であると判定された場合にステップ110以降が実行されるので、制動中ではない状況に於いてピストン16が不必要に回転されることを確実に防止することができる。
また図示の実施例6によれば、ピストン16の回転角度Δθbはステップ210に於いて車輌の減速度Gbの増大率Gbdが大きいほど大きくなるよう、増大率Gbdに応じて可変設定されるので、例えばステップ200に於いて肯定判別が行われた場合には増大率Gbdに関係なくピストン16が一定の回転角度にて低減される場合に比して、制動トルクの急激な変化を防止しつつ車輌の減速度の増大を適正に抑制することができる。
図15は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例7に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。
この実施例7に於いては、ステップ10〜30、ステップ110〜130、ステップ300は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ30に於いて肯定判別が行われるとステップ90へ進む。
ステップ90に於いてはペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が緊急制動判定の基準値Fpde(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち運転者により緊急制動操作が行われたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ110へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ100に於いてピストン16の目標回転角度θti=90°としてピストン16の回転角度θiが目標回転角度θtiになるようピストン16が軸線14の周りに回転され、しかる後ステップ300へ進む。
かくして図示の実施例7によれば、ステップ90に於いてペダル踏力Fpの変化率Fpdの絶対値が緊急制動判定の基準値Fpde以上であり、運転者により緊急制動操作が行われたと判別されると、ステップ100に於いてピストン16の目標回転角度θti=90°としてピストン16の回転角度θiが目標回転角度θtiになるようピストン16が軸線14の周りに回転され、これにより制動半径Riが最大値Rmaxに制御されるので、ピストン16が回転されない場合に比して、制動トルクを効率的に増大させることができ、車輌の減速度を高くすることができる。
この実施例8に於いては、図1に於いて仮想線にて示されている如く、各キャリパ12には磁力センサ54iが設けられており、磁力センサ54iはピストン16に設けられた永久磁石32の磁力Mpi(i=fl、fr、rl、rr)を検出する。特に図示の実施例に於いては、磁力センサ54iはロータディスク10側へのピストン16の移動距離が大きいほど検出される磁力Mpiの強度が高くなるよう、永久磁石32に対しロータディスク10の側に設けられている。
電子制御装置40には磁力センサ54iより検出磁力Mpiを示す信号も入力され、電子制御装置40は検出磁力Mpiが基準値Mpo(正の定数)以上であるときには、摩擦材24の摩耗量が過大になっていると判定し、図1には示されていない警報装置へ警報を発すべき指令信号を出力する。
次に図15に示されたフローチャートを参照して実施例8に於ける制動力制御ルーチンの要部について説明する。尚図15に示されたルーチンは他の実施例のステップ30に於いて肯定判別が行われた後の任意の段階に於いて実行されてよい。
ステップ310に於いては検出磁力Mpiが基準値Mpo以上であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ320の次のステップ(例えば実施例1に於いてステップ30に於いて肯定判別が行われた場合にステップ310及び320が実行される場合には、ステップ110)へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ320に於いて警報装置へ警報を発すべき指令信号が出力される。
かくして図示の実施例8によれば、摩擦材24の摩耗量が過大になったときには、そのことを確実に判定し、運転者に摩擦材24の交換を促すことにより適正な制動を確保するに必要な措置を容易に講ずることができる。
図17は本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例9を示す概略構成図である。尚図17に於いて、図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例9に於いては、電磁アクチュエータ26及びその出力軸28は中空状をなし、電磁アクチュエータ56の出力軸56Aは電磁アクチュエータ26及びその出力軸28を貫通してピストン16内まで延在している。出力軸56Aの先端部はピストン16とセレーション結合されており、これにより出力軸56Aは軸線14に沿ってピストン16に対し相対的に変位することができるが、軸線14の周りにピストン16に対し相対的に回転することができないようになっている。
従ってピストン16は電磁アクチュエータ26により支持板22に対する押圧力が制御され、電磁アクチュエータ56により軸線14の周りの回転位置が制御される点を除き、実施例9の摩擦制動装置は図1に示された摩擦制動装置と同様に作動し、従ってロータディスク10に対する摩擦材24の押圧及びピストン16の軸線14の周りの回転位置の制御は上述の実施例1乃至8の何れにより実行されてもよく、それぞれ上述の実施例1乃至8の場合と同様の作用効果を得ることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、ピストン16の標準位置は押圧中心36が軸線14に対し車輌前進時のロータディスク10の回転方向トレーリング側に位置する回転位置であるが、ピストン16の標準位置は実施例の回転位置以外の任意の回転位置に設定されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、ロータリーエンコーダー44より各ピストン16の回転角度θiが検出されるようになっているが、ピストン16の回転位置を検出する手段が省略され、ピストン16の回転角度の累積によりピストン16の回転位置が推定されるよう構成されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、ピストン16の押圧力及び回転位置は図1又は図17に示された構造手段により制御されるようになっているが、ピストン16の押圧力及び回転位置を制御し得る限り、これらは任意の構造により制御されてよい。
また上述の実施例2に於いては、制動中であり且つピストン16の押圧力Fsiが小さい状況に於いてピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転されるようになっているが、音又は振動によりブレーキ鳴きを検出するセンサが設けられ、ブレーキ鳴きが検出されたときにはピストン16の押圧力Fsiや前回所定の回転角度Δθ回転された時点よりの経過時間の如何に関係なくピストン16が軸線14の周りに所定の回転角度Δθ回転されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、運転者の制動操作量に基づき車輌全体の目標制動力Fballが演算され、目標制動力Fballに基づき各車輪の目標制動力Fbtiが演算され、目標制動力Fbtiに基づき電磁アクチュエータ26の目標押圧力Fstiが演算され、押圧力Fsi、が目標押圧力Fstiになるよう電磁アクチュエータ26が制御されるようになっているが、各車輪の目標制動力Fbtiに基づき各ピストンの目標変位量が演算され、各ピストンの変位量がそれぞれ対応する目標変位量になるよう各アクチュエータが制御されてもよい。尚この修正例の場合には、電磁アクチュエータ26の押圧力Fsiを検出する軸力センサ30は各ピストンの変位量を検出するエンコーダーの如き変位量センサに置き換えられる。
本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例1を示す概略構成図である。 図1に示されたピストンを拡大して示す正面図である。 図1に示されたピストンを拡大して示す側面図である。 実施例1に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 (A)〜(C)はそれぞれピストン16の回転角度θiが0°(標準位置)、90°、−90°であるときのロータディスク10及び摩擦材24に対するピストン16の凸部20及び押圧中心36の位置関係を示す説明図である。 実施例4に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 摩擦材の温度Tiと摩擦係数の推定値μaiとの間の関係を示すグラフである。 実施例5に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 摩擦材に対するピストンの押圧状況が一定である場合の摩擦材の摩耗状況(破線)と実施例5の場合の摩擦材の摩耗状況(一点鎖線)とを比較して示す説明図である。 実施例6に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 車輌の減速度Gbの増大率Gbdとピストンの回転角度Δθbとの間の関係を示すグラフである。 車輌が制動減速走行する場合であって、運転者の制動操作量が増大された後比較的長い時間に亘り実質的に一定に維持され、しかる後低減される場合に於ける車輌の減速度の変化を、従来の摩擦制動装置の場合(A)及び図示の実施例の場合(B)について示すグラフである。 実施例7に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例8に於ける制動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による車輌の摩擦制動装置の実施例9を示す概略構成図である。
符号の説明
10 ロータディスク
12 キャリパ
16 ピストン
24 摩擦材
26 電磁アクチュエータ
30 軸力センサ
40 電子制御装置
42 ブレーキペダル
44 ロータリーエンコーダー
46 踏力センサ
48 ストップランプスイッチ(STPSW)
50 車速センサ
52i 温度センサ
54i 磁力センサ
56 電磁アクチュエータ

Claims (13)

  1. 制動要求量を判定する手段と、車輪と共に回転する回転部材と、摩擦材と、前記摩擦材を前記回転部材に対し押圧する押圧手段と、前記制動要求量に基づき前記押圧手段の押圧量を制御する制御手段とを有する車輌の摩擦制動装置に於いて、前記押圧手段は前記摩擦材に近づく方向及び離れる方向へ往復動可能であり且つ往復動方向に沿う軸線の周りに回転可能である往復動部材を含み、前記往復動部材の前記摩擦材側の端面は前記軸線の周りに部分的に延在する凸部を有し、前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧量を制御すると共に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を制御することを特徴とする車輌の摩擦制動装置。
  2. 前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧毎に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の車輌の摩擦制動装置。
  3. 前記制御手段は前記摩擦材に対する前記往復動部材の押圧中に前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1に記載の車輌の摩擦制動装置。
  4. 前記摩擦制動装置はブレーキ鳴きを検出する手段を有し、前記制御手段はブレーキ鳴きが検出されたときには前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の摩擦制動装置。
  5. 前記制御手段は前記凸部が前記回転部材の回転中心に近づくよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の摩擦制動装置。
  6. 前記摩擦制動装置は制動トルクの変動を検出する手段を有し、前記制御手段は制動トルクの変動が大きいときには制動トルクの変動が小さいときに比して前記凸部が前記回転部材の回転中心に近い側に位置するよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を制御することを特徴とする請求項5に記載の車輌の摩擦制動装置。
  7. 車輌の制動減速走行中に於ける前記制動要求量の変化率の大きさが基準値以下の状況に於いて制動トルクの増大率が基準値以上であるときには、前記制御手段は前記凸部が前記回転部材の回転中心に近づくよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至6に記載の車輌の摩擦制動装置。
  8. 前記摩擦制動装置は前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段を有し、前記制御手段は前記摩擦材の摩擦係数の推定値が低いときには前記摩擦材の摩擦係数の推定値が高いときに比して前記凸部が前記回転部材の回転中心より離れるよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至7に記載の車輌の摩擦制動装置。
  9. 前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも前記摩擦材の温度に基づいて前記摩擦材の摩擦係数を推定することを特徴とする請求項8に記載の車輌の摩擦制動装置。
  10. 前記摩擦材の摩擦係数を推定する手段は少なくとも車速に基づいて前記摩擦材の摩擦係数を推定することを特徴とする請求項8又は9に記載の車輌の摩擦制動装置。
  11. 前記摩擦制動装置は前記摩擦材の摩擦負荷を推定する手段を有し、前記制御手段は前記摩擦材の摩擦負荷の推定値が基準値以上であるときには前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至10に記載の車輌の摩擦制動装置。
  12. 前記摩擦材の摩擦負荷を推定する手段は制動中の制動エネルギーの積算値に基づいて前記摩擦材の摩擦負荷を推定することを特徴とする請求項11に記載の車輌の摩擦制動装置。
  13. 前記制御手段は前記制動要求量の増大率が基準値以上であるときには、前記凸部が前記回転部材の回転中心より離れるよう前記軸線の周りの前記往復動部材の回転位置を変更することを特徴とする請求項1乃至12に記載の車輌の摩擦制動装置。
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