JP2001080496A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

電動ブレーキ装置

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JP2001080496A
JP2001080496A JP26416799A JP26416799A JP2001080496A JP 2001080496 A JP2001080496 A JP 2001080496A JP 26416799 A JP26416799 A JP 26416799A JP 26416799 A JP26416799 A JP 26416799A JP 2001080496 A JP2001080496 A JP 2001080496A
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deceleration
friction coefficient
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JP26416799A
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Masahiro Kubota
正博 久保田
Tadatsugu Tamamasa
忠嗣 玉正
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキパッドの摩擦係数の変化に係わらず
ブレーキペダル踏込量に応じた所定の減速度を得られる
ようにし、且つ摩擦係数の低下に伴いモータが過負荷に
なることを回避しこの摩擦係数の低下を運転者に認識さ
せる。 【解決手段】 実減速度がペダル踏込量に応じた所定の
減速度となるようにペダル踏込量とモータの駆動電流と
の対応を表す関数式のゲインを補正してこれに基づきモ
ータを駆動し、摩擦係数の変化に係わらずペダル踏込量
に応じた所定の減速度を得られるようにする。さらに、
実減速度とモータへの駆動電流とをもとに摩擦係数を推
定して保証減速度Gaを実現し得る保証モータ電流Ia
を検出し、これがモータ最大電流Imax を越えるときモ
ータ最大電流Imax の範囲内でペダル踏込量に応じてモ
ータ電流Imが変化するように関数式を補正する。よっ
て、ペダル踏込量に応じた減速度が得られなくなるから
運転者は摩擦係数の低下を認識することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動ブレーキ装
置に関し、特に、フェード現象が生じていることを運転
者に通知することの可能な電動ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、作動流体を用いた油圧ブレーキ装
置とは別に、ブレーキペダルの踏込量に応じてモータを
駆動し、このモータの回転力を用いて制動力を発生させ
る、いわゆるバイワイヤ方式の電動ブレーキ装置の開発
が進められている。このような電動ブレーキ装置の一例
としては、例えば特開平11−78841号公報に記載
されたもの等が提案されている。この公報には、ホイー
ルシリンダに対するアクチュエータ、つまりモータ毎に
ブレーキペダル操作量に応じた駆動データを駆動データ
記憶手段に記憶しておき、車体減速度検出手段で検出し
た車体の減速度とブレーキペダル操作量に応じた目標減
速度との比較結果、及び車輪毎のスリップ率と全車輪の
平均スリップ率との比較結果に基づいて、駆動データ記
憶手段に記憶した駆動データを補正しこれに基づいて車
輪毎にアクチュエータを駆動制御するようにした制動力
制御装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記実施の形態におい
ては、車体減速度検出手段で検出した車体の減速度とブ
レーキペダル操作量に応じた目標減速度との比較結果、
及び車輪毎のスリップ率と全車輪の平均スリップ率との
比較結果に基づいて、駆動データ記憶手段に記憶した駆
動データを補正することによって、ホイールシリンダの
パッドが磨耗してパッドの摩擦係数が変化した場合で
も、ブレーキペダル操作量に応じた所定の制動力を作用
させることができる。
【0004】つまり、ブレーキパッドの摩擦係数μが低
下するにつれて得られる減速度が低下するが、図15に
示すように、ブレーキペダルの踏込量が同じであるとき
には同じ減速度が得られるように、ブレーキパッドの摩
擦係数μが低下するにつれてモータ出力を増加させるよ
うにしているから、ブレーキパッドの摩擦係数μに関わ
らず、ブレーキペダルの踏込量に応じて所定の減速度、
つまり制動力を得ることができるようになっている。
【0005】そのため、例えばフェード現象が生じるこ
とによってブレーキパッドの摩擦係数μが低下した場合
にも、同様にして補正が行われるため、ブレーキペダル
の踏込量に応じた制動力が得られることになって、運転
者は違和感なく制動操作を行うことができ、すなわち、
フェード現象を認識することができない。そして、フェ
ード現象が進み、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動
力を得るために必要とするモータ出力が、モータで出力
可能な最大出力を越えると、ブレーキペダルの踏込量を
増してもモータ出力が最大出力に固定されてしまうた
め、制動力が変化しなくなる。そのため、運転者がブレ
ーキペダルの踏込量を増加させても思うような減速度を
得られず、突然ブレーキペダルの効きが悪くなって運転
者に違和感を与えることになる。また、ブレーキペダル
の踏込量に応じたモータ出力を得るように補正を行うた
め、モータの最大出力を越えた場合でもさらにモータ出
力が大きくなるように制御が行われるため、モータが過
負荷状態となるという問題がある。
【0006】そこで、この発明は上記従来の未解決の問
題点に着目してなされたものであり、モータが過負荷状
態となることを回避し、且つフェード現象の発生に応じ
てその発生状況を運転者に認識させることの可能な電動
ブレーキ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る電動ブレーキ装置は、モー
タ出力を直線変換機構を介してブレーキパッドに伝達し
このブレーキパッドをディスクロータに押圧させて制動
力を発生させるようにし、前記モータを、ブレーキペダ
ルの踏込量と予め設定した前記ブレーキペダルの踏込量
及び前記モータ出力の対応を表す駆動特性とに基づき駆
動して、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動力を発生
させるようにした電動ブレーキ装置において、車両の制
動状態が前記ブレーキペダルの踏込量に応じた所定の制
動状態となるように前記駆動特性のゲイン補正を行うと
共に、前記ブレーキパッドの摩擦係数を推定し、この摩
擦係数から特定される所定の保証減速度を確保し得る前
記モータの保証出力が前記モータの最大出力を越えると
きには、前記ブレーキペダルの使用域におけるその踏込
量の変化に応じて前記モータ出力が前記最大出力以下の
範囲内で変化するように、前記駆動特性のゲイン補正を
行うようになっていることを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明では、ブレーキペ
ダルの踏込量とこれに応じたモータの駆動量との対応を
表す駆動特性に基づいて、ブレーキペダルの踏込量に応
じたモータ駆動量が特定され、特定されたモータ駆動量
に基づいてモータが駆動されて、所定の制動力が発生さ
れる。このとき、車両の制動状態が、ブレーキペダルの
踏込量に応じた所定の制動状態となるように駆動特性に
おいてゲイン補正が行われ、ブレーキペダルの踏込量の
変化に対するモータ駆動量の変化割合が大きくなるよう
に補正され、これによって、ブレーキパッドの摩擦係数
の低下に起因する制動力の不足分が予め加算され、ブレ
ーキパッドの磨耗等による摩擦係数の低下に係わらず、
ブレーキパッドの踏込量に応じた所定の制動状態を得る
ことが可能となる。
【0009】さらに、ブレーキパッドの摩擦係数が推定
され、この推定された摩擦係数から特定される、車両の
安全面等の点から確保すべき保証減速度を実現し得るモ
ータ出力であるモータ保証出力が、モータが出力可能な
最大出力を越えるときには、ブレーキペダルの使用域に
おけるその踏込量の変化に応じて、モータ出力が前記最
大出力以下の範囲内で変化するように駆動特性のゲイン
補正が行われ、つまり、ブレーキペダルの踏込量の変化
に対するモータ駆動量の変化割合が小さくなるように補
正される。これによって、ブレーキペダルの踏込量に応
じた制動力が発生されないから、ブレーキペダルの踏込
量に応じた制動状態を得られなくなる。したがって、運
転者はブレーキペダルの効きが悪くなることから、摩擦
係数が低下していることを認識することになる。このと
き、通常のブレーキペダルの使用域の範囲内でブレーキ
ペダルの踏込量が変化したときに、その変化に応じて、
モータ最大出力の範囲内でモータ出力が変化するように
駆動特性が補正され、つまりブレーキペダルの踏込量が
最大のときにモータ最大出力となるように補正されるか
ら、モータは最大でもモータ最大出力となるように駆動
されることになり、過負荷状態となることが回避され
る。
【0010】また、発明の請求項2に係る電動ブレーキ
装置は、ディスクロータをブレーキパッドで押圧して制
動力を発生する制動力発生手段と、モータを有し、当該
モータの出力を直線変換機構を介して前記ブレーキパッ
ドに伝達し、前記モータの出力に応じて前記ブレーキパ
ッドの押圧力を変化させる押圧力可変手段と、ブレーキ
ペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込量検出手
段と、予め設定した前記ブレーキペダルの踏込量及び前
記モータの駆動量の対応を表す駆動特性に基づき、前記
ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレーキペダ
ル踏込量に応じて前記モータを駆動制御する制動力制御
手段と、を備えた電動ブレーキ装置において、車両の制
動状態を検出する制動状態検出手段と、予め設定したブ
レーキペダルの踏込量と目標制動状態との対応を表す対
応情報から特定される前記ブレーキペダル踏込量検出手
段で検出したブレーキペダルの踏込量に応じた目標制動
状態と前記制動状態検出手段で検出した制動状態との差
に応じて、前記駆動特性のゲイン補正を行う第1の補正
手段と、前記ブレーキパッドの摩擦係数を検出する摩擦
係数検出手段と、当該摩擦係数検出手段で検出した摩擦
係数をもとに、保証減速度を確保するために必要なモー
タの保証出力を検出する保証出力検出手段と、当該保証
出力検出手段で検出した保証出力が、前記モータの最大
出力を越えるとき、前記ブレーキペダルの使用域におけ
るその踏込量の変化に応じて、前記モータ出力が前記最
大出力以下の範囲内で変化するように、前記駆動特性の
ゲイン補正を行う第2の補正手段と、を備えることを特
徴としている。
【0011】この請求項2に係る発明では、ブレーキペ
ダル踏込量とこれに応じたモータの駆動量との対応を表
す駆動特性に基づいて、ブレーキペダル踏込量検出手段
で検出したブレーキペダルの踏込量に応じたモータの駆
動量が特定され、これに応じてモータが駆動されること
によって、ブレーキペダルの踏込量に応じた制動力が発
生される。このとき、制動状態検出手段によって減速度
等の車両の制動状態が検出され、この制動状態がブレー
キペダルの踏込量に応じた所定の制動状態となるよう
に、第1の補正手段によって前記駆動特性のゲイン補正
が行われ、ブレーキペダルの踏込量の変化に対するモー
タ駆動量の変化割合が大きくなるように補正され、これ
によって、ブレーキパッドの摩擦係数の低下に起因する
制動力の不足分が予め加算され、ブレーキパッドの磨耗
等による摩擦係数の低下に係わらず、ブレーキパッドの
踏込量に応じた所定の制動状態を得ることが可能とな
る。
【0012】さらに、摩擦係数検出手段によって摩擦係
数が検出され、検出された摩擦係数をもとに、予め設定
した少なくとも確保すべき保証減速度を実現するために
必要なモータ出力である保証出力が保証出力検出手段に
よって検出される。そして、この保証出力がモータで出
力可能な最大出力を越えるときには、ブレーキペダルの
通常の使用域におけるその踏込量の変化に応じて、モー
タ出力が前記最大出力以下の範囲内で変化するように、
駆動特性のゲイン補正が行われ、つまり、ブレーキペダ
ルの踏込量が最大であるときにモータ出力が最大出力と
なり、ブレーキペダルの踏込量の変化に対するモータ駆
動量の変化割合が小さくなるように調整される。
【0013】これによって、ブレーキペダルの踏込量に
応じた制動力が発生されないから、ブレーキペダルの踏
込量に応じた制動状態を得られなくなる。したがって、
運転者はブレーキペダルの効きが悪くなることから、摩
擦係数が低下していることを認識することになり、この
とき、ブレーキペダルの踏込量が最大のときに、モータ
出力がモータの最大出力を越えないように駆動特性が補
正されるから、モータがその最大出力を越えて駆動され
ることが回避され、モータが過負荷状態となることを回
避することが可能となる。
【0014】また、本発明の請求項3に係る電動ブレー
キ装置は、前記モータの温度を計測する温度検出手段
と、当該温度検出手段で検出したモータ温度に基づき前
記モータの最大出力を検出する最大出力検出手段と、を
備えることを特徴としている。この請求項3に係る発明
では、温度検出手段によってモータの温度が検出され、
検出したモータ温度に基づいてモータの最大出力が検出
される。したがって、現在のモータ温度に応じたモータ
の最大出力に応じて駆動特性の補正が行われるから、よ
り的確にモータの過負荷を回避することが可能となる。
【0015】また、本発明の請求項4に係る電動ブレー
キ装置は、前記保証出力検出手段で検出した保証出力を
実現し得るモータの駆動電流が、前記モータで連続使用
可能な連続出力電流を越えるときに警告を発する過負荷
警告手段、を備えることを特徴としている。この請求項
4に係る発明では、保証出力検出手段で検出した保証減
速度を実現し得る保証出力を得るためのモータの駆動電
流が、モータの熱定格から決定される、連続使用可能な
連続出力電流を越えるとき、つまり、モータに連続出力
電流以上の電流が供給されモータが過負荷傾向にあると
きには、過負荷警告手段によって警告が発せられ、運転
者に過負荷傾向にあることが通知される。
【0016】また、本発明の請求項5に係る電動ブレー
キ装置は、前記制動力発生手段とは別に減速させる減速
手段と、非制動時に、前記摩擦係数検出手段で検出した
最新の摩擦係数に基づく前記保証出力が前記最大出力よ
りも大きいとき、前記減速手段を制御し、前記最大出力
で前記保証減速度を実現可能な車速まで減速させる減速
制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0017】この請求項5に係る発明では、非制動時に
は、例えば摩擦係数検出手段で検出した最新の摩擦係数
を記憶しておきこれに基づき保証出力を算出する、或い
は、最新の摩擦係数に基づく保証出力を記憶しておくこ
と等によって、この最新の摩擦係数に基づく保証出力と
最大出力とを比較される。そして、保証出力が最大出力
よりも大きいときには、制動力発生手段とは別に設けた
車両を減速させる減速手段によって、例えば、エンジン
回転数を強制的に調整したり強制的にシフトダウンする
こと等によってエンジンブレーキをきかせること等によ
り、強制的に減速が行われ、最大出力で保証減速度を実
現可能な車速まで減速される。したがって、ブレーキパ
ッドの摩擦係数が低下している場合でも確実に保証減速
度を確保することが可能となる。
【0018】また、本発明の請求項6に係る電動ブレー
キ装置は、前記摩擦係数検出手段は、前記制動状態検出
手段で検出した制動状態と前記モータ出力とをもとに前
記摩擦係数を推定するようになっていることを特徴とし
ている。この請求項6に係る発明では、制動状態検出手
段で検出された制動状態とモータ出力とに基づいて、摩
擦係数が推定される。すなわち、制動状態は、モータ出
力と摩擦係数との積に比例するから、制動状態検出手段
で検出した現在の制動状態とモータ出力とから現在の摩
擦係数を推定することが可能となる。
【0019】また、本発明の請求項7に係る電動ブレー
キ装置は、前記ディスクロータの温度を検出するロータ
温度検出手段を備え、前記摩擦係数検出手段は、前記ロ
ータ温度検出手段で検出したディスクロータ温度をもと
に前記摩擦係数を推定するようになっていることを特徴
としている。この請求項7に係る発明では、ロータ温度
検出手段によってディスクロータの温度が検出され、こ
のディスクロータの温度に基づいて摩擦係数が推定され
る。すなわち、ディスクロータの温度が上昇すればブレ
ーキパッドの摩擦係数は低下するから、ディスクロータ
の温度からブレーキパッドの摩擦係数を推定することが
可能となる。
【0020】また、本発明の請求項8に係る電動ブレー
キ装置は、前記ロータ温度検出手段は、車両の走行状態
を検出する走行状態検出手段を備え、当該走行状態検出
手段で検出した走行状態に基づく前記ディスクロータの
入力エネルギ及び放熱エネルギの累積値に基づいて前記
ディスクロータ温度を推定するようになっていることを
特徴としている。
【0021】この請求項8に係る発明では、例えば、走
行時間、減速度、車速、制動時重量配分等の車両の走行
状態が走行状態検出手段によって検出され、走行状態検
出手段で検出した走行状態に基づいてディスクロータの
入力エネルギ及び放熱エネルギが算出され、その累積値
に基づいてディスクロータの温度が推定される。したが
って、ロータの温度を検出するセンサ等を設けることな
く容易にロータ温度を検出することが可能となる。
【0022】さらに、本発明の請求項9に係る電動ブレ
ーキ装置は、前記第2の補正手段が前記駆動特性を補正
したときに警告を発する低摩擦係数警告手段、を備える
ことを特徴としている。この請求項9に係る発明では、
第2の補正手段によって駆動特性が補正されたときに
は、低摩擦係数警告手段によってこれが警告されるか
ら、運転者はブレーキパッドの摩擦係数が低下している
ことを認識することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る電動ブレーキ装
置によれば、ブレーキペダルの踏込量に応じた所定の制
動状態となるように駆動特性をゲイン補正するから摩擦
係数の変化に係わらず所定の制動状態を実現することが
でき、保証減速度を実現し得るモータ保証出力がモータ
の最大出力を越えるほど摩擦係数が小さいときには、ブ
レーキペダルの使用域ではモータ出力がその最大出力を
越えないように駆動特性をゲイン補正するから、運転者
に摩擦係数が低下していることを認識させることができ
ると共に、モータが過負荷状態となることを回避するこ
とができる。
【0024】また、発明の請求項2に係る電動ブレーキ
装置によれば、ブレーキペダルの踏込量に応じた所定の
制動状態となるように第1の補正手段によって駆動特性
のゲイン補正を行うから、摩擦係数の変化に係わらず所
定の制動状態を実現することができ、保証減速度を実現
し得るモータ保証出力がモータの最大出力を越えるとほ
ど摩擦係数が小さいときには、ブレーキペダルの使用域
ではモータ出力がその最大出力を越えないように第2の
補正手段によって駆動特性のゲイン補正を行うから、運
転者に摩擦係数が低下していることを認識させることが
できると共に、モータが過負荷状態となることを回避す
ることができる。
【0025】また、本発明の請求項3に係る電動ブレー
キ装置によれば、温度検出手段によりモータ温度を検出
し、この現時点におけるモータ温度に基づきモータの最
大出力を検出するようにしたから、より的確にモータが
過負荷状態となることを回避することができる。また、
本発明の請求項4に係る電動ブレーキ装置によれば、保
証減速度を実現し得る保証出力に相当するモータの駆動
電流がモータで連続使用可能な連続出力電流を越えると
きに、過負荷警告手段によって警告を発するようにした
から、モータが過負荷傾向にあることを運転者に認識さ
せることができる。
【0026】また、本発明の請求項5に係る電動ブレー
キ装置によれば、非制動時に、摩擦係数検出手段で検出
した最新の摩擦係数に基づく保証出力が最大出力よりも
大きいときには、制動力発生手段とは別に設けられた減
速手段により、最大出力で保証減速度を実現可能な車速
まで減速させるようにしたから、ブレーキパッドの摩擦
係数が低下した場合でも確実に保証減速度を確保するこ
とができる。
【0027】また、本発明の請求項6に係る電動ブレー
キ装置によれば、制動状態検出手段で検出した制動状態
とモータ出力とに基づいて、摩擦係数を推定するから、
摩擦係数を容易に検出することができる。また、本発明
の請求項7に係る電動ブレーキ装置によれば、ロータ温
度検出手段で検出したディスクロータ温度に基づいて摩
擦係数を推定するようにしたから、摩擦係数を容易に検
出することができる。
【0028】また、本発明の請求項8に係る電動ブレー
キ装置によれば、走行状態検出手段で検出した走行状態
に基づくディスクロータの入力エネルギ及び放熱エネル
ギの累積値に基づいて、ディスクロータの温度を推定す
るようにしたから、ディスクロータの温度を検出するた
めのセンサ等を設けることなく容易にロータ温度を検出
することができる。
【0029】さらに、本発明の請求項9に係る電動ブレ
ーキ装置によれば、第2の補正手段によって駆動特性が
補正されたときには、低摩擦係数警告手段によってこれ
を警告するようにしたから、運転者にブレーキパッドの
摩擦係数が低下していることを確実に認識させることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、第1の実施の形態を説明す
る。図1は、車両に設けられる電動ブレーキ装置を模式
的に示したものであり、車両の前左輪WFL、前右輪
FR、後左輪WRL、後右輪WRR、には、それぞれこれら
車輪WFL〜WRRと一体に回転するディスクロータ1FL
RRに、その両側から一対のブレーキパッド2FL〜2RR
を押圧して制動力を発生するシリンダ機構3FL〜3RR
設けられている。
【0031】前記シリンダ機構3FL〜3RRは、回転運動
を直線運動に変換するボールねじ等の動力伝達機構(直
線変換機構)4FL〜4RRを含んで構成され、この動力伝
達機構4FL〜4RRは、例えばステッピングモータ等のモ
ータ5FL〜5RRと減速機6FL〜6RRを介して接続されて
いる。そして、モータ5FL〜5RRの出力が減速機6FL
RRで減速されて動力伝達機構4FL〜4RRに伝達され、
この動力伝達機構4FL〜4RRが回転運動を直線運動に変
換し、この直線運動によって前記ブレーキパッド2FL
RRを摺動運動させることによって、ブレーキパッド2
FL〜2RRをディスクロータ1FL〜1RRに押圧させて、制
動力を発生させるようになっている。
【0032】また、車両の適所には、スロトークセン
サ、磁歪センサ或いはストレンゲージ等のトルクセンサ
等といった図示しないブレーキペダルの踏込量を検出す
る踏力センサ11、車速を検出する車速センサ12、車
両の減速状態を検出する減速度センサ13が設けられ、
これら各センサの検出信号は、コントローラ20に出力
される。また、前記各モータ5FL〜5RRには、これらモ
ータ5FL〜5RRに供給される電流値を検出するための電
流センサ14FL〜14RRがそれぞれ設けられ、この検出
信号はコントローラ20に出力される。
【0033】前記コントローラ20は、例えばマイクロ
コンピュータ等の演算装置及び記憶装置を含んで構成さ
れ、コントローラ20では、前記各種センサからの検出
信号に基づいて、前記モータ5FL〜5RRを駆動制御し、
動力伝達機構4FL〜4RRを介して、ブレーキパッド2FL
〜2RRをディスクロータ1FL〜1RRに押圧させてブレー
キペダルの踏込量に応じた制動力を発生させ、制動力を
緩めるときには、モータ5FL〜5RRを逆回転させ、ブレ
ーキパッド2FL〜2RRをディスクロータ1FL〜1RRから
引き離すことによって、ブレーキパッド2FL〜2RRによ
るディスクロータ1FL〜1RRへの押圧力を減少させて、
制動力を緩めるようになっている。
【0034】このとき、前記モータ5FL〜5RRを、ブレ
ーキペダルの踏込量とこれに応じたモータ駆動電流との
対応を表す駆動特性と、踏力センサ11で検出したブレ
ーキペダルの踏込量とに基づいて駆動し、減速度センサ
13で検出される実減速度と、ブレーキペダルの踏込量
から特定される目標とする減速度との差に応じて前記駆
動特性を補正する。さらに、前記ブレーキパッド2FL
RRの摩擦係数μを推定し、この摩擦係数μに基づき、
予め設定した車両で確保すべき減速度である保証減速度
Gaを実現し得るモータ電流(以下、保証モータ電流I
aという。)を検出し、この保証モータ電流Iaが、モ
ータ5FL〜5RRの最大出力トルクに相当する最大モータ
電流IMAX を越えるとき、最大モータ電流Imax の範囲
内でブレーキペダルの踏込量の変化に応じて前記モータ
電流が変化するように、前記駆動特性を補正するように
なっている。
【0035】図2は、コントローラ20で実行される制
動制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートであ
って、コントローラ20では、ブレーキペダルが踏み込
まれたとき、つまり、踏力センサ11からのペダル踏込
量PSに基づき、ブレーキペダルが踏み込まれたと判定
されたときに、この制動制御処理を起動するようになっ
ている。なお、各モータ5FL〜5RRに対する処理は同一
であるので、ここでは、代表してモータ5に対する処理
について説明する。
【0036】まず、ステップS1で、モータ5を起動さ
せるための初期駆動処理を実行する。次いで、ステップ
S2に移行し、予め設定し所定の記憶領域に格納してい
る、ブレーキペダルのペダル踏込量PSとモータ5に供
給するモータ電流Imとの対応を表す例えば、関数式等
の駆動用データ(駆動特性)を、車両の減速状態に応じ
て補正する駆動用データ補正処理を実行する。
【0037】そして、ステップS3に移行して、ブレー
キパッド2の摩擦係数μを推定し、摩擦係数μが小さい
ときに駆動特性のゲイン、つまり、ブレーキペダルのペ
ダル踏込量PSの変化に対するモータ電流Imの変化の
割合が減少する方向に駆動用データを補正するフェード
補正処理を実行した後、ステップS4に移行して、ステ
ップS2又はステップS3で補正した駆動用データに基
づき、ペダル踏込量PSに応じたモータ電流Imを求
め、このモータ電流Imと、電流センサ14からの検出
信号とに基づいてモータ5を駆動制御する。そして、ス
テップS5に移行し踏力センサ11からペダル踏込量P
Sを読み込み、これを所定の記憶領域に記憶した後、ス
テップS2に戻る。以後、ブレーキペダルが開放される
まで、つまり、踏力センサ11のペダル踏込量PSに基
づいてブレーキペダルが開放されたと判定されるまで、
上記の処理を繰り返し行い、ブレーキペダルが開放され
たと判定されたときには処理を終了し、モータ5を駆動
制御して、ブレーキパッド2を予め設定された所定の初
期位置に移動させる。
【0038】なお、ステップS2又はステップS3の処
理で補正した補正後の駆動用データは、制動制御処理を
終了するとき削除するようにしてもよいし、補正後の駆
動用データを記憶しておき、次に、制動制御処理を実行
するときには補正後の駆動用データに基づいて制御処理
を行うようにし、イグニッションスイッチがオフとなっ
たときに、補正後の駆動用データを削除するようにして
もよい。
【0039】図3は、ステップS1における初期駆動処
理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この
初期駆動処理では、まずステップS11で踏力センサ1
1からのペダル踏込量PSを入力しこれを所定の記憶領
域に記憶する。次に、ステップS12に移行して、ペダ
ル踏込量PSとモータ電流Imとの対応を表す前記駆動
用データをもとに、ステップS11で読み込んだペダル
踏込量PSに応じたモータ電流Imを特定する。
【0040】この駆動用データは、ブレーキペダルの踏
込量PSと、この踏込量PSに応じた制動力を発生させ
るために必要なモータ電流Imとの対応を表す、例えば
関係式であって、例えばペダル踏込量PSの増加に応じ
てモータ電流Imが所定の傾きで増加するように設定さ
れ、つまり、図4の右半分に示すように、ペダル踏込量
PSの増加に応じてモータ出力、すなわちブレーキパッ
ド2の押圧力が増加し、制動力が増加して減速度が増加
するように設定されている。
【0041】なお、ここでは、駆動用データを、ペダル
踏込量PSとモータ電流Imとの関数としているが、こ
れに限らず、例えば、ブレーキペダルの踏込みスピー
ド、減速度、車速、横加速度等を含む関数とし、これら
を考慮してモータ電流Imを決定するようにしてもよ
い。図5は、図2のステップS2における駆動用データ
補正処理の処理手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【0042】この駆動用データ補正処理では、まず、ス
テップS21で、減速度センサ13からの減速度Gを読
み込む。次いでステップS22に移行し、予め設定した
ペダル踏込量と目標減速度との対応を表す対応情報をも
とに、所定の記憶領域に格納している前回のペダル踏込
量PSに相当する目標減速度を求め、次いで、ステップ
S23に移行して、目標減速度と、ステップS21で読
み込んだ実減速度Gとが一致するように、前記駆動用デ
ータとしての関数式を補正する。この補正は、例えば、
目標減速度と実減速度Gとの差に基づいて、予め設定し
た補正時の関数式に基づいて、ゲイン補正を行う。これ
により、駆動用データ補正処理が終了する。
【0043】図6は、図2のステップS3におけるフェ
ード補正処理の処理手順の一例を示すフローチャートで
ある。このフェード補正処理では、まず、ステップS3
1でブレーキパッド2の摩擦係数μを推定する。この摩
擦係数μの推定は次のように行う。つまり、モータの出
力トルクは、モータ電流Imに比例し、このモータの出
力トルクは、動力伝達機構4によって、ブレーキパッド
2をディスクロータ1に押し付ける押圧力Fpに変換さ
れる。ここで、ブレーキパッド2の摩擦係数をμ、減速
度をG、シリンダ機構3により発生する制動力をFbと
すると、これらの間には、次式(1)が成立する。な
お、式中のA、Bは、車両やユニットの形式で決定され
る定数である。
【0044】 G∝Fb∝A・μ・Fp∝A・B・μ・Im ……(1) したがって、前記(1)式と、減速度センサ13からの
減速度と、前回算出時のモータ電流Imとから前記摩擦
係数μを推定することが可能となる。このようにして、
摩擦係数μを推定すると、次にステップS32に移行
し、保証減速度Gaを実現し得る保証モータ電流Iaを
特定する。つまり、前記(1)式と、保証減速度Gaと
ステップS31で推定した摩擦係数μとをもとに、モー
タ電流Im(Ia)を推定する。前記保証減速度Ga
は、車両としていかなる状況であっても確保すべき減速
度であって、予め設定された値である。
【0045】次いで、ステップS33に移行し、ステッ
プS32で検出した保証モータ電流Iaと、モータ5で
出力可能な最大トルクに相当する最大モータ電流Imax
とを比較し、保証モータ電流Iaがモータ最大電流Ima
x よりも大きくないときにはそのままフェード補正処理
を終了し、保証モータ電流Iaがモータ最大電流Imax
よりも大きいときには、ステップS34に移行する。
【0046】このステップS34では、ブレーキペダル
の通常の使用域内でモータ電流Imがモータ最大電流I
max の範囲で変化するように関数式のゲインを補正す
る。つまり、ブレーキペダルの踏込量が最大のときにモ
ータ最大電流Imax となり、ペダル踏込量の変化に応じ
てモータ最大電流Imax の範囲内でモータ電流Imが変
化するように関数式のゲインを補正する。そして、フェ
ード補正処理を終了する。
【0047】なお、前記ブレーキペダルの使用域、つま
り、ブレーキペダルの踏込量の最大値は、予め実験等に
よって検出してもよく、また、運転者個々の踏込量を操
作中に記録し、その最大値を用いるようにしてもよい。
ここで、ディスクロータ1FL〜1RR及びブレーキパッド
FL〜2RRが制動力発生手段に対応し、動力伝達機構4
FL〜4RR、モータ5FLRR及び減速機6FL〜6 RRが押圧
力可変手段に対応し、踏力センサ11がブレーキペダル
踏込量検出手段に対応し、コントローラ20が制動力制
御手段に対応し、減速度センサ13が制動状態検出手段
に対応し、図2のステップS2の処理が第1の補正手段
に対応し、図6のステップS31の処理が摩擦係数検出
手段に対応し、ステップS32の処理が保証出力検出手
段に対応し、ステップS33及びステップS34の処理
が第2の補正手段に対応している。
【0048】次に、上記第1の実施の形態の動作を説明
する。ブレーキペダルを開放して走行している状態で
は、踏力センサ11で検出されるペダル踏込量PSが小
さくブレーキペダルが踏み込まれたと判定されないか
ら、図2の制動制御処理は起動されず、よって、モータ
5の駆動も行われない。この状態から、ブレーキペダル
が踏み込まれると、踏力センサ11で検出されるペダル
踏込量PSが大きくなり、これに基づいてブレーキペダ
ルが踏み込まれたと判定されるから、図2の制動制御処
理が起動される。そして、まず、所定の記憶領域に格納
している駆動用データとしての関数式に基づいて踏力セ
ンサ11からのペダル踏込量に応じたモータ電流が決定
され(ステップS11、ステップS12)、これに基づ
いてモータ5が駆動される(ステップS13)。これに
よって、モータ5の出力トルクが減速機6を介して動力
伝達機構4に伝達され、モータ5の回転運動が動力伝達
機構4で直線運動に変換されてブレーキパッド2が駆動
され、このブレーキパッド2がディスクロータ1に押圧
されて、ペダル踏込量PSに応じた制動力が発生する。
【0049】これによって車両が減速すると、この減速
状態が、減速度センサ13で検出され(ステップS2
1)、この減速度センサ13で検出した実際の減速度G
と、ステップS11で読み込んだペダル踏込量PSに相
当する目標減速度とが比較され、これらが一致するよう
に、これらの差に基づいて駆動用データの関数式の補正
が行われる(ステップS22、S23)。
【0050】つまり、ブレーキパッド2の磨耗、或いは
車両のおかれた環境温度の変化等によってブレーキパッ
ド2の摩擦係数μが低下すると、これに伴って発生し得
る制動力が低下し、ブレーキペダルの踏込量に応じた制
動力、減速度を得ることができなくなる。しかしなが
ら、実減速度とブレーキペダルの踏込量に応じた目標減
速度とを比較し、目標減速度を得られるように関係式を
補正しているから、摩擦係数μの変化に伴う減速度の変
化に関わらず、常にブレーキペダルの踏込量に応じた減
速度が得られることになる。
【0051】そして、フェード現象がおきていない場合
には、ステップS31で算出されるブレーキパッド2の
摩擦係数μの変化が小さく、この摩擦係数μに基づいて
推定される、保証減速度Ga相当の保証モータ電流Ia
は、モータ最大電流Imax よりも小さいから(ステップ
S33)、補正は行われない。このため、ブレーキペダ
ルの踏込量PSに応じた所定の目標減速度を得られるよ
うに補正された関数式に基づいて、モータ5が駆動制御
され、これによって、ブレーキペダルの踏込量PSに応
じた減速状態となる。
【0052】図4において、左半分は、減速度とこの減
速度を得るために必要とするモータ出力との関係を示し
たものであり、モータの出力トルクが同じでも、摩擦係
数μが低下するにつれて発生される制動力が低下するた
め、実現し得る減速度は小さくなる。前記ステップS2
の処理では、実減速度と目標減速度とが一致するように
関数式を補正しているから、ペダル踏込量が一定であっ
ても、μが低下するにつれてモータ出力が大きくなるよ
うに補正される。したがって、ブレーキパッド2の磨耗
や、温度環境の変化等に伴う摩擦係数μの変化に関わら
ずブレーキペダルの踏込量PSに応じた減速度が得られ
ることになる。
【0053】そして、この状態からブレーキペダルの踏
込みが緩められると、これに伴ってモータ5が逆回転さ
れ、ブレーキパッド2がディスクロータ1から引き離さ
れて制動力が減少し、ブレーキペダルが開放されると、
制動制御処理は終了され、モータ5が駆動制御されてブ
レーキパッド2は初期位置に戻される。そして、車両が
加速され、高速走行時にブレーキペダルを踏み込むこと
等によって、フェード現象が発生すると、ブレーキパッ
ド2の摩擦係数μは著しく低下する。これに伴って図2
のステップS2の処理で実減速度と目標減速度とが一致
するように関数式の補正が行われると、図4の右半分に
破線で示すように、関数式のゲインが大きくなり、ペダ
ル踏込量によっては、ペダル踏込量に応じた減速度を得
るために必要とするモータ出力が、モータ5で出力可能
な最大モータ出力を越える場合がある。
【0054】このとき、図2のステップS3のフェード
補正処理において、モータ5に供給されるモータ電流I
mと減速度センサ13からの実減速度Gとに基づいて現
在の摩擦係数μを推定し(ステップS31)、この摩擦
係数μと確保すべき保証減速度Gaとから、現在の摩擦
係数μにおいて、保証減速度Gaを確保するのに必要と
するモータ出力を得ることの可能な保証モータ電流Ia
を算出する(ステップS32)。そして、この保証モー
タ電流Iaが最大モータ電流Imax よりも大きいときに
は、ブレーキペダルの踏込量PSが最大のときに、最大
モータ電流Imax となり、最大モータ電流Imax の範囲
内でペダル踏込量PSの変化に応じてモータ電流Imが
変化するように、駆動用データとしての関数式がゲイン
補正される(ステップS34)。つまり、図4の右半分
に示すように、摩擦係数μが低下し、保証減速度Gaを
確保するために必要とするモータ出力が、モータ最大出
力を越えるときには、最大モータ電流Imax の範囲内
で、ブレーキペダルの踏込量PSの変化に応じてモータ
電流Imが変化するように、関数式のゲインが小さく補
正される。
【0055】したがって、フェード現象が生じていると
きには、ペダル踏込量に応じてモータ電流Imが増加し
モータ出力が変化するため、ペダル踏込量に応じて減速
度が変化するが、図6のステップS34の処理で関数式
のゲイン補正が行われるため、目標減速度を得るために
必要とするモータ出力を発生させることができない。そ
のため、フェード現象が生じていない場合に比較して充
分な減速度を得ることができないから、ブレーキペダル
の踏込量の割りには充分な減速度を得ることができなく
なり、従来の油圧式のブレーキシステムにおけるフェー
ド現象発生時と同等の状況となることから、運転者はフ
ェード現象が生じていることを容易に認識することがで
き、フェード現象に対する対処を行うことができる。
【0056】また、このとき、フェード補正処理では、
保証減速度Gaに相当する保証モータ電流Iaが最大モ
ータ電流Imax を越えるときに、関数式の補正を行うよ
うにしたから、ブレーキペダルの踏込量に応じたモータ
出力を実現できなくなる以前に補正を行うことができ、
ブレーキペダルを踏み込んでいる途中に、突然減速度が
変化しなくなるようなことはなく、運転者に違和感を与
えることを回避することができる。
【0057】また、フェード補正処理によって、ブレー
キペダルの踏込量の変化に応じて最大モータ電流Imax
内でモータ電流Imが変化するように補正したから、モ
ータ5が過負荷状態となることを回避することができ
る。なお、上記実施の形態においては、減速度センサ1
3で検出した減速度Gaに基づいて摩擦係数μを検出す
るようにした場合について説明したが、これに限らず、
例えば、ブレーキパッド2の押圧力を検出するセンサを
設け、この検出値に基づいて摩擦係数μを算出するよう
にしてもよい。
【0058】また,減速度センサ13で検出した減速度
が目標減速度と一致するかどうかに基づいて関数式を補
正するようにした場合について説明したが、例えばブレ
ーキキャリパに制動力センサを設け、この制動力センサ
の検出値が、予め設定したブレーキペダルの踏込量に応
じた目標制動力と一致するように関数式を補正するよう
にしてもよい。
【0059】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。この第2の実施の形態は、図7に示すように、図1
に示す第1の実施の形態における概略構成図において、
各モータ5FL〜5RRのそれぞれにモータ5FL〜5RRの温
度を計測するモータ温度センサ(温度検出手段)15FL
〜15RRを設けられ、このモータ温度センサ15FL〜1
RRの検出信号はコントローラ20に出力されるように
なっている。また、ダッシュパネル等の運転者の見やす
い位置に警告灯16が設けられ、この警告灯16はコン
トローラ20によって制御されるようになっている。
【0060】そして、第2の実施の形態における制動制
御処理では、図2のステップS3におけるフェード補正
処理を、図8に示す手順で行うようになっている。な
お、図8において、第1の実施の形態におけるフェード
補正処理における処理と同一部には、同一符号を付与
し、その詳細な説明は省略する。すなわち、第2の実施
の形態におけるフェード補正処理では、まず、ステップ
S31で、減速度センサ13からの実減速度Gと、電流
センサ14からのモータ電流Imと前記式(1)とか
ら、ブレーキパッド2の摩擦係数μを推定する。次い
で、ステップS32に移行し、推定した摩擦係数μと保
証減速度Gaと前記(1)式とをもとに、保証減速度G
a実現し得るモータ出力に応じたモータ電流Iaを算出
する。
【0061】次いで、ステップS41に移行し、モータ
温度センサ15からのモータ温度Tを読み込んだ後、ス
テップS42に移行し、このモータ温度Tをもとに、例
えば図9に示す、モータ温度とモータ駆動時間とモータ
最大電流との対応を表す特性図から現時点におけるモー
タ最大電流Imax を検出する(最大出力検出手段)。前
記モータ駆動時間は、走行中の車両を保証減速度で停止
させる場合の、停止するまでに要する減速時間であっ
て、モータ駆動時間tは、現在の車速V(車速センサ1
2の検出車速)と保証減速度Gaとをもとに、次式
(2)から算出される。
【0062】 t=V/Ga ……(2) そして、前記特性図は、図9に示すように、モータ温度
Tが上昇するほど、モータの最大出力時のモータ電流で
あるモータ最大電流Imax は減少し、また、モータ駆動
時間が長くなるほど、モータ最大電流Imax は減少する
ようになっている。
【0063】次いで、ステップS43に移行し、モータ
連続出力電流Icon が保証モータ電流Iaより小さいか
どうか(Icon <Ia)を判定し、Icon <Iaでない
場合には、そのままフェード補正処理を終了し、Icon
<Iaである場合には、ステップS44に移行し、警告
灯16を点滅させる(過負荷警告手段)。ここで、前記
モータ連続出力電流Icon は、モータ5の熱定格で決ま
る連続使用可能なモータ電流値であって、予めモータ5
の熱定格によって設定される。モータ連続出力電流Ico
n を越える電流が流れるということは、モータ駆動中に
モータ温度がモータの上限温度を越える可能性があり、
上限温度以上になるとモータ出力の低下に起因する制動
力不足やモータ劣化を引き起こす可能性があることを意
味している。そのため、ステップS44の処理におい
て、警告灯16を点滅させ、これを運転者に通知するよ
うにしている。
【0064】そして、ステップS44で警告灯16を点
滅させると次にステップS33に移行し、上記ステップ
S42で検出した最大モータ電流Imax と保証モータ電
流Iaとを比較し、Imax <Iaでないときにはそのま
ま処理を終了し、Imax <Iaであるときにはステップ
S34に移行し、上記第1の実施の形態と同様にして駆
動用データを補正した後、ステップS45に移行し、警
告灯16を点灯させた後、フェード補正処理を終了す
る。
【0065】次に、上記第2の実施の形態の動作を説明
する。ブレーキペダルが踏み込まれると、踏力センサ1
1からのペダル踏込量PSに応じたモータ電流Imが決
定され(ステップS11、ステップS12)、これに基
づいてモータ5が駆動される(ステップS13)。そし
て、ペダル踏込量PSに応じた制動力が発生し車両が減
速すると、この減速状態が、減速度センサ13で検出さ
れ(ステップS21)、この減速度センサ13で検出し
た実際の減速度Gと、ステップS11で読み込んだペダ
ル踏込量PSに相当する目標減速度とが比較され、これ
らが一致するように、駆動用データの関数式の補正が行
われる(ステップS22、S23)。
【0066】続いて、フェード補正処理が実行され(ス
テップS3)、モータ5に供給されるモータ電流Imと
減速度センサ13からの実減速度Gとに基づいて現在の
摩擦係数μが推定され(ステップS31)、この摩擦係
数μと確保すべき保証減速度Gaとから、現在の摩擦係
数μにおいて、保証減速度Gaを確保するのに必要とす
るモータ出力を得ることの可能な保証モータ電流Iaを
算出される(ステップS32)。
【0067】そして、モータ温度センサ15からのモー
タ温度が読み込まれる(ステップS41)。そして、こ
の時点における車速Vと保証減速度Gaとをもとに、モ
ータ駆動時間t(=V/Ga)を求め、求めたモータ駆
動時間tをもとに、図9の特性図からモータ温度センサ
15からのモータ温度Tに対応するモータ最大電流Ima
x を求める(ステップS42)。
【0068】そして、モータ5の熱定格で決定されるモ
ータ連続出力電流(Icon )が保証モータ電流Iaより
小さいかどうか(Icon <Ia)が判定される。このと
き、摩擦係数μが比較的大きいときには、前記(1)式
から、保証モータ電流Iaは比較的小さな値に設定さ
れ、モータ連続出力電流Icon よりも小さいから、関数
式の補正は行われず、ステップS2の駆動用データ補正
処理によって補正された関数式に基づいて、踏力センサ
11からのペダル踏込量に応じたモータ電流Iaが特定
される。そしてこれに基づいてモータ5が駆動制御され
るから、ペダル踏込量に応じた制動力が発生されること
になる。
【0069】この状態から、ブレーキパッド2の磨耗或
いはフェード現象の初期状態等によって、摩擦係数μが
低下すると(ステップS31)、ステップS32で算出
される、保証減速度相当の保証モータ電流Iaが増加す
る。そして、この保証モータ電流Iaがモータ連続出力
電流Icon を越えると、ステップS43からステップS
44に移行して、ダッシュパネル等に設けられた警告灯
16が点滅される。つまり、保証モータ電流Iaがモー
タ連続出力電流Icon を越えるということは、ブレーキ
ペダルの踏込量によっては、モータ5にモータ連続出力
電流Icon を越える電流が流れるということである。す
なわち、モータ駆動中にモータ温度がモータの上限温度
を越える可能性があり、上限温度以上になるとモータ出
力の低下に起因する制動力不足やモータ劣化を引き起こ
す可能性があることになる。
【0070】しかしながら、この時点で、警告灯16が
点滅されるから、運転者は警告灯16が点滅することに
よって、摩擦係数μが低下し、制動力不足等を引き起こ
す可能性があり、過負荷傾向にあることを認識すること
ができ、例えば加速をひかえる等の対処を行うことによ
り、モータ5の出力特性の変化に対処することができ
る。
【0071】そして、この状態でさらに高速走行中に制
動操作を行う等により、フェード現象が発生した場合等
には、摩擦係数μが著しく低下し、これに伴って、ステ
ップS32で算出される保証モータ電流Iaが増大す
る。そして、保証モータ電流Iaがモータ連続出力電流
Icon を越えさらに、最大モータ電流Imax を越える
と、ステップS43、S44,S33を経てステップS
34に移行するから、上記第1の実施の形態と同様にし
て、最大モータ電流Imax の範囲内で、ブレーキペダル
のペダル踏込量PSの変化に応じてモータ電流Imが変
化するように、関数式のゲイン補正が行われる(ステッ
プS34)。そして、さらに、ステップS45で警告灯
16が点灯される。これによって、運転者は、摩擦係数
μが著しく低下し、つまり、フェード現象が生じたこと
を認識することができる。
【0072】つまり、図10に示すように、摩擦係数μ
が比較的大きいときには、実減速度と目標減速度とが一
致するように、関数式のゲインを逐次補正するから、摩
擦係数μに関わらず、ペダル踏込量に応じた減速度を得
ることができる。そして、摩擦係数μが低下し、保証モ
ータ電流Iaがモータ連続出力電流Icon を越え、例え
ば図10のμ中時のゲインを表す特性線に示すように、
そのとり得るモータ出力がモータ連続出力電流Icon に
応じたモータ連続出力を越えるときには、モータ5の出
力低下等により制動力低下が生じる可能性があるとして
警告灯16を点滅させる。
【0073】このとき、ペダル踏込量に応じた制動力が
発生されるから、摩擦係数μの変化に係わらず、ペダル
踏込量に応じた減速度を得ることができる。そして、さ
らに摩擦係数μが低下し、モータ保証出力がモータ最大
出力を越えるときには、最大モータ電流Imax の範囲内
で、ペダル踏込量PSの変化に応じてモータ電流Imが
変化するように関数式のゲインを補正する。
【0074】したがって、この時点からペダル踏込量に
応じた制動力が発生されなくなり、減速度が思うように
得られなくなることから、運転者はフェード現象が生じ
ていることを認識することができる。したがって、この
場合も上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得るこ
とができると共に、保証モータ電流Iaがモータ連続出
力電流Icon を越えるときには、警告灯16を点滅させ
運転者に通知するから、運転者に摩擦係数μが低下し過
負荷傾向にあることを認識させ、注意を促すことができ
る。
【0075】また、フェード現象が生じたときには警告
灯16を点灯させるようにしたから、運転者にこれを確
実に認識させることができる。なお、上記第2の実施の
形態においては、警告灯16を設け、これを点滅或いは
点灯させることによって運転者に対して視覚的に警告を
発するようにした場合について説明したが、警告灯16
に代えて警報音を発生する警報発生装置を設け、警報音
によって運転者に通知するようにしてもよい。
【0076】また、上記第1の実施の形態においても、
ダッシュパネル等に警告灯16を設けておき、保証モー
タ電流Iaがモータ最大出力電流Imax よりも大きいと
きに、この警告灯16を点灯させるようにすることも可
能であり、このようにすることにより、フェード現象が
生じていることを確実に運転者に認識させることができ
る。
【0077】なお、上記第1及び第2の実施の形態にお
いては、減速度Gとモータ電流Imとに基づいて摩擦係
数μを算出するようにした場合について説明したが、デ
ィスクロータ1の温度を検出するディスクロータ温度セ
ンサ(ロータ温度検出手段)を設け、このディスクロー
タ温度センサで検出したディスクロータ1の温度から摩
擦係数μを推定するようにしてもよい。
【0078】つまり、ディスクロータ1の温度とブレー
キパッド2の摩擦係数μとは一意に対応するから、予め
実験等によって図11の左半分に示すような特性図を設
定しておき、この特性図をもとに、ディスクロータ温度
センサで検出したディスクロータ1の温度に対応する摩
擦係数μを特定し、これをブレーキパッド2の摩擦係数
として用いるようにしてもよい。
【0079】また、走行中のディスクロータ1の温度
は、車両の走行状態、つまり、車両重量、減速度、車
速、制動時重量配分等に基づき、ディスクロータ1への
入力エネルギ及び出力エネルギを算出し、これらを累計
することによって推測することが可能である。そして、
このようにして推測したディスクロータ1の温度は、図
11の右半分に示すように、実際のディスクロータ1の
温度とほぼ一致する。したがって、前述のような車両の
走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、これで検
出した車両の走行状態に基づいてディスクロータ1への
入力及び出力エネルギを累計し、ディスクロータの温度
を推定するようにしてもよい。
【0080】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。この第3の実施の形態は、制動時には摩擦係数μの
変化に応じて所定の減速度を得られるように関数式の補
正を行い、非制動時には摩擦係数μの大きさに応じて保
証減速度Gaを得られる車速となるように減速制御を行
うようにしたものである。制動時における制動制御処理
の処理手順は上記第1又は第2における制動制御処理と
同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0081】図12は、第3の実施の形態における電動
ブレーキ装置の概略構成図であって、図7に示す第2の
実施の形態における電動ブレーキ装置の概略構成図にお
いて、さらに減速装置(減速手段)17が設けられてい
る。そして、コントローラ20では、踏力センサ11か
らのペダル踏込量PSに基づいてブレーキペダルが踏み
込まれていると判定される制動時には、上記第1又は第
2の実施の形態と同様に制動制御処理を実行する。一
方、ブレーキペダルが踏み込まれていないと判定される
非制動時には、図13に示す減速制御処理(減速制御手
段)を実行し、保証減速度Gaを確保し得る車速となる
まで、減速装置17を制御して、減速する。
【0082】この減速制御処理は、非制動中に例えば所
定周期で実行され、まず、ステップS51で、制動制御
処理で求めた最新の摩擦係数μを読み込む。この摩擦係
数μは、制動制御処理において処理終了時に、検出した
最新の摩擦係数μを所定の記憶領域に記憶するようにし
ておき、この所定の記憶領域に記憶した摩擦係数μを読
み出す。
【0083】次いで、ステップS52に移行し、この摩
擦係数μと、保証減速度Gaとをもとに上記(1)式に
したがって、保証モータ電流Iaを算出する。そして、
ステップS53に移行し、モータ温度センサ15からの
モータ温度Tを読み込み、次いで、ステップS54で、
現在の車速Vと保証減速度Gaとから求めたモータ駆動
時間tと、ステップS53で読み込んだモータ温度Tと
をもとに、前記図9の特性図からモータ最大電流Imax
を検出する。
【0084】次いで、ステップS55に移行して、保証
モータ電流Iaがモータ連続出力電流Icon より大きい
かどうかを判定し(Icon <Ia)、Icon <Iaでな
いときにはそのまま処理を終了する。一方、ステップS
55でIcon <Iaであるときには、ステップS56に
移行し、警告灯16を点滅させる。そして、ステップS
57に移行し、保証モータ電流Iaが最大モータ電流I
max よりも大きいかどうか(Imax <Ia)を判定し、
Imax <Iaでないときにはそのまま処理を終了する。
そして、Imax <IaであるときにはステップS58に
移行し減速処理い、次いで、ステップS59に移行して
警告灯16を点灯させた後(低摩擦係数警告手段)、メ
インプログラムに戻る。
【0085】前記減速処理は、減速装置17を制御して
減速を行う処理であって、例えば、強制的にシフトダウ
ンを行う、フューエルカットを行う、エンジンの制御を
行うエンジンコントローラとの協調制御を行いながらエ
ンジン回転数を低下させる等を行うことによってエンジ
ンブレーキを用いて減速を行う。なお、電気自動車であ
る場合には回生制動を使用して減速を行うようにしても
よい。
【0086】そして、例えば図14に示す、特性図に基
づいて目標車速V* を決定し、車速Vが目標車速V*
なるように減速制御を行う。前記図14の特性図は、モ
ータ温度Tとモータ最大電流Imax と目標車速V*との
対応を表したものであって、モータ温度Tが上昇するほ
ど目標車速V* は小さくなり、また、モータ最大電流I
max が大きくなるほど目標車速V* は小さくなるように
設定される。
【0087】つまり、モータ温度Tはモータ連続出力電
流Icon 以上の電流値で駆動すると、ある時間が経過し
た時点でモータの上限温度に達し、それ以上はモータを
駆動することができなくなる。このとき、駆動開始時点
の温度が高いほど、モータ駆動可能時間は短くなり、ま
た、モータ駆動電流が大きいほどモータ駆動可能時間は
短くなる。すなわち、モータ温度が上昇するほどモータ
駆動可能時間は短くなり、また、モータ駆動可能時間は
モータ最大電流Imax が大きいほど短くなる。したがっ
て、現時点におけるモータ最大電流Imax で、保証減速
度Gaで停止可能な車速Vにまで減速すれば、保証減速
度Gaを確保することができることになる。
【0088】次に、上記第3の実施の形態の動作を説明
する。車両が走行している状態でブレーキペダルが踏み
込まれると、上記第1又は第2の実施の形態と同様にし
て、制動制御処理が行われ、踏力センサ11からのペダ
ル踏込量に応じたモータ電流が決定され(ステップS1
1、ステップS12)、これに基づいてモータ5が駆動
される(ステップS13)。そして、ペダル踏込量PS
に応じた制動力が発生し、車両が減速するとこの減速状
態が減速度センサ13で検出され(ステップS21)、
この減速度センサ13で検出した実際の減速度Gと、ス
テップS11で読み込んだペダル踏込量PSに相当する
目標減速度とが比較され、これらが一致するように、駆
動用データの関数式の補正が行われる(ステップS2
2、S23)。
【0089】続いて、フェード補正処理が実行され(ス
テップS3)、例えば上記第2の実施の形態と同様にし
て、モータ5に供給されるモータ電流Imと減速度セン
サ13からの実減速度Gとに基づいて現在の摩擦係数μ
が推定され(ステップS31)、この摩擦係数μと確保
すべき保証減速度Gaとから、保証モータ電流Iaが算
出される(ステップS32)。
【0090】そして、モータ温度センサ15からのモー
タ温度が読み込まれ(ステップS41)、この時点にお
ける車速Vと保証減速度Gaとをもとに、モータ駆動時
間t(=V/Ga)が求められ、このモータ駆動時間t
と、図9の特性図とからモータ温度Tに対応するモータ
最大電流Imax が求められる(ステップS42)。そし
て、保証モータ電流Iaがモータ5の熱定格で決定され
るモータ連続出力電流Icon を越えると、ダッシュボー
ド等に設けられた警告灯16が点滅され、さらに、保証
モータ電流Iaが最大モータ電流Imax を越えると、最
大モータ電流Imax の範囲内で、ブレーキペダルのペダ
ル踏込量PSの変化に応じてモータ電流Imが変化する
ように、駆動用データとしての関数式がゲイン補正され
(ステップS34)、さらに、警告灯16が点灯され
る。
【0091】そして、この状態からブレーキペダルが開
放されると、制動制御処理が終了され、モータ5が逆回
転されてブレーキパッド2が所定の初期位置に引き戻さ
れる。そして、制動制御処理に代わって図13の減速制
御処理が実行され、制動制御処理において記憶した制動
制御処理終了時の摩擦係数μが読み込まれこれに基づき
保証モータ電流Iaが算出される(ステップS51、S
52)。
【0092】さらに、モータ温度センサ15からモータ
温度が読み込まれ、現在の車速Vと保証減速度Gaとか
ら求めたモータ駆動時間tと、モータ温度Tとをもと
に、前記図9の特性図から現時点におけるモータ最大電
流Imax が検出される(ステップS53、S54)。そ
して、モータ最大電流Imax がモータ連続出力電流Ico
n を越えていれば、ステップS55からS56に移行し
て警告灯16を点滅させて摩擦係数μが比較的小さく過
負荷傾向にあることを運転者に認識させ、さらに、モー
タ最大電流Imax が保証モータ電流Iaを越えていると
きには、ステップS57からS58に移行して、減速処
理を行い警告灯16を点灯させる。つまり、現在のモー
タ最大電流Imax とモータ温度Tとをもとに前記図14
から目標車速V* を検出し、これに基づき減速装置17
を制御し、強制的にシフトダウンを行う、フューエルカ
ットを行う、エンジンの制御を行うエンジンコントロー
ラとの協調制御を行いながらエンジン回転数を低下させ
る等を行って、車速Vが目標車速V* となるように減速
制御を行う。
【0093】したがって、摩擦係数μが小さくフェード
現象が生じているとみなされるときには、車速Vが、保
証減速度Gaを確保することの可能な目標車速V* とな
るように制限しているから、この状態からブレーキペダ
ルを踏み込んだ場合でも、保証減速度Gaを確保するこ
とができ、摩擦係数μが低下している場合でも、ブレー
キの効きが悪くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概略構成図で
ある。
【図2】制動制御処理の処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図3】図2の初期駆動処理の処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図4】第1の実施の形態の動作説明に供する説明図で
ある。
【図5】図2の駆動用データ補正処理の処理手順の一例
を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態における、図2のフェード補
正処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態を示す概略構成図である。
【図8】第2の実施の形態における、図2のフェード補
正処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】モータ温度とモータ駆動時間とモータ最大電流
との対応を表す特性図である。
【図10】第2の実施の形態の動作説明に供する説明図
である。
【図11】演算により検出したディスクロータの温度の
精度及び、ディスクロータの温度とブレーキパッドの摩
擦係数μとの対応を表す特性図である。
【図12】第3の実施の形態を示す概略構成図である。
【図13】減速制御処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図14】モータ温度とモータ最大電流と目標車速との
対応を表す特性図である。
【図15】従来の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
FL〜1RR ディスクロータ 2FL〜2RR ブレーキパッド 3FL〜3RR シリンダ機構 4FL〜4RR 動力伝達機構 5FL〜5RR モータ 6FL〜6RR 減速機 11 踏力センサ 12 車速センサ 13 減速度センサ 14FL〜14RR 電流センサ 15FL〜15RR モータ温度センサ 16 警告灯 17 減速装置 20 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D046 BB01 CC06 HH00 HH02 HH15 HH22 HH26 HH51 LL00 LL02 LL14 MM08 3D048 BB01 BB43 CC49 HH18 HH58 HH66 RR00 RR02 RR13 RR25 RR35 3J058 AA41 BA34 CC15 CC63 DB18 DB20 DB25 DB27 FA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ出力を直線変換機構を介してブレ
    ーキパッドに伝達しこのブレーキパッドをディスクロー
    タに押圧させて制動力を発生させるようにし、前記モー
    タを、ブレーキペダルの踏込量と予め設定した前記ブレ
    ーキペダルの踏込量及び前記モータ出力の対応を表す駆
    動特性とに基づき駆動して、ブレーキペダルの踏込量に
    応じた制動力を発生させるようにした電動ブレーキ装置
    において、 車両の制動状態が前記ブレーキペダルの踏込量に応じた
    所定の制動状態となるように前記駆動特性のゲイン補正
    を行うと共に、前記ブレーキパッドの摩擦係数を推定
    し、この摩擦係数から特定される所定の保証減速度を確
    保し得る前記モータの保証出力が前記モータの最大出力
    を越えるときには、前記ブレーキペダルの使用域におけ
    るその踏込量の変化に応じて前記モータ出力が前記最大
    出力以下の範囲内で変化するように、前記駆動特性のゲ
    イン補正を行うようになっていることを特徴とする電動
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 ディスクロータをブレーキパッドで押圧
    して制動力を発生する制動力発生手段と、モータを有
    し、当該モータの出力を直線変換機構を介して前記ブレ
    ーキパッドに伝達し、前記モータの出力に応じて前記ブ
    レーキパッドの押圧力を変化させる押圧力可変手段と、
    ブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキペダル踏込
    量検出手段と、予め設定した前記ブレーキペダルの踏込
    量及び前記モータの駆動量の対応を表す駆動特性に基づ
    き、前記ブレーキペダル踏込量検出手段で検出したブレ
    ーキペダル踏込量に応じて前記モータを駆動制御する制
    動力制御手段と、を備えた電動ブレーキ装置において、 車両の制動状態を検出する制動状態検出手段と、 予め設定したブレーキペダルの踏込量と目標制動状態と
    の対応を表す対応情報から特定される前記ブレーキペダ
    ル踏込量検出手段で検出したブレーキペダルの踏込量に
    応じた目標制動状態と前記制動状態検出手段で検出した
    制動状態との差に応じて、前記駆動特性のゲイン補正を
    行う第1の補正手段と、 前記ブレーキパッドの摩擦係数を検出する摩擦係数検出
    手段と、 当該摩擦係数検出手段で検出した摩擦係数をもとに、保
    証減速度を確保するために必要なモータの保証出力を検
    出する保証出力検出手段と、 当該保証出力検出手段で検出した保証出力が、前記モー
    タの最大出力を越えるとき、前記ブレーキペダルの使用
    域におけるその踏込量の変化に応じて、前記モータ出力
    が前記最大出力以下の範囲内で変化するように、前記駆
    動特性のゲイン補正を行う第2の補正手段と、を備える
    ことを特徴とする電動ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記モータの温度を計測する温度検出手
    段と、当該温度検出手段で検出したモータ温度に基づき
    前記モータの最大出力を検出する最大出力検出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2記載の電動ブレーキ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記保証出力検出手段で検出した保証出
    力を実現し得るモータの駆動電流が、前記モータで連続
    使用可能な連続出力電流を越えるときに警告を発する過
    負荷警告手段、を備えることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の電動ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記制動力発生手段とは別に減速させる
    減速手段と、非制動時に、前記摩擦係数検出手段で検出
    した最新の摩擦係数に基づく前記保証出力が前記最大出
    力よりも大きいとき、前記減速手段を制御し、前記最大
    出力で前記保証減速度を実現可能な車速まで減速させる
    減速制御手段と、を備えることを特徴とする請求項2乃
    至4の何れかに記載の電動ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前記摩擦係数検出手段は、前記制動状態
    検出手段で検出した制動状態と前記モータ出力とをもと
    に前記摩擦係数を推定するようになっていることを特徴
    とする請求項2乃至5の何れかに記載の電動ブレーキ装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ディスクロータの温度を検出するロ
    ータ温度検出手段を備え、前記摩擦係数検出手段は、前
    記ロータ温度検出手段で検出したディスクロータ温度を
    もとに前記摩擦係数を推定するようになっていることを
    特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の電動ブレー
    キ装置。
  8. 【請求項8】 前記ロータ温度検出手段は、車両の走行
    状態を検出する走行状態検出手段を備え、当該走行状態
    検出手段で検出した走行状態に基づく前記ディスクロー
    タの入力エネルギ及び放熱エネルギの累積値に基づいて
    前記ディスクロータ温度を推定するようになっているこ
    とを特徴とする請求項7記載の電動ブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の補正手段が前記駆動特性を補
    正したときに警告を発する低摩擦係数警告手段、を備え
    ることを特徴とする請求項2乃至8の何れかに記載の電
    動ブレーキ装置。
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