JP5062431B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
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特許文献1に示されるブレーキ装置は、停車中で非制動中にパッド接触位置を検知するようにしている。
図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ装置1を模式的に示す図である。図2は、図1のブレーキ装置1に用いられる制御装置2(接触位置検出手段)のパッド接触点検知(ディスクロータとブレーキパッドとの接触位置の検知)動作に対する制御(以下、パッド接触点検知制御という。)を含む演算処理内容を示すフローチャートである。
前記車両に設けたブレーキペダル19にはストロークシミュレータ20が接続されており、ブレーキペダル19の操作力に応じた大きさのストロークをブレーキペダル19に発生させるようにしている。ブレーキペダル19及びストロークシミュレータ20の接続部分にはブレーキ操作量センサ21が設けられており、ブレーキペダル19の操作量(ブレーキ操作量)を検出するようにしている。
前記車両には、さらに、車輪速センサ22、傾斜センサ23及びアクセルセンサ24が備えられている。
そして、車両コントローラ5は、ドライバのブレーキペダル19の操作に基づいたブレーキ操作量センサ21の検出データにより、推力指令値を決定する。
電動キャリパコントローラ4は、バッテリ26から電力供給を受けて、車両コントローラ5からの推力指令値をCAN通信などの通信媒体を介して受けて、この推力指令値に基づいて、レゾルバ10が出力する信号(レゾルバ信号)を元にモータ9の回転量を電流で制御し、減速機構12及び回転直動変換機構11を介してピストン8を押し出し(ピストン推力を発生させ)、ブレーキ力を発生する。すなわち、ドライバのブレーキ操作(ブレーキペダル19の踏込み操作)に対して電動キャリパコントローラ4が実施する制御によりブレーキ力(ドライバ操作によるブレーキ力)を発生する。本実施形態では、モータ9、減速機構12及び回転直動変換機構11がアクチュエータを構成している。
ドライバのブレーキ操作が無い状態で車両コントローラ5から推力指令値の入力を受ける例として、駐車ブレーキ動作(PKB動作)、坂道発進補助機能のようなオートホールド動作が行われる場合があり、本実施形態では、この場合、ドライバのブレーキ操作が無い状態でも、車両コントローラ5からの推力指令値に基づいてブレーキ力を発生可能としている。
すなわち、電動キャリパコントローラ4は、車両コントローラ5からのPKB駆動指令に基づいて、レゾルバ信号を元にモータ9の回転量を電流で制御し、減速機構12及び回転直動変換機構11を介して、PKBに必要な推力となるようにピストン8を押し出し(ピストン推力を発生させ)、ブレーキ力を発生する。そして、ピストン推力がPKBに必要な推力値に達した後、PKB機構14を駆動して、モータ9の回転軸に取付けられたラッチ歯車(図示省略)と該ラッチ歯車に対して係合可能に設けられた爪(図示省略)とを係合して、モータ9の推力低下の方向への回転を拘束する(換言すれば、PKB動作機能が発揮される)。
パッド接触点検知制御は、少なくとも1輪にPKBで制動力を付与させて(この場合に制動力が付与される車輪を、便宜上、検知制御時制動力付与車輪という。)停車した状態で、1輪(パッド接触点検知制御の対象となる1輪を、以下、適宜、対象輪という。)ずつ順次行われる。この場合、検知制御時制動力付与車輪は、上述したように、少なくとも1輪であり、2輪、3輪、1輪の場合がある。
検知制御時制動力付与車輪が2輪である場合としては、後輪2輪(後左右輪)、前輪2輪(前左右輪)、左輪2輪(左前後輪)、右輪2輪(右前後輪)、2つの一対の対角輪(左前輪及び右後輪、右前輪及び左後輪)のうち一方(ここでは、便宜上、左前輪及び右後輪とする。)、2つの一対の対角輪のうち他方(右前輪及び左後輪)の場合がある。検知制御時制動力付与車輪が3輪の場合は、4輪のうち対象輪となる1輪を除く残り3個の車輪に、当該パッド接触点検知制御を行なうために制動力が付与される。
また、個数を含めどの車輪を当初の検知制御時制動力付与車輪(便宜上、当初制動力付与車輪という。)にするかについては、予め定められている。本実施形態では、当初制動力付与車輪は、後輪2輪とされている。
また、一つの対象輪に対してパッド接触点検知制御が行なわれると、検知対象となる車輪(対象輪)を代えて新たな対象輪を対象にしてパッド接触点検知制御が行なわれることになるが、検知制御時制動力付与車輪にかかわらず、4輪全ての車輪が対象輪となるようにされている。本実施形態では、当初の対象輪は後左輪とされ、以下、対象輪が、後右輪 → 前左輪 → 前右輪の順に代えられ、この順で対応する車輪を対象にしてパッド接触点検知動作が行なわれる。
このブレーキ装置1では、パッド接触点検知制御において、図2に示すように、まず、 車輪速センサ22からの検出信号が車輪速=0km/hを示すこととなり、この状態が所定時間経過した(車輪速が0km/hとなって所定時間経過した)か否かの判定(停車中か否かの判定)を行う(ステップS11)。
ステップS11では、その判定処理で、「車輪速=0km/h」を用いているが、これに代えて、「車輪速が所定値未満(車輪速<所定値)」を用いて新たなステップとしてもよい。なお、このように判定処理に「車輪速が所定値未満(車輪速<所定値)」を用いて新たなステップを採用する場合、その新たなステップでは、「車輪速センサ22からの検出信号が車輪速<所定値となって所定時間経過したか否かの判定を行う」ことになる。)。
ステップS12でYESと判定、すなわち、車輪速センサ22からの検出信号が車輪速=0km/hとなって所定時間経過し(ステップS11でYES)、かつ電動キャリパ3の推力が所定値を超える値であると判定された(ステップS12でYES)場合、車両が停止した状態(停止中)でブレーキ力が発生している(制動時)と判断される。そして、このように車両停止かつブレーキ力発生状態(ブレーキ力を発生している状態)と判断した場合、以下の各ステップを含む当該パッド接触点検知制御が進められることになる。
このようにパッド接触点検知動作を実施しないのは、次の理由に基づくものである。すなわち、上述した場合〔例えば後輪2輪のみで停車を維持していて、各輪の電動キャリパ3で発生可能な推力の1/2以上を発生している場合〕には、当初のパッド接触点検知動作の対象輪(本実施形態では当初の対象輪は後左輪である。)とは別のもう片方の車輪(この場合、後右輪)のブレーキ力を最大推力まで増加させても、車両全体のブレーキ力は、低下してしまうことになり、このような事態になることを防止するためである。
ステップS14に続いて、対象輪(パッド接触点の検知対象の車輪)の推力を解除し(ステップS15)、パッド接触点検知動作が進められる。
(a)再度ドライバのブレーキペダル19の動作に基づいて推力指令が発生された場合
(b)イグニッションスイッチ25がオン中に運転席のドア開を検知した場合
(c)運転席のドア開からイグニッションスイッチ25がオンされ発進動作(シフトレンジ変更、PKB解除など)に入る時点までの場合
(d)イグニッションスイッチ25がオン中にシフトレンジがPポジションになった場合
(e)イグニッションスイッチ25がオン検知状態からオフを検知した場合
(f)自動駐車支援システムで駐車が完了した場合
また、前記(イ)前後輪別々に順次、検出するとは、例えば、左側前後輪について、左前輪、左後輪の順に(又は反対に左後輪、左前輪の順に)、パッド接触点を検出したり、又は、右側前後輪について、右前輪、右後輪の順に(又は反対に右後輪、右前輪の順に)、パッド接触点を検出することを指している。
また、前記(ウ)対角輪となる一対の車輪毎に順次、検出するとは、例えば、2つの一対の対角輪(左前輪及び右後輪、右前輪及び左後輪)のうち一方の一対の対角輪(左前輪及び右後輪)について、左前輪、右後輪の順に(又は反対に右後輪、左前輪の順に)、パッド接触点を検出したり、又は、他方の一対の対角輪(右前輪及び左後輪)について、右前輪、左後輪の順に(又は反対に左後輪、右前輪の順に)、パッド接触点を検出することを指している。
また、上記実施形態では、当初制動力付与車輪を後2輪とした場合を例にしたが、これに限られない。例えば、前2輪、左2輪、右2輪、対角の2輪(2組の一対の対角輪のうち一方の組の対角輪又は他方の組の対角輪)、又は4輪のうちいずれか1輪を除く3輪を当初制動力付与車輪としてもよい。この場合、その後、検知制御時制動力付与輪を、対象輪に応じて適宜変えるようにしてもよい。
なお、対象輪(パッド接触点検知動作を実施する車輪)の接地路面の摩擦係数が高く、他の車輪の接地路面の摩擦係数が低い場合や両者の車輪が負担する荷重が偏っている場合には、他の車輪の推力を増加させても車両の停止を維持できない可能性がある。このような事態(車両の停止を維持できない可能性)になることを防止するため、車輪速の変化をモニタして、パッド接触点検知動作を実施中に車両の移動が検出された場合には、直ちにパッド接触点検知動作を中断して、パッド接触点検知動作開始前の推力に戻す処置を施すようにする。この処置を施すことにより、上記事態の発生を回避し、安全性を確保できる。
Claims (3)
- 車両の各車輪に設けられたディスクロータと、該ディスクロータの軸線方向に沿ってピストンを直線運動させるアクチュエータと、前記ピストンの直線運動によって押圧されて前記ディスクロータに接触するブレーキパッドと、前記ピストンの変位であるピストン位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段の基準位置となる非制動時の前記ディスクロータと前記ブレーキパッドとの接触位置を検出する接触位置検出手段と、を有するブレーキ装置において、
前記接触位置検出手段は、前記車両の停車中でかつ制動時に、1輪毎若しくは2輪を一対として、左右輪別々に順次、前記接触位置を検出するとともに、
該接触位置の検出中に前記車両の移動が検出された場合には、該接触位置の検出を中断して該接触位置の検出開始前の制動力とすることを特徴とするブレーキ装置。 - 前記接触位置検出手段により一の車輪または一対の車輪の前記接触位置を検出するときに、他の車輪の制動力を増加させる制動力制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
- 前記制動力制御手段は、車両が所定値を超える傾斜に停車している場合に、前記他の車輪の制動力を増加させることを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置。
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