JP2022042327A - 電動パーキングブレーキシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】オペレータが所望するタイミングで電動パーキングブレーキの制動を解除することが可能な電動パーキングブレーキシステムを提供すること【解決手段】電動パーキングブレーキシステム13は、電動パーキングブレーキ50と、操作部54と、パーキングブレーキECU52と、を備える。電動パーキングブレーキ50は、車両1を制動する。操作部54は、電動パーキングブレーキ50を操作する。パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50を制御する。パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50による制動を自動的に解除する解除制御を実行しているときに、解除制御と異なる動作を実行するように操作部54が操作された場合、操作部54の操作に基づいて電動パーキングブレーキ50による制動を維持または解除する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動パーキングブレーキシステムに関する。
近年、車両のパーキングブレーキとして、レバーやフットペダルで操作を行う機械式のパーキングブレーキの代わりに、スイッチ操作によってアクチュエータを動作させて制動を行う電動パーキングブレーキが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような電動パーキングブレーキは、坂道発進のアシストにも用いられる。例えば、車両が停止すると所定条件のもとで電動パーキングブレーキが作動し、オペレータがブレーキから足を離した場合でも制動力を保持することができる。そして、オペレータがアクセルペダルを踏む等の所定操作を行うことによって、電動パーキングブレーキの制動が自動的に解除され、オペレータはスムーズに坂道発進を行うことができる。
特開2015-85897号公報
しかしながら、電動パーキングブレーキの制動が自動的に解除される条件は予め設定されているため、例えばトラック等の車両において荷の積載量が変動した場合、坂道発進における制動解除のタイミングがオペレータの所望するタイミングと異なることがあった。
本開示は、オペレータが所望するタイミングで電動パーキングブレーキの制動を解除することが可能な電動パーキングブレーキシステムを提供することを目的とする。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合わせることができる。
第1の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、電動パーキングブレーキと、操作部と、コントローラと、を備える。電動パーキングブレーキは、車両を制動する。操作部は、電動パーキングブレーキを操作する。コントローラは、電動パーキングブレーキを制御する。コントローラは、電動パーキングブレーキによる制動を自動的に解除する解除制御を実行しているときに、解除制御と異なる動作を実行するように操作部が操作された場合、操作部の操作に基づいて電動パーキングブレーキによる制動を維持または解除する。
操作部の操作に基づいて電動パーキングブレーキによる制動を維持または解除することによって、電動パーキングブレーキの解除制御よりもオペレータによる操作部の操作が優先される。このため、オペレータが所望のタイミングで電動パーキングブレーキによる制動を解除することができ、坂道においてもスムーズに発進することができる。
第2の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第1の態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、解除制御は、エンジンの回転数が所定値以上となる条件、クラッチの開度が所定値以上となる条件、および、シフトレバーが所定の操作をされる条件のうち少なくとも1つの条件に基づいて実行される。
これにより、オペレータが操作部の操作を行わない場合には、電動パーキングブレーキの制動の解除を自動的に行うことができる。
第3の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第1または第2の電動パーキングブレーキシステムであって、コントローラは、車両が停車時に所定条件を満たした場合に、電動パーキングブレーキを作動して車両を制動する。
これにより、電動パーキングブレーキを自動的に作動することができる。
第4の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第1~3のいずれかの態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、操作部は、電動パーキングブレーキによる制動が行われる第1状態と、電動パーキングブレーキによる制動が解除される第2状態に操作可能である。
運転者が操作部を第1状態と第2状態にすることによって、運転者が望むタイミングで電動パーキングブレーキによる制動およびその解除を行うことができる。
第5の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第4の態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、解除制御において電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングの前に、操作部が第2状態に操作された場合、コントローラは、電動パーキングブレーキによる制動を解除する。
これにより、予め設定されている自動での制動解除のタイミングより早く制動を解除することができる。例えば、トラックの荷物が少ないため自動での制動解除のタイミングよりも早めに制動の解除を行うことが出来る場合に、操作部を操作することによって手動で解除することができる。また、自動での制動解除のタイミングよりも早く発進準備ができた場合には、自動での制御解除のタイミングまで待たずに手動で制動を解除することによって発進することができる。
第6の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第4または第5の態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、解除制御において電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングに、操作部が第1状態に維持されている場合、コントローラは、解除制御による制動の解除を行わない。
これにより、予め設定されている自動での制動解除のタイミングの際に解除を行わないようにすることができる。例えば、トラックの荷物が多いため自動での制動解除のタイミングよりも遅めに制動の解除を行いたい場合に、制動解除を遅らせることができる。また、発進準備の完了が、自動での制動解除のタイミングに間に合わない場合には、自動での制御解除のタイミングで解除を行わないようにすることができる。
第7の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第6の態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、操作部は、第1状態と第2状態の間の中立状態に付勢されており、解除制御において電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングの後に、操作部が第1状態より中立状態側にされた場合、若しくは、操作部が第2状態に操作された場合、コントローラは、電動パーキングブレーキによる制動を解除する。
これによって、オペレータが操作部から手を放すだけで操作部が中立状態となり、電動パーキングブレーキによる制動を解除することができ、若しくは、操作部を第2状態にすることによって電動パーキングブレーキによる制動を解除することができる。
第8の態様に係る電動パーキングブレーキシステムは、第1~7のいずれかの態様に係る電動パーキングブレーキシステムであって、設定部を更に備える。設定部は、解除制御を実行するか否かを設定する。
これにより、オペレータは自動で解除制御を行うか否かを設定することができる。
本開示によれば、オペレータが所望するタイミングで電動パーキングブレーキの制動を解除することが可能な電動パーキングブレーキシステムを提供することができる。
本開示にかかる実施の形態の電動パーキングブレーキシステムが設けられた車両の構成図。 図1の設定スイッチを示す斜視図。 図1の操作スイッチを示す斜視図。 本開示にかかる実施の形態の電動パーキングブレーキシステムの制御動作を示すフロー図。
以下に、本発明にかかる実施の形態の電動パーキングブレーキシステムについて図面を参照しながら説明する。
<構成>
(車両1の概要)
本実施の形態の電動パーキングブレーキシステムは車両に用いられる。はじめに、車両の構成の一例について説明する。なお、車両1としては、例えば、トラック、バスまたは重機等の大型車両や中型車両が挙げられるが、これに限らなくてもよく、通常の自動車であってもよい。要するに、電動パーキングブレーキが用いられる車両であればよい。
図1は、本実施の形態の電動パーキングブレーキを用いた車両の一例の構成を示す図である。
車両1は、走行システム11と、サービスブレーキシステム12と、電動パーキングブレーキシステム13と、を備えている。
走行システム11は、車両1を駆動する。走行システム11は、アクセルペダル28を有しており、アクセルペダル28の操作によって車両1が走行する。サービスブレーキ(常用ブレーキともいう)システム12は、車両1を制動する。サービスブレーキシステム12は、ブレーキペダル41を有しており、車両1の走行中に運転者がブレーキペダル41を操作することによって車両1が制動される。電動パーキングブレーキシステム13は、駐車時や停車時に車両1の停止状態を維持する。電動パーキングブレーキシステム13は、電動パーキングブレーキ50を有しており、電動パーキングブレーキ50の作動によって車両1の停止状態が維持される。
(走行システム11)
次に、走行システム11について説明する。
走行システム11は、車両1を走行出来る構成であればよく、特に限定されるものではない。例えば、走行システム11は、一対の前輪20と、一対の後輪21と、エンジン22と、クラッチ装置23と、トランスミッション24と、プロペラシャフト25と、駆動軸26と、デファレンシャルギヤ27と、アクセルペダル28と、アクセルポジションセンサ29と、エンジン回転数センサ30と、シフトレバー31と、シフトポジションセンサ32と、クラッチペダル33と、クラッチ開度センサ34と、車速センサ35と、走行ECU(Electronic Control Unit)36と、を有している。
一対の前輪20は、車両1の前側の左右に設けられている。一対の後輪21は、車両1の後側の左右に設けられている。エンジン22は、後輪21を駆動する動力を発生する。エンジン22には、クラッチ装置23を介してトランスミッション24が接続されている。
クラッチ装置23は、エンジン22からトランスミッション24への動力を伝達または遮断する。トランスミッション24は、エンジン22からの動力をトルクや回転数、回転方向を変えてプロペラシャフト25に伝達する。なお、トランスミッション24としては、MT(Manual Transmission)、AT(Automatic Transmission)およびCVT(Continuously Variable Transmission)等を挙げることができる。また、クラッチ装置23としては、ディスククラッチやドラムクラッチ等の摩擦クラッチや、トルクコンバータを用いることができる。
プロペラシャフト25は、前後方向に沿って配置されており、トランスミッション24に接続されている。駆動軸26は、一対の後輪21の間を接続する。駆動軸26は、デファレンシャルギヤ27を介してプロペラシャフト25と接続されている。エンジン22からクラッチ装置23およびトランスミッション24を介してプロペラシャフト25に伝達された動力がデファレンシャルギヤ27から駆動軸26に伝達されて後輪21が回転し、車両1が走行する。
アクセルペダル28は、運転席の下方に設けられており、運転者によって操作される。アクセルポジションセンサ29は、アクセルペダル28に設けられており、アクセルペダル28の操作量であるアクセル開度を検出する。また、アクセルポジションセンサ29は、アクセル開度信号を走行ECU36に送信する。
エンジン回転数センサ30は、エンジン22の回転数を検出する。エンジン回転数センサ30は、エンジン回転数信号を走行ECU36に送信する。
トランスミッション24がMTの場合、シフトレバー31は、ニュートラル、1速~6速およびリバースのポジションに配置可能である。シフトポジションセンサ32は、シフトレバー31が1速~6速、ニュートラルおよびリバースのいずれの位置に操作されたかを検出し、走行ECU36にシフトポジション信号を送信する。
また、トランスミッション24が、ATやCVTの車両の場合、シフトレバー31は、例えば、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)、3、2、L等のポジションに配置可能である。シフトポジションセンサ32は、シフトレバー31がP、R、N、D、3、2、およびLのいずれの位置に操作されたかを検出し、走行ECU36にシフトポジション信号を送信する。
クラッチペダル33は、運転席の下方に設けられており、運転者によって操作される。クラッチ開度センサ34は、クラッチペダル33の開度を検出し、クラッチ開度信号を走行ECU36に送信する。
車速センサ35は、車両1の速度を検出し、検出値を車速信号として走行ECU36に送信する。また、車速センサ35は、車速信号をパーキングブレーキECU52にも送信する。
走行ECU36は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従ってエンジン22、クラッチ装置23およびトランスミッション24の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよび/またはRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置は、エンジン22、クラッチ装置23およびトランスミッション24を制御するためのプログラムおよびデータを記憶している。
走行ECU36は、車速信号、アクセル開度信号、エンジン回転数信号、クラッチ開度信号、およびシフトポジション信号を受信して、エンジン22、クラッチ装置23およびトランスミッション24の制御を行う。
走行ECU36は、所定の条件を満たした場合、電動パーキングブレーキ50による制動を自動的に解除する解除指令信号をパーキングブレーキECU52に送信する。解除指令信号を送信する条件については、後段にて詳述する。また、後述するように、走行ECU36は、電動パーキングブレーキ50を自動的に作動させる作動指令信号をパーキングブレーキECU52に送信してもよい。
なお、走行ECU36は、エンジン22を制御するエンジン用ECUと、クラッチ装置23およびトランスミッション24を制御する動力伝達用ECUに分かれていてもよい。
(サービスブレーキシステム12)
次に、サービスブレーキシステム12について説明する。
サービスブレーキシステム12は、車両1を制動出来さえすればよく、特に限定されるものではない。サービスブレーキシステム12は、例えば、油圧式、空気圧式、または空気油圧複合式等を用いることができる。本実施の形態では、サービスブレーキシステム12として油圧式の構成を例として挙げる。
本実施の形態では、例えばサービスブレーキシステム12は、油圧式であって、サービスブレーキ40と、ブレーキペダル41と、ブレーキスイッチ42と、ブレーキブースタ43と、マスタシリンダ44と、油圧回路45と、液圧センサ46と、サービスブレーキECU47と、を有している。
サービスブレーキ40は、一対の前輪20および一対の後輪21の各々と共に回転する回転軸に設けられたディスクをパッドなどで両側から挟み込むことによって回転軸を停止して車両1を制動する。
ブレーキペダル41は、運転席の下方に設けられており、運転者によって踏まれて操作される。運転者によるブレーキペダル41の踏力は、ブレーキブースタ43に伝達される。
ブレーキスイッチ42は、ブレーキペダル41を踏み込んだ際にブレーキペダル41の操作を検出する。ブレーキスイッチ42は、ブレーキペダル41のブレーキ操作信号を後述するパーキングブレーキECU52に送信する。
ブレーキブースタ43は、伝達されたブレーキペダル41の踏力を増幅させてマスタシリンダ44に入力する。マスタシリンダ44では、ブレーキブースタ43から入力される力に応じた油圧が発生する。
油圧回路45は、マスタシリンダ44から押し出された油圧を前後左右の車輪のサービスブレーキ40に分配を行う。
液圧センサ46は、油圧回路45に設けられている。液圧センサ46は、サービスブレーキの作動油圧を検出し、検出値を液圧信号としてサービスブレーキECU47に送信する。液圧が高い場合に制動力が付与されるため、液圧を検出することでサービスブレーキ40による制動力を確認することができる。
サービスブレーキECU47は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従って油圧回路45、ブレーキブースタ43およびマスタシリンダ44の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよび/またはRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置は、油圧回路45、ブレーキブースタ43およびマスタシリンダ44を制御するためのプログラムおよびデータを記憶している。
サービスブレーキECU47は、ブレーキスイッチ42からのブレーキ操作信号および液圧センサ46からの液圧信号を受信して、油圧回路45、ブレーキブースタ43およびマスタシリンダ44の制御を行う。
サービスブレーキECU47は、所定の条件を満たした場合、電動パーキングブレーキ50を自動的に作動させる作動指令信号をパーキングブレーキECU52に送信する。作動指令信号を送信する条件については、後段にて詳述する。また、後述するように、サービスブレーキECU47は、電動パーキングブレーキ50による制動を自動的に解除する解除指令信号をパーキングブレーキECU52に送信してもよい。
(電動パーキングブレーキシステム13)
次に、本実施の形態の電動パーキングブレーキシステム13について説明する。
電動パーキングブレーキシステム13は、車両1を制動する。詳しくは、電動パーキングブレーキシステム13は、停車時や駐車時に、自動または手動によって車両1の停止状態を保持する。
電動パーキングブレーキシステム13は、電動パーキングブレーキ50と、操作機構51と、パーキングブレーキECU52(コントローラの一例)と、設定スイッチ53(設定部の一例)と、操作部54と、を備える。
電動パーキングブレーキ50は、車両1を制動し、停車時や駐車時に停止状態を保持する。操作機構51は、電動パーキングブレーキ50を作動および作動の解除を行う。パーキングブレーキECU52は、操作機構51を駆動して、電動パーキングブレーキ50を制御する。設定スイッチ53は、電動パーキングブレーキ50の自動制御に関する設定を行う。操作部54は、運転者の操作によって電動パーキングブレーキ50の作動および作動の解除を行う。
(電動パーキングブレーキ50)
電動パーキングブレーキ50は、車両1を制動する。電動パーキングブレーキ50は、車両1の制動を行うことが出来れば限定されるものではないが、例えば、センターブレーキ式のドラムブレーキ等を用いることができる。また、電動パーキングブレーキ50は、車輪に設けられているサービスブレーキを兼用してもよいし、サービスブレーキとは別のパーキングブレーキ機構を車輪に設けてもよい。
本実施の形態では、電動パーキングブレーキ50は、内部に摩擦部材(シュー等)を有している。電動パーキングブレーキ50は、プロペラシャフト25に設けられている。電動パーキングブレーキ50は、ドラムに摩擦部材を押し付けることによってプロペラシャフト25を拘束し、車両1の停車状態を保持することができる。
(操作機構51)
操作機構51は、電動パーキングブレーキ50の作動と作動の解除を行う。操作機構51は、電動パーキングブレーキ50を操作できれば限定されるものではない。本実施の形態では、操作機構51は、例えば、ブレーキケーブル55と、荷重センサ56と、ケーブル位置センサ57と、アクチュエータ58と、を有している。
ブレーキケーブル55は、電動パーキングブレーキ50とアクチュエータ58を接続する。荷重センサ56は、アクチュエータ58によるブレーキケーブル55の牽引荷重を検出し、例えばロードセル等により構成される。この荷重センサ56は、パーキングブレーキECU52と電気的に接続されており、検出値を荷重信号としてパーキングブレーキECU52に送信する。
ケーブル位置センサ57は、ブレーキケーブル55の位置を検出する。ブレーキケーブル55の位置は、アクチュエータ58のモータの回転数に基づいて検出される。ケーブル位置センサ57は、パーキングブレーキECU52に電気的に接続されており、検出値をケーブル位置信号としてパーキングブレーキECU52に送信する。
アクチュエータ58は、ブレーキケーブル55を操作する。アクチュエータ58は、例えばブレーキケーブル55を巻き取り可能な電動モータ等を用いることができる。
(パーキングブレーキECU52)
パーキングブレーキECU52は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラムに従って電動パーキングブレーキ50の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよび/またはRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置は、電動パーキングブレーキ50を制御するためのプログラムおよびデータを記憶している。なお、電動パーキングブレーキ50の制御は、具体的には、アクチュエータ58の駆動を制御することによって行われる。
パーキングブレーキECU52には車速センサ35からの車速信号と、設定スイッチ53からの作動信号、中立信号、および解除信号(後述する)と、操作部54からの実行・非実行信号とを受信して操作機構51を操作して電動パーキングブレーキ50を制御する。
また、パーキングブレーキECU52は、荷重センサ56からの荷重信号とケーブル位置センサ57からのケーブル位置信号に基づいて、アクチュエータ58を制御することによって、電動パーキングブレーキ50の作動および作動の解除を行う。
パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50の自動制御を実行する。この自動制御は、坂道での発進補助に用いることができるが、坂道に限らなくてもよく、平坦な道で行われてもよい。
自動制御は、電動パーキングブレーキ50を自動的に作動させる作動制御と、電動パーキングブレーキ50による制動を自動的に解除する解除制御を含む。
作動制御は、例えばサービスブレーキECU47からの作動指令信号を受信すると、パーキングブレーキECU52が、自動で操作機構51を操作して電動パーキングブレーキ50を作動する。
解除制御は、例えば走行ECU36からの解除指令信号を受信すると、パーキングブレーキECU52が、操作機構51を操作して電動パーキングブレーキ50の制動を解除する。
ここで、作動指令信号がパーキングブレーキECU52に送信される条件(電動パーキングブレーキ50の作動条件ともいえる)としては、特に限定されるものではなく、電動パーキングが自動で作動した場合に運転者の操作補助の役割や安全機能を果たす状態となる条件が好ましい。
以下に具体的に例示すると、例えば、車両1が長い時間停車することを示す条件や、坂道で停車していることを示す条件が挙げられる。長い時間停車する場合には、長時間ブレーキペダル41を踏み込む代わりに電動パーキングブレーキ50を作動させることによって運転者の操作補助を行うことができる。また、坂道で停車する場合には、電動パーキングブレーキ50を作動させることによって誤ってブレーキペダル41から足を離しても車両1が下がることを防止できる。
例えば、運転者がブレーキペダル41を踏み込んでサービスブレーキ40が作動した後に液圧が抜けることを電動パーキングブレーキ50の作動条件(以下、条件(a)という)としてもよい。この場合、サービスブレーキECU47は、ブレーキスイッチ42からのブレーキ操作信号と液圧センサ46からの液圧信号とに基づいて、ブレーキペダル41が踏み込まれ且つ液圧が所定値以下になったことを検出すると、パーキングブレーキECU52に作動指令信号を送信する。この液圧に関する所定値は、サービスブレーキECU47の記憶装置で記憶可能である。
なお、例えば、ブレーキペダル41を所定時間以上踏み込むことを作動条件(以下、条件(b)という)としてもよい。この場合、サービスブレーキECU47が、所定時間以上ブレーキペダル41が踏み込まれていると判断すると、作動指令信号をパーキングブレーキECU52に送信する。また、例えば、シフトレバー31のポジションがニュートラルやパーキングの位置にあることを作動条件(以下、条件(c)という)としてもよい。このように、シフトレバー31のポジションを作動条件の場合には、走行ECU36からもパーキングブレーキECU52に作動指令信号が送信される。上述した条件(a)、(b)、(c)を単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。なお、例えば、条件(a)または条件(b)と、条件(c)とを組み合わせる場合には、条件(a)または条件(b)を満たすことによるサービスブレーキECU47からの解除指令信号と、条件(c)を満たすことによる走行ECU36からの解除指令信号の双方を受信したときに、パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50を自動で作動させる。
上述した解除指令信号がパーキングブレーキECU52に送信される条件(電動パーキングブレーキ50の解除条件ともいえる)としては、特に限定されるものではないが、例えば、車両1が発進することを示す条件が好ましい。
解除条件としては、具体例を挙げて説明すると、例えば、エンジンの回転数が所定値以上となる条件(以下、条件(1)ともいう)を挙げることができる。また、解除条件は、クラッチの開度が所定値以上となる条件(以下、条件(2)ともいう)であってもよい。さらに、解除条件は、シフトレバーが所定操作される条件(以下、条件(3)ともいう)であってもよい。
これら条件(1)、条件(2)、および条件(3)のうちの1つの条件だけを満たした場合に、パーキングブレーキECU52に解除指令信号が送信されてもよいし、条件(1)~条件(3)のうちのいくつかを適宜組み合わせた条件を満たした場合にパーキングブレーキECU52に解除指令信号が送信されてもよい。
条件(1)について説明すると、走行ECU36は、エンジン回転数センサ30からの回転数信号を取得し、回転数が所定値以上となった場合に、パーキングブレーキECU52に解除指令信号を送信する。この回転数に関する所定値は、走行ECU36の記憶装置で記憶可能である。
条件(2)について説明すると、走行ECU36は、クラッチ開度センサ34からのクラッチ開度信号を取得し、クラッチ開度が所定値以上となった場合に、パーキングブレーキECU52に解除指令信号を送信する。また、クラッチ開度に関する所定値は、パーキングブレーキECU52の記憶装置に記憶される。
条件(3)について説明すると、走行ECU36は、シフトポジション信号を受信して、シフトレバー31が例えばR(リバース)、D(ドライブ)、3、2、L等の前進または後進するポジションに配置されていると判断した場合に、パーキングブレーキECU52に解除指令信号を送信する。制動を解除するシフトレバー31のポジションは、走行ECU36の記憶装置で記憶可能である。
さらに、解除条件は、これらの条件(1)、条件(2)、または条件(3)に基づいて設定されたものであってもよい。例えば、条件(1)に基づいた解除条件としては、エンジンの回転数が所定値以上の状態が、予め設定した設定時間継続することを条件(以下、条件(A)という)に設定できる。この設定時間は、走行ECU36の記憶装置で記憶可能である。
また、条件(2)に基づいた解除条件として、クラッチの開度が所定値以上の状態が、予め設定した設定時間継続することを条件(以下、条件(B)という)に設定できる。この設定時間は、走行ECU36の記憶装置で記憶可能である。
また、上記条件(1)~(3)、条件(A)、および条件(B)を適宜組み合わせてもよい。
例えば、条件(A)と条件(3)を組み合わせた場合には、エンジン22の回転数が所定値以上の状態が、予め設定した設定時間継続し、シフトレバー31のポジションが1速~6速およびリバースのいずれに配置されている場合に、パーキングブレーキECU52に解除指令信号が送信される。
さらに、上記条件(1)~(3)、条件(A)、および条件(B)に合わせて、サービスブレーキシステム12に基づいた解除条件(例えば、ブレーキペダル41が踏み込まれていないこと等)を含めてもよい。その場合、パーキングブレーキECU52は、走行ECU36からの解除指令信号とサービスブレーキECU47からの解除指令信号の双方を受信したときに電動パーキングブレーキ50による制動の解除を行う。
(設定スイッチ53)
設定スイッチ53は、運転席に設けられている。設定スイッチ53は、上述した電動パーキングブレーキ50の自動制御を行うか否かを設定することができる。また、設定スイッチ53は、自動制御を行う場合に解除制御における電動パーキングブレーキ50の解除のタイミングを設定することができる。
図2は、設定スイッチ53を示す斜視図である。設定スイッチ53は、実行切替ボタン61と、タイミング調整レバー62と、を有している。実行切替ボタン61は、自動制御を行うか否かを切り替えることができる。例えば、オペレータが、実行切替ボタン61を押下する毎に、自動制御を実行する場合と実行しない場合を切り替えることができる。実行切替ボタン61からパーキングブレーキECU52に実行信号または非実行信号が送信される。
タイミング調整レバー62は、自動制御が実行される場合において、電動パーキングブレーキ50による制動の解除を行うタイミングである解除指令信号の送受信のタイミングを調整することができる。タイミング調整レバー62は、上述したように解除条件を満たした場合に、走行ECU36から解除指令信号を送信するタイミングを早めるまたは遅らせることができる。なお、サービスブレーキシステム12からも解除指令信号が送信される場合には、タイミング調整レバー62によってサービスブレーキECU47からパーキングブレーキECU52に送信される解除指令信号の送信タイミングも早めたり遅らせたりすることが可能であってもよい。
また、解除信号を送信するタイミングを変更する代わりに、タイミング調整レバー62を操作することによって、解除信号を送信するための閾値を変更してもよい。具体例を用いて説明すると、例えば、解除条件として上述した条件(A)を用いる場合は、エンジン22の回転数が所定回転数以上の状態が設定時間継続したタイミング(解除のタイミングの一例)で解除指令信号が送信される。タイミング調整レバー62を操作して、この設定時間を変更することによって、制動の解除タイミングを早めるまたは遅らせることができる。
また、解除条件として上述した条件(1)を用いる場合は、エンジン22の回転数が所定回転数以上に達したタイミング(解除のタイミングの一例)で解除指令信号が送信される。この所定回転数を、タイミング調整レバー62を操作させて変化させることによって、制動の解除タイミングを早めるまたは遅らせることができる。例えば、所定回転数を小さくすることによって、従来の解除タイミングよりも早くでき、所定回数数を大きくすることによって、従来の解除タイミングよりも遅くできる。
また、解除条件として条件(B)を用いる場合は、クラッチの開度が所定値以上の状態が設定時間継続したタイミング(解除のタイミングの一例)で解除指令信号が送信される。タイミング調整レバー62を操作して、この設定時間を変更することによって制動の解除タイミングを早めるまたは遅らせることができる。
また、解除条件として上述した条件(2)を用いる場合は、クラッチの開度が所定値以上に達したタイミング(解除のタイミングの一例)で解除指令信号が送信される。この所定値を、タイミング調整レバー62を操作して変化させることによって、制動の解除タイミングを早めるまたは遅らせることができる。例えば、所定値を小さくすることによって、従来の解除タイミングよりも早くなり、所定値を大きくすることによって、従来の解除タイミングよりも遅くなる。
図2に示すように、タイミング調整レバー62は、上下方向(矢印AB方向)に回動可能な操作レバーである。タイミング調整レバー62の上部には「FAST」の文字が記載され、下部には「SLOW」の文字が記載されている。解除指令信号の送信を行うタイミングを早める場合には、運転者は、タイミング調整レバー62を「FAST」側に倒す(図中矢印A方向)。また、解除指令信号の送信を行うタイミングを遅くする場合には、運転者は、タイミング調整レバー62を「SLOW」側に倒す。
なお、同じ側に倒す回数を増やすことによって、送信を行うタイミングの変更量を段階的に大きくしてもよい。
また、解除指令信号を送信するための閾値を変更する場合について述べると、条件(A)の場合に一例として、回転数が所定回転数以上の状態が3秒継続した後に制動を解除するように予め設定されているとしたとき、2秒や1秒後等に制動を解除するようにできる。また、制動の解除を行うタイミングを遅らせる場合には、運転者は、タイミング調整レバー62を「SLOW」側に倒す(図中矢印B方向)。これにより、条件(A)の場合に一例として、回転数が所定回転数以上の状態が3秒継続した後に制動を解除するように予め設定されているとした場合、4秒や5秒後等に制動を解除するようにできる。このようにタイミング調整レバー62を「FAST」側または「SLOW」側に倒す操作を行うことによって、制動を解除するタイミングを変更することができる。
パーキングブレーキECU52は、実行・非実行信号を受信して、上述した自動制御を実行するか否かを判断し、自動制御を実行する場合には、受信した解除指令信号に基づいて、電動パーキングブレーキ50による制動の解除を行う。
(操作部54)
操作部54は、運転席に設けられており、運転者が操作部54を操作することによって、電動パーキングブレーキ50を操作することができる。図3は、操作部54を示す斜視図である。
操作部54は、電動パーキングブレーキ50を操作可能な構成であれば特に限定されるものではない。操作部54は、例えば、操作スイッチ71と、信号送信部72と、を備える。
操作スイッチ71は、運転者が指で操作することができるスイッチであり、運転者の操作によって、引き状態(第1状態の一例)、押し状態(第2状態の一例)、および中立状態をとることができる。操作スイッチ71は、信号送信部72に軸71aを中心に回動自在に配置されている。信号送信部72は、車両1のフレームに固定されている。操作部54は、一例として、運転席の側方に設けられている。
操作スイッチ71は、軸71aとは反対側に突出部71bを有しており、突出部71bに指を引っ掛けることができる。図3は、中立状態の操作スイッチ71を示している。操作スイッチ71は、中立状態になるようにバネ部材等(図示せず)によって付勢されている。中立状態の操作スイッチ71の突出部71bに指を引っ掛けて引き操作をすることによって、軸71aを中心に操作スイッチ71を矢印C方向に回転させて引き状態にすることができる。なお、例えば、引き状態で操作スイッチ71から指を離すと付勢力によって、操作スイッチ71は中立状態に戻る。
また、中立状態の操作スイッチ71を押し操作することによって、軸71aを中心に操作スイッチ71を矢印D方向に回転させて押し状態にすることができる。例えば、押し状態で操作スイッチ71から指を離すと付勢力によって、操作スイッチ71は中立状態に戻る。
信号送信部72は、操作スイッチ71の状態を示す信号をパーキングブレーキECU52に送信する。信号送信部72は、操作スイッチ71が引き状態になると、電動パーキングブレーキ50を作動する作動信号をパーキングブレーキECU52に送信する。また、信号送信部72は、操作スイッチ71が押し状態になると、電動パーキングブレーキ50の作動を解除する解除信号をパーキングブレーキECU52に送信する。また、信号送信部72は、操作スイッチ71が中立状態になると、中立信号をパーキングブレーキECU52に送信する。なお、引き状態、押し状態または中立状態が維持されている場合、その状態における信号が定期的にパーキングブレーキECU52に送信される。
設定スイッチ53によって自動制御が実行されない設定がされている場合には、パーキングブレーキECU52は、運転者の操作部54の操作に基づいて、電動パーキングブレーキ50の制御を行う。すなわち、パーキングブレーキECU52は、操作スイッチ71を引き状態にした場合に、電動パーキングブレーキ50を作動し、操作スイッチ71を押し状態にした場合に、電動パーキングブレーキ50の作動を解除する。
設定スイッチ53によって自動制御が実行されるように設定されている状態において、パーキングブレーキECU52は、運転者が解除制御の動作と異なる動作をするように操作部54を操作した場合、操作部54の操作に基づいて、電動パーキングブレーキ50の制御を行う。
例えば、解除制御における電動パーキングブレーキ50の制動の解除タイミング(解除指令信号の受信タイミング)よりも早いタイミングで操作部54の操作スイッチ71を押し状態とした場合、パーキングブレーキECU52に解除信号が送信され、電動パーキングブレーキ50の制動が解除される。
また、解除制御における電動パーキングブレーキ50の制動の解除タイミング(解除指令信号の受信タイミング)のときに、操作部54の操作スイッチ71が引き状態である場合、パーキングブレーキECU52に作動信号が送信されるため電動パーキングブレーキ50の制動が維持される。
このように、自動制御の動作と異なる動作を行うように操作部54を操作した場合、操作部54の操作が自動制御よりも優先され、電動パーキングブレーキ50の制動の維持または解除が行われる。
<動作>
以下に、本実施の形態の電動パーキングブレーキシステム13の制御動作について説明する。図4は、本実施の形態の電動パーキングブレーキシステム13の制御動作を示すフロー図である。
はじめに、ステップS10において、パーキングブレーキECU52は、車速センサ35によって、車両1が停止しているか否かを判定する。車両1が停止していないと判断された場合には、制御はステップS10に戻り、車両1が停止していると判断されるまで電動パーキングブレーキシステム13の制御は待機される。なお、車両1の停止の判断は、車速センサ35からの車速信号を用いればよいが、これに限らなくてもよく、停車が分かりさえすれば限定されるものではない。
次に、ステップS20において、パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50を作動させる作動指令信号を受信したか否かを判断する。
作動指令信号の送信条件は、例えば、上述した条件(a)や、条件(b)、条件(c)を用いてもよく、更に、これらの条件(a)~(c)を適宜組み合わせてもよい。また、条件(a)~(c)に限らなくてもよく、電動パーキングブレーキ50を作動させることを判断できる条件であればよい。
ステップS20において、パーキングブレーキECU52が、作動指令信号を受信しない場合には、制御はステップS10に戻って再びステップS20に進むことが繰り返され、作動指令信号を受信するまで電動パーキングブレーキシステム13の制御は待機される。
一方、パーキングブレーキECU52が作動指令信号を受信した場合、制御はステップS30に進み、パーキングブレーキECU52は、アクチュエータ58を駆動して電動パーキングブレーキ50を作動させる。これによって、例えば、坂道等で車両1が停車している場合において、ブレーキペダル41から足を離しても車両1の停車状態を維持することができる。このステップS20とステップS30が、自動制御における作動制御の一例である。
次に、ステップS40において、パーキングブレーキECU52は、操作部54の操作スイッチ71の押し操作によって信号送信部72から解除信号を受信したか否かを判断する。
ステップS40において、操作部54から解除信号を受信した場合、制御はステップS50に進み、パーキングブレーキECU52は、アクチュエータ58を駆動して電動パーキングブレーキ50による制動を解除する。このように、自動での解除制御とは異なる動作になるように操作部54が操作されたため、操作部54の操作が優先され、電動パーキングブレーキ50による制動が解除され、制御は、ステップS10へと戻る。
一方、ステップS40において押し操作が行われていないと判断した場合、制御はステップS60に進む。
ステップS60において、パーキングブレーキECU52は、操作部54の操作スイッチ71の引き操作によって信号送信部72から作動信号を受信したか否かを判断する。
ステップS60において、信号送信部72から作動信号を受信していない場合には、制御はステップS70に進む。
ステップS70において、パーキングブレーキECU52は、走行ECU36および/またはサービスブレーキECU47から解除指令信号を受信したか否かを判定する。
解除指令信号を受信した場合には、パーキングブレーキECU52は、ステップS80において、アクチュエータ58を駆動して電動パーキングブレーキ50による制動を解除する。このステップS70およびステップS80の制御が、自動制御における解除制御の一例である。
一方、ステップS60において、操作部54の操作スイッチ71の引き操作によって信号送信部72から作動信号を受信していると判断した場合には、制御はステップS90に進む。
ステップS90において、パーキングブレーキECU52は、走行ECU36および/またはサービスブレーキECU47から解除指令信号を受信したか否かを判定する。
ステップS90において、解除指令信号を受信していない場合には、制御はステップS40に戻る。一方、ステップS90において、解除指令信号を受信している場合には、制御はステップS100に進む。
ここで、操作部54の操作スイッチ71が引き操作されているため、パーキングブレーキECU52は、解除指令信号を受信した場合でも解除制御を行わない。
そして、ステップS100において、パーキングブレーキECU52は、操作スイッチ71の引き操作の終了に伴って操作スイッチ71が付勢部材によって中立状態となり、信号送信部72からの中立信号を受信したか否かを判断する。ステップS100において中立信号を受信するまで、電動パーキングブレーキシステム13は待機状態となる。
一方、ステップS100において、パーキングブレーキECU52が中立信号を受信すると、制御はステップS110に進み、ステップS110において、パーキングブレーキECU52は、アクチュエータ58を駆動して電動パーキングブレーキ50による制動を解除する。
ここで、ステップS90、S100、S110における制御は、運転者による操作部54の操作を自動制御による制御解除より優先させる制御である。すなわち、解除指令信号を受信した解除タイミングにおいて操作スイッチ71が引き操作されているため、操作スイッチ71による操作を優先して、電動パーキングブレーキ50の解除を行わず、操作スイッチ71が操作されて中立状態となったときに電動パーキングブレーキ50を解除している。
<効果等>
このように、パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50による制動を自動的に解除する解除制御を実行しているときに、解除制御と異なる動作を実行するように操作部54が操作された場合、操作部54の操作に基づいて電動パーキングブレーキ50による制動を維持または解除する。
操作部54の操作に基づいて電動パーキングブレーキ50による制動を維持または解除することによって、電動パーキングブレーキ50の解除制御よりもオペレータによる操作部の操作が優先されるため、オペレータが所望のタイミングで電動パーキングブレーキ50による制動を解除することができる。このため、坂道においてもスムーズに発進することができる。
また、解除制御は、エンジン22の回転数が所定値以上となる条件、クラッチの開度が所定値以上となる条件、および、シフトレバーが所定の操作をされる条件のうち少なくとも1つの条件に基づいて実行される。
これにより、オペレータが操作部54の操作を行わない場合には、電動パーキングブレーキ50の制動の解除を自動で行うことができる。
また、パーキングブレーキECU52は、停車時に所定条件を満たした場合に、電動パーキングブレーキ50を作動して車両1を制動する。
これにより、自動的に電動パーキングブレーキ50を作動することができる。
また、操作部54は、電動パーキングブレーキ50による制動が行われる引き状態(第1状態の一例)と、電動パーキングブレーキ50による制動が解除される押し状態(第2状態の一例)に操作可能である。
このように操作部54を引き状態と押し状態にすることによって、電動パーキングブレーキ50による制動およびその解除を行うことができる。
また、解除制御において電動パーキングブレーキ50による制動が解除される解除タイミングの前に、操作部54が押し状態に操作された場合、パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50による制動を解除する。
これにより、予め設定されている自動での制動解除のタイミングより早く制動を解除することができる。例えば、トラックの荷物が少ないため自動での制動解除のタイミングよりも早めに制動の解除を行うことが出来る場合に、操作部54を操作することによって手動で解除することができる。また、自動での制動解除のタイミングよりも早く発進準備ができた場合には、自動での制御解除のタイミングまで待たずに手動で制動を解除することによって発進することができる。
また、解除制御において電動パーキングブレーキ50による制動が解除される解除タイミングに、操作部54が引き状態に維持されている場合、パーキングブレーキECU52は、解除制御による制動の解除を行わない。
これにより、予め設定されている自動での制動解除のタイミングの際に解除を行わないようにすることができる。例えば、トラックの荷物が多いため自動での制動解除のタイミングよりも遅めに制動の解除を行いたい場合に、制動解除を遅らせることができる。また、発進準備の完了が、自動での制動解除のタイミングに間に合わない場合には、自動での制御解除のタイミングで解除を行わないようにすることができる。
また、操作部54は、引き状態と押し状態の間の中立状態に付勢されており、解除制御において電動パーキングブレーキ50による制動が解除されるタイミングの後に、操作部54が引き状態より中立状態側にされた場合、若しくは、操作部54が押し状態に操作された場合、パーキングブレーキECU52は、電動パーキングブレーキ50による制動を解除する。
これによって、オペレータが操作部54から手を放すだけで操作部54が中立状態となり、電動パーキングブレーキ50による制動を解除することができ、若しくは、操作部54を押し状態にすることによって、電動パーキングブレーキ50による制動を解除することができる。
また、電動パーキングブレーキシステム13は、設定スイッチ53(設定部の一例)を更に備える。設定スイッチ53は、解除制御を実行するか否かを設定する。
これにより、オペレータは自動で作動/解除制御を行うか否かを設定することができる。
(他の実施の形態)
以上、本開示の一実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、自動制御が、作動制御と解除制御を含むと記載したが、解除制御だけが自動で行われてもよい。
(B)
上記実施の形態では、設定スイッチ53で自動制御の実行および非実行の切り替えを行うことが出来ると説明したが、自動制御のうち解除制御および作動制御のいずれか一方のみの実行および非実行の切り替えを行うことができてもよい。
(C)
上記実施の形態では、ステップS80において操作スイッチ71が引き状態から中立状態に移動したときに中立信号が送信されて電動パーキングブレーキ50による制動が解除されると説明したが、これに限らず、操作スイッチ71が中立状態に配置されるより前に、中立状態側に向かって移動しはじめたときに電動パーキングブレーキ50による制動を解除してもよい。
さらに、中立状態で電動パーキングブレーキ50による制動を解除せず、運転者が操作スイッチ71を押して押し状態になったときに電動パーキングブレーキ50による制動を解除してもよい。
(D)
上記実施の形態では、平坦な道でもステップS10およびステップS20の条件を満たせば自動で電動パーキングブレーキ50を作動させる作動制御が行われるが、坂道においてのみ作動制御が行われてもよい。その場合、車両1に傾斜センサ等を設けることによって坂道に停車していることを検出できる。
(E)
上記実施の形態では、設定スイッチ53は、自動制御を行うか否かの設定と、解除タイミングの設定を行うことができ、実行切替ボタン61と、タイミング調整レバー62を有しているが、これらの構成に限らなくてもよい。例えば、タイミング調整レバー62に代えて解除タイミングを早めるボタンと遅くするボタンの2つのボタンが設けられ、各々のボタンを押下することで解除タイミングを変更してもよい。
また、設定スイッチ53に、解除タイミングを調整するタイミング調整レバー62が設けられていなくてもよい。
(F)
上記実施の形態では、サービスブレーキECU47が電動パーキングブレーキ50の作動指令信号を送信し、走行ECU36が電動パーキングブレーキ50の解除指令信号を送信することを主な具体例として説明しているが、これに限らず、パーキングブレーキECU52が作動制御および解除制御の少なくとも一方の判断を行ってもよい。
例えば、パーキングブレーキECU52に、ブレーキスイッチ42からのブレーキ操作信号、液圧センサ46からの液圧信号が入力され、パーキングブレーキECU52が電動パーキングブレーキ50の作動制御の実行の判断を行ってもよい。また、パーキングブレーキECU52にエンジン回転数センサ30からの回転数信号、および車速センサ35からの車速信号が入力され、パーキングブレーキECU52が入力され、パーキングブレーキECU52が、電動パーキングブレーキ50の解除制御の実行を判断してもよい。
(G)
上記実施の形態では、ステップS10においてパーキングブレーキECU52が車速センサ35からの車速信号を用いて車両1の停止を判断しているが、走行ECU36が車両の停止を判断し、車両の停止情報を含む信号をパーキングブレーキECU52に送信してもよい。また、車速センサ35の車速信号がサービスブレーキECU47にも入力される場合には、サービスブレーキECU47が車両の停止情報を含む信号をパーキングブレーキECU52に送信してもよい。さらに、ステップS20における作動指令信号の送信条件に、車両1が停止されていることを含めてもよい。この場合、ステップS10の制御は必要ない。また、車速センサ35からの車速信号はパーキングブレーキECU52に送信されなくてもよい。
(H)
上記実施の形態では、走行ECU36とサービスブレーキECU47とパーキングブレーキECU52は、別々のCPUを有し、別々に設けられているが、これに限られるものではなく、1つにまとめられていてもよいし、3つのECUのうち2つのECUがまとめられていてもよい。
本開示の電動パーキングブレーキシステムは、オペレータが所望するタイミングで電動パーキングブレーキの制動を解除することが可能な効果を有し、トラック等の車両に有用である。
1 :車両
13 :電動パーキングブレーキシステム
50 :電動パーキングブレーキ
51 :操作機構
52 :ブレーキECU
54 :操作部

Claims (8)

  1. 車両を制動する電動パーキングブレーキと、
    前記電動パーキングブレーキを操作する操作部と、
    前記電動パーキングブレーキを制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記電動パーキングブレーキによる制動を自動的に解除する解除制御を実行しているときに、前記解除制御と異なる動作を実行するように前記操作部が操作された場合、前記操作部の操作に基づいて前記電動パーキングブレーキによる制動を維持または解除する、
    電動パーキングブレーキシステム。
  2. 前記解除制御は、エンジンの回転数が所定値以上となる条件、クラッチの開度が所定値以上となる条件、および、シフトレバーが所定の操作をされる条件のうち少なくとも1つの条件に基づいて実行される、
    請求項1に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  3. 前記コントローラは、前記車両が停車時に所定条件を満たした場合に、前記電動パーキングブレーキを作動して前記車両を制動する、
    請求項1または2に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  4. 前記操作部は、
    前記電動パーキングブレーキによる制動が行われる第1状態と、前記電動パーキングブレーキによる制動が解除される第2状態に操作可能である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  5. 前記解除制御において前記電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングの前に、前記操作部が前記第2状態に操作された場合、前記コントローラは、前記電動パーキングブレーキによる制動を解除する、
    請求項4に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  6. 前記解除制御において前記電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングに、前記操作部が前記第1状態に維持されている場合、前記コントローラは、前記解除制御による制動の解除を行わない、
    請求項4または5に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  7. 前記操作部は、前記第1状態と前記第2状態の間の中立状態に付勢されており、
    前記解除制御において前記電動パーキングブレーキによる制動が解除されるタイミングの後に、前記操作部が前記第1状態より前記中立状態側にされた場合、若しくは、前記操作部が前記第2状態に操作された場合、前記コントローラは、前記電動パーキングブレーキによる制動を解除する、
    請求項6に記載の電動パーキングブレーキシステム。
  8. 前記解除制御を実行するか否かを設定する設定部を更に備えた、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電動パーキングブレーキシステム。
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