JP4534840B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、車両停止時に自動的に制動状態になることを一定条件下では禁止して、頻繁な踏み替えを抑えることを課題としている。
車両が頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態になっているか否かを推定する走行環境推定手段を備え、上記走行環境推定手段が頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定すると、上記車両停止時の自動的なブレーキ作動を禁止し、
上記走行環境推定手段は、運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値が所定値以下のとき、若しくは運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値が所定値より大きく且つ運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の平均値が所定値以下のとき、頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定すると共に、運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値及び平均値が所定値より大きいときには、車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の最大値が所定値以下のときに、若しくは車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の最大値が所定値より大きく且つ車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の平均値が所定値以下のときに、頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定することを特徴とするものである。
ここで、頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境とは、例えば、渋滞走行や、走行可能な車幅が極端に狭い道路を走行するなどの走行環境を指す。
図1及び図2は、電動駐車ブレーキ装置の構成を示す図である。
まず構成について説明すると、符号1は左右の後輪5に制動力を作用させる駐車ブレーキユニットであって、この駐車ブレーキユニット1はケーブル2を介してアクチュエータ3に接続し、該アクチュエータ3が作動することで所定の制動力を後輪5に作用させる。該アクチュエータ3は、モータ3aと減速機3bからなり、コントローラ4によってその作動が制御される。
ここで、上記駐車ブレーキユニット1は、駐車ブレーキ専用でも良いし、サービスブレーキと兼用されていても良い。また、図1及び2における、符号6はバッテリであり、符号7は、手動で駐車ブレーキを作動させる駐車ブレーキレバーを示している。
コントローラ4は、駐車ブレーキ制御本体部4A、及び自動ブレーキ禁止推定部4Bを備える。
ステップS30では、車両停止直前の車速を下回った状態になってから現在までに取得した減速度の平均値を演算し、減速度の平均値Gave-lowspを更新して、ステップS60に移行する。なお、車両停止中と判定した場合には、上記減速度平均値Gave-lowspの更新を行わない。
ステップS60では、運転者の意思でブレーキペダル(ブレーキ操作子)が踏み込まれることによる制動状態か否かを判定し、上記制動状態と判定した場合には、ステップS70に移行する。一方、上記制動状態でないと判定した場合にはステップS90に移行する。
ステップS80では、制動状態になってから現在までに取得した減速度の平均値を演算し、減速度の平均値Gave-bonを更新して、ステップS120に移行する。
ステップS140では、ブレーキペダルが踏み込まれてから車両停止までの間の車両減速度の最大値Gpeek-bonが所定値(例えば、0.05G)以下か否かを判定し、最大値Gpeek-bonが所定値以下と判定した場合にはステップS130に移行し、そうでない場合にはステップS150に移行する。なお、ステップS140にてゼロより大きいか否かを判定しているのは、リセットした後に値の設定が無い場合を排除するためである。後述のステップS150〜S170においても同様である。
ステップS160では、上記所定の低車速を下回ってから車両が停止するまでの車両減速度の最大値Gpeek-lowspが所定値(例えば、0.05G)以下か否かを判定し、最大値Gpeek-lowspが所定値以下と判定した場合にはステップS130に移行し、そうでない場合にはステップS170に移行する。
一方、ステップS130では、勾配センサからの信号に基づき、路面が登坂路と判定した場合にはステップS200に移行し、登坂路と判定しない場合にはステップS210に移行する。
ステップS200では、自動ブレーキ作動フラグfBRAKEOKに「1」を代入して作動許可状態で復帰する。
ステップS210では、自動ブレーキ作動フラグfBRAKEOKに「0」を代入して作動禁止状態で復帰する。
ここで、上記ステップS10〜S170が、走行環境推定手段を構成する。
駐車ブレーキ制御本体部4Aは、所定サンプリング毎に起動され、まずステップS300にて、手動の駐車ブレーキが作動しているか否かを判定し、手動の駐車ブレーキが作動していると判定するとステップS360に移行し、手動の駐車ブレーキが作動していない場合にはステップS310に移行する。
ステップS320では、自動ブレーキ作動フラグfBRAKEOKが「0」、つまり作動禁止状態である場合にはステップS380に移行し、そうでない場合にはステップS330に移行する。
ステップS340では、アクセルがオンか否かが判定され、アクセルがオンすなわちアクセルペダルが踏み込まれたと判定した場合にはステップS380に移行する。一方、アクセルがオフの場合にはステップS360に移行する。
ステップS350では、車両停止中が否かを判定し、車両停止中と判定した場合にはステップS360に移行し、車両停止中でないと判定した場合にはステップS380に移行する。
ステップS370では、上記目標制動力に応じた目標電流値をアクチュエータ3に出力して、駐車ブレーキを作動させる。
ステップS380では、駐車ブレーキの作動解除としてモータ3aへの通電を停止する。
以下の説明では、操作スイッチ10からの信号に基づき駐車ブレーキの自動制御がオン状態になっているとする。
車両が、シフトレンジがDレンジで前進走行した状態から運転者のブレーキ操作により一時停車すると自動的に駐車ブレーキが作動する。この状態から、ブレーキ操作が解除されアクセルペダルが踏まれると自動的に駐車ブレーキが解除されて再発進可能となる。
これにより、頻繁に停止・発進を繰り返す傾向にある、渋滞走行などの、車両が極低速でのみ走行可能な走行環境状態の場合には、車両が一時停止しても自動で駐車ブレーキが作動しないので、発進時にアクセル操作による駐車ブレーキの自動解除を必要とせず、ブレーキを緩めることによりクリープ力にて低速で走行するなど、ブレーキ操作だけで発進が可能となる。つまり、足の踏み替えが不要となる。
また、本実施形態では、頻繁に停止と発進とを繰り返す渋滞走行などの車両が極低速でのみ走行可能な走行環境状態であることを、実際に自車両周囲の状況をカメラ等で取得することなく推定するので、当該カメラ等の追加の装置が必要ない。
また、ステップS150の判定により、ブレーキペダルの操作のミスや、前方車両との車間距離の目測を誤ってブレーキペダルを踏み増しをした場合でも、ブレーキ操作中の平均値で判定することで、頻繁に停止と発進とを繰り返す渋滞走行などの車両が極低速でのみ走行可能な走行環境状態か否かを推定できる。
さらに、上記のように頻繁に停止と発進とを繰り返す渋滞走行などの車両が極低速でのみ走行可能な走行環境状態と推定して自動ブレーキの作動を禁止すると、登坂路で車両が停止した場合には、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える際に、車両がずり下がってしまう。これに対し、本実施形態では、頻繁に停止と発進とを繰り返す渋滞走行などの車両が極低速でのみ走行可能な走行環境状態と推定しても、登坂路と判定(ステップS130)した場合には、自動的なブレーキ作動又は解除を禁止することで、上記問題を防止できる。
また、上記実施形態では、停車時に自動制動が作動するブレーキとして駐車ブレーキを例示しているが、サービスブレーキであっても良い。
また、駐車ブレーキとしては、ケーブル引きタイプの駐車ブレーキ以外に、電動ブレーキ(EMB)や油圧式バイワイヤブレーキシステムを用いる駐車ブレーキなどでも良い。
2 ケーブル
3 アクチュエータ
3a モータ
4 コントローラ
4A 駐車ブレーキ制御本体部
4B 自動ブレーキ禁止推定部
5 後輪
fBREAKEOK 自動ブレーキ作動フラグ
Gpeek-lowsp 減速度最大値
Gave-lowsp 減速度平均値
Gpeek-bon 減速度最大値
Gave-bon 減速度平均値
Claims (2)
- 車両が停止すると自動的にブレーキを作動して制動状態とするブレーキ制御装置において、
車両が頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態になっているか否かを推定する走行環境推定手段を備え、
上記走行環境推定手段が頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定すると、上記車両停止時の自動的なブレーキ作動を禁止又は解除し、
上記走行環境推定手段は、
運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値が所定値以下のとき、若しくは運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値が所定値より大きく且つ運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の平均値が所定値以下のとき、頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定すると共に、
運転者のブレーキ操作による制動開始から車両停止までの間の車両減速度の最大値及び平均値が所定値より大きいときには、車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の最大値が所定値以下のときに、若しくは車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の最大値が所定値より大きく且つ車速が所定の低速状態になってから車両が停止するまでの間の車両減速度の平均値が所定値以下のときに、頻繁に停止と発進とを繰り返す走行環境状態と推定する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 車両停止直前若しくは車両が停止した路面が登坂路と判定すると、上記自動ブレーキの
禁止及び解除を禁止することを特徴とする請求項1に記載したブレーキ制御装置。
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