JP4844366B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、サービスブレーキ装置とパーキングブレーキ装置との両方を含むブレーキ装置に関するものである。
特許文献1には、(a)液圧ブレーキと、(b)機械式ブレーキと、(c)車両の停止状態において、液圧ブレーキの液圧を、車両を停止状態に保ち得る大きさに保持制御する停止中液圧保持制御部と、(d)車両が、予め定められた設定時間以上停止状態にある場合に、前記液圧ブレーキを自動で解除して前記機械式ブレーキを自動で作動させるブレーキ切換え装置とを含むブレーキ装置が記載されている。
特開2005−280640号公報
特許文献1に記載のブレーキ装置においては、アクセル操作部材が操作されると、機械式ブレーキが解除される。一方、機械式ブレーキにおいては、解除時の遅れが大きく、車両が速やかに発進できないことがあった。そこで、本発明の課題は、特許文献1に記載のブレーキ装置の改良であり、例えば、速やかな発進が要求される場合に、パーキングブレーキの作動が行われないようにして、車両が速やかに発進できるようにすることである。
請求項1に係るブレーキ装置は、(a)車両に設けられて、その車両の複数の車輪の各々
の回転を抑制する第1摩擦ブレーキと、電力の供給により、前記第1摩擦ブレーキの作用力を制御可能なブレーキ作用力制御装置とを含むサービスブレーキ装置と、(b)前記車両
の前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪の回転を抑制する第2摩擦ブレーキと、その第2摩擦ブレーキを作動させる電動モータと、前記第2摩擦ブレーキの作用力を、前記電動モータに電流が供給されなくても保持する保持装置とを含むパーキングブレーキ装置と、(c)前記車両が停止状態にあり、かつ、予め定められた設定条件が満たされた場合に、前
記電動モータを作動させて、前記第2摩擦ブレーキを作動させる停止中パーキングブレーキ自動作動装置と、(d)前記車両が停止状態にある場合に、その停止状態にある車両の周
辺の環境を検出する環境検出装置と、(e)その環境検出装置によって検出された環境に基
づき、前記車両の速やかな発進が要求されない場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を許可し、前記速やかな発進が要求される場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置とを含むとともに、前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、道路の交差点を中心とする予め定められた設定範囲内であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する交差点付近停止中パーキングブレーキ作動禁止部を含むものとされる。また、請求項2に記載のブレーキ装置においては、前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、幹線道路に合流する支線道路上の前記合流位置であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する合流待ち中パーキングブレーキ作動禁止部を含むものとされる。
本項に記載のブレーキ装置において、車両が停止状態にある場合において、速やかな車両の発進が要求されない環境であり、かつ、設定条件が満たされた場合に、パーキングブレーキ装置が自動で作動させられる。運転者によってパーキングブレーキ操作部材が操作されなくても、パーキングブレーキ装置が作動させられるのである。それに対して、車両が停止状態にある場合において、速やかな発進が要求される環境である場合には、上述の設定条件が満たされても、パーキングブレーキ装置が自動で作動させられることはない。
なお、自動で作動させられたパーキングブレーキ装置は、運転者の発進意図が検出された場合に自動で解除される。例えば、アクセル操作部材が操作されたこと、シフト位置が停止指示位置(ニュートラル位置、パーキング位置等が該当する)から駆動指示位置(ドライブ位置、リバース位置等が該当する)に切り換えられたこと等の1つ以上が検出された場合に発進意図があるとすることができる。
一方、パーキングブレーキ装置については、サービスブレーキ装置より、ブレーキ解除
時の遅れが大きいのが普通である。そのため、車両の速やかな発進が要求される環境であっても、上述の設定条件が満たされた場合にパーキングブレーキ装置が自動で作動させられ、発進意図に応じて自動で解除されるようにすると、車両を速やかに発進させることができない。それに対して、速やかな発進が要求される環境である場合には、上述の設定条件が満たされても、パーキングブレーキ装置が自動で作動させられないようにすれば、速やかに発進させることが可能となる。また、上記設定条件が満たされても、速やかな発進が要求される環境である場合にパーキングブレーキ装置が作動させられないようにすれば、その分、パーキングブレーキ装置の作動頻度が低くなるため、寿命を長くすることができ、故障が生じ難くすることができる。
本項に記載のブレーキ装置において、サービスブレーキ装置の第1摩擦ブレーキは車両の複数の車輪の各々に設けられるが、パーキングブレーキ装置の第2摩擦ブレーキは複数の車輪すべてにそれぞれ設けられるようにしても、一部の車輪に設けられ、残りの車輪には設けられないようにしてもよい。いずれにしても、少なくとも一部の車輪については、第1摩擦ブレーキと第2摩擦ブレーキとの両方が設けられることになる。少なくとも一部の車輪については、第1摩擦ブレーキと第2摩擦ブレーキとは同じ(ブレーキ回転体と摩擦部材とが共通)ものであっても、異なる(摩擦部材が異なる)ものであってもよい。
第1摩擦ブレーキの押付装置は、例えば、摩擦部材に押付力を直接付与する電動モータを含むものとしたり、摩擦部材に液圧による作用力を直接付与するブレーキシリンダを含むものとしたりすることができる。また、第2摩擦ブレーキの押付装置は、(a)電動モー
タと、(b)その電動モータの回転軸の回転を出力部材の直線移動に変換する運動変換装置
と、(c)一端部において前記運動変換装置の出力部材に連結されるとともに、他端部にお
いて前記第2摩擦ブレーキに連結されたケーブル(力伝達部材)とを含むものとすることができる。
このように、サービスブレーキ装置においては、摩擦部材に電動モータの駆動力やブレーキシリンダの液圧が直接加えられるのに対してパーキングブレーキ装置においては、電動モータの駆動力がケーブルを介して伝達される。そのため、パーキングブレーキ装置における方がサービスブレーキ装置における場合より、ブレーキの作動遅れ、解除遅れが大きくなるのである。
なお、本項に記載のブレーキ装置において、『速やかな発進が要求される環境である場合には、設定条件が満たされても、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされさないようにされている』と考えたり、『設定条件をパーキングブレーキ自動作動条件とし、速やかな発進が要求される環境である場合には、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされてもパーキングブレーキ装置が自動で作動させられないようにされている』と考えたりすることができる。設定条件は、例えば、「車両が停止してから設定時間が経過したこと」とすることができる。
ナビゲーション情報に基づけば、車両の停止位置が、道路の交差点を中心とする設定範囲内であるか否かがわかる。交差点付近(交差点を中心とする設定範囲内)は、速やかな発進が要求される環境、換言すれば、速やかに発進する必要性が高い環境であるとすることができる。例えば、右折する場合等交差点の中で停止している場合には、直進車の流れが途切れた場合等のタイミングで速やかに発進する必要がある。また、交通渋滞に起因して交差点の中で停止することがあり、その場合にも、先行車両の発進に伴って、速やかに発進する必要がある。さらに、交通渋滞に起因して交差点を通過してから停止することもあり、この場合には、後続車のために、速やかに発進する必要がある。また、交差点の手前で停止信号により停止している場合には、信号が変われば、速やかに発進することが望ましい。したがって、交差点を中心とする設定範囲内を、パーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることができる。
ナビゲーション情報に基づけば、車両の停止位置が、支線道路上の幹線道路との合流位置であるか否かがわかる。合流位置は、速やかな発進が要求される環境(速やかに発進させる必要性が高い環境)であるとすることができる。車両は、合流位置において、幹線道路の車の流れが途切れず、幹線道路に移れない(合流できない)ために停止しているのが普通である。そのため、幹線道路の車の流れが途切れた場合等のタイミングで速やかに発進する必要がある。したがって、合流位置を、パーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることができる。
交差点は、2本以上の道路が実際に交差している位置(立体交差は含まない)であり、例えば、図8(a)〜(c)に示すように、2本の道路196,198が交差している場合に、道路196,198の各々の幅で決まる一定の広さ(面積)を有する領域200をいう。交差点においては、互いに交差する2本以上の道路のうちの1本以上が幹線道路で残りが支線道路である場合と、2本以上の道路間において幹線道路、支線道路の区別がない場合とがある。また、交差点には、信号機が設置されていることが多いが、そうでないこともある。さらに、三叉路(T字路)の交点周辺は交差点と称したり、合流位置と称したりすることができる。
パーキングブレーキ自動作動禁止領域としての交差点を中心とする設定範囲は、例えば、図8(a)に示すように、道路196,198上の交差点200の中心Oから半径Rの円の内部の領域202とすることができる。また、交差点(の内部領域)200のみをパーキングブレーキ自動作動禁止領域200とすることもできる。半径Rは、交差点200の広さにもよるが、20〜200mとすることが望ましく、特に、20m以下、30m以下、50m以下、100m以下、150m以下とすることが望ましい。さらに、図8(b)に示すように、交差点200および道路196,198上の交差点200との境界線Q(道路196,198と交差点200との境界線)から距離A以内の領域204を含む領域206とすることもできる。距離Aは、15m〜100mとすることが望ましく、20m以下、30m以下、50m以下、70m以下とすることが特に望ましい。また、図8(c)に示すように、交差点200と、道路196上の境界線Qより手前の領域(自車両210の進行方向に交差点200がある領域)208とを含む領域212とすることもできる。
合流位置は、2本の道路が交差している場合において、一方が幹線道路で他方が支線道路である位置をいう。交差点との区別が明確でない場合もある。幹線道路と支線道路とは、例えば、(高速道路、インターチェンジやサービスエリアから高速道路へ合流する道路)、(国道、そうでない道路)、(道路の幅が広い道路、狭い道路)等が該当する。合流位置においては、信号機がないことが多い。合流位置は、支線道路上の領域をいう。支線道路から幹線道路に移る場合に、支線道路上で停止することが多いからである。合流位置の領域は、例えば、図9(a)に示すように、幹線道路220と支線道路221とが合流する場合の、支線道路221上の合流線S(幹線道路220と支線道路221との境界線)に沿った領域224としたり、図9(b) に示すように、支線道路221上の合流線Sから距離B以下の領域226としたりすることができる。距離Bは距離Aと同じとしても、距離Aより短い距離としてもよい。
請求項3に記載のブレーキ装置において、前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、さらに、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、交通渋滞領域内であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する渋滞時パーキングブレーキ作動禁止部を含むものとされる。
ナビゲーション情報と道路状況情報とに基づけば、車両の停止位置が交通渋滞領域内にあるか否かがわかる。道路状況情報によれば、交通渋滞領域が地図上のいずれの領域であるかがわかるため、その情報と現在位置情報とに基づけば、現在位置が交通渋滞領域内にあるかどうかがわかるのである。交通渋滞領域内にある場合には、交通渋滞の程度にもよるが、発進と停止とを短い時間間隔で繰り返すことが多く、速やかに発進することが要求されることが多い。そのため、交通渋滞領域を、パーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることが望ましい。また、交通渋滞領域内にある場合に、パーキングブレーキが自動で作動させられないようにすれば、パーキングブレーキ装置の作動頻度を低くすることもできる。図10に示すように、交通渋滞領域230は道路状況情報に基づいて取得されるが、交通渋滞領域230には、前述の交差点付近の領域、合流位置の領域等を含むことが多い。また、交通渋滞領域230と図8(a)〜(c)の交差点周辺の領域202,206,212とが重なった領域をパーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることもできる。前述のように、交差点付近で速やかな発進が要求されるのは交通渋滞に起因することが多いからである。なお、交通渋滞の程度がひどく、長時間停止している可能性が高い場合には、運転者によってパーキングブレーキ操作部材が操作され、それによって、パーキングブレーキ装置が作動させられると推定される。
請求項4に記載のブレーキ装置においては、前記環境検出装置が、(a)自車両の現在の
位置を表す情報と地図情報とを含むナビゲーション情報を取得するナビゲーション情報取得部と、道路の交通状況情報を取得する交通状況情報取得部との少なくとも一方と、(b)
それらナビゲーション情報取得部と道路交通状況情報取得部との少なくとも一方によって取得された情報に基づいて前記車両の周辺の環境を検出する外部情報依拠検出部とを含むものとされる。
停止状態にある車両の周辺の環境は、ナビゲーション情報、交通状況情報等の車両の外部から得られる外部情報に基づいて取得することができる。
請求項5に記載のブレーキ装置において、前記ブレーキ作用力制御装置が、前記車両の停止状態において、前記サービスブレーキ装置のブレーキ作用力を、前記車両を停止状態に保ち得る大きさに保持制御する停止中サービスブレーキ制御部を含み、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置が、パーキングブレーキ装置装置を自動で作動させるとともに、前記サービスブレーキ装置を自動で解除するブレーキ切換え部を含むものとされる。
車両はサービスブレーキ装置の作動によって停止させられることが多く、車両の停止中において予め定められた設定条件(停止中保持条件)が満たされるとブレーキ作用力が保持される。それに対して、車両の停止中に、パーキングブレーキ装置がサービスブレーキ装置に代わって作動させられるようにすれば、サービスブレーキ装置の作用時間を短くすることができ、寿命を長くすることが可能となる
以下、本発明の一実施例であるブレーキ装置について、図面に基づいて詳細に説明する。本ブレーキ装置を備えた車両において、図1に示すように、CAN(Control Area Network)10を介して、複数のコンピュータ、センサ等が接続されている。12はVSCECU(スリップ制御ECU、以下、サービスブレーキECUと称する)であり、14はEKBECU(電動パーキングブレーキECU)であり、16はETCECU(エンジントランスミッションECU)であり、18はナビゲーションコンピュータである。
サービスブレーキECU12は、図2に示すように、実行部20、記憶部21、入出力部22等を含むコンピュータを主体とするものであり、サービスブレーキとしてのディスクブレーキ30(第1摩擦ブレーキ)の作用力を制御するものである。サービスブレーキECU12には、停止中保持制御許可スイッチ31(図1参照),作用力制御アクチュエータ32,ブレーキスイッチ33,マスタシリンダ圧センサ34,車輪速センサ35,ブレーキシリンダ液圧センサ37等が接続されている。本実施例において、ディスクブレーキ30は液圧により作動させられる液圧ブレーキであり、作用力制御アクチュエータ32は液圧制御アクチュエータである。液圧制御アクチュエータ32は、サービスブレーキ30の液圧を制御可能な複数の電磁制御弁を備えた電磁制御弁装置38および電力の供給により作動させられて高圧の作動液を供給可能なポンプ等を含む動力式液圧源40等を含む。サービスブレーキ30の液圧は、ブレーキ作用力、車両の停止状態における制動トルクに対応する。本実施例においては、ディスクブレーキ30,液圧制御アクチュエータ32等によりサービスブレーキ装置42が構成される。以下、サービスブレーキ30を、液圧ブレーキ、ディスクブレーキと称することがある。
電動パーキングブレーキECU14は、実行部44、記憶部45、入出力部46(図2参照)等を含むコンピュータを主体とするものであり、パーキングブレーキとしてのドラムブレーキ50(第2摩擦ブレーキ)の作用力を制御するものである。電動パーキングブレーキECU14には、作用力制御アクチュエータとしての電動モータ52,張力センサ54,パーキングブレーキスイッチ56等が接続されている。パーキングブレーキ50は、図2に示すように、ケーブル58が電動モータ52によって引っ張られることによって作動させられるものであり、ケーブル58が、電動モータ52に、運動変換装置60、クラッチ61を介して接続される。ケーブル58の張力は、パーキングブレーキ50の作用力、停止状態における制動トルクに対応し、運動変換装置60に設けられた張力センサ54によって検出される。本実施例においては、パーキングブレーキ50,電動モータ52,ケーブル58,運動変換装置60,クラッチ61等によりパーキングブレーキ装置62が構成される。以下、パーキングブレーキ50を、ドラムブレーキと称することがある。
図2に示すように、サービスブレーキ30は前後左右の各輪64FL、FR、RL、RRに設けられ、パーキングブレーキ50は左右後輪64RL、RRに設けられる。左右後輪64RL、RRについてはドラムインディスクブレーキとされており、ドラムブレーキがパーキングブレーキ50、ディスクブレーキがサービスブレーキ30である。
サービスブレーキ装置42において、液圧ブレーキ30は、よく知られた構造であるため詳細な図示は省略するが、車輪64とともに回転するロータと、摩擦部材とを含み、ブレーキシリンダ66の液圧によって摩擦部材がロータに押し付けられる。液圧ブレーキ30の押付装置は、ブレーキシリンダ66および図示しないキャリパ等により構成される。
ブレーキシリンダ66の液圧は、液圧制御アクチュエータ32の制御によって制御される。電磁制御弁装置38は、マスタ遮断弁67mc、各輪毎に設けられた保持弁67aおよび減圧弁67r等を含む。ブレーキシリンダ液圧センサ37は、各輪64FL、FR、RL、RRのブレーキシリンダ66に対応してそれぞれ設けられる。
動力式液圧源40は、リザーバ68の作動液を汲み上げて吐出するポンプ70,ポンプ70を駆動する電動モータ72,ポンプ70から吐出された作動液を加圧した状態で蓄えられるアキュムレータ74等を含む。
サービスブレーキ操作部材としてのブレーキペダル76にはマスタシリンダ78が連結され、ブレーキペダル76の操作力に応じた液圧が発生させられる。マスタシリンダ圧センサ34による検出値は、ブレーキペダル76の操作力に対応する大きさとなる。
マスタシリンダ78には、左右前輪64FL、FRのブレーキシリンダ66が接続されており、これらの間に、前述のマスタ遮断弁67mcが設けられる。マスタ遮断弁67mcは常開の開閉弁であり、閉状態において、ブレーキシリンダ66がマスタシリンダ78から遮断され、ブレーキシリンダ66の液圧が動力式液圧源40の液圧を利用して制御される。
通常制動時において、ブレーキペダル76が踏み込まれるとブレーキスイッチ33がON状態に切り換えられて、マスタ遮断弁67mcが閉状態とされる。ブレーキシリンダ66の目標液圧がブレーキペダル76の操作状態に応じた大きさに決定され、ブレーキシリンダ液圧センサ37によって検出された実際のブレーキシリンダ液圧が目標液圧に近づくように、保持弁67a、減圧弁67rが制御される。
それに対して、停止中液圧保持制御許可スイッチ31がON状態(運転者によってON操作された状態)にあり、かつ、車両の停止状態において、予め定められた設定条件が満たされた場合には、液圧保持条件が満たされたとされて、ブレーキシリンダ66の液圧が保持される。本実施例において、設定条件は、車両の停止状態が予め定められた設定時間(液圧保持許可時間と称することができる)以上続いたこととされる。車両を停止状態に保ち得る制動力(ブレーキシリンダ液圧に対応)の大きさは、例えば、車両に作用する移動力に基づいて決めることができ、移動力は、車両が平坦な道路に停止している場合には、車両に加えられる駆動力等に基づいて取得することができる。車両を停止状態に保つのに必要な大きさは、停止時の制動力と同じ大きさとすることもできる。いずれにしても、保持制御においては、ブレーキシリンダ液圧が保持(保持弁67aおよび減圧弁67rが閉状態)されるため、ブレーキペダル76の操作が解除されても、車両は停止状態に保たれる。
サービスブレーキECU12の記憶部21には、図5のフローチャートで表される停止時液圧制御プログラム等が記憶されている。
パーキングブレーキ装置62において、ドラムブレーキ50は、よく知られた構造であるため、詳細な図示は省略するが、車輪64とともに回転するドラムと、摩擦部材を保持する一対のブレーキシューと、ブレーキシューを駆動するブレーキレバーとを含む。ブレーキレバーには、ケーブル58が係合させられ、ケーブル58が電動モータ52により引っ張られると、ブレーキレバーが回動させられ、一対のブレーキシューが拡開させられてドラムの内周面に押し付けられる。ドラムブレーキ50の押付装置は、電動モータ52,ケーブル58等によって構成される。ブレーキレバーも押付装置に含ませることができる。
図3に示すように、電動モータ52の回転は、ギヤ列90,クラッチ61を介して運動変換装置60に入力される。運動変換装置60は、ねじ機構92等を含み、電動モータ52の回転を直線運動に変換してケーブル58に伝達する。
ギヤ列90は、複数のギヤ96,98,100を含む。電動モータ52の出力軸102にはギヤ96が噛合され、ギヤ96の回転が、ギヤ98を経てギヤ100に伝達される。ギヤ100の電動モータ52とは反対側の端面には、軸線L方向と平行に突出する駆動伝達部104が設けられている。
クラッチ61は、一方向クラッチであり、コイルスプリング108を含む。図4に示すように、コイルスプリング108は、巻径が弾性的に僅かに収縮させられた状態でハウジング110に嵌合されており、それの外周面がハウジング110の内周面に密着し、素線の端部112,114が、それぞれ、内周側に向かって突出させられた状態で設けられている。また、ギヤ100の駆動伝達部104が2つの端部112,114で挟まれた2つの空間の一方に位置し、クラッチ61の出力軸115と一体的に設けられたロータ116が他方に位置する。
電動モータ52の回転に伴ってギヤ100が回転すると、駆動伝達部104が端部112,114のいずれか一方に当接し、コイルスプリング108が巻き締められてハウジング110の内周面とスプリング108の外周面との間の摩擦力が小さくなる。それによって、コイルスプリング108,ロータ116が回転可能となり、出力軸115を回転させる。出力軸115はギヤ100と一体的に回転させられるのであり、クラッチ61によって、電動モータ52の回転が出力軸115に伝達されることになる。
電動モータ52に電流が供給されない状態において、出力軸115にトルクが加わると、ロータ116が端部112,114のいずれか一方に当接し、それによって、コイルスプリング108が拡径させられる。コイルスプリング108の外周面とハウジング110の内周面との間の摩擦力が大きくなり、コイルスプリング108の回転は阻止される。クラッチ61によって、出力軸115のトルクのギヤ100への伝達が阻止される。電動モータ52に電流が供給されない状態において、出力軸115に加えられるトルクによって電動モータ52が回転させられることはない。
ねじ機構92は、ハウジング130と、軸線Lと平行な方向に延びた雄ねじ部材132と、雄ねじ部材132に螺合させられた図示しないナットと、ナットにM軸線回りに相対回動可能に取り付けられたイコライザ134とを含む。雄ねじ部材132は、一対のベアリング等を介して、ハウジング130に相対回転可能に支持される。イコライザ134の両アームには、ケーブル58のインナケーブル137がそれぞれ連結されている。イコライザ134は、ハウジング130に、軸線Lを中心とした相対回転不能、軸線Lと平行な方向に相対移動可能、かつ、軸線Mの回りに相対回動可能となっている。
イコライザ134は、図3に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で相対移動可能とされており、イコライザ134の相対移動に伴ってケーブル58のインナケーブル137が引っ張られたり、緩められたりする。また、イコライザ134は、2つのケーブル58のインナケーブル137に加えられる張力(以下、単にケーブル58の張力という)が同じになるように、軸線Mの回りに回動させられる。ケーブル58の張力は、張力センサ54によって検出される。
パーキングブレーキスイッチ(以下、パーキングスイッチと略称する)56(図1,2参照)がON操作されると、電動モータ52が作動させられ、2つのケーブル58が引っ張られる。ケーブル58の張力の目標値である目標張力は、張力に対応する制動力が前述のように車両を停止状態に保ち得る大きさに決定され、張力センサ54によって検出された実際の張力が目標張力となるように、電動モータ52が制御される。車両を停止状態に保ち得る大きさは、予め定められた設定張力とすることもできる。
また、後述するように、車両の停止状態において、予め定められた条件が満たされた場合(パーキングブレーキ自動作動条件が満たされた場合)には、パーキングスイッチ56がON操作されなくても、パーキングブレーキ50が作動させられる(自動で作動させられる)。パーキングブレーキ自動作動条件は、車両の停止状態が設定時間以上続いたこと、あるいは、サービスブレーキ装置42の保持制御が開始されてから設定時間(パーキングブレーキ自動作動許可時間と称することができる)が経過したこととすることができる。
電動パーキングブレーキECU14の記憶部45には、図6のフローチャートで表される停止時パーキングブレーキ制御プログラム等が記憶されている。
図1に示すように、エンジントランスミッションECU16には、アクセル開度センサ146,シフト位置センサ147等が接続される。アクセル開度センサ146は、アクセル操作部材148の開度を検出する(アクセル操作部材148が操作状態にあるか解除状態にあるかを検出する)ものであり、シフト位置センサ147は、シフト操作部材149の位置を検出するものである。
ナビゲーション(navigation)コンピュータ18は、ナビゲーション情報取得部150,道路交通状況情報取得部152,周辺環境取得部153等を含み、ナビゲーション情報取得部150は、地図情報等を記憶する記憶部154を含む。
ナビゲーションコンピュータ18には、GPS(Global Positioning System)受信装置162、通信装置164が接続される。GPS受信装置162にはGPSアンテナ166が接続され、GPSアンテナ166を介して供給された情報に基づいて車両の現在の位置が取得される。また、ヨーレイトセンサ166,車輪速度センサ35等の検出値等に基づいて車両の進行方向、走行速度等が取得される。
また、通信装置164を介して道路交通状況情報が取得される。道路交通状況情報には交通渋滞情報が含まれるが、交通渋滞情報には、予め決められた時刻において、交通渋滞が生じている領域を表す交通渋滞領域情報が含まれる。交通渋滞領域は、時間の経過に伴って変化することが多い。
周辺環境取得部153においては、車両の現在の周辺の環境がナビゲーション情報、道路交通状況情報等に基づいて取得される。
以上のように構成されたブレーキ装置を含む車両が停止状態にある場合において、液圧保持条件が満たされると、サービスブレーキ装置42においてブレーキシリンダ66の液圧を保持する液圧保持制御が行われる。また、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされると、パーキングスイッチ56が操作されなくても、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられる。また、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられると、サービスブレーキ装置42が自動で解除される。そして、運転者の発進意図が検出された場合には、パーキングブレーキ装置62が自動で解除される。
しかし、車両の停止場所がパーキング自動作動禁止領域内にある場合には、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされても、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられないようにされている。
パーキングブレーキ自動作動禁止領域は、車両を速やかに発進させる必要性が高い環境の領域であり、換言すれば、車両を速やかに発進させる要求がある環境の領域である。本実施例においては、交差点付近の領域、合流位置の領域、交通渋滞領域を含む領域とされる。交差点付近の領域は、図8の(a)に示すように、交差点200の中心Oを中心とする半径Rの円の内部の領域202であり、合流位置の領域は、図9の(a)に示すように、支線道路221が幹線道路220に合流する場合の支線道路221上の領域224である。また、交通渋滞領域は、図10に示すように交通渋滞情報から得られる領域230である。交通渋滞領域230は予め決められているのではない。
パーキングブレーキ装置62を解除する場合には、電動モータ52の作動によりイコライザ134が図3の実線で表される位置に移動させられる。それによって、ケーブル58の張力が緩められるのであるが、それが、ケーブル58を介してドラムブレーキ50に伝達され、摩擦部材のドラムへの押付力が小さくされる。このように、電動モータ52の作動がケーブル58を介してドラムブレーキ50に伝達されるため、ドラムブレーキ50の作用力が電動モータ52の作動に遅れて小さくなる。パーキングブレーキ装置62においては、ブレーキの解除遅れが大きく、車両を速やかに発進させることができないという問題がある。
それを回避するために、本実施例においては、車両の停止位置がパーキングブレーキ自動作動禁止領域にある場合には、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされても、パーキングブレーキ装置62の自動作動が禁止されるようにした。
ナビゲーションコンピュータ18の周辺環境情報取得部153において、車両の現在位置、地図情報、交通渋滞情報等に基づいて、車両の現在位置が、パーキングブレーキ自動作動禁止領域にあるか否かを取得し、そのことを表す情報が出力される。この場合に、車両の進行方向が考慮されることもある。
周辺環境情報取得部153において、図7のフローチャートで表される周辺環境取得プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ101(以下、S101と略称する。他のステップについても同様とする)において、車両の現在位置が取得され、S102において、地図情報、交通渋滞情報(道路交通状況情報)が取得される。そして、S103,104,105において、車両の現在位置がパーキングブレーキ自動作動禁止領域202,224,230のいずれかにあるか否かが判定される。S103〜105のいずれかのステップの判定がYESであり、パーキングブレーキ自動作動禁止領域内にあることが検出された場合には、S106において、パーキングブレーキ自動作動禁止指令が出力され、S103〜105のすべてのステップの判定がNOであり、パーキングブレーキ自動作動禁止領域内にないことが検出された場合には、S107において、パーキングブレーキ自動作動許可情報が出力される。
なお、パーキングブレーキ自動作動禁止指令、パーキングブレーキ自動作動許可情報は、要求情報に応じて出力されるようにすることもできる。
また、このプログラムの一部あるいは全部は、パーキングブレーキECU14において実行されるようにすることもできる。
さらに、パーキングブレーキ自動作動禁止領域は、それに限らない。例えば、図8(a)〜(c)に示す交差点(内の領域)200としたり、図8(b)に示す領域206としたり、図8(c)に示す領域212としたり、図9(b)に示す領域226としたりすることができる。また、図8(a)の領域202と、図10の領域230との重複領域をパーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることができる。S103,105の両方のステップの判定がYESである場合に、パーキングブレーキ自動作動禁止指令が出力されるようにする。交差点付近で停止している場合において、交通渋滞が生じている場合に、速やかな発進が要求されることが多いからである。
また、交通渋滞が生じている場合には、図8(a)の領域202をパーキングブレーキ自動作動禁止領域とし、交通渋滞が生じていない場合には、図8(c)の領域212をパーキングブレーキ自動作動禁止領域とすることもできる。いずれにしても、パーキングブレーキ自動作動禁止領域は、適宜設定することが可能である。
サービスブレーキECU12においては、図5のフローチャートで表される停止中液圧保持制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S1において、停止中液圧保持制御許可スイッチ31がON状態(停止中液圧保持制御許可状態)にあるか否かが判定される。停止中液圧保持制御許可状態にある場合には、S2において、車両がサービスブレーキ30の作用により停止させられた状態にあるか否かが判定され(ブレーキスイッチ33がON状態にあり、かつ、すべての車輪の回転速度が設定値以下であるか否かが判定され)、S3において、液圧保持制御中であるか否かが判定される。
車両が停止状態にあるが、液圧保持制御中でない場合には、S4において、車両が停止してから予め定められた設定時間Ts(液圧保持許可時間)が経過したか否かが判定される。液圧保持許可時間が経過する以前においては、S1〜4が繰り返し実行される。そのうちに、液圧保持許可時間Tsが経過して液圧保持条件が満たされると、S4の判定がYESとなり、S5において、ブレーキシリンダ液圧の保持制御が行われる。本実施例においては、保持弁67a、減圧弁67rが閉状態とされる。
一方、液圧保持制御中である場合には、S3の判定がYESとなり、S6において、液圧解除条件(液圧保持解除条件と称することもできる)が満たされたか否かが判定される。液圧解除条件は、運転者の発進意図が検出されたこと、液圧解除指令を受信したこととの少なくとも1つが満たされた場合に満たされたとされる。アクセル操作部材148が操作されて、開度が設定開度以上になった場合、シフト操作部材149が停止指示位置(パーキング位置、ニュートラル位置等が該当する)から駆動指示位置(ドライブ位置、リバース位置等が該当する)に切り換えられた場合に、運転者の発進意図があるとされる。アクセル開度情報、シフト操作部材149の操作位置を表す情報は、エンジン・トランスミッションECU16から供給され、液圧解除指令は、電動パーキングブレーキECU14から供給される。液圧解除条件が満たされない場合は、S5が実行される。液圧解除条件が満たされるまでの間は、S1〜3,6,5が繰り返し実行されて、液圧保持制御が継続して行われるが、液圧解除条件が満たされると、S6の判定がYESとなり、S7において、ブレーキシリンダ液圧が0とされる。
後述するように、車両の停止状態において、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられる場合には、パーキングブレーキECU14から、パーキングブレーキ装置62の作動時に液圧解除指令が供給されることによって液圧解除条件が満たされることになるが、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられない場合には、運転者の発進意図が検出された場合に、液圧解除条件が満たされたとされて、サービスブレーキ装置42が解除されることになる。
電動パーキングブレーキECU14において、図6のフローチャートで表される停止中パーキングブレーキ制御プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
S10において、車両が停止状態にあるか否かが判定される。停止状態にある場合には、S11において、パーキングブレーキ50が作用中であるか否かが判定され、作用中でない場合には、S12において、パーキングスイッチ56がON操作されたか否かが判定され、ON操作されていない場合には、S13において、サービスブレーキ装置42において液圧保持制御中であるか否かが判定される。パーキングブレーキ50が作用中でなく、パーキングスイッチ56がON操作されておらず、かつ、液圧保持制御中である場合には、S14において、ナビゲーションコンピュータ18からのパーキングブレーキ自動作動禁止指令が受信されたか否かが判定される。パーキングブレーキ自動作動禁止指令が受信されない場合には、S15において、パーキングブレーキ自動作動条件が成立したか否かが判定される。本実施例においては、液圧保持制御が行われてから設定時間Tp(パーキングブレーキ自動作動許可時間)が経過したか否かが判定される。パーキングブレーキ自動作動許可時間が経過する以前においては、S10〜15が繰り返し実行されるが、パーキングブレーキ自動作動許可時間Tpが経過すると、S15の判定がYESとなり、S16において、パーキングブレーキ装置62が作動させられ、パーキングブレーキ50の作用力が目標値に達すると(ケーブル58の張力が目標値に達すると)、S17において、サービスブレーキECU12に液圧解除指令が出力される。
それに対して、運転者によってパーキングスイッチ56がON操作された場合には、S12の判定がYESとなり、S18においてパーキングブレーキ装置62が作動させられる。運転者によってパーキングスイッチ56がON操作された場合には、そのことが優先されて、パーキングブレーキ装置62が作動させられるのである。そして、パーキングブレーキ50の作用力が目標値に達すると、S19において、液圧保持制御中であるか否かが判定され、液圧保持制御中である場合には、S17において、液圧解除指令が出力されるが、そうでない場合には、出力されることはない。
次に、本プログラムが実行される場合には、パーキングブレーキ50が作用状態にあるため、S11の判定がYESとなり、S20において、パーキングブレーキ解除条件が満たされたか否かが判定される。本実施例においては、運転者の発進意図が検出された場合(アクセル操作部材148が踏み込まれ、アクセル開度が設定開度以上になった場合とシフト操作部材149が停止位置から駆動位置に切り換えられた場合との少なくとも一方の場合)、パーキングスイッチ56がOFF操作された場合に、パーキングブレーキ解除条件が満たされたとされる。パーキングブレーキ解除条件が満たされない間は、S10,11,20が繰り返し実行されるが、解除条件が満たされると、S21において、パーキングブレーキ50が解除される(自動で解除される場合も含む)。パーキングブレーキ50の解除により車両は発進することになる。
図12のタイムチャートにおいて、時間t0において停止中液圧保持制御許可スイッチ31がON操作されると、停止中液圧保持制御許可フラグがセットされる(停止中液圧保持制御許可状態とされる)。時間t1において、アクセル操作部材148の操作が解除されて、ブレーキペダル76が操作されると、サービスブレーキ装置42により制動力が加えられ、車輪の回転速度が小さくなる。その後、時間t2において、車両が停止させられる。
時間t3において、車両が停止してから設定時間Ts(液圧保持許可時間)が経過し、液圧保持条件が満たされると、保持弁67a,減圧弁67rが閉状態とされる(液圧保持作動フラグがセットされる)。液圧保持後、運転者は、ブレーキペダル76の操作を適当な時に解除することが多い。また、時間t4において、時間t3から設定時間Tp(パーキングブレーキ自動作動許可時間)が経過し、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされると、パーキングブレーキ装置62が作動させられる(切換えフラグがセットされる)。パーキングスイッチ56が操作されなくても、電動モータ52が自動で駆動させられ、ケーブル58が引っ張られることによりパーキングブレーキ50が作動させられるのであり、時間t5において、ケーブル58の張力が目標値に達すると、ブレーキシリンダ66の液圧が減少させられる(液圧保持作動フラグがリセットされる)。その後、時間t6において、発進意図が検出されると、パーキングブレーキ解除条件が満たされ、パーキングブレーキ装置72が解除される。それによって、車両が緩やかに発進する。切換えフラグは、その後、時間t7において、パーキングブレーキ50の作用力が0になるとリセットされる。
しかし、車両の速やかな発進が要求されない場合にはこれでよいが、車両の速やかな発進が要求される場合には、速やかに発進できないという問題があった。
それに対して、本実施例においては、図11に示すように、時間t3において、車両がパーキングブレーキ自動作動禁止領域にあることが検出されると、パーキングブレーキ自動作動禁止指令が出され、切換え禁止フラグがセットされる。そのため、時間t4において、パーキングブレーキ自動作動条件が満たされても、パーキングブレーキ装置62が自動で作動させられることがない。この場合には、時間t6において、運転者の発進意図が検出されると(アクセル開度が設定値以上になると)、液圧解除条件が満たされたとされて、ブレーキシリンダ液圧が減少させられる(液圧保持作動フラグがリセットされるとともに切換え禁止フラグがリセットされる)。ブレーキシリンダ液圧は速やかに減少させられるため、車両は速やかに発進することができる。
交差点付近において停止している場合、合流位置において停止している場合、交通渋滞領域内で停止している場合等に、パーキングブレーキ装置62が作動させられることがないため、アクセル操作部材148の操作に応じて速やかに車両を発進させることができる。また、本実施例における場合のように、必要な場合に限って、パーキングブレーキ装置52が作動させられるようにすれば、パーキングブレーキ装置62の作動頻度を小さくすることができ、寿命を長くすることができる。
以上のように、本実施例においては、サービスブレーキECU12の図5のフローチャートで表される停止中液圧保持制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により停止中サービスブレーキ制御部が構成され、パーキングブレーキECU14の図6のフローチャートで表される停止中パーキングブレーキ制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が構成される。また、サービスブレーキECU12のS7,パーキングブレーキECU14のS16,17を記憶する部分、実行する部分等によりブレーキ切換え部が構成され、パーキングブレーキECU14のS16を記憶する部分、実行する部分等により停止中パーキングブレーキ自動作動装置が構成され、S14を記憶する部分、ナビゲーションコンピュータ18の図7のフローチャートで表される周辺環境取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により周辺環境取得装置が構成される。周辺環境取得装置は外部情報依拠検出部でもある。また、S14を記憶する部分、実行する部分およびS14の判定がYESの場合にS16を実行しない部分等により交差点付近パーキングブレーキ自動作動禁止部、合流待ち中パーキングブレーキ自動作動禁止部、渋滞時パーキングブレーキ自動作動禁止部が構成される。
なお、上記実施例においては、それぞれのプログラムが別のコンピュータにおいて実行される場合について説明したが、1つあるいは2つのコンピュータにおいて実行されるようにすることもできる。
また、サービスブレーキ30とパーキングブレーキ50とは同じものとしたり、サービスブレーキ30は電動モータにより摩擦部材がロータに押し付けられる電動ブレーキとしたりすることができる。
さらに、液圧保持条件、パーキングブレーキ自動作動条件、液圧解除条件、パーキングブレーキ解除条件等は、上記実施例におけるそれに限らず、適宜設定することができる。例えば、車両の停止状態が設定時間以上継続し、かつ、シフト操作部材149がパーキング位置あるいはニュートラル位置に操作された場合に、液圧保持条件あるいはパーキングブレーキ自動作動条件が満たされるようにすることができる。
その他、いちいち、記載しないが、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるブレーキ装置を備えた車両の制御系の一部を示す回路図である。 上記ブレーキ装置全体を示す図である。 上記ブレーキ装置に含まれるパーキングブレーキ装置の一部を示す図である。 上記パーキングブレーキ装置のクラッチを示す図であり、図3のAA断面図である。 上記ブレーキ装置のサービスブレーキECUの記憶部に記憶された停止中液圧保持制御プログラムを表すフローチャートである。 上記ブレーキ装置のパーキングブレーキECUの記憶部に記憶された停止中パーキングブレーキ制御プログラムを表すフローチャートである。 上記制御系に含まれるナビゲーションコンピュータの記憶部に記憶された周辺環境取得プログラムを表すフローチャートである。 上記ブレーキ装置において、パーキングブレーキ自動作動禁止領域を示す図である。 上記ブレーキ装置において、別のパーキングブレーキ自動作動禁止領域を示す図である。 上記ブレーキ装置において、さらに別のパーキングブレーキ自動作動禁止領域を示す図である。 上記ブレーキ装置における作動状態を示すタイムチャートである。 上記ブレーキ装置における別の作動状態と示すタイムチャートである。
符号の説明
12:VSCECU 14:EKBECU 18:メインコンピュータ 32:液圧制御アクチュエータ 34:サービスブレーキ 35:車輪速センサ 50:パーキングブレーキ 52:電動モータ 54;張力センサ 58:ケーブル 146:アクセル開度センサ 147:シフト位置センサ 150:ナビゲーション情報取得部 152:道路交通状況情報取得部 153:周辺環境取得部 154:記憶部 162:受信装置 164:GPSアンテナ 160:通信装置 200:交差点 202,206,212,224,226,230:パーキングブレーキ自動作動禁止領域

Claims (5)

  1. 車両に設けられて、その車両の複数の車輪の各々の回転を抑制する第1摩擦ブレーキと、電力の供給により、前記第1摩擦ブレーキの作用力を制御可能なブレーキ作用力制御装置とを含むサービスブレーキ装置と、
    前記車両の前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪の回転を抑制する第2摩擦ブレーキと、その第2摩擦ブレーキを作動させる電動モータと、前記第2摩擦ブレーキの作用力を、前記電動モータに電流が供給されなくても保持する保持装置とを含むパーキングブレーキ装置と、
    前記車両が停止状態にあり、かつ、予め定められた設定条件が満たされた場合に、前記電動モータを作動させて、前記第2摩擦ブレーキを作動させる停止中パーキングブレーキ自動作動装置と、
    前記車両が停止状態にある場合に、その停止状態にある車両の周辺の環境を検出する環境検出装置と、
    その環境検出装置によって検出された環境に基づき、前記車両の速やかな発進が要求されない場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を許可し、前記速やかな発進が要求される場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置と
    を含むブレーキ装置であって、
    前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、道路の交差点を中心とする予め定められた設定範囲内であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する交差点付近停止中パーキングブレーキ作動禁止部を含むことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 車両に設けられて、その車両の複数の車輪の各々の回転を抑制する第1摩擦ブレーキと、電力の供給により、前記第1摩擦ブレーキの作用力を制御可能なブレーキ作用力制御装置とを含むサービスブレーキ装置と、
    前記車両の前記複数の車輪のうちの少なくとも1輪の回転を抑制する第2摩擦ブレーキと、その第2摩擦ブレーキを作動させる電動モータと、前記第2摩擦ブレーキの作用力を、前記電動モータに電流が供給されなくても保持する保持装置とを含むパーキングブレーキ装置と、
    前記車両が停止状態にあり、かつ、予め定められた設定条件が満たされた場合に、前記電動モータを作動させて、前記第2摩擦ブレーキを作動させる停止中パーキングブレーキ自動作動装置と、
    前記車両が停止状態にある場合に、その停止状態にある車両の周辺の環境を検出する環境検出装置と、
    その環境検出装置によって検出された環境に基づき、前記車両の速やかな発進が要求されない場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を許可し、前記速やかな発進が要求される場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置と
    を含むブレーキ装置であって、
    前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、幹線道路に合流する支線道路上の前記合流位置であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する合流待ち中パーキングブレーキ作動禁止部を含むことを特徴とするブレーキ装置。
  3. 前記停止中パーキングブレーキ作動装置制御装置が、さらに、前記環境検出装置によって、前記車両の停止位置が、交通渋滞領域内であることが検出された場合に、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置の作動を禁止する渋滞時パーキングブレーキ作動禁止部を含む請求項1または2に記載のブレーキ装置。
  4. 前記環境検出装置が、(a)自車両の現在の位置を表す情報と地図情報とを含むナビゲー
    ション情報を取得するナビゲーション情報取得部と、道路の交通状況情報を取得する交通状況情報取得部との少なくとも一方と、(b)それらナビゲーション情報取得部と道路交通
    状況情報取得部との少なくとも一方によって取得された情報に基づいて前記車両の周辺の環境を検出する外部情報依拠検出部とを含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
  5. 前記ブレーキ作用力制御装置が、前記車両の停止状態において、前記サービスブレーキ装置のブレーキ作用力を、前記車両を停止状態に保ち得る大きさに保持制御する停止中サービスブレーキ制御部を含み、前記停止中パーキングブレーキ自動作動装置が、前記パーキングブレーキ装置を自動で作動させるとともに、前記サービスブレーキ装置を自動で解除するブレーキ切換え部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のブレーキ装置。
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