JP2004036657A - ディスクブレーキおよびその制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができ、しかもブレーキパッドの攻撃性を低減することができるディスクブレーキおよびその制御プログラムの提供。
【解決手段】アクチュエータ15の作動によりブレーキパッド12をディスクロータ11に押圧して車両に制動力を発生させるものであって、車両走行中にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するディスクロータ温度制御手段22を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】アクチュエータ15の作動によりブレーキパッド12をディスクロータ11に押圧して車両に制動力を発生させるものであって、車両走行中にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するディスクロータ温度制御手段22を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキおよびその制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクチュエータの作動、例えば電動モータの回転によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させる電動式のディスクブレーキとして、例えば、特開2000−18294号公報や、特開2000−283193号公報に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクロータは、車両制動時におけるブレーキパッドとの接触により温度が上昇すると、常温時にディスク軸直交方向にある制動面が倒れる、いわゆる熱倒れを生じる。
【0004】
例えば、図11(a)のt1以前に示すように車両走行中であって制動が行われていない状態で、図11(b)のt1以前に示すようにディスクロータの温度が常温であり、図11(c)のt1以前および図12(a)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが小さい状態から、図11のt1時点で制動が行われる。すると、図11(a)のt1〜t2に示す車体速度の減速にともなって、図11(b)のt1〜t2に示すようにディスクロータの温度が上昇し、図11(c)のt1〜t2および図12(b)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが大きくなる。このように熱倒れを生じると、図12(b)に示すようにブレーキパッド12はディスクロータ11の倒れに応じて偏摩耗することになる。
【0005】
そして、図11のt2時点で制動が解除されると、図11(b)のt2〜t3に示すようにディスクロータの温度が空冷によって徐々に下降し、図11(c)のt2〜t3および図12(c)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが徐々に小さくなる。
【0006】
そして、図11のt4時点で、空冷によってディスクロータ11が常温近くに戻ると、図11(c)のt4および図12(d)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが小さくなる。その後、再度制動のためにブレーキパッド12がディスクロータ11に接触すると、偏摩耗したブレーキパッド12が熱倒れの小さいディスクロータ11に接触することになる。その結果、偏摩耗したブレーキパッド12がディスクロータ11に偏摩耗を生じさせ肉厚変動を生じさせてしまうことになり、このディスクロータ11の肉厚変動に起因してジャダが発生するという問題があった。
【0007】
また、ディスクロータは、低温の状態でブレーキパッドに接触した場合に、ブレーキパッドの攻撃性(ブレーキパッドが種類によってディスクロータの表面を著しく削ってしまう性質)が増してしまうため、このようなブレーキパッドの攻撃性の問題についても改善の余地があった。
【0008】
したがって、本発明は、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができ、しかもブレーキパッドの攻撃性を低減することができるディスクブレーキおよびその制御プログラムの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるものであって、車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御するディスクロータ温度制御手段を有することを特徴としている。
【0010】
これにより、ディスクロータ温度制御手段が、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。
【0011】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキは、請求項1記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴としている。
【0012】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。
【0013】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段を有し、該ディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0014】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0015】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段を有し、該ディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0016】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0017】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキの制御プログラムは、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキの制御プログラムであって、車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0018】
これにより、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。
【0019】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5記載の制御プログラムに関し、前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴としている。
【0020】
このように、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。
【0021】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5または6記載の制御プログラムに関し、前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0022】
このように、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0023】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5または6記載の制御プログラムに関し、前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定して前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0024】
このように、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のディスクブレーキおよびその制御プログラムを図面を参照しつつ以下に説明する。
【0026】
図1〜図5に示すように、本実施形態のディスクブレーキは、車両の図示せぬ車輪とともに回転するディスクロータ11と、ディスクロータ11の軸線方向における両側に配置されるとともにディスクロータ11に接触する一対のブレーキパッド12と、車両の非回転の取付部13に固定されるとともに一対のブレーキパッド12をディスクロータ11の軸線方向に移動可能に支持しこれら一対のブレーキパッド12を介して入力される制動トルクを受けるキャリア14と、キャリア14にディスクロータ11の軸線方向に移動可能に支持されるとともに、内蔵された電動モータ15の回転によりブレーキパッド12を両側から挟持してディスクロータ11に接触させて車両に制動力を発生させる電動キャリパ16とを有している。
【0027】
また、本実施形態のディスクブレーキは、ディスクロータ11に近接し対向した状態でキャリア14に固定されてディスクロータ11の温度を検出するロータ温度センサ(ディスクロータ温度検出手段)18と、ブレーキペダル19の操作量を検出するペダル操作量検出センサ20と、車体速度を検出する車速センサ21と、ロータ温度センサ18、ペダル操作量検出センサ20および車速センサ21の検出結果等に基づいて電動キャリパ16の電動モータ15を制御するコントローラ(ディスクロータ温度制御手段)22とを有している。
【0028】
ディスクロータ11は、中央に有底円筒状の取付部25を有し、この取付部25の底部に対し反対側から半径方向外側にフランジ状に延出するディスク部26を有するいわゆるハット型のもので、取付部25において車輪に固定され、ディスク部26においてブレーキパッド12に接触する。
【0029】
ブレーキパッド12は、ディスクロータ11に接触するライニング28と、このライニング28を一側に保持するとともに逆側が電動キャリパ16で押圧される裏金29とを有しており、ライニング28をディスクロータ11に対向させた状態で裏金29においてキャリア14に支持される。
【0030】
電動キャリパ16は、ディスクロータ11の一側に配置されるキャリパ本体31と、このキャリパ本体31に一体的に固定されるとともにディスクロータ11を跨いで反対側へ延びる爪部32とを有しており、キャリパ本体31が、キャリア14に取り付けられたスライドピン33によってディスクロータ11の軸方向に沿って摺動可能に案内される。ここで、ディスクロータ11とキャリパ本体31との間およびディスクロータ11と爪部32の先端部との間に、それぞれブレーキパッド12が設けられる。
【0031】
キャリパ本体31には、電動モータ15と、電動モータ15の回転位置を検出する位置検出器35と、電動モータ15の回転を直線運動に変換する直線運動変換機構36と、この直線運動変換機構36に連結され電動モータ15の回転でディスクロータ11の軸線方向に直線的に往復移動するピストン37と、ピストン推力を検出する推力センサ38とが設けられている。ここで、直線運動変換機構36として、具体的にはボールアンドランプ機構、ボールねじ機構、ローラねじ機構等を適宜選択する。
【0032】
この電動キャリパ16は、電動モータ15の正回転でピストン37をディスクロータ11に近接する方向に前進させることにより、ピストン37と爪部32とで両ブレーキパッド12を両側から挟持しディスクロータ11のディスク部26に接触させて制動力を発生させる一方、電動モータ15の逆回転でピストン37をディスクロータ11から離間する方向に後退させることで、両ブレーキパッド12の挟持を解除しディスクロータ11への接触を解除させる。
【0033】
コントローラ22には、上記した車速センサ21、ロータ温度センサ18およびペダル操作量検出センサ20に加えて、電動モータ15、位置検出器35および推力センサ38が接続されている。コントローラ22は、車速センサ21およびペダル操作量検出センサ20の検出結果等に基づいて必要な制動力を得るための電動ブレーキのピストン37の目標推力を割り出す一方、位置検出器35の検出結果、電動モータ15の電流値および推力センサ38の検出結果に基づいて、ピストン推力が目標推力となるように電動モータ15を制御する制動力発生制御を行う。
【0034】
そして、本実施形態において、コントローラ22は、上記した制動力発生制御に加えて、車両走行中にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するロータ温度制御を行う。制動力発生制御と並行して行われるこのロータ温度制御の制御プログラムについて図6のフローチャートにしたがって説明する。
【0035】
まず、ステップS1において、ディスクロータ11の温度Tをロータ温度センサ18で検出する。そして、これと過去に検出したディスクロータ11の温度とからディスクロータ11の温度変化量dTを計算する。そして、ステップS3において、例えば車速センサ21の検出結果から車両が走行中であるか否かを判定する。
【0036】
このステップS3において車両が走行中であると判定すると、ステップS4において、例えば電動モータ15の制御電流や位置検出器35の検出結果、さらには推力センサ38の検出結果等から、車両が制動中であるか否かを判定する。
【0037】
このステップS4において車両が制動中でないと判定すると、ステップS5において、ディスクロータ11の温度が予め設定された所定値T1未満か否かを判定する。ここで、この所定値T1としては、具体的には、ブレーキパッド12の攻撃性を低減できるとともにディスクロータ11に制動時とほぼ同様の熱倒れを生じさせることができる温度であり、例えば50℃以上の値が設定される。
【0038】
ステップS5においてディスクロータ11の温度が所定値T1未満であると判定すると、ステップS6において、図7に示すディスクロータ11の温度と引きずり量との関係を示す制御テーブルにしたがい、引きずり量としてFmaxを設定する。引きずり量は、ディスクロータ11方向へのブレーキパッド12の前進量であり、引きずり量Fmaxは、運転者に減速を意識させない程度にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて、引きずりとして許容される最大の引きずりを生じさせるようにピストン37を位置させる値である。そして、このステップS6で設定された引きずり量Fmaxが得られるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御しブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて引きずりを生じさせる(ステップS7)。
【0039】
なお、図7の制御テーブルでは、ディスクロータ11の温度が所定値T1未満の場合は、常に引きずり量としてFmaxを選択する一方、ディスクロータ11の温度が所定値T1以上の場合は、常に引きずり量として0を選択するように設定されている。
【0040】
一方、ステップS5においてディスクロータ11の温度が所定値T1以上であると判定すると、ステップS8において、ステップS2において割り出された温度変化量dTの値から、温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満か否かを判定する。ここで、所定値dT1は0未満の値であり、その結果、温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満であることは温度が低下する状態にあることを示している。
【0041】
ステップS8において温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満と判定した場合は、ステップS9においてロータ温度センサ18で検出される現在の温度を記憶するとともに、図8に示すディスクロータ11の温度変化量と引きずり量との関係を示す制御テーブルにしたがい、引きずり量を設定する。そして、このステップS9で設定された引きずり量が得られるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御しブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて引きずりを生じさせる(ステップS7)。
【0042】
ここで、図8の制御テーブルは、温度変化量dTが所定値dT1のとき引きずり量が0であり、所定値dT1より低い所定値dT2までの間は温度変化量が低下するほど引きずり量が最大のFmaxに比例的に近づき、温度変化量が所定値dT2より低くなると引きずり量が最大のFmaxとなるように設定されている。すなわち、ステップS5において、ディスクロータ11の温度が所定値T1以上である場合に、温度低下が急激であれば引きずりを生じさせ、しかも、ディスクロータ11の温度の低下が急激であればあるほど引きずり量を大きくするのである。なお、図8ではdT1とdT2との間に傾きを作っているが、dT1未満では、引きずり量が一律に最大値Fmaxとなるような制御テーブルとしても良い。
【0043】
一方、ステップS8において温度変化量dTが予め設定された所定値dT1以上であると判定した場合は、ステップS10において、温度が所定値T2未満であるか否か判定する(ただしT2>T1)。温度が所定値T2未満である場合は、ステップS7において、以前の制御サイクルにおいてステップS9で設定された引きずり量を維持させる。
【0044】
一方、ステップS10において、温度が所定値T2以上であると判定すると、それ以上の温度上昇は不要であるため、ステップS11において、引きずり量を0とし、ステップS7において引きずり量が0になるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御し、その結果、ブレーキパッド12をディスクロータ11から引きずりを生じないように後退させる。
【0045】
また、ステップS3において車両が走行中でないと判定した場合、およびステップS4において車両が制動中であると判定した場合も、ステップS11において、引きずり量が0となるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御し、その結果、ブレーキパッド12をディスクロータ11から引きずりを生じないようにピストン37を後退させる。
【0046】
以上により、例えば、図9(a)のt1以前において、車両走行中であって制動が行われていない状態であり、図9(d)のt1以前のようにディスクロータ11の温度が常温であって、図9(e)のt1以前および図10(a)のようにディスクロータ11の熱倒れが小さい状態から、図9のt1時点で制動が行われる。
【0047】
すると、図9(a)のt1〜t2に示すように車体速度の減速にともなって、図9(d)のt1〜t2に示すようにディスクロータ11の温度が上昇し、図9(e)のt1〜t2および図10(b)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが大きくなる。このように熱倒れを生じると、図10(b)のようにブレーキパッド12はディスクロータ11の倒れに応じて偏摩耗することになる。
【0048】
そして、図9のt2時点で制動が解除されると、図9(d)のt2〜t3に示すようにディスクロータ11の温度が空冷によって下降するが、温度が所定値T1以上であって所定値T2以上であり、図9(c)のt2〜t3に示すように温度低下が急激ではない状態では、図6のステップS5の判断がNO、ステップS8の判断がNO、ステップS10の判断がNOとなって、ステップS11で引きずり量を0とし、その結果、図9(b)のt2〜t3に示すように引きずりを生じさせない。
【0049】
一方、走行している最中に、図9(c)のt3〜t4に示すように温度低下が急激になると、図6のステップS8の判断がYESとなり、ステップS9で引きずり量を所定値に設定し、図9(b)のt4〜t5に示すように引きずりを生じさせ、温度低下を防ぐことで、図9(e)のt4〜t5および図10(c)のようにディスクロータ11の熱倒れを保持する。そして、図9のt5時点で、引きずりによりディスクロータ11の温度が所定値T2に達すると、ステップS10の判断がNOとなって、引きずり量を0とする。以後、温度低下が急激になったり、温度が所定値T1未満になった場合には引きずりを生じさせ、温度が所定値T2以上になったら引きずりを解除することを繰り返して、ディスクロータ11の温度を所定値T1以上となるように制御する。
【0050】
以上に述べたように、本実施形態によれば、コントローラ22が、車両走行中に、ディスクロータ11の温度を検出するロータ温度センサ18の検出結果に基づき、ブレーキペダル19の操作とは無関係に、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持するようにブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するため、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持することができる。
【0051】
したがって、ディスクロータ11を熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータ11に生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッド12の攻撃性を確実に低減することができる。
【0052】
なお、以上に述べた実施形態においては、ディスクロータ11に対向するようにキャリア14に取り付けられたロータ温度センサ18でディスクロータ11の温度を検出する場合を例にとり説明したが、ディスクロータ11そのものに温度センサを埋め込むように設けても良い。また、コントローラ22が、車体速度と電動モータ15の作動からブレーキパッド12とディスクロータ11との接触時間、接触頻度および離間時間等からディスクロータ11の温度を推定し、推定結果に基づいて、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持するようにブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するようにしても良い。このとき、コントローラ22がディスクロータ温度推定手段を構成する。
ここで、電動モータに限らず、油圧アクチュエータでも良い。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段が、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を低減することができる。
【0054】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0055】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0056】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0057】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を低減することができる。
【0058】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0059】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0060】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスクブレーキを概略的に示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態のディスクブレーキのコントローラの制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータの温度に対し引きずり量を設定するための制御テーブルである。
【図8】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータの温度変化量に対し引きずり量を設定するための制御テーブルである。
【図9】本発明の一実施形態のディスクブレーキの制御時の状態変化を示すタイミングチャートであって、(a)は車体速度、(b)は引きずり量、(c)は温度変化量、(d)はディスクロータの温度、(e)はディスクロータの熱倒れ量である。
【図10】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータおよびブレーキパッドの状態変化を示す側断面図であって、(a)は図9におけるt1時点、(b)は図9におけるt2時点、(c)は図9におけるt3時点、(d)は図9におけるt4時点の状態を示すものである。
【図11】従来の電動式のディスクブレーキの制御時の状態変化を示すタイミングチャートであって、(a)は車体速度、(b)はディスクロータの温度、(c)はディスクロータの熱倒れ量である。
【図12】従来の電動式のディスクブレーキのディスクロータおよびブレーキパッドの状態変化を示す側断面図であって、(a)は図11におけるt1時点、(b)は図11におけるt2時点、(c)は図11におけるt3時点、(d)は図11におけるt4時点の状態を示すものである。
【符号の説明】
11 ディスクロータ
12 ブレーキパッド
15 電動モータ(アクチュエータ)
16 電動キャリパ
18 ロータ温度センサ(ディスクロータ温度検出手段)
22 コントローラ(制御手段,ディスクロータ温度推定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキおよびその制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクチュエータの作動、例えば電動モータの回転によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させる電動式のディスクブレーキとして、例えば、特開2000−18294号公報や、特開2000−283193号公報に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクロータは、車両制動時におけるブレーキパッドとの接触により温度が上昇すると、常温時にディスク軸直交方向にある制動面が倒れる、いわゆる熱倒れを生じる。
【0004】
例えば、図11(a)のt1以前に示すように車両走行中であって制動が行われていない状態で、図11(b)のt1以前に示すようにディスクロータの温度が常温であり、図11(c)のt1以前および図12(a)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが小さい状態から、図11のt1時点で制動が行われる。すると、図11(a)のt1〜t2に示す車体速度の減速にともなって、図11(b)のt1〜t2に示すようにディスクロータの温度が上昇し、図11(c)のt1〜t2および図12(b)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが大きくなる。このように熱倒れを生じると、図12(b)に示すようにブレーキパッド12はディスクロータ11の倒れに応じて偏摩耗することになる。
【0005】
そして、図11のt2時点で制動が解除されると、図11(b)のt2〜t3に示すようにディスクロータの温度が空冷によって徐々に下降し、図11(c)のt2〜t3および図12(c)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが徐々に小さくなる。
【0006】
そして、図11のt4時点で、空冷によってディスクロータ11が常温近くに戻ると、図11(c)のt4および図12(d)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが小さくなる。その後、再度制動のためにブレーキパッド12がディスクロータ11に接触すると、偏摩耗したブレーキパッド12が熱倒れの小さいディスクロータ11に接触することになる。その結果、偏摩耗したブレーキパッド12がディスクロータ11に偏摩耗を生じさせ肉厚変動を生じさせてしまうことになり、このディスクロータ11の肉厚変動に起因してジャダが発生するという問題があった。
【0007】
また、ディスクロータは、低温の状態でブレーキパッドに接触した場合に、ブレーキパッドの攻撃性(ブレーキパッドが種類によってディスクロータの表面を著しく削ってしまう性質)が増してしまうため、このようなブレーキパッドの攻撃性の問題についても改善の余地があった。
【0008】
したがって、本発明は、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができ、しかもブレーキパッドの攻撃性を低減することができるディスクブレーキおよびその制御プログラムの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるものであって、車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御するディスクロータ温度制御手段を有することを特徴としている。
【0010】
これにより、ディスクロータ温度制御手段が、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。
【0011】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキは、請求項1記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴としている。
【0012】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。
【0013】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段を有し、該ディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0014】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0015】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記ディスクロータ温度制御手段は、前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段を有し、該ディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0016】
このように、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0017】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキの制御プログラムは、アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキの制御プログラムであって、車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0018】
これにより、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。
【0019】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5記載の制御プログラムに関し、前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴としている。
【0020】
このように、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。
【0021】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5または6記載の制御プログラムに関し、前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0022】
このように、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0023】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキの制御プログラムは、請求項5または6記載の制御プログラムに関し、前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定して前記ディスクロータの温度を制御することを特徴としている。
【0024】
このように、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のディスクブレーキおよびその制御プログラムを図面を参照しつつ以下に説明する。
【0026】
図1〜図5に示すように、本実施形態のディスクブレーキは、車両の図示せぬ車輪とともに回転するディスクロータ11と、ディスクロータ11の軸線方向における両側に配置されるとともにディスクロータ11に接触する一対のブレーキパッド12と、車両の非回転の取付部13に固定されるとともに一対のブレーキパッド12をディスクロータ11の軸線方向に移動可能に支持しこれら一対のブレーキパッド12を介して入力される制動トルクを受けるキャリア14と、キャリア14にディスクロータ11の軸線方向に移動可能に支持されるとともに、内蔵された電動モータ15の回転によりブレーキパッド12を両側から挟持してディスクロータ11に接触させて車両に制動力を発生させる電動キャリパ16とを有している。
【0027】
また、本実施形態のディスクブレーキは、ディスクロータ11に近接し対向した状態でキャリア14に固定されてディスクロータ11の温度を検出するロータ温度センサ(ディスクロータ温度検出手段)18と、ブレーキペダル19の操作量を検出するペダル操作量検出センサ20と、車体速度を検出する車速センサ21と、ロータ温度センサ18、ペダル操作量検出センサ20および車速センサ21の検出結果等に基づいて電動キャリパ16の電動モータ15を制御するコントローラ(ディスクロータ温度制御手段)22とを有している。
【0028】
ディスクロータ11は、中央に有底円筒状の取付部25を有し、この取付部25の底部に対し反対側から半径方向外側にフランジ状に延出するディスク部26を有するいわゆるハット型のもので、取付部25において車輪に固定され、ディスク部26においてブレーキパッド12に接触する。
【0029】
ブレーキパッド12は、ディスクロータ11に接触するライニング28と、このライニング28を一側に保持するとともに逆側が電動キャリパ16で押圧される裏金29とを有しており、ライニング28をディスクロータ11に対向させた状態で裏金29においてキャリア14に支持される。
【0030】
電動キャリパ16は、ディスクロータ11の一側に配置されるキャリパ本体31と、このキャリパ本体31に一体的に固定されるとともにディスクロータ11を跨いで反対側へ延びる爪部32とを有しており、キャリパ本体31が、キャリア14に取り付けられたスライドピン33によってディスクロータ11の軸方向に沿って摺動可能に案内される。ここで、ディスクロータ11とキャリパ本体31との間およびディスクロータ11と爪部32の先端部との間に、それぞれブレーキパッド12が設けられる。
【0031】
キャリパ本体31には、電動モータ15と、電動モータ15の回転位置を検出する位置検出器35と、電動モータ15の回転を直線運動に変換する直線運動変換機構36と、この直線運動変換機構36に連結され電動モータ15の回転でディスクロータ11の軸線方向に直線的に往復移動するピストン37と、ピストン推力を検出する推力センサ38とが設けられている。ここで、直線運動変換機構36として、具体的にはボールアンドランプ機構、ボールねじ機構、ローラねじ機構等を適宜選択する。
【0032】
この電動キャリパ16は、電動モータ15の正回転でピストン37をディスクロータ11に近接する方向に前進させることにより、ピストン37と爪部32とで両ブレーキパッド12を両側から挟持しディスクロータ11のディスク部26に接触させて制動力を発生させる一方、電動モータ15の逆回転でピストン37をディスクロータ11から離間する方向に後退させることで、両ブレーキパッド12の挟持を解除しディスクロータ11への接触を解除させる。
【0033】
コントローラ22には、上記した車速センサ21、ロータ温度センサ18およびペダル操作量検出センサ20に加えて、電動モータ15、位置検出器35および推力センサ38が接続されている。コントローラ22は、車速センサ21およびペダル操作量検出センサ20の検出結果等に基づいて必要な制動力を得るための電動ブレーキのピストン37の目標推力を割り出す一方、位置検出器35の検出結果、電動モータ15の電流値および推力センサ38の検出結果に基づいて、ピストン推力が目標推力となるように電動モータ15を制御する制動力発生制御を行う。
【0034】
そして、本実施形態において、コントローラ22は、上記した制動力発生制御に加えて、車両走行中にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するロータ温度制御を行う。制動力発生制御と並行して行われるこのロータ温度制御の制御プログラムについて図6のフローチャートにしたがって説明する。
【0035】
まず、ステップS1において、ディスクロータ11の温度Tをロータ温度センサ18で検出する。そして、これと過去に検出したディスクロータ11の温度とからディスクロータ11の温度変化量dTを計算する。そして、ステップS3において、例えば車速センサ21の検出結果から車両が走行中であるか否かを判定する。
【0036】
このステップS3において車両が走行中であると判定すると、ステップS4において、例えば電動モータ15の制御電流や位置検出器35の検出結果、さらには推力センサ38の検出結果等から、車両が制動中であるか否かを判定する。
【0037】
このステップS4において車両が制動中でないと判定すると、ステップS5において、ディスクロータ11の温度が予め設定された所定値T1未満か否かを判定する。ここで、この所定値T1としては、具体的には、ブレーキパッド12の攻撃性を低減できるとともにディスクロータ11に制動時とほぼ同様の熱倒れを生じさせることができる温度であり、例えば50℃以上の値が設定される。
【0038】
ステップS5においてディスクロータ11の温度が所定値T1未満であると判定すると、ステップS6において、図7に示すディスクロータ11の温度と引きずり量との関係を示す制御テーブルにしたがい、引きずり量としてFmaxを設定する。引きずり量は、ディスクロータ11方向へのブレーキパッド12の前進量であり、引きずり量Fmaxは、運転者に減速を意識させない程度にブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて、引きずりとして許容される最大の引きずりを生じさせるようにピストン37を位置させる値である。そして、このステップS6で設定された引きずり量Fmaxが得られるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御しブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて引きずりを生じさせる(ステップS7)。
【0039】
なお、図7の制御テーブルでは、ディスクロータ11の温度が所定値T1未満の場合は、常に引きずり量としてFmaxを選択する一方、ディスクロータ11の温度が所定値T1以上の場合は、常に引きずり量として0を選択するように設定されている。
【0040】
一方、ステップS5においてディスクロータ11の温度が所定値T1以上であると判定すると、ステップS8において、ステップS2において割り出された温度変化量dTの値から、温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満か否かを判定する。ここで、所定値dT1は0未満の値であり、その結果、温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満であることは温度が低下する状態にあることを示している。
【0041】
ステップS8において温度変化量dTが予め設定された所定値dT1未満と判定した場合は、ステップS9においてロータ温度センサ18で検出される現在の温度を記憶するとともに、図8に示すディスクロータ11の温度変化量と引きずり量との関係を示す制御テーブルにしたがい、引きずり量を設定する。そして、このステップS9で設定された引きずり量が得られるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御しブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させて引きずりを生じさせる(ステップS7)。
【0042】
ここで、図8の制御テーブルは、温度変化量dTが所定値dT1のとき引きずり量が0であり、所定値dT1より低い所定値dT2までの間は温度変化量が低下するほど引きずり量が最大のFmaxに比例的に近づき、温度変化量が所定値dT2より低くなると引きずり量が最大のFmaxとなるように設定されている。すなわち、ステップS5において、ディスクロータ11の温度が所定値T1以上である場合に、温度低下が急激であれば引きずりを生じさせ、しかも、ディスクロータ11の温度の低下が急激であればあるほど引きずり量を大きくするのである。なお、図8ではdT1とdT2との間に傾きを作っているが、dT1未満では、引きずり量が一律に最大値Fmaxとなるような制御テーブルとしても良い。
【0043】
一方、ステップS8において温度変化量dTが予め設定された所定値dT1以上であると判定した場合は、ステップS10において、温度が所定値T2未満であるか否か判定する(ただしT2>T1)。温度が所定値T2未満である場合は、ステップS7において、以前の制御サイクルにおいてステップS9で設定された引きずり量を維持させる。
【0044】
一方、ステップS10において、温度が所定値T2以上であると判定すると、それ以上の温度上昇は不要であるため、ステップS11において、引きずり量を0とし、ステップS7において引きずり量が0になるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御し、その結果、ブレーキパッド12をディスクロータ11から引きずりを生じないように後退させる。
【0045】
また、ステップS3において車両が走行中でないと判定した場合、およびステップS4において車両が制動中であると判定した場合も、ステップS11において、引きずり量が0となるように電動モータ15を制御してピストン37の位置を制御し、その結果、ブレーキパッド12をディスクロータ11から引きずりを生じないようにピストン37を後退させる。
【0046】
以上により、例えば、図9(a)のt1以前において、車両走行中であって制動が行われていない状態であり、図9(d)のt1以前のようにディスクロータ11の温度が常温であって、図9(e)のt1以前および図10(a)のようにディスクロータ11の熱倒れが小さい状態から、図9のt1時点で制動が行われる。
【0047】
すると、図9(a)のt1〜t2に示すように車体速度の減速にともなって、図9(d)のt1〜t2に示すようにディスクロータ11の温度が上昇し、図9(e)のt1〜t2および図10(b)に示すようにディスクロータ11の熱倒れが大きくなる。このように熱倒れを生じると、図10(b)のようにブレーキパッド12はディスクロータ11の倒れに応じて偏摩耗することになる。
【0048】
そして、図9のt2時点で制動が解除されると、図9(d)のt2〜t3に示すようにディスクロータ11の温度が空冷によって下降するが、温度が所定値T1以上であって所定値T2以上であり、図9(c)のt2〜t3に示すように温度低下が急激ではない状態では、図6のステップS5の判断がNO、ステップS8の判断がNO、ステップS10の判断がNOとなって、ステップS11で引きずり量を0とし、その結果、図9(b)のt2〜t3に示すように引きずりを生じさせない。
【0049】
一方、走行している最中に、図9(c)のt3〜t4に示すように温度低下が急激になると、図6のステップS8の判断がYESとなり、ステップS9で引きずり量を所定値に設定し、図9(b)のt4〜t5に示すように引きずりを生じさせ、温度低下を防ぐことで、図9(e)のt4〜t5および図10(c)のようにディスクロータ11の熱倒れを保持する。そして、図9のt5時点で、引きずりによりディスクロータ11の温度が所定値T2に達すると、ステップS10の判断がNOとなって、引きずり量を0とする。以後、温度低下が急激になったり、温度が所定値T1未満になった場合には引きずりを生じさせ、温度が所定値T2以上になったら引きずりを解除することを繰り返して、ディスクロータ11の温度を所定値T1以上となるように制御する。
【0050】
以上に述べたように、本実施形態によれば、コントローラ22が、車両走行中に、ディスクロータ11の温度を検出するロータ温度センサ18の検出結果に基づき、ブレーキペダル19の操作とは無関係に、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持するようにブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するため、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持することができる。
【0051】
したがって、ディスクロータ11を熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータ11に生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッド12の攻撃性を確実に低減することができる。
【0052】
なお、以上に述べた実施形態においては、ディスクロータ11に対向するようにキャリア14に取り付けられたロータ温度センサ18でディスクロータ11の温度を検出する場合を例にとり説明したが、ディスクロータ11そのものに温度センサを埋め込むように設けても良い。また、コントローラ22が、車体速度と電動モータ15の作動からブレーキパッド12とディスクロータ11との接触時間、接触頻度および離間時間等からディスクロータ11の温度を推定し、推定結果に基づいて、ディスクロータ11の温度を予め設定された所定値T1以上に維持するようにブレーキパッド12をディスクロータ11に接触させてディスクロータ11の温度を制御するようにしても良い。このとき、コントローラ22がディスクロータ温度推定手段を構成する。
ここで、電動モータに限らず、油圧アクチュエータでも良い。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段が、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を低減することができる。
【0054】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0055】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0056】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキによれば、ディスクロータ温度制御手段は、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0057】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中にブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、運転者によるブレーキ操作等に基づく車両への制動とは別にディスクロータの温度を制御でき、ディスクロータの温度を上がった状態に維持することが可能となる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を低減することができる。
【0058】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するようにブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態に確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0059】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【0060】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキの制御プログラムによれば、車両走行中に、アクチュエータの作動からディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づき、ブレーキパッドをディスクロータに接触させてディスクロータの温度を制御するため、ディスクロータの温度を正確に上昇状態に維持することができる。したがって、ディスクロータを熱倒れを生じた状態により確実に維持することができるため、ディスクロータに生じる肉厚変動を抑制することでジャダの発生を確実に抑えることができるとともに、ブレーキパッドの攻撃性を確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のディスクブレーキを概略的に示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態のディスクブレーキの電動キャリパ等を示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態のディスクブレーキのコントローラの制御内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータの温度に対し引きずり量を設定するための制御テーブルである。
【図8】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータの温度変化量に対し引きずり量を設定するための制御テーブルである。
【図9】本発明の一実施形態のディスクブレーキの制御時の状態変化を示すタイミングチャートであって、(a)は車体速度、(b)は引きずり量、(c)は温度変化量、(d)はディスクロータの温度、(e)はディスクロータの熱倒れ量である。
【図10】本発明の一実施形態のディスクブレーキのディスクロータおよびブレーキパッドの状態変化を示す側断面図であって、(a)は図9におけるt1時点、(b)は図9におけるt2時点、(c)は図9におけるt3時点、(d)は図9におけるt4時点の状態を示すものである。
【図11】従来の電動式のディスクブレーキの制御時の状態変化を示すタイミングチャートであって、(a)は車体速度、(b)はディスクロータの温度、(c)はディスクロータの熱倒れ量である。
【図12】従来の電動式のディスクブレーキのディスクロータおよびブレーキパッドの状態変化を示す側断面図であって、(a)は図11におけるt1時点、(b)は図11におけるt2時点、(c)は図11におけるt3時点、(d)は図11におけるt4時点の状態を示すものである。
【符号の説明】
11 ディスクロータ
12 ブレーキパッド
15 電動モータ(アクチュエータ)
16 電動キャリパ
18 ロータ温度センサ(ディスクロータ温度検出手段)
22 コントローラ(制御手段,ディスクロータ温度推定手段)
Claims (8)
- アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキにおいて、
車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御するディスクロータ温度制御手段を有することを特徴とするディスクブレーキ。 - 前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
- 前記ディスクロータ温度制御手段は、前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段を有し、該ディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
- 前記ディスクロータ温度制御手段は、前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定するディスクロータ温度推定手段を有し、該ディスクロータ温度推定手段の推定結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
- アクチュエータの作動によりブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両に制動力を発生させるディスクブレーキの制御プログラムにおいて、
車両走行中に前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに接触させて該ディスクロータの温度を制御することを特徴とするディスクブレーキの制御プログラム。 - 前記ディスクロータの温度を予め設定された所定値以上に維持するように制御することを特徴とする請求項5記載のディスクブレーキの制御プログラム。
- 前記ディスクロータの温度を検出するディスクロータ温度検出手段の検出結果に基づいて前記ディスクロータの温度を制御することを特徴とする請求項5または6記載のディスクブレーキの制御プログラム。
- 前記アクチュエータの作動から前記ディスクロータの温度を推定して前記ディスクロータの温度を制御することを特徴とする請求項5または6記載のディスクブレーキの制御プログラム。
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