JP4333433B2 - 電動式ブレーキ - Google Patents

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本発明は、電動式ブレーキに係り、特に車両用の電動式ブレーキに関する。
従来の電動式ブレーキは、車輪と一体的に回転する被制動部材に対して間隔(以下、クリアランスという)を有するように配設された制動部材と、制動部材を被制動部材に当接するまで移動させた後に押圧する力を発生するアクチュエータと、ブレーキ操作に基づいてアクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有するように構成されている。
例えば特許文献1には、モータの回転運動を直線運動に変換し、この直線運動により制動部材としてのブレーキシューを被制動部材としてのドラムに押圧させて制動力を発生させる電動式ブレーキの一例が記載されている。
特開平11−99934号公報
従来の電動式ブレーキでは、アクチュエータとしてのモータが所定の電源電圧により駆動され、そのモータの回転運動が直線運動に変換され、その直線運動により制動部材としてのブレーキシューが被制動部材としてのドラムに押圧されて制動力が発生する。したがって、ブレーキシューはモータの回転運動に応じた速度でクリアランスを移動することになる。なお、モータの回転運動はモータに供給される電源電圧に応じて変化する。
ところで、自動車等の車両においては、ランプの点灯,エアコンディショナーの利用等の様々な要因により電源電圧が降下する。このような電源電圧降下は、モータの回転運動を低下させる。この結果、電源電圧降下はブレーキシューがクリアランスを移動する速度を低下させ、ブレーキシューがドラムに押圧されて制動力を発生させるまでの時間を長くする。このように、従来の電動式ブレーキでは電源電圧降下により制動の応答性が低下してしまい、事故につながる危険性があるという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、電源電圧降下による影響を低減し、制動の応答性を良好に維持することができる電動式ブレーキを提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決する為、本発明は、車輪と一体的に回転する被制動部材に対してクリアランスを有するように配設された制動部材と、前記制動部材を前記被制動部材に当接するまで移動させた後に押圧する力を発生するアクチュエータと、ブレーキ操作に基づいて前記アクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有する電動式ブレーキであって、前記制御手段は、前記アクチュエータに供給される電源電圧を取得する電源電圧取得手段と、前記電源電圧に応じて、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを調整するクリアランス調整手段とを有し、前記クリアランス調整手段は、前記電源電圧が基準値未満であるときの前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスが、前記電源電圧が基準値以上であるときの前記クリアランスより小さくなるように、所定の電源電圧−クリアランス特性に応じて前記クリアランスを調整することを特徴とする。
本発明では、アクチュエータに供給される電源電圧を電源電圧取得手段が取得し、その電源電圧に応じてクリアランス調整手段が制動部材と被制動部材とのクリアランスを調整する。制動部材と被制動部材とのクリアランスは、制動部材の移動速度の変動による影響を低減するように調整される。
例えば電源電圧降下が生じると、制動部材がクリアランスを移動する速度は電源電圧降下に応じて低下する。したがって、制動部材が被制動部材に押圧されて制動力を発生させるまでの時間は、制動部材の移動速度の低下により長くなる。そこで、本発明では電源電圧降下が生じたとき、制動部材と被制動部材とのクリアランスを小さくするように調整することで、制動部材の移動距離であるクリアランスを小さくし、制動部材が被制動部材に押圧されて制動力を発生させるまでの時間が長くなることを防いでいる。
本発明では、電源電圧が基準値未満であるときに、電源電圧降下が発生していると判定して、電源電圧が基準値未満であるときの制動部材と被制動部材とのクリアランスが、電源電圧が基準値以上であるときのクリアランスより小さくなるように調整できる。
本発明では、電源電圧が基準値未満であるときに、所定の電源電圧−クリアランス特性に応じてクリアランスを調整できる。
前記クリアランス調整手段は、前記電源電圧が基準値未満であるときと前記電源電圧が基準値以上であるときとで、前記ブレーキ操作を行ってから前記制動部材が前記被制動部材に当接するまでの時間を同程度とするように前記クリアランスを調整してもよい。
本発明では、電源電圧が基準値未満であるときと電源電圧が基準値以上であるときとで制動が発生するまでの時間が同程度となるように、クリアランスを調整できる。
本発明によれば、電源電圧降下による影響を低減し、制動の応答性を良好に維持することが可能な電動式ブレーキを提供できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では電動式ブレーキの一例として電動式ドラムブレーキを例に説明しているが、アクチュエータの駆動により制動部材が被制動部材に押圧されて制動力が発生する如何なる電動式ブレーキであってもよい。
図1は、本発明による電動式ドラムブレーキを含む電動式ブレーキシステムの一例の構成図である。この電動式ブレーキシステムは、電動式ディスクブレーキ10と,電動式ドラムブレーキ20と,電気制御装置30と,駆動回路40と,バッテリ50と,ブレーキペダル60とを有するように構成されている。
電動式ディスクブレーキ10は、左前輪(FL)および右前輪(FR)に設けられている。電動式ディスクブレーキ10は、車輪と一体的に回転する被制動部材であるディスクロータ(図示省略)と,車体側部材であるマウンティングブラケットに回転不能に保持されると共に、ディスクロータに対して所定のクリアランスを有するように配設された制動部材としてのブレーキパッド(図示省略)と,供給される電源電圧に応じた力を発生するアクチュエータとしてのモータ11と,ブレーキパッドの位置Xを検出する位置センサ12と,加圧力センサ13とを含んでいる。
電動式ディスクブレーキ10は、モータ11の発生する力によりブレーキパッドをディスクロータに向けて当接するまで移動させ、さらにブレーキパッドをディスクロータに押圧することで、左右前輪(FL,FR)の回転を抑制する制動力を発生する。位置センサ12は、モータ11により駆動されるブレーキパッドの位置Xを検出する。また、加圧力センサ13は歪センサから成り、ブレーキパッドがディスクロータに押圧される際の力と同一の力で押圧される部材に取り付けられている。加圧力センサ13は、歪センサが検出した歪量から加圧力Pを検出する。
電動式ドラムブレーキ20は、左後輪(RL)及び右後輪(RR)に設けられる。電動式ドラムブレーキ20は、車輪と一体的に回転する被制動部材であるドラム21と,車体側部材であるバッキングプレートに回転不能に保持されると共に、ドラム21に対して所定のクリアランスを有するように配設された制動部材としてのブレーキシュー22と,供給される電源電圧に応じた力を発生するアクチュエータとしてのモータ23と,ブレーキシューの位置Xを検出する位置センサ24と,加圧力センサ25とを含んでいる。
電動式ドラムブレーキ20は、モータ23の発生する力によりブレーキシュー22をドラム21の内周面に向けて当接するまで移動させ、さらにブレーキシュー22をドラム21の内周面に押圧することで、左右後輪(RL,RR)の回転を抑制する制動力を発生している。
図2は、電動式ドラムブレーキの一例の断面図である。図2では、デュオサーボ型の電動式ドラムブレーキの例を示している。電動式ドラムブレーキは、バッキングプレート200と、一対のブレーキシュー202a,202bと、ドラム206と、アクチュエータ207とを含んでいる。
バッキングプレート200は円板状を成し、図示しない車体側部材に回転不能に取り付けられている。ブレーキシュー202a,202bは、パッキングプレート200に設けられ、概して円弧状を成している。ドラム206は、内周面204に摩擦面を備え、車輪と共に回転する。アクチュエータ207は、一対のブレーキシュー202a,202bの一端部同士を拡開させる。
一対のブレーキシュー202a,202bは、夫々互いに対向する一端部において、バッキングプレート200に固定されたアンカピン208に係合されることにより、ドラム206と共に回転することを防止された状態で回動可能に保持されている。また、一対のブレーキシュー202a,202bは、他端部同士がストラット210により連結されており、ストラット210によって一方のブレーキシューに作用する力が他方のブレーキシューに伝達されるようになっている。なお、一対のブレーキシュー202a,202bはシューホールドダウン装置212a,212bにより、バッキングプレート200の面に沿って移動可能とされている。
一対のブレーキシュー202a,202bの他端部同士は、図2に示すようにスプリング214により互いに接近する向きに付勢されている。また、一対のブレーキシュー202a,202bの一端部は、各シューリターンスプリング215a,215bによりアンカピン208に向かって付勢されている。一端部には、リターンスプリング218も設けられている。
各ブレーキシュー202a,202bの外周面には、それぞれブレーキライニング219a,219bが保持されており、それら一対のブレーキライニング219a,219bがドラム206の内周面204に摩擦係合されることにより、ブレーキライニング219a,219bとドラム206との間に摩擦力が発生する。図2の電動式ドラムブレーキはストラット210がアジャスト機構を備え、ブレーキライニング219a,219bの摩耗に応じてブレーキライニング219a,219bとドラム206の内周面204とのクリアランスを調整するようになっている。
各ブレーキシュー202a,202bは、それぞれリム224a,224bとウェブ222a,222bとを含み、レバー230a,230bの一端部がピン232a,232bを介して回動可能に設けられている。レバー230a,230bとウェブ222a,222bとの互いに対向する部分には、それぞれ切欠が設けられている。ストラット216は、これらの切欠に係合している。
レバー230aの他端部には、モータ23を含むアクチュエータ207が連結されている。ブレーキペダル60が操作されると、モータ23(アクチュエータ207)の駆動によってレバー230aは回動される。ストラット216により一対のブレーキシュー202a,202bは拡開され、ブレーキライニング219a,219bがドラム206の内周面204に押圧される。即ち、ブレーキライニング219a,219bがドラム206の内周面204に摩擦係合されることにより、ブレーキライニング219a,219bとドラム206との間に摩擦力が発生する。したがって、車輪の回転は抑制され、車輪に制動トルクTが付与される。
なお、図2の電動式ドラムブレーキは、一方のブレーキシュー202bにおいて生じた摩擦力に基づく連れ周り力と、アクチュエータ207によるブレーキ作動力Dとが、他端部からストラット210を介して他方のブレーキシュー202aの他端部に伝達されるようになっている。ブレーキ作動力Dとは、一対のブレーキシュー202a,202bを拡開させる拡開力であると考えることができる。
この結果、他方のブレーキシュー202aは連れ周り力と拡開力との和によりドラム206の内周面204に押圧され、一方のブレーキシュー202bより大きな摩擦力が発生する。このように、一方のブレーキシュー202bの出力が他方のブレーキシュー202aの入力となるため、デュオサーボ型の電動式ドラムブレーキは大きな制動トルクTを得ることができる。
アンカピン208には、加圧力センサ25としてアンカピン208に加わる荷重を検出する歪センサ312が取り付けられている。他方のブレーキシュー202aにストラット210を介して伝達された力は、他方のブレーキシュー202aのサーボ効果により更に増大されてアンカピン208に作用する。その結果、アンカピン208に加わる荷重に基づいて制動トルクを求めれば、デュオサーボ型の電動式ドラムブレーキにおいて生じる制動トルクTを検出できる。この制動トルクTは、車輪が回転している限り制動部材であるブレーキシュー202a,202bが、被制動部材であるドラム206に実際に押圧される力(加圧力P)と等価である。
アクチュエータ207は、モータ23の他に減速機,ボールねじ機構を含む。モータ23の出力軸の回転は減速機によって減速され、出力軸の回転運動がボールねじ機構によって直線運動に変換され、この直線運動がボールねじ機構の出力部材に連結されたレバー230aに伝達される。
また、位置センサ24はモータ23内に設けられており、モータ23の出力軸の回転を検出することでブレーキシュー202a,202bの位置Xを検出する。なお、ブレーキシュー202a,202bの位置Xは、バッキングプレート200等に固定されたギャップセンサ等により直接検知する構成としてもよい。なお、モータ11,23はDCモータや超音波モータ等を利用できる。
図1に戻り、電気制御装置30は図示しないメモリ及びCPU等を有するマイクロコンピュータ31を含む。電気制御装置30は、メモリ内に格納されているプログラムを実行する。電気制御装置30は、位置センサ12,24と、加圧力センサ13,25と、車両の速度(以下、車速という)SPDを検出する車速センサ51と、パーキングブレーキ操作スイッチ52と、踏力センサ53と、ストロークセンサ54と、モータ電流センサ55と、車輪速センサ56と、バッテリ50とが接続されており、各種信号が入力される。
車速センサ51は、図示しない変速機の出力軸の回転を検出することで、車速SPDを検出する。パーキングブレーキ操作スイッチ52は、運転者により操作されてパーキングブレーキ指示信号PKBを発生し、パーキングブレーキの作動を制御する。踏力センサ53は、運転者によるブレーキペダル60のペダル踏力Fを検出する。ストロークセンサ54は、ブレーキペダル60の操作ストロークSTを検出する。車輪速センサ56は、4つの車輪(FL,FR,RL,RR)にそれぞれ設けられており、各車輪の車輪速Vwを検出する。
モータ電流センサ55は、電動式ディスクブレーキ10のモータ11及び電動式ドラムブレーキ20のモータ23のコイルに接続されており、電源としてのバッテリ50から駆動回路40を介してモータ11,23に供給された供給電流値Iを検出し、その供給電流値Iを規定する信号を電気制御装置30に出力する。その出力信号は、供給電流値Iを電圧の高さとして表したものである。
また、電気制御装置30の出力側には駆動回路40が接続されている。ブレーキペダル60の操作時には、電気制御装置30から駆動回路40に指令が供給され、その指令に応じて駆動回路40がバッテリ50からの電流を電動式ディスクブレーキ10のモータ11及び電動式ドラムブレーキ20のモータ23に供給する。
電気制御装置30は、バッテリ50の電源電圧を監視している。なお、バッテリ50の電源電圧の監視を行う電源電圧センサを別途設けてもよい。この場合、電気制御装置30は電源電圧センサから電源電圧の監視結果を取得する。電気制御装置30は、バッテリ50の電源電圧の監視結果に応じて、後述するように、被制動部材であるドラム21と制動部材であるブレーキシュー22とのクリアランスを調整する為の処理を行う。
マイクロコンピュータ31のメモリには、クリアランスを調整する為の処理を行うプログラムが格納されている。マイクロコンピュータ31は、メモリからクリアランスを調整する為の処理を行うプログラムを読み出して、図3のフローチャートで表される処理を実行する。
図3は、クリアランスを調整する為の処理の一例のフローチャートである。ステップS1では、マイクロコンピュータ31が、バッテリ50の電源電圧を取得する。なお、バッテリ50の電源電圧は、通常、ランプの点灯,エアコンディショナーの利用等の様々な要因により変動している。そこで、マイクロコンピュータ31は取得した電源電圧の平均値を利用してもよいし、変動の少ない時間帯の電源電圧を選択して利用してもよい。電源電圧の変動が少ない時間帯とは、例えばランプの点灯やエアコンディショナーの利用等が無く、電源電圧があまり利用されていない時間帯をいう。電気制御装置30は、ランプの点灯やエアコンディショナーの利用等を検知できるため、電源電圧があまり利用されていない時間帯を選択可能である。
ステップS2に進み、マイクロコンピュータ31は電源電圧が所定の基準電圧(例えば12V)より降下しているか否かを判定する。電源電圧が基準電圧より降下していると判定すると(S2においてYES)、マイクロコンピュータ31はステップS3に進み、後述するクリアランス調整処理を行う。一方、電源電圧が基準電圧より降下していないと判定すると(S2においてNO)、マイクロコンピュータ31はステップS1に戻る。
ステップS3のクリアランス調整処理では、例えば図4のフローチャートで表される処理を実行する。図4は、クリアランス調整処理の一例のフローチャートである。ステップS11に進み、マイクロコンピュータ31は駆動回路40に指令を行い、モータ23の発生する力によりブレーキシュー22をドラム21の内周面に向けて移動させることで、クリアランスを所定値だけ小さくする。
ステップS12に進み、マイクロコンピュータ31は位置センサ24,加圧力センサ25,車速センサ51,図示しない車体減速度センサ(Gセンサ)等から入力される各種信号に基づき、左右後輪(RL,RR)の回転を抑制する制動力が発生しているか否かを判定する。
制動力が発生していなければ(S12においてNO)、マイクロコンピュータ31はステップS11に戻り、クリアランスを更に所定値だけ小さくする。一方、制動力が発生していれば(S12においてYES)、マイクロコンピュータ31はモータ23の発生する力によりブレーキシュー22をドラム21の内周面の反対に向けて移動させることで、クリアランスを制動力が発生しない程度に大きくして処理を終了する。
図4のクリアランス調整処理は、電源電圧が所定の基準電圧より降下している電源電圧降下状態であるときに、ブレーキシュー22の移動速度が低下するという問題に対処するものである。ブレーキシュー22がドラム21の内周面に押圧されて制動力の発生するまでの時間は、ブレーキシュー22の移動速度の低下により長くなる。つまり、制動の応答性は悪くなり、事故に繋がる可能性もある。
そこで、図4のクリアランス調整処理では電源電圧降下状態であるとき、制動力を発生させない程度にブレーキシュー22とドラム21とのクリアランスを小さくしている。このように、ブレーキシュー22とドラム21とのクリアランスを小さくすれば、ブレーキシュー22の移動距離は小さくなる。この結果、電源電圧降下状態であっても制動力の発生するまでの時間は長くならず、制動の応答性を良好に維持できる。
ステップS3のクリアランス調整処理では、図5のフローチャートで表される処理を実行してもよい。図5は、クリアランス調整処理の他の一例のフローチャートである。ステップS21に進み、マイクロコンピュータ31はステップS1で取得した電源電圧と、メモリ内に格納されている図6のような電源電圧−クリアランス特性とに応じて、クリアランスを決定する。
図6は、電源電圧−クリアランス特性を表す一例の図である。図6の電源電圧−クリアランス特性は電源電圧とクリアランスとの関係を規定する。図6の電源電圧−クリアランス特性は例えばモータ23の電源電圧−出力特性に基づき、制動力の発生するまでの時間が同程度となるようにクリアランスが調整されている。
また、マイクロコンピュータ31はステップS1で取得した電源電圧と、メモリ内に格納されている図7のような電源電圧−クリアランス特性とに応じて、クリアランスを段階的に決定してもよい。
図7は、電源電圧−クリアランス特性を表す他の一例の図である。図7の電源電圧−クリアランス特性は電源電圧とクリアランスとの関係を規定する。図7の電源電圧−クリアランス特性は、例えばモータ23の電源電圧−出力特性に基づき、制動力の発生するまでの時間が同程度となるようにクリアランスが段階的に調整されている。
図5に戻り、ステップS22では、マイクロコンピュータ31が、駆動回路40に指令を行い、モータ23の発生する力によりブレーキシュー22を移動させることで、ステップS21で決定したクリアランスに調整して処理を終了する。
図5のクリアランス調整処理は、電源電圧が所定の基準電圧より降下している電源電圧降下状態であるときに、ブレーキシュー22の移動速度が低下するという問題に対処するものである。ブレーキシュー22がドラム21の内周面に押圧されて制動力の発生するまでの時間は、ブレーキシュー22の移動速度の低下により長くなる。つまり、制動の応答性は悪くなり、事故に繋がる可能性もある。
そこで、図5のクリアランス調整処理では電源電圧降下状態であるとき、制動力の発生するまでの時間が電源電圧降下状態でないときと同程度となるように、ブレーキシュー22とドラム21とのクリアランスを調整している。このように、電源電圧降下状態であるときと電源電圧降下状態でないときとで、制動力の発生するまでの時間が同程度になるようにクリアランスを調整できれば、制動力の発生するまでの時間は長くならず、制動の応答性を良好に維持できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上記した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上記した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の実施例において、図6,図7の電源電圧−クリアランス特性はモータ23の電源電圧−出力特性に基づくものであるが、モータ23の電源電圧−出力特性に基づかなくてもよい。例えば電源電圧降下状態であるときに、電源電圧降下状態でないときのクリアランスより短い所定のクリアランスとなるような電源電圧ークリアランス特性であってもよい。また、電源電圧降下状態であるときに、基準電圧と電源電圧との比率に応じてクリアランスを調整するようにしてもよい。
なお、特許請求の範囲に記載した電源電圧取得手段はマイクロコンピュータ31がプログラムを実行することで実現されるステップS1の処理に対応し、クリアランス調整手段はマイクロコンピュータ31がプログラムを実行することで実現されるステップS2,S3の処理に対応する。
本発明による電動式ドラムブレーキを含む電動式ブレーキシステムの一例の構成図である。 電動式ドラムブレーキの一例の断面図である。 クリアランスを調整する為の処理の一例のフローチャートである。 クリアランス調整処理の一例のフローチャートである。 クリアランス調整処理の他の一例のフローチャートである。 電源電圧−クリアランス特性を表す一例の図である。 電源電圧−クリアランス特性を表す他の一例の図である。
符号の説明
10 電動式ディスクブレーキ
11,23 モータ
12,24 位置センサ
13,25 加圧力センサ
20 電動式ドラムブレーキ
21 ドラム
22 ブレーキシュー
30 電気制御装置
31 マイクロコンピュータ
40 駆動回路
50 バッテリ
51 車速センサ
52 パーキングブレーキ操作スイッチ
53 踏力センサ
54 ストロークセンサ
55 モータ電流センサ
56 車輪速センサ
60 ブレーキペダル

Claims (2)

  1. 車輪と一体的に回転する被制動部材に対してクリアランスを有するように配設された制動部材と、
    前記制動部材を前記被制動部材に当接するまで移動させた後に押圧する力を発生するアクチュエータと、
    ブレーキ操作に基づいて前記アクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有する電動式ブレーキであって、
    前記制御手段は、前記アクチュエータに供給される電源電圧を取得する電源電圧取得手段と、
    前記電源電圧に応じて、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを調整するクリアランス調整手段と
    を有し、
    前記クリアランス調整手段は、前記電源電圧が基準値未満であるときの前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスが、前記電源電圧が基準値以上であるときの前記クリアランスより小さくなるように、所定の電源電圧−クリアランス特性に応じて前記クリアランスを調整する電動式ブレーキ。
  2. 車輪と一体的に回転する被制動部材に対してクリアランスを有するように配設された制動部材と、
    前記制動部材を前記被制動部材に当接するまで移動させた後に押圧する力を発生するアクチュエータと、
    ブレーキ操作に基づいて前記アクチュエータの発生する力を制御する制御手段とを有する電動式ブレーキであって、
    前記制御手段は、前記アクチュエータに供給される電源電圧を取得する電源電圧取得手段と、
    前記電源電圧に応じて、前記制動部材と前記被制動部材とのクリアランスを調整するクリアランス調整手段と
    を有し、
    前記クリアランス調整手段は、前記電源電圧が基準値未満であるときと前記電源電圧が基準値以上であるときとで、前記ブレーキ操作を行ってから前記制動部材が前記被制動部材に当接するまでの時間を同程度とするように前記クリアランスを調整する電動式ブレーキ。
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