JP3708011B2 - 車両用ブレーキの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車ブレーキ作動時に付与される車輪の回転を阻止するための回転阻止トルクを制御する車両用ブレーキの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置は、例えば、実公平2−17967号公報に開示されているように、車輪と一体的に回転する被制動部材(回転体)と、車体側に設けられて前記被制動部材に制動トルクを付与する制動部材(摩擦部材)と、駐車ブレーキの作動・解除を制御する電磁装置と、前記被制動部材と前記制動部材との間に生じる摩擦力に対応した応力を検出する応力センサと、駐車ブレーキの作動時に前記検出される応力が低下したとき前記制動トルクが増大するように前記電磁装置を制御する制御手段とを備えている。これにより、上記装置は、駐車ブレーキ時の制動トルクの不必要な増大を防止して無駄なエネルギ消費を回避するとともに、傾斜路での車両の転がり落ちを最小限としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、車両が転がり始めてから駐車ブレーキの制動トルクを増大しているので、特に傾斜角度が大きい路面での駐車時に車両が大きく移動してしまうという問題点がある。
【0004】
【本発明の概要】
本発明は、上記課題に対処すべくなされたものであり、その特徴は、車輪と一体的に回転する被制動部材と、前記制動部材に押圧されて前記車輪の回転に抗する回転阻止トルクを発生する制動部材と、前記制動部材を前記被制動部材に押圧する力を発生するアクチュエータと、サービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータを制御し、前記車輪にサービスブレーキ時の回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段と、駐車ブレーキの作動要求に応じて前記アクチュエータを制御し、前記車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両用ブレーキの制御装置であって、前記車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御されており、且つ、前記車両が停止しており、且つ、前記駐車ブレーキの作動要求が発生した時点において前記トルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクに基づいて同車両を停止状態に維持するために必要なトルクである車両保持トルクを推定し、同推定した車両保持トルクに基づいて前記アクチュエータの発生する力の目標値である駐車ブレーキ目標加圧力を求め、同アクチュエータの発生する力が同求められた駐車ブレーキ目標加圧力となるように同アクチュエータを制御してなることにある。
【0005】
本発明の他の特徴は、車両に備えられた左右前輪及び左右後輪の各々に設けられ各車輪と一体的に回転する被制動部材に対し制動部材を押圧することにより、各車輪に対し各輪毎の回転に抗する回転阻止トルクを付与する複数のアクチュエータと、サービスブレーキ操作量に応じて前記左右前輪及び前記左右後輪の各々に設けられた複数のアクチュエータの発生する力を制御するサービスブレーキ制御手段と、駐車ブレーキの作動要求に応じて前記左右後輪の各々に設けられたアクチュエータの発生する力を制御する駐車ブレーキ制御手段と、を備えた車両のブレーキ制御装置であって、前記左右前輪及び左右後輪の少なくとも一つの車輪に設けられ同車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記左右前輪及び前記左右後輪の各々に設けられた前記複数のアクチュエータの発生する力が制御されており、前記車両が停止しており、且つ、前記駐車ブレーキの作動要求が発生した時点において前記トルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクに基づいて同車両を停止状態に維持するために必要なトルクである車両保持トルクを推定し、同推定した車両保持トルクに基づいて前記左右後輪の各々に設けられたアクチュエータの発生する力の目標値である駐車ブレーキ目標加圧力を求め、同アクチュエータの発生する力が同求められた駐車ブレーキ目標加圧力となるように同アクチュエータを制御してなることにある。
【0006】
なお、上記何れかの特徴を備えたブレーキの制御装置において、サービスブレーキ制御手段により制御されるアクチュエータと、駐車ブレーキ制御手段により制御されるアクチュエータとは、同一アクチュエータであってもよいし、異なるアクチュエータであってもよい。異なるアクチュエータの例としては、サービスブレーキ制御手段により制御されるアクチュエータが電動モータを含むものであり、駐車ブレーキ制御手段が制御するアクチュエータが、前記電動モータが備えられた車輪の制動部材に対して油圧若しくはワイヤケーブル等を介して、又はこれらを介することなく力を加える電磁弁装置又は他の電動モータであるものが挙げられる。
【0007】
このような特徴を備えたブレーキの制御装置においては、制動部材が車輪と一体的に回転する被制動部材に対してアクチュエータにより押圧され、同車輪の回転に抗する回転阻止トルクが発生する。この回転阻止トルクは、サービスブレーキ時には例えばブレーキペダルの踏込み量やペダル踏力等のサービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力が制御されることにより変更される。一方、駐車ブレーキ時には、サービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力が制御されており、且つ、前記車両が停止しており、且つ、前記駐車ブレーキの作動要求が発生した時点において前記トルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクに基づいて同車両を停止状態に維持するために必要なトルクである車両保持トルクが推定される。そして、このように推定された車両保持トルクに基づいて前記アクチュエータの発生する力の目標値である駐車ブレーキ目標加圧力が求められ、前記アクチュエータの発生する力が前記求められた駐車ブレーキ目標加圧力となるように同アクチュエータが制御される。
【0008】
サービスブレーキ時においてサービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力が制御されているときにトルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクは、車両が走行状態から停止状態へと移行した時点であり、且つ、駐車ブレーキ作動要求が発生された時点において車両を停止(駐車)状態に維持するための回転阻止トルクを適切に表す。即ち、駐車ブレーキの作動要求は、車両が走行状態から停止状態へと移行した直後であってサービスブレーキによるブレーキ作動がなされている場合に発生されることが通常であるため、車両が停止しており、且つ、駐車ブレーキの作動要求が発生された時点でのサービスブレーキによる実際の回転阻止トルクは、同車両を停止状態に維持するに必要な車両保持トルクを求めるのに適切な値となっている。
【0009】
また、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記車両が停止しているときに検出された前記実際の回転阻止トルクに基づいて、車両保持トルクを推定している。これは、車両が走行状態から停止状態へと移行する直前に駐車ブレーキの作動指示がなされる場合があり得ること、及び、車両が完全に停止していない時点での実際の回転阻止トルクは同車両を停止状態に維持するに必要な回転阻止トルクより大きくなるという知見に基づいており、上記構成のようにすれば、より適切な実際の回転阻止トルクに基づいて車両を停止状態に維持するのに必要な車両保持トルクを求めることができる。従って、上記特徴によれば、駐車ブレーキ目標加圧力が適切な値となるので、アクチュエータに無駄な仕事をさせることなく、確実に駐車状態を維持することが可能なる。
【0010】
本発明の他の特徴は、
車両に備えられた複数の車輪の各々に設けられ各車輪と一体的に回転する被制動部材に対し制動部材を押圧することにより、各車輪に対し各輪毎の回転に抗する回転阻止トルクを付与する複数のアクチュエータと、
サービスブレーキ操作量に応じて前記複数のアクチュエータの発生する力を制御し、前記複数の車輪にサービスブレーキ時の回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段と、
駐車ブレーキの作動要求に応じて前記複数のアクチュエータの少なくとも一つを制御し、同制御されるアクチュエータが設けられた車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両のブレーキ制御装置であって、
前記複数の車輪の少なくとも一つの車輪に設けられ同車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御されているときに前記トルク検出手段により検出された実際の回転阻止トルクと前記車両の各輪に対する荷重配分とから前記トルク検出手段の備えられていない車輪の回転阻止トルクを推定し、同推定された回転阻止トルクに基づいて前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するように構成されたことにある。
【0011】
荷重配分は各車両毎に固有の値であるから、予め計測により求めておくことができるので、トルクセンサが備えられていない車輪の回転阻止トルクを簡単に且つ高精度に求めることができるからである。
【0012】
また、上記ブレーキ制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記制動部材又は前記被制動部材の温度の変化の最大値を考慮した一定の加圧力補償分を用いて前記駐車ブレーキ目標加圧力を決定するように構成されることが好適である。
【0013】
制動部材又は被制動部材の温度が変化すると、これらの部材間の摩擦係数が変化し、又はこれらの部材が熱収縮することから、同一の力で同制動部材を被制動部材に押圧しても回転阻止トルクが異なるからである。
【0014】
また、上記ブレーキ制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記車両の重量の変化に相当する前記車両保持トルクの増大分の最大値に対応する加圧力を用いて前記駐車ブレーキ目標加圧力を決定するように構成されることが好適である。
【0015】
駐車中に乗員数又は積載量が変動することで車両重量が変動すると、車両を停止させておくために必要な回転阻止トルクが変動するからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両用ブレーキの制御装置の各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1には、第1実施形態に係る車両用ブレーキの制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体が示されている。この電動ブレーキ装置は、左右前輪FL,FRに設けられた電動ディスクブレーキ10と、左右後輪RL,RRに設けられた電動ドラムブレーキ20と、電気制御装置30と、駆動回路40と、サービスブレーキ用のブレーキ操作部材としてのブレーキペダル60とを含んでいる。
【0022】
電動ディスクブレーキ10は、車輪と一体的に回転する被制動部材であるディスクロータ(図示省略)と、車体側部材であるマウンティングブラケットに回転不能に保持されるとともに前記ディスクロータに対して所定のクリアランス(間隔)を有するように配設された制動部材としてのブレーキパッド(図示省略)と、供給される電流に応じた力を発生する直流電動モータ11と、制動部材の位置Xを検出する位置センサ12と、加圧力センサ13とを含んでいて、電動モータ11の発生する力によりブレーキパッドをディスクロータに向けて移動(押動)させて当接させ、さらに同ブレーキパッドを同ディスクロータに押圧することで車輪の回転を抑制する制動トルク(車輪の回転に抗する回転阻止トルク)を発生するようになっている。
【0023】
上記位置センサ12は、電動モータ11の回転位置を検出することで同電動モータ11により駆動される制動部材の位置Xを検出するようになっている。上記加圧力センサ13は、前記ブレーキパッドが前記ディスクロータに実際に押圧される際の力と同一の力で押圧される部材に取付けられた歪センサからなっていて、同歪センサが検出した歪量から実際の加圧力P(実加圧力P)を検出するようになっている。
【0024】
電動ドラムブレーキ20は、車輪と一体的に回転する被制動部材であるドラム21と、車体側部材であるバッキングプレートに回転不能に保持されるとともに前記ドラム21に対して所定のクリアランス(間隔)を有するように配設された制動部材としてのブレーキシュー22と、供給される電流に応じた力を発生する直流電動モータ23と、駐車ブレーキ時に作動する切替用モータ24と、ブレーキシュー22の位置Xを検出する位置センサ25と、加圧力センサ26とを含んでいて、電動モータ23の発生する力によりブレーキシュー22をドラム21の内周面に向けて移動(押動)させて当接させ、さらに同ブレーキシュー22を同ドラム21の内周面に押圧することで車輪の回転を抑制する制動トルク(車輪の回転に抗する回転阻止トルク)を発生するようになっている。
【0025】
この電動ドラムブレーキ20は、図2に詳細を示すようにデュオサーボ型のものであり、図示しない車体側部材に回転不能に取り付けられるとともに円板状を成したバッキングプレート200と、そのバッキングプレート200に設けられ、概して円弧状を成した一対のブレーキシュー202a,202b(図1においては符号22で表している。)と、内周面に摩擦面204を備えて車輪と共に回転するドラム206(図1においては符号21で表している。)と、一対のシュー202a,202bの一端部同士を拡開させる電動アクチュエータ300とを含んでいる。
【0026】
一対のブレーキシュー202a,202bは、それぞれ、互いに対向する一端部において、バッキングプレート200に固定されたアンカピン208に係合させられることによって、ドラム206と共に回転することを防止された状態で回動可能に保持されている。
【0027】
また、一対のブレーキシュー202a,202bは、他端部同士がストラット210によって連結され、同ストラット210によって一方のシューに作用する力が他方のシューに伝達されるようになっている。なお、一対のブレーキシュー202a,202bは、シューホールドダウン装置212a,212bによってバッキングプレート200にそれの面に沿って移動可能とされている。
【0028】
一対のブレーキシュー202a,202bの他端部同士は、図に示すように、スプリング214により互いに接近する向きに付勢されており、一端部は各シューリターンスプリング215a,215bによりアンカピン208に向かって付勢されている。また、一端部には、ストラット216、リターンスプリング218も設けられている。
【0029】
各ブレーキシュー202a,202bの外周面には、それぞれ、摩擦係合部材としてのブレーキライニング219a,219bが保持され、それら一対のブレーキライニング219a,219bがドラム206の内周面204に摩擦係合させられることにより、ブレーキライニング219a,219bとドラム206との間に摩擦力が発生するようになっている。本実施形態においては、ストラット210がアジャスト機構を備えたものであり、ブレーキライニング219a,219bの摩耗に応じてブレーキライニング219a,219bとドラム内周面204との隙間が調整できるようになっている。
【0030】
各ブレーキシュー202a,202bは、それぞれリム224a,224bとウェブ222a,222bとを含み、ウェブ222aにはレバー230の一端部がピン232を介して回動可能に設けられている。レバー230とウェブ222a、及びウェブ222bの互いに対向する部分にはそれぞれ切欠が設けられている。前記ストラット216は、これらの切欠に係合している。
【0031】
レバー230の他端部には、電動モータ23を含む電動アクチュエータ300が連結されていて、サービスブレーキ用のブレーキペダル60が操作されると、電動モータ23(電動アクチュエータ300)の駆動によってレバー230が回動させられ、ブレーキシュー202aがストラット216と同ブレーキシュー202a及びレバー230との係合点を支点としてドラム内周面204に向けて押動させられるとともに、ブレーキシュー202bがドラム内周面204から反力を受けたストラット216によりドラム内周面204に向けて押動させられるようになっている。即ち、電動モータ23の回動により、一対のブレーキシュー202a,202bが拡開させられ、摩擦係合部材(ブレーキライニング219a,219b)がドラム206の内周面204に押し付けられて同摩擦係合部材がドラム内周面204に摩擦係合させられ、これらの間に摩擦力が発生させられて車輪の回転が抑制されることにより、車輪に制動トルクTが付与されるようになっている。
【0032】
なお、上記構造においては、一方のシュー202bにおいて生じた摩擦力に基づくつれまわり力と、電動アクチュエータ300によるブレーキ作動力D(一対のシュー202a,202bを拡開させる拡開力であると考えることができる。)とが他端部からストラット210を介して他方のシュー202aの他端部に伝達されるようになっている。この結果、他方のシュー202aは、前記つれまわり力と前記拡開力との和によりドラム内周面204に押し付けられ、一方のシュー202bより大きな摩擦力が生じる。このように、一方のシュー202bの出力が他方のシュー202aの入力となり、しかも、二重のサーボ効果が得られるため、デュオサーボ型ドラムブレーキにおいては、大きな制動トルクを得ることができる。
【0033】
アンカピン208には、前記加圧力センサ26として、同アンカピン208に加わる荷重を検出する歪センサ312が取り付けられている。上述したように、デュオサーボ型の電動ドラムブレーキ20においては、一方のシューにおいて生じた摩擦力に基づくつれまわり力と電動アクチュエータ300による拡開力とがストラット210を介して他方のシューの他端部に伝達され、他方のシューは、このつれまわり力と拡開力との和によりドラム206に押し付けられることとなる。そして、他方のシューのサーボ作用により他方のシューにストラット210を介して伝達された力がさらに増大させられてアンカピン208に作用する。その結果、アンカピン208に加わる荷重に基づいて制動トルクを求めれば、デュオサーボ型電動ドラムブレーキ20において生じる実際の制動トルクT(実制動トルクT)を検出することができる。この実制動トルクTは、車輪が回転している場合、及び坂路上等に車両があって車輪に回転しようとするトルクが加わっている場合には、制動部材としてのシュー202a,202b(ブレーキライニング219a,219b)が被制動部材としてのドラム206に実際に押圧される力(実加圧力P)を表す。また、実制動トルクは、車輪の回転に抗する実際の回転阻止トルク(実回転阻止トルク)と云うこともできるので、加圧力センサ26は回転阻止トルクを検出するトルク検出手段を構成していることになる。
【0034】
電動アクチュエータ300は、図3に示したように、上記電動モータ23と、同電動モータ23の回転運動を作動軸302の往復直線運動に変換する駆動部304とからなっている。電動モータ23は、同電動モータ23の回転位置を検出することで前記シュー202a(202b)の位置Xを検出する上記位置センサ25を内蔵している。なお、前記ブレーキシュー202a(202b)の位置Xは、バッキングプレート200等の固定されたギャップセンサ等により直接検出してもよい。
【0035】
駆動部304のハウジング306には電動モータ23が組付けられ、同ハウジング306及び電動モータ23は前記バッキングプレート200に固定されている。電動モータ23の回転軸23aにはピニオン308が固定されている。ピニオン308は第1減速ギヤ310と噛合され、その第1減速ギヤ310は第2減速ギヤ312と噛合されている。第2減速ギヤ312は軸方向にネジ孔(図示省略)が形成された出力軸部312aを有している。
【0036】
前記作動軸302は、ハウジング306に回転不能、かつ軸方向に移動可能に支持されていて、その一端に前記レバー230に連結される連結部302aを有し、他端にウォーム部302bを有している。ウォーム部302bは、前記出力軸部312aと螺合している。
【0037】
前記ハウジング306内には、図3及び図4に示したように、作動軸302からから出力軸部312aを介して入力される外力によるピニオン308の一方向の回転(作動軸302が図1において左方向に移動して制動トルクを低下させる方向の回転に相当する。)を阻止するとともに、他方向の回転を許容する回転防止機構320が設けられている。
【0038】
回転防止機構320は、切替用モータ322と規制ギヤ324とからなっている。切替用モータ322は前記ハウジング306に組み付けられていて、同切替モータ322の回転軸にはピニオン322aが備えられている。規制ギヤ324は、前記第1減速ギヤ310を固定するシャフト310aに同軸に回転可能に支持されている。
【0039】
規制ギヤ324は、図4に示したように、前記切替用モータ322のピニオン322aと噛合するための第1噛合部324aと、前記電動モータ23のピニオン308と噛合するための第2噛合部324bとを有している。第2噛合部324bは第1噛合部324aから外側に円弧状に突出している。規制ギヤ324は切替用モータ322の作動により回動され、図5に示す前記ハウジング306内に形成された第1及び第2の規制壁306a,306bにより所定角度で回動が規制されるようになっている。
【0040】
このように構成された回転防止機構320は、図5に示したように、前記切替用モータ322により規制ギヤ324の第2噛合部324bをピニオン308と噛合しない位置に配置し、これによりピニオン308の自由な回転を許容する。その一方、図6に示したように、前記切替用モータ322により前記規制ギヤ324の第2噛合部324bをピニオン308と噛合する位置に配置し、同図6においてピニオン308に反時計回り方向(矢印B方向)の回転力が作用したときに同第2噛合部324bの端面を第1の規制壁306aに当接させ、これによりピニオン308の矢印B方向の回転を阻止する。
【0041】
再び、図1を参照すると、電気制御装置30は、図示しないメモリ及びCPUを有するマイクロコンピュータ31を含み同メモリ内に格納されたプログラムを実行するとともに、上記位置センサ12,25と、上記加圧力センサ13,26と、図示しない変速機の出力軸の回転を検出することにより車両の速度(以下、車速と云う。)SPDを検出する車速センサ51と、駐車ブレーキの作動を制御するために運転者により操作されて駐車ブレーキ作動指示信号PKBを発生する駐車ブレーキ操作スイッチ52と、運転者によるブレーキペダル60のペダル踏力Fを検出する踏力センサ53と、同ブレーキペダル60の操作ストロークSTを検出するストロークセンサ54と、モータ電流センサ55と、4輪FL,FR,RL,RRにそれぞれ設けられ各輪の車輪速Vwを検出する車輪速センサ56とが接続されていて、これらからの信号を入力するようになっている。このうち、駐車ブレーキ操作スイッチ52は、駐車ブレーキ作動の作動指示がなされているとき(駐車ブレーキの作動要求が発生しているとき)駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値を「1」(ハイレベル信号)とし、同駐車ブレーキ作動が解除されているとき(駐車ブレーキの作動要求が消滅しているとき)同駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値を「0」(ローレベル信号)とするように構成されている。
【0042】
駆動回路40は、入力側が電気制御装置30に、出力側が電動モータ11,23、及び切替用モータ24に接続されるとともに電源としての車両のバッテリ(図示省略)と接続されたスイッチング回路であって、電気制御装置30からのデューティ比を表す指令信号に応じた電流を各々の電動モータ11,23に供給するとともに同電気制御装置30からの指令に基づいて所定の小電流を切替用モータ24に供給するようになっている。駆動回路40と電動モータ11,23の電流供給ラインには上記モータ電流センサ55が接続されている。なお、モータ電流センサ55は、電動モータ11,23に実際に供給された実供給電流I(デューティ比を考慮して得られた値)を検出するようになっていて、検出される実供給電流Iは、電動モータ11,23の発生する力(実加圧力P)と近似した値を示す。
【0043】
ところで、本実施形態においては、実加圧力Pが目標加圧力P*と等しくなるように制御される。目標加圧力P*は、後述するようにサービスブレーキ目標加圧力PF*と駐車ブレーキ目標加圧力PP*のうち何れか大きい方となる。そこで、先ず、駐車ブレーキ目標加圧力PP*の決定方法について説明する。駐車ブレーキ目標加圧力PP*とは、駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作されて駐車ブレーキ作動要求が発生している間に目標加圧力P*として使用される加圧力Pの目標値である。
【0044】
駐車ブレーキ目標加圧力PP*は、車両を確実に停止させておくことのできる値であればよい。駐車ブレーキ目標加圧力PP*が過度に大きいと、電動モータ23に多くの電流を供給する必要が生じ、無駄なエネルギを消費することになるからである。そこで、本ブレーキの制御装置においては、車両を駐車(停止)状態に維持するために必要なトルク(駐車ブレーキ時における車輪の回転を阻止するトルクであって、以下、車両保持トルクSHTと云う。)を推定し、この車両保持トルクSHTに基づいて駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定する。車両保持トルクSHTは、走行中の車両をサービスブレーキにより停止したときの制動トルク(保持トルク)SHT0を基礎として求めることができる。
【0045】
ところで、運転者は、走行している車両を停車させるとき、ブレーキペダル60を操作してサービスブレーキを作動させて車両を停止させ、ブレーキペダル60の操作を維持した状態にて駐車ブレーキ操作スイッチ52を操作し、これにより駐車ブレーキを作動させる。特に、坂道駐車時等、車両を駐車(停止)状態に維持するためにトルクが必要な場合には、上記運転操作を行う確率が高い。
【0046】
そこで、本実施形態においては、「▲1▼ブレーキペダル60が踏込まれていてペダル踏力Fが「0」でない(又はペダルストロークSTが「0」でない)、且つ▲2▼車速SPDが「0」であり(車両が停止しており)、且つ▲3▼駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作され、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「0」から「1」へと変化した直後である」という条件が成立したときに、実制動トルク(実際の回転阻止トルク)を検出する加圧力センサ26の検出値に基づいて車両保持トルクSHTの計算を行う。なお、上記条件は、▲1▼単独、又は▲1▼と▲2▼との組合せ、又は▲1▼と▲3▼との組合せとすることもできる。
【0047】
次に、上記車両保持トルクSHTの具体的な求め方について説明する。上記車両が走行状態から停止状態へと移行した時点における車両保持トルクSHT0は、同車両が停止した時点において各車輪が受け持っている保持トルクの総和であり、左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRとに分ければ、左右前輪FL,FRが受け持つ保持トルクFHTと左右後輪RL,RRが受け持つ保持トルクRHTとの和である。一方、駐車中において乗員の増加又は荷物等の積み込み等により車両重量が増大すると、駐車中の車両保持トルクSHTは車両重量の変化に相当する分だけ増大する。この車両重量の変化に相当する車両保持トルクの増大分の最大値をHHTとすると、車両保持トルクSHTは下記数1にて表される。
【0048】
【数1】
SHT=FHT+RHT+HHT
【0049】
第1実施形態のブレーキの制御装置においては、駐車ブレーキ作動時に左右後輪RL,RRの電動モータ23にのみ電流が流され同後輪のブレーキのみが作動し、左右前輪FL,FRの電動モータ11には電流が流されないようになっている。
【0050】
また、駐車ブレーキ目標加圧力PP*を考慮するときには、上記車両保持トルクSHTに対応する加圧力に加え、駐車中における制動部材及び被制動部材の温度変化等に伴う摩擦係数の変化、及びこれらの部材の温度変化による収縮等を考慮する必要がある。同一の加圧力により制動部材を被制動部材に押圧していても車輪の回転を阻止するトルクが変化するからである。
【0051】
そこで、上記摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影響分を補う後輪1輪分の加圧力補償分をPMARGINとするとともに、上記左右前輪FL,FRが受け持つ保持トルクFHT、左右後輪RL,RRが受け持つ保持トルクRHT、及び駐車中の車両重量の変化に相当するトルク分HHTに対応する後輪1輪分の加圧力を、それぞれPFHT、PRHT、及びPHHTとすると、後輪1輪に対する駐車ブレーキ目標加圧力PP*は下記数2で表される。
【0052】
【数2】
PP*=PFHT+PRHT+PHHT+PMARGIN
【0053】
以下、数2における各項の実際の求め方について説明する。
【0054】
▲1▼「左右前輪FL,FRが受け持つ保持トルクFHTに対応する加圧力PFHT」
左右前輪FL,FRが受け持つ保持トルクFHT(前輪2輪分)は、車両が走行状態から停止状態へと移行した時点における左右前輪FL,FRに各々設けられたトルクセンサの検出値の和(又はこれらのトルクセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の値)として求めることができる。また、左右前輪FL,FRにトルクセンサが設けられておらず、左右後輪RL,RRの各々にトルクセンサが設けられている本第1実施形態の場合、前記保持トルクFHTは、左右後輪RL,RRの各トルクセンサ(加圧力センサ26)の検出値の和(又はこれらのトルクセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の値)として求められる左右後輪RL,RRの保持トルクRHT(後輪2輪分)と、車両の各輪の荷重配分(この場合には、前後軸重配分)とに基づいて推定する。即ち、左右前輪FL,FRが受け持つ荷重と左右後輪RL,RRが受け持つ荷重の比がa:b(実験によれば、a:b≒7:3)であるとすると、左右前輪FL,FRの保持トルクFHTを下記数3により求める。
【0055】
【数3】
FHT=RHT×(a/b)
【0056】
そして、左右前輪FL,FRが負担していた保持トルクFHTを左右後輪RL,RRにて受け持つために必要な後輪1輪分の加圧力PFHTは、下記数4により求められる。下記数4の右辺において値「2」により除するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する車輪が後輪の2輪だからである。また、k1は保持トルクを加圧力に変換するための係数である。この係数K1は、制動部材と被制動部材の間の摩擦係数によっても変化するが、同摩擦係数が取り得る値のうちの最小値近傍の値とすることにより一定値として扱うことができる。
【0057】
【数4】
PFHT=FHT×k1/2
【0058】
▲2▼「左右後輪RL,RRが受け持つ保持トルクRHTに対応する加圧力PRHT」
左右後輪RL,RRが受け持つ保持トルクRHT(後輪2輪分)は、車両が走行状態から停止状態へと移行した時点における左右後輪RL,RRに各々設けられたトルクセンサ(加圧力センサ26)の検出値の和(又はこれらのトルクセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の値)として求められる。また、本第1実施形態とは異なり、左右後輪RL,RRにトルクセンサが設けられておらず、左右前輪FL,FRの各々にトルクセンサが設けられている場合、前記保持トルクRHTは、前輪側の各トルクセンサの検出値の和(又はこれらのトルクセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の値)として求められる前輪側の車輪のFL,FRの保持トルクFHT(前輪2輪分)と、車両の各輪の荷重配分(この場合には、前後軸重配分)とに基づいて、例えば下記数5により推定することができる。
【0059】
【数5】
RHT=FHT×(b/a)
【0060】
そして、左右後輪RL,RRが負担していた保持トルクRHTを左右後輪RL,RRにて受け持つために必要な後輪1輪分の加圧力PHHTは、下記数6により求められる。下記数6の右辺において値「2」により除するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する車輪が後輪の2輪だからである。
【0061】
【数6】
PRHT=RHT×k1/2
【0062】
▲3▼「車両重量の変化に相当する必要トルクの増大分の最大値HHTに対応する加圧力PHHT」
この加圧力PHHTは、車両の最大積載量と乗車定員重量の和をΔM、車輪タイヤ径をR、考えられる路面の最大勾配(路面の傾斜角度)をθとするとき、下記数7により求められる。下記数7の右辺において値「2」により除するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する車輪が後輪の2輪だからである。
【0063】
【数7】
PHHT=ΔM×R×sinθ/2
【0064】
▲4▼「摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影響分を補う加圧力補償分PMARGIN」
この加圧力補償分PMARGINは、制動部材又は被制動部材の温度を検出する温度センサを備える場合には、同温度センサにより検出される温度が高いほど小さくなるように(検出された温度に応じて)決定することができる。これらの部材の温度が高いほど、前記摩擦係数が大きいからである。また、制動部材及び被制動部材の温度は車両停止後の経過時間に応じて減少するから、上記加圧力補償分PMARGINを車両停止後の経過時間に応じて大きくなるように決定することができる。本第1実施形態においては、これらの変化の最大値を考慮した一定値として加圧力補償分PMARGINを予め決定しておく。以上により、左右後輪RL,RRの1輪分の駐車ブレーキ目標加圧力PP*が求められる。
【0065】
次に、上記車両用ブレーキの制御装置の作動について説明する。図7は、マイクロコンピュータ31が左後輪RLのブレーキ制御のために実行するプログラムの作動を機能ブロック図により示したものである。マイクロコンピュータ31は、右後輪RRについても全く同様の作動を行う。なお、図7には、理解を容易にするため、前記プログラム以外のもの(例えば、電動モータ23、ブレーキ、ブレーキペダル60、踏力センサ53等の各種センサ)が併せて示されている。
【0066】
先ず、運転者がブレーキペダル60を操作せず(踏み込んでおらず)、且つ駐車ブレーキ操作スイッチ52の操作により駐車ブレーキを作動させていない場合から説明する。このとき、踏力センサ53の検出する踏力Fは「0」であり、駐車ブレーキ操作スイッチ52の出力する駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値も「0」となっている。
【0067】
マイクロコンピュータ31は、ブロックB1により、上記ペダル踏力Fが「0」か否かを判定することによりサービスブレーキによる制動要求があるか否か、及び駐車ブレーキ作動指示信号PKBが「0」であるか否かを判定することにより駐車ブレーキによる制動要求があるか否かを判定している。そして、ペダル踏力F及び駐車ブレーキ作動指示信号PKBが共に「0」であると判定すると、即ち、サービスブレーキ及び駐車ブレーキによる制動要求がないと判定すると、スイッチSW1の可動接点をaに接続する。これにより、電動モータ23には電流が供給されることはなく、制動部材であるブレーキシュー202a,202bは初期位置に維持されて被制動部材と離間しているため、制動トルクは発生しない。
【0068】
次に、車両の走行中において、運転者が車速を低下させるためにブレーキペダル60を踏込んだ場合について説明する。この場合、踏力センサ53はペダル踏力Fを発生する。これにより、ペダル踏力Fは「0」でなくなるので、マイクロコンピュータ31はブロックB1により制動要求があると判定する。また、マイクロコンピュータ31は、ブロックB1により、制動部材が被制動部材に当接して押圧されていると設計上考えられる位置にあるか否かを、位置センサ25の検出する制動部材の位置Xが「制動部材と被制動部材との距離が設計上「0」となると考えられるときの基準位置X0」より大きいか否かにより判定している。そして、マイクロコンピュータ31は、前記制動要求があり、且つ、制動部材の位置Xが基準位置X0より小さいと判定した場合(制動部材と被制動部材とが離間していると判定した場合)にはスイッチSW1の可動接点を固定接点cに接続する。
【0069】
このとき、マイクロコンピュータ31は、メモリに記憶されているブロックB2に示した制動部材の位置Xに対するデューティ比Dutyを規定するテーブルと制動部材の実際の位置Xとに基づいてデューティ比Dutyを決定する。そして、マイクロコンピュータ31は、スイッチSW1の可動接点が固定接点cに接続されているから、決定したデューティ比Dutyを有する信号を図1に示した駆動回路40に与える。この結果、前記デューティ比Dutyに応じた電流が電動モータ23に流され、制動部材が被制動部材側に押動されて行く。
【0070】
かかる状態が継続すると、制動部材が被制動部材に当接するため、マイクロコンピュータ31は、位置センサ25の検出する制動部材の位置Xが前記基準位置X0より大きいと判定し、スイッチSW1の可動接点を固定接点bに接続する。
【0071】
このとき、マイクロコンピュータ31は、メモリに記憶されているブロックB3に示したテーブルと検出されたペダル踏力Fとに基づいてサービスブレーキ目標加圧力PF*を決定する。ブロックB3に示したテーブルは、ペダル踏力Fとサービスブレーキ目標加圧力PF*との関係を規定するものであって、同ペダル踏力Fと同サービスブレーキ目標加圧力PF*は略比例関係を有している。
【0072】
また、マイクロコンピュータ31は、ブロックB4により、駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定している。即ち、マイクロコンピュータ31は、駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作されて駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「1」となったとき(駐車ブレーキ作動要求があったとき)は駐車ブレーキ目標加圧力PP*を上述した方法に基づいて決定し、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「0」となったときは同駐車ブレーキ目標加圧力PP*を「0」とする。現時点においては、駐車ブレーキ操作スイッチ52は操作されておらず、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値は「0」であるので、マイクロコンピュータ31は駐車ブレーキ目標加圧力PP*の値を「0」とする。
【0073】
次いで、マイクロコンピュータ31は、ブロックB5により、上記のように決定されたサービスブレーキ目標加圧力PF*と駐車ブレーキ目標加圧力PP*の中から最大の値(大きい値)を有するものを選択して目標加圧力P*とする。この場合、駐車ブレーキブレーキ目標加圧力PP*の値は「0」であるから、サービスブレーキ目標加圧力PF*が目標加圧力P*とされる。
【0074】
次いで、マイクロコンピュータ31は、メモリに記憶されているブロックB6に示したテーブルと前記ブロックB5により決定された目標加圧力P*とに基づいて供給電流I*を求め、決定された供給電流I*とメモリに記憶されているブロックB7に示したテーブルとからデューティ比Dutyを求める。このとき、スイッチSW1の可動接点が固定接点bに接続されているから、上記ブロックB7により求められたデューティ比Dutyを有する信号が図1に示した駆動回路40に与えられ、同デューティ比Dutyに応じた電流が電動モータ23に流される。この結果、制動部材が被制動部材に目標加圧力P*に応じた力で押圧され、制動トルクが発生する。
【0075】
実加圧力Pは、加圧力センサ26により検出される。しかしながら、加圧力センサ26はアンカピン208に取付けられた歪センサであって、実際の制動トルクTを検出するものであるから、車速が「0」である場合は実加圧力Pに応じた出力を発生し得ない。
【0076】
そこで、マイクロコンピュータ31は、ブロックB1により、加圧力センサ26が加圧力Pを検出し得る状態にあるか否かを、車速SPDが基準車速SPD0(即ち、「0」)より大きいか否かにより判定し、車速SPDが基準車速SPD0より大きく加圧力センサ26が実加圧力Pを検出し得る状態であると判定した場合にはスイッチSW2を閉成する。これにより、加圧力Pがフィードバック制御され、実際の加圧力Pが目標加圧力P*に近づくように前記デューティ比Dutyが変更される。この場合、加圧力センサ26は実制動トルクTを検出するものであるから、実制動トルクTが目標加圧力P*と等価な関係にある目標制動トルクT*に等しくなるようにフィードバック制御されていることになる。
【0077】
なお、上記フィードバック制御によるデューティ比Dutyは、目標加圧力P*と実際の加圧力Pとの差に基づいて決定されるようにしても、同差の微分値に基づいて決定されるようにしても、積分値に基づいて決定されるようにしてもよく、実際の差、微分値、積分値の2つ以上に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0078】
他方、マイクロコンピュータ31は、加圧力センサ26が加圧力Pを検出し得ない状態にあると判定した場合にはスイッチSW2を開成する。これにより、不正確な値に基づく加圧力Pのフィードバック制御が禁止され、加圧力Pのフィードフォワード制御が実行される。なお、車速センサ51の分解能により極めて小さい車速SPDを精度良く検出できない場合には、同車速センサ51の検出車速SPDが「0」でない基準車速SPD0以下となったときにスイッチSW2を開成して加圧力Pのフィードバック制御を禁止してもよい。
【0079】
次に、図8及び図9を参照しながら、駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作されて、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「1」とされたとき(即ち、駐車ブレーキ作動要求があるとき)、上記ブロックB4により駐車ブレーキ目標加圧力PP*がどのように求められるかについて説明する。図8及び図9は、それぞれ平坦路及び降坂路を走行している場合にサービスブレーキにより車両を停止させ、次いで駐車ブレーキを作動させた際の後輪側の車輪RLの目標加圧力P*と同輪RLのトルクセンサ26が検出する実制動トルク(回転阻止トルク)Tを示している。両図において、目標加圧力P*は実線、実制動トルクTは破線により示されている。
【0080】
図8に示したように、平坦路走行中の時刻t0にてブレーキペダル60の踏込みが開始され踏力Fが上昇すると目標加圧力P*が上昇し、これに伴い電動モータ23に流される電流が増大する。この結果、実制動トルクTが上昇するので、車両の速度は低下する。このため、時刻t1にてブレーキペダル60の踏込み力が若干だけ弱められる。従って、目標加圧力P*は下降し、これに伴い電動モータ23に流される電流が減少し、実制動トルクTも低下する。時刻t2までは車速SPDが上記基準車速SPD0よりも大きいので、スイッチSW2は閉成されていて加圧力Pのフィードバック制御が行われる。
【0081】
そして、車速SPDが基準車速SPD0以下となる時刻t2直前において、実制動トルクTは急激に減少する。この時点で、加圧力センサ26の出力値が実加圧力Pを示さなくなるため、SW2は開成され加圧力Pのフィードフォワード制御となる。その後、時刻t2にて車両が停止するため、実制動トルクTは「0」になる。平坦路においては、車両を停止状態に維持するために制動トルク(回転阻止トルク)が必要ないからである。
【0082】
そして、時刻t3にておいて駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作されると、上記ブロックB4により上記数2に従って駐車ブレーキ目標加圧力PP*が決定される。この場合、加圧力PFHT,PRHTは共に「0」であるから、駐車ブレーキ目標加圧力PP*は、車両重量の変化分を補う加圧力PHHTと、摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影響分を補う加圧力補償分PMARGINとの和となる。
【0083】
また、この時点においては、踏力センサの検出するペダル踏力Fは「0」であるから、サービスブレーキ目標加圧力PF*は「0」である。従って、ブロックB5により上記駐車ブレーキ目標加圧力PP*が目標加圧力P*として選択され、同目標加圧力P*に応じた電流が電動モータ23に供給される。なお、マイクロコンピュータ31は、上記ブロックB1の機能により、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「1」のとき、制動部材の実際の位置Xが前記基準位置X0より大きければスイッチSW1の可動接点を固定接点bに接続し、制動部材の実際の位置Xが前記基準位置X0より小さければ同スイッチSW1の可動接点を固定接点cに接続している。
【0084】
かかる状態にて所定時間が経過すると、駐車ブレーキ目標加圧力PP*に応じた加圧力が制動部材に加わる。このとき、マイクロコンピュータ31は、図5に示した切替用モータ24に電流を流して規制ギヤ324を同図5において時計回り方向に回動させ、図6に示すように、同規制ギヤ324の第2噛合部324bをピニオン308と噛合する位置に配置し、その後切替用モータ24の電流を遮断する。同時に、マイクロコンピュータ31は、電動モータ23への電流供給を停止する。この結果、ピニオン308の矢印B方向の回転が阻止されて、駐車ブレーキ時に車輪の回転を阻止しようとする力(保持トルク)が維持されるとともに、電動モータ23,切替用モータ24への電流供給が停止されて、無駄な電力消費が抑制される。以上が、平坦路における本実施形態の作動である。
【0085】
次に、降坂走行時における作動について説明する。図9に示したように、降坂路走行中の時刻t0にてブレーキペダル60の踏込みが開始され踏力Fが上昇すると目標加圧力P*が上昇し、これに伴い電動モータ23に流される電流が増大する。この結果、実制動トルクTが上昇するので、車両の速度は低下する。このため、時刻t1にてブレーキペダル60の踏込み力が若干だけ弱められ、目標加圧力P*は下降し、これに伴い電動モータ23に流される電流が減少し、実制動トルクTも低下する。時刻t2までは車速SPDが上記基準車速SPD0よりも大きいので、スイッチSW2は閉成されていて加圧力Pのフィードバック制御が行われる。
【0086】
そして、車速SPDが基準車速SPD0以下となる時刻t2直前において、実制動トルクTは急激に減少する。この時点で、加圧力センサ26の出力値が実際の加圧力Pを示さなくなるため、SW2は開成され加圧力Pのフィードフォワード制御となる。その後、車両は時刻t2にて停止する。ここまでの作動は、平坦路走行中と同様である。
【0087】
時刻t2で車両が停止したとき、実制動トルクTは所定の値(「0」でない)となる。降坂路においては、車両を停止状態に維持するために所定の回転阻止トルク(保持トルク)が必要だからである。なお、この所定の値は、左右後輪RL,RRの2輪が受け持つ保持トルクRHTの1/2である。
【0088】
通常、運転者は、時刻t2にて車両が停止した後も時刻t3にて駐車ブレーキ操作スイッチ52を操作するまでブレーキペダル60の踏力Fを同一に維持する。そして、時刻t3にて駐車ブレーキ操作スイッチ52を操作すると、ブレーキペダル60の踏込みを終了する。マイクロコンピュータ31は、この時刻t3において、上記数4,数6及びトルクセンサとして機能する加圧力センサ26の検出する加圧力P(回転阻止トルク)から加圧力PFHT,PRHTを求めるとともに、数2に従って、これらの加圧力の和に車両重量の変化分を補う加圧力PHHTと、摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影響分を補う加圧力補償分PMARGINとを加えて駐車ブレーキ目標加圧力PP*を求める。
【0089】
一方、時刻t3直後においては、踏力センサの検出するペダル踏力Fは「0」となり、サービスブレーキ目標加圧力PF*は「0」であるので、ブロックB5により上記駐車ブレーキ目標加圧力PP*が目標加圧力P*として選択され、同目標加圧力P*に応じた電流が電動モータ23に供給される。これにより、実加圧力Pが目標加圧力P*となると、マイクロコンピュータ31は、図8により説明した平坦路の場合と同様に、切替モータ24に所定時間だけ小電流を供給して規制ギヤ324の第2噛合部324bをピニオン308と噛合する位置に配置し、その後電動モータ23への電流供給を停止する。以上が、降坂路における本実施形態の作動である。
【0090】
次に、左右前輪FL,FRのブレーキを制御するためのプログラムについて説明する。左右前輪FL,FRについては、駐車時に電動モータ11に電流が供給されない。従って、左右前輪FL,FRのブレーキ制御プログラムは、上記図7に示した駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定するブロックB4及び最大値選択ブロックB5を削除するとともに、電動モータ23を電動モータ11に、位置センサ25を位置センサ12に、加圧力センサ26を加圧力センサ13に置換したものとして示される。作動については、上記後輪側車輪RL,RRに対する作動から明らかであるので説明を省略する。
【0091】
以上説明したように、上記第1実施形態に係るブレーキの制御装置は、駐車ブレーキ作動要求があったとき、車両が停止に至ったときの制動トルク(サービスブレーキ時の回転阻止トルク)に基づいて車両保持トルク(駐車ブレーキ時の回転阻止トルク)を求め、同保持トルクを左右後輪RL,RRに発生させる。従って、保持トルクが過大とならないので電動モータ23に供給する電流を小さくでき、無駄なエネルギー消費を回避することができる。また、駐車ブレーキ目標加圧力PP*と等しい加圧力Pが得られた後は、規制ギヤ324により必要な保持トルクを維持し、電動モータ23及び切替モータ24に電流を供給しないので、長時間に渡る駐車時においてもバッテリの消耗を招かないという効果を奏する。
【0092】
また、上記実施形態の左右後輪RR,RLのブレーキ制御に関しては、加圧力センサ26が実制動トルクTを検出しているから、摩擦係合部材としてのブレーキライニング219a,219bとドラム206の内周面との摩擦係数が変化した場合であっても、実制動トルクを狙いとした値に制御することができる。
【0093】
次に、本発明による車両用ブレーキの制御装置の第2実施形態について、同装置の全体を概略的に示した図10を参照しながら説明する。
【0094】
このブレーキの制御装置は、左右前輪FL,FRについて電動ディスクブレーキ10に代わる液圧式ディスクブレーキ装置70を備えるとともに、同液圧式ディスクブレーキ装置70に付随する装置を備えている点においてのみ第1実施形態と相違している。従って、以下、第1実施形態と同一構成部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
液圧式ブレーキ装置70は、左右前輪FL,FRにそれぞれ制動力を付与するための液圧ブレーキ71を備えている。これらの液圧ブレーキ71は、車体側部材であるマウンティングブラケットに回転不能に保持された摩擦係合部材としてのブレーキパッドをホイールシリンダ72の作動により車輪と共に回転するディスクロータに摩擦係合させることによって、車輪の回転を抑制するようになっている。
【0096】
ブレーキペダル60の操作ロッド60aは、タンデムマスタシリンダ61に接続されている。タンデムマスタシリンダ61は、ブレーキ油を蓄えたオイルタンク62にそれぞれ連通した各液室61aにブレーキペダル60の操作量(ペダル踏力F,ペダルストロークST)に応じた液圧を発生するようになっている。各液室61aは、上記ホイールシリンダ72の各々と接続されている。
【0097】
次に、かかる装置の作動について説明すると、左右後輪RL,RRに対しては、上記第1実施形態の左右後輪RL,RRに対するブレーキ制御と全く同様の制御が電気制御装置30により行われ、これらに制動トルクが発生させられる。また、左右前輪FL,FRに対しては、ブレーキペダル60のペダル踏力Fに対応したブレーキ油圧がタンデムマスタシリンダ61から各ホイールシリンダ72に供給されることにより、制動トルクが発生させられる。
【0098】
また、駐車ブレーキ時の保持トルクは、第1実施形態と同様に、左右後輪RL,RRの電動ドラムブレーキ20によって発生させられる。駐車ブレーキ目標加圧力PP*についても、第1実施形態と全く同様に決定される。
【0099】
このように、液圧式ブレーキ装置と電気式ブレーキ装置とが併用された第2実施形態に係るブレーキ装置においても、駐車ブレーキ作動要求があったときに車両が停止に至ったときの制動トルク(サービスブレーキ時の回転阻止トルク)に基づいて車両保持トルク(駐車ブレーキ時の回転阻止トルク)を求め、同保持トルクを左右後輪RL,RRに発生させる。従って、保持トルクが過大とならなないので電動モータ23に供給する電流を小さくでき、無駄なエネルギー消費を回避することができる。なお、第2実施形態においては、踏力センサ53に代えて、又は踏力センサ53と組合せて、マスタシリンダ61の液圧を検出するマスタシリンダ圧検出センサをサービスブレーキ操作量の検出センサとして採用してもよい。
【0100】
以上、説明したように、本発明の各実施形態によれば、電気式ブレーキ装置による駐車時の保持トルクが適切な値とされるため、駐車ブレーキ性能が良好に維持されるとともに無駄なエネルギ消費を抑制することができる。
【0101】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1,第2実施形態においては、左右後輪RL,RRに設けられた加圧力センサ26の出力に基づいて駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定していたが、実制動トルクを検出し得るトルクセンサを左右前輪FL,FRに設け、これから駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定してもよい。また、左右前輪FL,FR、及び左右後輪RL,RRの何れかに設けられ対応する車輪に付与される実トルクを検出するトルクセンサの何れか一つの検出値から駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定してもよい。
【0102】
また、上記実施形態においては、電動アクチュエータの動力源として直流電動モータ11,23が採用されていたが、共に超音波モータとしたり、前輪側は超音波モータ、後輪側はDCモータ、又は前輪側はDCモータ、後輪側は超音波モータとすることができる。
【0103】
また、電動アクチュエータは、同電動アクチュエータにより制動部材(摩擦係合部材)が被制動部材に押し付けられることでブレーキが作動させられるものであればよい。従って、電動アクチュエータは、ホイールシリンダと、同ホイールシリンダの液圧を電気的に制御可能な電磁制御弁装置とを含むアクチュエータにより構成することもできる。更に、各車輪に使用されるブレーキは、ディスクブレーキであってもドラムブレーキであってもよい。
【0104】
また、上記第1実施形態においては、サービスブレーキ時に制御されるアクチュエータと駐車ブレーキ時に制御されるアクチュエータは、何れも電動モータ23という同一のアクチュエータであったが、これらは異なるアクチュエータであってもよい。即ち、例えば、サービスブレーキ時に制御されるアクチュエータを電動モータ23とし、駐車ブレーキ時に制御するアクチュエータを前記レバー230にケーブルを介して、又は同レバー230に直接に接続された別の電動モータとしてもよい。
【0105】
また、上記各実施形態においては、車両重量の変化分を一定値として加圧力PHHTを求めたが、車両のサスペンションストローク等から車両重量を推定し、同車両重量の推定値に応じて同加圧力PHHTを可変としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキの制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体図である。
【図2】 図1に示した電動ドラムブレーキを示す断面図である。
【図3】 図2に示した電動アクチュエータの1−1断面図である。
【図4】 図2に示した電動アクチュエータに備えられた回転防止機構の斜視図である。
【図5】 回転防止機構を示す、図3の2−2断面図である。
【図6】 回転防止機構を示す、図3の2−2断面図である。
【図7】 図1に示したマイクロコンピュータが実行するプログラムの機能ブロック図である。
【図8】 平坦路走行時における目標加圧力と実制動トルクの変化を示すタイムチャートである。
【図9】 降坂路走行時における目標加圧力と実制動トルクの変化を示すタイムチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキの制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体図である。
【符号の説明】
10…電動ディスクブレーキ、11…直流電動モータ、12…位置センサ、13…加圧力センサ、20…電動ドラムブレーキ、21…ドラム、22…ブレーキシュー、23…直流電動モータ、24…切替モータ、25…位置センサ、26…加圧力センサ(トルクセンサ)、30…電気制御装置、31…マイクロコンピュータ、52…駐車ブレーキ操作スイッチ、53…踏力センサ、60…ブレーキペダル、70…液圧式ディスクブレーキ装置。
Claims (5)
- 車輪と一体的に回転する被制動部材と、
前記制動部材に押圧されて前記車輪の回転に抗する回転阻止トルクを発生する制動部材と、
前記制動部材を前記被制動部材に押圧する力を発生するアクチュエータと、
サービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力を制御し、前記車輪にサービスブレーキ時の回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段と、
駐車ブレーキの作動要求に応じて前記アクチュエータの発生する力を制御し、前記車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与する駐車ブレーキ制御手段と、
を備えた車両のブレーキ制御装置であって、
前記車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御されており、且つ、前記車両が停止しており、且つ、前記駐車ブレーキの作動要求が発生した時点において前記トルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクに基づいて同車両を停止状態に維持するために必要なトルクである車両保持トルクを推定し、同推定された車両保持トルクに基づいて前記アクチュエータの発生する力の目標値である駐車ブレーキ目標加圧力を求め、同アクチュエータの発生する力が同求められた駐車ブレーキ目標加圧力となるように同アクチュエータを制御してなることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 車両に備えられた左右前輪及び左右後輪の各々に設けられ各車輪と一体的に回転する被制動部材に対し制動部材を押圧することにより、各車輪に対し各輪毎の回転に抗する回転阻止トルクを付与する複数のアクチュエータと、
サービスブレーキ操作量に応じて前記左右前輪及び前記左右後輪の各々に設けられた複数のアクチュエータの発生する力を制御するサービスブレーキ制御手段と、
駐車ブレーキの作動要求に応じて前記左右後輪の各々に設けられたアクチュエータの発生する力を制御する駐車ブレーキ制御手段と、
を備えた車両のブレーキ制御装置であって、
前記左右前輪及び左右後輪の少なくとも一つの車輪に設けられ同車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記左右前輪及び前記左右後輪の各々に設けられた前記複数のアクチュエータの発生する力が制御されており、前記車両が停止しており、且つ、前記駐車ブレーキの作動要求が発生した時点において前記トルク検出手段により検出される実際の回転阻止トルクに基づいて同車両を停止状態に維持するために必要なトルクである車両保持トルクを推定し、同推定した車両保持トルクに基づいて前記左右後輪の各々に設けられたアクチュエータの発生する力の目標値である駐車ブレーキ目標加圧力を求め、同アクチュエータの発生する力が同求められた駐車ブレーキ目標加圧力となるように同アクチュエータを制御してなることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 車両に備えられた複数の車輪の各々に設けられ各車輪と一体的に回転する被制動部材に対し制動部材を押圧することにより、各車輪に対し各輪毎の回転に抗する回転阻止トルクを付与する複数のアクチュエータと、
サービスブレーキ操作量に応じて前記複数のアクチュエータの発生する力を制御し、前記複数の車輪にサービスブレーキ時の回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段と、
駐車ブレーキの作動要求に応じて前記複数のアクチュエータの少なくとも一つを制御し、同制御されるアクチュエータが設けられた車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両のブレーキ制御装置であって、
前記複数の車輪の少なくとも一つの車輪に設けられ同車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるとともに、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御されているときに前記トルク検出手段により検出された実際の回転阻止トルクと、前記車両の各輪に対する荷重配分と、から前記トルク検出手段の備えられていない車輪の回転阻止トルクを推定し、同推定された回転阻止トルクに基づいて前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するように構成されたことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両のブレーキ制御装置において、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記制動部材又は前記被制動部材の温度の変化の最大値を考慮した一定の加圧力補償分を用いて前記駐車ブレーキ目標加圧力を決定するように構成されたことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両のブレーキ制御装置において、
前記駐車ブレーキ制御手段は、前記車両の重量の変化に相当する前記車両保持トルクの増大分の最大値に対応する加圧力を用いて前記駐車ブレーキ目標加圧力を決定するように構成されたことを特徴とするブレーキ制御装置。
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