JP7451496B2 - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents

Description

本発明は、車輪に装着されるドラムブレーキが有するバックプレート内に、パーキングブレーキ力を発生させることを可能としたパーキングブレーキ機構が配設され、当該パーキングブレーキ機構を駆動する動力を発揮する電動アクエータが前記バックプレート外に固定配置される電動パーキングブレーキ装置に関する。

電動アクチュエータが発揮する動力でパーキングブレーキ力を得るようにした電動パーキングブレーキ装置が、特許文献１で知られている。

日本特開２０１５－１７２３８５号公報

上記特許文献１で開示されたものでは、電動アクチュエータのアクチュエータケースが、車輪の車軸よりも車両前後方向後方側でバックプレートに取付けられ、それによって様々な部品との干渉が生じ難いようにして、電動アクチュエータのレイアウト上の自由度を増大している。しかしながらオフロード車両などの悪路走行を想定した車両にあっては、車輪の車軸よりも下方に電動アクチュエータが在ると、車両走行時の飛び石等の外的要因によって電動アクチュエータが攻撃を受ける可能性がある。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、車両走行時の外的要因による電動アクチュエータへの攻撃を回避し得るようにした電動パーキングブレーキ装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、車輪に装着されるドラムブレーキが有するバックプレート内に、パーキングブレーキ力を発生させることを可能としたパーキングブレーキ機構が配設され、当該パーキングブレーキ機構を駆動する動力を発揮する電動アクチュエータが前記バックプレート外に固定配置される電動パーキングブレーキ装置において、前記電動アクチュエータのアクチュエータケースが、前記ドラムブレーキの前記車輪への装着状態で前記車輪の回転中心よりも上方に配置され、前記パーキングブレーキ機構が、前記電動アクチュエータからの動力を受けて回動するパーキングブレーキ操作子を備え、前記電動アクチュエータからの動力を伝達すべく前記電動アクチュエータおよび前記パーキングブレーキ操作子間に設けられる連繋手段のうち少なくとも前記バックプレート内に配置される部分が前記パーキングブレーキ操作子の回動方向の接線方向に延出されて前記パーキングブレーキ操作子に接続され、前記連繋手段のうち少なくとも前記バックプレート外に配置される部分は屈曲して前記電動アクチュエータに接続されることを第１の特徴とする。

本発明は、第１の特徴の構成に加えて、前記連繋手段が、前記ドラムブレーキの前記車輪への装着状態で前記バックプレート内では前記車輪の回転中心の下方位置に配索されることを第２の特徴とする。

本発明は、第１又は第２の特徴の構成のいずれかに加えて、前記アクチュエータケースが、前記車輪の回転中心と平行な方向からの側面視で前記バックプレートの最外周よりも内方位置に配置されることを第３の特徴とする。

本発明は、第１～第３の特徴の構成のいずれかに加えて、前記電動アクチュエータの姿勢が、当該電動アクチュエータの出力部材の作動軸線を車両前後方向に沿わせるように設定されることを特徴とする第４の特徴とする。

本発明は、第１～第４の特徴の構成のいずれかに加えて、前記アクチュエータケースが、前記バックプレートに取付けられることを第５の特徴とする。

さらに本発明は、第１～第５の特徴の構成のいずれかに加えて、前記連繋手段であるブレーキケーブルのうち少なくとも前記バックプレートの外部に配索される部分が、筒状部材で覆われることを第６の特徴とする。

本発明の第１の特徴によれば、電動アクチュエータのアクチュエータケースが、車輪の回転中心よりも上方に在るので、たとえばオフロード車両などの悪路走行を想定した車両であっても、車両走行時の外的要因によって電動アクチュエータが攻撃を受けることを回避することができる。

さらに、パーキングブレーキ機構が備えるパーキングブレーキ操作子に電動アクチュエータからの動力を伝達する連繋手段のうち少なくともバックプレート内に配置される部分がパーキングブレーキ操作子の回動方向の接線方向に延び、連繋手段のうち少なくともバックプレート外に配置される部分は屈曲して配索されるので、バックプレートおよび連繋手段については従前の電動ではないパーキングブレーキ装置の考え方を踏襲することができ、簡素かつ容易な構造で電動パーキングブレーキ装置を構成することができる。

本発明の第２の特徴によれば、連繋手段が、バックプレート内では車輪の回転中心の下方位置となるように配索される連繋手段を介して連結されるので、パーキングブレーキ操作子および電動アクチュエータ間を容易に連結することができる。

本発明の第３の特徴によれば、アクチュエータケースが側面視でバックプレートの最外周よりも内方位置に在るので、アクチュエータケースが車両走行時の外的要因によって攻撃を受ける可能性をより小さくすることができる。

本発明の第４の特徴によれば、電動アクチュエータの出力部材の作動軸線が車両前後方向に沿うものであるので、ブレーキケーブルの配索が容易となる。

本発明の第５の特徴によれば、アクチュエータケースがバックプレートに取付けられるので、アクチュエータケースの取付けが容易である。

さらに本発明の第７の特徴によれば、少なくともバックプレートの外部ではブレーキケーブルが筒状部材で覆われるので、ブレーキケーブルの配索の自由度が増大する。

図１はドラムブレーキの正面図である。（第１の実施の形態） 図２は図１の２矢視図である。（第１の実施の形態） 図３は図２の３矢視図である。（第１の実施の形態）

１３・・・バックプレート
１３ａ・・・バックプレートの最外周
３３・・・パーキングブレーキ機構
３４・・・パーキングブレーキレバー
３７・・・連繋手段であるブレーキケーブル
３８・・・電動アクチュエータ
３９・・・出力部材であるねじ軸
４０・・・アクチュエータケース
４４・・・筒状部材であるアウターケーブル
Ｂ・・・ドラムブレーキ
Ｃ１・・・回転中心
Ｃ２・・・作動軸線

本発明の実施の形態について、添付の図１～図３を参照しながら説明する。

第１の実施の形態

先ず図１において、四輪車両の車輪たとえば左後輪にドラムブレーキＢが設けられており、このドラムブレーキＢは、前記左後輪の車軸１１を貫通させる貫通孔１２を中央部に有する固定のバックプレート１３と、前記左後輪とともに回転するブレーキドラム１４の内周に摺接することを可能として前記バックプレート１３内に配置される第１および第２のブレーキシュー１５，１６と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が拡張作動する力を発揮するようにして前記バックプレート１３に固定されるホイールシリンダ１７と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６および前記ブレーキドラム１４間の間隙を自動的に調整する制動間隙自動調整手段（所謂オートアジャスタ）１８と、第１および第２のブレーキシュー１５，１６間に設けられるリターンスプリング１９とを備える。

第１および第２のブレーキシュー１５，１６は、前記ブレーキドラム１４の内周に沿うようにして弓形の平板状に形成される第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａと、それらの第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの外周に直交するように連設される第１および第２のリム１５ｂ，１６ｂと、第１および第２のリム１５ｂ，１６ｂの外周に貼着される第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃとから成る。

前記バックプレート１３には、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の拡張、収縮時の支点となるアンカープレート２１が、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの一端部（この実施の形態では下端部）を回動可能に支持するようにして固設される。また前記ホイールシリンダ１７は、ブレーキペダルで操作されるマスタシリンダ（図示せず）の出力液圧によって作動して、前記アンカープレート２１を支点として第１および第２のブレーキシュー１５，１６を拡張する側に駆動する力を発揮するようにして、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の他端部間で前記バックプレート１３に固定されており、このホイールシリンダ１７が備える一対のピストン２０の外端部は、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの他端部（この実施の形態では上端部）に対向するように配置される。

第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの前記一端部間には、それらの第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの前記一端部を前記アンカープレート２１側に付勢するコイルスプリング２２が設けられ、第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの他端部間には、第１および第２のブレーキシュー１５，１６を収縮方向に付勢する一対の前記リターンスプリング１９が設けられる。

前記制動間隙自動調整手段１８は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が有する第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａ間に設けられるとともにアジャストギヤ２３の回動によって伸長し得る収縮位置規制ストラット２４と、前記アジャストギヤ２３に係合する送り爪２５ａを有して第１および第２のブレーキシュー１５，１６のうち第２のブレーキシュー１６の前記第２のウエブ１６ａに回動可能に支持されるアジャストレバー２５と、前記収縮位置規制ストラット２４を伸長させる方向に前記アジャストギヤ２３を回動させる側に前記アジャストレバー２５を回動付勢するアジャストスプリング２６とで構成される。

前記収縮位置規制ストラット２４は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の収縮位置を規制するものであり、第１および第２のブレーキシュー１５，１６のうち第１のブレーキシュー１５が備える前記第１のウエブ１５ａの前記他端部寄りに係合する第１係合連結部２７ａを有する第１ロッド２７と、第２のブレーキシュー１６が備える第２のウエブ１６ａの前記他端部寄りに係合する第２係合連結部２８ａを有して第１ロッド２７と同軸に配置される第２ロッド２８と、第１ロッド２７に一端部が軸方向相対移動可能に挿入されるとともに第２ロッド２８に他端部が同軸に螺合されるアジャストボルト２９とを有しており、前記アジャストギヤ２３は、第１および第２ロッド２７，２８間に配置されて前記アジャストボルト２９の外周に形成される。

第１のウエブ１５ａの前記他端部寄りの前記車軸１１側に臨む側縁には、第１係合連結部２７ａを係合させる第１係止凹部３０が設けられ、また第２のウエブ１６ａの前記他端部寄りの前記車軸１１側に臨む側縁には、第２係合連結部２８ａを係合させる第２係止凹部３１が設けられる。

前記アジャストギヤ２３に係合する送り爪２５ａを有するアジャストレバー２５は、前記第２のウエブ１６ａに支軸３２を介して回動可能に支持され、前記第２のウエブ１６ａおよび前記アジャストレバー２５間に前記アジャストスプリング２６が設けられる。しかも前記アジャストスプリング２６のばね力は、前記リターンスプリング１９のばね力よりも小さく設定される。

このような制動間隙自動調整手段１８によれば、第１および第２のブレーキシュー１５，１６が前記ホイールシリンダ１７の作動によって拡張作動する際に前記第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃの摩耗に起因して一定値以上拡張した場合には、前記アジャストスプリング２６のばね力によって前記アジャストレバー２５が前記支軸３２の軸線まわりに回動し、それによって前記アジャストギヤ２３が回動するのに応じて前記収縮位置規制ストラット２４の有効長さが増加補正される。

ところで、このドラムブレーキＢの前記バックプレート１３内には、パーキングブレーキ力を発生させることを可能としたパーキングブレーキ機構３３が配設されており、当該パーキングブレーキ機構３３は、前記ブレーキドラム１４の内周に摺接し得る前記第１および第２のブレーキシュー１５，１６と、前記第１のブレーキシュー１５に回動可能に連結されるパーキングブレーキ操作子としてのパーキングブレーキレバー３４とを備える。

前記パーキングブレーキレバー３４は、第１のブレーキシュー１５における前記第１のウエブ１５ａの一部に、前記ブレーキドラム１４の回転軸線に沿う方向での正面視（図１で示す方向）で重なるように配置され、前記第１のウエブ１５ａの長手方向に沿って長く延びる。

前記パーキングブレーキレバー３４の一端部（この実施の形態では下端部）には、連繋手段であるブレーキケーブル３７の一端部に固定された係合駒３６が係合され、前記パーキングブレーキレバー３４の他端部（この実施の形態では上端部）は、第１のブレーキシュー１５における前記第１のウエブ１５ａの他端部にピン３５を介して連結される。

車両のパーキングブレーキ作動時には、電動アクチュエータ３８（図２および図３参照）から前記ブレーキケーブル３７を介して入力される動力を受けて、前記パーキングブレーキレバー３４が前記ピン３５を支点として図１の反時計方向に回動、駆動されるものであり、このパーキングブレーキレバー３４の回動によって、第２のブレーキシュー１６に、当該ブレーキシュー１６が有する前記第２のライニング１６ｃを前記ブレーキドラム１４の内周に圧接させる方向の力が前記収縮位置規制ストラット２４を介して作用する。さらに前記パーキングブレーキレバー３４が図１の反時計方向に続けて回動、駆動されると、前記パーキングブレーキレバー３４が前記収縮位置規制ストラット２４の第１係合連結部２７ａとの係合部を支点として回動し、今度は、前記ピン３５を介して第１のブレーキシュー１５が拡張作動し、第１のブレーキシュー１５の前記第１のライニング１５ｃが前記ブレーキドラム１４の内周に圧接することになる。すなわち前記パーキングブレーキレバー３４は、第１および第２のブレーキシュー１５，１６の前記第１および第２のライニング１５ｃ，１６ｃが前記ブレーキドラム１４の内周に圧接するようにした作動位置に作動し、この状態でパーキングブレーキ状態が得られることになる。

また前記ブレーキケーブル３７を緩めることで前記パーキングブレーキレバー３４に対する回動駆動力の付与を停止したときには、前記ブレーキドラム１４の内周から離反する方向に前記リターンスプリング１９のばね力によって作動する第１および第２のブレーキシュー１５，１６とともに前記パーキングブレーキレバー３４は非作動位置に戻ることになる。

図２および図３を併せて参照して、前記ブレーキケーブル３７は、前記バックプレート１３外に固定配置される電動アクチュエータ３８からの動力を入力可能であり、前記電動アクチュエータ３８が発揮する動力で牽引される。

前記電動アクチュエータ３８は、前記ブレーキケーブル３７に連結される出力部材としてのねじ軸３９と、当該ねじ軸３９をその回転を阻止しつつ軸線方向の往復運動を可能として支持するアクチュエータケース４０と、正逆回転を自在として前記アクチュエータケース４０に支持される電動モータ４１と、その電動モータ４１で発生する回転運動を前記ねじ軸３９の直線運動に変換することを可能としつつ前記電動モータ４１および前記ねじ軸３９間に介設されて前記アクチュエータケース４０に収容される運動変換機構（図示せず）とを備える。

この電動アクチュエータ３８の前記アクチュエータケース４０は、前記ドラムブレーキＢの前記車輪への装着状態で前記車輪の回転中心Ｃ１すなわち前記車軸１１の中心よりも上方に配置されるものであり、この実施の形態では、前記回転中心Ｃ１を通る仮想水平面ＩＨよりも上方に配置される前記アクチュエータケース４０が、前記ホイールシリンダ１７とは反対側で前記バックプレート１３に前記取付け部材４２を介して取付けられる。前記取付け部材４２は、前記アクチュエータケース４０に固着されており、この取付け部材４２が複数個たとえば３個のボルト４３で前記バックプレート１３に締結される。

しかも前記アクチュエータケース４０は、前記車輪の回転中心Ｃ１と平行な方向からの側面視で、図３で明示するように、前記バックプレート１３の最外周１３ａよりも内方位置に配置される。

また前記電動アクチュエータ３８は、出力部材である前記ねじ軸３９の作動軸線Ｃ２すなわち前記ねじ軸３８の軸線を車両前後方向に沿わせる姿勢となるようにして、前記バックプレート１３に取付けられる。

また前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３の外部に配索される部分は筒状部材で覆われており、この実施の形態では、たとえば鉄製の線材をコイル状に巻回して成る筒状部材であるアウターケーブル４４で前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３の外部に配索される部分が覆われる。また前記筒状部材は、前記電動アクチュエータ３８の出力による反力を受けられる部材であればよく、前記アウターケーブル４４に代えて、金属製の筒状部材を用いるようにしてもよい。

前記電動アクチュエータ３８の前記ねじ軸３９は、ケーブルジョイント５１を介して前記ブレーキケーブル３７に連結されており、前記ねじ軸３９および前記ブレーキケーブル３７の連結部を覆うようにして前記アクチュエータケース４０に取付けられる保護筒５０に、前記アウターケーブル４４の前記電動アクチュエータ３８側の端部がガイドチューブ５２を介して取付けられる。

前記バックプレート１３の下部の車両前後方向に沿う前部には筒部１３ｂが一体に突設されており、前記アウターケーブル４４で覆われた前記ブレーキケーブル３７は、前記筒部１３ｂに設けられる導入孔５３を通って前記バックプレート１３内に導入され、前記ドラムブレーキＢの車輪への装着状態で前記バックプレート１３内では前記車輪の回転中心Ｃ１よりも下方位置となるようにして前記車軸１１の下方位置に配索される。

しかも前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３内に配置される部分は、前記第１のブレーキシュー１５における前記第１のウエブ１５ａにピン３５を介して回動可能に連結されている前記パーキングブレーキレバー３４の回動方向の接線方向に延出されて前記パーキングブレーキレバー３４に接続され、前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３外に配置される部分は、屈曲して配索され、前記車輪の回転中心Ｃ１を通る仮想水平面ＩＨよりも上方で前記バックプレート１３に取付けられている前記電動アクチュエータ３８に接続される。

また前記第１および第２のウエブ１５ａ，１６ａの一端部間で、前記アンカープレート２１を前記バックプレート１３との間に挟む押さえ板４５が、前記アンカープレート２１とともに一対のリベット４７によって前記バックプレート１３の下部に取付けられ、前記押さえ板４５に、前記アウターケーブル４４とともに前記ブレーキケーブル３７をガイドするガイド部４５ａが、略Ｕ字状の横断面形状を有するようにして一体に設けられる。

次にこの実施の形態の作用について説明すると、電動アクチュエータ３８のアクチュエータケース４０が、ドラムブレーキＢの車輪への装着状態で車輪の回転中心Ｃ１よりも上方に配置されるので、たとえばオフロード車両などの悪路走行を想定した車両であっても車両走行時の外的要因によって電動アクチュエータ３８が攻撃を受けることを回避することができる。

またパーキングブレーキ力を発生させることを可能としてドラムブレーキＢのバックプレート１３内に配設されるパーキングブレーキ機構３３が、前記電動アクチュエータ３８からの動力を受けて回動するパーキングブレーキ操作子であるパーキングブレーキレバー３４を備え、前記電動アクチュエータ３８からの動力を伝達すべく前記電動アクチュエータ３８および前記パーキングブレーキレバー３４間に設けられる連繋手段であるブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３内に配置される部分が前記パーキングブレーキレバー３４の回動方向の接線方向に延出されて前記パーキングブレーキレバー３４に接続され、前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３外に配置される部分は屈曲して前記電動アクチュエータ３８に接続されるので、前記バックプレート１３および前記ブレーキケーブル３７については従前の電動ではないパーキングブレーキ装置の考え方を踏襲することができ、簡素かつ容易な構造で電動パーキングブレーキ装置を構成することができる。

また前記ブレーキケーブル３７が、前記ドラムブレーキＢの前記車輪への装着状態で前記バックプレート１３内では前記車輪の回転中心Ｃの下方位置に配索されるので、前記ブレーキケーブル３７の配索を容易としつつ前記パーキングブレーキレバー３４および前記電動アクチュエータ３８間を容易に連結することができる。

また前記アクチュエータケース４０が、前記車輪の回転中心Ｃ１と平行な方向からの側面視で前記バックプレート１３の最外周１３ａよりも内方位置に配置されるので、アクチュエータケース４０が、車両走行時の外的要因によって攻撃を受ける可能性をより小さくすることができる。

また前記電動アクチュエータ３８の姿勢が、当該電動アクチュエータ３８のねじ軸３９の作動軸線Ｃ２を車両前後方向に沿わせるように設定されるので、ブレーキケーブル３７の配索が容易となる。

また前記アクチュエータケース４０が、バックプレート１３に取付けられるので、アクチュエータケース４０の取付けが容易となる。

さらに前記ブレーキケーブル３７のうち少なくとも前記バックプレート１３の外部に配索される部分が、筒状部材であるアウターケーブル４４で覆われるので、ブレーキケーブル３７の配索の自由度が増大する。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

たとえば上述の実施の形態では、電動アクチュエータ３８のアクチュエータケース４０がバックプレート１３に取付けられるようにしたが、車両の足廻り部品に取付けられるようにしてもよい。

またバックプレートが車軸を貫通させる貫通孔を有することなく、車輪のハブにバックプレートが取付けられるようにしたものにも本発明を適用することができる。

Claims (6)

1. 車輪に装着されるドラムブレーキ（Ｂ）が有するバックプレート（１３）内に、パーキングブレーキ力を発生させることを可能としたパーキングブレーキ機構（３３）が配設され、当該パーキングブレーキ機構（３３）を駆動する動力を発揮する電動アクチュエータ（３８）が前記バックプレート（１３）外に固定配置される電動パーキングブレーキ装置において、前記電動アクチュエータ（３８）のアクチュエータケース（４０）が、前記ドラムブレーキ（Ｂ）の前記車輪への装着状態で前記車輪の回転中心（Ｃ１）よりも上方に配置され、
   前記パーキングブレーキ機構（３３）が、前記電動アクチュエータ（３８）からの動力を受けて回動するパーキングブレーキ操作子（３４）を備え、前記電動アクチュエータ（３８）からの動力を伝達すべく前記電動アクチュエータ（３８）および前記パーキングブレーキ操作子（３４）間に設けられる連繋手段（３７）のうち少なくとも前記バックプレート（１３）内に配置される部分が前記パーキングブレーキ操作子（３４）の回動方向の接線方向に延出されて前記パーキングブレーキ操作子（３４）に接続され、前記連繋手段（３７）のうち少なくとも前記バックプレート（１３）外に配置される部分は屈曲して前記電動アクチュエータ（３８）に接続されることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。
2. 前記連繋手段（３７）が、前記ドラムブレーキ（Ｂ）の前記車輪への装着状態で前記バックプレート（１３）内では前記車輪の回転中心（Ｃ１）の下方位置に配索されることを特徴とする請求項１に記載の電動パーキングブレーキ装置。
3. 前記アクチュエータケース（４０）が、前記車輪の回転中心（Ｃ１）と平行な方向からの側面視で前記バックプレート（１３）の最外周（１３ａ）よりも内方位置に配置されることを特徴とする請求項１又は２に記載の電動パーキングブレーキ装置。
4. 前記電動アクチュエータ（３８）の姿勢が、当該電動アクチュエータ（３８）の出力部材（３９）の作動軸線（Ｃ２）を車両前後方向に沿わせるように設定されることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の電動パーキングブレーキ装置。
5. 前記アクチュエータケース（４０）が、前記バックプレート（１３）に取付けられることを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の電動パーキングブレーキ装置。
6. 前記連繋手段であるブレーキケーブル（３７）のうち少なくとも前記バックプレート（１３）の外部に配索される部分が、筒状部材（４４）で覆われることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の電動パーキングブレーキ装置。

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