JP2006256961A - 糖衣錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】
一錠あたりのバルプロ酸ナトリウムの含有比率が高く、湿度安定性、溶出性および耐衝撃性に優れており、更には小型化された糖衣錠を開発すること。
【解決手段】
素錠の上に水および有機溶媒に可溶な高分子とショ糖からなる第一層、水および有機溶媒に可溶な高分子とショ糖からなる第二層、ショ糖からなる第三層および高分子とショ糖ほかからなる第四層で構成され、バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上を含有する速溶性糖衣錠。
【選択図】 なし

Description

本発明はバルプロ酸ナトリウムを含有する糖衣錠に関する。
バルプロ酸ナトリウムは、下記構造を有する抗てんかん剤である。
(CHCHCHCH−COONa
バルプロ酸ナトリウムは白色結晶の粉末で、特異な匂いがあり、味は僅かに苦く、強い吸湿性と潮解性を有する化合物である。
バルプロ酸ナトリウムを含有する錠剤は、糖衣錠とフィルム錠とが知られている。バルプロ酸ナトリウムの糖衣錠については、大日本製薬株式会社よりバレリン(登録商標)錠として販売されており、また、特許文献1には別の糖衣錠が開示されている。
バルプロ酸ナトリウムを含有する錠剤を設計するに当たり、特異な匂いの遮蔽はともかくとして、強い吸湿性をマスキングし、かつ、速溶性を担保することは困難なことであった。被覆層を厚くすると吸湿性のマスキングは達成できても速溶性は担保できず、被覆層を薄くすれば速溶性は担保できても吸湿性のマスキングが達成できないことになる。因みに市販されている速溶性のフィルム錠は、製剤学上の配慮がなされているにもかかわらず、25℃−75%相対湿度(Relative Humidity;以下、「RH」と略することもある)で一日放置すれば潮解してしまう。また、前述の特許文献1には有効成分としてバルプロ酸ナトリウム100重量部に対してメタケイ酸アルミン酸マグネシウム20〜25重量部等を含有する素錠をエチルセルロース100重量部に対してヒドロキシプロピルメチルセルロース45〜55重量部等からなるコーティング組成物で被覆し、これに常法により糖衣を施すことが開示されているものの、これは徐放性糖衣錠であって速溶性糖衣錠ではない。
糖衣錠は見た目にも美麗であり、服用しやすい重要な剤形であるが、その製造には熟練を要し、かつ、製造時間も長い。加えて、糖衣錠は通常、タルク、酸化チタン、トウモロコシ澱粉、沈降性炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの水不溶性製剤化成分が配合されており、該成分は粉末または懸濁液の形で糖衣錠の30〜40重量%が配合されるため大型(通常、素錠の2倍の重量)になるのが宿命であった。ちなみに特許文献1の実施例1における徐放性糖衣錠1錠あたりの素錠重量は260mgであって最終製剤は520mgであるので、この場合も最終製剤の重量は素錠の2倍の重量になっている。更に、糖衣錠は糖衣層部分に上記の水不溶性製剤化成分を含有しているために溶出しづらいという欠点も有していた。
本発明者らは、後述するように、素錠の形状についても見当を加えている。素錠の形状に関して、特許文献2には素錠上下両面のふくらみ(曲率直径)について開示しており、非特許文献1には2段R素錠が記載されている。
特開平4−235914号公報 特開2002−33227号公報 「薬剤学」,1968年,28巻,1号,P.95−98
本発明はフィルム錠に匹敵する小さな糖衣錠、換言すれば主薬たるバルプロ酸ナトリウムの含量比率が高くて、更に湿度安定性に優れ、堅牢で、容易に崩壊して主薬を放出する速溶性糖衣錠を提供することを課題とする。
本発明者らは、バルプロ酸ナトリウムの強い吸湿性をマスクするとともに速溶性に優れた糖衣錠の創製に主眼をおき検討していたところ、糖衣錠において通常、無視できない量で配合される前述の水不溶性製剤化成分がバルプロ酸ナトリウムの溶出特性に悪い影響を与えるという新知見を得たことから、これを克服するために更に検討を重ねた結果、素錠に特定の三層または四層のコーティング部を設けることにより、意外にも水不溶性製剤化成分を全く配合しなくとも糖衣を施すことができ、そして耐吸湿性や速溶性、堅牢性にも優れた小型糖衣錠を製造することに成功して本発明を完成した。
本発明の構成上の特徴のひとつは、素錠の上に特定の成分からなる三層または四層のコーティング部を設けたことにあり、更に別な特徴は、かかる構成をとることにより、バルプロ酸ナトリウムの吸湿性のマスキングと速溶性の担保という相反する課題を同時に解決するとともに錠剤の小型化、堅牢化を達成せしめた点にある。
即ち本発明は以下の構成からなるものである。
第1発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が50重量%以上である速溶性糖衣錠(但し、本明細書において、「重量%」は、特に断らないかぎり最終錠剤に対するものである)。
第2発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である第1発明記載の速溶性糖衣錠。
第3発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である第1または2発明記載の速溶性糖衣錠。
第4発明:バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性三層糖衣錠であって、下記(A)記載の構成および下記(B)記載の特性を有する糖衣錠:
(A)構成:
(1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
(2) 当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分からなり、
(3) 当該コーティング部は以下の三層からなり、
第一層は素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
第二層は第一層の上に被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
第三層は第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなる、
(B)特性:
(a) 25℃−75%相対湿度において60日間開放置しても外観変化は実質的に認められず、
(b) 本明細書で定義する落下試験において25ポイント以上の耐衝撃性を有し、
(c) 第14改正日本薬局方に記載の溶出試験(37℃、パドル法、50回転/分、溶媒900mlの水)において、10分後の溶出率が45〜80%であり、30分後の溶出率が実質的に100%である。
第5発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である第4発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第6発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である第4または5発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第7発明:コーティング部が以下の三層からなる第4発明記載の速溶性三層糖衣錠:
第一層は、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、本明細書においてHPCという)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、本明細書においてHPMCという)、ポリエチレングリコール(以下、本明細書においてPEGという)、ポリビニルアルコール(以下、本明細書においてPVAという)およびポリビニルピロリドン(以下、本明細書においてPVPという)から選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜12重量部の比で含み、
第二層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜4重量部の比で含み、
第三層はショ糖のみからなる。
第8発明:第一層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜7重量部の比で含み、
第二層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜2.5重量部の比で含む第4または7発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第9発明:コーティング部のそれぞれの量が、第一層は2〜8重量%であり、第二層は4〜13重量%であり、第三層は8〜18重量%である第4発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第10発明:コーティング部のそれぞれの量が、第一層は3〜7重量%であり、第二層は6〜10重量%であり、第三層は10〜15重量%である第9発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第11発明:第一層および第二層のコーティング量の和が、6〜21重量%を占める第4または9発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第12発明:第一層および第二層のコーティング量の和が、9〜17重量%を占める第10または11発明記載の速溶性三層糖衣錠。
第13発明:バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性四層糖衣錠であって、下記(A)記載の構成および下記(B)記載の特性を有する糖衣錠:
(A)構成:
(1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
(2) 当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分からなり、
(3) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
第一層は素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
第二層は第一層の上に被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
第三層は第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、
第四層は、第三層の上に被覆したものであって、一種または二種以上の水溶性高分子およびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよい、
(B)特性:
(a) 25℃−75%相対湿度において60日間開放置しても外観変化は実質的に認められず、
(b) 本明細書で定義する落下試験において60ポイント以上の耐衝撃性を有し、
(c) 第14改正日本薬局方に記載の溶出試験(37℃、パドル法、50回転/分、溶媒900mlの水)において、10分後の溶出率が45〜80%であり、30分後の溶出率が実質的に100%である。
第14発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である第13発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第15発明:バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である第13または14発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第16発明:コーティング部が以下の四層からなる第13発明記載の速溶性四層糖衣錠:
第一層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜12重量部の比で含み、
第二層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜4重量部の比で含み、
第三層はショ糖のみからなり、
第四層は、HPC、HPMC、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の水溶性高分子およびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、当該高分子(二重以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜1.6重量部の比で含む。
第17発明:第一層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜7重量部の比で含み、
第二層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、
第四層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対して、ショ糖を0.6〜1.2重量部の比で含む第13または16発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第18発明:コーティング部のそれぞれの量が、第一層は2〜8重量%であり、第二層は4〜13重量%であり、第三層は8〜18重量%であり、第四層は2〜8重量%である第13発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第19発明:コーティング部のそれぞれの量が、第一層は3〜7重量%であり、第二層は6〜10重量%であり、第三層は10〜15重量%であり、第四層は3〜7重量%である第18発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第20発明:第一層および第二層のコーティング量の和が、6〜21重量%を占める第13または18発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第21発明:第一層および第二層のコーティング量の和が、9〜17重量%を占める第19または20発明記載の速溶性四層糖衣錠。
第22発明:バルプロ酸ナトリウムを55〜65重量%含有し、下記の構成からなる第13〜21発明のいずれか一項に記載の速溶性四層糖衣錠:
(1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
(2) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
第一層は、素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、HPC、PEGおよびショ糖からなり、HPCおよびPEGの総量1重量部に対して、ショ糖を5〜6重量部の比で含み、この層は3〜5重量%を占め、
第二層は、第一層の上に被覆したものであって、ほぼ等同量のHPMCおよびショ糖からなり、この層は7〜10重量%を占め、
第三層は、第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、この層は11〜14重量%を占め、
第四層は、第三層の上に被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、HPMCの1重量部に対して、ショ糖を0.7〜1.0重量部、他の製剤化成分を0.1〜0.3重量部の比で含み、この層は4〜6重量%を占める。
第23発明:バルプロ酸ナトリウムを55〜65重量%含有し、下記の構成からなる請求項13〜21のいずれか一項に記載の速溶性四層糖衣錠:
(1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
(2) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
第一層は、素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなるか、HPMC、HPCおよびショ糖からなり、高分子の総量1重量部に対して、ショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、この層は3〜6重量%を占め、
第二層は、第一層の上に被覆したものであって、HPMC、PEGおよびショ糖からなるか、HPMC、HPC、PEGおよびショ糖からなり、高分子の総量1重量部に対して、ショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、この層は6〜8重量%を占め、
第三層は、第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、この層は11〜14重量%を占め、
第四層は、第三層の上に被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、HPMCの1重量部に対して、ショ糖を0.7〜1.0重量部、他の製剤化成分を0.1〜0.3重量部の比で含み、この層は4〜6重量%を占める。
第24発明:バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性三層糖衣錠であって、バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、第4発明記載の特性を有する糖衣錠の製造方法であって、以下の工程を順次実施することを特徴とする製造方法:
素錠打錠工程:当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分とを臼と杵でもって打錠する工程、
第一層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒からなる組成物でもって素錠の上に被覆する工程、
第二層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒または水もしくはこれらの混合液からなる組成物でもって第一層の上に被覆する工程、
第三層形成工程:ショ糖のみを含む水溶液でもって第二層の上に被覆する工程。
第25発明:バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性四層糖衣錠であって、バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、第13発明に記載の特性を有する糖衣錠の製造方法であって、以下の工程を順次実施することを特徴とする製造方法:
素錠打錠工程:当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分とを臼と杵でもって打錠する工程、
第一層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒からなる組成物でもって素錠の上に被覆する工程、
第二層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒または水もしくはこれらの混合液からなる組成物でもって第一層の上に被覆する工程、
第三層形成工程:ショ糖のみを含む水溶液でもって第二層の上に被覆する工程、
第四層形成工程:一種または二種以上の高分子、ショ糖および水からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよい組成物でもって第三層の上に被覆する工程。
第26発明:包装されていない第1、4または13発明記載の糖衣錠および当該糖衣錠に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該糖衣錠を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであること、および/または当該糖衣錠が湿度安定性に優れていること、および/または当該糖衣錠が速溶性であることを記載してなる商業パッケージ。
第1発明ないし第3発明は、バルプロ酸ナトリウムの高い含有比率を有する糖衣錠に関するものである。本発明の速溶性糖衣錠は小型であり、フィルム錠に匹敵する大きさである。主薬たるバルプロ酸ナトリウムの配合比率は、通常、50重量%以上、各成分の配合量を調整すれば53重量%以上、より一層工夫すれば55〜65重量%まで主薬含有率を高めることが可能である。
第4発明ないし第12発明および第24発明は、バルプロ酸ナトリウムを含有する素錠とその上に三層に被覆されたコーティング部からなる速溶性糖衣錠(以下、三層錠ということもある)およびその製造方法に関するものである。
ここにおいて素錠とは、主薬たるバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分とを含み、被覆される前の裸錠を意味する。バルプロ酸ナトリウムは、通常、素錠の75重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは約83重量%を占めるように配合される。
本発明にかかわる素錠は、常法により、主薬たるバルプロ酸ナトリウムと通常用いられる製剤化成分たる顆粒化成分とを混合して造粒し、得られた顆粒に製剤化成分たる通常の錠剤化成分を混合して、打錠することによって製造できる。
本発明にかかわる素錠の形状は特に限定されない。通常の素錠は、その表面が一つの曲率半径を有するものであるが、二つの曲率半径を有するものもある。本明細書では前者を「1段R素錠」といい、後者を「2段R素錠」ということにする。1段R素錠の形状については説明の必要はないが2段R素錠は特殊な形状であるので以下に説明する。
本発明で用いられる2段R素錠は、素錠表面の周辺部を構成する第一曲率半径Rおよび素錠表面の中心部を構成する第二曲率半径Rを有し、RよりもRの方が小であるという表面構造を有する。更に詳細には、周辺部の曲率半径Rが素錠直径Dの0.2〜0.4倍の範囲、好ましくは約0.3倍であり、中央部の曲率半径Rが素錠直径Dの0.8〜1.2倍の範囲、好ましくは両者がほぼ同じである表面構造を有している。
また、2段R素錠の形状は、素錠直径D、周辺部の曲率半径R、中央部の曲率半径R、素錠の厚みおよび図1に示す直線f−g間の距離を決定することにより、必然的に決まる。これらの値は、バルプロ酸ナトリウムの特性と用量、製剤化成分の種類・特性と配合量、打錠圧力などの要因を勘案して、通常は経験則によって、または簡単な試行を経て決定される。
2段R素錠の形状および上記用語について、図1を用いて更に説明する。
図1は本発明における2段R素錠の形状を示す。素錠直径Dとは、図1の直線a−b間または直線c−d間の距離をいい、弧b−eは、曲率半径Rで描かれたものであり、素錠表面の周辺部を示す。弧f−eは、曲率半径Rで描かれたものであり、素錠表面の中心部を示す。素錠の厚みとは直線a−d間または直線b−c間の距離をいう。また、図1で示す直線f−g間の距離は、素錠の厚み(直線a−d間または直線b−c間の距離)に対して通常、0.8〜1.2倍の範囲にある。更に図1の点gは直線a−b間の中点を示し、点fは曲線a−b間の中点を示し、点hは曲線c−d間の中点を示す。また、点eは曲率半径Rで描かれた弧b−eと曲率半径Rで描かれた弧f−eとが接する点であって、且つ、弧b−eと弧f−eとは点eで滑らかにつながっている。
上記の条件により描かれる曲線b−fと同様にして、曲線a−f、曲線d−hおよび曲線c−hが描かれる。
本発明における素錠は、1段R素錠であってもよいが、2段R素錠の方がより好適である。例えば、それぞれの素錠に同様の四層コーティングを施した場合、1段R素錠を用いた糖衣錠の湿度安定性および溶出性は2段R素錠を用いた糖衣錠に比べて遜色のないものであるが、その耐衝撃性は2段R素錠を用いた糖衣錠よりも低下する。しかし、1段R素錠を用いた糖衣錠であっても四層糖衣錠の場合は耐衝撃性が60ポイントを割ることはない。
本発明の三層錠は、かくして得られる素錠に以下の工程に従って順次被覆することにより製造できる。
第一層形成工程は、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜12重量部、好ましくは1〜7重量部の比で含む組成物でもって素錠のうえに被覆することにより実施できる。ここにおける水および有機溶媒に可溶な高分子としては、HPC,HPMC,PEG,PVA,PVPなどが挙げられ、PVAは単独で用いるよりもHPCやHPMCなどと共に用いるのがよい。有機溶媒としてはエタノールやジクロロメタンなどが挙げられる。
第一層のコーティング量は最終三層錠の2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%の範囲から選ばれる。なお、第一層を被覆するにあたり、水を用いることはバルプロ酸ナトリウムの物性(強吸湿性)からして好ましくない。
第二層形成工程は、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒または水もしくはこれらの混合液からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜4重量部、好ましくは1〜2.5重量部の比で含む組成物を第一層の上に被覆することにより実施できる。ここにおける水および有機溶媒に可溶な高分子としては、HPC,HPMC,PEG、PVA,PVPなどが挙げられ、有機溶媒としてはエタノールやジクロロメタンなどが挙げられる。第二層のコーティング量は最終三層錠の4〜13重量%、好ましくは6〜10重量%の範囲から選ばれる。
第一層と第二層のコーティング量の和は、6〜21重量%の範囲であって、吸湿安定性の観点からして、9〜17重量%の範囲にするのが好ましい。例えば、第一層が3〜7重量%であり、第二層が6〜10重量%という割合が推奨される。第一層と第二層のコーティング量の和が5重量%以下であるとき、25℃−75%RHで60日間の開放放置したとき、外観の実質的不変化は担保されない。
第三層形成工程は、ショ糖のみを含む水溶液を第二層の上に被覆することにより実施できる。水溶液中のショ糖濃度は通常60〜66重量%である。第三層のコーティング量は最終三層錠の8〜18重量%、好ましくは10〜15重量%の範囲から選ばれる。かくして得られる三層錠はカルナウバロウにより艶出しを行ってもよい。
第13発明ないし第23発明および第25発明は、バルプロ酸ナトリウムを含有する素錠とその上に四層に被覆されたコーティング部からなる速溶性糖衣錠(以下、四層錠ということもある)およびその製造方法に関するものである。四層錠の構成および配合量のうち、第三層までは三層錠と実質的に同一であるが、その上に第四層が設けられている点において三層錠とは相違する。第四層は、三層錠の堅牢性(耐衝撃性)を更によくするために施されるものである。
第四層形成工程は、一種または二種以上の高分子、ショ糖および水からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよい組成物であって、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜1.6重量部、好ましくは0.6〜1.2重量部の比で含む組成物を、更に他の製剤化成分を含有する場合は、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対して0.1〜0.3重量%の比からなる他の製剤化成分を加えた組成物を第三層の上に被覆することにより実施できる。ここにおける高分子としては、HPC,HPMC,PVA,PVPなどが挙げられる。他の製剤化成分としては、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄、タルクなどが挙げられる。第四層のコーティング量は最終四層錠の2〜8重量%、好ましくは3〜7重量%の範囲から選ばれる。かくして得られる四層錠は、カルナバロウにより艶出しを行ってもよい。
第一層ないし第四層における各製剤化成分は種々のグレイドのものが使用される。HPCは、20℃における2W/V%水溶液の粘度が6〜10mPa・sである日本曹達株式会社のHPC−LやHPC-Mなどが挙げられ、HPC−Lが好適である。また、HPMCは、20℃における2W/V%水溶液の粘度が3mm/sである信越化学工業のTC−5EWや、20℃における2W/V%水溶液の粘度が6mm/sである同社のTC−5RWなどが挙げられる。PEGとしては、例えば、日本油脂のマクロゴール1500,4000,6000等が挙げられ、分子量7300〜9300であるマクロゴール6000が好ましく用いられる。PVPとしては、例えばBASF社のコリドン25,コリドン30,コリドン90Fが挙げられ、コリドン30が好適である。PVAとしては、日本合成化学工業のゴーセノール、信越化学工業のポバールシリーズが挙げられ、20℃における2W/V%水溶液の粘度が8mPa・sであるゴーセノールEG−40が好適である。
ショ糖としては、第一層では微粉タイプである日新製糖のハイグレードパウダーシュガーが、第二層ないし第四層では大日本明治精糖のグラニュー糖が好適に使用される。
(1)主薬含量
本発明の三層錠および四層錠は、フィルム錠に匹敵するほど小型であり、従って、主薬であるバルプロ酸ナトリウムの配合比率が高い。表1は、公知のバルプロ酸ナトリウムのフィルム錠、後記参考例1〜3にて製造した糖衣錠および後記実施例にて製造した本発明のバルプロ酸ナトリウムの糖衣錠(実施例1〜8)の錠剤重量に対する主薬配合比率(重量%)を比較したものである。
Figure 2006256961
表1に示すように、従来の糖衣錠である参考例1〜3のバルプロ酸ナトリウムの配合比率は50重量%以下であったところ、本発明の糖衣錠である実施例1〜8における主薬配合比率は、いずれも50重量%以上であってフィルム錠に匹敵するほど高い。すなわち、本発明の糖衣錠は、同重量のバルプロ酸ナトリウムを含む参考例の糖衣錠と比べて小型化されており、服用しやすいものであった。
(2)湿度安定性
公知のフィルム錠、後記参考例および実施例で製造した糖衣錠の各30錠を25℃−75%RHの条件下に放置して外観変化を観察し、表2の結果を得た。
Figure 2006256961
表2に示すように、25℃−75%RHの条件下において本発明の糖衣錠の湿度安定性は優れたものであった。従って、本発明の糖衣錠は、個別に包装(例えば、PTP包装、ヒートシール)されていない状態で一定量保存すること、所謂、バラ包装が可能である。それゆえ、本発明の糖衣錠は、簡易な形態で包装(例えば、グラシン紙、薬包紙などによる包装)された形で、または、服用時毎に他の錠剤等とひとまとめにするワンドーズパッケージ(一回量包装)の形で患者に処方できる。
(3)溶出性
公知のフィルム錠、後記参考例および実施例で製造した糖衣錠について、第14改正日本薬局方に記載の溶出試験(37℃、パドル法、50回転/分、溶媒900mlの水)を行い表3の結果を得た。
Figure 2006256961
表3に示すように本発明の糖衣錠の水に対する溶出性は、フィルム錠と同等ないしは優れたものである。一方、参考例1〜3の糖衣錠の水に対する溶出性は本発明の糖衣錠よりも劣るものであった。
(4)耐衝撃性(堅牢性)
後記実施例および参考例で製造した糖衣錠について、下記の落下試験を行い、表4の結果を得た。
落下試験
25℃−50%RHの室内において、供試錠剤10錠を1mの高さから10回落下させ、糖衣層のひび割れや剥離がみられた落下回数の合計を耐衝撃性の指数(ポイント)とした。
Figure 2006256961
表4に示すように、本発明の糖衣錠、特に本発明の四層錠の耐衝撃性は参考例1〜3の糖衣錠に比べて優れていた。
次に実施例および参考例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例1: 100mg三層錠および四層錠の製造
(1)100mg錠用素錠の製造
直径D=7.5mm,R=2.3mm、R=7.5mm(R/D=0.31、R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム100mg/錠、重量120mg/錠、直径D7.5mm、厚さ3.8mmであった。
(2)100mg三層錠の製造
第一層形成工程
実施例1(1)で得た素錠をドリアコーター(パウレック株式会社製、DRC−650型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり10mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、信越化学製)(1.6重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、日新製糖製)(6.4重量%),99%エタノール(46重量%),ジクロロメタン(46重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり15mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、7重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、7重量%),99%エタノール(60重量%),精製水(26重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり25mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、大日本明治製糖製)(66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた三層錠は、重量170mg/錠、直径8.0mm、厚さ4.25mmであった。
(3)100mg四層錠の製造
前工程に引き続き、下記組成の第四層コーティング組成物でもって、一錠当たり10mgの被覆をし、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
HPC(TC−5RW、信越化学製)(5重量%),ショ糖(グラニュー糖、4重量%),酸化チタン(石原産業製)(1重量%),精製水(90重量%)
かくして得られた四層錠は、重量180mg/錠、直径8.1mm、厚さ4.40mmであり、その組成は表5のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例2: 200mg三層錠および四層錠の製造
(1)200mg三層錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、重量240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.70mmの素錠を得た。
ついで、素錠をドリアコーター(パウレック株式会社製、DRC−650型)に投入し、実施例1(2)と同様のコーティング組成物および方法を用い第三層まで被覆した。なお、一錠当り第一層は15mg、第二層は25mg、第三層は40mgを被覆した。
かくして得られた三層錠は、重量320mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.15mmであった。
(2)200mg四層錠の製造
前工程に引き続き、実施例1(3)と同様なコーティング組成物を用い第四層を一錠当り15mgまで被覆し、その上にカルナウバロウで艶出しを行った。
かくして得られた四層錠は、重量335mg/錠、直径10.1mm、厚さ5.35mmであり、その組成は表6のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例3: 100mg三層錠および四層錠の製造
(1)100mg錠用素錠の製造
直径D=7.5mm,R=2.3mm、R=7.5mm(R/D=0.31、R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム100mg/錠、重量120mg/錠、直径D7.5mm、厚さ3.8mmであった。
(2)100mg三層錠の製造
第一層形成工程
実施例3(1)で得た素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HCT−48型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり6mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPC(HPC−L、日本曹達製)(0.5重量%),PEG(マクロゴール6000、日本油脂製)(1重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、8.5重量%),99%エタノール(27重量%),ジクロロメタン(63重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり15mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、7重量%),ショ糖(グラニュー糖、7重量%),99%エタノール(60重量%),精製水(26重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり24mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた三層錠は、重量165mg/錠、直径8.0mm、厚さ4.20mmであった。
(3)100mg四層錠の製造
実施例3(2)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、下記組成の第四層コーティング組成物でもって、一錠当たり10mgの被覆をし、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
HPMC(TC−5RW、5重量%),ショ糖(グラニュー糖、4重量%),酸化チタン(1重量%),精製水(90重量%)
かくして得られた四層錠は、重量175mg/錠、直径8.1mm、厚さ4.36mmであり、その組成は表7のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例4: 200mg三層錠および四層錠の製造
(1)200mg三層錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.7mmの素錠を得た。
ついで、素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HCT−48型)に投入し、実施例3(2)と同様のコーティング組成物および方法を用い、第三層まで被覆した。なお、一錠当たり第一層は10mg、第二層は25mg、第三層は40mgを被覆した。
かくして得られた三層錠は、重量315mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.10mmであった。
(2)200mg四層錠の製造
実施例4(1)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、実施例3(3)と同様なコーティング組成物を用いて第四層を一錠当たり15mgまで被覆し、その上にカルナウバロウで艶出しを行った。
かくして得られた四層錠は、重量330mg/錠、直径10.1mm、厚さ5.30mmであり、その組成は表8のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例5: 200mg三層錠および四層錠の製造
(1)200mg錠用素錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.7mmの素錠を得た。
(2)200mg三層錠の製造
第一層形成工程
実施例5(1)で得た素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HTC−48型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり10mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5RW、2重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、8重量%),99%エタノール(27重量%),ジクロロメタン(63重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり25mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、6.6重量%),PEG(マクロゴール6000、0.6重量%)、ショ糖(グラニュー糖、7.8重量%),99%エタノール(60重量%),精製水(25重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり40mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた三層錠は、重量315mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.10mmであった。
(3)200mg四層錠の製造
第四層形成工程
実施例5(2)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、下記組成の第四層コーティング組成物でもって、一錠当り15mgの被覆をし、その上に微意量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
HPMC(TC−5RW、3.85重量%),HPMC(TC−5EW、1.05重量%),HPC(HPC−L、0.35重量%)、ショ糖(グラニュー糖、4.2重量%),酸化チタン(1.05重量%),精製水(89.5重量%)
かくして得られた四層錠は、重量330mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.30mmであり、その組成は表9のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例6: 200mg三層錠および四層錠の製造
(1)200mg錠用素錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.7mmの素錠を得た。
(2)200mg三層錠の製造
第一層形成工程
実施例6(1)で得た素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HTC−48型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり15mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、4重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、4重量%),99%エタノール(28重量%),ジクロロメタン(64重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり20mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、3.5重量%),PEG(マクロゴール6000、0.7重量%)、HPC(HPC−L、0.35重量%)、ショ糖(グラニュー糖、9.45重量%),99%エタノール(60重量%),精製水(26重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり40mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた三層錠は、重量315mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.10mmであった。
(3)200mg四層錠の製造
第四層形成工程
実施例6(2)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、下記組成の第四層コーティング組成物でもって、一錠当り15mgの被覆をし、その上に微意量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
HPMC(TC−5RW、5重量%),ショ糖(グラニュー糖、4重量%),酸化チタン(1重量%),精製水(90重量%)
かくして得られた四層錠は、重量330mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.30mmであり、その組成は表10のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例7: 200mg三層錠および四層錠の製造
(1)200mg錠用素錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.7mmであった。
(2)200mg三層錠の製造
第一層形成工程
実施例7(1)で得た素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HTC−48型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり15mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、2.7重量%),HPC(HPC−L、0.3重量%)、ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、6重量%),99%エタノール(27重量%),ジクロロメタン(64重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり20mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
HPMC(TC−5EW、6重量%),PEG(マクロゴール6000、0.75重量%)、ショ糖(グラニュー糖、8.25重量%),99%エタノール(60重量%),精製水(25重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり40mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた三層錠は、重量315mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.10mmであった。
(3)200mg四層錠の製造
実施例7(2)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、下記組成の第四層コーティング組成物でもって、一錠当り15mgの被覆をし、その上に微意量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
HPMC(TC−5RW、5重量%),ショ糖(グラニュー糖、4重量%),酸化チタン(1重量%),精製水(90重量%)
かくして得られた三層錠は、重量330mg/錠、直径10.0mm、厚さ5.30mmであり、その組成は表11のとおりであった。
Figure 2006256961
実施例8: 200mg錠の四層錠
(1)200mg三層錠の製造
直径D=9.0mm,R=7mmの1段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、重量240mg/錠、直径9.0mm、厚さ5.10mmの素錠を得た。
ついで、素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HCT−48型)に投入し、実施例7(2)と同様のコーティング組成物および方法を用い、一錠当たり第一層は10mg、第二層は25mg、第三層は40mgを被覆した。
かくして得られた糖衣錠は、重量315mg/錠、直径9.6mm、厚さ6.50mmであった。
(2)200mg四層錠の製造
実施例8(1)で得た三層錠をアクアコーター(フロイント産業株式会社製、AQC−48T型)に投入し、実施例7(3)と同様のコーティング組成物および方法を用いて第四層を一錠あたり15mgまで被覆し、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
かくして得られた糖衣錠は、重量330mg/錠、直径9.7mm、厚さ6.70mmであり、その組成は実施例7の表11と同じであった。
参考例1: 比較対照100mg糖衣錠の製造
(1)100mg錠用素錠の製造
直径D=7.5mm,R(曲率半径)=6mmの1段R杵と臼を装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム100mg/錠、重量115mg/錠、直径7.5mm、厚さ3.80mmであった。
(2)100mg糖衣錠の製造
第一層形成工程
参考例1(1)で得た素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HCT−48型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり10mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5R、信越化学製)(6重量%),99%エタノール(59重量%),ジクロロメタン(35重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、第一層被覆錠を手掛用糖衣パンに投入し、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり13mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物1)および2)の混合物(1:1.88)でもって、一錠当たり52mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
1)アラビアゴム末(アラビアゴムスプレードライド、三協食品工業製)(15重量%),ショ糖(グラニュー糖、55重量%),精製水(30重量%)
2)タルク(高級タルク、日本タルク製)(50重量%),ショ糖(グラニュー糖、20重量%),トウモロコシデンプン(日本食品化工製)(10重量%),酸化チタン(10重量%),リン酸3−カルシウム(太平化学産業製)(10重量%)
第四層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第四層コーティング組成物1)および2)の混合物(1:0.07)でもって、一錠当たり25mgの被覆をした。
第四層コーティング組成物:
1)アラビアゴム末(アラビアゴムスプレードライド、2.4重量%),ショ糖(グラニュー糖、50.4重量%),リン酸3−カルシウム(10重量%),タルク(高級タルク、5重量%),酸化チタン(5重量%),精製水(27.2重量%)
2)アラビアゴム末(アラビアゴムスプレードライド、3重量%),ショ糖(グラニュー糖、63重量%),精製水(34重量%)
第五層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第五層コーティング組成物でもって、一錠当たり15mgの被覆をし、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第五層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた糖衣錠は、重量230mg/錠、直径8.5mm、厚さ4.80mmであり、その組成は表12のとおりであった。
Figure 2006256961
参考例2: 比較対照200mg糖衣錠の製造
(1)200mg錠用素錠の製造
直径D=9.0mm,R=7mmの1段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、重量230mg/錠、直径9.0mm、厚さ5.10mmの素錠を得た。
ついで、素錠をハイコーター(フロイント産業株式会社製、HCT−48型)に投入し、参考例1(2)と同様のコーティング組成物および方法を用い、一錠当たり第一層は15mg、第二層は20mg、第三層は115mg、第四層は40mgを被覆した。第五層は30mgを被覆し、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
かくして得られた糖衣錠は、重量450mg/錠、直径10.2mm、厚さ6.30mmであり、その組成は表13のとおりであった。
Figure 2006256961
参考例3: 比較対照200mg糖衣錠の製造
(1)200mg錠用素錠の製造
直径D=9.5mm,R=2.9mm,R=9.5mm(R/D=0.31,R/D=1.0)の2段R杵と臼とを装着したロータリー打錠機(菊水製作所、コレクト19K)を用いる他は常法に準じて素錠を製造した。かくして得られる素錠はバルプロ酸ナトリウム200mg/錠、重量240mg/錠、直径9.5mm、厚さ4.7mmの素錠を得た。
(2)200mg糖衣錠の製造
参考例3(1)で得た素錠をドリアコーター(パウレック株式会社製、DRC−650型)に投入し、下記組成の第一層コーティング組成物でもって、一錠当たり30mgの被覆をした。
第一層コーティング組成物:
HPMC(TC−5R、3重量%),ショ糖(ハイグレードパウダーシュガー、3重量%),99%エタノール(20重量%),ジクロロメタン(74重量%)
第二層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第二層コーティング組成物でもって、一錠当たり5mgの被覆をした。
第二層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
第三層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第三層コーティング組成物でもって、一錠当たり115mgの被覆をした。
第三層コーティング組成物:
プルラン(プルランPI20、林原商事)(2.1重量%),ポリオキシエチレン〔105〕ポリオキシプロピレン〔5〕グリコール(PEP−101、フロイント産業製)(1.4重量%),ショ糖(グラニュー糖、38.5重量%),タルク(高級タルク、22.5重量%),酸化チタン(7.5重量%),精製水(28重量%)
第四層形成工程
前工程に引き続き、下記組成の第四層コーティング組成物でもって一錠当たり30mgの被覆をし、その上に微量のカルナウバロウで艶出しを行った。
第四層コーティング組成物:
ショ糖(グラニュー糖、66重量%),精製水(34重量%)
かくして得られた糖衣錠は、重量420mg/錠、直径10.2mm、厚さ5.15mmであり、その組成は表14のとおりであった。
Figure 2006256961
本発明は医薬品として有用である。
本図は本発明にかかわる素錠の正面図である。
符号の説明
直線a−b:素錠の直径
直線c−d:素錠の直径
直線a−d:素錠の厚み
直線b−c:素錠の厚み
弧b−e:曲率半径Rで描かれた弧(周辺部)
弧f−e:曲率半径Rで描かれた弧(中心部)
点g:直線a−bの中点
点f:曲線a−bの中点
点h:曲線c−dの中点

Claims (26)

  1. バルプロ酸ナトリウムの配合量が50重量%以上である速溶性糖衣錠(但し、特許請求の範囲において、「重量%」は、特に断らないかぎり最終錠剤に対するものである)。
  2. バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である請求項1記載の速溶性糖衣錠。
  3. バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である請求項1または2記載の速溶性糖衣錠。
  4. バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性三層糖衣錠であって、下記(A)記載の構成および下記(B)記載の特性を有する糖衣錠:
    (A)構成:
    (1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
    (2) 当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分からなり、
    (3) 当該コーティング部は以下の三層からなり、
    第一層は素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
    第二層は第一層の上に被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
    第三層は第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなる、
    (B)特性:
    (a) 25℃−75%相対湿度において60日間開放置しても外観変化は実質的に認められず、
    (b) 本明細書で定義する落下試験において25ポイント以上の耐衝撃性を有し、
    (c) 第14改正日本薬局方に記載の溶出試験(37℃、パドル法、50回転/分、溶媒900mlの水)において、10分後の溶出率が45〜80%であり、30分後の溶出率が実質的に100%である。
  5. バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である請求項4記載の速溶性三層糖衣錠。
  6. バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である請求項4または5記載の速溶性三層糖衣錠。
  7. コーティング部が以下の三層からなる請求項4記載の速溶性三層糖衣錠:
    第一層は、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、各請求項においてHPCという)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、各請求項においてHPMCという)、ポリエチレングリコール(以下、各請求項においてPEGという)、ポリビニルアルコール(以下、各請求項においてPVAという)およびポリビニルピロリドン(以下、各請求項においてPVPという)から選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜12重量部の比で含み、
    第二層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜4重量部の比で含み、
    第三層はショ糖のみからなる。
  8. 第一層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜7重量部の比で含み、
    第二層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜2.5重量部の比で含む請求項4または7記載の速溶性三層糖衣錠。
  9. コーティング部のそれぞれの量が、第一層は2〜8重量%であり、第二層は4〜13重量%であり、第三層は8〜18重量%である請求項4記載の速溶性三層糖衣錠。
  10. コーティング部のそれぞれの量が、第一層は3〜7重量%であり、第二層は6〜10重量%であり、第三層は10〜15重量%である請求項9記載の速溶性三層糖衣錠。
  11. 第一層および第二層のコーティング量の和が、6〜21重量%を占める請求項4または9記載の速溶性三層糖衣錠。
  12. 第一層および第二層のコーティング量の和が、9〜17重量%を占める請求項10または11記載の速溶性三層糖衣錠。
  13. バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性四層糖衣錠であって、下記(A)記載の構成および下記(B)記載の特性を有する糖衣錠:
    (A)構成:
    (1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
    (2) 当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分からなり、
    (3) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
    第一層は素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
    第二層は第一層の上に被覆したものであって、水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、
    第三層は第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、
    第四層は、第三層の上に被覆したものであって、一種または二種以上の水溶性高分子およびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよい、
    (B)特性:
    (a) 25℃−75%相対湿度において60日間開放置しても外観変化は実質的に認められず、
    (b) 本明細書で定義する落下試験において60ポイント以上の耐衝撃性を有し、
    (c) 第14改正日本薬局方に記載の溶出試験(37℃、パドル法、50回転/分、溶媒900mlの水)において、10分後の溶出率が45〜80%であり、30分後の溶出率が実質的に100%である。
  14. バルプロ酸ナトリウムの配合量が53重量%以上である請求項13記載の速溶性四層糖衣錠。
  15. バルプロ酸ナトリウムの配合量が55〜65重量%である請求項13または14記載の速溶性四層糖衣錠。
  16. コーティング部が以下の四層からなる請求項13記載の速溶性四層糖衣錠:
    第一層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜12重量部の比で含み、
    第二層は、HPC、HPMC、PEG、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の高分子およびショ糖からなり、当該高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜4重量部の比で含み、
    第三層はショ糖のみからなり、
    第四層は、HPC、HPMC、PVAおよびPVPから選ばれる一種または二種以上の水溶性高分子およびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、当該高分子(二重以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を0.5〜1.6重量部の比で含む。
  17. 第一層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜7重量部の比で含み、
    第二層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対してショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、
    第四層が、高分子(二種以上の場合はその総量)の1重量部に対して、ショ糖を0.6〜1.2重量部の比で含む請求項13または16記載の速溶性四層糖衣錠。
  18. コーティング部のそれぞれの量が、第一層は2〜8重量%であり、第二層は4〜13重量%であり、第三層は8〜18重量%であり、第四層は2〜8重量%である請求項13記載の速溶性四層糖衣錠。
  19. コーティング部のそれぞれの量が、第一層は3〜7重量%であり、第二層は6〜10重量%であり、第三層は10〜15重量%であり、第四層は3〜7重量%である請求項18記載の速溶性四層糖衣錠。
  20. 第一層および第二層のコーティング量の和が、6〜21重量%を占める請求項13または18記載の速溶性四層糖衣錠。
  21. 第一層および第二層のコーティング量の和が、9〜17重量%を占める請求項19または20記載の速溶性四層糖衣錠。
  22. バルプロ酸ナトリウムを55〜65重量%含有し、下記の構成からなる請求項13〜21のいずれか一項に記載の速溶性四層糖衣錠:
    (1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
    (2) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
    第一層は、素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、HPC、PEGおよびショ糖からなり、HPCおよびPEGの総量1重量部に対して、ショ糖を5〜6重量部の比で含み、この層は3〜5重量%を占め、
    第二層は、第一層の上に被覆したものであって、ほぼ等同量のHPMCおよびショ糖からなり、この層は7〜10重量%を占め、
    第三層は、第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、この層は11〜14重量%を占め、
    第四層は、第三層の上に被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、HPMCの1重量部に対して、ショ糖を0.7〜1.0重量部、他の製剤化成分を0.1〜0.3重量部の比で含み、この層は4〜6重量%を占める。
  23. バルプロ酸ナトリウムを55〜65重量%含有し、下記の構成からなる請求項13〜21のいずれか一項に記載の速溶性四層糖衣錠:
    (1) バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、
    (2) 当該コーティング部は以下の四層からなり、
    第一層は、素錠の上に有機溶媒を用いて被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなるか、HPMC、HPCおよびショ糖からなり、高分子の総量1重量部に対して、ショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、この層は3〜6重量%を占め、
    第二層は、第一層の上に被覆したものであって、HPMC、PEGおよびショ糖からなるか、HPMC、HPC、PEGおよびショ糖からなり、高分子の総量1重量部に対して、ショ糖を1〜2.5重量部の比で含み、この層は6〜8重量%を占め、
    第三層は、第二層の上に被覆したものであって、ショ糖からなり、この層は11〜14重量%を占め、
    第四層は、第三層の上に被覆したものであって、HPMCおよびショ糖からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよく、HPMCの1重量部に対して、ショ糖を0.7〜1.0重量部、他の製剤化成分を0.1〜0.3重量部の比で含み、この層は4〜6重量%を占める。
  24. バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性三層糖衣錠であって、バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、請求項4記載の特性を有する糖衣錠の製造方法であって、以下の工程を順次実施することを特徴とする製造方法:
    素錠打錠工程:当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分とを臼と杵でもって打錠する工程、
    第一層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒からなる組成物でもって素錠の上に被覆する工程、
    第二層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒または水もしくはこれらの混合液からなる組成物でもって第一層の上に被覆する工程、
    第三層形成工程:ショ糖のみを含む水溶液でもって第二層の上に被覆する工程。
  25. バルプロ酸ナトリウムを50重量%以上含有する速溶性四層糖衣錠であって、バルプロ酸ナトリウムを含む素錠と当該素錠に被覆されたコーティング部からなり、請求項13記載の特性を有する糖衣錠の製造方法であって、以下の工程を順次実施することを特徴とする製造方法:
    素錠打錠工程:当該素錠はバルプロ酸ナトリウムと製剤化成分とを臼と杵でもって打錠する工程、
    第一層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒からなる組成物でもって素錠の上に被覆する工程、
    第二層形成工程:水および有機溶媒に可溶な一種または二種以上の高分子、ショ糖および有機溶媒または水もしくはこれらの混合液からなる組成物でもって第一層の上に被覆する工程、
    第三層形成工程:ショ糖のみを含む水溶液でもって第二層の上に被覆する工程、
    第四層形成工程:一種または二種以上の高分子、ショ糖および水からなり、更に他の製剤化成分を含有していてもよい組成物でもって第三層の上に被覆する工程。
  26. 包装されていない請求項1、4または13記載の糖衣錠および当該糖衣錠に関する記載物を含む商業パッケージであって、当該記載物および/または当該パッケージに当該糖衣錠を特定の疾患のために使用する、もしくは使用すべきであること、および/または当該糖衣錠が湿度安定性に優れていること、および/または当該糖衣錠が速溶性であることを記載してなる商業パッケージ。
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