JP2006327943A - 経時的溶出遅延を抑制したテイストマスク錠剤 - Google Patents

経時的溶出遅延を抑制したテイストマスク錠剤 Download PDF

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直人 岡澤
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Abstract

【課題】 経時的溶出遅延を抑制しかつ不快な味がマスクされた錠剤を提供する。
【解決手段】 不快な味を有する薬物を含んでいる未被覆錠剤を、第1層として水溶性皮膜形成性高分子を含んだ層で被覆し、さらに第2層として水溶性皮膜形成性高分子および水不溶性皮膜形成性高分子を含んだ層を被覆してなり、経時的溶出遅延を抑制しかつ不快な味がマスクされていることを特徴とする錠剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、経時的な溶出遅延を抑制し且つ不快な味を隠蔽する医薬剤形に関する。
経口的に投与される不快な味がある多くの薬物は、いくつかの面で不利である。例えば、不快な味の薬物は、飲み込むのを困難にするか又は患者が薬物服用を避けるようになってしまい、期待される治療効果を望むことができない場合がある。従って、味を隠蔽する技術が、非常に重要であると考えられ、多くの研究者により開発されている。味の隠蔽は、通常、有効成分を有する粒子上に不快な味を隠蔽する層を形成することにより達成される。これは、錠剤の場合であっても、患者が該製剤を口の中に含んでいるわずかな時間も考慮して、少なくとも30秒以上は味の隠蔽を持続する必要がある。しかしながら、味を隠蔽する層は、薬物放出プロフィールを悪くすることがある。従って、処方物設計において、良好な味隠蔽特性および良好な薬物放出特性を両立させる経口剤形を提供するのは困難である。
さらに、不快な味のマスキングを目的としたフィルムコート錠においては、水不溶性あるいはpH依存型の溶解性を有する高分子物質で被覆コートがなされているが、特に後者においては、ガラス転移温度が低いため、熱安定性に劣り、経時的に有効成分の溶出速度が遅延するという問題がある。
特開昭63−258809では、不快な味のある有効成分を有する中核粒子上に、水溶性皮膜剤を1〜10重量%被覆し、その層上に3〜10重量%の唾液に不溶性の層を形成することにより調製した細粒製剤を開示している。しかしながら、これは、安定性の向上を目指したものではなく、また、細粒剤に関するものである。
また、特許第3350059では、微結晶セルロースの量が、中核の全重量に基づき、少なくとも26.0重量%である、薬学的に有効な成分、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよび微結晶セルロースを含有する中核;中核上に形成され、水溶性ポリマーを含有する(水に不溶性のポリマーも含む)内側被覆層;ならびに内側被覆層上に形成され唾液に不溶性のポリマーを含有する外側被服層を含む顆粒が開示されているが、経時的に有効成分の溶出速度が遅延するという問題は考慮されていない。
テイストマスクされた細粒や顆粒はそのまま服用しなければ意味がない。これらを常法に従って錠剤に打錠する時被覆層が破れ、薬物が露出して不快な味を呈することがあるからである。さらに粒子径が小さく、比表面積が大きい粒子状内核をコーティングによってテイストマスキングするためには、多量のコーティングを必然的に必要とする。
従って、本発明の目的は、不快な味を有する薬物の味をマスクし、経時的な溶出速度の遅延を抑制するように工夫された錠剤を提供することにある。
本発明者らは、味及び経時的な溶出速度の遅延を抑制した錠剤について鋭意研究を行った結果、不快な味のマスキングのために、水溶性の皮膜層を施し、さらに、マスキングと溶出性のバランスを考慮して、水溶性及び水不溶性皮膜剤を含んだ層を施すことで、両パラメーターを満足する安定な錠剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、不快な味を有する薬物を含んでいる未被覆錠剤を、第1層として水溶性皮膜形成性高分子を含んでいる層で被覆し、さらに第2層として水溶性皮膜形成性高分子および水不溶性皮膜形成性高分子を含んだ層を被覆してなり、経時的溶出遅延を抑制しかつ不快な味がマスクされている錠剤を提供する。
内核となる未被覆錠剤は、不快な味を有する薬物に、既知の賦形剤、結合剤、崩壊剤などを既知の造粒法で造粒し、これに既知の滑沢剤を添加して打錠して製造される。
コーティングに用いる水溶性の高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、キトサンなどのキチン誘導体、アルギン酸、そのアルカリ金属及びアンモニウム塩、カラギーナン、ガラクトマンナン、トラガントガム、カンテン、アラビアゴム、グアーガム及びキサンタンゴムなどの多糖類、ポリアクリル酸類及びその塩、ポリメタクリル酸類及びその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの酢酸ビニルとのコポリマーなどの天然または合成水溶性高分子である。特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が好ましい。配合量は、第1層においては、不快味防止効果を高めるため、内核に対して2.0wt%以上が好ましいが、錠径を考慮に入れながら被覆するよう注意する。また、第1層は、内核の表面を円滑化させる目的もある。これにより、第2層のコーティング量が少量でも不快な味の隠蔽効果を発揮させるという利点がある。第2層における配合量は、任意であってよい。
水不溶性の高分子としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーL−D、メタクリル酸コポリマーS、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートが好ましく、特に、pH依存型のポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA)が好ましい。配合量としては、内核に対して0.5〜2.5wt%、好ましくは0.9〜2.0wt%が適当である。
不快な味を有する薬物は、特に限定されないが、例えばコハク酸シベンゾリン、クラリスロマイシン、セフポドキシムプロキセチルである。
コーティング方法は、任意の慣用方法で良いが、流動層コーティング法又はパンコーティング法により、コーティング処方の含水エタノール溶液を噴霧液として使用する。
水溶性高分子を含む第1層は、マクロゴール6000のような可塑剤、タルクのような充填剤、および酸化チタンのような顔料を含むことができ、水溶性高分子および水不溶性高分子の両方を含む第2層はタルクのような充填剤を含むことができる。
第1層は水溶性高分子を未被覆錠剤の2.0wt%以上含み、第2層は水溶性高分子を2.0wt%以上と、水不溶性高分子を0.5〜2.5wt%含んでいるが、充填剤などの添加剤を含む第1層および第2層の合計も未被覆錠剤の10wt%を上廻る必要はない。
そのため本発明によれば、少ないコーティング量で不快な味のマスキングと、経時的な溶出遅延の抑制を両立させることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜3(核錠を2層コーティング)
A.処方
下記組成物からなる核錠部に、順次フィルムコーティングを施す(但し、成分の量は錠剤1錠あたりに換算した量で示す)。


B.製造方法
実施例1:フィルム外層部TC−5/AEA(7:3)を8mg
(核錠に対するAEAの割合;1.5%)
(1)結合液の調製:
HPMC113gを50%エタノールに溶解させ、これを結合液とした。
(2)造粒:
コハク酸シベンゾリン3125g、結晶セルロース494g、トウモロコシデンプン250g、カルメロースカルシウム219gをバーティカルグラニュレーター(FM−VG−10P型、(株)パウレック)に仕込み、上記(1)で調製した結合液を用いて造粒を行い、これを造粒物とした。
(3)打錠末の調製:
上記(2)で得られた造粒物に軽質無水ケイ酸44gおよびステアリン酸マグネシウム131gを混合し、打錠末とした。
(4)打錠:
上記(3)で得られた打錠末を用いて、ロータリー式打錠機(VIRG型/(株)菊水製作所)で打錠圧8.0kNにて打錠し、処方(a)を有する錠径7.0mm、錠剤重量140mgの錠剤を得た。
(5)内層コーティング液の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(6)外層コーティング液の調製:
80%エタノールにTC−5を252g、AEA108g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(7)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(5)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が4mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(8)外層コーティング:
上記(7)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(6)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が8mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
実施例2:フィルム外層部TC−5/AEA(4:1)を8mg
(核錠に対するAEAの割合;1.0%)
(1)上記表1の処方に従い、実施例1に準じて、結合液調製、造粒、打錠末調製および打錠を行い、処方(a)を有する核錠を得た。
(2)コーティング液(内層)の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(3)コーティング液(外層)の調製:
80%エタノールにTC−5を288g、AEA72g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(4)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(2)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が4mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(5)外層コーティング:
上記(4)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(3)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が8mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
実施例3:フィルム外層部TC−5/AEA(3:1)を6mg
(核錠に対するAEAの割合;0.9%)
(1)上記表1の処方に従い、実施例1に準じて、結合液調製、造粒、打錠末調製および打錠を行い、処方(a)を有する核錠を得た。
(2)コーティング液(内層)の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(3)コーティング液(外層)の調製:
80%エタノールにTC−5を270g、AEA90g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(4)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(2)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が4mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(5)外層コーティング:
上記(4)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(3)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が6mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
比較例1〜2(核錠を1層コーティング)
A.処方
下記組成物からなる核錠部に、順次フィルムコーティングを施す(但し、成分の量は錠剤1錠あたりに換算した量で示す)。
(a)核錠部の処方
表1に同じ。

B.製造方法
比較例1;TC−5のみコーティング12mg
(核錠に対するAEAの割合;0.0%)
(1)上記表1の処方に従い、実施例1に準じて、結合液調製、造粒、打錠末調製および打錠を行い,処方(a)を有する核錠を得た。
(2)コーティング液の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液とした。
(3)コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(2)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が12mgになった時点でコーティングの終了とした。
比較例2;AEAのみでコーティング4mg
(核錠に対するAEAの割合;2.9%)
(1)上記表(1)の処方に従い、実施例(1)に準じて、結合液調製、造粒、打錠末調製および打錠を行い、処方(a)を有する核錠を得た。
(2)コーティング液の調製:
100%エタノールにAEA360gを溶解させ、これをコーティング液とした。
(3)コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(2)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が4mgになった時点でコーティングの終了とした。
C.安定性評価
製剤の溶出遅延については、イニシャル及び加速安定性条件下(60℃開放、保存容器;褐色ガラス瓶)に2週間、1箇月と放置したサンプルを用いて、溶出試験(試験液;水)を行い、評価した。
結果を以下の表および図1,2のグラフに示す。
〔実施例1〕

〔実施例2〕

〔実施例3〕

〔比較例1〕

〔比較例2〕

苦味抑制について
A.評価方法
製剤の不快味抑制についての評価は、各検体(1錠)を口腔内に含み、フィルムが溶けて不快な味を感じるまでの時間を5段階評価でスコア化して示すことにした。各検体間は水で十分口腔内をすすぎ、クラッカーを少量含ませ、前の検体の味をなくすように配慮した。
被験者数は5名(a〜e)とし、各スコアの平均値を試験結果とした。
苦味抑制についての評価
スコア 評価基準
0 不快な味を感じるまで30秒未満
1 不快な味を感じるまで30秒〜40秒
2 不快な味を感じるまで40秒〜50秒
3 不快な味を感じるまで50秒〜60秒
4 不快な味を感じるまで60秒を超える
B.官能試験結果
官能試験結果を以下の表に示す。

考察
溶出の遅延については、実施例1〜3および比較例1は遅延が見られなかった。また、第2層において、水溶性及び水不溶性のポリマーの配合比率との依存性は見られなかった。
さらに不快味抑制については表9の結果から明らかなように、フィルム内のAEAの含有量が高いほど不快味抑制の効果が高いことが分かる。
総合すると、実施例1〜3については溶出の遅延防止および不快な味の抑制の両方を満足しているが、比較例1については溶出の遅延防止は満たしているものの、不快な味の抑制は弱く、比較例2は不快な味の抑制は十分であるものの、溶出が遅延してしまうという結果が得られた。
実施例4〜5(他の不快味薬物での実施例;クラリスロマイシン、セフポドキシムプロキセチル)
A.処方
下記組成物からなる核錠部に、フィルムコーティングを施す(但し、成分の量は錠剤1錠あたりに換算した量で示す)。


B.製造方法
実施例4:クラリスロマイシン錠にフィルム外層部TC−5/AEA(4:1)を12mg
(核錠に対するAEAの割合;0.8%)
(1)結合液の調製:
ヒドロキシプロピルセルロース57.6gを水に溶解させ、これを結合液とした。
(2)造粒:
クラリスロマイシン2448g、結晶セルロース360g、アクチゾル86.4gをバーティカルグラニュレーター(FM−VG−25P型、(株)パウレック)に仕込み、上記(1)で調製した結合液を用いて造粒を行い、これを造粒物とした。
(3)打錠末の調製:
上記(2)で得られた造粒物にステアリン酸マグネシウム48gを混合し、打錠末とした。
(4)打錠:
上記(3)で得られた打錠を用いて、ロータリー式打錠機(VIRG型/(株)菊水製作所)で打錠圧7.0kNにて打錠し、処方(a:核錠部)を有する錠径8.5mm、錠剤重量250mgの錠剤を得た。
(5)内層コーティング液の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(6)外層コーティング液の調製:
80%エタノールにTC−5を288g、AEA72g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(7)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(5)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が6mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(8)外層コーティング:
上記(7)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(6)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が12mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
実施例5:セフポドキシムプロキセチル錠にフィルム外層部TC−5/AEA(4:1)を10mg
(核錠に対するAEAの割合;0.9%)
(1)結合液の調製:
ヒドロキシプロピルセルロース47.87gを水に溶解させ、これを結合液とした。
(2)造粒:
セフポドキシムプロキセチル2291.49g、乳糖150.00g、ショ糖脂肪酸エステル239.36g、アクチゾル239.36g、ラウリル硫酸ナトリウム15.96gをバーティカルグラニュレーター(FM−VG−25P型、(株)パウレック)に仕込み、上記(1)で調製した結合液を用いて造粒を行い、これを造粒物とした。
(3)打錠末の調製:
上記(2)で得られた造粒物にステアリン酸マグネシウム15.96gを混合し、打錠末とした。
(4)打錠:
上記(3)で得られた打錠を用いて、ロータリー式打錠機(VIRG型/(株)菊水製作所)で打錠圧7.0kNにて打錠し、処方(b:核錠部)を有する錠径8.0mm、錠剤重量188mgの錠剤を得た。
(5)内層コーティング液の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(6)外層コーティング液の調製:
80%エタノールにTC−5を288g、AEA72g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(7)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(5)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が5mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(8)外層コーティング:
上記(7)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(6)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が10mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
C.安定性評価
製剤の溶出遅延については、イニシャル及び加速安定性条件下(60℃開放、保存容器;褐色ガラス瓶)に2週間、1箇月と放置したサンプルを用いて、溶出試験(試験液;水)を行い、評価した。
結果を以下の表および図3のグラフに示す。
〔実施例4〕

〔実施例5〕

実施例6(腸溶性フィルム基剤での実施例;オイドラギットL30D−55)
A.処方
下記組成物からなる核錠部に、フィルムコーティングを施す(但し、成分の量は錠剤1錠あたりに換算した量で示す)。

実施例6:フィルム外層部TC−5/オイドラギットL30D−55(4:1)を8mg
(核錠に対するオイドラギットL30D−55の割合;1.0%)
(1)上記表1の処方に従い、実施例1に準じて、結合液調製、造粒、打錠末調製および打錠を行い、処方(a)を有する核錠を得た。
(2)コーティング液(内層)の調製:
50%エタノールにTC−5を288g、マクロゴール48g、タルク40g、酸化チタン24gを溶解・分散させ、これをコーティング液(内層)とした。
(3)コーティング液(外層)の調製:
80%エタノールにTC−5を288g、オイドラギットL30D−55 72g、タルク60gを溶解・分散させ、これをコーティング液(外層)とした。
(4)内層コーティング:
核錠をコーティング機(HCT−48型、フロイント)に仕込み、(2)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が4mgになった時点で内層コーティングの終了とした。
(5)外層コーティング:
上記(4)と同様にコーティング機(HCT−48型、フロイント)で、(3)で調製した液を用いてコーティングを行い、コーティング量が8mgになった時点で外層コーティングの終了とした。
C.安定性評価
製剤の溶出遅延については、イニシャル及び加速安定性条件下(60℃開放、保存容器;褐色ガラス瓶)に2週間、1箇月と放置したサンプルを用いて、溶出試験(試験液;水)を行い、評価した。
結果を以下の表および図3のグラフに示す。
〔実施例6〕

考察
他の不快味薬物を使用しても溶出の遅延は見られなかった(実施例4,5)。また、水不溶性ポリマーをメタクリル酸コポリマーにした場合でも、溶出の遅延は見られなかった(実施例6)。
このように、使用する薬物及び水不溶性の高分子は幅広く選択することができる。
実施例1,2,3の錠剤の初期、および2週間および2ヶ月貯蔵後の溶出率を示すグラフ。 比較例1,2の錠剤の同様な溶出率を示すグラフ。 実施例4,5,6の錠剤の同様な溶出率を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 不快な味を有する薬物を含んでいる未被覆錠剤を、第1層として水溶性皮膜形成性高分子を含んだ層で被覆し、さらに第2層として水溶性皮膜形成性高分子および水不溶性皮膜形成性高分子を含んだ層を被覆してなり、経時的溶出遅延を抑制しかつ不快な味がマスクされていることを特徴とする錠剤。
  2. 前記第1層は、未被覆錠剤の少なくとも2.0wt%の水溶性皮膜形成性高分子を含んでいる請求項1の錠剤。
  3. 前記第2層は、未被覆錠剤の0.5〜2.5wt%の水不溶性皮膜形成性高分子と、少なくとも2.0wt%の水溶性皮膜形成性高分子を含んでいる請求項1または2の錠剤。
  4. 水溶性皮膜形成性高分子は、水溶性セルロース誘導体、水溶性合成高分子またはそれらの混合物である請求項1ないし3のいずれかの錠剤。
  5. 水不溶性皮膜形成性高分子は、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、腸溶性メタクリレートコポリマーまたはそれらの混合物である請求項1ないし3のいずれかの錠剤。
  6. 水溶性皮膜形成性高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、水不溶性皮膜形成性高分子がポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートまたは腸溶性メタクリレートコポリマーである請求項1の錠剤。
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