JP5534004B2 - 口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Description
詳細には、本発明は、アトルバスタチンおよびラウリル硫酸ナトリウムを含有する核が、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体またはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと水溶性高分子物質とを含む被膜物質により被覆されてなる粒、及び「炭酸塩または炭酸水素塩」を含有してなる、薬物溶出が改善された口腔内崩壊錠に関するものである。
薬物を含有する核と、2種類の水溶性成分である、不溶化促進剤および不溶化物質を含有する中間層と、最外層に内部への水浸入速度を制御する水浸入制御層を含有する経口投与用時限放出型粒子状医薬組成物が知られており、水浸入制御層に用いる素材としてアクリル酸系高分子が例示されている(特許文献10)。しかしながら、選択される薬物または基剤によっては、初期薬物溶出を低減し、かつその後の速やかな薬物放出性を達成するためには更なる改善の余地がある。
また、メチルセルロースとモノマー単位にメタクリル酸エステルおよび/又はアクリル酸エステルを含むアクリル酸系ポリマーとを含むフィルムコートにより固形製剤の苦味などの不快な味を隠蔽し、かつ溶出性に優れるフィルムコーティング剤が開示されている(特許文献12)。
しかしながら、特許文献11又は12のいずれもコーティング顆粒を圧縮成形する際の溶出変化については記載されておらず、圧縮成形による溶出速度の変化が懸念される。
さらに、圧縮による衝撃を吸収する賦形剤とともに圧縮する方法として、薬物含有被膜粒子に、平均粒子径20μm以下の被膜保護剤を物理混合し、圧縮成形した製剤が記載されている。薬物含有被覆粒子の圧縮成形時における被膜の損傷を低減した圧縮成形製剤を提供するため、薬物含有被膜粒子を含み、かつ平均粒子径が約50μm以上で初期溶出速度比が4以上を示す物質の微粒子を被膜保護剤として含む圧縮成形製剤に関する発明が開示されている(特許文献14)。
しかしながら、特許文献13又は14のいずれも、選択された薬物または基剤によっては、初期薬物溶出を低減しても、その後の速やかな薬物放出が達成されない、また、アルコール処理が可能な特別な装置の使用が必要とされる課題が考えられる。
また、本発明は、アトルバスタチンの口腔内における不快な味の隠蔽(服用コンプライアンス)を施した際の、消化管内における速やかな分散性・溶出性を達成する粒を含有してなる、薬物溶出が改善された口腔内崩壊錠を提供するものである。
上記状況下、本発明者らは、アトルバスタチンの初期薬物溶出量を低減し、その後の速やかな薬物放出を維持しつつ、圧縮成形後も薬物溶出速度の変化を抑制または低減可能であり、アトルバスタチンの口腔内における不快な味の隠蔽(服用コンプライアンス)を施した際の、消化管内における速やかな分散性・溶出性を達成する粒を含有してなる口腔内崩壊錠の創製に鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
[1]アトルバスタチン又はその製薬学的に許容される塩、及びラウリル硫酸ナトリウムを含む核が、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体またはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと水溶性高分子物質とを含有する被膜物質により被覆されてなる粒、及び炭酸塩または炭酸水素塩を含有してなる、薬物溶出性が改善された口腔内崩壊錠、
[2]炭酸塩または炭酸水素塩が、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウムからなる群より選択される1種または2種以上である、[1]の口腔内崩壊錠、
[3]炭酸塩または炭酸水素塩を賦形剤として含有する、[1]又は[2]の口腔内崩壊錠、
[4]成形性の低い糖類を、賦形剤として更に含有する、[3]の口腔内崩壊錠、
[5]炭酸塩または炭酸水素塩を、被膜物質で被覆されてなる粒の被膜成分として、あるいは、被膜物質で被覆されてなる粒のその被覆層の内側または外側のコーティング中に含有する、[1]又は[2]の口腔内崩壊錠、
[6]成形性の高い糖類を、結合剤として更に含有する、[5]の口腔内崩壊錠、
[7]アトルバスタチン又はその製薬学的に許容される塩、及びラウリル硫酸ナトリウムを含む核が、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体またはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと水溶性高分子物質とを含有する被膜物質により被覆されてなる粒を含んでなる口腔内崩壊錠を製造するための、炭酸塩または炭酸水素塩の使用
に関する。
本明細書における「粒子状医薬組成物」とは、サイズが下記の一定値より小さく、1種または2種以上の医薬添加剤と共に、種々の形態として経口投与を行う薬物含有粒子状組成物を意味する。粒子状組成物の形状が球に近似できる場合、粒子状医薬組成物のサイズは平均粒子径が2mm以下であると規定する。また、粒子状医薬組成物の形状が球以外の形状の場合、粒子状医薬組成物のサイズは平均最長径が2mm以下であると規定する。
なお、下限数値は製薬学的に許容される範囲であれば特に制限されないが、例えば1μm以上、他の態様として10μm以上、更なる態様として20μm以上が挙げられる。
粒子径の測定法としては、第十五改正日本薬局方一般試験法に記載されている顕微鏡法が挙げられる。顕微鏡法は光学顕微鏡を用いて肉眼又は顕微鏡写真によって直接に個々の粒子の外観および形状を観察し、その大きさを測定する方法であり、長軸平均径、三軸平均径や、二軸平均径を粒子径として用いることができる。
本明細書において「ラグタイム」とは、上記「薬物の溶出率が0〜3%に抑制された時間」を意味する。該「ラグタイム」は、口腔内における薬物の不快な味の遮蔽等を目的として、薬物・製剤の特性・目的(例えば、薬物の不快な味の種類や程度、味の持続時間、製剤の口腔内滞留時間等を考慮して適宜設定されるが、例えば2分以上と規定される。「ラグタイム」は、例えば、組成物中の「中間層」の成分とその配合割合・被覆量、水浸入量制御層の成分とその配合割合・被覆量を適宜増減する等の設計を行うことにより、任意に調整することができる。
本明細書において「不快な味」とは、服用時に不快感をもたらす味を意味し、具体的には苦味、渋味、えぐ味、酸味、辛味、収斂味等が挙げられる。
本明細書において「不溶化」とは、水に対する溶解度、あるいは溶解速度を低下させる現象を意味する。また、「不溶化する」「不溶化させる」「不溶化を促す」とは、溶解した物質を水と相分離させる、あるいは析出させる、沈殿させる、あるいは未だ溶解していない固体物質が水に溶解することを妨げることを示す。
本明細書において「口腔内を想定した試験液」とは、pH6.8リン酸緩衝液(第十五改正日本薬局方溶出試験法第2液)を意味する。
また、薬物の配合割合は、通常薬物の種類、用途(適応症)、年齢(又は体重)に応じ適宜選択されるが、治療学的に有効な量あるいは予防学的に有効な量であれば特に制限されない。例えば、本発明の「粒子状医薬組成物」又は医薬品製剤当たり0.5重量%以上90重量%以下であり、他の態様としては0.5重量%以上80重量%以下であり、更なる態様としては0.5重量%以上70重量%以下である。
また、ラウリル硫酸ナトリウムの配合量は、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートの溶解性を向上させる量であれば特に制限はないが、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートに対し、例えば、50重量%以上200重量%以下、他の態様として100重量%以上200重量%以下、更に他の態様として120重量%以上200重量%以下、更に他の態様として130重量%以上200重量%以下であることができる。
前記高分子物質としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、α化デンプン、カゼインナトリウム、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、デキストラン、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プルラン、ポビドン、コポリビドン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリビニルアルコール、マクロゴール、ポリエチレンオキサイドが挙げられ、他の態様として、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、ポリビニルアルコール、マクロゴール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。更なる態様としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。更に他の態様としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。ヒプロメロースとしては、第十五改正日本薬局方ヒプロメロース(信越化学)の商品名で市販されている高分子物質(表示粘度3mPa・s以上15mPa・s以下)を挙げることができる。
これらの水溶性高分子物質は1種または2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、所望により、薬物含有粒子を中間層により被覆した粒子(後記説明することとし、以下「中間層」被覆粒子と略記することもある)とする場合、該中間層被覆粒子に対して、例えば1重量%以上500重量%以下である。他の態様として5重量%以上200重量%以下であり、更なる態様として10重量%以上150重量%以下である。粒子状医薬組成物中の被覆量の割合が、例えば1重量%以上200重量%以下である。他の態様として5重量%以上100重量%以下であり、更に他の態様として5重量%以上50重量%以下である。
具体的には、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの炭酸塩または炭酸水素塩は、1種または2種以上を適宜・適量組み合わせて用いることができる。
炭酸塩または炭酸水素塩の量は、賦形剤、例えば、後述の「成形性の低い糖類」(特にはマンニトール)の重量に対して、9%以上100%以下の量で含有させることができる。また、賦形剤、例えば、後述の「成形性の低い糖類」(特にはマンニトール)の通常の使用量に対して、置換率として10%以上100%以下の量で含有させることができる。
以下に本発明の口腔内崩壊錠に関して説明するが、本発明の医薬品製剤を限定するものではない。
本発明で用いる粒子状医薬組成物はこのような口腔内崩壊錠に含有させることができ、例えば、国際公開第WO95/20380号パンフレット(米国対応特許第5576014号明細書)、国際公開第WO2002/92057号パンフレット(米国対応特許出願公開第2003/099701号明細書)、米国特許第4305502号明細書、米国特許第4371516号明細書、特許第2807346号(米国対応特許第5466464号明細書)、特開平5-271054号公報(欧州対応特許第553777号明細書)、特開平10-182436号公報(米国対応特許第5958453号明細書)、特許第3412694号(米国対応特許第5223264号明細書)、国際公開WO98/02185パンフレット(米国対応特許第6287596号明細書)、及び国際公開第WO2008/032767号パンフレット(米国対応特許出願公開第2008/0085309号明細書)に記載の公知の口腔内崩壊錠の薬物として該粒子状医薬組成物を適用し、該公報に記載の口腔内崩壊錠基剤を用い、該公報記載の方法に従い、口腔内崩壊錠とすることができる。このように粒子状医薬組成物を含有する口腔内崩壊錠としては、特許第3412694号明細書(米国対応特許第5223264号明細書)、特開2003-55197号公報に記載された口腔内崩壊錠が挙げられ、本発明で用いる粒子状医薬組成物はこれらの口腔内崩壊錠に含有させることができる。
本発明の口腔内崩壊錠においては、賦形剤として、「成形性の低い糖類」と「成形性の高い糖類」との組み合わせを用いる態様において、「成形性の低い糖類」の全部又は一部と置換して炭酸塩または炭酸水素塩を含有させることができる。
崩壊剤としては、例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムなどが挙げられる。
酸味料としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
発泡剤としては、例えば重曹などが挙げられる。
人工甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。
香料としては、例えばレモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、メタケイ酸アルミンマグネシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。
着色剤としては、例えば黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、食用黄色4号、5号、食用赤色3号、102号、食用青色3号などが挙げられる。
緩衝剤としては、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸まその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニンまたはその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸またはその塩類などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。医薬賦形剤としては、1種または2種以上組み合わせて適宜適量添加することができる。
これらの各種医薬賦形剤の配合量は、薬物含有粒子に対して、例えば1重量%以上100重量%以下であり、他の態様として、5重量%以上80重量%以下、更なる態様として10重量%以上50重量%以下である。
本発明で用いる粒子状医薬組成物は、例えば、コーティング、乾燥、熱処理、打錠等、自体公知の方法により製造可能である。
本発明で用いる粒子状医薬組成物を得るには、薬物を含有する核に対して本発明における被膜物質を被覆する。薬物を含有する核としては、薬物のみからなる粒子を用いることもできる。また公知の技術を用いて、薬物と1種または2種以上の添加物からなる粒子を製造し、それを用いてもよい。薬物と添加物からなる粒子の製造は、例えば薬物と適当な賦形剤(例えば結晶セルロース、乳糖、トウモロコシデンプン等)とを混合し、必要に応じて結合剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース等)を加えて、造粒し、整粒、乾燥してもよい。また適当な核となる添加物粒子(例えば結晶セルロース(粒)(微結晶セルロースとして記載している場合がある)、精製白糖球状顆粒、白糖・デンプン球状顆粒等)に薬物と結合剤を溶解または分散した液を噴霧してもよい。
また、薬物を含有する核の外側に中間層を被覆、あるいは本発明で用いる粒子状医薬組成物に更に医薬賦形剤をコーティング後、本発明における被膜物質を被覆してもよい。
薬物を含有する核に対して、中間層あるいは水浸入量制御層を被覆する際の好ましい品温は15℃以上60℃以下であり、他の態様として15℃以上45℃以下である。
薬物含有粒子に被覆した粒子状医薬組成物は、乾燥、熱処理などを施しても良い。このコーティング膜は、調温調湿により処理することもできる。例えば、温度は40〜80℃であり、湿度は10〜60RH%であることができる。
打錠装置としては、例えばロータリー打錠機、単発打錠機などが挙げられるが、通常製薬学的に圧縮成形物(好適には錠剤)が製造される方法であれば、装置とも特に限定されない。
一例として国際公開第WO95/20380号パンフレット(米国対応特許第5576014号明細書)に記載された口腔内崩壊錠の場合を挙げると、本発明で用いる粒子状医薬組成物と成形性の低い糖類を混合して、かかる混合物を成形性の高い糖類を結合剤として噴霧して被覆及び/または造粒して、該造粒物を圧縮成形する工程を採用することが出来る。さらに調製した成形物の硬度を高めるために、加湿、乾燥の工程を採用することが出来る。「加湿」は、含まれる糖類の見かけの臨界相対湿度により決定されるが、通常その臨界相対湿度以上に加湿する。例えば、湿度として30RH%以上100RH%以下であり、他の態様として50RH%以上90RH%以下である。このときの温度は15℃以上50℃以下であることが好ましく、他の態様として20℃以上40℃以下である。処理時間は1時間以上36時間以下であり、他の態様として12時間以上24時間以下である。「乾燥」は、加湿により吸収した水分を除去する工程であれば特に限定されない。例えば乾燥の温度条件として、10℃以上100℃以下を設定でき、他の態様として20℃以上60℃以下、更なる態様として25℃以上40℃以下を設定することができる。処理時間は、0.5時間以上6時間以下とすることができ、他の態様として1時間以上4時間以下とすることができる。
アトルバスタチンカルシウム三水和物は日本特許第3296564号明細書(WO97/03959)の実施例に従って製造された結晶性形態Iのアトルバスタチンを用いた。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第1層の調製
ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ社製、製品名NIKKOL SLS、以下同じ)3.25kgおよびヒプロメロース(信越化学工業社製、製品名TC-5E、以下同じ)2.17kgを精製水43.36kgに溶解した液に、アトルバスタチンカルシウム三水和物(ファイザー社製、以下同じ)5.42kgを攪拌下添加して、分散液を調製した。調製した分散液を流動層造粒装置(Glatt社製、製品名WCG-15/30、特に断らない限り、以下同じ)を用いて、結晶セルロース(粒)(旭化成ケミカルズ社製、製品名CP-102Y、以下同じ)5.42kgに噴霧し、第1層を被覆した粒子を調製した。
第1層を被覆した粒子7.80kgに対し、ラウリル硫酸ナトリウム1.33kgおよびメチルセルロース(信越化学工業社製、製品名METOLOSE SM-4、以下同じ)1.17kgを精製水33.21kgに溶解した液を、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
第2層を被覆した粒子10.3kgに対し、メチルセルロース0.52kgを精製水12.48kgに溶解した液を、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第3層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース0.29kgを精製水16.45kgに溶解した液にメタノール65.82kgを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(目黒化工社製、製品名AEA、以下同じ)2.57kgを添加し溶解させ、タルク(松村産業社製、製品名ハイフィラー、以下同じ)1.47kgを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置を用いて、第3層を被覆した粒子10.82kgに対して噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
第4層を被覆した粒子15.15kgに対し、マンニトール(ROQUETTE社製、製品名PEARLITOL 50C、以下同じ)0.76kgを精製水6.84kgに溶解した液を流動層造粒装置を用いて噴霧し、第5層を被覆した粒子を調製した。
アトルバスタチン含有粒子1326.2g、沈降炭酸カルシウム(小堺製薬製、以下同じ)4486.8g、マルトース(三和澱粉工業製、製品名サンマルトーS、以下同じ)66.0gアスパルテーム(味の素ヘルシーサプライ、以下同じ)50.0g、フレーバー調製品(アステラス社製、以下同じ)110.0gの混合物を流動層造粒装置(Glatt社製、製品名GPCG5/15)を用いて、マルトース水溶液(マルトース528.0g含む)2112.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物にショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬製、DKエステル F-20W、以下同じ)33.0gを混合し、この混合物をロータリー打錠機(畑鉄工所社製、製品名HT-X20、以下同じ)を用いて1錠330mgで打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第1層の調製
ラウリル硫酸ナトリウム3.25kgおよびヒプロメロース2.17kgを精製水43.36kgに溶解した液に、アトルバスタチンカルシウム三水和物5.42kgを攪拌下添加して、分散液を調製した。調製した分散液を流動層造粒装置を用いて、結晶セルロース(粒)5.42gに噴霧し、第1層を被覆した粒子を調製した。
第1層を被覆した粒子7.80kgに対し、クエン酸ナトリウム水和物(和光純薬製、以下同じ)1.33kgおよびメチルセルロース1.17kgを精製水30.96kgに溶解した液を、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース0.28kgを精製水15.67kgに溶解した液にメタノール62.67kgを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(エボニックデグサジャパン製、製品名Eudragit E100、以下同じ)2.45kgを添加し溶解させ、タルク1.40kgを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置を用いて、第3層を被覆した粒子10.3kgに対して噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
第3層を被覆した粒子14.43kgに対し、マンニトール0.72kgを精製水6.48kgに溶解した液を流動層造粒装置を用いて噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
アトルバスタチン含有粒子1262.8g、沈降炭酸カルシウム3977.2g、マルトース60.0g、アスパルテーム50.0g、フレーバー調製品110.0gの混合物を流動層造粒装置(Glatt社製、製品名GPCG5/15)を用いて、マルトース水溶液(マルトース480.0g含む)1920.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物にショ糖脂肪酸エステル30.0gを混合し、この混合物をロータリー打錠機を用いて1錠300mgで打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子1262.8g、マンニトール2982.8g、沈降炭酸カルシウム994.4g、マルトース60.0g、アスパルテーム50.0g、フレーバー調製品110.0gの混合物を流動層造粒装置(Glatt社製、製品名GPCG5/15)を用いて、マルトース水溶液(マルトース480.0g含む)1920.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物にフマル酸ステアリルナトリウム120.0gを混合し、この混合物をロータリー打錠機を用いて1錠300mgで打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
マンニトール545.5gを流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、マルトース水溶液(マルトース54.5gを含む)181.7gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。また、同様に沈降炭酸カルシウム646.5gをマルトース水溶液(マルトース64.5gを含む)215gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。このマンニトール造粒物213.2mgおよび沈降炭酸カルシウム造粒物23.7mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフ(島津製作所製、AGS-20KNG、以下同じ)を用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物201.4mgおよび沈降炭酸カルシウム造粒物35.5mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物177.8mgおよび沈降炭酸カルシウム造粒物59.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物118.5mgおよび沈降炭酸カルシウム造粒物118.4mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製した沈降炭酸カルシウム造粒物236.9mgと実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、炭酸水素ナトリウム(関東化学製、以下同じ)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、炭酸水素カリウム(関東化学製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、炭酸マグネシウム(和光純薬製、製品名 塩基性炭酸マグネシウム)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物213.2mg、炭酸水素ナトリウム23.7mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物201.4mg、炭酸水素ナトリウム35.5mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第2層の調製
実施例1で調製した第1層を被覆した粒子300.0gに対し、ラウリル硫酸ナトリウム51.3gおよびメチルセルロース45.1gを精製水688.6gに溶解した液を、流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
第2層を被覆した粒子300.0gに対し、メチルセルロース15.0gを精製水360.0gに溶解した液を、流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて噴霧し、第3層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース8.1gを精製水456.0gに溶解した液に、メタノール1824.0gを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート71.2gを添加し溶解させ、タルク40.7gを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて第3層を被覆した粒子300.0gに対して噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
アトルバスタチン含有粒子99.5g、マンニトール284.0g、炭酸水素ナトリウム50.1g、マルトース5.0g、アスパルテーム3.8g、フレーバー調製品8.3gを流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、マルトース水溶液(マルトース39.6gを含む)198.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物326.7mgとステアリン酸マグネシウム3.3mg(メルク製、以下同じ)を混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
マンニトール253.5g、炭酸水素ナトリウム44.7g、マルチトール(ROQUETTE社製、製品名Sweet Pearl P200、以下同じ)4.5g、アスパルテーム3.8g、フレーバー調製品8.3gを流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、マルチトール水溶液(マルチトール36.0gを含む)180.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物233.9mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mg、ステアリン酸マグネシウム3mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第1層の調製
ラウリル硫酸ナトリウム3.25kgおよびヒプロメロース2.17kgを精製水43.36kgに溶解した液に、アトルバスタチンカルシウム三水和物5.42kgを攪拌下添加して、分散液を調製した。調製した分散液を流動層造粒装置を用いて、結晶セルロース(粒)5.42gに噴霧し、第1層を被覆した粒子を調製した。
第1層を被覆した粒子7.80kgに対し、クエン酸ナトリウム水和物1.33kgおよびメチルセルロース1.17kgを精製水30.96kgに溶解した液を、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース8.1gを精製水4560gに溶解した液にメタノール1824.0kgを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてアミノアルキルメタクリレートコポリマーE71.2gを添加し溶解させ、炭酸カルシウム40.7gを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、第3層を被覆した粒子300.0gに対して噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物239.9mgと本発明のアトルバスタチン含有粒子60.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
マンニトール253.5g、炭酸水素ナトリウム44.7g、マルチトール4.5g、アスパルテーム3.8g、フレーバー調製品8.3gを流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、マルチトール水溶液(マルチトール36.0gを含む)180.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物233.9mgと実施例14で調製したアトルバスタチン含有粒子66.3mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
実施例1で調製した第3層を被覆した粒子300.0gに対して、マンニトール60gと炭酸水素ナトリウム60gを精製水1080gに溶解した液を流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
マンニトール253.5g、炭酸水素ナトリウム44.7g、ラクチトール(ダニスコジャパン製、製品名ラクチトールMC)4.5g、アスパルテーム3.8g、フレーバー調製品8.3gを流動層造粒装置(Glatt社製;製品名GPCG-1)を用いて、ラクチトール水溶液(ラクチトール36.0gを含む)180.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物243.8mgとアトルバスタチン含有粒子86.2mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第1層の調製
ラウリル硫酸ナトリウム5.42kgおよびヒプロメロース(HPMC)2.17kgを精製水43.36kgに溶解した液に、アトルバスタチンカルシウム三水和物5.42kgを攪拌下添加し、分散液を調製した。調製した分散液を、流動層造粒装置を用いて、結晶セルロース(粒)5.42kgに噴霧し、第1層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース9.9gを精製水558.2gに溶解した液にメタノール2233.0gを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート87.1gを添加し溶解させ、タルク49.8gを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置を用いて、第1層を被覆した粒子300.0gに対して噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
メチルセルロース5.2gを精製水99.4gに溶解した液に、炭酸水素ナトリウム(東ソー製、重炭酸ナトリウム、以下同じ)52.3gを精製水994.2gに溶解した液を添加・混合した。この混合液を、第2層を被覆した粒子270.0gに対し、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第3層を被覆した粒子を調製した。
メチルセルロース150gを精製水2850.0gに溶解した液を、第3層を被覆した粒子300.0gに対し、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
(口腔内崩壊錠の調製)
実施例4で調製したマンニトール造粒物204.53mgと本発明のアトルバスタチン含有粒子95.47mgとを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製造した。
(アトルバスタチン含有粒子の調製)
(1)第2層の調製
メチルセルロース10.9gを精製水206.2gに溶解した液に、炭酸水素ナトリウム108.5gを精製水2061.9gに溶解した液を添加・混合した。この混合液を、実施例19で調製した第1層を被覆した粒子400.0gに対し、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第2層を被覆した粒子を調製した。
ヒプロメロース10.8gを精製水607.6gに溶解した液にメタノール2430.2gを添加・混合し、ヒプロメロース液(水・アルコール混液)を調製した。このヒプロメロース液に、続いてポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート94.9gを添加し溶解させ、タルク54.2gを添加し分散させた。この分散液を、流動層造粒装置を用いて、第2層を被覆した粒子400.0gに対して噴霧し、第3層を被覆した粒子を調製した。
マンニトール20.0gを精製水180.0gに溶解した液を、第3層を被覆した粒子400.0gに対し、流動層造粒装置を用いて噴霧し、第4層を被覆した粒子を調製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物229.65mgと本発明のアトルバスタチン含有粒子70.35mgとを混合し、オートグラフを用いて打錠して、本発明の口腔内崩壊錠を製造した。
実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子6314.0g、マンニトール19886.0g、マルトース300.0g、アスパルテーム250.0g、フレーバー調製品550.0gの混合物を流動層造粒装置(Glatt社製、製品名GPCG5/15)を用いて、マルトース水溶液(マルトース2400.0g含む)12000.0gで造粒し、口腔内崩壊錠用の造粒物を調製した。この造粒物にステアリン酸マグネシウム300.0gを混合し、この混合物をロータリー打錠機を用いて1錠300mgで打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物263.7mgと実施例1で調製したアトルバスタチン含有粒子66.3mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物225.1mgおよび沈降炭酸カルシウム造粒物11.8mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物225.1mg、炭酸水素ナトリウム11.8mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、酸化マグネシウム(和光純薬製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、フルクトース(和光純薬製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、リン酸水素カリウム(関東化学製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、ポリエチレングリコール400(三洋化成製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
実施例4で調製したマンニトール造粒物165.8mg、スクロース(和光純薬製)71.1mg、実施例2で調製したアトルバスタチン含有粒子63.1mgを混合し、オートグラフを用いて打錠し、加湿乾燥処理(25〜30℃/40〜62%RH/18時間)を行って、本発明の口腔内崩壊錠を製した。
(液置換溶出試験)
以下の実験例で実施した液置換溶出試験は、口腔内崩壊錠の水なし服用を想定し、ヒトにおける薬物動態(PK)を予測可能な溶出試験法として、以下の条件を設定した。すなわち、日本薬局方溶出試験第1液(JP1)300mLを用いてパドル法(50rpm)を開始し、30分の時点で、日本薬局方溶出試験第2液(JP2)の5倍濃縮液600mLを追加した。
本実験例では、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(Eudragit E)を含む薬物含有粒子を含む口腔内崩壊錠(実施例2及び比較例1の比較;結果を図1に示す)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA)を含む薬物含有粒子を含む口腔内崩壊錠(実施例1及び比較例2の比較;結果を図2に示す)について、液置換溶出試験を実施した。
(液置換溶出試験)
本実験例では、口腔内崩壊錠の賦形剤のマンニトールの炭酸カルシウムへの置換率が、0%(比較例1)、5%(比較例3)、10%(実施例4)、15%(実施例5)、25%(実施例6、実施例3)、50%(実施例7)、100%(実施例8)である各口腔内崩壊錠を用いて、実験例1と同じ条件で液置換溶出試験を実施した。
結果を図3に示す。口腔内崩壊錠の賦形剤のマンニトールの一部分を炭酸カルシウムに置換した結果、10%以上の炭酸カルシウムに置換することにより、薬物溶出が改善されることが判明した。
(液置換溶出試験)
本実験例では、炭酸カルシウム以外の物質により同様の効果が得られるか否かを検討した。
結果を図4に示す。炭酸カルシウムの他、炭酸水素ナトリウム(実施例9)、炭酸水素カリウム(実施例10)、炭酸マグネシウム(実施例11)でも同様の効果(分散性改善による溶出改善)が認められた。
(液置換溶出試験)
本実験例では、炭酸水素ナトリウムの効果を確認するために、Eudragit Eを含む薬物含有粒子を含む口腔内崩壊錠(実施例2及び比較例1の比較;結果を図5に示す)、AEAを含む薬物含有粒子を含む口腔内崩壊錠(実施例14及び比較例2の比較;結果を図6に示す)について、液置換溶出試験を実施した。
アトルバスタチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する核のEudragit E被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(図5の比較例1)、あるいは、同核のAEA被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(図6の比較例2)のいずれにおいても、薬物溶出が抑えられた。いずれも、JP1(0〜30min)で凝集が観察され、この凝集が原因と考えられた。口腔内崩壊錠の賦形剤のマンニトールの一部分を炭酸水素ナトリウムに置換することにより、粒は凝集せず、分散性が改善され、薬物溶出が改善されることが判明した(図5の実施例13、図6の実施例14)。
(液置換溶出試験)
本実験例では、口腔内崩壊錠の賦形剤のマンニトールの炭酸水素ナトリウムへの置換率が、5%(比較例1)、10%(実施例12)、15%(実施例13)、30%(実施例9)である各口腔内崩壊錠を用いて、液置換溶出試験を実施した。
結果を図7に示す。口腔内崩壊錠の賦形剤のマンニトールの一部分を炭酸水素ナトリウムに置換した結果、10%以上の炭酸水素ナトリウムに置換することにより、薬物溶出が改善されることが判明した。
(錠剤硬度試験)
アトルバスタチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する核のEudragit E被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(実施例13)及びAEA被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(実施例14)と、結合剤のマルトースをマルチトールに置換した口腔内崩壊錠(実施例15、17)の錠剤硬度を硬度測定装置(PHARMATRON社製、Model 6D)により、測定した。実施例13、14(マルトース)の口腔内崩壊錠(加湿乾燥処理せず)の錠剤硬度は53N、50Nであり、実施例15、17(マルチトール)の口腔内崩壊錠(加湿乾燥処理実施)の錠剤硬度は37N、34Nであった。口腔内崩壊錠の結合剤のマルトースをマルチトールに置換した結果、マルトースと同様に加湿乾燥による硬度上昇が認められた。
錠剤硬度を測定したアトルバスタチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する核のEudragit E被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(実施例13、15)の液置換溶出試験を実施した。
結果を図8に示す。液置換試験においても良好なプロファイルを示し、マルトースと同様の性能の有することが確認された。
錠剤硬度を測定したアトルバスタチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する核のAEA被覆粒を含有する口腔内崩壊錠(実施例14、17)の液置換溶出試験を実施した。
結果を図9に示す。液置換試験においても良好なプロファイルを示し、マルトースと同様の性能の有することが確認された。
(液置換溶出試験)
アトルバスタチン及びラウリル硫酸ナトリウムを含有する核のEudragit E被覆粒(被覆粒子の第3層がEudragit E、タルク、ヒプロメロースからなる)を含有する口腔内崩壊錠において、第3層のタルクを炭酸カルシウムに置換した口腔内崩壊錠(実施例16)及びアミノアルキルメタクリレートコポリマーE(Eudragit E)及びタルクを含む被覆膜の外側に炭酸水素ナトリウムを被覆した薬物含有粒子を含む口腔内崩壊錠(実施例18)の液置換溶出試験を実施した。
結果を図10に示す。Eudragit E膜のタルク(可塑剤)を炭酸カルシウムに置き換えたところ、溶出が改善された。また、炭酸水素ナトリウムを外側に被覆した場合も溶出が改善された。このことから、賦形剤として配合する他、微粒子の被覆成分として用いた場合も、本発明の所望の効果を有することが確認された。
(イヌ試験)
炭酸カルシウムの有用性をvivoで評価するために、口腔内崩壊錠の水なし服用を想定し、少量の水(5mL)で投与するイヌ試験を実施した。健常人を想定し、胃内酸性イヌで評価した。
賦形剤としてマンニトールを含有する比較例1(Eudragit E被覆)、マンニトールを全て炭酸カルシウムに置換した実施例2(Eudragit E被覆)及び実施例1(AEA被覆)、マンニトールの一部(25%)を炭酸カルシウムに置換した実施例3(Eudragit E被覆)について、実験を行った。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
Claims (7)
- アトルバスタチン又はその製薬学的に許容される塩、及びラウリル硫酸ナトリウムを含む核が、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体またはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと水溶性高分子物質とを含有する被膜物質により被覆されてなる粒、及び炭酸水素塩を含有してなる、薬物溶出性が改善された口腔内崩壊錠。
- 炭酸水素塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムからなる群より選択される1種または2種である、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
- 炭酸水素塩を賦形剤として含有する、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
- 成形性の低い糖類を、賦形剤として更に含有する、請求項3に記載の口腔内崩壊錠。
- 炭酸水素塩を、被膜物質で被覆されてなる粒の被膜成分として、あるいは、被膜物質で被覆されてなる粒のその被覆層の内側または外側のコーティング中に含有する、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
- 成形性の高い糖類を、結合剤として更に含有する、請求項5に記載の口腔内崩壊錠。
- アトルバスタチン又はその製薬学的に許容される塩、及びラウリル硫酸ナトリウムを含む核が、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体またはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートと水溶性高分子物質とを含有する被膜物質により被覆されてなる粒を含んでなる口腔内崩壊錠を製造するための、炭酸水素塩の使用。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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