JP2004175796A - 排尿障害治療用口腔内崩壊製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する製剤であって、高齢者が水を用いることなく服用でき、口腔内で容易に崩壊して唾液とともに嚥下可能で、かつ不快な味を呈しない製剤を提供する。
【解決手段】 排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物を含有する口腔内崩壊製剤。例えば、水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、必要により添加してもよい第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、又は造粒せずに、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られ、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である。

Description

本発明は、服用に適した排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物を含有する口腔内崩壊製剤に関する。
排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物としてはアドレナリンα1受容体遮断薬などが知られている。アドレナリンα1受容体遮断薬は、本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症、または前立腺肥大に伴う排尿障害の治療薬として広く使用されている。アドレナリンα1受容体遮断薬を必要とする適応症は、慢性疾患のため、長期服用する場合が多く、患者の生活状況に応じた飲みやすく取り扱いやすい剤型の製剤は必要性が極めて高い。
従来、排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物の医薬形態としては、錠剤やカプセル剤が広く用いられている。例えば、アドレナリンα1受容体遮断薬である、ナフトピジル、塩酸テラゾシン、塩酸ブナゾシンおよび塩酸プラゾシンは、それぞれを有効成分として含有する錠剤が治療に用いられている。また、塩酸タムスロシンやウラピジルを有効成分とするカプセル剤も市販されている。
これらの治療を必要とする患者の大多数は高齢者であり、錠剤あるいはカプセル剤が飲み込み難く、服用の際に喉等につかえる等の不快感を感じるなど、嚥下力の弱い患者が存在する。また、夜間の排尿の問題から就寝前の水分の摂取は控えなければならない患者も存在する。さらに日常生活において常に水を携帯することは困難であって、状況によっては水が入手困難となるケースも有り、従来の錠剤あるいはカプセル剤では、不便な場合もある。
さらに、その他の剤型、例えば、散剤、顆粒剤では口腔内に残留し嚥下しずらく、口中に不快感が残るケースもある。また、シロップ剤では、高齢者用に好ましいとされる剤型とも考えられるが、携帯性が悪く、計量による服用は、困難性が高く、正しい量の服用が期待できない問題点もある。
国際公開WO93/12769号には、医薬物質と乳糖及びマンニトールを寒天水溶液に懸濁させ、ポリプロピレン製のPTPシートの成型ポケット等に充填してゼリー状に固化させ、減圧乾燥した後、アルミ箔をシールしてPTP包装品とする口腔内崩壊性製剤が記載されている。これらの方法の原理は、成型時に水に濡れやすい糖アルコールのような湿潤する担体を含有し、適度の空隙率を有する多孔性の錠剤とすることを基本原理としている。
また、特開平11−189516号公報、国際公開WO99/04758号、国際公開WO98/14179号には、炭酸塩及び有機酸を配合し、錠剤中に発泡させて崩壊性を促進する発泡性製剤が開示されているが、この製剤では、酸性で溶けやすい薬物を適用した場合に薬物が口中に溶け出して苦味が発生し、また薬物が口腔粘膜から吸収される可能性がある。これらを防止するために薬物溶解を妨げる工夫を施さなければならないが、その手段は知られていない。
国際公開WO93/12769号 国際公開WO98/14179号 国際公開WO99/04758号 特開平8−291051号公報 特開平11−189516号公報 特公昭60−29712号公報 特公平06−2673号公報
本発明の課題は、排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物を含有する口腔内崩壊製剤を提供することである。さらに、高齢者等が排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物を服用する際に、水を用いずに服用することができ、例えば不快な味やざらつきなどの違和感を生じることのない製剤を提供することも本発明の課題である。さらに、PTP容器(Press Through Package)から容易に取り出すことができる程度の強度を有する製剤を提供することも本発明の課題である。
本発明者らは前述の問題点を解決するため、排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物のうち、口中で溶け出さない水難溶性の薬物について種々検討を行った。その結果、製剤を構成する担体として糖アルコール類又は糖類のような水溶性物質の比率を高め、製剤を低圧で圧縮して通常の錠剤よりも錠剤の空隙率を上げることで錠剤への吸水力を向上させ、さらに吸水により膨張する添加物を配合することによって速崩壊性が得られること、及び薬物の粒径を実質的に約0.1〜100μm、好ましくは0.4〜105μmとすることにより、ザラツキ感がなく、嚥下がスムーズであり、かつ、口腔内での崩壊時間が50秒以内、好ましくは45秒以内の口腔内崩壊製剤、特に好ましくは圧縮口腔内崩壊製剤、及びその製造方法を提供できることを見出した。
すなわち、本発明により、以下の各発明が提供される。
1.排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物を含有する口腔内崩壊製剤。
2.錠剤強度が3kgf以上であり、かつ試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験法での崩壊時間が50秒以内である上記1に記載の口腔内崩壊製剤。
3.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、必要により添加してもよい第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、又は造粒せずに、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1又は2に記載の口腔内崩壊製剤。
4.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1ないし3のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
5.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた混合物又は造粒物を湿潤条件下で型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1ないし3のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
6.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を混合し(ただし第2の添加物の少なくとも一部は造粒されている)、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1ないし5のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
7.第2の添加物における造粒物に対する第1の添加物における薬物含有造粒物の混合比率が3以下である上記6に記載の口腔内崩壊製剤。
8.第1の添加物中の造粒物の平均粒径が第2の添加物中の造粒物の平均粒径より小さい平均粒径である上記6又は7に記載の口腔内崩壊製剤。
9. 第1の添加物中の造粒物の平均粒径が第2の添加物中の造粒物の平均粒径より小さく、且つ第1の添加物中の造粒物の平均粒径が約50〜150μmであり、第2の添加物中の造粒物の平均粒径が約80〜300μmである上記6ないし8のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
10.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに造粒された糖又は糖アルコール、セルロース類、及びセルロース類に属さない崩壊剤を混合し、必要によりさらに滑沢剤を添加して、乾燥状態でこの造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1ないし4、又は上記6ないし9のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
11.(1)第1の添加物が崩壊剤である;(2)造粒された糖又は糖アルコールが、エリスリトール、D-マンニトール、ソルビトール、乳糖、トレハロースのいずれかから選択された一つ以上の造粒物である;(3)セルロース類が結晶セルロースである;及び(4)セルロース類に属さない崩壊剤がクロスポピドンである;以上の(1)ないし(4)のいずれか1つ以上を満足する上記10に記載の口腔内崩壊製剤。
12.造粒された糖又は糖アルコールにおいて粒径53μm以下の造粒物の割合が10%以下であり、かつ粒径500μm以上の造粒物の割合が15%以下であり、さらに平均粒径が180〜240μmである造粒D-マンニトールである上記10又は11に記載の口腔内崩壊製剤。
13.造粒されたD-マンニトールの含有率が製剤重量の20〜80%である上記10又は11に記載の口腔内崩壊製剤。
14.平均粒径が38〜75μmであって、目開き75μmの篩を通過する粒子における粒子の平均長径短径比(L/D)が2.0〜4.5である結晶セルロースを含む上記1ないし13のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
15.造粒されたD-マンニトールと結晶セルロースとの重量混合比が4:1〜1:1である上記1ないし14のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
16.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、該造粒物をさらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤と混合し、乾燥状態の該混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後に乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記1ないし4、又は上記6ないし9のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
17.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を混合し(ただし第2の添加物の少なくとも一部は造粒されている)、得られた造粒物又は混合物を乾燥状態で型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である上記16に記載の口腔内崩壊製剤。
18.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物とを混合し、造粒し、該造粒物をさらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤と混合し、乾燥状態の該混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が5%w/w以下である上記16又は17に記載の口腔内崩壊製剤。
19.圧縮成型時の圧力が0.1〜20MPaである上記1ないし9、又は上記16ないし18のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
20.ざらつき及び/または苦味が低減された上記1ないし19のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
21.薬物が不快な味を呈する薬物である上記1ないし20のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
22.薬物がナフトピジル、YM−905、又はKMD−3213のいずれかである上記1ないし21のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
23.薬物がナフトピジルであり、ナフトピジルの含量が口腔内崩壊製剤の1〜99%である上記1ないし22のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
24.ナフトピジルとエリスリトールを含有する上記1ないし23のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
25.ナフトピジルとエリスリトールとの重量比が1:0.5〜1:20である上記24に記載の口腔内崩壊製剤。
26.D-マンニトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、乳糖、又はソルビトールのいずれかとナフトピジルとを含有する上記1ないし25のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
27.水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、必要により添加してもよい第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を、造粒せずに、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、この造粒物又は混合物を型に投入して、0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である口腔内崩壊製剤。
28.圧縮口腔内崩壊剤である上記1ないし27のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
29.上記1ないし28のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤の製造方法。
本発明の製剤は、口中で速やかに崩壊し、口中でのザラツキ感などの違和感や苦味を感じることなく唾液とともに速やかに飲みこめるという特徴があり、高齢者等が水を用いずに容易に服用できる。
本発明の口腔内崩壊製剤は、口中で速やかに崩壊し、口中でのザラツキ感などの違和感や苦味を感じることなく、水を用いずに唾液とともに嚥下可能な製剤である。本発明の製剤は、舌下において吸収される舌下剤とは区別され、有効成分自体は口腔内において実質的には吸収されない。
本発明の製剤は、例えば、舌の上等の口腔内において、水を服用することなく速やかに崩壊するが、崩壊に要する時間は、例えば、50秒以内、好ましくは45秒以内であり、さらに好ましくは30秒以内、特に好ましくは20秒以内である。製剤の崩壊後、有効成分は実質的に唾液中に溶解せずに唾液とともに嚥下される。もっとも、ヒトの唾液には個人差があることから、本発明の製剤の崩壊時間を客観的に評価するためには、例えば、試験液として水を用いて日本薬局方崩壊試験に従って崩壊試験を行った場合に、崩壊時間が50秒以内であることが好ましく、45秒以内であることがさらに好ましく、30秒以内であることが特に好ましい。
本発明の口腔内崩壊製剤は固形製剤であり、水分量は製剤全重量に対して通常10重量%以下であることが好ましいが、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下である。
本発明の口腔内崩壊製剤の形状は特に限定されないが、円盤状などの放射状の形状であることが好ましい。典型的には錠剤の形状を挙げることができる。製剤のサイズも特に限定されないが、例えば指でつかみ易く、かつ口に含み易いサイズを選択できる。さらに、直接嚥下されないように若干大きめのサイズであることが好ましい。例えば、長径(円盤状であれば直径)が5〜22mm、厚みが1〜8mmであることが好ましく、より好ましくは長径が6〜20mm、厚みが1.5〜6mmであり、さらに好ましくは長径が7〜18mmで厚みが2〜5mm程度である。
製剤強度は、PTP容器からの押出しによって破壊されない強度であることが好ましく、より具体的には3kgf以上であることが好ましく、より好ましくは3.5kgf以上であり、さらに好ましくは4kgfである。製剤の硬度は、例えば、錠剤硬度計(岡田精工、TS-50N)を用いて測定することができる。
排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物としては、アドレナリンα1受容体遮断活性を有する薬物、コリン作動薬、ムスカリン受容体拮抗作用を有する薬物などが代表例として知られている。アドレナリンα1受容体遮断活性を有する薬物とは、アドレナリンα1受容体に支配される臓器機能を抑制するもので、さらに詳しくは、前立腺のアドレナリンα1受容体に対して高い親和性を示す有効なアンタゴニストであり、尿道及び前立腺に分布する交感神経の緊張を緩和することにより、前立腺及び尿道平滑筋の収縮を抑制するものである。具体的には、例えば、ナフトピジル、タムスロシン、テラゾシン、ブナゾシン、ウラピジル、モキシシリト、ドキサゾシン、アルフゾシン、ウピドシン、メタゾシン、フィデュクソシン、インドラゾシン及びこれらの塩類等が挙げられる。
本発明において特に好ましいのは、ナフトピジル、塩酸プラゾシン、ウラピジルである。さらにナフトピジルが特に好ましい例として挙げられる。また、YM−905(solifenacin succinate;(+)-(1S,3'R)-quinuclidin-3'-yl-1-phenyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-2-carboxylate monosuccinate;国際公開WO96/20194号)、又はKMD−3213(silodosin;(-)-(R)-1-(3-hydroxypropyl)-5-[2-[2-[2-(2,2,2-trifluoroethoxy)phenoxy]ethylamino]propyl]indoline-7-carboxamide;米国特許第5387603号明細書)も好ましい例として挙げられる。
ナフトピジルは、化学名[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]−3−(1−ナフチロキシ)プロパン−2−オールであり、特公昭60−29712号公報に開示されている。特公平6−2673号公報には、ナフトピジル及びその塩を用いた前立腺肥大における排尿困難治療の用途が開示されている。ナフトピジルはヒト前立腺のα1受容体に対して高い親和性を示す有効なアンタゴニストであり、尿道及び前立腺に分布する交感神経の緊張を緩和することにより、前立腺及び尿道平滑筋の収縮を抑制する。またナフトピジルは多数の臨床的研究において、前立腺肥大に伴う排尿障害に対して改善作用を示すことが証明され、経口用錠剤すなわち、ナフトピジル錠として既に発売されている。ナフトピジル錠は前立腺肥大症に伴う排尿障害の成人に、ナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1ないし2週間の間隔をおいて50〜75mgに漸増し、1日1回服用することが臨床的試験結果から設定されている。
塩酸プラゾシンは、化学名1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4−(2−フラニルカルボニル)ピペラジン ヒドロクロライドである。第2回αブロッカー研究会誌P.121,1984,メディカル・ジャーナル社に前立腺肥大における排尿障害治療の効果が記載されており、前立腺肥大症に伴う排尿障害の成人1日1−1.5mg(1回0.5mg 1日2−3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1−2週間の間隔をおいて1.5−6mgまで漸増し、1日2−3回服用することが設定されている。
ウラピジルは、化学名6−[[3−[4−(ο−メトキシフェニル)−1−ピペラゾニル]プロピル]アミノ]−1,3−ジメチルウラシルである。泌尿器外科P.267,6(3),1993、に前立腺肥大における排尿障害治療の効果が記載されており、前立腺肥大症に伴う排尿障害の成人1日30mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1−2週間の間隔をおいて1日60−90mgまで漸増し、1日2回に服用することが設定されている。
前立腺肥大症に伴う排尿障害は、特に成人男子にみられ、その発生は40歳頃からみられ、加齢とともに増加して70歳代でピークに達し、65歳以上の高齢者においては約20%が治療の対象とされている。
本明細書において「水難溶性」の用語は、例えば、150μmふるいを通過する粉末を、1000mlの精製水中に入れ、20±5℃で、5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内の溶解量が1g未満である場合を意味する。
アドレナリンα1受容体遮断活性を有し、且つ水難溶性である薬物は、さらに不快な味を有する薬物である場合に、その不快な味をより感じない製剤となすことが出来る点で、さらに好ましい効果を与える。不快な味としては、代表的には、苦味が例示され、例えば、ナフトピジルが代表的な例として挙げることができる。ナフトピジルに関しては1錠中の含量は25mg〜75mgが好適である。
前述の薬物の粒径は、口中でのザラツキ感や、違和感等を感じ難い効果を達成するためには、例えば、薬物粒子が実質的に105μm以下の粒径であることが好ましく、より好ましくは89μm以下、さらに好ましくは74μmである。ザラツキ感や違和感の低減の効果からすれば、特に下限は問題とされないが、特に、薬物が不快な味を有する場合には、粒径が小さすぎると水難溶性薬物も溶解しやすく、味を感じる場合がある。従って、薬物の粒径としては実質的に0.4μm以上となることが好ましく、さらに好ましくは0.8μm以上、特に好ましくは1.2μm以上が例示される。実質的とは、粉砕物の粒径分布を測定したときにその殆どが含まれることを意味し、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が含まれる場合が例示される。例えば、粉砕機の条件を適切に選択して粉砕した後に得られた粉砕物などが含まれる。また、薬物の粒子の平均粒径としては、1〜40μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3−35μm、さらに好ましくは4〜30μmが例示される。
薬物を前述の粒径にするためには、例えば、篩により粒径を揃える方法、メンブランフィルターにより粒径を揃える方法、また適宜の方法により粉砕する方法等が例示される。粉砕する方法や、その際に使用される粉砕機は特に限定されないが、例えば、ピンミル粉砕機、ボールミル粉砕機、ハンマーミル粉砕機の使用が好適である。運転条件等は、適宜作成される粒径を測定して決定すればよい。
唾液のpHは個人差や、体調によって変動が多く、中性−弱アルカリ性(pH6−7)で変動すると言われている(医学大辞典、南山堂)。本発明の口腔内崩壊製剤は、口腔内で崩壊したときに、唾液のpHでは溶解しない性質の薬物が好適である。
本発明の口腔内崩壊製剤の用途としては、アドレナリンα1受容体遮断活性薬の薬効が期待される薬剤であれば特に限定されず、例えば、本態性高血圧症,腎性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症及び前立腺肥大に伴う排尿障害等の治療、または予防剤が例示される。アドレナリンα1受容体遮断活性薬がナフトピジルのときには、特に、前立腺肥大に伴う排尿障害等の治療及び/又は予防剤が例示される。
本発明の口腔内崩壊製剤の製造法としては、本発明の口腔内崩壊製剤が製造し得るのであれば特に限定されないが、排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療活性を有する薬物を含有する製剤が、圧縮成型によって成型され、試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験法での崩壊時間が50秒以内、好ましくは45秒以内、より好ましくは30秒以内、さらに好ましくは20秒以内であり、及び/又は製剤強度が3kgf以上等の条件を有する口腔内崩壊製剤を製造できる方法を選択することが好ましい。
本発明における好ましい製造法として、例えば、上記3.の態様に従う口腔内崩壊製剤の製造方法が例示される。
すなわち、水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μm程度の排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤と混合し、好ましくは造粒をした後、さらに必要に応じて第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を混合し、この造粒物又は混合物を型に投入して圧縮成型する方法であり、このようにして、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である口腔内崩壊製剤を製造することが好ましい。
上記方法は、一般に製剤の分野で用いられる装置により実施することができる。圧縮成型する装置としては、錠剤の成形に使用する打錠用臼、および打錠用上杵、下杵の部品を用い、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機またはロータリー式打錠機が用いられる。これらは圧縮成形時の圧縮速度の違いにより、非打撃型と打撃型とに分類することができる。非打撃型は油圧式ハンドプレス機であり、単発式打錠機またはロータリー式打錠機は打撃型である。圧縮成型機としては、打撃型圧縮成型機と非打撃型圧縮成型機のいずれでも採用することができるが、大量に製造するに際しては打撃型圧縮成型機を採用することが好ましい。打撃型圧縮成型機とは、単発式打錠機またはロータリー式打錠機と呼ばれる機器で、生産ラインに通常使用される通常の打錠機がこの分類に属するが、一瞬の圧力により圧縮するものであり、圧力が与えられる時間は通常長くとも2秒以内程度であり、好ましくは1又は0.5秒以内であることが通常である。打錠用臼、および打錠用上杵、下杵の打錠用部品数を変化させることができるが、各部品が1つのものを単発打錠機と本件明細書において記載している。また、非打撃型圧縮成型機とは、ハンドプレス機等を利用して徐々に圧力を与えるものであり、圧力が与えられる時間は通常2秒以上、5〜10秒程度であることが通常である。例えば、油圧式ハンドプレス機が好ましい。
一般に打撃型は、非打撃型に比べて、同一の錠剤硬度を得るためには成形圧力が多く必要になる。非打撃型圧縮成型機(油圧式ハンドプレス機)の打圧力は、打撃型圧縮成型機のほぼ10分の1程度の力で、同一錠剤硬度の錠剤を製することができる。
本発明の製造方法における圧縮成形に関しては、錠剤として成形でき、かつ錠剤の硬度を確保するとともに、錠剤中に最大限の空隙を確保して口腔内崩壊錠として速やかに崩壊できるようにする点に留意が必要である。圧縮成型する際に用いられる圧力としては、製剤自体が破損等を起こさない取り扱いが容易な錠剤硬度となるように選択すればよく、通常選択される圧力であれば特に問題とならないが、場合によっては低圧力であることが好ましい。低圧力は、用いる圧縮成型機の種類、臼杵の形状、打錠末の製造方法などに応じて適宜選択可能であり、打錠圧は普通錠に比べて小さくなる。非打撃型圧縮成型機(油圧式ハンドプレス機)の打錠圧の下限としては、好ましくは0.1MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上、または0.3MPa以上が例示され、さらに0.5MPa以上、より好ましくは1MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上が例示される。また上限としては、通常20MPa以下、好ましくは10MPa以下、さらに好ましくは8MPa以下、6MPa以下が特に好ましい。また打撃型圧縮成型機の打錠圧の下限としては、好ましくは1MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上、特に好ましくは3MPa以上が例示され、上限としては、通常150MPa以下、好ましくは100MPa以下、さらに好ましくは80MPa以下、または70MPa以下、さらに60MPa以下が特に好ましい。
成型物を湿潤または加湿せしめた後に乾燥する方法としては、特開平8−291051号公報に記載の方法を参考にすることができる。例えば、打撃型圧縮成型機の打錠圧としては、20MPa以下が好ましい。さらに上限としては20MPa以下、さらには18MPa以下がより好ましい例として挙げられる。また下限としては、1MPa以上、好ましくは2MPa以上が例示される。
添加物のうち、滑沢剤の添加方法は、打錠する混合末自体に添加する方法、又は打錠用臼杵の内壁に付着せしめる方法のいずれであってもよい。造粒に用いる装置としては、例えば、湿式造粒の場合には、流動層造粒乾燥機、攪拌造粒機、円筒押出造粒機、転動流動層造粒コーティング機等が用いられる。また乾式造粒の場合には、ローラーコンパクター等の乾式造粒機、スラッグ打錠機等が用いられる。乾燥に用いる装置としては、例えば、棚型乾燥機、流動層造粒乾燥機があげられる。棚型乾燥機は、流動層造粒乾燥機に比べて被乾燥物に物理的な力がかからないため、流動層造粒乾燥機で乾燥中に造粒末が破壊されるような被乾燥物を乾燥するのに適している。
上記製造方法においては、薬物に対して第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を添加するか否かは任意であるが、通常は添加することが好ましい。また、第1の添加物として水溶性添加物のみを用いる場合、水不溶性添加剤のみを用いる場合、又は水溶性添加物及び水不溶性添加剤を共に用いる場合に分類することができるが、製造方法によりいずれが好ましいかは当業者が適宜決定できる。例えば、後述する10.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造法においては、水溶性添加物及び水不溶性添加剤を用いることが通常好ましい。また、後述する16.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造法においては、できる限り水溶性添加剤のみを用いることが通常好ましい。
薬物と必要により添加してもよい第1の添加物とを混合して造粒する場合の他、造粒せずに本発明の口腔内崩壊製剤を製造することも可能である。造粒せずに製造する場合の代表例として、上記27.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造法が挙げられる。通常の場合には造粒することが好ましく、代表例として上記4.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造法が挙げられる。
上記製造方法において、第2の添加物の添加も任意であるが、添加することが好ましい。さらにこの第2の添加物中には造粒物が含まれていても、含まれていなくともよい。第2の添加物には造粒物が含まれていていることがより好ましい。第2の添加物に造粒物が含まれる場合の代表的な例としては、上記6.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。第2の添加物として造粒された糖又は糖アルコールを添加する場合も好ましく、代表的な例として上記10.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。また、種々の第2の添加物を造粒化する場合の代表例として、上記17.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。第2の添加物として、さらに滑沢剤なども必要に応じて好ましく選択される。
薬物と、必要により添加される第1及び第2の添加物から調製される造粒物又は混合物を型に投入して圧縮成型するに際して、湿潤(または加湿)条件下で行う場合と乾燥条件下で行う場合に分けることが出来る。湿潤(または加湿)条件下で行う場合の代表例として、上記5.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。また乾燥条件下で行う場合の代表例として、上記10.及び上記16.の態様に従うそれぞれの口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。さらに、圧縮成型後の成型物を加湿(または湿潤)せしめた後に乾燥することも好ましい。この代表例としては、上記16.の態様に従う口腔内崩壊製剤に係る製造方法が挙げられる。
上記3.の態様に従う口腔内崩壊製剤の製造方法における一般的な組合わせを述べると以下の通りである。
水溶性添加物は当業者に容易に理解できるものであり、例えば、第十四改正日本薬局方通則記載の溶解性を示す試験方法に従ったときに、物質1gを溶かすのに要する水の量が10000mL未満のものを示す物性であるとして理解することができる。例えば、ブドウ糖、果糖、乳糖、白糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール等の糖類及び糖アルコール類や、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プルラン等のポリマー等が例示される。また水不溶性添加物も当業者には当然に理解できるものであり、通常は、水溶性添加物以外の添加物のことと理解でき、例えば、エチルセルロース、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシピロピルセルロース等の有機物質や、酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウムなどの無機物質、あるいは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、硬化ナタネ油、硬化ひまし油等の油脂性物質等を挙げることができる。
該製剤中における水不溶性添加剤は、該製剤を口腔内で崩壊した後に口腔内または舌上に残留物として存在するため、口腔内でザラツキ感等の違和感を生じさせる場合があり、水不溶性添加剤による口腔内での違和感は、該製剤中の水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上の場合に顕著となることがある。従って、該製剤中の水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上の場合には、水不溶性添加剤の平均粒径が小さいことが好ましい。通常、水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下であることが好ましく、より好ましくは平均粒径が90μm以下、特に好ましくは平均粒径が80μm以下が例示される。
賦形剤としては、水に対する溶解性が高く、圧縮成型後の成形状態が良好である糖類あるいは糖アルコールが適当な例として挙げられ、さらに具体的には、例えば、ブドウ糖、果糖、乳糖、白糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール等が挙げられる。また、圧縮成型後の成形状態が良好である噴霧乾燥法で製した造粒物は好適であり、乳糖、マンニトール、ソルビトール等の製品が挙げられる。これらの造粒物は流動性に優れ、安息角としては40度以下が好ましく、更に好ましくは39度以下で、非常に好ましくは38度以下である。これらは単独あるいは2種類以上を併用して用いてもよい。結合剤としては、例えば、水溶性物質を選択することができ、その場合には、例えば、ゼラチンや、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プルラン、部分α化澱粉、糖類、糖アルコール等が挙げられる。
これらの添加物は単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、また、溶媒に溶解して造粒工程に供することもできる。また、配合することにより錠剤の崩壊時間を短縮させる物質として崩壊剤を用いることもできる。崩壊剤としては、セルロース類に属さない崩壊剤、及びセルロース類に属する崩壊剤のいずれを用いてもよい。セルロース類に属さない崩壊剤としては、例えば、クロスポピドン、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、部分α化澱粉、コーンスターチ、乳糖、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。またセルロース類に属する崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシピロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。これらは単独あるいは2種類以上を併用して用いてもよい。また、溶解補助剤として酸化マグネシウム、酸化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、硬化ナタネ油、硬化ひまし油、グリセリン脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、安息香酸ナトリウム、L-ロイシン、L-バリン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ステビア、ソーマチン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
香料としては、ミント、レモン、オレンジ等が挙げられる。懸濁液の分散性の改善目的で、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体などの非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を添加することができる。さらに、本発明の口腔内崩壊製剤に含まれる薬物は、崩壊したときに唾液のpHでは溶解しない性質の薬物が好適であるが、場合によっては、グリシン、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、又はクエン酸等の有機酸またはその塩類などのpH調整剤を使用することもできる。
これら添加物の中で水に不溶な添加物を配合する場合は、口腔内でザラツキ感などの不快感を回避するため、本発明の製剤中の含有率の10%以上、好ましくは8%以上、さらに好ましくは6%以上を有する水不溶性の添加物については、その平均粒径を、通常、150μm以下にすることが好ましく、実質的に105μm以下、より好ましくは100μm以下とするのがよい。さらに好ましくは90μm以下、特に好ましくは75μm以下の粒径である。
湿潤(または加湿)のために用いる溶媒としては、除去が容易であり、かつ薬学的に許容される溶媒であれば特に種類は限定されない。例えば、水、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコールが挙げられる。より好ましくは、水や水−エタノールとの混液が好適であり、水、又はエタノールがさらに好ましい。該薬物が難溶性又は溶解しない溶媒であることも好ましい。湿潤(または加湿)工程において、水等の溶媒を添加するか、又は溶媒の飽和雰囲気下に放置する等の積極的な工程を行うことができるが、あるいは前工程において湿潤状態の造粒物又は混合物が得られる場合には乾燥を行わず湿潤状態(加湿状態)のまま次工程を行うことで湿潤(または加湿)工程を省略することもできる。
乾燥方法としては、減圧乾燥、通風乾燥、流動層造粒乾燥機を用いた乾燥、マイクロウエーブ照射による乾燥などを例示することができる。その他に使用される添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、溶解補助剤、滑沢剤若しくはその他の担体等が例示されるが、これらに限定されることはない。
本発明の製剤中の薬効成分の含有量の下限は特に限定されないが、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、上限は、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下で、特に好ましくは40重量%である。賦形剤の含有量の下限は、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、特に好ましくは15重量%以上である。上限は99重量%以下、好ましくは90重量%以下で、特に好ましくは85重量%以下である。結合剤の含有量の下限は、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは1重量%以上、であり、上限は20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。上記割合はいずれも製剤の全重量に対する割合である(特に言及しない場合には明細書中において同じである。)。
崩壊剤を添加する場合、その含有量は、崩壊剤の機能を保ちながら、且つ舌ざわりがない重量であればよく、下限は好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは2重量%以上が例示され、上限は好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下、特に好ましくは15重量%以下が例示される。滑沢剤がなくても打錠できれば添加しなくても良いが、滑沢剤を添加する場合、その含有量の下限は、好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上が例示され、上限は、好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2重量%以下が例示される。また、本発明の口腔内崩壊製剤は、水分が製剤重量10重量%以下で、好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは7重量%以下あることが好ましい。
また、その他の製造方法として、例えば、有効成分とする薬物に、添加物を混合せしめ、該薬物が溶解しない溶媒にて該混合物を湿潤せしめ、型に投入して,好ましくは低圧力で圧縮成型した後乾燥する方法がある。すなわち、具体的には、排尿障害およびそれに関連する疾患の治療用薬物であって、粒径0.4−105μmの水難溶性の薬物に、添加物を混合せしめ、該混合物を湿潤せしめ、型に投入して、0.1−100MPaの圧力で圧縮成型した後、乾燥する方法が挙げられる。
上記の方法に密接に関連する製造方法としては、上記5.の態様に従う製造方法が挙げられる。この製造方法においては、添加物として賦形剤と結合剤の組み合わせが通常好ましく選択される。賦形剤としては水溶性添加物の糖または糖アルコールが好ましく、具体的にはD-マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、乳糖、造粒乳糖(通常、噴霧乾燥による)、造粒D-マンニトール(通常、噴霧乾燥による)が挙げられ、このうち、D-マンニトール、乳糖、エリスリトール、造粒乳糖、造粒D-マンニトールが好ましい例として挙げられる。結合剤としては水溶性添加物を用いることが好ましく、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プルラン、部分α化澱粉が挙げられ、このうち、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)を使用することが好ましい。
本発明の方法における打錠圧の下限は特に限定されないが、好ましくは0.1MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上が例示される。打錠圧の上限も特に限定されないが、好ましくは、25MPa以下、さらに好ましくは22MPa以下であり、20MPa以下が特に好ましい。通常、打錠圧は0.1〜20MPaの範囲であることが好ましい。
すなわち、本発明の好ましい製造方法をより具体的に記載すると、粒径の細かな水難溶性の薬物に対して、添加物として賦形剤(例えば、マンニトール及び/又は乳糖等)と結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等)を添加して混合し、その後に得られた混合物を造粒し、必要により滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムやフマル酸ステアリルナトリウム等)、溶解補助剤、甘味剤、香料等を適宜混合し、得られた混合物を湿潤させて型に投入した後、適宜の圧力にて圧縮成型して乾燥する方法が挙げられる。
上記10.の態様に従う製造方法も好ましい例として挙げられる。この製造方法においては、難溶性薬物と第1の添加剤とを混合して造粒する場合、造粒物の崩壊を考慮して、崩壊剤として特に水不溶性の崩壊剤を添加することが有効である。水不溶性の崩壊剤としてはクロスポビドンが好ましく、具体的には、好ましいグレードとして、ポリプラスドンXL、ポリプラスドンXL-10、ポリプラスドンINF-10等が例示される。平均粒径が10〜30μmのポリプラスドンINF-10を使用することが好適である。崩壊剤を添加する場合には、水不溶性の崩壊剤の量は少ない方が膨れ感が舌に感じることがなく好ましい。該崩壊剤の量は特に限定されないが、薬物と第1の添加剤との造粒物の全重量に対して15重量%以下が好ましく、12重量%以下がより好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。第2の添加剤として崩壊剤、特に水不溶性の崩壊剤を添加することもまた有効である。添加する水不溶性の崩壊剤としてはクロスポビドンが好ましく、具体的なグレードは前述の通りである。例えば、平均粒径が80〜100μmのポリプラスドンXLを使用することが好適である。錠剤が水分を含んだ場合に膨れ感が舌に感じるとの違和感が感じられるため、水不溶性の崩壊剤の添加量は少ない方が好ましい。すなわち、崩壊剤の量は製剤の全重量に対して10重量%以下が好ましく、8重量%以下がより好ましく、5重量%以下が特に好ましい。第2の添加剤として崩壊剤を添加することは効果的であり、第1および第2の添加剤に共に崩壊剤を添加することはさらに効果的である。これらの不溶性添加物は既に述べた通り、適宜の比率以上で存在する場合には平均粒径を小さくすることが好ましい。
セルロース類は化学構造上にセルロース骨格を有する物質と通常理解されるが、本発明においては水不溶性のセルロース類を用いることが好ましい。具体的には、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシピロピルセルロース、カルメロース、クロスカルメロースナトリウムが例示される。結晶セルロースとしては、アビセルPH101、アビセルPH102、アビセルPH301、アビセルPH302、セオラスKG-801、セオラスKG-802等が例示される。特に、平均粒径が38〜75μmであって、目開き75μmの篩を通過する粒子における粒子の平均長径短径比(L/D)が2.0〜4.5である結晶セルロースを用いることが好ましく、市販されているセオラスKG-802を使用することが好適である。平均粒径とは、自動篩分装置(セイシン企業、ROBOT SIFTER)を使用し、粉体10gを測定したときの篩過累積50%の粒径を言う。また、第2の添加剤として造粒された糖または糖アルコールを添加することにより、崩壊時間の短縮が図れるので好ましい。具体的には、エリスリトール、D-マンニトール、ソルビトール、乳糖、トレハロースを単独または結合剤を供して造粒したものを添加することができる。市販品の造粒されたD-マンニトール、ソルビトール、乳糖を使用することもでき(これらは通常、噴霧乾燥により調製される)、このなかで、53μm以下の造粒物の割合が10%以下であり、500μm以上の造粒物の割合が15%以下であり、平均粒径が180〜240μmである造粒D-マンニトールが好ましく、市販品のPertek M200を使用することが好適である。造粒D-マンニトールの含有率としては、製剤の全重量に対して15%以上が好ましく、また17%以上がさらに好ましく、20%以上が特に好ましい例として挙げられる。上限としては、例えば、90%以下が好ましく、85%以下がさらに好ましく、80%以下であることが特に好ましい。さらに造粒D-マンニトールと結晶セルロースの混合比としては、結晶セルロースを1重量部としたとき、造粒D-マンニトールの添加量が通常は4重量部以下であり、また3重量部以下が好ましく、2重量部以下がさらに好ましく、1重量部またはそれ以下が特に好ましい。
上記製造方法における圧縮成形に関しては、錠剤として成形され、錠剤の硬度を確保しつつ、かつ錠剤中に最大限の空隙を確保させることが口腔内崩壊錠として速やかに崩壊させるためには重要である。このため、打錠圧は普通錠剤の製造に比べて小さくなるが、中程度の圧力を用いることが好ましい場合もある。非打撃型圧縮成型機(油圧式ハンドプレス機)における打錠圧の下限は、好ましくは1MPa以上、さらに好ましくは2MPa以上、特に好ましくは3MPa以上であり、上限は、好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは16MPa以下であり、12MPa以下が特に好ましい。打撃型圧縮成型機の打錠圧の下限は、好ましくは10MPa以上、さらに好ましくは15MPa以上、特に好ましくは20MPa以上が例示され、上限は、好ましくは150MPa以下、さらに好ましくは120MPa以下、100MPa以下、場合によっては80MPa以下が特に好ましい。
上記製造方法の好ましい態様としては、粒径の細かな水難溶性の薬物に、第1の添加物として水溶性の賦形剤(例えば、マンニトール、エリスリトール等)、崩壊剤(例えば、クロスポビドン等)、必要に応じて水溶性の結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等)及び/又は溶解補助剤を添加して混合し、得られた混合物を造粒し、さらに造粒された糖又は糖アルコール(例えば、造粒マンニトール、造粒ソルビトール、造粒化したエリスリトール等)、セルロース類(例えば、結晶セルロース等)、及びセルロース類に属さない崩壊剤(例えば、クロスポビドン等)を上記造粒物に添加して混合し、必要によりさらに滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムやフマル酸ステアリルナトリウム等)、溶解補助剤、甘味剤、香料等を適宜混合し、得られた混合物を乾燥状態で型に投入して、適宜の圧力にて圧縮成型する方法が挙げられる。
また他の製造方法として、有効成分とする薬物に添加物を混合し、得られた混合物をそのまま又は造粒物として調製し、あるいは別に造粒した添加物と混合した後、型に投入して圧縮成型し、成型物を湿潤または加湿させて乾燥する方法もある。圧縮成型物を湿潤(または加湿)させた後に乾燥することにより、該成型物中の添加物が架橋し合い、錠剤硬度をより強くすることができる。
上記方法に密接に関連する製造方法としては、上記16.の態様に従う製造方法が挙げられる。この製造方法においては、添加物として賦形剤と結合剤及び滑沢剤の組み合わせが好ましく選択される。賦形剤としては水溶性添加物の糖または糖アルコールが好ましく、具体的にはD-マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、乳糖が挙げられ、造粒乳糖(通常、噴霧乾燥により調製される)、造粒D-マンニトール(通常、噴霧乾燥により調製される)のような造粒物が好ましいものとしてが挙げられる。またエリスリトールが特に好ましい例として挙げられる。結合剤としては水溶性添加物を用いることが好ましく、具体的にはヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プルラン、部分α化澱粉が挙げられ、このうちヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)を使用することが特に好ましい。
上記方法による打錠圧の下限は特に限定されないが、好ましくは0.1MPa以上、さらに好ましくは0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上が例示され、上限も特に限定されないが、好ましくは25MPa以下、さらに好ましくは22MPa以下、20MPa以下が特に好ましい。打錠圧は通常は0.1〜20MPaの範囲である。
本発明の製造方法では、上記18.の態様に従う製造方法に示す通り、第1の添加物として水溶性添加物を用いることが好ましい。本発明の好ましい製造方法をより具体的に説明すると、粒径の細かな水難溶性の薬物に、添加物として水溶性の賦形剤(例えば、エリスリトール、キシリトール、マンニトール等)と水溶性の結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)等)とを添加して混合し、該混合物を造粒し、さらに必要により滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムやフマル酸ステアリルナトリウム等)、溶解補助剤、甘味剤、香料等を上記造粒物に適宜混合した後、得られた混合物を乾燥状態にて型に投入して適宜の圧力にて圧縮成型し、この成型物を湿潤または加湿した後に乾燥する方法が挙げられる。また、有効成分である薬物に添加物を混合し、混合末として直接型に投入して低圧力で圧縮成型する方法を採用してもよい。上記方法に密接に関連する製造方法としては、上記27.の態様に従う製造方法が挙げられる。
本発明のさらなる選択肢としては、有効成分である薬物に対して、噴霧乾燥法等で造粒した乳糖、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、乳糖等の造粒化した担体を添加し、得られた混合物をそのまま型に投入して通常選択される圧力、好ましくは低圧力で圧縮成型する方法もある。また、有効成分である薬物に添加物を混合し、混合物をそのまま、あるいは造粒物として調製し、別に用意した添加物等からなる造粒物を添加し、得られた混合物を直接型に投入して通常選択される圧力、好ましくは低圧力、又は場合によっては中圧力で圧縮成型する方法もある。
上記の製造方法における好ましい例として、薬物及び添加物を混合して調製した造粒物と添加物とを含む造粒物を調製し、混合物として直接型に投入して通常選択される圧力、好ましくは低圧力で圧縮成型する方法が挙げられる。
上記方法に密接に関連する製造方法としては、上記6.の態様に従う製造方法が挙げられ、さらに具体的には上記7.ないし9.の態様に従う製造条件となることが好ましい。すなわち、上記6.の態様に従う製造方法においては、<第1の添加物における薬物含有造粒物/第2の添加物における造粒物>で示される混合比率が3以下であることが好ましく、2以下であることがさらに好ましく、1以下であることが特に好ましい。また、第1の添加物中の造粒物の平均粒径が、第2の添加物中の造粒物の平均粒径より小さいことが好ましい。具体的には、第1の添加物中の造粒物の平均粒径としては、下限として約30μm以上が好ましく、約60μm以上がさらに好ましく、約80μm以上が特に好ましく、その上限としては約300μm以下が好ましく、約200μm以下がさらに好ましく、約150μm以下が特に好ましい。また第2の添加物中の造粒物の平均粒径としては、下限として約50μm以上が好ましく、約60μm以上がさらに好ましく、約80μm以上が特に好ましく、またその上限としては約500μm以下が好ましく、約400μm以下がさらに好ましく、約300μm以下が特に好ましい。
上記6.の態様に従う製造方法に対応する製造方法としては、上記10.の態様又は上記17の態様に従う製造方法が好ましい例として挙げられる。上記10.の態様においては、薬物と第1の添加物とを含む造粒物に対して、第2の添加物として造粒された糖又は糖アルコールを用いているが、これは上記6.の態様における第2の添加物中の一部に認められる造粒物に対応する。また、上記17.の態様では、薬物と第1の添加物とを含む造粒物に対して、第2の添加物から別途調製された造粒物を混合し、必要により滑沢剤等を添加して製造する工程を含み、同様に上記6.の態様に従う製造方法に包含される。なお、上記6.の態様に従う発明を実施するに際して、上記10.及び16.の態様の説明を参考にすることができる。
本発明の好ましい態様によれば、ナフトピジルとエリスリトールとを含有する口腔内崩壊製剤が提供される。口腔内崩壊剤としては、前述のとおり、適宜の圧力にて圧縮成形して得た圧縮口腔内崩壊剤が好ましい。ナフトピジルはエリスリトールを用いることによって、水を単独で用いても容易に造粒することができ、得られた造粒物は適度の柔らかさを持ち、口中においてザラツキ感がない。また、造粒物は苦味を呈さず、いやみのない甘味と清涼感を有している。さらに温度25℃/湿度75%で3ヵ月の保存条件においても錠剤が軟化しないという特徴を有している。本発明において、エリスリトールは他の糖及び糖アルコールにはない優れた効果を奏しており、口腔内崩壊錠としての効果を顕著に高めるものである。本発明においては、エリスリトールの含有量が多ければ多い程、所望の効果が得られやすいが、医薬品として1錠中のナフトピジルの含有量を考慮すると、ナフトピジルとエリスリトールの重量比は、例えば、ナフトピジル1重量部に対してエリスリトールが0.5重量部以上、好ましくは0.8重量部以上、特に好ましくは1重量部以上である。上限としては、20重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下、特に好ましくは10重量部以下が例示される。
さらに、本発明の別の好ましい態様によれば、D-マンニトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、乳糖、又はソルビトールのいずれかと、ナフトピジルとを含有する口腔内崩壊製剤が提供される。この発明においても、前述と同様に圧縮口腔内崩壊剤であることが好ましい。ナフトピジルに対して、D-マンニトール、キシリトール、トレハロース、マチチロール、乳糖、又はソルビトールのいずれかの重量比が1:0.5ないし1:20であることが好ましく、1:0.8ないし1:15であることがさらに好ましく、1:1ないし1:10であることが特に好ましい。
上記の口腔内崩壊製剤においては、エリスチトールやD−マンニトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、乳糖、又はソルビトールのいずれか1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明の製剤の製造にあたっては、前述の適宜の製造方法に従って製造することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ナフトピジル原末を、目開き106μmの篩(JIS140メッシュ)を用い、振動式ふるい分器(MS−200、ITOH)でふるい分け、篩を通過したナフトピジル分級末を得た。本分級末に水を加え20%の懸濁液とし、孔径0.4μmのメンブランフィルター(アイソポアHT、ミリポア社製)用いろ過した。
孔径0.4μmのメンブランフィルター上の残留物を取り、真空乾燥機(VOC−400D、EYELA社製)を用い乾燥し、0.4〜105μmナフトピジル分級末を得た。
得られた0.4〜105μmナフトピジル分級末2g、サンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したD−マンニトール(メルク) 8.7g、結晶セルロース2g(旭化成)を、乳鉢を使用して5分間混合した。これに5%ポビドン水溶液2gに溶解し、この溶液を混合末に加え、2分間練合し、造粒した。得られた湿潤顆粒を目開き600μmの篩で整粒し、直径10mmの打錠用臼に充填し、油圧式ハンドプレス機(島津製作所)を用いて0.2MPaで圧縮し、通風乾燥機で50℃、30分間乾燥し、重量320mg、硬度3.2kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約22秒であった。
[実施例2]
ナフトピジル原末をピンミル粉砕機(アルピネ社、63C、)を用いて粉砕した。本品を、目開き75μmのふるい(JIS200メッシュ)を用い、振動式ふるい分器(ITOH、MS−200)でふるい分け、篩を通過したナフトピジル分級末を得た。本分級末に水を加え20%の懸濁液とし、孔径1.2μmのメンブランフィルター(ミリポア社、アイソポアRT)用いろ過した。孔径1.2μmのメンブランフィルター上の残留物を取り、真空乾燥機(VOC−400D、EYELA社製)を用い乾燥し、1.2〜74μmナフトピジル分級末を得た。以下実施例1の方法で、重量320mg、硬度3.5kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約26秒であった。
[実施例3]
実施例1で得られた0.4〜105μmナフトピジル分級末50g、サンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したD−マンニトール(メルク) 223g、および結晶セルロース30g(旭化成、セオラスKG802)を流動層造粒乾燥機(パウレック社、LAB−1)に仕込み、5%ポビドン水溶液100gを噴霧し、造粒、乾燥工程を経て、目開き600μmの篩で整粒し造粒物を得た。造粒物61.6gにクロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)3.0gを添加し、ポリ袋で混合、更に、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)0.4gを加えて混合後、直径10mmの打錠用臼に充填し、油圧式ハンドプレス機(島津製作所)を用いて5MPaで圧縮し、重量325mg、硬度3.8kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約25秒であった。
[実施例4]
油圧式ハンドプレス機(島津製作所)を用いての圧縮を2.5MPaあるいは0.50MPaに変更する以外は、実施例3と同様に行なったところ、本発明の効果を有する口腔内崩壊錠が得られた。
[実施例5]
実施例3で使用したD−マンニトールをトレハロース(旭化成)に替え、重量325mg、硬度4.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約32秒であった。
[実施例6]
実施例3で使用したD−マンニトールをエリスリトール(日研化学)に替え、重量325mg、硬度3.8kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約30秒であった。
[試験例1]
実施例1で得られた0.4−105μmナフトピジル分級末50g、サンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したD−マンニトール(メルク) 223gを流動層造粒乾燥機(パウレック社、LAB−1)に仕込み、蒸留水100gを噴霧し、造粒、乾燥工程を経て、目開き600μmの篩で整粒し造粒物Aを得た。本造粒物の安息角58℃で、平均粒径は45μmであり、造粒が不完全であり流動性が不足しており打錠末としては不適であった。
[試験例2]
試験例1で使用したD−マンニトールをサンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したエリスリトール(日研化学)に替え、造粒物Bを得た。本造粒物の安息角43℃で、平均粒径は150μmであり打錠末としては適当であった。服用感は、ザラツキもなく、清涼感があり良好であった。なお、本打錠末を圧縮成型し口腔内崩壊製剤を調製した結果、製剤を得ることができた。
[試験例3]
試験例1で使用したD−マンニトールをサンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したトレハロース(旭化成)に替え、造粒物Cを得た。本造粒物の安息角46℃で、平均粒径は130μmであり打錠末としては適当であった。服用感は、造粒物Bよりはザラツキはあったが良好であった。
[試験例4]
試験例1で使用したD−マンニトールをサンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕した白糖(塩水港精糖)に替え、造粒物Dを得た。本造粒物の安息角42℃で、平均粒径は130μmであり打錠末としては適当であった。服用感はザラツキがあり不快であった。以上の試験例1〜4により、口腔内崩壊性に適した賦形剤のうち、エリスリトール、トレハロースのそれぞれはナフトピジルと組合わせた場合に容易に造粒を行うことができ、得られた造粒物は打錠用顆粒としての流動性を備えており、連続打錠が可能であり、口腔内崩壊剤の錠剤の製造に好適であると考えられた。さらに錠剤が崩壊した後の顆粒の服用感をも含めると、エリスリトールが特に良好であった。
[実施例7]
実施例3で得られた錠剤を、飽和硫酸カリウム水溶液が入ったデシケーター中に入れ(40℃,96.5%)2時間放置し加湿した。これを、通風乾燥機で50℃、30分で乾燥し、硬度4.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約22秒であった。
[実施例8]
実施例5で得られた錠剤を、飽和硫酸カリウム水溶液が入ったデシケーター中に入れ(40℃,96.5%)2時間放置し加湿した。これを、通風乾燥機で50℃、30分で乾燥し、硬度4.8kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約27秒であった。
[実施例9]
実施例6で得られた錠剤を、飽和硫酸カリウム水溶液が入ったデシケーター中に入れ(40℃,96.5%)2時間放置し加湿した。これを、通風乾燥機で50℃、30分で乾燥し、硬度4.5kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約23秒であった。
[実施例10]
実施例1で得られた0.4〜105μmナフトピジル分級末105.0g、粉砕したD−マンニトール(メルク)124.6g、結晶セルロース(旭化成、セオラスKG802)34.3gを流動層造粒乾燥機(パウレック、LAB−1)に仕込み、5%ポビドン水溶液280gを噴霧し、造粒、乾燥工程を経て、目開き600μmの篩で整粒し造粒物を得た。造粒物39.7gにクロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)3g、乳糖(DMV、DCL−11、)17gを添加し、ポリ袋で混合し混合末を得た。更に、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)0.3gを加えて混合後、直径10mmの打錠用臼に充填し、油圧式ハンドプレス機(島津製作所)を用いて6MPaで圧縮し、重量300mg、硬度3.8kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約28秒であった。
[実施例11]
予め、刷毛に付着させたステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)を、直径10mmの打錠用臼の内側面と杵の接触面に微量塗布した後、実施例10で得られた混合末を298.5mg直径10mmの打錠用臼に充填し、油圧式ハンドプレス機(島津製作所)を用いて6MPaで圧縮し、硬度4.2kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約18秒であった。
[実施例12]
実施例10で得られた造粒物198.5gにクロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)15g、造粒乳糖(DMV、DCL-11)100gを添加し、ポリ袋で混合し混合末を得た。更に、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)1.5gを加えて混合し打錠末を得た。これを単発打錠機(岡田精工、N-30E)にて、直径10mmの打錠用杵を用い、60MPaで圧縮し、重量300mg、硬度4.4kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約38秒であった。
[実施例13]
実施例10で得られた造粒物198.5gにクロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)15g、造粒乳糖(DMV、DCL-11)85gを添加し、ポリ袋で混合し混合末を得た。更に、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)1.5gを加えて混合し打錠末を得た。これを単発打錠機(岡田精工、N-30E)にて、直径10mmの打錠用杵を用い、60MPaで圧縮し、重量300mg、硬度4.2kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約35秒であった。
[実施例14]
実施例10で得られた打錠末を単発打錠機(岡田精工、N-30E)にて、直径10mmの打錠用杵を用い、100MPaで圧縮し、重量300mg、硬度6.3kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約45秒であった。
[実施例15]
実施例1で得られた0.4〜105μmナフトピジル分級末60g,サンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したD−マンニトール(メルク)15.6g,クロスポビドン(ISP社、ポリプラスドンINF-10)8.4gを秤量し混合した。混合末を攪拌造粒機(メカノミル、岡田精工社)に投下し、回転数600rpmで5分間混合後、蒸留水を添加し、5分間造粒し造粒末を得た。棚式乾燥器(50℃、1時間)で乾燥を行った後、目開き850μmの篩で整粒し、再度、棚式乾燥器(50℃,3時間)で乾燥を行い、目開き600μmの篩で整粒後、目開き300μmのふるい(JIS50メッシュ)及び目開き75μmのふるい(JIS200メッシュ)を用いふるい分け、粒径幅75−300μmの整粒末Aを得た。得られた整粒末A70g、平均粒径180−240μmの造粒D-マンニトール(メルク,Pertec M200)79g,結晶セルロース(旭化成,セオラスKG802)40g,クロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)10g及びミント香料0.2gをV型混合機で混合した後、0.5%に相当する量のステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)を添加し、混合機で混合し打錠末を得た。得られた打錠末を、打錠機(菊水製作所、CP-6型)を用い、口径8.5mmの臼、平錠用の杵を使用し、50MPa打圧で打錠し、錠剤重量200mgの硬度5.3kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約20秒であった。
[実施例16]
実施例15の整粒末A70gに、平均粒径180〜240μmの造粒D-マンニトール(メルク,Pertec M200)59.3g,結晶セルロース(旭化成,セオラスKG802)30g,クロスポビドン(ISP社,ポリプラスドンXL)7.5g及びミント香料0.15gをV型混合機で混合した後、0.5%に相当する量のステアリン酸マグネシウム(太平化学産業)を添加し、混合機で混合し打錠末を得た。得られた打錠末を、打錠機(菊水製作所、CP-6型)を用い、口径8.5mmの臼、平錠用の杵を使用し、50MPaの打圧で打錠し、錠剤重量167.7mgの硬度4.8kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約23秒であった。
[実施例17]
実施例15の0.5%に相当する量のステアリン酸マグネシウムを1.0%に相当するフマル酸ステアリルナトリウム(和光純薬工業)に替えた、硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約23秒であった。
[実施例18]
実施例15の整粒末A(70g)を100gに、造粒D-マンニトール(メルク,Pertec M200)79gを49gに替えた、硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約39秒であった。
[実施例19]
実施例15の整粒末A(70g)を112gに、造粒D-マンニトール(メルク,Pertec M200)79gを37gに替えた、硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約48秒であった。
[実施例20]
実施例15の整粒末A(70g)を30gに、造粒D-マンニトール(メルク,Pertec M200)79gを119gに替えた、硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約16秒であった。
[実施例21]
実施例15の整粒末Aを目開き300μmのふるい(JIS50メッシュ)目開き180μmのふるい(JIS83メッシュ)を用いふるい分け、粒径幅180〜300μm整粒末を得た。以下実施例15の方法で硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約33秒であった。
[実施例22]
実施例15の整粒末Aを目開き150μmのふるい(JIS100メッシュ) と目開き75μmのふるい(JIS200メッシュ)を用いふるい分け、粒径幅75−150μm整粒末を得た。以下実施例15の方法で硬度3.0kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約14秒であった。
[実施例23]
実施例1で得られた0.4〜105μmナフトピジル分級末50g、サンプルミル(ダルトン、KIIWG−1F)で粉砕したエリスリトール(日研化学)242gを流動層造粒乾燥機(パウレック社、LAB−1)に仕込み、5%ポビドン水溶液100gを噴霧し、造粒、乾燥工程を経て、目開き600μmの篩で整粒し造粒物を得た。0.5%に相当する量のステアリン酸マグネシウムを添加し、混合機で混合し打錠末を得た。得られた打錠末を、打錠機(菊水製作所、CP-6型)を用い、口径9.5mmの臼、平錠用の杵を使用し、18MPaの打圧で打錠し、錠剤重量300mg平面錠を得た。得られた錠剤を飽和硫酸カリウム水溶液が入ったデシケーター中に入れ(40℃,96.5%)2時間放置した。これを、通風乾燥機で50℃30分で乾燥し、硬度4.5kgfの隅角平面錠を得た。試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約28秒であった。なお、本実施例の製剤を非包装で温度25℃/湿度75%の保存条件にて3ヵ月保存したが、製剤は軟化しなかった。
[比較例1]
1錠中ナフトピジルを25mg含有する製剤(旭化成、フリバス錠25mg、Lot.FVA14FY、製剤重量160mg 硬度6.3Kgf 直径8.0mmの隅角平面錠)を、試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験で得られた崩壊時間は約2分30秒であった。(また、口腔内崩壊時間約3分であった。)
[比較実施例]
[比較実施例1]
ナフトピジル原末に水を加え20%の懸濁液とし、ビーズミル粉砕機(DYNO−MILL PILOT型、Willy A.Bachofen社製)を用いて60分間粉砕した。この懸濁液を、孔径0.4μmのメンブランフィルター(アイソポアHT、ミリポア社製)用いろ過した。このろ液を孔径0.1μmのメンブランフィルター(アイソポアVC、ミリポア社製)を用いろ過した。孔径0.1μmのメンブランフィルターメンブランフィルター上の残留物を取り、真空乾燥機(VOC−400D、EYELA社製)を用い乾燥し、0.1〜0.3μmナフトピジル分級末を得た。以下実施例1の方法で製剤を得た。
[比較実施例2]
ナフトピジル原末を、目開き150μmのふるい(JIS100メッシュ)と目開き106μmのふるい(JIS140メッシュ)を用い、振動式ふるい分器(MS−200、ITOH)でふるい分け、106〜149μmナフトピジル分級末を得た。以下実施例1の方法で製剤を得た。
本発明の効果をより詳しく説明するために、実施例1,2,7,8,9,15,18,19,20,21,22,23及び比較実施例1,2で得られた製剤について、下記のような錠剤特性を測定した。
日本薬局方崩壊試験による崩壊時間:日本薬局方第14改正に記載されている崩壊試験法に従い測定した。製剤6個を取り、試験液を水とし製剤の崩壊時間を測定した。(補助盤は使用しない)
口腔内崩壊時間:健康な成人男子10名をパネラーとして選び、口腔内でかまずに、舌で軽く触れた状態で製剤が崩壊するまでの時間(秒)味の評価:健康な成人男子10名をパネラーとして選び、製剤を服用後、口腔内でかまずに、舌で軽く触れた状態での苦味を評価した。
苦い:2ポイント、やや苦い:1ポイント、苦味を感じない:0ポイントザラツキ感の評価:健康な成人男子10名をパネラーとして選び、口腔内でかまずに、舌で軽く触れた状態でのザラツキ感を評価した。
ざらつく:2ポイント、ややざらつく1ポイント、ざらつき無し:0ポイント得られた結果を平均し表1に示す。
Figure 2004175796
以上の結果、実施例15、18ないし22の比較により、薬物を含有する口腔内崩壊錠を製する場合、薬物を含有する造粒物と薬物非含有造粒物に分けた方が錠剤硬度と崩壊時間短縮のバランスに優れていることが確認された。すなわち、実施例20、15、18、及び19の比較によれば、その効果は薬物を含有する造粒物が少ないほど良好に働き、薬物を含有する造粒物/非含有造粒物の比率が少なくとも3以下であれば好ましいことが確認された。また実施例22と実施例21との比較によれば、薬物含有造粒物として粒径幅180〜300μmの整粒末を用いるよりも75〜150μmの整粒末を用いる方が好適であり、薬物を含有する造粒物の顆粒粒径は非含有造粒物の顆粒粒径よりも小さいほうが有効であった。種々の粒径分布の顆粒を用いて試験したところ、特に好ましくは、薬物含有造粒物は非含有造粒物より小さく、且つ薬剤含有造粒物の平均粒径が約50〜150μmであり、第2の添加物中の造粒物の平均粒径が約80〜300μmであることが好ましかった。
一般に、錠剤硬度が増すと錠剤の崩壊時間が遅くなる現象がある。口腔内崩壊錠として一般の錠剤と変わらない錠剤硬度を保ちながら、崩壊時間を短縮することは容易なことではないが、特に水難溶性物質が顆粒に存在する場合、口腔内崩壊錠として錠剤硬度を保ちながら、崩壊時間を短縮することがより困難である中で、上記の通り本発明により好ましい効果を有する口腔内崩壊製剤を得ることができる。

Claims (27)

  1. 排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物を含有する口腔内崩壊製剤。
  2. 錠剤強度が3kgf以上であり、かつ試験液に水を用いた日本薬局方崩壊試験法での崩壊時間が50秒以内である請求項1に記載の口腔内崩壊製剤。
  3. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、必要により添加してもよい第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、又は造粒せずに、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1又は2に記載の口腔内崩壊製剤。
  4. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  5. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を必要により混合し、得られた混合物又は造粒物を湿潤条件下で型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  6. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を混合し(ただし第2の添加物の少なくとも一部は造粒されている)、得られた造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  7. 第2の添加物における造粒物に対する第1の添加物における薬物含有造粒物の混合比率が3以下である請求項6に記載の口腔内崩壊製剤。
  8. 第1の添加物中の造粒物の平均粒径が第2の添加物中の造粒物の平均粒径より小さい平均粒径である請求項6又は7に記載の口腔内崩壊製剤。
  9. 第1の添加物中の造粒物の平均粒径が第2の添加物中の造粒物の平均粒径より小さく、且つ第1の添加物中の造粒物の平均粒径が約50〜150μmであり、第2の添加物中の造粒物の平均粒径が約80〜300μmである請求項6ないし8のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  10. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに造粒された糖又は糖アルコール、セルロース類、及びセルロース類に属さない崩壊剤を混合し、必要によりさらに滑沢剤を添加して、乾燥状態でこの造粒物又は混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1ないし4、又は請求項6ないし9のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  11. (1)第1の添加物が崩壊剤である;(2)造粒された糖又は糖アルコールが、エリスリトール、D-マンニトール、ソルビトール、乳糖、トレハロースのいずれかから選択された一つ以上の造粒物である;(3)セルロース類が結晶セルロースである;及び(4)セルロース類に属さない崩壊剤がクロスポピドンである;以上の(1)ないし(4)のいずれか1つ以上を満足する請求項10に記載の口腔内崩壊製剤。
  12. 造粒された糖又は糖アルコールにおいて粒径53μm以下の造粒物の割合が10%以下であり、かつ粒径500μm以上の造粒物の割合が15%以下であり、さらに平均粒径が180〜240μmである造粒D-マンニトールである請求項10又は11に記載の口腔内崩壊製剤。
  13. 造粒されたD-マンニトールの含有率が製剤重量の20〜80%である請求項10又は11に記載の口腔内崩壊製剤。
  14. 平均粒径が38〜75μmであって、目開き75μmの篩を通過する粒子における粒子の平均長径短径比(L/D)が2.0〜4.5である結晶セルロースを含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  15. 造粒されたD-マンニトールと結晶セルロースとの重量混合比が4:1〜1:1である請求項1ないし14のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  16. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、該造粒物をさらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤と混合し、乾燥状態の該混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後に乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項1ないし4、又は請求項6ないし9のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  17. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤とを混合し、造粒し、さらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤を混合し(ただし第2の添加物の少なくとも一部は造粒されている)、得られた造粒物又は混合物を乾燥状態で型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が10%w/w以上である場合には、その水不溶性添加剤の平均粒径が100μm以下である請求項16に記載の口腔内崩壊製剤。
  18. 水難溶性であって粒径が実質的に0.4〜105μmの排尿障害及び/又はそれに関連する疾患の治療用薬物と、第1の添加物である水溶性添加物とを混合し、造粒し、該造粒物をさらに第2の添加物である水溶性添加物及び/又は水不溶性添加剤と混合し、乾燥状態の該混合物を型に投入して0.1〜100MPaの圧力で圧縮成型した後、該成形物を加湿後乾燥することにより得られる口腔内崩壊製剤であって、該製剤中における水不溶性添加剤の含有率が5%w/w以下である請求項16又は17に記載の口腔内崩壊製剤。
  19. 圧縮成型時の圧力が0.1〜20MPaである請求項1ないし9、又は請求項16ないし18のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  20. ざらつき及び/または苦味が低減された請求項1ないし19のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  21. 薬物が不快な味を呈する薬物である請求項1ないし20のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  22. 薬物がナフトピジル、YM−905、又はKMD−3213のいずれかである請求項1ないし21のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  23. 薬物がナフトピジルであり、ナフトピジルの含量が口腔内崩壊製剤の1〜99%である請求項1ないし22のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  24. ナフトピジルとエリスリトールを含有する請求項1ないし23のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  25. ナフトピジルとエリスリトールとの重量比が1:0.5〜1:20である請求項24に記載の口腔内崩壊製剤。
  26. D-マンニトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、乳糖、又はソルビトールのいずれかとナフトピジルとを含有する請求項1ないし25のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤。
  27. 請求項1ないし26のいずれか1項に記載の口腔内崩壊製剤の製造方法。
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