JP2006250442A - 加熱調理器及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱調理に際し、許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与える。
【解決手段】加熱調理器100において、制御部39は、加熱源17,35への電力の供給を停止した際に、蒸発部加熱ヒータ53への電力の供給を行う。また、制御部39は、温度検知部31,32において検知された温度並びに蒸気発生部15から発生する蒸気により加熱室11内に導入される熱量及び水量に基づき、加熱源17,35への電力の供給を停止した際における蒸発部加熱ヒータ53へ供給される電力量を制御する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、被加熱物を収容する加熱室に、加熱源からの熱を供給して被加熱物を加熱処理する加熱調理器及びその制御方法に関する。特に、調理の種類に応じた適切な温度制御、蒸気量を確保しつつ、効率よく被加熱物を加熱する加熱調理器及びその制御方法に関する。
被加熱物を収容する加熱室をヒータにより加熱するとともに、この加熱室に蒸気を供給して加熱調理を行う加熱調理器が存在する(特許文献1参照)。このような加熱調理器には、加熱室を加熱するヒータと蒸気用のヒータの、2種類のヒータが設けられたものが存在する。このような加熱調理器の例を図12,13に示す。
図12は加熱調理器の断面図を示す。加熱調理器には加熱室2の温度を上げるヒータ1と、加熱室2内に蒸気を供給するボイラ4とスチームヒータ3が設けられている。被加熱物7は、載置台6上に配置される。そして、図13に示すように、温度調節器8が、加熱室2内に設けられた感熱素子5に接続され、加熱室2内の温度を任意に設定する。
上記構成において、加熱室2内に所定の高温蒸気を導入するため、まず、温度調節器8を所定の温度(例えば150℃)に設定する。すると、加熱室2内が所定温度に達するまで、ヒータ1がオン状態を持続し、ヒータ1がオフとなると、スチームヒータ3がオンとなる。加熱室2内に蒸気が供給され、若干温度が下がると、再びヒータ1がオンとなる。
すなわち、所定の温度に達するまでは、ヒータ1をオンさせてからスチームヒータ3に切換え、両ヒータ1,3が同時に通電されないようになっている。そのため、各ヒータの出力を電源容量の許容範囲内で最大まで大きくすることができる。
実開昭55−71482号公報
上述の加熱調理器においては、ヒータ1とスチームヒータ3の選択制御のみが開示され、両ヒータ1,3が同時に通電されない一方、かならずいずれかのヒータがオン状態となっている。この構成下においては、ヒータ1とスチームヒータ3各々の出力を電源容量の許容範囲内で最大まで大きくすることはできる。しかしながら、この技術においては、加熱室内の温度の立ち上がり時間を短縮することができるのみである。調理対象たる被加熱物の種類、調理方法の種類等によっては、温度を所定範囲に設定しつつ、所定量の蒸気を導入する必要が生じたりすることもある。また、調理時間の短縮も求められる。このような調理上の要求に対し、特許文献1は何ら解決策を与えるものではない。
本発明は、調理の種類に応じた適切な温度制御、蒸気量を確保しつつ、効率よく被加熱物を加熱する加熱調理器及びその制御方法に関する。
本発明の加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室に熱を供給して該被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、前記加熱室に熱を供給する加熱源と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部と、前記蒸気発生部に水を供給する給水部と、前記蒸気発生部を加熱する蒸発部加熱ヒータと、前記加熱室内の温度を検知する温度検知部と、前記温度検知部において検知された温度に基づき、前記加熱源への電力の供給を制御する制御部とを備える。ここで、前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、更に前記制御部は、前記温度検知部において検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記加熱源への電力の供給を停止した際における前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する。
上述の構成においては、加熱源への電力の供給を停止した際において、蒸発部加熱ヒータへ適当な電力を供給し、適当な蒸気を加熱室内に導入することが可能となる。従って、商用電源の場合の様に、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与えることができる。
前記制御部は、前記加熱室の温度を所定温度に保持するよう、前記加熱源及び前記蒸発部加熱ヒータを制御することが可能である。
上述の構成においては、温度を所定温度に保持しつつ、蒸発部加熱ヒータにより被加熱物により多くの熱を加えることが可能となる。
また、前記所定温度が、第1の所定温度と第2の所定温度を含み、前記加熱室の温度を前記第1の所定温度に保持するとき、前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際において、前記蒸発部加熱ヒータへ電力を供給せず、前記加熱室の温度を前記第2の所定温度に保持するとき、前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際における前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する。前記第2の所定温度が前記第1の所定温度よりも高く、前記第2の所定温度下の加熱処理工程が、前記第1の所定温度下の加熱処理工程の後である。
上述の構成においては、保持される所定温度毎に、蒸気の供給量を変化させることができ、調理に応じた最適な条件が容易に設定されることとなる。
また、前記第1の所定温度下の加熱処理工程の前の温度上昇工程において、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に蒸気を導入する。
上述の構成においては、特に乾燥を防止する必要性の高い被加熱物の調理において、本格的な加熱前に蒸気を与えることができるため、有用である。
また、前記加熱源は複数の加熱ヒータを含み、前記蒸発部加熱ヒータは出力の異なる複数の加熱ヒータを含む場合、前記制御部は前記総ての加熱ヒータを個別に制御することができる。
上述の構成においては、各ヒータの個別制御、同時制御の組み合わせにより、きめの細かい調理設定及び設定のバリエーションを増やすことができる。
また、本発明の他の加熱調理器は、被加熱物を収容する加熱室に熱を供給して該被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、前記加熱室に熱を供給する加熱源と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部と、前記蒸気発生部に水を供給する給水部と、前記蒸気発生部を加熱する蒸発部加熱ヒータと、前記加熱室内の温度を検知する温度検知部と、 前記温度検知部において検知された温度に基づき、前記加熱源への電力の供給を制御する制御部とを備える。ここで、前記制御部は、前記温度検知部において検知された温度が所定温度以上に達したとき、前記加熱源への電力の供給を停止し、かつ、前記制御部は前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記加熱源への電力の供給を停止している任意の間に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行う。
上述の構成においては、加熱室が所定の温度以上に加熱された場合において、蒸発部加熱ヒータへ適当な電力を供給し、適当な蒸気を加熱室内に導入することが可能となる。従って、商用電源の場合の様に、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与えることができる。
更に本発明の加熱調理器の制御方法は、加熱室に熱を供給するステップと、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部に水を供給するステップと、水が供給された前記蒸気発生部を蒸発部加熱ヒータにより加熱するステップと、前記加熱室内の温度を検知するステップと、前記加熱源への電力の供給を停止するステップと、前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行うステップと、検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御するステップと、を備える。
更に本発明の加熱調理器を制御するプログラムは、加熱室に熱を供給する手順と、前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部に水を供給する手順と、水が供給された前記蒸気発生部を蒸発部加熱ヒータにより加熱する手順と、前記加熱室内の温度を検知する手順と、前記加熱源への電力の供給を停止する手順と、前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行う手順と、検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する手順とをコンピュータに実行させる。
上述の制御方法及び制御プログラムにより、加熱調理に際し、商用電源の場合の様に、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与えることができる。
本発明によれば、加熱源へ電力停止時に、適当な蒸気を加熱室内に導入することが可能となる。従って、商用電源の場合の様に、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与えることができる。
以下、本発明に係る加熱調理器及びその制御方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る加熱調理器の開閉扉を開けた状態を示す正面図、図2は加熱調理器の制御ブロック図、図3は操作パネルのスイッチ配列例を示す正面図である。
図1〜図3に示すように、この加熱調理器100は、被加熱物を収容する加熱室11に加熱源からの熱と蒸気との少なくともいずれかを供給して被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、図1に示すように、加熱源の一つである高周波を発生するマグネトロン(高周波発生部)13と、加熱室11の上方に配置され予熱手段及び加熱源の一つである上部加熱ヒータ17と、蒸気供給スイッチ19(図3参照)とを有する。ここで、上部加熱ヒータ17は、外側加熱ヒータ17aと内側加熱ヒータ17bとを含む。また、加熱調理器100は、加熱室11内で蒸気を発生する蒸気発生部15を更に含む。
更に、本発明の加熱調理器100には、加熱室11内の空気を撹拌・循環させる循環ファン33や、加熱室11内を循環する空気を加熱し、加熱源としてのコンベクションヒータ35からなる室内気加熱部37が取り付けられている。これら各部の動作は、マイクロプロセッサを備えてなる制御部39からの制御指令により行われる。
高周波発生部13からの高周波は、回転駆動される電波撹拌用のスタラー羽根23によって加熱室11の全体に分散される。そして、蒸気発生部15には、加熱室11の側方に設けた給水タンク27から水が供給される構成となっている。
蒸気発生部15は、加熱室11の底面奥側で、少なくとも一方の隅部に設けてある。本実施形態においては、一例として奥側両隅に2基配置した構成を示しているが、片側に1基配置した構成であってもよい。加熱室11の奥側側面には、サーミスタや赤外線センサ等の加熱室温度センサ31が取り付けられ、加熱室11の温度を測定する。また、加熱室11の奥側背面には、赤外線センサ等の被加熱物温度センサ32が取り付けられ、被加熱物の温度を測定する。尚、本実施形態では、蒸気発生部15は加熱室内に設けられた蒸発皿方式を採用しているが、加熱室の外部からの蒸気を供給する方式のものも、本発明の蒸気発生部に含まれる。
また、開閉扉41に設けられる図3に一例として示す操作パネル91には、加熱の開始を指示するスタートスイッチ93、マニュアルモードの調理スイッチ94、予め用意されている調理プログラムを選定する自動調理スイッチ97、蒸気供給スイッチ19等の種々の操作スイッチの他、蒸気供給状況を報知する報知手段99の一つであるランプ98が設けられている。そして、制御部39は、商用電源に接続される電源部40から電力供給されており、高周波発生部13、上部加熱ヒータ17、蒸気発生部15等の加熱電力が許容電力値を超えないように、各部への電力配分を制御している。
加熱室11は、前面開放の箱形の本体ケース10内部に形成されており、本体ケース10の前面には、加熱室11の被加熱物取出口を開閉する透光窓41a付きの開閉扉41が開閉自在に取り付けられている。
高周波発生部13は、加熱室11の下側の空間に配置されており、加熱室11底面の略中央の、マグネトロンより発生した高周波を受ける位置にスタラー羽根23を設けてある。これら高周波発生部13やスタラー羽根23は、加熱室11の底部に限らず、加熱室11の他の面側に設けることもできる。また、スタラー羽根23の代わりにターンテーブルを備えた構成としてもよい。
蒸気発生部15は、加熱により蒸気を発生する水溜凹所(加熱面)45aを有した加熱ブロック(金属ベース)45を有する。
ここで、本加熱調理器100における蒸気発生の基本原理を簡単に説明する。図4に加熱調理器の蒸気発生の基本原理を表す説明図を示した。これによれば、給水タンク27に貯留された水は、逆止弁49を通して給水管51に供給される。給水管51の中間部配管51aでは、加熱ブロック45のシーズヒータ53からの発生熱が伝熱されることで、中間部配管51a内の水が加熱される。そして、加熱された水の一部は、湯になる際に沸騰して気泡を発生し、急激に体積膨張する。このとき、給水管51の給水タンク27側の逆止弁49は閉止され、給水タンク27側への逆流が阻止される。従って、体積膨張した水は吐出側配管55へ間欠的に供給される。これにより、吐出側配管55内では水位が上昇し、上部に形成されたエア抜き孔57から余分な蒸気が排出されると共に、加熱された水が吐出口59から加熱ブロック45の水溜凹所45aに間欠的に供給される。
一方、水溜凹所45aもシーズヒータ53により加熱されており、滴下された加熱水はここで蒸発して加熱室11に供給される。つまり、加熱ブロック45のシーズヒータ53の発熱により、水溜凹所45aへ加熱した水を供給すると共に、水溜凹所45aを加熱する構成となっている。このように、加熱された水が水溜凹所45aに供給されるので、蒸気発生を一層短時間で行うことができる。
上記の蒸気発生を実現するための具体的な構成例を、以下に詳細に説明する。図5に加熱ブロックの外観斜視図を示した。(a)は上面側で(b)は裏面側である。加熱ブロック45は、軽量で熱伝導性の高いアルミのダイキャスト成形品としている。加熱ブロック45には、本体61の内部に蒸発部加熱ヒータとしてU字形のシーズヒータ53が埋設されており、このシーズヒータ53に沿った上面側に水溜凹所45aが形成され、下面側に給水管51の中間部配管51aを被覆する加熱部45bが形成されている。これら水溜凹所45a及び加熱部45bはダイキャストにより一体に形成されており、接続面等が存在しないため、高効率でシーズヒータ53の発熱を伝導可能にしている。
即ち、シーズヒータ53の少なくとも一部が加熱ブロック45内に埋設されて、蒸気発生部15とシーズヒータ53とが一体構造となることで、接続面等が存在せず、高効率でシーズヒータ53の発熱が加熱ブロック45に伝導され、水溜凹所45aでの高い蒸発効果が得られるようになる。また、加熱ブロック45が、アルミダイキャストにより形成され、熱伝導性の高い金属材料で一体化されることで、シーズヒータ53の熱が高効率で水溜凹所45aに伝熱可能となっている。
また、水溜凹所45aの下側に位置する収容穴63には、温度を検知する蒸発皿温度センサとしてのサーミスタ65が挿入されて、本体61のシーズヒータ53付近の温度を測定する。水溜凹所45aの一端側には開口孔67が形成されて、前記吐出口59(図4参照)からの水が水溜凹所45a内に供給される。なお、シーズヒータ53や加熱部45b等の形状や取り付け位置等は、必要とする加熱量や加熱調理器100の筐体内への設置スペース等に応じて適宜変更され得るものである。なお、上記シーズヒータ53は、線ヒータ、セラミックヒータ等の他種類のヒータであっても構わない。本実施形態では、2基の蒸気発生部15各々のシーズヒータ53の出力は、700Wと300Wに設定されており、各々異なる熱量を発生することが可能である。また、一基の蒸気発生部15を加熱室内に設け、二つ以上のシーズヒータ(出力が同じでも異なっていてもよい)53をその中に設けることもできる。出力をオンにするシーズヒータの数を変化させることで、発生する熱量を変化させることができる。
蒸気発生部15は、加熱室11の底面から蒸気を供給して加熱室11内で効率良く蒸気拡散する構成となっている。加熱ブロック45の水溜凹所45aの表面は、珪酸(SiO2)等を含む親水材料で処理していることで、水が球状になることなく、大きな接触面積が確保でき、より多くの蒸気を発生させやすくしている。また、仮に汚れが付着しても簡単に除去できるようにしている。例えば、蒸気発生の過程では、水分中のカルシウムやマグネシウム、塩素化合物等が濃縮されて水溜凹所45a底部に沈殿固着することがあるが、水溜凹所45aが加熱室11内に開放されているため、水溜凹所45aを布等で拭き取るだけで、きれいにこのような汚れを払拭することができる。
ここで、図1に示す給水タンク27から加熱ブロック45までの給水経路を説明するため、図6に図1のB方向矢視図を示した。前述の蒸気発生原理を説明した図4と同様であるが、給水タンク27の水は、逆止弁49を通して給水管51に供給され、加熱ブロック45の加熱部45bで加熱されて吐出側配管55に供給される。そして、加熱された水が吐出口59から加熱ブロック45の水溜凹所へ間欠的に供給される。なお、給水管51としては、特に伝熱を受ける加熱部45b周辺では、銅パイプ等の熱電導度の高い材質が好適に用いられる。上記給水タンク27、逆止弁49、給水管51、加熱部45b、吐出側配管55は、給水手段69を構成している。
蒸気供給スイッチ19は、ユーザが自らの判断により、加熱室11内に蒸気を導入したい際に使用されるものである。蒸気供給スイッチ19の押下した場合、又は後述するような制御部39による自動制御によって、シーズヒータ53が加熱制御されるとともに、給水手段69により蒸気発生部15へ水が供給される。なお、サーミスタ65からの温度検出により水溜凹所45aが既に高温状態であると検知された場合には、シーズヒータ53の加熱を省略してもよい。
従って、加熱調理器100では、予熱の必要なボイラ等を用いずに蒸気供給が可能になるとともに、任意のタイミングで、しかも応答性良く加熱室内への蒸気の供給を可能にすることができる。これにより、低電力でしかも小型の構成で蒸気供給が可能になるとともに、任意のタイミングで蒸気の供給が可能となって、調理の自在性を高めることができる。
報知手段99は、LEDやブザーを用いることで、視覚或いは音、又はその両方により報知が可能となっている。報知手段99は、制御部39の制御により、加熱室11の温度が所定温度以下であるときに、蒸気供給スイッチ19からの蒸気供給の要求を制限する報知を行うよう作動する。この場合、例えばLEDを用いたときには点滅動作等により報知を行う。従って、例えば加熱室11の温度が所定温度以下であるときに、蒸気供給スイッチ19によって蒸気が供給されようとすると、報知手段99が作動され、蒸気供給が制限可能となる。これにより、加熱室温度が低い場合に、加熱室温度が低いにもかかわらず通常通りに蒸気が供給されて、加熱室内及び被加熱物表面の結露が増大することが防止される。
また、報知手段99は、加熱室11に蒸気を供給している間、蒸気供給中である旨の報知を行う。この場合、例えばLEDを用いたときには点灯動作等により報知を行う。従って、蒸発が供給されると、その旨が報知手段99によって報知され、加熱調理器100の外観からは視認が困難な蒸気供給状態が確実に把握可能となり、高温蒸気に対する安全性が高められる。
次に、ユーザが蒸気供給スイッチ19を自ら操作しない場合において、加熱工程において蒸気発生部15から蒸気を適宜自動供給する制御を説明する。
上述したように、制御部39は、商用電源に接続される電源部40から供給される電力について、高周波発生部13、上部加熱ヒータ17、蒸気発生部15、コンベクションヒータ35等の加熱電力が許容電力値を超えないように、各部への電力配分を制御している。また、制御部39は、加熱室内の温度を検出する加熱室温度センサ31、或いは被加熱物温度センサ32からの検出温度に応じて、蒸気発生量やヒータ加熱量をフィードバック制御し、加熱室11内の温度や蒸気量を適切に設定する。
この際、上述したセンサにより、加熱室11内の温度が所定温度(被加熱物、調理に応じた温度)を超えたことが検知されると、制御部39は、更なる温度上昇の防止のため、上部加熱ヒータ17、コンベクションヒータ35という加熱源への電力供給を停止する。
このような場合においては、蒸気発生部15におけるシーズヒータ53への電力供給も停止させることが考えられるが、本発明の制御においては、このような加熱源への電力供給停止時において、シーズヒータ53に適宜電力を供給し、加熱室11内に蒸気を導入することとしている。
図7は、このような制御を図示したものである。まず、加熱初期に、循環ファン33と、コンベクションヒータ35と、上部加熱ヒータ17の外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17bへ所定時間給電して予熱を行う。加熱室11内の温度が予熱温度に達した時点で予熱工程が完了する。
その後、ユーザが開平扉41を開き、加熱室11内に非加熱物を配置する。そして、本実施形態では、3段階の処理工程、P1,P2,P3を経て、加熱処理が行われる。
第1の処理工程P1(温度上昇工程)においては、加熱室温度が第1の定常温度Temp1(第1の所定温度)に達するまで、もっぱら加熱源(コンベクションヒータ35、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b)の作用により加熱室11内の温度を上昇させる。また、必要に応じて(被加熱物、調理方法の性質に応じて)、蒸気発生部15により蒸気が導入される(スチームショット)。このスチームショットは、被加熱物の乾燥防止及び加熱効率向上のために行われるが、必須の工程ではない。また、予熱工程直後の温度上昇工程における、スチームショットは必要に応じて行われる。
次に、第2の処理工程P2においては、加熱室温度を第1の定常温度Temp1付近に保持する制御が行われる。すなわち、サイクルAにおいては、加熱室内の温度が、Temp1よりも低い状態のため、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給がなされ、温度の上昇が図られる。一方、サイクルBにおいては、加熱室内の温度がTemp1以上となったため、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給が停止され、温度の下降が図られる。
さらに、第3の処理工程P3においては、加熱室温度が、第1の定常温度Temp1よりも高い第2の定常温度Temp2(第2の所定温度)付近に保持される。すなわち、サイクルAにおいては、加熱室内の温度が、Temp2よりも低い状態のため、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給がなされ、温度の上昇が図られる。一方、サイクルBにおいては、加熱室内の温度がTemp2以上となったため、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給が停止され、温度の下降が図られる。
そして、本実施形態においては、処理工程P3において、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給停止時(加熱源停止時)、すなわち、サイクルBにおいて、蒸気発生部15のシーズヒータ53へ電力が供給される。このとき、給水タンク27から加熱ブロック45の水溜凹所45aに水が供給され、蒸気発生部15から蒸気が加熱室11内に供給されることとなる(例えば図7におけるSの部分)。もちろん、被加熱物の種類、調理方法などに応じて、処理工程P2において、同様に蒸気を導入することもできる。処理工程P2、P3双方にて、蒸気を導入することもできる。
実施形態のP2,P3においては、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35が、特にサイクルBにて停止されることにより、加熱室11内を所定温度に保持することが可能となる。調理時間の短縮のため、これらのヒータを停止させず作動させつづけた場合、加熱室11の温度は上昇し続け、被加熱物の表面が焦げる等の弊害が生ずるおそれがある。しかしながら、ヒータの停止に伴い、調理時間は長くなってしまう。
そこで本発明の実施形態においては、処理工程P3で、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35を停止した際、電源部40からの電力をシーズヒータ53に振り分け、加熱室11内に蒸気を供給することにしている。
周知のとおり、蒸気は熱容量の高い水分を含む、すなわち539cal/gという高い潜熱(気化熱)を持つため、温度を一定に保ちつつ、非加熱物に多量の熱量を与えることができる。別の言い方をすると、蒸気が存在することにより、短い時間であってもより多くの熱エネルギーを被加熱物に与えることが可能となる。
外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35への電力供給停止時において、蒸気発生部15のシーズヒータ53へ電力を供給しない場合、外部から加熱室11に与えられる熱量はゼロである。従って調理時間が長くなる。一方、上述の処理工程P3における、電力供給操作を行うことにより、単位時間あたりに投入される電力量は大きくなり(ヒータ通電率の上昇)、加熱室11に与えられる熱量も大きくなるため、調理時間の短縮が達成される。
さらに、蒸気を加熱室に供給することで、蒸気が有する潜熱、熱容量あるいは蒸気が隅々まで均一に拡がることによって被加熱物の内部までムラなく加熱することができ、被加熱物の表面の焦げ付きを抑制することができる。
尚、上述の実施形態においては、加熱源とシーズヒータ53が同時に起動されない構成をとっている。このことは、商用電源の場合の様に、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において特に有用である。尚、本実施の形態では、加熱源とシーズヒータが同時に起動しない構成としたが、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35、2つのシーズヒータ53の組み合わせが許容電力値の範囲内となるように適宜組み合わせて起動するように制御し、常に許容される最大の過熱量を与えることで調理時間を短くすることも可能である。
また、加熱源への電力が停止している際、シーズヒータ53に常に電力が供給されているわけではない。従って、加熱源及びシーズヒータ53両方への電力供給が停止している場合もありうる。すなわち、加熱源の停止時における任意の間に、シーズヒータ53に電力が供給される。ここで、制御部39は、センサにおいて検知された加熱室温度、さらには蒸気発生部15から発生する蒸気により加熱室11内に導入される熱量及び水量を考慮し、加熱源への電力の供給を停止した際におけるシーズヒータ53へ供給される電力量を制御する。このような制御は、被加熱物の種類、調理方法などにおいて予めプログラムされ、所定のメモリに記録することができる。
これに対し、特許文献1においては、図に示すように、ヒータ1とスチームヒータのいずれか一方が必ず選択され、いずれかのヒータが必ずオンとなっており、本発明の様に加熱室に導入すべき蒸気量を何ら考慮していない。従って、本発明のように、調理の種類に応じて導入蒸気量を変化させることはできず、単に加熱室内に導入される熱量を上昇させるのみである。
また、外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b、コンベクションヒータ35は各々独立して制御されている。すなわち各ヒータのデューティ比は独立して制御されているため、被加熱物における熱分布がより均一なものとなる。各ヒータの出力は同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
更に、シーズヒータ53は独立して作動する700Wと300Wの2基が用意されており、互いに異なる出力の蒸気発生部が本実施形態では用意されている。この構成により、加熱室への熱量及び水量をきめ細かく設定することが設定でき、所定の温度に維持された加熱室内の湿度を適切なものに設定することが容易となる。シーズヒータの数、各シーズヒータの出力の設定は任意である。
次に、本発明に係る加熱調理器100の作用を説明する。本発明の加熱調理器100を用いて、例えばグリル加熱を行いながら蒸気供給も行うには、被加熱物を加熱室11内に置き、開閉扉41を閉じ、操作パネル91に備わる各種のスイッチを操作して、所望の加熱モードを設定した後、スタートスイッチ93を押下する。また、自動調理モードで加熱する場合には、記憶部95(図2参照)に予め用意されている調理内容(調理プログラム)を、自動調理スイッチ97の押下等により選択した後、スタートスイッチ93を押下する。
スタートスイッチ93の押下を受けて上部加熱ヒータ17が発熱を開始すると、被加熱物が輻射熱によって加熱処理される。一方、高周波発生部13から発生した高周波がスタラー羽根23の回転により加熱室11内に拡散供給される。これにより、発生した高周波は加熱室11に供給されて被加熱物を高周波加熱する。また、加熱対象によっては、高周波吸収体を加熱室11内に配置して、この高周波吸収体による発熱を被加熱物に供給する場合もある。
さらに、必要に応じて室内気加熱部37のコンベクションヒータ35を発熱させて循環ファン33を回転させることにより、被加熱物をより均一に高温加熱することもできる。
ここで、上記加熱時においては、制御部39は、加熱ブロック45のサーミスタ65や加熱室内の温度を検出する加熱室温度センサ31、或いは被加熱物温度センサ32からの検出温度に応じて、蒸気発生量やヒータ加熱量をフィードバック制御し、加熱室11内の温度や蒸気量を適切に設定する。これにより、温度管理の難しい卵料理等を容易に行うことが可能となる。
そして、加熱調理器100は、制御部39の制御により、図7に示すように、加熱源の停止時に、被加熱物の調理内容に応じた必要量の蒸気のみを供給させることができる。また、従来プリンなど加熱工程の初めから蒸気を導入する必要があるものについては、調理前に調理器内に水、お湯をいれた容器(湯煎)を配置しておく必要があった。しかしながら、本発明の加熱調理器においては、当初から適当量の蒸気を導入することが可能となるため、そのような手間を省略することも可能となる。
本発明の制御方法によれば、被加熱物の調理内容に必要とされる蒸気が必要量だけ供給される。即ち、自動調理では予め調理時間等が規定されているので、必要な蒸気量が既知となり、その分だけを供給すれば、供給不足や過剰な供給による出来映えの劣化が少なくなり、無駄のない確実な調理が可能となる。
さらに、本実施形態の加熱調理器100では、蒸気発生部15を加熱室11の底面隅部に2基(700W、300W)備えているので、被加熱物の加熱内容に応じて発生させる蒸気量を可変にでき、蒸気を多量に必要とするもの、少量でよいもの等の区別をすることができる、蒸気供給のパターンを所望の蒸気供給量になるように任意に設定することができる。
例えばオーブン調理の加熱パターンでは、加熱初期に、循環ファン33とコンベクションヒータ35、或いは上部加熱ヒータ17へ所定時間給電して予熱を行う。この際、必要に応じて、加熱ブロック45のシーズヒータ53へ給電するとともに水溜凹所45aへ給水する。これにより、水溜凹所45aに供給された水がシーズヒータ53の熱を受けて蒸発して、加熱室11内に蒸気が供給される(図7のスチームショット)。予熱完了後、循環ファン33、コンベクションヒータ35、上部加熱ヒータ17(外側加熱ヒータ17a、内側加熱ヒータ17b)へ給電して加熱室11を加熱し、その後所定の温度を保持する(図7の期間P1,P2)。その後、保持温度を変化させ、コンベクションヒータ35、上部加熱ヒータ17への通電停止時に、上述と同様の方法にて加熱室11内に蒸気が供給される(図7の期間P3)。このような加熱パターンにおける加熱室11内の温度変化は、予熱完了後に開閉扉を開けて被加熱物を加熱室11内に置く際に、加熱室内の温度は一旦下がるが、開閉扉を閉めると温度が急峻に立ち上がり、所望の設定温度付近にいち早く近づくようになる。
また、加熱調理前に予め加熱室11を加熱する予熱処理を実施しておくことで、蒸気をいち早く発生させることができる。なお、調理によっては、スチームの効果をより高めるために予熱を調理温度より高い温度で行うことも有効である。
なお、加熱中の蒸気供給は、加熱調理の前半で供給する場合には、被加熱物に水分を与えてしっとり柔らかくする効果があり、加熱調理の後半で供給する場合には、被加熱物の内部の火通りを良くし、焼き色を均一化する効果がある。蒸気は、被加熱物の表面に凸凹があっても、この凹凸に蒸気が入り込むことで被加熱物に局所的な焼きムラを生じさせることを防ぎ、焼き具合を均一にできる。上部加熱ヒータ17で加熱する場合では、凹凸の影となった部位に対して加熱量が小さくなるが、上記の蒸気加熱を併用することでこのようなムラが生じにくくなる。さらには、上部加熱ヒータ17の加熱室に対する加熱ムラ、即ち、加熱室中央では加熱量が多くなり、加熱室の隅部では加熱量が少なくなるといった加熱ムラにより、加熱室中央に位置する被加熱物が過剰に加熱されて焦げ、加熱室隅部に位置する被加熱物が加熱不十分な状態で仕上がることを未然に防止できる。
以上説明した各加熱パターンは、図2に示す制御部39に接続された記憶部95に予め調理プログラムとして記憶しておき、操作パネル91の自動調理スイッチ97等の操作により任意に選定して実行する構成としてもよい(本発明の制御プログラム)。その場合にも、加熱室内の被加熱物の温度を加熱室温度センサ31により検出して、被加熱物の温度に合わせて、また、タイマ101により加熱時間等の経過時間を計測して前述した各部の制御タイミングを設定する。蒸気発生のタイミングは、図7のように加熱源停止時に設定されるが、蒸気供給スイッチ19を操作することにより、任意のタイミングで供給を行う機能ももちろん併設される。
図7で説明されているシーケンスは、一般的な調理シーケンス事例である。以下、調理シーケンスの具体事例を4つ紹介する。
(1)プリン等の蒸し調理の場合
図8は、プリン等の蒸し調理に際し、好ましく使用される調理シーケンスを示す。本調理シーケンスにおいては、予熱工程以降、常時蒸気を供給することにしている。すなわち、温度上昇工程P1、及び定常温度Temp1下の加熱処理工程P2において、加熱室内に常時蒸気が導入されている。
この調理シーケンスでは、熱量の大きな蒸気雰囲気において調理物を置くこととなる。従って、加熱時間を大幅に短縮することが可能となる。例えば、従来の湯煎を加熱室に配置した方法では約30分の調理時間が必要であったが、これを15分以下に半減することができた。また、加熱室内の温度分布の影響を軽減することができ、調理物全体を均一に加熱することも可能となった。さらに、従来の方法では、局地的な過度の温度上昇により、調理物に巣が発生することがあり、対策としてプリンを載置するオーブン皿に水を張る湯煎により、均一加熱と蒸気による保湿を維持していた。しかしながら、本発明により、湯煎を加熱室内に配置する必要がなくなった。
(2)ケーキ等の場合
図9は、ケーキ等の調理に際し、好ましく使用される調理シーケンスを示す。本調理シーケンスにおいては、その後半に熱量の大きい蒸気を供給することにしている。すなわち、温度上昇工程P1において、蒸気は加熱室に導入されず、所定温度下の加熱処理工程(P2、P3)の少なくとも後半以降(本例ではP3のみ)に、加熱室に蒸気が導入される。
この調理シーケンスでは、後半に熱量の大きい蒸気を供給するため、加熱時間を短縮することが可能となる。また、加熱室内の温度分布の影響を軽減することができ、調理物全体を均一に加熱し、ふくらみが良く、焼成後の形状を保ちやすくすることも可能となった。さらに、好ましくない乾燥を抑制することが可能となるため、ふっくらとした仕上がりを得ることができた。
(3)シュー菓子(シュークリーム)の場合
図10は、シュー菓子等の調理に際し、好ましく使用される調理シーケンスを示す。本調理シーケンスにおいては、加熱開始直後に蒸気を供給(スチームショット)し、その後蒸気を供給している。図8のシーケンスに比べ、蒸気の絶対供給量が少ない。すなわち、予熱工程直後の、温度上昇工程P1における、加熱室温度の下降時に、蒸気を優先的に導入する。そして、温度上昇工程P1及び所定温度下の加熱処理工程(P2、P3)において、加熱室内に常時蒸気を導入する。
この調理シーケンスでは、加熱開始直後に蒸気を供給することにより、調理物の表面に結露を発生させている。従って、調理物の乾燥を防止するとともに、伸びを良くし、かつ膨らみやすいものとすることができた。また、スチームショット後の常時蒸気供給により、加熱時間を短縮することができた。また、蒸気を介し、調理物に供給される熱量を上げたため、調理物内側の内圧を大きくし、ふくらみを大きくすることができた。
(4)フランスパン等の場合
図11は、フランスパン等の調理に際し、好ましく使用される調理シーケンスを示す。本調理シーケンスにおいては、加熱開始直後に蒸気を供給(スチームショット)し、加熱終了間近に再度蒸気を供給している。すなわち、予熱工程直後の、温度上昇工程P1における、加熱室温度の下降時に、蒸気を導入する。そして、所定温度下の加熱処理工程(P2、P3、P4)の少なくとも後半以降(本例ではP3のみ)に、加熱室内に蒸気を導入する。
この調理シーケンスでは、加熱開始直後に蒸気を供給することにより、調理物の表皮の糊化を促進し、伸びとつやを良くすることができた。また、加熱終了間近の蒸気供給により、調理物の皮をパリッと仕上げることができた。尚、予熱温度を高めに設定することで、蒸気供給による温度低下を抑え、皮が分厚くなったり、色艶が悪くなるのを防止することができる。
以上説明したように、電源容量の制約内で、加熱源と蒸気発生部による加熱を組み合わせ、調理に応じた熱量と水量(蒸気)を制御することにより、最適な調理を行うことが可能となった。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば他の実施形態およびそれらの組み合わせも可能である。
本発明によれば、加熱調理に際し、加熱源へ電力停止時に、適当な蒸気を加熱室内に導入することが可能となる。従って、加熱電力の許容電力値が制限されている状況下において、調理時間を短縮しつつ、多くの熱量を被加熱物に与えることができる。
本発明に係る加熱調理器の開閉扉を開けた状態を示す正面図である。 加熱調理器の制御ブロック図である。 操作パネルのスイッチ配列例を示す正面図である。 加熱調理器の蒸気発生の基本原理を表す説明図である。 加熱ブロックの外観図で(a)は上面側、(b)は裏面側の斜視図である。 図1のB方向矢視図である。 加熱室の温度変化及び各構成部の作動状況(調理シーケンス)を示した図である。 プリン等の蒸し調理における調理シーケンスの例を示した図である。 ケーキ等の調理における調理シーケンスの例を示した図である。 シュー菓子の調理における調理シーケンスの例を示した図である。 フランスパン等の調理における調理シーケンスの例を示した図である。 従来の加熱調理器の断面図である。 従来の加熱調理器の温度調節器の回路図である。
符号の説明
11 加熱室
13 高周波発生部(加熱源)
15 蒸気発生部
17a 外側加熱ヒータ(加熱源)
17b 内側加熱ヒータ(加熱源)
19 蒸気供給スイッチ
31 加熱室温度センサ
32 被加熱物温度センサ
35 コンベクションヒータ(加熱源)
45 加熱ブロック
45a 水溜凹所
53 シーズヒータ(蒸発部加熱ヒータ)
69 給水手段
99 報知手段
100 加熱調理器

Claims (14)

  1. 被加熱物を収容する加熱室に熱を供給して該被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、
    前記加熱室に熱を供給する加熱源と、
    前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部と、
    前記蒸気発生部に水を供給する給水部と、
    前記蒸気発生部を加熱する蒸発部加熱ヒータと、
    前記加熱室内の温度を検知する温度検知部と、
    前記温度検知部において検知された温度に基づき、前記加熱源への電力の供給を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、
    更に前記制御部は、前記温度検知部において検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記加熱源への電力の供給を停止した際における前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する、加熱調理器。
  2. 請求項1記載の加熱調理器であって、
    前記制御部は、前記加熱室の温度を所定温度に保持するよう、前記加熱源及び前記蒸発部加熱ヒータを制御する、加熱調理器。
  3. 請求項2記載の加熱調理器であって、
    前記所定温度が、第1の所定温度と第2の所定温度を含み、
    前記加熱室の温度を前記第1の所定温度に保持するとき、前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際において、前記蒸発部加熱ヒータへ電力を供給せず、
    前記加熱室の温度を前記第2の所定温度に保持するとき、前記制御部は、前記加熱源への電力の供給を停止した際における前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する、加熱調理器。
  4. 請求項3記載の加熱調理器であって、
    前記第2の所定温度が、前記第1の所定温度よりも高く、
    前記第2の所定温度下の加熱処理工程が、前記第1の所定温度下の加熱処理工程の後である、加熱調理器。
  5. 請求項4記載の加熱調理器であって、
    前記第1の所定温度下の加熱処理工程の前の温度上昇工程において、前記制御部は、 前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に蒸気を導入する、加熱調理器。
  6. 請求項1ないし5記載の加熱調理器であって、
    前記加熱源は複数の加熱ヒータを含み、
    前記蒸発部加熱ヒータは出力の異なる複数の加熱ヒータを含み、
    前記制御部は前記総ての加熱ヒータを個別に制御する、加熱調理器。
  7. 請求項2記載の加熱調理器であって、
    前記所定温度下の加熱処理工程の前に、温度上昇工程が存在し、
    前記温度上昇工程及び前記所定温度下の加熱処理工程において、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に常時蒸気を導入する、加熱調理器。
  8. 請求項2記載の加熱調理器であって、
    前記所定温度下の加熱処理工程の前に、温度上昇工程が存在し、
    前記温度上昇工程において、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行わず、前記所定温度下の加熱処理工程の少なくとも後半以降に、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に蒸気を導入する、加熱調理器。
  9. 請求項2記載の加熱調理器であって、
    前記所定温度下の加熱処理工程の前に、温度上昇工程及び該温度上昇工程の前に予熱工程が存在し、
    前記予熱工程直後の、前記温度上昇工程における、前記加熱室温度の下降時に、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に蒸気を導入する、加熱調理器。
  10. 請求項9記載の加熱調理器であって、
    前記温度上昇工程及び前記所定温度下の加熱処理工程において、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に常時蒸気を導入する、加熱調理器。
  11. 請求項9記載の加熱調理器であって、
    前記所定温度下の加熱処理工程の少なくとも後半以降に、前記制御部は、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行い、前記加熱室内に蒸気を導入する、加熱調理器。
  12. 被加熱物を収容する加熱室に熱を供給して該被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、
    前記加熱室に熱を供給する加熱源と、
    前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部と、
    前記蒸気発生部に水を供給する給水部と、
    前記蒸気発生部を加熱する蒸発部加熱ヒータと、
    前記加熱室内の温度を検知する温度検知部と、
    前記温度検知部において検知された温度に基づき、前記加熱源への電力の供給を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記温度検知部において検知された温度が所定温度以上に達したとき、前記加熱源への電力の供給を停止し、かつ、
    前記制御部は前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記加熱源への電力の供給を停止している任意の間に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行う、加熱調理器。
  13. 加熱調理器の制御方法であって、
    加熱室に熱を供給するステップと、
    前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部に水を供給するステップと、
    水が供給された前記蒸気発生部を蒸発部加熱ヒータにより加熱するステップと、
    前記加熱室内の温度を検知するステップと、
    前記加熱源への電力の供給を停止するステップと、
    前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行うステップと、
    検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御するステップと、を備える加熱調理器の制御方法。
  14. 加熱調理器を制御するプログラムであって、
    加熱室に熱を供給する手順と、
    前記加熱室内に蒸気を供給する蒸気発生部に水を供給する手順と、
    水が供給された前記蒸気発生部を蒸発部加熱ヒータにより加熱する手順と、
    前記加熱室内の温度を検知する手順と、
    前記加熱源への電力の供給を停止する手順と、
    前記加熱源への電力の供給を停止した際に、前記蒸発部加熱ヒータへの電力の供給を行う手順と、
    検知された温度並びに前記蒸気発生部から発生する蒸気により前記加熱室内に導入される熱量及び水量に基づき、前記蒸発部加熱ヒータへ供給される電力量を制御する手順と、をコンピュータに実行させるプログラム。
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