JP2015038389A - 加熱調理器 - Google Patents

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範子 坂東
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Yuko Nakajima
優子 中島
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Abstract

【課題】蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる加熱調理器を提供する。【解決手段】蒸気発生ヒータ24により水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱する加熱室と、加熱室内の被加熱物を加熱するための加熱用ヒータ26と、蒸気発生装置と加熱用ヒータ26とを制御する制御装置200とを備える。上記制御装置200は、蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱する蒸し調理において、加熱用ヒータ26の表面が結露しないように加熱用ヒータ26を間欠的にオンする加熱用ヒータ制御手段200bを有する。【選択図】図7

Description

この発明は、加熱調理器に関する。
従来、加熱調理器としては、蒸気を用いて加熱調理を行うものがある(例えば、特開2006−284014号公報(特許文献1)参照)。上記加熱調理器では、蒸し調理の終了時に加熱用ヒータを1分間オンすることにより、蒸し調理の終了時において加熱用ヒータに凝縮水が付着しないようにして、加熱用ヒータにサビが発生するのを防止している。
ところが、上記加熱調理器では、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合は、蒸し調理の終了時の加熱用ヒータの1分間オン動作ができず、加熱用ヒータに付着した凝縮水により、加熱用ヒータの表面が錆びるという問題がある。
特開2006−284014号公報
そこで、この発明の課題は、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
蒸気発生ヒータにより水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
上記蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱する加熱室と、
上記加熱室内の被加熱物を加熱するための加熱用ヒータと、
上記蒸気発生装置と上記加熱用ヒータとを制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記蒸気発生装置から供給された蒸気を用いて上記被加熱物を加熱する蒸し調理において、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータに通電する加熱用ヒータ制御手段を有することを特徴とする。
上記構成によれば、蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱することにより蒸したり暖めたりする蒸し調理において、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータに通電することによって、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合でも、加熱用ヒータの表面が結露していない状態にすることが可能となる。このように、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、上記加熱用ヒータを間欠的にオンする。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータを間欠的にオンして、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるので、蒸し調理時の加熱用ヒータの通電制御を簡略化でき、ヒータ制御が容易に行える。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータに通電するとき、上記加熱用ヒータへの入力電力の平均値を定格電力よりも小さくする。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータに通電するとき、加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータへの入力電力の平均値が定格入力電力よりも小さくすることにより、加熱室内の温度が過度に上昇して蒸し調理に適さない高温になるのを防ぐことが可能となる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時の少なくとも上記蒸気発生装置からの蒸気が上記加熱室内に供給され始めるまでは、上記加熱用ヒータに通電しない。
上記実施形態によれば、蒸し調理時の少なくとも蒸気発生装置からの蒸気が加熱室に供給され始めるまでは、加熱用ヒータに通電しないことにより、加熱用ヒータの表面に蒸気が付着しない時間帯では、加熱用ヒータに通電せず、ヒータ電力を節約できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記制御装置は、上記蒸気発生ヒータをデューティ制御する蒸気発生ヒータ制御手段を有し、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記蒸気発生ヒータ制御手段により上記蒸気発生ヒータをオンオフするときのオフ期間内において上記加熱用ヒータに通電する。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、制御装置の蒸気発生ヒータ制御手段により蒸気発生ヒータをオンオフするときのオフ期間内において、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータに通電することによって、蒸気発生ヒータと加熱用ヒータとが同時にオンしたときの消費電力の合計が電源の許容量をオーバーするような使用条件において、加熱用ヒータのオン時に蒸気発生ヒータが同時にオンしないので、消費電力を抑制して、電源の許容量を越えないようにできる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱室内の温度を検出する温度センサを備え、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記温度センサにより検出された上記加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、上記加熱用ヒータに通電する。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、温度センサにより検出された加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータに通電することによって、加熱用ヒータの表面を結露しない温度に保つことが可能となり、より確実に加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、一定周期で上記加熱用ヒータを強制的にオフする。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により一定周期で加熱用ヒータを強制的にオフすることによって、加熱用ヒータによる加熱室内の温度上昇を抑制するので、最適な庫内温度で蒸し調理を行うことができる。
以上より明らかなように、この発明の加熱調理器によれば、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる加熱調理器を実現することができる。
図1はこの発明の実施の形態の加熱調理器の正面図である。 図2は上記加熱調理器の把手付きドアを全開にした状態の正面図である。 図3は上記加熱調理器の把手付きドアを全開にした状態の上面図である。 図4は上記加熱調理器のケーシングを取り外した状態を後方かつ斜め上方から見た斜視図である。 図5は上記加熱調理器のケーシングを取り外した状態を前方かつ斜め上方から見た斜視図である。 図6は上記加熱調理器の把手付きドアを取り外した状態を前方かつ斜め下方から見た斜視図である。 図7は上記加熱調理器の制御ブロック図である。 図8は上記加熱調理器の制御装置の蒸し調理時の動作を説明するためのフローチャートである。 図9は上記加熱調理器の把手付きドアを途中で開けない蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図10は比較例の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図11は上記実施の形態の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図12は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図13は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図14は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図15は2段調理時の加熱調理器の正面図である。
以下、この発明の加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態の加熱調理器の正面図を示している。
上記加熱調理器は、図1に示すように、ケーシング1と、このケーシング1の前面側に取り付けられた把手付きドア2とを備えている。この把手付きドア2の略中央に耐熱ガラス5を取り付けている。また、ケーシング1の前面側には、閉鎖時の把手付きドア2と隣り合うように操作パネル3を設けている。そして、把手付きドア2と操作パネル3の下方に露受容器4を配置している。この露受容器4は、ケーシング1の底部の前側に設けられた2つの前脚6,6に着脱可能な容器である。
上記操作パネル3に、複数の押ボタンなどを取り付けている。また、操作パネル3は液晶表示部7を有し、この液晶表示部7が操作に応じた表示を行う。
また、図2は加熱調理器の把手付きドア2を全開にした状態を正面から見た正面図を示しており、図3は加熱調理器の把手付きドア2を全開にした状態の上面図を示している。この図2,図3では、図1に示す加熱調理器と同一の構成部に同一参照番号を付している。
図2,図3に示すように、ケーシング1内に被加熱物を加熱するための加熱室8(図2に示す)を設置している。ケーシング1の前面側に配置された把手付きドア2は、ケーシング1の左側の側端部を中心に左右方向に回動して、加熱室8の前面の開口8a(図2に示す)を開閉する。ここで、把手付きドア2は、ケーシング1の操作パネル3側とは反対の側部にヒンジ(図示せず)を介して回動自在に取り付けられている。
上記把手付きドア2の右側かつ後面にラッチフック90,90が設けられている。このラッチフック90,90は、把手付きドア2の閉鎖時、開口8aの周縁部に設けられた挿通孔91,91に挿通され、ケーシング1内のラッチ機構(図示せず)に解除可能に係止される。また、ラッチフック90,90の係止の解除は、ユーザが把手付きドア2の把手2aを握ることで行う。
なお、図2において、80は、蒸気発生装置13(図4に示す)で発生した蒸気が加熱室8内に向かって吹き出す蒸気吹出口である。
図4は加熱調理器のケーシング1を取り外した状態を後方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。
上記ケーシング1内には、図4に示すように、被加熱物を加熱するための加熱室8を設置している。また、ケーシング1内において、加熱室8の側方かつ操作パネル3の後方に電装品室9を設け、加熱室8の後方かつ電装品室9の後方に吸気空間10を設けている。
上記加熱室8の上方、下方、後方および両側方のそれぞれには、遮熱板11,11,…を配置している。つまり、遮熱板11,11,…は、加熱室8の開口8a(図2に示す)を除く周囲に配置されている。また、遮熱板11と加熱室8との間の空間に断熱材(図示せず)を充填している。
上記加熱室8の後面側に、加熱室8に供給するための蒸気を発生させる蒸気発生装置13を配置し、加熱室8の下側に、この蒸気発生装置13に給水チューブ20を介して接続された給水ポンプ70(図7に示す)を配置している。また、ケーシング1の電装品室9内に、給水タンク(図示せず)が収納されるタンク収納部15と、マグネトロン51と、電源トランス52などが配置されている。そして、被加熱物の加熱時には、冷却ファン16からの冷却空気が電装品室9内を流れ、マグネトロン51などの電装品を冷却できるようにしている。
上記吸気空間10には、冷却ファン16の駆動に伴い、ケーシング1外の空気が複数の吸気口(図示せず)から流れ込む。そして、吸気空間10内の空気は冷却ファン16により電装品室9内に送られる。なお、各吸気口はケーシング1の後部に設けられた複数のスリットで構成されている。
なお、図4において、21は、電装品室9と吸気空間10とを仕切る間仕切壁である。この間仕切壁21に冷却ファン16を取り付けている。また、加熱室8内の上側に加熱用ヒータ26を配置している。また、マグネトロン51で発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)を介して加熱室8の下部中央に導かれ、回転アンテナ(図示せず)によって攪拌されながら加熱室8内の上方に向かって放射されて被加熱物を加熱する。
上記タンク収納部15に収納された給水タンク内の水は、給水ポンプ70の駆動により、給水チューブ20を介して蒸気発生装置13に供給される。蒸気発生装置13は、給水ポンプ70からの水を蒸気発生ヒータ24で加熱して、水蒸気を発生させる。
図5は上記加熱調理器のケーシング1を取り外した状態を前方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。図5に示すように、加熱室8の左側壁に設けられた排気口8bに排気チューブ18の上流端を接続し、その排気チューブ18の下流端を、ケーシング1内の左下側かつ前面側に配置された合成樹脂製の排気ダクト100に接続している。この排気チューブ18は、可撓性を有する合成樹脂からなる。
そして、加熱室8内の気体は、排気チューブ18と排気ダクト100によって、ケーシング1の側部から前面側に案内されてケーシング1外に出るようにしている。
また、排気ダクト100の後面側の排水受け部111に、排水溝110の先端部を接続している。この排水溝110は、加熱室8を覆う遮熱板11の側面を伝って落ちる結露水を受ける。
図6は上記加熱調理器の把手付きドア2を取り外した状態を前方かつ斜め下方から見た斜視図を示している。この図6では、図1〜図5に示す加熱調理器と同一の構成部に同一参照番号を付している。
図6に示すように、加熱室8の天面側に配置された加熱用ヒータ26は、加熱室8内に露出している。この加熱用ヒータ26には、発熱体を絶縁物と金属シースで覆ったシーズヒータを用いている。
図7は上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。
この加熱調理器は、図7に示すように、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置200を備えている。制御装置200は、蒸気発生ヒータ24,加熱用ヒータ26,冷却ファン16,回転アンテナ用モータ37,操作パネル3,ドア開閉センサ28,庫内温度センサ29,給水ポンプ70およびマグネトロン51が接続されている。操作パネル3からの信号およびドア開閉センサ28,庫内温度センサ29からの各検出信号に基づいて、制御装置200は、蒸気発生ヒータ24,加熱用ヒータ26,冷却ファン16,回転アンテナ用モータ37,操作パネル3,給水ポンプ70およびマグネトロン51などを制御する。
上記制御装置200は、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御する蒸気発生ヒータ制御手段200aと、加熱用ヒータ26を制御する加熱用ヒータ制御手段200bと、カウンタ200cとを有する。
上記構成の加熱調理器において、必要量の水を入れた給水タンクを、タンク収納部15に収納した後、操作パネル3を操作して蒸気を用いた加熱調理を開始する。そうすると、加熱室8内の上側に配置された加熱用ヒータ26をオンすると共に、給水ポンプ70を駆動して、給水タンク内の水を蒸気発生装置13に供給し、蒸気発生装置13に供給された水を蒸気発生ヒータ24で加熱して、水蒸気を発生させる。そして、蒸気発生装置13で発生した水蒸気が加熱室8内に吹き出し、加熱室8内で加熱用ヒータ26により加熱されて100℃以上の過熱水蒸気となる。これにより、加熱室8内の食品は、加熱室8内の上側の加熱用ヒータ26からの輻射熱および100℃以上の過熱水蒸気により加熱調理される。このとき、食品表面に供給されて付着した過熱水蒸気が食品表面で凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。
この加熱調理器では、蒸気を用いずに加熱用ヒータ26(図4,図5に示す)のみを用いたオーブン調理を行ってもよいし、加熱用ヒータ26を用いずに蒸気発生装置13で発生した水蒸気のみを用いた蒸し料理などを行ってもよい。
〔蒸し調理時のヒータ制御〕
図8は上記加熱調理器の制御装置200の蒸し調理時の動作を説明するためのフローチャートを示している。
まず、操作パネル3の操作によって蒸し調理が選ばれて蒸し調理の処理がスタートすると、図8に示すように、ステップS1でカウンタ200cのカウント数CNTをゼロに設定して、カウンタ200cを初期化する。
次に、ステップS2に進み、カウンタ200cのカウント数CNTをインクリメント(CNT=CNT+1)する。
次に、ステップS3に進み、カウンタ200cのカウント数CNTが60か否かを判定する。そして、カウンタ200cのカウント数CNTが60のときは、ステップS4に進み、カウンタ200cのカウント数CNTをゼロに設定して、ステップS5に進む。
一方、ステップS3でカウンタ200cのカウント数CNTが60でないときは、ステップS5に進む。
次に、ステップS5で蒸し調理の制御を行う。ここで、蒸し調理の設定内容(蒸しモードや温めモード、調理時間など)に応じて、蒸気発生ヒータ制御手段200aにより加熱用ヒータ26のデューティ制御を行って蒸気発生量を制御する。すなわち、必要な蒸気発生量に基づいて加熱用ヒータ26の単位時間あたりの投入電力が調整される。
そして、ステップS6に進み、カウンタ200cのカウント数CNTが58以上か否かを判定する。ステップS6でカウンタ200cのカウント数CNTが58以上であると判定すると、ステップS7に進む。
次に、ステップS7で蒸気発生ヒータ24をオフした後、ステップS9に進む。
そして、ステップS9で庫内温度センサ29により検出された庫内温度が100℃未満であると判定すると、ステップS10に進み、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンして、ステップS12に進む一方、庫内温度が100℃以上であると判定すると、ステップS11に進み、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオフして、ステップS12に進む。
一方、ステップS6でカウンタ200cのカウント数CNTが58未満であると判定すると、ステップS8に進み、蒸気発生ヒータ24をオンした後、ステップS12に進む。ここで、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量が調整される。
そして、ステップS12で調理終了か否かを判定する。すなわち、調理時間が終了したか否か、または、ドア2を開くなどして強制的に終了されたか否かを判定する。
このステップS12で調理終了でないと判定すると、ステップS2に戻る一方、調理終了であると判定すると、この処理を終了する。
上記構成の加熱調理器によれば、蒸気発生装置13から供給された蒸気により被加熱物を蒸したり暖めたりする蒸し調理において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26に通電することによって、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合でも、加熱用ヒータ26の表面が結露していない状態にすることが可能となる。このように、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータ26の表面が結露しないようにでき、加熱用ヒータ26へのサビの発生を防止することができる。
また、蒸し調理時に加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26を間欠的にオンすることにより、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるので、蒸し調理時の加熱用ヒータ26の通電制御を簡略化でき、ヒータ制御が容易に行える。
なお、蒸し調理時に加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26を間欠的にオンするだけでなく、加熱用ヒータ26への入力電力を制御して、加熱用ヒータ26の表面温度を制御してもよい。すなわち、蒸し調理時に、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26に通電するとき、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26への入力電力の平均値が定格入力電力よりも小さくしてもよい。これにより、加熱室8内の温度が過度に上昇して蒸し調理に適さない高温になるのを防ぐことが可能となる。
また、蒸し調理時の少なくとも蒸気発生装置13からの蒸気が加熱室8に供給され始めるまでは、加熱用ヒータ制御手段200bによる加熱用ヒータ26の通電をしないので、加熱用ヒータ26の表面に蒸気が付着しない時間帯では、加熱用ヒータ26に通電せず、ヒータ電力を節約できる。
また、蒸し調理時に、制御装置200の蒸気発生ヒータ制御手段200aにより蒸気発生ヒータ24をオンオフするときのオフ期間内において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンすることによって、蒸気発生ヒータ24と加熱用ヒータ26とが同時にオンしたときの消費電力の合計が電源の許容量をオーバーするような使用条件において、加熱用ヒータ26のオン時に蒸気発生ヒータ24が同時にオンしないので、加熱調理器の消費電力を抑制して、電源の許容量を越えないようにできる。
また、蒸し調理時に、庫内温度センサ29により検出された加熱室8内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンすることによって、加熱用ヒータ26の表面を結露しない温度に保つことが可能となり、より確実に加熱用ヒータ26へのサビの発生を防止できる。
また、蒸し調理時に、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより一定周期で加熱用ヒータ26を強制的にオフすることによって、加熱用ヒータ26による加熱室8内の温度上昇を抑制するので、最適な庫内温度で蒸し調理を行うことができる。
〔蒸し調理におけるドア開閉時制御〕
次に、加熱調理器の蒸し調理運転の途中でドア2が開かれた場合の制御について説明する。なお、この加熱調理器は、図1〜図7に示す加熱調理器とは蒸気吹出口の位置のみが異なる。この加熱調理器では、蒸気発生装置13で発生した蒸気が加熱室8内に向かって吹き出す蒸気吹出口80は、加熱室8内の後面側の壁面の上側に設けられている。
蒸し調理においてドア2を途中で開けることは、加熱室8内の開口8aから蒸気が排出されて大幅なロスになるため、この加熱調理器では、蒸し調理時に途中でドア2を開けたときのロスを軽減するドア開閉時制御を行う。
ドア2を途中で開けない通常の蒸し調理では、制御装置200は、加熱室8内に蒸気が満たされると、蒸気発生装置13の蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量を調整して蒸し調理を行う。
一方、蒸し調理時の途中でドア開によって低下する加熱室8内の蒸気量は、ドア2を開けた時間に略比例する。このため、制御装置200は、ドア開放時間に比例してドア2を再び閉めてから所定の時間だけ蒸気発生装置13で大量に蒸気を発生させる(ドア開閉時制御)。それによって、すばやくかつ効率よく加熱室8内の蒸気量を増やすことで安定した仕上がりを得る。
100℃の蒸気を用いた蒸し調理では、庫内温度が100℃以上にならないことから、通常は庫内温度の制御を行う必要はなく、一定の時間(この第2実施形態では15分間)蒸気を加熱室8内に投入した後は、蒸気発生ヒータ24のデューティ制御により蒸気発生量を少なくして、水を節約する運転に切り換えている。
上記蒸し調理運転におけるドア開閉時は、制御装置200により、加熱室8内に設けた庫内温度センサ29により検出された庫内温度に基づいて制御する。なお、温度センサを加熱室8内の下側位置に設けることで、加熱室8内の下側空間の温度に応じて加熱室8内に蒸気が充満したか否かを検知できる。
図9はドア2を途中で開けない蒸し調理運転の場合の庫内温度の変化を示している。図9に示すように、制御装置200は、運転開始から15分間は、蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とした後、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量を80%にして調理終了まで運転する。これにより、加熱室8内の上段側および下段側で庫内温度は安定する。
次に、図10は蒸し調理運転で上記ドア開閉時制御を行わない比較例の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示している。図10に示すように、16分運転後にドア2を1分間開いてそのまま蒸気発生量を80%にした状態では、庫内温度が95℃以上に戻らず、十分な加熱ができない。
これに対して、この発明の実施の形態の加熱調理器では、図11〜図14に示すように、ドア開閉時制御を行う。
図11では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%とした後に80%となるが、16分運転後にドア2が20秒間開くと、その後に蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%としている。図11では、ドア2を閉めてから4分28秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから5分12秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図12では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%とした後に80%となるが、16分運転後にドア2が1分間開くと、その後に蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%としている。この図12では、ドア2を閉めてから6分21秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから7分24秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図13では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%となるが、8分運転後にドア2が20秒間開くと、その後も蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とし、蒸気発生量を100%とする期間を延長する。この図13では、ドア2を閉めてから5分55秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから7分41秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図14では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%となるが、8分運転後にドア2が1分間開くと、その後も蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とし、蒸気発生量を100%とする期間を延長する。この図14では、ドア2を閉めてから7分30秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから9分2秒後に下段の温度が95℃に達した。
例えば、図13,図14に示す状態では、制御装置200は、ドア2の開閉時間に応じて、蒸し調理運転の開始から蒸気発生量を最大100%とする期間(この実施の形態では15分間)を延長する延長時間を算出する。
このように、上記実施の形態の加熱調理器によれば、蒸し調理運転中にドア2を開閉しても、すばやくかつ効率よく加熱室8内の蒸気量を増やすことによって、安定した食品仕上がりを実現することができる。
〔2段蒸し調理におけるドア開閉時制御〕
次に、上記加熱調理器の蒸し調理運転おいて、加熱室8内に2つのトレイ30,30を上下2段にセットして調理する場合について説明する。図15は2段調理時の加熱調理器の正面図を示している。
図15に示すように、加熱室8内の左壁面および右壁面には、下側にトレイ30の両端部を係止するための係止部31,31が設けられ、上側にトレイ30の両端部を係止するための係止部32,32が設けられている。この係止部32,32を用いて加熱室8内の上段側にトレイ30を入れると共に、係止部31,31を用いて加熱室8内の下段側にトレイ30を入れる。
2つのトレイ30,30を上下2段にセットして蒸し調理する2段蒸し調理では、蒸気発生装置13からの蒸気が加熱室8内に充満するまでに加熱室8内の上下で温度ムラがある。蒸し調理時に把手付きドア2を途中で開けない場合は、加熱室8内に蒸気が充満することによって加熱室8内の上下の温度差は軽減され、調理の仕上がりに大きく影響するレベルではない。
しかし、蒸気発生装置13からの蒸気を加熱室8内の上段側に吹き出すため、蒸し調理時にドア2を途中で開けると、ドア2を閉じた後に再び加熱室8内に充満するまでの立ち上がりで加熱室8内の上下に温度ムラが生じ、加熱室8内の下段の食品の仕上がりが悪くなる現象が起きる。庫内温度でみても、下段は立ち上がりが上段より一定の割合で遅れる。
さらに、異なる食品で2段蒸し調理を行うときに、それぞれの加熱時間が異なるために、途中で食品を取り出す場合(A)と途中で食品を入れる場合(B)があり、(A),(B)どちらもドア2を開けざるを得ない。
上記途中で食品を取り出す場合(A)では、加熱室8内の下段の食品のみ残すようにユーザーに指導(表示または音声などを用いて通知)し、蒸し調理運転においてドア開閉時制御を行う。
このような蒸し調理運転の制御は、1段調理でドア2を開けて食品を追加したり、取り出したりするときも有効である。
また、上記途中で食品を入れる場合(B)では、ドア2を開けた後に上下2段蒸し調理を行うため、下段の仕上がりを向上させることが必要となる。そのため、上記(A)のタイミングに対して、さらに一定の定数をかけて大量に蒸気を発生させる時間を上記(A)の場合よりも長めにすることで、下段の食品の仕上がりを向上できる。このとき、加熱室8内に蒸気が充満した後は、蒸気発生量を調整して水節約運転に切り替えて、給水タンク内の限られた水量の中で効率よく調理することが可能になる。
上記実施の形態では、加熱室8内に露出した状態で加熱用ヒータ26が加熱室8の天面側に配置された加熱調理器について説明したが、加熱用ヒータはこれに限らず、例えば加熱室の上側に配置されたヒータ収納部内に加熱用ヒータが配置され、そのヒータ収納部内の空間と加熱室内の空間とが通路または穴を介して連通する構成の加熱調理器等にこの発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、蒸し調理時に蒸気発生ヒータ24をオンオフするときのオフ期間内において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンする加熱調理器について説明したが、蒸気発生ヒータと加熱用ヒータとを同時にオンしても電源の許容量を消費電力がオーバーしない場合は、蒸気発生ヒータをオン期間やオフ期間に係わらず、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、加熱用ヒータに通電するものでもよい。
また、上記実施の形態では、蒸し調理時に、温度センサにより検出された加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータをオンする加熱調理器について説明したが、加熱室内の温度に係わらず、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、加熱用ヒータに通電するものでもよい。
また、上記実施の形態では、ケーシング1に対して横方向に回動する把手付きドア2で加熱室8の開口8aを開閉していたが、この発明の加熱調理器が備える開閉扉は、スライド式であってもよいし、回動式であってもよい。
この発明の加熱調理器としては、例えば、水蒸気を使用するオーブンレンジのみならず、過熱水蒸気を使用するオーブン、過熱水蒸気を使用しないオーブンレンジ、過熱水蒸気を使用しないオーブンなどがある。
この発明の加熱調理器では、オーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱室内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して低酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。ここで、低酸素状態とは、加熱室内において酸素の体積%が10%以下(例えば0.5〜3%)である状態を指す。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…ケーシング
2…把手付きドア
3…操作パネル
4…露受容器
6,6…前脚
7…液晶表示部
8…加熱室
8a…開口
8b…排気口
9…電装品室
10…吸気空間
11,11…遮熱板
13…蒸気発生装置
15…タンク収納部
16…冷却ファン
18…排気チューブ
20…給水チューブ
21…間仕切壁
23…被加熱物
24…蒸気発生ヒータ
26…加熱用ヒータ
28…ドア開閉センサ
29…庫内温度センサ
30…トレイ
31,32…係止部
51…マグネトロン
70…給水ポンプ
80…蒸気吹出口
90…ラッチフック
91…挿通孔
100…排気ダクト
110…排水溝
111…排水受け部
200…制御装置
200a…蒸気発生ヒータ制御手段
200b…加熱用ヒータ制御手段
200c…カウンタ
この発明は、加熱調理器に関する。
従来、加熱調理器としては、蒸気を用いて加熱調理を行うものがある(例えば、特開2006−284014号公報(特許文献1)参照)。上記加熱調理器では、蒸し調理の終了時に加熱用ヒータを1分間オンすることにより、蒸し調理の終了時において加熱用ヒータに凝縮水が付着しないようにして、加熱用ヒータにサビが発生するのを防止している。
ところが、上記加熱調理器では、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合は、蒸し調理の終了時の加熱用ヒータの1分間オン動作ができず、加熱用ヒータに付着した凝縮水により、加熱用ヒータの表面が錆びるという問題がある。
特開2006−284014号公報
そこで、この発明の課題は、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる加熱調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の加熱調理器は、
蒸気発生ヒータにより水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
上記蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱する加熱室と、
上記加熱室内の被加熱物を加熱するための加熱用ヒータと、
上記蒸気発生装置と上記加熱用ヒータとを制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記蒸気発生装置から供給された蒸気により上記被加熱物を加熱する蒸し調理において、上記蒸し調理を終了したときおよび上記蒸し調理を中断したときに上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータを間欠的にオンする加熱用ヒータ制御手段を有することを特徴とする。
上記構成によれば、蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱することにより蒸したり暖めたりする蒸し調理において、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータに通電することによって、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合でも、加熱用ヒータの表面が結露していない状態にすることが可能となる。このように、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる。
また、蒸し調理時に、加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータを間欠的にオンして、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるので、蒸し調理時の加熱用ヒータの通電制御を簡略化でき、ヒータ制御が容易に行える。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータに通電するとき、上記加熱用ヒータへの入力電力の平均値を定格電力よりも小さくする。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータに通電するとき、加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータへの入力電力の平均値が定格入力電力よりも小さくすることにより、加熱室内の温度が過度に上昇して蒸し調理に適さない高温になるのを防ぐことが可能となる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時の少なくとも上記蒸気発生装置からの蒸気が上記加熱室内に供給され始めるまでは、上記加熱用ヒータに通電しない。
上記実施形態によれば、蒸し調理時の少なくとも蒸気発生装置からの蒸気が加熱室に供給され始めるまでは、加熱用ヒータに通電しないことにより、加熱用ヒータの表面に蒸気が付着しない時間帯では、加熱用ヒータに通電せず、ヒータ電力を節約できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記制御装置は、上記蒸気発生ヒータをデューティ制御する蒸気発生ヒータ制御手段を有し、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記蒸気発生ヒータ制御手段により上記蒸気発生ヒータをオンオフするときのオフ期間内において上記加熱用ヒータに通電する。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、制御装置の蒸気発生ヒータ制御手段により蒸気発生ヒータをオンオフするときのオフ期間内において、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータに通電することによって、蒸気発生ヒータと加熱用ヒータとが同時にオンしたときの消費電力の合計が電源の許容量をオーバーするような使用条件において、加熱用ヒータのオン時に蒸気発生ヒータが同時にオンしないので、消費電力を抑制して、電源の許容量を越えないようにできる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱室内の温度を検出する温度センサを備え、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記温度センサにより検出された上記加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、上記加熱用ヒータに通電する。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、温度センサにより検出された加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータに通電することによって、加熱用ヒータの表面を結露しない温度に保つことが可能となり、より確実に加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる。
また、一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、一定周期で上記加熱用ヒータを強制的にオフする。
上記実施形態によれば、蒸し調理時に、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により一定周期で加熱用ヒータを強制的にオフすることによって、加熱用ヒータによる加熱室内の温度上昇を抑制するので、最適な庫内温度で蒸し調理を行うことができる。
以上より明らかなように、この発明の加熱調理器によれば、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータの表面が結露しないようにして加熱用ヒータへのサビの発生を防止できる加熱調理器を実現することができる。
図1はこの発明の実施の形態の加熱調理器の正面図である。 図2は上記加熱調理器の把手付きドアを全開にした状態の正面図である。 図3は上記加熱調理器の把手付きドアを全開にした状態の上面図である。 図4は上記加熱調理器のケーシングを取り外した状態を後方かつ斜め上方から見た斜視図である。 図5は上記加熱調理器のケーシングを取り外した状態を前方かつ斜め上方から見た斜視図である。 図6は上記加熱調理器の把手付きドアを取り外した状態を前方かつ斜め下方から見た斜視図である。 図7は上記加熱調理器の制御ブロック図である。 図8は上記加熱調理器の制御装置の蒸し調理時の動作を説明するためのフローチャートである。 図9は上記加熱調理器の把手付きドアを途中で開けない蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図10は比較例の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図11は上記実施の形態の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図12は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図13は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図14は上記加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示す図である。 図15は2段調理時の加熱調理器の正面図である。
以下、この発明の加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態の加熱調理器の正面図を示している。
上記加熱調理器は、図1に示すように、ケーシング1と、このケーシング1の前面側に取り付けられた把手付きドア2とを備えている。この把手付きドア2の略中央に耐熱ガラス5を取り付けている。また、ケーシング1の前面側には、閉鎖時の把手付きドア2と隣り合うように操作パネル3を設けている。そして、把手付きドア2と操作パネル3の下方に露受容器4を配置している。この露受容器4は、ケーシング1の底部の前側に設けられた2つの前脚6,6に着脱可能な容器である。
上記操作パネル3に、複数の押ボタンなどを取り付けている。また、操作パネル3は液晶表示部7を有し、この液晶表示部7が操作に応じた表示を行う。
また、図2は加熱調理器の把手付きドア2を全開にした状態を正面から見た正面図を示しており、図3は加熱調理器の把手付きドア2を全開にした状態の上面図を示している。この図2,図3では、図1に示す加熱調理器と同一の構成部に同一参照番号を付している。
図2,図3に示すように、ケーシング1内に被加熱物を加熱するための加熱室8(図2に示す)を設置している。ケーシング1の前面側に配置された把手付きドア2は、ケーシング1の左側の側端部を中心に左右方向に回動して、加熱室8の前面の開口8a(図2に示す)を開閉する。ここで、把手付きドア2は、ケーシング1の操作パネル3側とは反対の側部にヒンジ(図示せず)を介して回動自在に取り付けられている。
上記把手付きドア2の右側かつ後面にラッチフック90,90が設けられている。このラッチフック90,90は、把手付きドア2の閉鎖時、開口8aの周縁部に設けられた挿通孔91,91に挿通され、ケーシング1内のラッチ機構(図示せず)に解除可能に係止される。また、ラッチフック90,90の係止の解除は、ユーザが把手付きドア2の把手2aを握ることで行う。
なお、図2において、80は、蒸気発生装置13(図4に示す)で発生した蒸気が加熱室8内に向かって吹き出す蒸気吹出口である。
図4は加熱調理器のケーシング1を取り外した状態を後方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。
上記ケーシング1内には、図4に示すように、被加熱物を加熱するための加熱室8を設置している。また、ケーシング1内において、加熱室8の側方かつ操作パネル3の後方に電装品室9を設け、加熱室8の後方かつ電装品室9の後方に吸気空間10を設けている。
上記加熱室8の上方、下方、後方および両側方のそれぞれには、遮熱板11,11,…を配置している。つまり、遮熱板11,11,…は、加熱室8の開口8a(図2に示す)を除く周囲に配置されている。また、遮熱板11と加熱室8との間の空間に断熱材(図示せず)を充填している。
上記加熱室8の後面側に、加熱室8に供給するための蒸気を発生させる蒸気発生装置13を配置し、加熱室8の下側に、この蒸気発生装置13に給水チューブ20を介して接続された給水ポンプ70(図7に示す)を配置している。また、ケーシング1の電装品室9内に、給水タンク(図示せず)が収納されるタンク収納部15と、マグネトロン51と、電源トランス52などが配置されている。そして、被加熱物の加熱時には、冷却ファン16からの冷却空気が電装品室9内を流れ、マグネトロン51などの電装品を冷却できるようにしている。
上記吸気空間10には、冷却ファン16の駆動に伴い、ケーシング1外の空気が複数の吸気口(図示せず)から流れ込む。そして、吸気空間10内の空気は冷却ファン16により電装品室9内に送られる。なお、各吸気口はケーシング1の後部に設けられた複数のスリットで構成されている。
なお、図4において、21は、電装品室9と吸気空間10とを仕切る間仕切壁である。この間仕切壁21に冷却ファン16を取り付けている。また、加熱室8内の上側に加熱用ヒータ26を配置している。また、マグネトロン51で発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)を介して加熱室8の下部中央に導かれ、回転アンテナ(図示せず)によって攪拌されながら加熱室8内の上方に向かって放射されて被加熱物を加熱する。
上記タンク収納部15に収納された給水タンク内の水は、給水ポンプ70の駆動により、給水チューブ20を介して蒸気発生装置13に供給される。蒸気発生装置13は、給水ポンプ70からの水を蒸気発生ヒータ24で加熱して、水蒸気を発生させる。
図5は上記加熱調理器のケーシング1を取り外した状態を前方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。図5に示すように、加熱室8の左側壁に設けられた排気口8bに排気チューブ18の上流端を接続し、その排気チューブ18の下流端を、ケーシング1内の左下側かつ前面側に配置された合成樹脂製の排気ダクト100に接続している。この排気チューブ18は、可撓性を有する合成樹脂からなる。
そして、加熱室8内の気体は、排気チューブ18と排気ダクト100によって、ケーシング1の側部から前面側に案内されてケーシング1外に出るようにしている。
また、排気ダクト100の後面側の排水受け部111に、排水溝110の先端部を接続している。この排水溝110は、加熱室8を覆う遮熱板11の側面を伝って落ちる結露水を受ける。
図6は上記加熱調理器の把手付きドア2を取り外した状態を前方かつ斜め下方から見た斜視図を示している。この図6では、図1〜図5に示す加熱調理器と同一の構成部に同一参照番号を付している。
図6に示すように、加熱室8の天面側に配置された加熱用ヒータ26は、加熱室8内に露出している。この加熱用ヒータ26には、発熱体を絶縁物と金属シースで覆ったシーズヒータを用いている。
図7は上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。
この加熱調理器は、図7に示すように、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置200を備えている。制御装置200は、蒸気発生ヒータ24,加熱用ヒータ26,冷却ファン16,回転アンテナ用モータ37,操作パネル3,ドア開閉センサ28,庫内温度センサ29,給水ポンプ70およびマグネトロン51が接続されている。操作パネル3からの信号およびドア開閉センサ28,庫内温度センサ29からの各検出信号に基づいて、制御装置200は、蒸気発生ヒータ24,加熱用ヒータ26,冷却ファン16,回転アンテナ用モータ37,操作パネル3,給水ポンプ70およびマグネトロン51などを制御する。
上記制御装置200は、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御する蒸気発生ヒータ制御手段200aと、加熱用ヒータ26を制御する加熱用ヒータ制御手段200bと、カウンタ200cとを有する。
上記構成の加熱調理器において、必要量の水を入れた給水タンクを、タンク収納部15に収納した後、操作パネル3を操作して蒸気を用いた加熱調理を開始する。そうすると、加熱室8内の上側に配置された加熱用ヒータ26をオンすると共に、給水ポンプ70を駆動して、給水タンク内の水を蒸気発生装置13に供給し、蒸気発生装置13に供給された水を蒸気発生ヒータ24で加熱して、水蒸気を発生させる。そして、蒸気発生装置13で発生した水蒸気が加熱室8内に吹き出し、加熱室8内で加熱用ヒータ26により加熱されて100℃以上の過熱水蒸気となる。これにより、加熱室8内の食品は、加熱室8内の上側の加熱用ヒータ26からの輻射熱および100℃以上の過熱水蒸気により加熱調理される。このとき、食品表面に供給されて付着した過熱水蒸気が食品表面で凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。
この加熱調理器では、蒸気を用いずに加熱用ヒータ26(図4,図5に示す)のみを用いたオーブン調理を行ってもよいし、加熱用ヒータ26を用いずに蒸気発生装置13で発生した水蒸気のみを用いた蒸し料理などを行ってもよい。
〔蒸し調理時のヒータ制御〕
図8は上記加熱調理器の制御装置200の蒸し調理時の動作を説明するためのフローチャートを示している。
まず、操作パネル3の操作によって蒸し調理が選ばれて蒸し調理の処理がスタートすると、図8に示すように、ステップS1でカウンタ200cのカウント数CNTをゼロに設定して、カウンタ200cを初期化する。
次に、ステップS2に進み、カウンタ200cのカウント数CNTをインクリメント(CNT=CNT+1)する。
次に、ステップS3に進み、カウンタ200cのカウント数CNTが60か否かを判定する。そして、カウンタ200cのカウント数CNTが60のときは、ステップS4に進み、カウンタ200cのカウント数CNTをゼロに設定して、ステップS5に進む。
一方、ステップS3でカウンタ200cのカウント数CNTが60でないときは、ステップS5に進む。
次に、ステップS5で蒸し調理の制御を行う。ここで、蒸し調理の設定内容(蒸しモードや温めモード、調理時間など)に応じて、蒸気発生ヒータ制御手段200aにより加熱用ヒータ26のデューティ制御を行って蒸気発生量を制御する。すなわち、必要な蒸気発生量に基づいて加熱用ヒータ26の単位時間あたりの投入電力が調整される。
そして、ステップS6に進み、カウンタ200cのカウント数CNTが58以上か否かを判定する。ステップS6でカウンタ200cのカウント数CNTが58以上であると判定すると、ステップS7に進む。
次に、ステップS7で蒸気発生ヒータ24をオフした後、ステップS9に進む。
そして、ステップS9で庫内温度センサ29により検出された庫内温度が100℃未満であると判定すると、ステップS10に進み、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンして、ステップS12に進む一方、庫内温度が100℃以上であると判定すると、ステップS11に進み、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオフして、ステップS12に進む。
一方、ステップS6でカウンタ200cのカウント数CNTが58未満であると判定すると、ステップS8に進み、蒸気発生ヒータ24をオンした後、ステップS12に進む。ここで、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量が調整される。
そして、ステップS12で調理終了か否かを判定する。すなわち、調理時間が終了したか否か、または、ドア2を開くなどして強制的に終了されたか否かを判定する。
このステップS12で調理終了でないと判定すると、ステップS2に戻る一方、調理終了であると判定すると、この処理を終了する。
上記構成の加熱調理器によれば、蒸気発生装置13から供給された蒸気により被加熱物を蒸したり暖めたりする蒸し調理において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26に通電することによって、蒸し調理の途中で扉を開けたりして強制的に調理を中断した場合でも、加熱用ヒータ26の表面が結露していない状態にすることが可能となる。このように、蒸気を用いた蒸し調理において加熱用ヒータ26の表面が結露しないようにでき、加熱用ヒータ26へのサビの発生を防止することができる。
また、蒸し調理時に加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26を間欠的にオンすることにより、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるので、蒸し調理時の加熱用ヒータ26の通電制御を簡略化でき、ヒータ制御が容易に行える。
なお、蒸し調理時に加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26を間欠的にオンするだけでなく、加熱用ヒータ26への入力電力を制御して、加熱用ヒータ26の表面温度を制御してもよい。すなわち、蒸し調理時に、加熱用ヒータ26の表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように加熱用ヒータ26に通電するとき、加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26への入力電力の平均値が定格入力電力よりも小さくしてもよい。これにより、加熱室8内の温度が過度に上昇して蒸し調理に適さない高温になるのを防ぐことが可能となる。
また、蒸し調理時の少なくとも蒸気発生装置13からの蒸気が加熱室8に供給され始めるまでは、加熱用ヒータ制御手段200bによる加熱用ヒータ26の通電をしないので、加熱用ヒータ26の表面に蒸気が付着しない時間帯では、加熱用ヒータ26に通電せず、ヒータ電力を節約できる。
また、蒸し調理時に、制御装置200の蒸気発生ヒータ制御手段200aにより蒸気発生ヒータ24をオンオフするときのオフ期間内において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンすることによって、蒸気発生ヒータ24と加熱用ヒータ26とが同時にオンしたときの消費電力の合計が電源の許容量をオーバーするような使用条件において、加熱用ヒータ26のオン時に蒸気発生ヒータ24が同時にオンしないので、加熱調理器の消費電力を抑制して、電源の許容量を越えないようにできる。
また、蒸し調理時に、庫内温度センサ29により検出された加熱室8内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンすることによって、加熱用ヒータ26の表面を結露しない温度に保つことが可能となり、より確実に加熱用ヒータ26へのサビの発生を防止できる。
また、蒸し調理時に、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより一定周期で加熱用ヒータ26を強制的にオフすることによって、加熱用ヒータ26による加熱室8内の温度上昇を抑制するので、最適な庫内温度で蒸し調理を行うことができる。
〔蒸し調理におけるドア開閉時制御〕
次に、加熱調理器の蒸し調理運転の途中でドア2が開かれた場合の制御について説明する。なお、この加熱調理器は、図1〜図7に示す加熱調理器とは蒸気吹出口の位置のみが異なる。この加熱調理器では、蒸気発生装置13で発生した蒸気が加熱室8内に向かって吹き出す蒸気吹出口80は、加熱室8内の後面側の壁面の上側に設けられている。
蒸し調理においてドア2を途中で開けることは、加熱室8内の開口8aから蒸気が排出されて大幅なロスになるため、この加熱調理器では、蒸し調理時に途中でドア2を開けたときのロスを軽減するドア開閉時制御を行う。
ドア2を途中で開けない通常の蒸し調理では、制御装置200は、加熱室8内に蒸気が満たされると、蒸気発生装置13の蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量を調整して蒸し調理を行う。
一方、蒸し調理時の途中でドア開によって低下する加熱室8内の蒸気量は、ドア2を開けた時間に略比例する。このため、制御装置200は、ドア開放時間に比例してドア2を再び閉めてから所定の時間だけ蒸気発生装置13で大量に蒸気を発生させる(ドア開閉時制御)。それによって、すばやくかつ効率よく加熱室8内の蒸気量を増やすことで安定した仕上がりを得る。
100℃の蒸気を用いた蒸し調理では、庫内温度が100℃以上にならないことから、通常は庫内温度の制御を行う必要はなく、一定の時間(この第2実施形態では15分間)蒸気を加熱室8内に投入した後は、蒸気発生ヒータ24のデューティ制御により蒸気発生量を少なくして、水を節約する運転に切り換えている。
上記蒸し調理運転におけるドア開閉時は、制御装置200により、加熱室8内に設けた庫内温度センサ29により検出された庫内温度に基づいて制御する。なお、温度センサを加熱室8内の下側位置に設けることで、加熱室8内の下側空間の温度に応じて加熱室8内に蒸気が充満したか否かを検知できる。
図9はドア2を途中で開けない蒸し調理運転の場合の庫内温度の変化を示している。図9に示すように、制御装置200は、運転開始から15分間は、蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とした後、蒸気発生ヒータ24をデューティ制御することにより蒸気発生量を80%にして調理終了まで運転する。これにより、加熱室8内の上段側および下段側で庫内温度は安定する。
次に、図10は蒸し調理運転で上記ドア開閉時制御を行わない比較例の加熱調理器の蒸し調理時の庫内温度の変化を示している。図10に示すように、16分運転後にドア2を1分間開いてそのまま蒸気発生量を80%にした状態では、庫内温度が95℃以上に戻らず、十分な加熱ができない。
これに対して、この発明の実施の形態の加熱調理器では、図11〜図14に示すように、ドア開閉時制御を行う。
図11では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%とした後に80%となるが、16分運転後にドア2が20秒間開くと、その後に蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%としている。図11では、ドア2を閉めてから4分28秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから5分12秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図12では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%とした後に80%となるが、16分運転後にドア2が1分間開くと、その後に蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%としている。この図12では、ドア2を閉めてから6分21秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから7分24秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図13では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%となるが、8分運転後にドア2が20秒間開くと、その後も蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とし、蒸気発生量を100%とする期間を延長する。この図13では、ドア2を閉めてから5分55秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから7分41秒後に下段の温度が95℃に達した。
また、図14では、蒸し調理運転の開始から15分間は蒸気発生量を最大100%となるが、8分運転後にドア2が1分間開くと、その後も蒸気発生ヒータ24をオンして蒸気発生量を最大100%とし、蒸気発生量を100%とする期間を延長する。この図14では、ドア2を閉めてから7分30秒後に上段の温度が95℃に達し、ドア2を閉めてから9分2秒後に下段の温度が95℃に達した。
例えば、図13,図14に示す状態では、制御装置200は、ドア2の開閉時間に応じて、蒸し調理運転の開始から蒸気発生量を最大100%とする期間(この実施の形態では15分間)を延長する延長時間を算出する。
このように、上記実施の形態の加熱調理器によれば、蒸し調理運転中にドア2を開閉しても、すばやくかつ効率よく加熱室8内の蒸気量を増やすことによって、安定した食品仕上がりを実現することができる。
〔2段蒸し調理におけるドア開閉時制御〕
次に、上記加熱調理器の蒸し調理運転おいて、加熱室8内に2つのトレイ30,30を上下2段にセットして調理する場合について説明する。図15は2段調理時の加熱調理器の正面図を示している。
図15に示すように、加熱室8内の左壁面および右壁面には、下側にトレイ30の両端部を係止するための係止部31,31が設けられ、上側にトレイ30の両端部を係止するための係止部32,32が設けられている。この係止部32,32を用いて加熱室8内の上段側にトレイ30を入れると共に、係止部31,31を用いて加熱室8内の下段側にトレイ30を入れる。
2つのトレイ30,30を上下2段にセットして蒸し調理する2段蒸し調理では、蒸気発生装置13からの蒸気が加熱室8内に充満するまでに加熱室8内の上下で温度ムラがある。蒸し調理時に把手付きドア2を途中で開けない場合は、加熱室8内に蒸気が充満することによって加熱室8内の上下の温度差は軽減され、調理の仕上がりに大きく影響するレベルではない。
しかし、蒸気発生装置13からの蒸気を加熱室8内の上段側に吹き出すため、蒸し調理時にドア2を途中で開けると、ドア2を閉じた後に再び加熱室8内に充満するまでの立ち上がりで加熱室8内の上下に温度ムラが生じ、加熱室8内の下段の食品の仕上がりが悪くなる現象が起きる。庫内温度でみても、下段は立ち上がりが上段より一定の割合で遅れる。
さらに、異なる食品で2段蒸し調理を行うときに、それぞれの加熱時間が異なるために、途中で食品を取り出す場合(A)と途中で食品を入れる場合(B)があり、(A),(B)どちらもドア2を開けざるを得ない。
上記途中で食品を取り出す場合(A)では、加熱室8内の下段の食品のみ残すようにユーザーに指導(表示または音声などを用いて通知)し、蒸し調理運転においてドア開閉時制御を行う。
このような蒸し調理運転の制御は、1段調理でドア2を開けて食品を追加したり、取り出したりするときも有効である。
また、上記途中で食品を入れる場合(B)では、ドア2を開けた後に上下2段蒸し調理を行うため、下段の仕上がりを向上させることが必要となる。そのため、上記(A)のタイミングに対して、さらに一定の定数をかけて大量に蒸気を発生させる時間を上記(A)の場合よりも長めにすることで、下段の食品の仕上がりを向上できる。このとき、加熱室8内に蒸気が充満した後は、蒸気発生量を調整して水節約運転に切り替えて、給水タンク内の限られた水量の中で効率よく調理することが可能になる。
上記実施の形態では、加熱室8内に露出した状態で加熱用ヒータ26が加熱室8の天面側に配置された加熱調理器について説明したが、加熱用ヒータはこれに限らず、例えば加熱室の上側に配置されたヒータ収納部内に加熱用ヒータが配置され、そのヒータ収納部内の空間と加熱室内の空間とが通路または穴を介して連通する構成の加熱調理器等にこの発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、蒸し調理時に蒸気発生ヒータ24をオンオフするときのオフ期間内において、制御装置200の加熱用ヒータ制御手段200bにより加熱用ヒータ26をオンする加熱調理器について説明したが、蒸気発生ヒータと加熱用ヒータとを同時にオンしても電源の許容量を消費電力がオーバーしない場合は、蒸気発生ヒータをオン期間やオフ期間に係わらず、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、加熱用ヒータに通電するものでもよい。
また、上記実施の形態では、蒸し調理時に、温度センサにより検出された加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、制御装置の加熱用ヒータ制御手段により加熱用ヒータをオンする加熱調理器について説明したが、加熱室内の温度に係わらず、加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、加熱用ヒータに通電するものでもよい。
また、上記実施の形態では、ケーシング1に対して横方向に回動する把手付きドア2で加熱室8の開口8aを開閉していたが、この発明の加熱調理器が備える開閉扉は、スライド式であってもよいし、回動式であってもよい。
この発明の加熱調理器としては、例えば、水蒸気を使用するオーブンレンジのみならず、過熱水蒸気を使用するオーブン、過熱水蒸気を使用しないオーブンレンジ、過熱水蒸気を使用しないオーブンなどがある。
この発明の加熱調理器では、オーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱室内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して低酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。ここで、低酸素状態とは、加熱室内において酸素の体積%が10%以下(例えば0.5〜3%)である状態を指す。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…ケーシング
2…把手付きドア
3…操作パネル
4…露受容器
6,6…前脚
7…液晶表示部
8…加熱室
8a…開口
8b…排気口
9…電装品室
10…吸気空間
11,11…遮熱板
13…蒸気発生装置
15…タンク収納部
16…冷却ファン
18…排気チューブ
20…給水チューブ
21…間仕切壁
23…被加熱物
24…蒸気発生ヒータ
26…加熱用ヒータ
28…ドア開閉センサ
29…庫内温度センサ
30…トレイ
31,32…係止部
51…マグネトロン
70…給水ポンプ
80…蒸気吹出口
90…ラッチフック
91…挿通孔
100…排気ダクト
110…排水溝
111…排水受け部
200…制御装置
200a…蒸気発生ヒータ制御手段
200b…加熱用ヒータ制御手段
200c…カウンタ

Claims (7)

  1. 蒸気発生ヒータにより水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    上記蒸気発生装置から供給された蒸気により被加熱物を加熱する加熱室と、
    上記加熱室内の被加熱物を加熱するための加熱用ヒータと、
    上記蒸気発生装置と上記加熱用ヒータとを制御する制御装置と
    を備え、
    上記制御装置は、上記蒸気発生装置から供給された蒸気により上記被加熱物を加熱する蒸し調理において、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータに通電する加熱用ヒータ制御手段を有することを特徴とする加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように、上記加熱用ヒータを間欠的にオンすることを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1または2に記載の加熱調理器において、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記加熱用ヒータの表面が蒸気が付着しても結露しない温度に保たれるように上記加熱用ヒータに通電するとき、上記加熱用ヒータへの入力電力の平均値を定格電力よりも小さくすることを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の加熱調理器において、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時の少なくとも上記蒸気発生装置からの蒸気が上記加熱室内に供給され始めるまでは、上記加熱用ヒータに通電しないことを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1から4までのいずれか1つに記載の加熱調理器において、
    上記制御装置は、上記蒸気発生ヒータをデューティ制御する蒸気発生ヒータ制御手段を有し、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記蒸気発生ヒータ制御手段により上記蒸気発生ヒータをオンオフするときのオフ期間内において上記加熱用ヒータに通電することを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の加熱調理器において、
    上記加熱室内の温度を検出する温度センサを備え、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、上記温度センサにより検出された上記加熱室内の温度が予め設定された温度以下のとき、上記加熱用ヒータに通電することを特徴とする加熱調理器。
  7. 請求項1から6までのいずれか1つに記載の加熱調理器において、
    上記加熱用ヒータ制御手段は、上記蒸し調理時に、一定周期で上記加熱用ヒータを強制的にオフすることを特徴とする加熱調理器。
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