JP2006245141A - アクチュエータ装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置 Download PDF

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【課題】 小さな駆動電圧で大きな歪みを得ることができる単結晶強誘電体薄膜並びにこれを用いたアクチュエータ装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 基板10の一方面側に設けられた振動板と、振動板上に設けられた下電極60、圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子300とを具備し、基板10の一方面側に形成されて振動板を構成する酸化シリコン膜50と、酸化シリコン膜50上に形成されると共に結晶面方位が(100)配向のペロヴスカイト又は酸化金属からなる配向制御層55と、配向制御層55上に形成されイリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及び金(Au)からなる群から選択された少なくとも一種の金属からなると共に結晶面方位が(100)配向である下電極60と、下電極60上に形成され結晶系が正方晶系からなると共に結晶面方位が(100)配向の強誘電体層からなる圧電体層70とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、圧電素子を具備するアクチュエータ装置及び液滴を噴射するための駆動源としてアクチュエータ装置を具備する液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置に関する。
電圧を印加することにより変位する圧電素子を具備するアクチュエータ装置は、例えば、液滴を噴射する液体噴射ヘッド等に搭載される。このような液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置としては、例えば、圧電素子や発熱素子によりインク滴吐出のための圧力を発生させる複数の圧力発生室と、各圧力発生室にインクを供給する共通のリザーバと、各圧力発生室に連通するノズル開口とを備えたインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置があり、このインクジェット式記録装置では、印字信号に対応するノズルと連通した圧力発生室内のインクに吐出エネルギを印加してノズル開口からインク滴を吐出させる。
このようなインクジェット式記録ヘッドには、前述したように圧力発生室として圧力発生室内に駆動信号によりジュール熱を発生する抵抗線等の発熱素子を設け、この発熱素子の発生するバブルによってノズル開口からインク滴を吐出させるものと、圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させてノズル開口からインク滴を吐出させる圧電振動式の2種類のものに大別される。
また、圧電振動式のインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子を軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている(特許文献1参照)。
これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を高密度に作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
ここで、圧電素子は、例えば、シリコン単結晶基板の一方面側に下電極、圧電体層及び上電極を順々に積層することによって形成されている。このとき、下電極の結晶性は、その下地であるシリコン単結晶基板の面方位の影響を受けて、シリコン単結晶基板の結晶面方位と同じ配向となる。そして、このような下電極上に積層された圧電体層の結晶性も同様に、その下地の影響を受けて下電極の面方位と同じ配向となる。
なお、実際には、シリコン単結晶基板の一方面側には、下電極の下地として、例えば、酸化シリコン層等のアモルファス(非晶質)層が予め設けられている。このため、下電極の結晶性は、シリコン単結晶基板の結晶方位の影響を実質的に免れて、最も結晶の成長エネルギーが小さい配向を示す。具体的には、アモルファス層上の下電極は、例えば、白金(Pt)等で形成すると、面方位(111)がシリコン単結晶基板の法線方向に向かって配向する。そして、このような下電極上に圧電体層を形成すると、圧電体層の結晶面方位は(111)配向となる。
また、圧力発生室は、シリコン単結晶基板の圧電素子側とは反対の他方面側を異方性エッチングすることによって形成されている。このように、異方性エッチングを利用して圧力発生室を形成するためには、一般的に、面方位が(110)であるシリコン単結晶基板を用いる必要がある。
しかしながら、圧電体層の圧電特性を実質的に高めるためには、圧電体層の結晶面方位は、その結晶系が菱面体晶系であるとき(100)に配向していることが望ましい。
そこで、従来では、例えば、シリコン単結晶基板として結晶面方位(110)の基板を用い、このシリコン単結晶基板の一方面側に酸化シリコン層を形成した後、酸化シリコン層上には、例えば、白金、イリジウム等からなる下電極を形成する。そして、下電極上に圧電体層の配向制御の役割を担うチタン(結晶種)を形成した後、このチタン上に圧電体層を形成するようにしていた。これにより、圧電体層は、下地であるチタンによって下電極の影響を受けることなく自由成長し、その結晶面方位は大半が(100)配向となる。
これにより、圧力発生室を異方性エッチングを利用して容易に形成することができると共に圧電体層の大半を結晶面方位(100)に配向させることができる。
しかしながら、圧電体層の配向制御の役割を担うチタンを設けたとしても、圧電体層は自由成長により形成されるので、配向の揺らぎが発生して結晶面方位を(100)に完全に配向させることはできないという問題がある。また、下電極上にチタンを形成するためには、厳格な工程管理が要求されるため、製造工程が煩雑となり、製造効率が悪いという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに搭載されるアクチュエータ装置に限って発生するものではなく、他の装置に搭載されるアクチュエータ装置においても同様に発生する。
特開平5−286131号公報
本発明は、このような事情に鑑み、小さな駆動電圧で大きな歪みを得ることができるアクチュエータ装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の一方面側に設けられた振動板と、該振動板上に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、前記基板の一方面側に形成されて前記振動板を構成する酸化シリコン膜と、該酸化シリコン膜上に形成されると共に結晶面方位が(100)配向のペロヴスカイト又は酸化金属からなる配向制御層と、該配向制御層上に形成されイリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及び金(Au)からなる群から選択された少なくとも一種の金属からなると共に結晶面方位が(100)配向である下電極と、該下電極上に形成され結晶系が正方晶系からなると共に結晶面方位が(100)配向の強誘電体層からなる圧電体層とを有することを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第1の態様では、配向制御層により下電極の結晶方位を(100)配向とすることができるので、その上に形成される圧電体層は下電極の配向に制御された(100)配向となって配向の揺らぎが著しく小さくなり、小さな電圧で大きな歪みを得ることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記下電極及び前記圧電体層がそれぞれ、ヘテロエピタキシャル成長により形成されたものであることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第2の態様では、配向制御層が(100)配向しており且つ界面での結晶の形状がほぼ同一なので、下電極がヘテロエピタキシャル成長して(100)配向となり、また、その上の圧電体層がヘテロエピタキシャル成長により(100)配向となる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記配向制御層の格子定数が3.86±0.3Åの範囲にあることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第3の態様では、配向制御層の格子定数が下電極の格子定数と近似するので、下電極は配向制御層上にヘテロエピタキシャル成長する。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記配向制御層の結晶系が、立方晶系、正方晶系又は単斜晶系であることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第4の態様では、前記配向制御層の結晶系が立方晶系、正方晶系又は単斜晶系であるので、下電極の立方晶系と界面での結晶形状が同一となり、下電極がヘテロエピタキシャル成長する。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記配向制御層は、KNbO、BaSnO、CaZrO、SrCeO、BaTiO、SrRuO、LiNbO、LiTaO、KTaO、MgO、及びCaTiOからなる群から選択される一種からなることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第5の態様では、配向制御層が所定の材料からなり、(100)配向となるので、その上に(100)配向の下電極が形成できる。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記圧電体層は、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba,Sr)TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、マグネシウム酸ニオブ酸鉛(PMN)とチタン酸鉛(PT)との固溶体及びリラクサ強誘電体から選択される何れか一種からなる単結晶強誘電体薄膜であることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第6の態様では、実用に十分な電界誘起歪みを得ることができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記単結晶強誘電体薄膜が点欠陥を有して巨大電歪効果を示すことを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第7の態様では、小さな電圧で大きな歪みを得ることができる。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記基板は、結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板であることを特徴とするアクチュエータ装置にある。
かかる第8の態様では、基板の結晶面方位が(110)であっても、配向制御層により下電極の結晶方位を(100)配向とすることができる。
本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様のアクチュエータ装置を、前記基板に形成された圧力発生室に当該圧力発生室内の液体をノズル開口から吐出させるための圧力を発生させる圧力発生手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第9の態様では、配向制御層により下電極の結晶方位が(100)配向となり、その上に形成される圧電体層が(100)配向となることにより、小さな電圧で大きな歪みを得ることができる液体噴射ヘッドを提供することができる。
本発明の第10の態様は、第9の態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第10の態様では、液滴の吐出特性を著しく向上した液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置を提供することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの概略を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。なお、この弾性膜50は、本実施形態では、シリコン単結晶板である流路形成基板10を熱酸化することにより形成した酸化シリコンからなるアモルファス(非晶質)膜であり、流路形成基板10の表面状態をそのまま維持した平滑な表面状態を有している。
この流路形成基板10には、シリコン単結晶基板をその一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が幅方向に並設されている。また、その長手方向外側には、後述する保護基板30のリザーバ部32と連通される連通部13が形成されている。また、この連通部13は、各圧力発生室12の長手方向一端部でそれぞれインク供給路14を介して連通されている。
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われる。例えば、本実施形態では、結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われる。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よりも幅が狭く形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
このような圧力発生室12等が形成される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ましい。例えば、1インチ当たり180個(180dpi)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望ましくは、220μm程度とするのが好適である。また、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さは、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接する圧力発生室12間の隔壁11の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、配向制御層55が形成されている。
ここで、配向制御層55は、ペロヴスカイト又は酸化金属からなる。このようなペロヴスカイトは、例えば、MOD法やゾル−ゲル法によりその前駆体を塗布し、乾燥、焼成することにより形成することができ、酸化シリコンなどのアモルファスの弾性膜50上に自由成長して(100)配向の膜として形成される。また、酸化金属は、例えば、スパッタリング法等により形成される。
このような配向制御層55は、(100)配向の膜となり、下層の弾性膜50の表面が平滑であれば、配向の揺らぎが著しく少なく、その上に形成される膜の配向を有効に制御するものとなる。また、特に、表面(上面)側から自由成長するペロヴスカイトは、下層の弾性膜50の表面平滑性の影響を受け難くなるので、その上に形成される膜の配向を制御するものとして、特に好ましい。
ここで、ペロヴスカイトとしては、KNbO、BaSnO、CaZrO、SrCeO、BaTiO、SrRuO、LiNbO、LiTaO、KTaO、CaTiOなどを挙げることができるがこれに限定されるものではない。また、この中では、BaTiOは、表面(上面)側から自由成長するので、特に好ましい。
また、酸化金属としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)を挙げることができる。
このようなペロヴスカイト又は酸化金属は、例えば、格子定数が3.86±0.3Åの範囲にあるのが望ましい。これは、後述するように、この上に形成される下電極との格子整合をし易くするためである。例えば、下電極として用いられる白金の格子定数は3.92Åであり、イリジウムの格子定数は3.8Åであるので、これらとの格子定数の差が5〜6%の範囲に入り、下電極が容易にエピタキシャル成長して配向制御されることになる。
また、ペロヴスカイト又は酸化金属の結晶系は、立方晶系、正方晶系又は単斜晶系であるのが好ましい。これは、この上に形成される下電極の金属が立方晶系であるので、界面での結晶格子の形状が一致するからである。
なお、このような配向制御層55の厚さは、例えば、2〜10nm程度に形成すればよい。
また、本実施形態では、配向制御層55を弾性膜50上に直接形成しているが、アモルファスで表面状態を維持できるという条件を満たせば、酸化シリコンからなる弾性膜50上に他の層を設け、その上に配向制御層55を形成するようにしてもよい。また、配向制御層55が表面(上面)側から結晶して下層である弾性膜50の表面平滑性の影響を大きく受けないものであれば、配向制御層の結晶配向に影響を与えないという条件で他の層を設けてもよい。
このような配向制御層55の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
なお、このような各圧電素子300の上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなるリード電極85がそれぞれ接続されている。このリード電極85は、各圧電素子300の長手方向端部近傍から引き出され、インク供給路14に対応する領域の弾性膜50上までそれぞれ延設されている。そして、このようなリード電極85は、詳しくは後述するが、駆動ICと電気的に接続される。
ここで、上述した下電極膜60は、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの白金族金属及び金(Au)からなる群から選択される金属からなり、複数層積層したものであってもよい。なお、積層した場合には、後のプロセスにより、結果的に混合層となってもよい。本実施形態では、配向制御層55側から順に、Pt/Ir/Ptの積層膜とした。
このような下電極膜60は、(100)配向の配向制御層55により配向制御され、(100)配向となる。すなわち、特に、上述したように、配向制御層55の格子定数が下電極膜60のそれと近いと、下電極膜60はエピタキシャル成長し、ほぼ完全に配向制御されて(100)配向となる。
また、白金族金属や金は立方晶系であるので、配向制御層55を形成するペロヴスカイトの結晶系が立方晶系、正方晶系又は単斜晶系である場合には、特にエピタキシャル成長し易い。すなわち、この場合には、界面での結晶の形状が正方形となり一致し、正方形を重ねるようにエピタキシャル成長できるからである。
このような(100)配向の下電極膜60上に形成される圧電体層70は、下電極膜60の面方位の影響を受けて、結晶面方位が(100)に配向する。すなわち、従来技術で挙げたように、下電極上にチタンを介して設けられた圧電体層のように自由成長により形成されたものではなく、下電極膜60の面方位の影響を受けて配向制御されたものであるので、配向の揺らぎが著しく小さな状態で(100)に優先配向したものである。
かかる圧電体層70は、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba,Sr)TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、マグネシウム酸ニオブ酸鉛(PMN)とチタン酸鉛(PT)との固溶体及びリラクサ強誘電体から選択される何れか一種からなる単結晶強誘電体薄膜により構成される。
ここで、マグネシウム酸ニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固溶体としては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO〔PMN−PT〕、亜鉛酸ニオブ酸鉛とチタン酸鉛の固溶体Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO〔PZN−PT〕等を挙げることができる。
また、リラクサ強誘電体とは、室温付近にキュリー温度があり、誘電率がPZTなどの圧電体に比べて大きく(例えば、比誘電率が5000以上など)、電界誘起歪みがPZTなどの圧電体に比べて大きいものである。例えば、PZTなどの圧電体は、電界誘起歪みが0.3%程度なのに対し、リラクサ強誘電体は、電界誘起歪みが1.2%程度となる。このような、リラクサ強誘電体としては、例えば、チタン酸鉛を含有するリラクサ強誘電体、例えば、PMN−PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO)、PZN−PT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO)、PNN−PT(Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO)、PIN−PT(Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO)、PST−PT(Pb(Sc1/3Ta2/3)O−PbTiO)、PSN−PT(Pb(Sc1/3Nb2/3)O−PbTiO)、BS−PT(BiScO−PT)、BiYbO−PT等を挙げることができる。
また、上述した圧電セラミック材料として、例えば、PZTを用いる場合、その構成元素のうちZrのモル量AとTiのモル量Bとの関係がA/(A+B)≧0.55の条件を満たしていることが好ましい。同様に、PMN−PTの場合には、PMNのモル量CとPTのモル量Dとの関係が0.65≦C/(C+D)≦0.75の条件を満たしていることが好ましい。また、PZN−PTの場合には、PZNのモル量EとPTのモル量Fとの関係が0.90≦E/(E+F)≦0.965の条件を満たしていることが好ましい。なお、このような条件を満たした圧電セラミック材料で圧電体層70を形成することによって、圧電体層70の結晶構造が菱面体晶となり且つその圧電特性を実質的に高めることができる。そして、本実施形態では、A/(A+B)≧0.55の条件を満たしたPZTを用いて圧電体層70を形成した。
このような圧電体層70は、例えば、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、更に高温で焼成する、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成される。具体的には、下電極膜60の結晶面方位と同じ配向で結晶が成長した圧電体層70が形成される。勿論、この圧電体層70の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタ法やMOD法等で形成してもよい。
また、圧電体層70を下地の下電極膜60と同じ(100)配向にエピタキシャル成長させるためには、例えば、その層を下地の結晶構造及び格子面間隔と類似するように所定の条件で形成することが好ましい。また、下地の表面との間に静電相互作用による反発力のない結晶構造となるように形成することが好ましい。なお、本実施形態では、上述した圧電体層70の材料は結晶構造が菱面体晶であり、柱状に成長するので、下電極膜60の立方晶系と界面の格子形状が一致するので、容易にエピタキシャル成長させることができる。
何れにしても、このように成膜された圧電体層70は、バルクの圧電体とは異なり、下電極膜60の(100)配向に拘束された(100)配向に優先配向している。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させた状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmである。
また、特に、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba,Sr)TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)などの強誘電体材料からなる圧電体層70は、点欠陥を有してもよく、このようは点欠陥は、例えば、イオン注入法により形成することができる。すなわち、Feイオン、Coイオン、Niイオン、及びCrイオンなどのVIIIB属から選択される少なくとも一種のイオン、又はArイオンをイオン注入することにより形成された点欠陥を有するものとなる。
かかる圧電体層70は、イオン注入による点欠陥を有するので、巨大電歪効果を示し、小さな駆動電圧で大きな歪みを得ることができる。特に、圧電体層70を結晶面方位が(100)配向とした単結晶強誘電体薄膜とすると、イオン注入という比較的簡便な方法により点欠陥を比較的容易に形成することができ、これにより巨大電歪を有する圧電体層70とすることができる。
イオン注入による点欠陥の形成方法は、特に限定されないが、例えば、Fe、Co、Ni及びCrなどのVIIIB属の元素をイオン源でイオン化してイオンとし、これに荷電粒子加速器を用いてエネルギを与えて圧電体層70の表面をスパッタリングして行う。これにより、イオンが注入効果で圧電体層70内に侵入し、内部の原子と衝突してエネルギを失って静止し、ドープされ、点欠陥を形成する。なお、Arイオンのイオン注入ではイオン注入により空孔が形成されることにより点欠陥となり、Arイオンは他の部分に含まれることになる。なお、Feイオン、Coイオン、Niイオン、及びCrイオンなどのVIIIB属から選択される少なくとも一種のイオンと、Arイオンとを併せてイオン注入してもよい。また、イオン注入されるイオン量は、点欠陥を形成して巨大電歪を得ることができる量であれば、特に限定されず、多すぎると結晶系が変化してしまうので、例えば、0.1%以下と微量な量を注入するのがよい。また、イオン注入は、荷電粒子加速器の駆動を制御することにより、圧電体層70の全体に、すなわち、面方向及び厚さ方向に均一に注入するのが好ましい。
また、点欠陥を安定な位置に拡散させるためには、圧電体層70に時効処理を施すのが好ましい。ここで、時効とは、圧電体層70を一定温度に保持することをいう。
以上説明したように、本実施形態では、配向制御層55を設けたことにより、下電極膜60を(100)配向とすることができ、これにより圧電体層70を下電極膜60の面方位の影響を受けた(100)優先配向とすることができるので、圧電体層70の面方位の揺らぎが著しく小さく、その圧電特性を顕著に高めることができる。
ここで、(100)配向の下電極膜60上に形成される圧電体層70の配向状態を示すロッキングカーブを図3に示す。このロッキングカーブは圧電体層70であるPZTをωスキャンして得られるもので、PZT(200)面の基板法線方向からの傾きを表すものである。横軸は、PZT(200)[PZT(200)面はPZT(100)面と同様である]の2θ=44°の半分のθ=22°が中心となり、これより低角側及び高角側への分布は配向が傾いている状態を示している。また、比較として、従来技術で挙げたように、下電極上にチタンを介して設けられた圧電体層のロッキングカーブを従来として挙げた。
この結果、本実施形態の圧電体層70は、下電極膜60の(100)配向に制御されて高度に優先配向しているので、ωスキャンの半価幅が6°であるのに対し、従来のものは、半価幅が20°であった。
この結果、本実施形態の圧電体層70は、従来のように自由成長により形成されたものではなく下電極膜60の面方位の影響を受けて、結晶面方位が(100)に配向し、配向の揺らぎが著しく小さいものであることがわかった。
また、図4には、ωスキャンの半価幅と圧電指数との関係を示す。このグラフは、全てのPZT(100)[(200)]結晶が基板法線方向にある場合を1としたものである。これによると、半価幅が20°の場合には、65%程度の圧電指数であるのに対し、半価幅が6°の場合には、圧電指数が90%となり、25%の圧電指数の改善ができることがわかる。
このように、本発明によると、圧電体層70を自由成長ではなく、下電極膜60の(100)配向に制御された優先配向したものとして形成できるので、圧電特性が著しく向上したものとなる。
本発明の配向制御層55の結晶性は、配向制御層55はアモルファスの弾性膜50上に単独で(100)に配向するため、(110)配向した流路形成基板10を用いて圧力発生室12を高密度に配列することができる。勿論、(100)配向のシリコン単結晶基板を用いてもよい。
また、このような流路形成基板10の圧電素子300側には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合され、圧電素子300はこの圧電素子保持部31内に形成されている。
また、保護基板30には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ90の少なくとも一部を構成するリザーバ部32が設けられ、このリザーバ部32は、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ90を構成している。
さらに、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間、すなわちインク供給路14に対応する領域には、この保護基板30を厚さ方向に貫通する接続孔33が設けられている。また、保護基板30の圧電素子保持部31側とは反対側の表面には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC34が実装されている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極85は、この接続孔33まで延設されており、例えば、ワイヤボンディング等により駆動IC34と接続される。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなる。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ90に対向する領域には、厚さ方向に完全に除去された開口部43が形成され、リザーバ90の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
なお、このような液体噴射ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ90からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC34からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、下電極膜60の全面に配向制御層55を設けるようにしたが、これに限定されず、下電極膜の少なくとも圧電体層の下地となる領域だけに配向制御層を設けるようにしてもよい。このような構成であっても、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。
また、このような本発明の液体噴射ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、液体噴射装置に搭載される。図5は、その液体噴射装置の一例を示す概略図である。
図5に示すように、液体噴射ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
ここで、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例として液体噴射ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
勿論、このような液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置も特に限定されるものではない。
さらに、本発明は、このような液体噴射ヘッドに圧力発生手段として搭載されるアクチュエータ装置だけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置に適用することができる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。
本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの平面図及び断面図である。 本発明の実施形態1の圧電体層のロッキングカーブを示す図である。 ωスキャンの半価幅と圧電指数との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、
20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 接続孔、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 配向制御層、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リザーバ


Claims (10)

  1. 基板の一方面側に設けられた振動板と、該振動板上に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、
    前記基板の一方面側に形成されて前記振動板を構成する酸化シリコン膜と、該酸化シリコン膜上に形成されると共に結晶面方位が(100)配向のペロヴスカイト又は酸化金属からなる配向制御層と、該配向制御層上に形成されイリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及び金(Au)からなる群から選択された少なくとも一種の金属からなると共に結晶面方位が(100)配向である下電極と、該下電極上に形成され結晶系が正方晶系からなると共に結晶面方位が(100)配向の強誘電体層からなる圧電体層とを有することを特徴とするアクチュエータ装置。
  2. 請求項1において、前記下電極及び前記圧電体層がそれぞれ、ヘテロエピタキシャル成長により形成されたものであることを特徴とするアクチュエータ装置。
  3. 請求項1又は2において、前記配向制御層の格子定数が3.86±0.3Åの範囲にあることを特徴とするアクチュエータ装置。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記配向制御層の結晶系が、立方晶系、正方晶系又は単斜晶系であることを特徴とするアクチュエータ装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記配向制御層は、KNbO、BaSnO、CaZrO、SrCeO、BaTiO、SrRuO、LiNbO、LiTaO、KTaO、MgO、及びCaTiOからなる群から選択される一種からなることを特徴とするアクチュエータ装置。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記圧電体層は、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba,Sr)TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、マグネシウム酸ニオブ酸鉛(PMN)とチタン酸鉛(PT)との固溶体及びリラクサ強誘電体から選択される何れか一種からなる単結晶強誘電体薄膜であることを特徴とするアクチュエータ装置。
  7. 請求項6において、前記単結晶強誘電体薄膜が点欠陥を有して巨大電歪効果を示すことを特徴とするアクチュエータ装置。
  8. 請求項1〜7の何れかにおいて、前記基板は、結晶面方位が(110)であるシリコン単結晶基板であることを特徴とするアクチュエータ装置。
  9. 請求項1〜8の何れかのアクチュエータ装置を、前記基板に形成された圧力発生室に当該圧力発生室内の液体をノズル開口から吐出させるための圧力を発生させる圧力発生手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  10. 請求項9の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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