JP2011166037A - 圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間に亘って圧電特性の低下を抑制することができる圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80と、を具備する圧電素子300の製造方法であって、第1電極60上に圧電体層70となる圧電体前駆体膜を形成する工程と、圧電体前駆体膜を加熱処理して結晶化させて圧電体膜からなる圧電体層70を形成する工程と、圧電体層70上にランタンニッケル酸化物を主成分とする金属酸化膜200を形成する工程と、金属酸化膜200が設けられた圧電体層70を加熱処理するポストアニール工程と、を具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電体層の両側に電極が設けられた圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子は、電気機械変換機能を呈する圧電材料からなる圧電体膜を2つの電極で挟んだ素子であり、圧電体膜は、例えば、結晶化した圧電性セラミックスにより構成されている。
このような圧電素子を用いた液体噴射ヘッドとしては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードのアクチュエーターを使用したものと、たわみ振動モードのアクチュエーターを使用したものの2種類が実用化されている。このようなアクチュエーターで
は、高密度に配置するために、小さな駆動電圧で大きな歪みを得ることができる圧電素子、すなわち変位の大きな圧電素子が求められている。
また、強誘電体膜上部にルテニウム酸ストロンチウム(SRO)を設け、加熱処理を行うことによって、疲労特性やインプリント特性に優れた圧電素子を得たものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、圧電体膜の最終層を形成後、ポストアニールを行うことで、圧電特性の向上及び圧電特性の均一化を行う方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−195768号公報 特開2008−153552号公報
しかしながら、従来の圧電素子を繰り返し駆動すると、圧電素子の圧電特性が低下してしまい、長期間に亘って所望の圧電特性を得ることができないという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、長期間に亘って圧電特性の低下を抑制することができる圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1電極と、圧電体層と、第2電極と、を具備する圧電素子の製造方法であって、前記第1電極上に圧電体層となる圧電体前駆体膜を形成する工程と、該圧電体前駆体膜を加熱処理して結晶化させて圧電体膜からなる前記圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層上にランタンニッケル酸化物を主成分とする金属酸化膜を形成する工程と、前記金属酸化膜が設けられた前記圧電体層を加熱処理するポストアニール工程と、を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる態様では、圧電体層中にランタンとニッケルとを拡散することによって、圧電素子に繰り返し電圧を印加した際の圧電特性の劣化を抑制することができる。
ここで、前記ポストアニール工程を行った後に、前記金属酸化膜上に前記第2電極を形成する工程をさらに有することが好ましい。これによれば、第2電極を形成した後にポストアニール工程を行うのに比べて、圧電体層の金属酸化物側に酸素欠損層が形成されるのを抑制することができる。
また、前記圧電体層が、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることが好ましい。これによれば、圧電特性に優れた圧電素子を実現できる。
さらに本発明の他の態様は、第1電極と、該第1電極上に設けられた圧電体層と、該圧電体層上に設けられてランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜と、該金属酸化膜の前記圧電体層とは反対側に設けられた第2電極と、を具備し、前記圧電体層には、前記金属酸化膜の成分であるランタン及びニッケルが前記第1電極側に向かって拡散していることを特徴とする圧電素子にある。
かかる態様では、ランタンとニッケルとが拡散した圧電体層を有することで、圧電素子に繰り返し電圧を印加した際の圧電特性の劣化を抑制することができる。
ここで、前記圧電体層には、ニッケルが前記第1電極と前記金属酸化膜との間に亘って拡散していることが好ましい。これによれば、圧電体層の金属酸化膜と第1電極との間に亘って特性を均一化して圧電特性を均一化することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の圧電素子を、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、圧電素子の繰り返し駆動による変位低下を抑制して、長寿命化した液体噴射ヘッドを実現できる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、長寿命化すると共に長期信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部拡大断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 実施例1に係る圧電素子の測定結果を示す図である。 比較例1に係る圧電素子の測定結果を示す図である。 各圧電素子の飽和分極値の測定結果を示すグラフである。 各圧電素子の破壊耐圧の測定結果を示すグラフである。 各圧電素子の変位量及び変位低下率の測定結果を示すグラフである。 一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′線断面図であり、図3は、図2の要部を拡大した図である。
本実施形態では、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバー部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバーの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。このように、本実施形態では、流路形成基板10に、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、圧電体層70と、金属酸化膜200と、第2電極80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70、金属酸化膜200及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、変位可能に設けられた圧電素子300を有するものをアクチュエーター装置と称する。本実施形態では、圧電素子300が変位可能に設けられたアクチュエーター装置が、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として設けられている。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す圧電材料、特に圧電材料の中でも一般式がABOで表現されるペロブスカイト型結晶構造(Aサイトは任意の金属元素、Bサイトは任意の金属元素)を有し、金属としてPb、Zr、及びTiを含む強誘電体材料からなる。圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。
また、圧電体層70は、(100)面、(110)面又は(111)面の何れに優先配向していてもよく、また、その結晶構造は、菱面体晶系(rhombohedral)、正方晶系(tetragonal)、単斜晶系(monoclinic)の何れであってもよい。なお、本実施形態の圧電体層70は、(100)面に優先配向しているものである。このように(100)面に優先配向した圧電体層70は、低い駆動電圧で大きな変位量を得ることができる、所謂、変位特性に優れたものであり、インクジェット式記録ヘッドIに好適に用いることができるものである。ちなみに、圧電体層70を(100)面又は(110)面に優先配向させるには、第1電極60の下や上に所定の結晶配向を有する配向制御層を設けることや、第1電極60上に第1電極60の配向を無効にするチタンなどの結晶種層を設け、圧電体層70を形成する際の熱処理温度等を調整することで形成できる。なお、本発明で「結晶が(100)面に優先配向している」とは、全ての結晶が(100)面に配向している場合と、ほとんどの結晶(例えば、90%以上)が(100)面に配向している場合と、を含むものである。
圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を0.5〜5μm前後の厚さで形成した。
また、圧電体層70には、圧電体層70上に設けられた金属酸化膜200の成分であるランタン(La)及びニッケル(Ni)が拡散している。ここで、ランタン及びニッケルが拡散しているとは、詳しくは後述するが、圧電体層70の第2電極80側から第1電極60側に向かって、ランタンとニッケルとが異なる分布で拡散していることを言う。
また、圧電体層70上(第1電極60とは反対側)には、ランタンニッケル酸化物(LNO)からなる金属酸化膜200が設けられ、この金属酸化膜200上に例えば、イリジウム(Ir)等の導電性に優れた第2電極80が設けられている。
なお、金属酸化膜200は、導電性を有するものであるため、実質的には圧電体層70に電圧を印加する一方の電極(第2電極)として機能する。
また、各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、図1及び図2に示すように、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバー部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバー部31のみをリザーバーとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバーと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバー部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図4〜図8を参照して説明する。なお、図4〜図8は、本発明の実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図である。また、圧電体層70として、チタン酸ジルコン酸鉛を用いて説明をするが、もちろん、この材料に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛以外の圧電材料を含むことを付言する。
まず、図4(a)に示すように、シリコンウェハーであり流路形成基板10が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハー110の表面に弾性膜50を構成する酸化膜51を形成する。
そして、図4(b)に示すように、弾性膜50(酸化膜51)上に、弾性膜50とは異なる材料の酸化膜からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、絶縁体膜55上の全面に第1電極60を形成する。この第1電極60の材料は、特に限定されないが、圧電体層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いる場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ない材料であることが望ましい。このため、第1電極60の材料としては白金、イリジウム等が好適に用いられる。また、第1電極60は、例えば、スパッタリング法やPVD法(物理蒸着法)などにより形成することができる。
次に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層70を形成する。ここで、本実施形態では、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成している。なお、圧電体層70の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、MOD(Metal-Organic Decomposition)法を用いてもよい。
圧電体層70の具体的な作成手順を説明する。まず、図5(a)に示すように、第1電極60上にPZT前駆体膜である圧電体前駆体膜71を成膜する。すなわち、第1電極60が形成された流路形成基板用ウェハー110上に金属有機化合物を含むゾル(溶液)を塗布する(塗布工程)。
次いで、この圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。例えば、本実施形態の乾燥工程では、流路形成基板用ウェハー110上に塗布されたゾルを150〜170℃で3〜30分保持することで乾燥した。
次に、乾燥した圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。本実施形態では、乾燥された圧電体前駆体膜71を300〜400℃に加熱して約3〜30分保持することで脱脂した。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜71に含まれる有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることであり、圧電体前駆体膜71が結晶化しない程度に、すなわち、非晶質の圧電体前駆体膜71を形成することを言う。
次に、図5(b)に示すように、圧電体前駆体膜71を所定温度に加熱して一定時間保持することにより結晶化させ、圧電体膜72を形成する(焼成工程)。本実施形態では、脱脂した圧電体前駆体膜71を500〜800℃に加熱して焼成するのが好ましい。
次に、図5(c)に示すように、第1電極60上に1層目の圧電体膜72を形成した段階で、第1電極60及び1層目の圧電体膜72をそれらの側面が傾斜するように同時にパターニングする。なお、第1電極60及び1層目の圧電体膜72のパターニングは、例えば、イオンミリング等のドライエッチングにより行うことができる。
ここで、例えば、第1電極60をパターニングしてから1層目の圧電体膜72を形成する場合、フォト工程・イオンミリング・アッシングして第1電極60をパターニングするため、第1電極60の表面や、表面に設けた図示しないチタン等の結晶種層などが変質してしまう。そうすると変質した面上に圧電体膜72を形成しても当該圧電体膜72の結晶性が良好なものではなくなり、2層目以降の圧電体膜72も1層目の圧電体膜72の結晶状態に影響して結晶成長するため、良好な結晶性を有する圧電体層70を形成することができない。
それに比べ、1層目の圧電体膜72を形成した後に第1電極60と同時にパターニングすれば、1層目の圧電体膜72はチタン等の結晶種に比べて2層目以降の圧電体膜72を良好に結晶成長させる種(シード)としても性質が強く、たとえパターニングで表層に極薄い変質層が形成されていても2層目以降の圧電体膜72の結晶成長に大きな影響を与えない。
そして、上述した前駆体膜形成工程(塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程)と、焼成工程とを有する圧電体膜形成工程を2回以上繰り返すことで、図5(d)に示すように、2層以上の積層された圧電体膜72からなる圧電体層70を形成する。
次に、図5(e)に示すように、圧電体層70上に第2電極80を構成するランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜200を形成する。金属酸化膜200は、例えば、スパッタリング法やPVD法(物理蒸着法)等によって形成することができる。
このように上部に金属酸化膜200が設けられた圧電体層70を再度加熱処理することによりポストアニールを行う(ポストアニール工程)。本実施形態では、圧電体層70を酸素雰囲気中で、700℃で加熱することによりポストアニールを行った。このように金属酸化膜200が設けられた圧電体層70をポストアニールすることで、圧電体層70中に第1電極60に向かってランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜200の成分であるランタン(La)及びニッケル(Ni)を拡散することができる。
また、圧電体層70は、圧電体膜72の形成工程を繰り返し行うことで、その最上面には他の領域よりも酸素が欠損した酸素欠損層が形成されるが、酸素雰囲気中でポストアニールを行うことによって酸素欠損層内に酸素を導入して、酸素欠損層の形成を低減することができる。また、ランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜200は、ポストアニール工程によって熱処理されることで、結晶性が向上し、且つ比較的高い電気抵抗率を熱処理により低下させることができる。
このようにポストアニール工程を行った後は、図5(f)に示すように、金属酸化膜200上に亘ってイリジウム(Ir)からなる第2電極80を形成する。そして、図6(a)に示すように、圧電体層70、金属酸化膜200及び第2電極80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。圧電体層70、金属酸化膜200及び第2電極80のパターニング方法としては、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングが挙げられる。
次に、リード電極90を形成する。具体的には、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極90を形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して各圧電素子300毎にパターニングすることで形成される。
次に、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の圧電素子300側に、シリコンウェハーであり複数の保護基板30となる保護基板用ウェハー130を接合する。そして、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚さに薄くする。
次いで、図8(a)に示すように、流路形成基板用ウェハー110にマスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図8(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110をマスク膜52を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等を形成する。
その後は、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハー110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドとする。
(実施例1)
上述した製造方法と同じ方法でインクジェット式記録ヘッドIを形成した。具体的には、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体層上にランタンニッケル酸化物からなる厚さが10nmの金属酸化膜200をスパッタリング法により250℃で、アルゴンと酸素の混合ガス(ガス流量比がO/(Ar+O)=50%)を用いて1.2Paのガス圧で形成した。また、第2電極として、厚さが40nmのイリジウムをスパッタリング法により、250℃で、約6kW/mのパワー密度で形成した。さらに、ポストアニール工程では、酸素雰囲気下で、700℃、5分間の加熱を行った。
(比較例1)
圧電素子をポストアニール工程を行わずに形成した以外は、上述した実施例1と同じ材料、同じ製造方法で比較例1のインクジェット式記録ヘッドを形成した。具体的には、圧電体層上にランタンニッケル酸化物からなる厚さが10nmの金属酸化膜を形成した後、大気開放し、その後、イリジウムからなり厚さが40nmの第2電極を形成した。
(比較例2)
圧電体層上に金属酸化膜を設けずに、イリジウムからなり厚さが50nmの第2電極のみを設けると共に、ポストアニール工程を行わずに圧電素子を形成した以外は、上述した実施例1と同じ材料、同じ製造方法で比較例2のインクジェット式記録ヘッドを形成した。
(試験例)
実施例1、比較例1の各インクジェット式記録ヘッドの圧電素子について、二次イオン質量分析法(SIMS)によって測定した。この結果を図9及び図10に示す。なお、図9は、実施例1の測定結果、図10は比較例1の測定結果を示す。
図9に示すように、実施例1の圧電体層は、厚さ方向、すなわち、第2電極側から第1電極方向に向かってランタン(La)とニッケル(Ni)とが拡散していることが分かる。特に、ニッケルは、厚さ方向に亘って、すなわち、金属酸化膜から第1電極に至るまで拡散している。また、ランタンは、ニッケルとは異なり、厚さ方向の途中まで拡散している。このように実施例1の圧電体層では、ランタンとニッケルとの拡散範囲が異なるため、これらランタンとニッケルとが拡散したものであると言える。
これに対して図10に示すように、比較例1の圧電体層上に金属酸化膜と第2電極とを順次積層しただけ、すなわち、ポストアニール工程を行わずに形成した圧電素子は、圧電体層にランタンとニッケルとが拡散していない。ちなみに、図10では、第2電極と圧電体層との界面(50nmの深さ付近)からランタンとニッケルとが圧電体層中に拡散しているように見えるが、これは、金属酸化膜を形成した際に、その材料の一部が圧電体層の表層に入り込んだものであり、本発明の拡散とは異なるものである。すなわち、図10では、ランタンとニッケルとが圧電体層の表面に略同じ分布で入り込んでいるものであり、このようなものは本発明では拡散とは言わない。本発明の拡散とは、圧電体層中に金属酸化膜側から第1電極に向かってランタンとニッケルとが異なる比率で分布しているものを言う。このように、圧電体層中に金属酸化膜側から第1電極に向かってランタンとニッケルとが異なる比率で分布させるには、上述のように、圧電体層を焼成して結晶化した後、圧電体層上にランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜を形成後、ポストアニール工程を行うことによって実現できる。
また、実施例1と比較例1及び2の各インクジェット式記録ヘッドの圧電素子を繰り返し駆動して変位させた。このときの各インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室に相対向しない領域における圧電素子の飽和分極値(最大分極値:Pm)を測定した。なお、本実施形態では、圧電素子を繰り返し駆動する駆動波形として、±25Vの電圧で、50kHzの周波数の矩形波を用いた。また、飽和分極値(Pm)の測定は、±35Vで、66Hzの三角波を繰り返し印加して測定した。この結果を図11に示す。なお、飽和分極値(Pm)は、繰り返し変位前の初期状態のPmを100%として、初期状態に対する比率を求めている。
また、当該圧電素子に印加する電圧を徐々に高くした際の圧電素子の破壊率を測定した。この結果を図12に示す。
図11に示すように、実施例1の圧電素子では、初期状態と繰り返し駆動後との飽和分極値(Pm)にほとんど変化がなく、略一定の飽和分極値を示している。具体的には、実施例1の圧電素子は、1.0×10パルス駆動した後の飽和分極値の低下率が0.4%となった。これに対して、比較例1の圧電素子では、飽和分極値は実施例1よりも高い低下率、0.7%となった。また、比較例2の圧電素子では、繰り返し駆動によって飽和分極値が低下しており、飽和分極値の低下率は7.7%となった。
ちなみに、比較例2のようにランタンニッケル酸化物を形成していない場合には、圧電体層の第2電極側に他の領域よりも酸素が欠損した酸素欠損層が形成されており、実施例1及び比較例1のように圧電体層上にランタンニッケル酸化物を形成した場合には、酸素欠損層がほとんど存在しない状態に制御できている。このように、圧電体層と第2電極との界面の状態は、酸素欠損層の存在によって決まるものと考えられる。すなわち、耐圧が向上するのは、ランタンニッケル酸化物によって圧電体層の第2電極側に形成される酸素欠損層が抑えられているためであると考えられる。また、図12に示すように、ポストアニール工程を加えた実施例1の方が、ポストアニール工程を加えていない比較例1に比べて耐圧が向上する。これは、ランタンニッケル酸化物の成分であるランタンやニッケルをポストアニール工程によって圧電体層に拡散させたためだと考えられる。
このように圧電素子の飽和分極値Pmを変化させないことで、破壊耐圧(破壊率)で示される疲労特性を向上することができる。
また、各インクジェット式記録ヘッドの圧電素子を繰り返し駆動した際の変位量を測定すると共に、初期の変位量に対する繰り返し駆動後の変位低下率を算出した。この結果を図13に示す。なお、図13(a)は、各圧電素子の変位量、図13(b)は、各圧電素子の変位低下率を示すグラフである。
図13に示すように、各圧電素子を190億パルス駆動した際の変位低下率は、実施例1の圧電素子で−7.9%、比較例1で−11.8%、比較例2で−12.6%となった。このように、実施例1の圧電素子は、比較例1及び2に比べて、繰り返し駆動した際の変位量の低下率が低く抑えられる。
なお、ニッケルが拡散していない圧電体層では、流路形成基板からの応力や、圧電体層自体の内部応力が、膜全体、特に粒界や層界面に集中するため、圧電素子を駆動した際に粒界は層界面で破壊してしまう。これに対して、ニッケルを圧電体層に拡散すると、ニッケルが圧電体層を硬化する。このため破壊の引き金になっていた圧電体層の弱い(軟らかい)部分を硬化して、変位低下の抑制や破壊耐圧を向上することができる。なお、圧電体層中にニッケルが拡散すると、ニッケルは、2価(Ni2+)または3価(Ni3+)の状態で、Bサイト(Zr4+またはTi4+)に添加される。これにより、圧電体層の酸素空孔が形成され、ドメインウォール(自発分極領域の障壁)がピン留めされることで、ドメインウォールの移動が制限される。この結果、抗電界が上昇する。つまり、圧電体層を硬くすることができると考えられる。したがって、実施例1のように、ニッケルは、圧電体層の全体、すなわち、第2電極から第1電極に亘って深さ方向に拡散し、且つ第1電極が設けられた面内に亘って拡散していることが好ましい。
また、圧電体層にランタンが拡散すると、ランタンが圧電体層(PZT)のAサイトに置換されることで、鉛の欠損を補填できる。
以上説明したように、圧電体層70にランタン及びニッケルを拡散することで、破壊耐圧を向上することができると共に、変位低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、流路形成基板10として、シリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
また、これら実施形態で製造されたインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図14は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図14に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。 なお、図14に示す例では、インクジェット式記録ヘッドユニット1A、1Bは、それぞれ1つのインクジェット式記録ヘッドIを有するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、1つのインクジェット式記録ヘッドユニット1A又は1Bが2以上のインクジェット式記録ヘッドIを有するようにしてもよい。もちろん、ヘッドユニット1A、1Bという形式を取らずに、インクジェット式記録ヘッドIを直接インクジェット式記録装置IIに搭載してもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドIを有するヘッドユニット1A、1Bがキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバー部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 第1電極、 70 圧電体層、 71 圧電体前駆体膜、 72 圧電体膜、 80 第2電極、 200 金属酸化膜、 90 リード電極、 100 リザーバー、 120 駆動回路、 121 接続配線、 300 圧電素子

Claims (7)

  1. 第1電極と、圧電体層と、第2電極と、を具備する圧電素子の製造方法であって、
    前記第1電極上に圧電体層となる圧電体前駆体膜を形成する工程と、
    該圧電体前駆体膜を加熱処理して結晶化させて圧電体膜からなる前記圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層上にランタンニッケル酸化物を主成分とする金属酸化膜を形成する工程と、
    前記金属酸化膜が設けられた前記圧電体層を加熱処理するポストアニール工程と、を具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. 前記ポストアニール工程を行った後に、前記金属酸化膜上に前記第2電極を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項1記載の圧電素子の製造方法。
  3. 前記圧電体層が、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電素子の製造方法。
  4. 第1電極と、該第1電極上に設けられた圧電体層と、該圧電体層上に設けられてランタンニッケル酸化物からなる金属酸化膜と、該金属酸化膜の前記圧電体層とは反対側に設けられた第2電極と、を具備し、
    前記圧電体層には、前記金属酸化膜の成分であるランタン及びニッケルが前記第1電極側に向かって拡散していることを特徴とする圧電素子。
  5. 前記圧電体層には、ニッケルが前記第1電極と前記金属酸化膜との間に亘って拡散していることを特徴とする請求項4記載の圧電素子。
  6. 請求項4又は5に記載の圧電素子を、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015153850A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社サイオクス 圧電体薄膜素子、その製造方法、および該圧電体薄膜素子を用いた電子デバイス

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