JP2006196547A - 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電体層の圧電特性を向上すると共に比較的容易に均一化することができる圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 基板10の一方面側に下電極膜60を形成する工程と、下電極膜上に複数層の強誘電体膜からなる圧電体層70を形成する工程と、圧電体層上に上電極膜80を形成する工程とを有すると共に、圧電体層を形成する工程が、下電極膜上に強誘電体材料を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、強誘電体前駆体膜を脱脂する脱脂工程と、強誘電体前駆体膜を焼成して強誘電体膜とする焼成工程とを少なくとも含み、圧電体層を形成する工程の焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、下電極膜の熱履歴に応じて変化させるようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧電材料からなる圧電体層を具備する圧電素子の製造方法、及び圧電素子を具備するインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子は、電気機械変換機能を呈する圧電材料からなる圧電体膜を2つの電極で挟んだ素子であり、圧電体膜は、例えば、結晶化した圧電性セラミックスにより構成されている。
また、このような圧電素子を用いた液体噴射ヘッドとしては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電体膜を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けることによって圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
ここで、圧電素子を構成する圧電体層の製造方法としては、いわゆるゾル−ゲル法等が知られている。具体的には、下電極を形成した基板上に有機金属化合物のゾルを塗布して乾燥およびゲル化(脱脂)させて圧電体の前駆体膜を形成する工程を少なくとも一回以上実施し、その後、高温で熱処理して結晶化させる。そして、これらの工程を複数回繰り返し実施することで所定厚さの圧電体層(圧電体薄膜)を製造している(例えば、特許文献1参照)。
このような製造方法では、例えば、1μm以上の厚さの圧電体層を比較的良好に形成することができ、圧電素子の変位特性を向上させることはできる。しかしながら、圧電性・誘電性等の特性が良好で且つ均一な圧電体層を安定して得るのが難しいという問題がある。すなわち、圧電体の前駆体膜を結晶化させる際、下電極と基板との熱膨張係数差による応力がこの前駆体膜に加わる。また、下電極の応力は、前駆体膜を加熱中の下電極の応力緩和によって変化し、また下電極が複数層からなる場合には、これら複数層間における相互拡散によって下電極の応力は変化する。例えば、拡散炉で、前駆体膜が形成された複数の基板を一度に加熱する場合、配置によって基板の温度に差が生じる場合があり、このような温度差によっても下電極の応力は変化する。
そして、この下電極の応力変化に伴って前駆体膜に加わる応力も変化し、このような前駆体膜の応力変化は圧電体層の結晶性に影響を与える。さらに、前駆体膜を加熱中に、下電極に不可逆な変化があった場合、冷却後の下電極の内部応力が加熱前とは異なってしまう。このような状態で前駆体膜を焼成して圧電体層を形成すると、圧電体層の圧電性・誘電性等の特性に影響する。このように圧電体層の特性は、前駆体膜の加熱温度だけでなく、その下側に形成されている下電極の加熱温度によっても変化するため、常に均一な特性を有する圧電体層を形成するのは極めて難しいという問題がある。
例えば、強誘電体膜を加熱して結晶化させた後、冷却する際に生じる膜の収縮に起因する応力を抑えるために、強誘電体薄膜を積層した基板中央部を押し込み、この基板を変形させた状態で加熱結晶化することで、この加熱結晶化工程で強誘電体薄膜にかかる膜応力を制御するようにした方法がある(特許文献2)。このような方法によれば、強誘電体薄膜にかかる応力をある程度は制御することができるかもしれない。しかしながら、強誘電体薄膜にかかる応力が膜内で均一となるようにするのは難しい。すなわち、強誘電体薄膜を、膜内で均一となるように加熱するのは難しいという問題がある。
なお、このような問題は、液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子に限られず、例えば、圧力センサ等の他の装置に用いられる圧電素子においても同様に存在する。
特開平9−223830号公報(第4〜6頁) 特開2001−278622号公報(特許請求の範囲等)
本発明は、このような事情に鑑み、圧電体層の圧電特性を向上すると共に比較的容易に均一化することができる圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板の一方面側に下電極膜を形成する工程と、該下電極膜上に複数層の強誘電体膜からなる圧電体層を形成する工程と、該圧電体層上に上電極膜を形成する工程とを有すると共に、前記圧電体層を形成する工程が、前記下電極膜上に強誘電体材料を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、該強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記強誘電体前駆体膜を脱脂する脱脂工程と、前記強誘電体前駆体膜を焼成して強誘電体膜とする焼成工程とを少なくとも含み、前記圧電体層を形成する工程の前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記下電極膜の熱履歴に応じて変化させるようにしたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第1の態様では、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態が実質的に同一となるようにすることができるため、強誘電体膜の結晶性が向上する。よって、圧電性・誘電性等の特性に優れた圧電体層が得られ、圧電素子の変位特性が向上する。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、その後の冷却により当該下電極膜の応力が実質的に元の状態に戻る範囲の温度としたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第2の態様では、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態がより確実に一致する。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記下電極膜の加熱による応力変化の方向が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第3の態様では、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態がより確実に一致する。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記下電極膜がイリジウムを含み、且つ前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、イリジウムからなる膜の加熱による応力変化の方向が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第4の態様では、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態がより確実に一致する。
本発明の第5の態様は、第2〜4の何れかの態様において、前記圧電体層を形成する工程の前に、低酸素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で前記焼成工程よりも前の工程における最高温度以上の温度に前記下電極膜を加熱する加熱工程をさらに具備することを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第5の態様では、乾燥・脱脂工程での加熱温度の選択範囲が広がるため、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態をさらに確実に一致させることができる。
本発明の第6の態様は、第1の態様において、前記圧電体層を形成する工程の前に、低酸素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で前記下電極膜を所定温度に加熱する加熱工程をさらに具備し、且つ前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記加熱工程での加熱温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第6の態様では、乾燥・脱脂工程での加熱温度の選択範囲が広がるため、強誘電体前駆体膜を乾燥・脱脂する工程と、強誘電体前駆体膜を焼成する工程とで、下電極膜の応力状態をさらに確実に一致させることができる。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記焼成工程での加熱温度を、前記下電極膜の加熱による応力変化の方向が引張り方向から圧縮方向に変化する変曲点に対応する温度以上としたことを特徴とする圧電素子の製造方法にある。
かかる第7の態様では、焼成後の下電極膜の応力状態のばらつきを防止することができるため、強誘電体膜の特性が均一化される。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様の製造方法により製造された圧電素子を用いることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第8の態様では、液滴の吐出特性に優れた液体噴射ヘッドを製造することができる。
以下に本発明を一実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びA−A’断面図であり、図3は、圧電素子の層構造を示す概略図である。流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、図示するように、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する封止基板30のリザーバ部32と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
ここで、圧電素子300を構成する下電極膜60は、圧力発生室12の両端部近傍でそれぞれパターニングされ、圧力発生室12の並設方向に沿って連続的に設けられている。また、本実施形態では、各圧力発生室12に対向する領域の下電極膜60の端面は、絶縁体膜55に対して所定角度で傾斜する傾斜面となっている。
また、圧電体層70は、各圧力発生室12毎に独立して設けられ、図3に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料からなる複数層の強誘電体膜71(71a〜71j)で構成され、それらのうちの最下層である第1の強誘電体膜71aは下電極膜60の上面のみに設けられている。そして、この第1の強誘電体膜71aの端面は、下電極膜60の端面に連続する傾斜面となっている。また、この第1の強誘電体膜71a上に形成される第2〜10の強誘電体膜71b〜71jは、第1の強誘電体膜71a上から絶縁体膜55上まで、第1の強誘電体膜71a及び下電極膜60の傾斜した端面を覆って設けられている。
なお、上電極膜80は、圧電体層70と同様に各圧力発生室12毎に独立して設けられている。そして、各上電極膜80には、例えば、金(Au)等からなる絶縁体膜55上まで延設されるリード電極90がそれぞれ接続されている。
また、流路形成基板10上の圧電素子300側の面には、圧電素子300に対向する領域に圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。さらに、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。さらに、封止基板30上には、剛性が低く可撓性を有する材料で形成される封止膜41と金属等の硬質の材料で形成される固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。なお、固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっており、リザーバ100の一方面は封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、外部配線を介して圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このような本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法、特に、圧電素子の形成方法について図4〜図8を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、流路形成基板10となるシリコンウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化して弾性膜50及びマスク膜51を構成する二酸化シリコン膜52を全面に形成する。次いで、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、ジルコニウム(Zr)を約250℃以下の温度でスパッタリングすることによりジルコニウム層を形成し、その後、例えば、850〜1200℃の拡散炉でこのジルコニウム層を熱酸化して酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図4(c)に示すように、絶縁体膜55上に、所定の金属材料からなる下電極膜60を形成する。例えば、本実施形態では、約250℃以下の温度で、白金及びイリジウムをスパッタリングすることによって下電極膜60を形成している。なお、下電極膜60の材料としては、本実施形態のように、イリジウムや白金等を用いるのが好ましい。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、本実施形態のように、圧電体層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いる場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないことが望ましいからである。
次いで、下電極膜60上に圧電体層70を形成する。圧電体層70は、上述したように複数層の強誘電体膜71a〜71jを積層することによって形成され、本実施形態では、これらの強誘電体膜71をいわゆるゾル−ゲル法を用いて形成している。すなわち、金属有機物を触媒に溶解・分散したゾルを塗布乾燥してゲル化させて強誘電体前駆体膜72を形成し、さらにこの強誘電体前駆体膜72を脱脂して有機成分を離脱させた後、焼成して結晶化させることで各強誘電体膜71を得ている。勿論、MOD(有機金属分解)法により強誘電体膜71を形成しても良い。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、下電極膜60上に、チタン又は酸化チタンからなる結晶種(層)65をスパッタ法により形成する。次いで、図5(b)に示すように、例えば、スピンコート法等の塗布法により未結晶化薄膜である第1の強誘電体前駆体膜72aを所定の厚さ、本実施形態では、一層当たりの焼成後の厚みが0.1μm程度になるように形成する。なお、第1の強誘電体前駆体膜72aは、一度の塗布によって約0.15μm程度の厚さで形成される。次いで、この第1の強誘電体前駆体膜72aを所定温度で所定時間乾燥させて溶媒を蒸発させる。第1の強誘電体前駆体膜72aを乾燥させる温度は、例えば、150℃以上200℃以下であることが好ましく、好適には180℃程度である。また、乾燥させる時間は、例えば、5分以上15分以下であることが好ましく、好適には10分程度である。
そして、乾燥した第1の強誘電体前駆体膜72aを所定温度で脱脂する。なお、ここで言う脱脂とは、第1の強誘電体前駆体膜72aの有機成分を酸化させ、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることである。なお、詳しくは後述するが、脱脂時のシリコンウェハ110の加熱温度を、本実施形態では、約400℃以下に設定している。
このように第1の強誘電体前駆体膜72aの脱脂を行った後、シリコンウェハ110を所定の拡散炉に挿入し、第1の強誘電体前駆体膜72aを所定温度、本実施形態では、約700℃で焼成して結晶化することにより第1の強誘電体膜71aを形成している。
本発明では、焼成により第1の強誘電体膜71aを形成する焼成工程よりも前の工程、具体的には、絶縁体膜55上に塗布したゾルを乾燥してゲル化させ第1の強誘電体前駆体膜72aを形成する乾燥工程及び第1の強誘電体前駆体膜72aを脱脂させる脱脂工程での加熱温度を、下電極膜60の熱履歴に応じて変化させるようにしている。具体的には、下電極膜60の応力状態は、下電極膜60がそれまでに加熱された温度によって変化する。そして、この下電極膜60の応力状態は、圧電体層70の結晶性に大きく影響する。例えば、第1の強誘電体前駆体膜72aを形成する際の下電極膜60の応力状態と、第1の強誘電体前駆体膜72aを焼成する際の下電極膜60の応力状態とが異なると第1の強誘電体膜71aの結晶性が低下してしまう虞がある。このため、本発明では、下電極膜60の熱履歴に応じて、上記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を調整するようにした。
ここで、下電極膜60を加熱したときの応力変化について説明する。なお、図9は、到達温度を650℃、700℃として、イリジウム(Ir)及び白金(Pt)を含む本実施形態の下電極膜60を2回ずつ加熱したときの、各加熱時の下電極膜60の応力変化を測定した結果を示すグラフである。
図9に示すように、下電極膜60の応力は、到達温度に拘わらず、実質的に同一変化を示している。1回目の加熱では、下電極膜60の応力は約400℃程度までは単純な熱膨張によって圧縮方向(−方向)に変化する。そして、約400℃を超えると応力緩和が生じ下電極膜60の圧縮応力が減少する。すなわち、下電極膜張60の応力変化の方向(傾き)が、圧縮方向から引張り方向(+方向)に変化する。さらに、加熱温度がおよそ420℃を超えると下電極膜60の圧縮応力は急激に減少する。なお、この下電極膜60の応力解放は、結晶状態の変化、イリジウム層と白金層との間で生じる相互拡散、あるいは応力緩和、あるいは粒成長等の影響によると考えられる。このような下電極膜60の応力緩和は約650℃〜700℃程度で止まり、下電極膜60の応力は熱膨張によって再び圧縮方向に変化する。
その後下電極膜60を冷却すると、下電極膜60の熱膨張による応力が略一定の割合で解放される。したがって、冷却後の下電極膜60の応力は、加熱前の状態には戻らずに引張り応力が強くなる。ただし、下電極膜60の圧縮応力が急激に減少する温度、例えば、本実施形態では、およそ420℃以下の温度に、下電極膜60を加熱し、その後下電極膜60を冷却した場合には、下電極膜60の応力は実質的に加熱前の状態に戻る。また、下電極膜60の応力変化の方向が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度、例えば、本実施形態では、約400℃以下の温度に下電極膜60を加熱し、その後下電極膜60を冷却した場合には、下電極膜60の応力はより確実に加熱前の状態に戻る。
また、1回目の加熱で応力緩和が生じた下電極膜60の応力は、2回目の加熱時には単純な熱膨張のみによって変化する。すなわち、2回目の加熱時には、下電極膜60の応力は、圧縮方向に直線的に変化し、その後の冷却により、増加した圧縮応力が直線的に減少し、冷却後の下電極膜60の応力は実質的に加熱前の状態に戻る。このように、下電極膜60の応力は、1回目の加熱時と2回目の加熱時のように熱履歴の違いによって異なる変化を示す。
そして、このような下電極膜60の熱履歴の違いによる応力変化を考慮して、本実施形態では、第1の強誘電体膜71aを形成する際、焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、その後の冷却により下電極膜60の応力状態が実質的に元の応力状態に戻る範囲の温度以下に設定するようにした。例えば、本実施形態の場合、焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、およそ420℃以下に設定すればよいが、実際には、下電極膜60の加熱による応力変化が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度(約400℃)以下とするようにした。
これにより、第1の強誘電体前駆体膜72aを形成する際の下電極膜60の応力状態と、この第1の強誘電体前駆体膜72aを焼成して第1の強誘電体膜71aを形成する際の下電極膜60の応力状態とが実質的に同一となるため、第1の強誘電体膜71aの結晶性を向上させることができる。また、同一ウェハ内における第1の強誘電体膜71aの結晶性のばらつきを防止することができる。そして、このような結晶性に優れた第1の強誘電体膜71a上に、後述する工程で複数層の強誘電体膜71b〜71jを形成すれば、これら複数層の強誘電体膜71b〜71jの結晶性も向上するため、圧電性・誘電性等の特性に優れた圧電体層70を形成することができる。
なお、このような焼成工程での加熱温度は、下電極膜60の加熱による応力変化の方向が引張り方向から圧縮方向に変化する変曲点に対応する温度、すなわち、下電極膜60の応力緩和が終了する温度以上とするのが好ましい。例えば、本実施形態では、焼成工程での加熱温度は、約650℃以上であるのが好ましく、さらに好ましくは約700℃以上である。
これにより、焼成後の下電極膜60の応力状態を均一にすることができ、第1の強誘電体膜71aの結晶性も均一化することができる。例えば、拡散炉等で複数のウェハを同時に加熱して第1の強誘電体膜71aを形成すると、拡散炉内の各ウェハの位置によって加熱温度にばらつきが生じる場合がある。しかしながら、上述したように焼成工程の加熱温度を設定することで、加熱温度に多少の誤差が生じた場合でも、下電極膜60の応力状態はほぼ同一となり、第1の強誘電体膜71aの結晶性も均一になる。
なお、図9に示した下電極膜60の応力変化を示すグラフは、下電極膜60を構成するイリジウム膜及び白金膜の応力を、それぞれ単膜で測定した結果を重ね合わせて作成したものである。そして、このようなイリジウム膜及び白金膜は、図10に示すように、単膜であっても下電極膜60の場合と同様の応力変化を示す。特に、イリジウム膜の応力緩和量は白金膜と比較して極めて大きく、このイリジウム膜の応力状態が下電極膜60の応力状態に大きく影響すると考えられる。なお、下電極膜60の下側に形成されている酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55は、上述したように比較的高温で熱酸化することで形成されているため、加熱しても単純な熱膨張による応力変化のみを示す。したがって、圧電体層の特性に対する絶縁体膜の応力の影響は少ないと考えられる。
このため、下電極膜60の材料としてイリジウムを用いる場合には、焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、イリジウムの加熱による応力変化が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下、具体的には、約300℃以下とすることで、第1の強誘電体膜71aの結晶性をさらに確実に均一化することができる。
また、本実施形態では、焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、下電極膜60の加熱による応力変化が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下とすることで、下電極膜60の応力状態を均一化するようにしたが、これに限定されず、例えば、塗布工程の前に、5%以下の低酸素雰囲気又は、窒素等の不活性ガス雰囲気で下電極膜60を所定温度に加熱する加熱工程をさらに設けるようにしてもよい。このような加熱工程を設けた場合には、乾燥工程及び脱脂工程等での加熱温度を、この加熱工程での加熱温度以下とすれば、上述したように下電極膜60の応力状態を均一化することができる。また、乾燥工程及び脱脂工程等での加熱温度の選択範囲が広がる。さらに、この加熱工程によって、下電極膜60の常温での応力が好ましい状態となるように調整するようにすれば、第1の強誘電体膜71aの結晶性をさらに向上することもできる。
なお、このように第1の強誘電体膜71aを形成した後は、第1の強誘電体膜71aと下電極膜60とを同時にパターニングしてこれらを所定形状に形成する。具体的には、まず図5(c)に示すように、第1の強誘電体膜71a上にレジストを塗布してマスクを用いて露光し現像することにより所定パターンのレジスト膜200を形成する。ここで、レジストは、例えば、ネガレジストをスピンコート法等により塗布して形成し、レジスト膜200は、その後、所定のマスクを用いて露光・現像・ベークを行うことにより形成する。勿論、ネガレジストの代わりにポジレジストを用いてもよい。また、本実施形態では、レジスト膜200の端面が所定角度で傾斜するように形成している。なお、このレジスト膜200の端面の傾斜角度は、ポストベークの時間、あるいは露光時間等によって調整することができる。例えば、ポストベークの時間が長いほど傾斜角度は小さくなり、露光時間を長くするほど傾斜角度は小さくなる。
そして、図6(a)に示すように、このようなレジスト膜200を介して第1の強誘電体膜71a及び下電極膜60をイオンミリングによってパターニングすると、これら第1の強誘電体膜71a及び下電極膜60と共にレジスト膜200が徐々にエッチングされるため、下電極膜60及び第1の強誘電体膜71aの端面が傾斜面となる。すなわち、下電極膜60及び第1の強誘電体膜71aの端面は、互いに同じ角度傾斜することになる。このように下電極膜60及び第1の強誘電体膜71aの端面を傾斜面とすることで、第1の強誘電体膜71a上に他の強誘電体膜を良好な膜質で形成することができる。
次に、図6(b)に示すように、第1の強誘電体膜71a上を含むシリコンウェハ110の全面に、再び結晶種(層)65Aを形成後、スピンコート法等により強誘電体前駆体膜72bを所定厚さ、本実施形態では、約0.15μmの厚さで形成(塗布)する。そして、この強誘電体前駆体膜72bを乾燥・脱脂・焼成することにより第2の強誘電体膜71bを形成する。
次いで、図6(c)に示すように、この第2の強誘電体膜71b上に第3及び第4の強誘電体膜71c,71dを形成する。すなわち、まず第2の強誘電体膜71b上に、第1の強誘電体前駆体膜72aの場合と同様に、所定の厚さで強誘電体材料を塗布して第3の強誘電体前駆体膜72cを形成し、この第3の強誘電体前駆体膜72cを乾燥・脱脂する。さらに、第3の強誘電体前駆体膜72c上に、強誘電体材料を塗布して第4の強誘電体前駆体膜72dを形成し、それを乾燥・脱脂することで二層の強誘電体前駆体膜72c,72dを形成する。次いで、これら第3及び第4の強誘電体前駆体膜72c,72dを同時に焼成することにより、第3及び第4の強誘電体膜71c,71dとする。
そして、第3及び第4の強誘電体膜71c,71dの場合と同様の工程で、第5〜第10の強誘電体膜71e〜71jを形成する。すなわち、強誘電体材料を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、強誘電体前駆体膜二層の強誘電体前駆体膜を形成し、二層毎に焼成して強誘電体膜とする。これにより、図7(a)に示すように、複数層の強誘電体膜71a〜71jからなり、厚さが約1μmの圧電体層70が形成される。
なお、上述したように、第1の強誘電体膜71aを焼成により形成する際に、下電極膜60も同時に加熱されている。このため、この第1の強誘電体膜71a上に複数層の強誘電体膜71b〜71jを形成する際には、各工程における加熱温度に拘わらず下電極膜60の応力状態は略均一になる。したがって、下電極膜60の応力状態に起因してこれら強誘電体膜71b〜71jの結晶性が低下することはない。
また、このように形成される圧電体層70(強誘電体膜71)の材料として、本実施形態では、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料を用いたが、インクジェット式記録ヘッドに使用する材料としては、良好な変位特性を得られればチタン酸ジルコン酸鉛系の材料に限定されない。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料に、ニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等を用いてもよい。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO(PT)、PbZrO(PZ)、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO(PIN−PT)、Pb(Sc1/3Ta2/3)O−PbTiO(PST−PT)、Pb(Sc1/3Nb2/3)O−PbTiO(PSN−PT)、BiScO−PbTiO(BS−PT)、BiYbO−PbTiO(BY−PT)等が挙げられる。
このように圧電体層70を形成した後は、図7(b)に示すように、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜80を積層形成し、これら圧電体層70及び上電極膜80を各圧力発生室12に対向する領域内にパターニングして圧電素子300を形成する。
その後は、図8(a)に示すように、金(Au)からなる金属層を流路形成基板10の全面に亘って形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介してこの金属層を各圧電素子300毎にパターニングすることによってリード電極90を形成する。そして、このようにして膜形成を行った後、図8(b)に示すように、シリコンウェハ110に封止基板30を接合し、所定形状にパターニングしたマスク膜51を介してシリコンウェハ110をエッチングすることにより圧力発生室12等を形成する。そして、このシリコンウェハ110に、上述したノズルプレート20及びコンプライアンス基板40を接着して一体化した後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによってインクジェット式記録ヘッドが製造される。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、第1及び第2の強誘電体膜71a,71bをそれぞれ形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、第1及び第2の強誘電体前駆体膜72a,72bを形成した後、これら第1及び第2の強誘電体前駆体膜72a,72bを一度に焼成して、第1及び第2の強誘電体膜71a,71bを形成するようにしてもよい。勿論、三層以上の強誘電体前駆体膜を一度に焼成するようにしてもよい。この場合、複数層の強誘電体前駆体膜が同一条件で焼成されて複数層の強誘電体膜が形成されるため、各強誘電体膜の結晶性が確実に均一化され、圧電体層の特性がさらに向上する。
また、上述の実施形態では、圧電素子を具備するインクジェット式記録ヘッドを一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。また、本発明は、液体噴射ヘッドに搭載される圧電素子だけでなく、あらゆる装置に搭載される圧電素子の製造方法にも適用することができることは言うまでもない。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る圧電素子の層構造を示す概略図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 下電極膜の応力変化を示すグラフである。 イリジウム膜、白金膜及び絶縁体膜の応力変化を示すグラフである。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 封止基板、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 71 強誘電体膜、 72 強誘電体前駆体膜、 80 上電極膜、 90 リード電極、 300 圧電素子

Claims (8)

  1. 基板の一方面側に下電極膜を形成する工程と、該下電極膜上に複数層の強誘電体膜からなる圧電体層を形成する工程と、該圧電体層上に上電極膜を形成する工程とを有すると共に、前記圧電体層を形成する工程が、前記下電極膜上に強誘電体材料を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する塗布工程と、該強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記強誘電体前駆体膜を脱脂する脱脂工程と、前記強誘電体前駆体膜を焼成して強誘電体膜とする焼成工程とを少なくとも含み、
    前記圧電体層を形成する工程の前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記下電極膜の熱履歴に応じて変化させるようにしたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  2. 請求項1において、前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、その後の冷却により当該下電極膜の応力が実質的に元の状態に戻る範囲の温度としたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  3. 請求項2において、前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記下電極膜の加熱による応力変化の方向が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  4. 請求項3において、前記下電極膜がイリジウムを含み、且つ前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、イリジウムからなる膜の加熱による応力変化の方向が圧縮方向から引張り方向に変化する変曲点に対応する温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  5. 請求項2〜4の何れかにおいて、前記圧電体層を形成する工程の前に、低酸素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で前記焼成工程よりも前の工程における最高温度以上の温度に前記下電極膜を加熱する加熱工程をさらに具備することを特徴とする圧電素子の製造方法。
  6. 請求項1において、前記圧電体層を形成する工程の前に、低酸素雰囲気又は不活性ガス雰囲気で前記下電極膜を所定温度に加熱する加熱工程をさらに具備し、且つ前記焼成工程よりも前の工程での加熱温度を、前記加熱工程での加熱温度以下としたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記焼成工程での加熱温度を、前記下電極膜の加熱による応力変化の方向が引張り方向から圧縮方向に変化する変曲点に対応する温度以上としたことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れかの製造方法により製造された圧電素子を用いることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008205048A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Seiko Epson Corp 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2011142280A (ja) * 2010-01-09 2011-07-21 Seiko Epson Corp アクチュエーター装置、アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法
CN107053848A (zh) * 2016-02-10 2017-08-18 精工爱普生株式会社 压电元件、压电元件应用设备以及压电元件的制造方法

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