JP2006245041A - 電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性、化成性に優れるとともに、コンデンサの漏れ電流を低減し、さらには電解コンデンサの製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止し、高温条件でも長時間にわたって寿命特性が良好な電解液を提供すること。
【解決手段】 少なくともジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩を電解液の電解質として、電解液の全量の5〜90重量%の範囲で含むように構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は電解コンデンサに関し、さらに詳しく述べると、耐熱性、耐湿性に優れるとともに、漏れ電流の低減と、リード線のフォーミングに基づくストレスを与えた後の漏れ電流の増大の防止と、コンデンサの長寿命化とを実現できる電解コンデンサ駆動用電解液と、それを使用した電解コンデンサに関する。
周知の通り、種々の電気・電子製品やその他の製品において電解コンデンサが広く使用されている。現在使用されている電解コンデンサにはいろいろな種類のものがあり、その一例を示すと、アルミニウム電解コンデンサ、湿式タンタル電解コンデンサなどがある。
例えば、アルミニウム電解コンデンサは一般に、陽極としてアルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、そのアルミニウム箔の表面を陽極酸化して酸化皮膜を形成した陽極箔と表面をエッチングされた陰極箔を使用することによって製造することができる。次いで、得られた陽極箔と陰極箔を対向して配置し、さらにそれらの箔の中間にセパレータ(隔離紙)を介在させて巻回した構造の素子に電解液を含浸する。電解液含浸後の素子をケース(一般にはアルミニウム製)に収容し、弾性封口体で密封して電解コンデンサが完成する。なお電解コンデンサには、このような巻回構造以外のものもある。
近年、電子部品を基板へ搭載して電子製品を製造する時、半田付けに使用される半田の鉛フリー化によって環境保全を図ることが広く行われている。この時問題となっているのが、半田実装時のリフロー温度の上昇である。温度上昇に原因して、すでに基板上に搭載されている電解コンデンサが熱的ダメージを受けたり、あるいは破壊されて使用できなくなるからである。すなわち、電解コンデンサの耐熱性の向上が必要になってきている。
従来、電解コンデンサの電解液としては、γ―ブチロラクトンを主溶媒とし、フタル酸やマレイン酸の3級アミン塩を主溶質とした電解液(特許文献1)や、有機酸のアミジン塩を主溶質とした電解液が使用されてきた。しかし、フタル酸やマレイン酸の3級アミン塩を含む電解液は、耐熱性(熱安定性)に乏しく、リフロー温度が上昇した場合にゴム膨れやケース膨れといった問題を起こし、さらにはコンデンサ素子の変形や電解液の著しい劣化をも引き起こす。
一方、有機酸のアミジン塩を含む電解液を使用した場合には、フタル酸、マレイン酸等の3級アミン塩を使用した場合に比較して耐熱性(熱安定性)を改良することができるけれども、陰極側で強アルカリを生成し、この強アルカリによって封口ゴムの侵食が引き起こされ、電解液が漏れるという不具合が新たに発生する。また、フタル酸やマレイン酸の3級アミン塩の熱安定性を改良するために、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、サリチル酸のホウ素錯体のアミン塩(ボロジサリチル酸アミン塩)を電解質とした電解液も特許文献1において提案されているが、問題点を含んでいる。
電解コンデンサの製造工程においては、電極箔の裁断や引出しリード線の接続等により電極箔の表面にすでに形成されている酸化皮膜の一部が破壊されたり、新たに酸化皮膜の形成されていない部分が露出したりすることがあるので、これらの部分に酸化皮膜をあらたに形成することが必要であり、そのために、エージングを行い、電解コンデンサとしての漏れ電流を低減することが行われている。
しかし、電解液に上記したようなサリチル酸のホウ素錯体のアミン塩が含まれる場合、そのアミン塩は、コンデンサの製造工程において電極箔の裁断や引出しリード線の接続等により酸化皮膜が破壊されたり、電解コンデンサを基板に取り付けるためにリード線部の機械的折り曲げ(リード線のフォーミング)を行ったりした時に、漏れ電流の増大といった特有の問題を引き起こす。電極箔の裁断や引出しリード線の接続、そしてリード線のフォーミングなどは、一般的に「機械的ストレス」と呼ばれている。
電解コンデンサの機械的ストレスによる漏れ電流増大を防ぐためには、電解液の酸化皮膜形成能力、すなわち、電解液の化成性を向上させることが不可欠である。
従来、フタル酸やマレイン酸の3級アミン塩を含む電解液の化成性を向上させるために電解液に水を添加する方法や、レゾルシル酸を添加する方法(特許文献2)が知られているけれども、これらの方法をサリチル酸のホウ素錯体のアミン塩に使用しても、漏れ電流の改善と耐熱性の向上の2点に関して十分な結果を導くに至らなかった。
さらに最近では、アルミニウム電解コンデンサにおいて電解質として用いられるフタル酸の3級アミン塩に由来する電気伝導性及び熱安定性の低下を防止するため、電解質として特定構造のボロジグリコール酸又はその塩を極性非プロトン性溶媒に溶解させてなることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液(特許文献3)が提案されているが、漏れ電流の改善及び寿命特性に関して十分な結果が得られていない。
特開平11−67604号公報(特許請求の範囲、段落0002) 特開昭60−3767号公報(特許請求の範囲) 特開2004−134458号公報(特許請求の範囲、段落0012〜0014)
本発明は、上述のような従来の方法の問題点に鑑みてなされたもので、電子部品や電解コンデンサの実装時のリフロー温度が上昇した場合にも不具合を引き起こさないのに十分な電解液の耐熱性を維持し、化成性を向上させ、コンデンサの漏れ電流を低減し、さらには電解コンデンサの製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止し、高温でも長時間にわたって寿命特性が良好な電解液を提供することを目的とする。
本発明の目的はまた、このような高性能な電解液を備えた電解コンデンサを提供することにある。
本発明の上記した目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、1つの面において、電解液の電解質として、少なくともジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩を電解液の全量に対して5〜90重量%の範囲で含むことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液にある。
また、本発明はそのもう1つの面において、本発明の電解コンデンサ駆動用電解液を含んでなることを特徴とする電解コンデンサにある。
以下の詳細な説明から理解されるように、本発明によれば、十分な耐熱性を有する電解液を得ることができ、従って、この電解液を使用して電子製品を製造する場合に、電子部品や電解コンデンサの実装時のリフロー温度が上昇した場合にも不具合が引き起こされることがない。
また、本発明の電解液は、良好な耐熱性を維持し得るばかりでなく、化成性が良好であり、コンデンサの漏れ電流を低減し、さらには電解コンデンサの製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。
さらに、本発明の電解液は、高温でも長時間にわたって寿命特性が良好であり、電解コンデンサの信頼性を高めるとともに、使用範囲を大きく拡大することができる。
本発明による電解コンデンサ駆動用電解液及び電解コンデンサは、それぞれ、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、下記のものに限定されるわけではないけれども、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、電解質(以下、「溶質」ともいう)と、その電解質を溶解するための有機溶媒とを少なくとも含むように構成される。この電解液は、通常、以下に詳細に説明するように、電解液及びそれを使用した電解コンデンサに要求されている各種の特性を満足させるために、いろいろな添加剤を任意に含有することができる。
電解質を溶解するために使用される有機溶媒は、特に限定されないというものの、ラクトン類の有機溶媒を使用するのが有利である。有機溶媒として好適なラクトン類としては、例えば、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトンなどを挙げることができる。これらのラクトン類は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
必要に応じて、ラクトン類以外の有機溶媒を使用してもよい。本発明の実施に使用できるその他の有機溶媒としては、例えば、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、スルホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート、メチルピロリドン、イミダゾリジノン、ピロリジン、ピロリジノン、メチルピロリジノン、それらの誘導体などを挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施においては特に、ラクトン類に上述のようなスルホラン、メチルスルホラン、プロピレンカーボネートなどやそれらの誘導体(以下、「スルホラン等」という)を加えた混合された有機溶媒を使用してもよい。この種の混合有機溶媒を使用した電解液は、寿命特性と初期の漏れ電流の改善、製造時やフォーミングによるストレスが掛かった時の漏れ電流の改善、そして耐熱性及び低温特性の改善をもたらすからである。
混合有機溶媒において、スルホラン、メチルスルホランまたはそれらの誘導体をラクトン類と組み合わせて使用する場合、所望とする作用や効果に応じてスルホラン、メチルスルホランまたはそれらの誘導体をいろいろな濃度で使用することができる。スルホラン、メチルスルホランまたはそれらの誘導体の混合溶媒中の濃度は、一般的に5〜70重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50重量%の範囲であり、最も好ましくは10〜30重量%の範囲である。スルホラン、メチルスルホランまたはそれらの誘導体の濃度が5重量%を下回ると、寿命特性の向上や漏れ電流の改善が得られなくなり、反対に70重量%を上回ると、低温特性が極端に悪くなる。
プロピレンカーボネートの混合溶媒中の濃度も、同様である。プロピレンカーボネートは、所望とする作用や効果に応じていろいろな濃度で使用することができる。プロピレンカーボネートの混合溶媒中の濃度は、一般的に5〜100重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜90重量%の範囲であり、最も好ましくは20〜80重量%の範囲である。プロピレンカーボネートの濃度が5重量%を下回ると、寿命特性の向上や漏れ電流の改善が得られなくなる。
本発明の電解液では、ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩が電解質として用いられる。本発明の実施において電解質として有利に使用できるジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体としては、以下に列挙されるものに限定されるわけではないけれども、例えば、ボロジシュウ酸、ボロジマロン酸、ボロジコハク酸、ボロジアジピン酸、ボロジマレイン酸、ボロジグリコール酸、ボロジ乳酸、ボロジリンゴ酸、ボロジ酒石酸、ボロジクエン酸、ボロジサリチル酸、ボロジフタル酸、ボロジ(2−ヒドロキシ)イソ酪酸、ボロジマンデル酸、ボロジ(3−ヒドロキシ)プロピオン酸などを挙げることができる。
また、上記のようなホウ素錯体のアミン塩は、いろいろなアミン塩を包含することができる。本発明におけるアミン塩の具体的な例は、以下に列挙されるものに限定されるわけではないけれども、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルアミン等である。
ここで、本発明の実施に使用することのできるジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩について、そのいくつかの具体例を化学式で示すと、次の通りである。
Figure 2006245041
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本発明の電解液において、ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩は、電解液に対していろいろな量で添加することができる。ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の添加量は、通常、電解液全量に対して5〜35重量%の範囲が好適である。ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の添加量をこのような範囲内に調整することによって、初期のコンデンサの漏れ電流を低減させ、製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の添加量は、さらに好ましくは5〜20重量%の範囲である。
一方、寿命特性という面からいうと、電解質の添加量を増やした電解液の方がより長寿命になることがわかっている。よって、寿命特性の向上の面から、ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の添加量は、通常、35〜90重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは40〜90重量%の範囲である。
さらにまた、本発明によれば、上記した組成を有する電解液に対して特に、プロトン系有機溶媒やスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩が添加される。プロトン系有機溶媒及びスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩は、単独で添加されてもよく、2種以上を任意に組み合わせて添加されてもよい。
本発明の実施において、電解液に対する添加剤として有用なプロトン系有機溶媒は、電解液の分野で常用の有機溶媒を包含する。好適なプロトン系有機溶媒の具体的な例は、以下に列挙されるものに限定されるわけではないけれども、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価アルコール類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコール(グリコール)、
グリセリン等の3価アルコールを包含する。これらのプロトン系有機溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機溶媒と、電解質としてのジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩とを含む電解液にこのようなプロトン系有機溶媒を加えることによって、電解コンデンサの初期の漏れ電流を低減させ、電解液の化成性を向上させることができる。また、電解液の化成性が向上することにより、製造時やフォーミングのストレスによって破壊された電極箔の酸化皮膜が迅速に修復されるので、エージング時のコンデンサの漏れ電流を低減でき、製造時のストレスやフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。
プロトン系有機溶媒は、電解液に対していろいろな量で添加することができる。プロトン系有機溶媒の添加量は、通常、電解液の全量に対して2〜60重量%の範囲が好適である。プロトン系有機溶媒の添加量が2重量%を下回ると、初期の漏れ電流の低減やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止する効果が十分でなくなる。反対に、プロトン系有機溶媒の添加量が60重量%を上回ると、電解液の比抵抗が増大したり、寿命特性に対する悪影響が発現したりする。
また、プロトン系有機溶媒の場合と同様に、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩は、電解液に対する添加剤として有用である。スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸の具体的な例は、以下に列挙されるものに限定されるわけではないけれども、スルホサリチル酸、スルホ安息香酸等を包含し、また、かかるカルボン酸の塩の具体的な例は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などを包含する。
このようなスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えることによっても、プロトン系有機溶媒を加えた場合と同様に、コンデンサの初期の漏れ電流を低減させ、電解液の化成性を向上させることができる。また、電解液の化成性が向上することにより、製造時やフォーミングのストレスによって破壊された電極箔の酸化皮膜が迅速に修復されるので、エージング時のコンデンサの漏れ電流を低減でき、製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。さらに、有機塩又は無機酸を加えることによって、高温放置した後の漏れ電流の増大を抑制することができる。
本発明者らの知見によれば、有機溶媒と、ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩を含む電解液に対してプロトン系有機溶媒を加えた場合と、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えた場合とはどちらにおいても満足し得る効果を達成することができるのであるが、両者を比較すると、上述のようなプロトン系有機溶媒を加えた場合よりも、上述のようなスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えた場合のほうが、より大きなメリットがあるであろう。
第一に、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えることによって、エージングにおいて形成される酸化皮膜が良質なものになると考えられる。従って、フォーミング時の機械的ストレスが加えられても、酸化皮膜が損傷を受けにくくなるため、フォーミング後の漏れ電流の増大を防ぐことができる。
第二に、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えた場合、プロトン系有機溶媒を加えた電解液よりも寿命特性が良好である。プロトン系有機溶媒を加えると電解液の特性変化が起きやすくなるが、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩を加えた場合には、そのような不具合は起きないからである。
本発明の電解液において、スルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸またはその塩は、電解液に対していろいろな量で添加することができる。芳香族カルボン酸またはその塩の添加量は、通常、電解液の全量に対して0.1〜5重量%の範囲が好適であり、さらに好ましくは0.2〜4重量%の範囲である。
本発明の電解液は、上記のような必須の添加剤に追加して、有機酸またはその塩及び(又は)無機酸またはその塩を任意に含有することができる。
追加の添加剤として有用な有機酸の具体的な例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、フタル酸、サリチル酸、マレイン酸、クエン酸などを包含し、また、これらの有機酸の塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩、イミダゾリニウム塩などを包含する。かかる有機酸またはその塩は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、有用な無機酸の具体的な例は、以下に列挙されるものに限定されるわけではないけれども、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ホウ酸、スルファミン酸、燐モリブデン酸、アルキル燐酸などを包含し、また、これらの無機酸の塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などを包含する。かかる無機酸またはその塩は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の電解液では、このような有機酸または無機酸あるいはそれらの塩を添加剤として用いることによって、コンデンサの初期の漏れ電流を低減させ、電解液の化成性を向上させることができる。また、電解液の化成性が向上することにより、製造時やフォーミングのストレスによって破壊された電極箔の酸化皮膜が迅速に修復されるので、エージング時のコンデンサの漏れ電流を低減でき、製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。
有機酸またはその塩は、電解液に対していろいろな量で添加することができる。有機酸またはその塩の添加量は、通常、電解液の全量に対して0.1〜25重量%の範囲が好適であり、さらに好ましくは0.5〜15重量%の範囲である。添加量が0.1重量%を下回ると、漏れ電流の低減やフォーミング後の漏れ電流増大を防止する効果が得られない。反対に、添加量が25重量%を上回ると、有機酸またはその塩が電解液に溶解しなかったり、電解液の比抵抗が増大してしまうといった問題が発生する。
無機酸またはその塩も、有機酸またはその塩と同様に、電解液に対していろいろな量で添加することができる。無機酸またはその塩の添加量は、通常、電解液の全量に対して0.05〜5重量%の範囲が好適であり、さらに好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。添加量が0.05重量%を下回ると、漏れ電流の低減やフォーミング後の漏れ電流増大を防止する効果が得られない。反対に、添加量が5重量%を上回ると、無機酸またはその塩が電解液に溶解しなかったり、電解液の比抵抗が増大してしまうといった問題が発生する。
ここで、無機酸もしくはその塩の添加についてさらに説明すると、無機酸のなかでも次亜燐酸、亜燐酸、ホウ酸、スルファミン酸及び燐モリブデン酸を使用した時に、特に大きな効果が得られた。
また、無機酸またはその塩を2種類以上組み合わせて使用すると、初期のコンデンサの漏れ電流をさらに低減させ、電解液の化成性をより一層向上させることができる。例えば、次亜燐酸、ホウ酸は初期の漏れ電流の低減やフォーミング後の漏れ電流増大を防止する効果以外にも、高温で放置した時の漏れ電流の増大を抑制する効果があるので、このような無機酸と例えばスルファミン酸を組み合わせることによって、初期の漏れ電流の低減やフォーミング後の漏れ電流増大を防止する効果が長時間維持することができるといったメリットがある。
本発明の電解液は、上記した有機溶媒に追加して、水の少量を溶媒として含有することができる。水の添加は、本発明の電解液との組み合わせによって、コンデンサの初期の漏れ電流を低減させ、電解液の化成性を向上させることができる。例えば、有機溶媒とジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩を含む電解液にスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸を加えた電解液の場合や、無機酸を添加した電解液の場合、少量の水を添加することで、例えば水分を1重量%や0.5重量%の低濃度で含ませることで、電解液の化成性を向上することができる。本発明の電解液において、水分濃度は、通常、電解液の全量に対して0.1〜2重量%の範囲であり、最も好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。
これに対して、電解液が上述のような添加剤(例えばスルホン酸基をもつ芳香族カルボン酸や無機酸)を含まないような場合には、電解液中に水分が6重量%以上の濃度で含まれない限り、満足のいく化成性を得ることができない。しかしながら、このような電解液を使用した場合、製造時の機械的ストレスやフォーミング後の漏れ電流増大を防止することができるものの、寿命特性を悪くし、コンデンサの耐熱性も悪くするという点に留意しなければならない。
さらに、本発明の電解液には、糖アルコール、ニトロ化合物などの添加剤を必要に応じて添加するのが好ましい。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、2種以上の添加剤を任意に組み合わせて使用してもよい。糖アルコール及びニトロ化合物は、それぞれ、次のようにして有利に使用することができる。
(1)糖アルコール
例えば、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、マンニット、キシリトールなど。これらの糖アルコールは、通常、電解液の全量に対して0.01〜5重量%の範囲で添加するのが好ましい。このような糖アルコールは、初期のコンデンサの漏れ電流を低減させ、電解液の化成性が向上することによる製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができる。また、電解液の寿命特性を良好にする働きを備えている。糖アルコールのさらに好ましい添加量は、0.1〜3重量%の範囲である。糖アルコールが0.01重量%より少ないと、漏れ電流の低減や寿命特性の向上効果が得られない。また、糖アルコールが5重量%を上回ると、電解液の比抵抗が増大してしまう。なお、これらの糖アルコールは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(2)ニトロ化合物
例えば、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロアセトフェノンなど。特にニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸を添加した場合には、高温高湿試験における寿命特性を向上させることができる。このようなニトロ化合物の添加は、リフロー時のガス吸収効果やプリント基板の洗浄剤による腐食を防止する効果もある。これらのニトロ化合物は、通常、電解液の全量に対して0.05〜5重量%の範囲で添加するのが好ましく、最も好ましくは0.5〜3重量%の範囲である。なお、これらのニトロ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらにまた、本発明の電解液は、上記した添加剤の他にも、アルミニウム電解コンデンサあるいはその他の電解コンデンサの分野で常用の添加剤をさらに含有してもよい。適当な常用の添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、水溶性シリコーン、高分子電解質、ポリアクリルアミドなどを挙げることができる。
本発明は、もう1つの面において、本発明による上述のような電解液を駆動用に使用し、電解液及び電解液以外のコンデンサ構成要素(本願明細書では、このような構成要素を「コンデンサ素子」と呼ぶ)を含む電解コンデンサにある。本発明の電解コンデンサは、好ましくは、対向して配置されかつそれぞれ誘電体を有する陽極箔及び陰極箔と、それらの中間に介在せしめられたセパレータ(隔離紙)とから形成されたコンデンサ素子と、本発明の電解液とを含んでなるように構成される。
本発明の電解コンデンサは、さらに好ましくは、アルミニウム電解コンデンサである。本発明のアルミニウム電解コンデンサは、例えば上述のような構成要素を任意に組み合わせて、構築することができる。
本発明の電解コンデンサは、本発明の電解液を駆動源として使用していることから、耐熱性、化成性に優れるとともに、漏れ電流が少なく、さらには電解コンデンサの製造時やフォーミングによる漏れ電流の増大を防止することができ、高温において長時間にわたって寿命特性が良好である。すなわち、本発明の電解コンデンサは、各種の特性に優れていることに加えて、信頼性にも優れている。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、好ましくは、エッチングが施されたアルミニウム箔の表面が陽極酸化された陽極箔と、エッチングが施されたアルミニウム箔から成る陰極箔とを、両者の表面がセパレータを介して対向するように卷回して形成したコンデンサ素子に電解液を含浸した後、ケース内に収容され、かつ前記コンデンサ素子が収容されたケースの開口部が弾性封口体で密封されているように構成される。
図1は、本発明のアルミニウム電解コンデンサの一例を示した断面図であり、また、図2は、図1に示したアルミニウム電解コンデンサのコンデンサ素子を、特に一部を厚さ方向に拡大して示した斜視図である。なお、図示の例は巻回構造を備えたアルミニウム電解コンデンサであるが、本発明の電解コンデンサは、本発明の範囲内においていかなる変更や改良も可能である。例えば、本発明の電解コンデンサは、それを構成している電極箔の両方に酸化膜を有するタイプの電解コンデンサ、表面にコンデンサ特性に有効な作用を及ぼす有機または無機化合物を付与した電極箔や、表面にシランカップリング剤などの機能性物質を付与した電極箔を有するタイプの電解コンデンサであってもよい。また、ここで言うまでもなく、巻回構造以外の電解コンデンサも包含する。
図示のアルミニウム電解コンデンサ10は、電解液を含浸したコンデンサ素子1を金属製のケース4に収納し、さらにケース4の開口部を封口体3で閉塞した構造を有する。また、金属製のケースに収納されたコンデンサ素子1は、巻き取られたシート状積層体20の形をしている。積層体20は、図示のように、表面全体にアルミニウム酸化膜22を有するアルミニウム箔(陽極)21と、アルミニウム箔(陰極)23と、これらの電極の間に挟まれた第1のセパレータ24と、第2のセパレータ25とからなる。第1のセパレータ24と第2のセパレータ25は同一もしくは異なっていてもよい。コンデンサ素子1には電解液が含浸せしめられている。
図1及び図2に示す電解コンデンサは、例えば、次のようにして製造することができる。
最初に、高純度アルミニウム箔を原料として使用して、その表面をエッチングして表面積を増加させた後、そのアルミニウム箔の表面を陽極酸化して酸化皮膜を全面的に施した陽極箔と、表面をエッチングして表面積を増加させた状態の陰極箔を作製する。次いで、得られた陽極箔と陰極箔とを対向して配置し、さらにそれらの箔の中間にセパレータを介在させて積層体となし、この積層体を巻き取った構造の素子、すなわち、コンデンサ素子、を作製する。
引き続いて、得られたコンデンサ素子に電解液を含浸し、そして電解液含浸後のコンデンサ素子を金属製のケースに収納し、そしてケースの開口部を封口体で閉塞する。なお、封口体のリード線貫通孔には2本のリード線を挿入し、電解液の漏れがないように完全に密封する。
ここで補足して説明すると、コンデンサ素子の作製に使用するセパレータは、好ましくは、天然もしくは合成のセルロース材料から製造することができる。かかるセパレータの例は、特に限定されないというものの、天然に産出するセルロース材料、例えばマニラ麻や草木のパルプなどを原料として製造された紙や、合成繊維、例えばレイヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリビニル化合物、アラミド、アクリル、ポリウレタン等の繊維から製造された織布、不織布、シート、フィルムなどがある。また、天然繊維と合成繊維の混抄品、混紡品などの使用も可能である。
コンデンサ素子を収納するケースは、従来一般的に使用されているアルミニウム製のケースであってもよいけれども、より強度にすぐれた金属材料から作製するのが好ましい。適当なケース材料としては、例えば、純度99.0%以上の非熱処理アルミニウム、例えば、非熱処理アルミニウム1100、H22材(1000系)、あるいはアルミニウム合金、特にマンガン(Mn)及び(又は)マグネシウム(Mg)を含むアルミニウム合金、例えば、アルミニウム合金3003、O材又はH22材(3000系)又は3004、O材、を挙げることができる。
本発明の電解コンデンサにおいて用いられる封口体は、その材料の硬度が高くかつ適度のゴム弾性を有し、そして封口体としての気密性が良好である限り、いろいろな常用の材料から形成することができる。適当な封口体材料としては、例えば、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)等の弾性ゴムを挙げることができる。これらの封口ゴムのなかでも、気密性が高く、電解液の透過が少ないので、ブチルゴム(IIR)を使用することが好ましい。特に、より優れた耐熱性を有するIIR、例えば、樹脂加硫IIR、過酸化物加硫IIR等を使用することがさらに好ましい。これらの封口体を使用することで、高いガスバリア特性(気密性)と高硬度特性による封止強度とを同時に達成することができる。さらに機械的ストレスを抑制するために、高硬度のゴムを使用する方法もある。硬度としては、IRHD硬さ試験機によるゴム硬度測定(30秒値)で80(IRHD/M)以上を有する封口ゴムを使用することによって、機械的ストレスがかかりにくくなり、漏れ電流の増大を抑制することができる。
また、本発明の実施に当たっては、上記したような封口体材料に代えて、気密性があり強度も十分に高い樹脂材料板(例えば、PTFE板などのようなフッ素樹脂板)と弾性ゴムを貼り合わせたハイブリッド材料も有利に使用することができる。
さらに、外部接続端子あるいは外部電極端子として使用され、封口体のリード線貫通孔に挿入されるリード線は、鉄、銅、錫、鉛、銀、金、亜鉛、ビスマス、タングステン、ニッケル、チタン、クロムなどのいろいろな金属材料から形成することができる。コンデンサのESRを下げることの目的などから、リード線を銅、銀、鉄、金などの高導電性金属材料から形成するのが有利であり、銅線または銀線から形成するのがとりわけ有利である。さらに化成リードを使用することも効果がある。化成リードを使用することによってコンデンサの漏れ電流を低減できるだけでなく、リード線の化成を燐酸化成あるいはアジピン酸化成で行うことによって、化成性の良い物質をリードタブと電極箔の間に配置できるので、皮膜修復をより短時間で行うことができ、機械的ストレスがかかった場合でも、漏れ電流の増大を防ぐことができる。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
本例では、巻回構造のアルミニウム電解コンデンサを下記の手順に従って製造した。
高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理し、表面に酸化皮膜を形成した。次いで、アルミニウム箔に電極引出し用リードタブを取り付けてアルミニウム陽極箔を作製した。その後、別のアルミニウム箔にもまた電気化学的にエッチング処理を施し、上記と同様の構成の電極引出し用リードタブを取り付けてアルミニウム陰極箔を作製した。続いて、陽極箔と陰極箔間に天然繊維製のセパレータを挟んで巻回することにより、コンデンサ素子を作製した。
次いで、下記の第1表に記載の組成の電解液を調製し、上記のコンデンサ素子に含浸した。なお、本例で使用した電解液は、その30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第1表に記載するように、186Ωcmであった。
電解液の含浸を完了した後、コンデンサ素子を、リード線がケースの外に出るようにして有底アルミニウムケースに収容した。このケースの開口を弾性封口体で密封して、巻回構造のアルミニウム電解コンデンサ(50WV−22μF)を作製した。封口体には、ゴム硬度75(IRHD/M)のブチルゴム(IIR)を使用した。なお、ゴム硬度は、IRHD硬さ試験機(Bareiss社製、型式「digi test」)を用いて国際ゴム硬さM法にて測定した。測定値は、30秒値を用いた。
実施例2〜7
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、電解液の組成を下記の第1表に記載するように変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第1表に記載するような測定値が得られた。
比較例1〜3
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、比較のため、電解液の組成を下記の第1表に記載するように変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第1表に記載するような測定値が得られた。
試験例1
前記実施例1〜7及び比較例1〜3のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、漏れ電流を、(1)初期値及び(2)ストレス適用後の値、すなわち、コンデンサリード線にストレスを加えた後の漏れ電流値、を測定した。なお、ストレスを加える方法として、リード線を封口ゴムに近い部分で直角に曲げて戻す方法を採用した。また、漏れ電流値の測定のため、各コンデンサの定格(V)印加、1分後の値を測定した。下記の第1表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2006245041
上記した第1表に記載の測定結果から理解されるように、本発明の電解液(実施例1〜4はプロトン系有機溶媒を加えた例、実施例5はスルホサリチル酸を加えた例、実施例6は有機酸とスルホサリチル酸を加えた例、実施例7は有機溶媒としてγ−ブチロラクトンとスルホランを加え、スルホサリチル酸を加えた例)は、ストレスを加えた後の漏れ電流値が比較例に比べて低減されていた。特に実施例5〜7のようにスルホサリチル酸、スルホラン等の含硫黄官能基をもつ物質は、漏れ電流の低減効果が大きかった。また、プロトン系有機溶媒のなかでも、エタノール(1価アルコール)の効果が大きかった。
実施例8〜20
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、電解液の組成を下記の第2表に記載するように変更し、かつ電解コンデンサの規格を50WV−22μFから35WV−22μFに変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第2表に記載するような測定値が得られた。
比較例4〜8
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、比較のため、電解液の組成を下記の第2表に記載するように変更し、かつ電解コンデンサの規格を50WV−22μFから35WV−22μFに変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第2表に記載するような測定値が得られた。
試験例2
前記実施例8〜20及び比較例4〜8のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、漏れ電流を(1)初期値及び(2)ストレス適用後の値の両方について前記試験例1に記載の手法に準じて測定した。下記の第2表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 2006245041
Figure 2006245041
上記した第2表に記載の測定結果から理解されるように、本発明の電解液(実施例8はプロトン系有機溶媒を加えた例、実施例9はスルホサリチル酸を加えた例、実施例10はスルファミン酸を加えた例、実施例11は溶質を減らしてプロトン系有機溶媒を加えた例、実施例12は溶質量を減らしてスルホサリチル酸を加えた例、実施例13〜16はスルホサリチル酸と無機酸を加えた例、実施例17〜18は有機溶媒としてγ−ブチロラクトンとスルホランまたはプロピレンカーボンを加えた例、実施例19はスルホサリチル酸と糖アルコールを加えた例、そして実施例20はスルホサリチル酸と有機カルボン酸を加えた例)の場合、漏れ電流の初期値及びストレスを加えた後の両方において漏れ電流が非常に低減されていた。
試験例3
前記実施例11〜13、実施例15〜17及び比較例5〜8のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、漏れ電流を、(1)初期値及び(2)105℃無負荷試験で500時間経過後の値の両方について測定した。下記の第3表に記載するような測定結果が得られた。なお、表中、「容量」及び「Tanδ値」はどちらも、周囲温度25℃、120Hzでの測定値であり、また、漏れ電流値(L.C.)は、定格(35V)1分値の測定値である。
Figure 2006245041
Figure 2006245041
上記した第3表に記載の測定結果から理解されるように、105℃無負荷放置500時間後の漏れ電流値は、比較例5〜8の電解液に比べて、プロトン系有機溶媒の添加(実施例11)、スルホサリチル酸の添加(実施例12)、スルホサリチル酸と無機酸の添加(実施例13、15及び16)、スルホサリチル酸とスルホランの添加(実施例17)を行って調製された本発明の電解液のほうが、低く抑えられていた。特に実施例13、16及び17は、漏れ電流の値が低くなっており、スルホサリチル酸と次亜燐酸の組み合わせ又はスルホサリチル酸とスルホランの組み合わせは特に効果が大きかったことを示している。また、電解液の調製にニトロ化合物を組み合わせて使用した実施例16は、漏れ電流値が比較例5〜8のほぼ1/20になっており、大きな効果が得られたことが明らかである。
実施例21〜24
前記実施例1に記載の手法を繰り返して、それぞれ前記実施例8〜11に対応し、かつ同じ電解液の組成を有する電解コンデンサを作製した。但し、本例の場合、封口ゴムの硬度の違いがストレス後の漏れ電流値に及ぼす影響を評価するため、IIR(樹脂加硫ゴム)を用いて作製した封口ゴムについて、下記の第4表に記載するように、ゴム硬度75(IRHD/M)(実施例8〜11)及び82(IRHD/M)(実施例21〜24)を使い分けた。また、電解コンデンサの規格を50WV−22μFから35WV−22μF(サイズ:φ6.3×5.0L)に変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第4表に記載するような測定値が得られた。
試験例4
前記実施例8〜11及び実施例21〜24のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、漏れ電流を(1)初期値及び(2)試験例1の手法に従いストレスを適用した後の値の両方について測定した。なお、漏れ電流の測定に当って、定格(35V)印加、1分後の値を測定した。下記の第4表に記載するような測定結果が得られた。
Figure 2006245041
上記した第4表に記載の測定結果から理解されるように、実施例8〜11(ゴム硬度80IRHD/M以下のゴムを用いた)の場合、ストレス後の漏れ電流値が少し上昇しているのに比べて、実施例21〜24(ゴム硬度がIRHD/M80以上の封口ゴムを用いた)の場合、ストレス後の漏れ電流値は実施例8〜11に比べて抑制されていた。これは、硬度の高い封口ゴムを用いることによって、機械的ストレスをかけた場合でも、リードタブと電極箔の接続部分までストレスがかかりにくくなり、接続部分の皮膜破壊が抑制されたため漏れ電流の増加が起こらなかったためであると考えられる。通常のゴム硬度でも不具合はないが、ゴム硬度を上げることによって漏れ電流の増大を抑制することができる。
実施例25〜28
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、電解液の組成を下記の第5表に記載するように変更し、かつ電解コンデンサの規格を50WV−22μFから35WV−22μF(サイズ:φ6.3×5.0L)に変更した。また、本例では、未化成リード線(化成処理のされていないアルミニウムリード線)と化成リード線(燐酸アンモニウム又はアジピン酸アンモニウムの化成液中で電圧180Vで化成処理したアルミニウムリード線)というリード線の違いがストレス後の漏れ電流値に及ぼす影響を評価するため、下記の第5表に記載するように、異なるリード線を使用した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第5表に記載するような測定値が得られた。
試験例5
前記実施例25〜28のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、漏れ電流を(1)初期値及び(2)試験例1の手法に従いストレスを適用した後の値の両方について測定した。なお、漏れ電流の測定に当って、定格(35V)印加、1分後の値を測定した。下記の第5表に記載するような測定結果が得られた。
Figure 2006245041
上記した第5表に記載の測定結果から理解されるように、実施例25及び27のように未化成リード線を使用した場合、ストレス後の漏れ電流値が上昇しているが、実施例26及び28のように化成リードを使用した場合、ストレス後の漏れ電流値は未化成リードを使用した場合に比べて抑制されていた。これはアルミニウムタブと電極箔の間にストレスがかかり接続部分の酸化皮膜が破壊されても、化成リードを使用したことによってアルミニウム酸化皮膜の修復速度が上昇し、漏れ電流の増加が起こらなかったためであると考えられる。
実施例29〜32及び対照例1〜2
前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例の場合、電解液中の溶質量を変更させた場合の寿命特性の変化を評価するため、電解液の組成を下記の第6表に記載するように変更し、かつ電解コンデンサの規格を50WV−22μFから6.3WV−100μF(サイズ:φ6.3×6.0L)に変更した。それぞれの電解液について30℃における比抵抗を測定したところ、下記の第6表に記載するような測定値が得られた。
試験例6
前記実施例29〜32及び対照例1〜2のそれぞれにおいて作製した電解コンデンサについて、容量(μF)、Tanδ値(%)及び漏れ電流(μA)を(1)初期値及び(2)125℃負荷試験で1000時間経過後の値の両方について測定した。なお、表中、容量及びTanδ値はどちらも、周囲温度25℃、120Hzの測定値であり、漏れ電流は、定格(6.3V)印加、1分後の測定値である。下記の第6表に記載するような測定結果が得られた。
Figure 2006245041
上記した第6表に記載の測定結果から理解されるように、対照例1及び2の寿命特性は125℃という高温条件において、1000時間後Tanδ値が100%以上になり、特性異常となった。しかし、実施例29〜32の溶質量を増加させた電解液については125℃1000時間後も特性異常とはならなかった。また、溶質量が増加すると初期のTanδ値は上昇するがTanδ値の変化率(初期値と1000時間後の変化率)は溶質量を増加させたほうが抑制されていた。すなわち、電解液中の溶質量を増加させることによってコンデンサの寿命特性を大幅に改善することができる。
本発明による電解コンデンサの一例を示した断面図である。 図1に示した電解コンデンサのコンデンサ素子の構成を分解して示した斜視図である。
符号の説明
1 コンデンサ素子
2 リード線
3 封口体
4 ケース
10 電解コンデンサ
14 カール

Claims (9)

  1. 少なくともジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩を電解液の電解質として、電解液の全量の5〜90重量%の範囲で含むことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
  2. 前記ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体が、ボロジシュウ酸、ボロジマロン酸、ボロジコハク酸、ボロジアジピン酸、ボロジマレイン酸、ボロジグリコール酸、ボロジ乳酸、ボロジリンゴ酸、ボロジ酒石酸、ボロジクエン酸、ボロジサリチル酸、ボロジフタル酸、ボロジ(2−ヒドロキシ)イソ酪酸、ボロジマンデル酸及びボロジ(3−ヒドロキシ)プロピオン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種類のホウ素錯体であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. スルホサリチル酸及び(又は)スルホ安息香酸を添加剤として含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 少なくとも1種類のプロトン系有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  5. フタル酸、マレイン酸、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ホウ酸、スルファミン酸、燐モリブデン酸、アルキル燐酸ならびにそれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩及びアルキルアンモニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  6. 前記ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の濃度が、電解液の全量の5〜20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  7. 前記ジカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の濃度が、電解液の全量の20〜35重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  8. 前記ジカルホン酸またはヒドロキシカルボン酸のホウ素錯体のアミン塩の濃度が、電解液の全量の35〜90重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電解コンデンサ駆動用電解液を含んでなることを特徴とする電解コンデンサ。
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